JP2008063170A - 反応装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比較して製造を容易化するとともに燃料電池を備える発電装置を小型化することができる反応装置を提供する。
【解決手段】反応装置10は基板30,40,50を接合したものである。基板30の下面には、改質器15用の溝30cと一酸化炭素除去器16用の溝30eが凹設され、基板40の上面には、改質器15用の溝40cと一酸化炭素除去器16用の溝40eが凹設されている。基板30と基板40が接合されることで、溝30c,40cが改質器15の流路となり、溝30e,40eが一酸化炭素除去器16の流路となる。基板50の上面には凹部51aが凹設され、凹部51aの底にリブ51b〜51iが立設され、リブ51b〜51iの間が溝52a〜52iとなっている。基板40と基板50が接合されることで、溝52a〜52iや凹部51aが気化器14の流路になる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の基板を積層してこれらを接合した接合体を有する反応装置に関する。
近年、エネルギー変換効率の高いクリーンな電源として燃料電池が注目されるようになり、燃料電池自動車や電化住宅などへの実用化が進められてきている。また、モバイル手段として小型化、高機能化が進められている携帯電話機やノート型パソコンなどにおいても、電源として燃料電池を備えた発電装置を搭載するための研究、開発が進められている。
ここで、燃料電池とは、水素と酸素との電気化学反により電気エネルギーを生成する装置であり、このような燃料電池には、例えば燃料と水との混合気から水素を生成する反応装置が接続されている。この反応装置は、例えば独立して配設された改質器や一酸化炭素除去器を連結パイプ等で連結することで構成されており、気化されたアルコール類やガソリン等の液体燃料と高温の水蒸気とを比較的高温に設定された改質器において改質反応させて水素を取り出すとともに、改質反応の副生成物である一酸化炭素を、比較的低温に設定された一酸化炭素除去器において除去するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、改質器と一酸化炭素除去器を一体化した反応装置が開発されている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、反応装置は複数の基板の接合体からなり、各基板の接合面に溝が形成され、溝の壁面に触媒が担持され、各基板が接合されて溝が基板で蓋されることによって溝が改質器や一酸化炭素除去器の流路となっている。
また、反応装置には、燃料と水を気化した状態で供給しなければならないので、燃料として液体燃料を用いる場合、液体燃料と水を気化させる気化器を備えることが必要となる。
特開2003−48702号公報 特開2005−314207号公報
しかしながら、以上のような反応装置と気化器は独立して配設されていたため、反応装置と気化器を連結パイプ等で連結することが必要であった。このため、反応装置と気化器を別々に有する分、燃料電池を備えた発電装置のサイズが増大し、また、反応装置と気化器を別々に製造する分、それらの製造工程が複雑となり、低コスト化することが難しいという問題があった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、従来と比較して製造を容易化するとともに、燃料電池を備える発電装置を小型化することができる反応装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、反応物の反応を起こす反応装置において、複数の基板が積層されて接合された接合体を有し、前記接合体は、反応物が流れる流路を有する第1の反応器と、前記第1の反応器に対応して形成され、該第1の反応器を加熱する加熱部と、前記加熱部と並置され、液体状の反応物が供給され、前記加熱部よ
り供給された熱量に基づいて前記反応物を加熱して気化し、気化された前記反応物を前記第1の反応器に供給する気化器と、を具備することを特徴とする反応装置である。
請求項2に係わる発明は、請求項1に記載の反応装置において、前記加熱部と前記気化器は、同一基板上に形成されることを特徴とする。
請求項3に係わる発明は、請求項1に記載の反応装置において、前記加熱部は、気体燃料を燃焼させる燃焼器を有することを特徴とする。
請求項4に係わる発明は、請求項1に記載の反応装置において、前記気化器は、前記基板に形成された凹部内に形成され、該凹部内に、一端部から前記液体状の反応物が流れ込み、他端部にメニスカスが形成される複数の溝を有していることを特徴とする。
請求項5に係わる発明は、請求項4に記載の反応装置において、前記複数の溝は、前記加熱部と前記気化器の配列方向に直交する方向に互いに平行に設けられ、前記複数の溝の各々の前記一端部から前記他端部までの長さは、前記加熱部に近づくにつれて順に短く設定されていることを特徴とする。
請求項6に係わる発明は、請求項4に記載の反応装置において、前記複数の溝は、前記凹部の底部に、前記加熱部と前記気化器の配列方向に直交する方向に互いに平行な複数の凸部が立設されて形成されていることを特徴とする。
請求項7に係わる発明は、請求項1に記載の反応装置において、前記反応装置は、更に、反応物が流れる流路を有し、前記第1の反応器と離間して配置される第2の反応器と、複数の流路を有して前記第1の反応器と前記第2の反応器とを連通する連結部と、前記第1の反応器、前記第2の反応器および前記連結部に囲まれた領域に設けられ、前記複数の基板を積層方向に貫通する断熱室と、を有することを特徴とする。
請求項8に係わる発明は、請求項7に記載の反応装置において、前記気化器は、前記加熱部より前記連結部を介して供給された熱量に基づいて、前記反応物を気化することを特徴とする。
請求項9に係わる発明は、請求項7に記載の反応装置において、前記反応装置は、前記第1の反応器および前記第2の反応器に設けられ、該第1の反応器および該第2の反応器を加熱する薄膜ヒータを有することを特徴とする。
請求項10に係わる発明は、請求項7に記載の反応装置において、前記気化器は、前記第2の反応器に対応した位置に形成されることを特徴とする。
請求項11に係わる発明は、請求項7に記載の反応装置において、前記気化器は、前記基板に形成された凹部内に形成され、該凹部内に、一端部から前記液体状の反応物が流れ込み、他端部にメニスカスが形成される複数の溝を有し、前記複数の溝は、前記第1の反応器と前記第2の反応器の配列方向に直交する方向に設けられ、前記複数の溝の各々の長さは、前記断熱室に近づくにつれて順に短く設定されていることを特徴とする。
請求項12に係わる発明は、請求項1に記載の反応装置において、前記第1の反応器は第1の温度に設定され、前記第2の反応部は、前記第1の温度より低い第2の温度に設定され、前記第1の反応部は、反応物として前記気化器によって気化された水と組成に水素原子を含む燃料の混合気体が供給され、該反応物から水素を含むガスを反応生成物として生成する改質器であり、前記第2の反応部は、反応物として前記反応生成物が供給され、
該反応生成物に含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器であることを特徴とする。
請求項13に係わる発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の反応装置において、前記反応装置は、更に、前記第1の反応器、前記第2の反応器、前記連結部、前記断熱室、前記加熱部および前記気化器の全体を覆い、内部空間が大気圧より低い気圧とされる断熱容器を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の基板が積層されて接合された接合体によって、反応器と、該反応器を加熱する加熱部と、加熱部より供給された熱量に基づいて反応物を加熱して気化する気化器とを一体的に形成することができるので、反応装置を小型化することができるとともに、複数の基板を積層することにより簡単に製造することができ、その製造コストを抑えることができる。また、反応器及び加熱部と気化器とを一体化したので、これらに用いる熱源を共通化することができ、熱利用効率を向上させることができる。また、気化器が加熱部と並置されていることにより、加熱部と気化器の間に適度な温度差を生じさせて、気化器における気化動作を良好に行わせることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔反応装置を用いた発電装置〕
図1は、本発明に係わる実施形態の反応装置10を適用した発電装置1のブロック図である。この発電装置1は、例えばノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機器、遊技機、その他の電子機器に備え付けられるものであり、これらの電子機器本体を動作させるための電源として用いられる。
発電装置1は、燃料容器2と、反応装置10と、燃料電池型発電セル5と、を備える。燃料容器2には、燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ブタン、ガソリン)と水が別々に又は混合した状態で貯留されている。図示しないポンプによって燃料と水が混合した状態で反応装置10に供給される。なお、図1では、燃料容器2内の燃料がメタノールであるものとしている。
反応装置10は、例えば250〜400℃の比較的高い温度で動作する高温反応部11と、高温反応部11よりも低い温度(例えば90〜140℃)で動作する低温反応部12とを有する。この反応装置10は、例えば、熱損失低減のために後述する断熱容器13に収納される。高温反応部11は改質器15、燃焼器(加熱部)17及び高温用ヒータ19を有し、低温反応部12は気化器14、一酸化炭素除去器16及び低温用ヒータ18を有する。
燃料容器2から反応装置10に供給される燃料と水は、まず、気化器14に送られる。燃料と水が気化器14により気化され、燃料と水の混合気が改質器15に送られる。改質器15は、気化した水と燃料から水素ガス等を触媒反応により生成し、更に微量ながら一酸化炭素ガスを生成する。燃料がメタノールの場合には、次式(1)、(2)のような化学反応が改質器15で起こる。なお、水素が生成される反応は吸熱反応であって、燃焼器17の燃焼熱や高温用ヒータ19の熱が用いられる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2+CO2→H2O+CO …(2)
改質器15で生成された水素ガス等は一酸化炭素除去器16に送られ、更に外部の空気が一酸化炭素除去器16に送られる。一酸化炭素除去器16は、副生された一酸化炭素を触媒により優先的に酸化させることで、一酸化炭素を選択的に除去する。以下、一酸化炭素を除去した混合気体を改質ガスという。なお、一酸化炭素が酸化する反応は、発熱反応である。
燃料電池型発電セル5は、燃料極20と、酸素極21と、燃料極20と酸素極21との間に挟まされた電解質膜22とから構成される。一酸化炭素除去器16から送られた改質ガスは燃料電池型発電セル5の燃料極20に供給され、更に外部の空気が酸素極21に送られる。そして、燃料極20に供給された改質ガス中の水素が、電解質膜22を介して、酸素極21に供給された空気中の酸素と電気化学反応することによって、燃料極20と酸素極21との間で電力が生じる。燃料極20と酸素極21は負荷(例えば、モータ、DC−DCコンバータ、二次電池等)に接続され、燃料電池型発電セル5で取り出された電力により負荷が動作する。
電解質膜22が水素イオン透過性の電解質膜(例えば、固体高分子電解質膜)の場合には、燃料極20では次式(3)のような反応が起き、燃料極20で生成された水素イオンが電解質膜22を透過し、酸素極21では次式(4)のような反応が起こる。
2→2H++2e- …(3)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(4)
燃料極20で電気化学反応せずに残った水素ガス等が燃焼器17に送られる。更に、外部の空気が燃焼器17に送られる。燃焼器17は、水素ガス(オフガス)と酸素を混合させて触媒反応により燃焼させる。
〔反応装置の具体的構成〕
次に、反応装置10の具体的構成について説明する。図2は本実施形態における反応装置10を示す斜視図であり、図3は本実施形態における反応装置10の接合体を分解した状態を示す分解斜視図であり、図4は図2の切断線IV−IVに沿った面の矢視断面図である。反応装置10は、図2、図3、図4に示すように、基板30、基板40及び基板50を積層してこれらを接合して形成される。各基板30,40,50の接合は、陽極接合により行うことができる。なお、以下の説明では、便宜上、基板30側を上側、基板50側を下側として説明し、基板30を上基板30と称し、基板40を中基板40といい、基板50を下基板50という。
基板30,40,50は、本実施の形態ではガラス製の基板であり、より詳細には、可動イオンとなるNaやLiを含有したガラス基板である。このようなガラス基板としては、耐熱性ガラス、例えばパイレックス(登録商標)基板を使用することができる。
これらの基板30,40,50の接合体の略中央部には断熱室61が接合体の上面から下面に貫通している。基板30,40,50の接合体のうち、断熱室61よりも図4において左側の部分が高温反応部11であり、断熱室61よりも右側の部分が低温反応部12であり、高温反応部11と低温反応部12との間に連結部62及び連結部63が設けられている。すなわち、断熱室61は高温反応部11、低温反応部12、連結部62及び連結部63によって囲まれている。
基板30,40,50の接合体の長手方向の側面には、酸素導入口64が形成されている。基板30,40,50の接合体の、図4における右側面には、水素ガス導入口65、液体燃料導入口66、酸素導入口67、生成物排出口68及び排ガス口69が形成されている。
上基板30の両面のうち中基板40との接合面(下面)には溝が凹部として形成され、中基板40の両面のうち上基板30との接合面(上面)には、上基板30の下面に形成される溝に対応する溝が凹部として形成され、上基板30と中基板40を接合することによって溝が改質器15や一酸化炭素除去器16の流路となる。下基板50の両面のうち中基板40との接合面(上面)には溝が凹部として形成され、中基板40と下基板50を接合することによって下基板50の上面に形成される溝が中基板40の下面により蓋をされて、気化器14や燃焼器17の流路になる。以下、図5〜図7を用いて基板30,40,50について説明する。ここで、図5は図4の切断線V−Vに沿った面の矢視断面図であり、図6は図4の切断線VI−VIに沿った面の矢視断面図であり、図7は図4の切断線VII−VIIに沿った面の矢視断面図である。なお、図5〜図7に示された切断線IV−IVに沿った面の矢視断面図が図4に対応する。また、便宜上、図5〜図7における図面上の左右を各基板の左右とし、図面の上下を各基板の前後とする。
〔上基板〕
図5に示すように、上基板30は全体として略矩形状に形成され、上基板30の左前の角部が切り落とされている。上基板30の略中央部には矩形状の貫通孔30aが形成されている。貫通孔30aは断熱室61の一部を形成する。
上基板30の中基板40との接合面(上基板30の下面)には溝30b〜溝30fが凹部として形成されている。L字状の溝30bが上基板30の低温反応部12から連結部62を経由して高温反応部11にかけて形成され、葛折り状の溝30cが上基板30の高温反応部11に形成され、溝30bと溝30cが通じている。溝30dが上基板30の連結部63に形成され、溝30dと溝30cが通じている。葛折り状の溝30eが上基板30の低温反応部12に形成され、溝30eの一端が溝30dに通じ、溝30eの他端が上基板30の右縁まで至る。溝30fが低温反応部12に形成され、溝30fの一端が溝30dと溝30eの合流部に通じ、溝30fの他端が上基板30の右縁まで至る。
図5に示すように、凹部30g〜30jが上基板30の低温反応部12側の端面側に形成されている。溝30e及び溝30fの端部並びに凹部30g〜30iは上基板30の右前角部の近傍に集まって形成されており、溝30e及び溝30fの端部並びに凹部30h〜30jは上基板30の右側の端面に形成され、凹部30gはその右前角部を挟んだ隣りの側面に形成されている。
〔中基板〕
図6に示すように、中基板40は全体として略矩形状に形成されている。中基板40の略中央部には矩形状の貫通孔40aが形成されている。この貫通孔40aは上基板30と中基板40の接合面に関して上基板30の貫通孔30aの面対称となっており、貫通孔40aは断熱室61の一部を形成する。
中基板40の上基板30との接合面(中基板40の上面)には、溝40b〜溝40fが凹部として形成されている。上基板30と中基板40の接合面に関して、溝40bが溝30bに、溝40cが溝30cに、溝40dが溝30dに、溝40eが溝30eに、溝40fが溝30fにそれぞれ面対称になっており、溝40c及び溝40eは葛折り状の形状を有している。但し、溝40fの端部は中基板40の右側の端面まで至らず、中基板40の右側の端面に形成された切欠き40kの近傍に溝40fの端部があり、溝40eの端部は中基板40の右側の端面まで至らず、中基板40の右側の端面に形成された切欠き40mの近傍に溝40eの端部がある。ここで、切欠き40kは、上基板30と中基板40の接合面に関して、溝30fの端部の面対称の位置にあり、切欠き40mは、溝30eの端部の面対称の位置にある。また、溝40bの端部の底には貫通孔40rが形成され、その貫通孔40rが中基板40の反対面(下面)まで貫通している。
切欠き40g〜40jが中基板40の低温反応部12側の端面に形成されている。切欠き40g,40h,40i,40k,40mは中基板40の右前角部の近傍に集まって形成されており、切欠き40h,40i,40j,40k,40mは中基板40の右側の端面に形成され、切欠き40gはその右前角部を挟んだ隣りの端面に形成されている。
また、中基板40の上基板30との接合面(中基板40の上面)には、凹部40n,40p,40qが形成されている。凹部40p,40qは溝40cよりも左側にあり、凹部40p,40qは溝40cに通じているとともにスリット78、79を介して中基板40の左側の端部まで至っている。凹部40nは溝40eよりも右側にあり、凹部40nは溝40eに通じているとともにスリット80、81を介して中基板40の右側の端部まで至っている。
〔下基板〕
図7に示すように、下基板50は全体として略矩形状に形成され、下基板50の左後ろの角部が切り落とされている。下基板50の略中央部には矩形状の貫通孔50aが形成されている。この貫通孔50aは中基板40と下基板50の接合面に関して中基板40の貫通孔40aの面対称となっており、貫通孔50aは断熱室61の一部を形成する。
下基板50の中基板40との接合面(下基板50の上面)には、溝50b〜50eが凹部として形成されている。中基板40と下基板50の接合面に関して、溝50cが溝40cに面対称になっている。溝50bは下基板50の右側の端面から連結部62を経由して高温反応部11にかけて形成され、溝50bと溝50cが通じている。溝50bの端部は、中基板40と下基板50の接合面に関して、切欠き40jの面対称の位置にある。溝50dは下基板50の右側の端面から連結部63を経由して高温反応部11にかけて形成され、溝50dと溝50cが通じている。溝50dの端部は、中基板40と下基板50の接合面に関して、切欠き40hの面対称の位置にある。溝50eは溝50dに通じ、更に溝50eは下基板50の前側の端面に至っている。溝50eは、中基板40と下基板50の接合面に関して、切欠き40gの面対称の位置にある。
また、中基板40との接合面には、略矩形状の凹部51aが形成されている。この凹部51aは下基板50の低温反応部12に対応する位置あり、凹部51aの左後ろの角部は、中基板40と下基板50の接合面に関して、中基板40の貫通孔40rと面対称の位置にある。また、凹部51aは、中基板40の溝40eに重なる位置にある。
凹部51aの底にはリブ(凸部)51b〜51iが立設され、リブ51b〜51iの高さは凹部51aの深さに等しいか又はその深さよりも小さい。リブ51b〜51iは互いに平行となっているとともに、凹部51aの左右の壁面に対して平行になっている。最も右にあるリブ51bは、凹部51aの右の壁面から離れており、最も左にあるリブ51iは、凹部51aの左の壁面から離れている。
また、リブ51b〜51iの前端は凹部51aの前側の壁面から離れており、リブ51b〜51iの前端は互いに揃った位置にあり、リブ51b〜51iから凹部51aの前側の壁面までの距離が何れも等しい。リブ51b〜51iは右から左へ配列され、リブ51b〜51iの前後方向の長さが、リブ51b〜51iの順に短くなっている。
このようなリブ51b〜51iが配列されることによって、これらの間に溝52b〜52hが形成され、リブ51bと凹部51aの右壁面の間に溝52aが形成され、リブ51iと凹部51aの左側面の間に溝52iが形成されている。溝52a〜52iはこれらの順に右から左へ配列されている。そして、リブ51b〜51iの前後方向の長さが上述のように順に短くなるように設定されているので、溝52a〜52iの前後方向の長さも順に短くなっており、溝52aの前後方向の長さが最も長く、溝52iの前後方向の長さが最も短くなっている。
ここで、溝52a〜52iの幅は、例えば25〜30μmであり、凹部51a及び溝52a〜52iの深さは、例えば25〜30μmあるいは120〜150μmである。
また、下基板50の中基板40との接合面(上面)には、溝50fが凹部として形成されている。この溝50fの一端部凹部51aの右前の角部に通じ、溝50fの他端部が下基板50の右側の端面に至り、この他端部が中基板40と下基板50の接合面に関して、中基板40の切欠き40iの面対称の位置にある。
凹部50g〜50hが下基板50の右側の端面に形成されている。凹部50gは、中基板54と下基板50の接合面に関して、切欠き40kの面対称の位置にあり、凹部50hは、切欠き40mの面対称の位置にある。
〔ヒータ〕
図4、図6に示すように、溝40cの底には、葛折り状の溝40cの形状に沿って葛折り状の形状を有する高温用ヒータ19が形成されている。高温用ヒータ19の一端部が凹部40pの底にあり、高温用ヒータ19の他端部が凹部40qの底にあり、高温用ヒータ19の一端部から他端部にかけては交差せずに溝40cの底に張り巡らされている。この高温用ヒータ19は例えば金といった電熱材(電気抵抗材)を蛇行した形状にパターニングしたものである。高温用ヒータ19はその温度に依存してその電気抵抗が変化する特性を持ち、高温用ヒータ19が電気抵抗値から温度を読み取る温度センサとしても機能する。この高温用ヒータ19はSiO2等の絶縁膜71によって被覆されている。
図4、図6に示すように、溝40eの底には、葛折り状の溝40eの形状に沿って葛折り状の形状を有する低温用ヒータ18が形成されている。低温用ヒータ18の両端部が凹部40nの底にあり、低温用ヒータ18の一端部から他端部にかけては交差せずに溝40eの底に張り巡らされている。この低温用ヒータ18は例えば金といった電熱材(電気抵抗材)を蛇行した形状にパターニングしたものである。低温用ヒータ18も電気抵抗値から温度を読み取る温度センサとしても機能する。低温用ヒータ18がSiO2等の絶縁膜70によって被覆されている。
〔配線〕
図2、図6に示すように、高温用ヒータ19の両端部にはリード線74,75がそれぞれ接続されており、低温用ヒータ18の両端部にはリード線76,77がそれぞれ接続されている。リード線74〜77はそれぞれの凹部40p,40q,40nのスリットを通って外部に導き出されており、それらスリットが充填材78,79,80,81によってそれぞれ閉塞されている。
〔陽極接合のための金属膜〕
図6に示すように、中基板40の上面(溝等が形成された部分を除く。)及び下面には、タンタル等の陽極接合用の金属膜72,73がそれぞれ成膜されている。金属膜72は上基板30と中基板40の間に介在し、この金属膜72を介して上基板30と中基板40とが陽極接合される。金属膜73は中基板40と下基板50の間に介在し、この金属膜73を介して中基板40と下基板50とが陽極接合される。
〔改質器の触媒〕
図4に示すように、溝30cの壁面には改質用触媒82が形成され、溝40cの壁面にも改質用触媒83が形成されている。改質用触媒82,83は、例えばアルミナ等を担体として触媒成分(例えば、燃料がメタノールの場合、Cu/ZnO系触媒)を担持したものである。
〔改質器等の流路〕
上基板30の溝30cと中基板40の溝40cが重なるようにして、上基板30と中基板40が接合されることで、溝30c及び溝40cが改質器15の流路を形成する。また
、溝30bと溝40bが重なることで、溝30b及び溝40bが流路を形成し、この流路は気化器14から改質器15に通じる流路である。溝30dと溝40dが重なるようにして、上基板30と中基板40が接合されることで、溝30d及び溝40dが流路を形成し、この流路は改質器15から一酸化炭素除去器16に通じる流路である。
〔一酸化炭素除去器の触媒〕
図4に示すように、溝30eの壁面には選択酸化用触媒84が形成され、溝40eの壁面にも選択酸化用触媒85が形成されている。選択酸化用触媒84,85は、例えばアルミナ等を担体として触媒成分(例えば、白金)を担持したものである。
〔一酸化炭素除去器等の流路〕
溝30eと溝40eが重なるようにして、上基板30と中基板40が接合されることで、溝30e及び溝40eが一酸化炭素除去器16の流路を形成する。溝30eの端部、切欠き40m及びと凹部50hが重なり、これらが生成物排出口68を形成する。生成物排出口68には図示しない配管が嵌め込まれて外部に延出される。
また、溝30fと溝40fが重なることで、溝30f及び溝40fが反応装置10の外部から一酸化炭素除去器16に通じる流路を形成する。また、基板30,40,50が接合されると、溝30fの端部と切欠き40kと凹部50gが重なり、これらが酸素導入口67を形成する。酸素導入口67には図示しない配管が嵌め込まれて外部に延出される。〔燃焼器の触媒〕
図4に示すように、溝50cの壁面には燃焼用触媒86が形成されている。燃焼用触媒86は、アルミナ等を担体として触媒成分(例えば、白金)を担持したものである。
〔燃焼器の流路〕
中基板40と下基板50が接合されることで、溝50cが中基板40の下面によって塞がれ、溝50cが燃焼器17の流路を形成する。中基板40と下基板50の接合により、溝50dが外部から燃焼器17に通じる流路を形成し、溝50dがその流路に合流する流路を形成し、溝50bが外部から燃焼器17に通じる流路を形成する。溝50eの端部と切欠き40gと凹部30gが重なり、これらが酸素導入口64を形成する。溝50dの端部と切欠き40hと凹部30hが重なり、これらが水素ガス導入口65を形成する。溝50bの端部と切欠き40jと凹部30jが重なり、これらが排ガス口69を形成する。酸素導入口64、水素ガス導入口65、排ガス口69にはそれぞれ図示しない配管が嵌め込まれて外部に延出される。
〔気化器等の流路〕
中基板40と下基板50が接合されることで、凹部51aや溝52a〜52hが中基板40の下面によって塞がれ、凹部51aや溝52a〜52hが気化器14の流路を形成する。凹部51aの左後ろ角部が中基板40の貫通孔40rに重なり、凹部51aが溝30b及び溝40bによる流路に通じる。また、中基板40と下基板50の接合により、溝50fが外部から気化器14に通じる流路を形成する。溝50fの端部と切欠き40iと凹部30iが重なり、これらが液体燃料導入口66を形成する。液体燃料導入口66にはそれぞれ図示しない配管が嵌め込まれて外部に延出される。
〔反応装置の製造方法〕
反応装置10の製造方法の概要の一例について説明する。
まず、矩形状をなし表裏面が平坦かつ互いに平行なガラス基板を3枚準備する。次いで、各ガラス基板から上基板30、中基板40、下基板50を製造する。具体的には、上基板30形成用のガラス基板を洗浄し、上基板30の下面となる面にドライフィルムを貼り付け、そのドライフィルムをフォトリソグラフィー法によりパターニングし、残留したドライフィルムをマスクとして、微細紛を含んだ圧縮エアーを吹き付けてサンドブラストを行う。このようなサンドブラスト法により、貫通孔30a、溝30b〜30e及び凹部30g〜30jをガラス基板上に加工して形成する。その後、剥離液によりドライフィルムを剥離し、洗浄し、ダイサーにより所望の形状に切り出すことにより上基板30を形成する。
次に、中基板40形成用のガラス基板を洗浄し、ガラス基板の上面及び下面にタンタル等の陽極接合用の金属膜72,73をスパッタにより成膜する。次いで、中基板40の上面となる面にドライフィルムを貼り付け、そのドライフィルムをフォトリソグラフィー法によりパターニングする。残留したドライフィルムをマスクとしてサンドブラスト法を行うことによって、貫通孔40a、溝40b〜40e、凹部40n,40p,40q、切欠き40g〜40j及び貫通孔40rをガラス基板に加工して形成し、その後ドライフィルムを剥離液により除去する。次に、気相成長法(例えば、スパッタリング法、蒸着法)、フォトレジストリー法、エッチング法を経て、低温用ヒータ18、高温用ヒータ19及び金属膜72をパターニングする。そして、低温用ヒータ18及び高温用ヒータ19(但し、両端部を除く。)を被覆するように絶縁膜70,72を形成してパターニングする。次に、ダイサーにより所望の形状に切り出すことにより中基板40を形成する。
次に、下基板50形成用のガラス基板を洗浄し、下基板50の上面となる面にドライフィルムを貼り付け、そのドライフィルムをフォトリソグラフィー法によりパターニングする。残留したドライフィルムをマスクとしてサンドブラスト法を行うことによって、貫通孔50a、溝50b〜50e及び凹部50g〜50hをガラス基板に加工して形成し、ドライフィルムを剥離液により除去する。次に、凹部51aに対応する部分以外をドライフィルムでマスクし、例えばイオンエッチング法(例えば、高速加工レートで微細加工を行えるDEEP RIE法)、機械切削法(例えば、先端部が直径約2μm程の超硬合金製マイクロツールを備えたマイクロツール加工機を用いて深掘加工できるマイクロツール加工法)又はレーザ法(例えば、加工の際に溝の幅は不変であって、走査回数を増やすのみで深さ方向の加工が可能なフェムトム秒レーザ法)により加工し、凹部51a、溝52a〜52iを形成する。その後剥離液によりドライフィルムを剥離し、洗浄し、ダイサーにより所望の形状に切り出すことにより下基板50を形成する。
次いで、上基板30の溝30c,30e,中基板40の溝40c,40e,下基板50の溝50cにアルミナゾルを塗布した後、溝30c及び40cには改質用触媒82,83の触媒成分を例えばウォッシュコート法により担持させ、溝30e及び溝40eには選択酸化用触媒84,85の触媒成分を担持させ、溝50cには燃焼用触媒86の触媒成分を担持させる。
次いで、中基板40の高温用ヒータ19の両端部にリード線74,75をそれぞれボンディングし、低温用ヒータ18の両端部にリード線76,77をそれぞれボンディングする。
次に、上基板30側を陰極とし、陽極接合用の金属膜72を陽極として、上基板30及び中基板40の全体を250〜500℃に加熱し、上基板30を中基板40に陽極接合する。次に、下基板50側を陰極とし、陽極接合用の金属膜73を陽極として、下基板50及び中基板40の全体を250〜500℃に加熱し、下基板50を中基板40に陽極接合する。ここで、上基板30の左前角部や下基板50の左後ろ角部が切り落とされているので、電極を金属膜72や金属膜73に接して、金属膜72や金属膜73を陽極として電圧を印加することができる。
次に、リード線74〜77が中基板40を貫通した箇所を低融点ガラスで封止する。そして、酸素導入口64、水素ガス導入口65、液体燃料導入口66、酸素導入口67、生成物排出口68及び排ガス口69にそれぞれ配管を嵌め込む。これにより反応装置10が製造される。
以上のように、基板30,40,50を接合すれば改質器15、一酸化炭素除去器16、燃焼器17及び気化器14を構成することができるので、反応装置10を簡単に製造することができ、その製造コストを抑えることができる。
[断熱容器]
次に、本実施形態における反応装置10の熱損失を低減するための構成について説明する。図9は、本実施形態における反応装置10を断熱容器13に収納した状態の図4に対応する縦断面図である。この場合、断熱容器13内を真空排気して内部空間を大気圧より低い気圧とすることにより、真空断熱構造を形成する。図9に示すように、水素ガス導入口65、液体燃料導入口66、酸素導入口67、生成物排出口68及び排ガス口69に内部に配管部を有する接続部材90が嵌め込まれ、その接続部材90が断熱容器13を貫通して、配管部が断熱容器13の外に延出している。また、リード線74〜77は断熱容器13を貫通して断熱容器13の外に導き出される。
なお、上記においては、反応装置10、接続部材90、断熱容器13を、それぞれ別部材として組み合わせる構成としたが、例えば、これら全てをガラス基板により一体的に形成するようにしてもよい。
〔反応装置の動作〕
次に、反応装置10の動作について説明する。図8は、本実施形態における気化器14の動作を説明するための図であり、図7に示す下基板50の上面図の一部を拡大して示した図である。まず、低温用ヒータ18及び高温用ヒータ19によって反応装置10が加熱されている状態で、燃料容器2の水と燃料が液体燃料導入口66から溝50fに供給されると、図8に示すように、液体燃料と水の混合液が凹部51aに流れ込み、溝52a〜52iの前端側から後端側に向けて流れる。そして、溝52a〜52iの後端部寄りで混合液が気化される。各溝52a〜52iの後端部においては、凹状メニスカス99が形成されるために、単位体積当たりの混合液の表面積が増大するので、混合液の気相との界面面積が増大し混合液は気化されやすくなる。したがって、溝52a〜52iに流入した混合液が気化する際に、特に凹状メニスカス99のうち周縁部のインターライン領域98において速い気化速度で安定した気化が生じる。そのため、気化器14内での突沸を抑えることができ、気化された燃料と水の混合気の圧力変動を抑えることができる。
ここで、本実施形態においては、上述のように、気化器14の凹部51aにおけるリブ51b〜51iの前後方向の長さがリブ51b〜51iの順に短くされて、溝52a〜52iの前後方向の長さが溝52a〜52iの順に短くされている理由について説明する。反応装置10において、高温反応部11は例えば250〜400℃の温度に設定され、この温度が主に連結部62及び連結部63を介して低温反応部12に熱伝導する。一方、燃料容器2から供給される水と燃料はほぼ常温であり、この水と燃料が供給される液体燃料導入口66は反応装置10の右前側に設けられている。また、酸素導入口64、水素ガス導入口65、酸素導入口67も反応装置10の右前角部近傍に集まっているので、低温反応部12には温度勾配が生じている。すなわち、凹部51aにおける、高温反応部11に近接し、連結部62に近接した側(図8における凹部51aの左前側)の温度が最も高く、高温反応部11から離れ、液体燃料導入口66が設けられた側(図8における凹部51aの右後側)の温度が最も低くなっている。このため、仮に各リブ51b〜51iの前後方向の長さを均一として、各溝52a〜52iの前後方向の長さを均一とした場合、各溝52a〜52iの後端部における温度が均一でなくなり、混合液の気化に適した温度より高くなると突沸が生じ、気化された燃料と水の混合気に圧力変動が生じてしまうことになる。そこで、低温反応部12における温度勾配に合わせて、各溝52a〜52iの後端部における温度が混合液の気化に適した適正な温度になるようにして、突沸が発生しないようにするために、各溝52a〜52iの前後方向の長さを変えて、各溝52a〜52iの後端部が均一な温度になり、各溝52a〜52iの後端部で凹状メニスカスが均一に形成されるようにしているのである。なお、図7、図8においては、各リブ51b〜51iの前後方向の長さを一定の比率で順に短くする形態としたが、これに限るものではなく、低温反応部12に生じる温度勾配(温度分布)に合わせて適宜設定することが好ましい。
気化器14の凹部51aにおいて気化された混合気が貫通孔40r、溝30b,40bを通って改質器15の溝30c、40cに送られる。混合気が溝30c,40cを流動している時に、触媒反応により改質され、水素、二酸化炭素、一酸化炭素等が生成される(メタノールの場合、化学反応式(1)、(2)参照。)。
溝30c,40cで生成された水素等は溝30d,40dを通って一酸化炭素除去器16の溝30e,40eに送られる。また、外部の空気が酸素導入口67へ供給されて、溝30f,40fを通って溝30e,40eに送られる。そして、水素等と空気が混合されて溝30e,40eを流動し、一酸化炭素が優先的に酸化されて除去される。一酸化炭素が除去された改質ガスが生成物排出口68から排出されて、燃料電池型発電セル5の燃料極20に供給される。
燃料極20で電気化学反応せずに残った水素ガス等が水素ガス導入口65に導入され、溝50dを通って溝50cに送られる。また、外部の空気が酸素導入口64へ供給されて、溝50dを通って溝50cに送られる。そして、水素等と空気の混合気が溝50cを流動し、水素が燃焼する。生成された排ガスが溝50bを通って排ガス口69から排出される。
以上のように燃料と水が反応装置10に供給され続けると、燃焼器17の燃焼熱によって高温反応部11と低温反応部12が加熱される。燃焼器17の燃焼熱は連結部62及び連結部63を通じて低温反応部12に伝熱し、高温反応部11と低温反応部12の間で温度差が生じる。ここで、低温反応部12と高温反応部11の間に断熱室61が形成され、熱伝導の経路が連結部62と連結部63に限られているので、低温反応部12と高温反応部11の温度差を大きくすることができ、低温反応部12及び高温反応部11を所望の温度で動作させることができる。低温反応部12が所望の温度(90〜140℃)を超えたら、低温用ヒータ18を止め、高温反応部11が所望の温度(250〜400℃)を越えたら、高温用ヒータ19を止める。
この反応装置10においては、改質器15、一酸化炭素除去器16及び燃焼器17の流路に加えて気化器14の流路も基板30,40,50の接合体に設けられている。そのため、反応装置10を用いた発電装置1全体を小型化することができる。
また、低温用ヒータ18、高温用ヒータ19及び燃焼器17の熱源を改質器15、一酸化炭素除去器16の反応だけでなく、気化器14における気化に用いられるので、エネルギー利用効率が向上する。そのうえ、一酸化炭素除去器16における水素の選択酸化反応が発熱反応であり、一酸化炭素除去器16の溝30e,40eに気化器14の凹部51aが重なっているので、水素の選択酸化反応の熱が気化器14における気化に有効に用いられる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
上記実施形態では、低温用ヒータ18が溝30eの底にパターニングされているが、低温用ヒータ18を中基板40の下面にパターニングして形成して、気化器14の凹部51aに露出するようにしてもよい。この場合、リブ51b〜51iの高さを低温用ヒータ18の厚みの分だけ低くすると、中基板40と下基板50の密着性が向上する。
また、上記実施形態では連結部62と連結部63の断面積をほぼ等しくしたが、連結部62の断面積を連結部63の断面積よりも大きくしてもよい。この場合、連結部62が連結部63よりも熱伝導し易くなる。そのため、凹部51aの左後側の高温側の温度をより高くするとともに、その温度をより安定させることができる。これにより、各溝52a〜52iの後端部における凹状メニスカスの形成をより安定させて、気化器14における気化動作をより安定させることができる。
また、連結部62の外周面に金属膜を成膜して、連結部63の外周面には金属膜を成膜せず、連結部62における熱伝導を連結部63よりも良好として、上記と同様に、凹部51aの左後側の高温側の温度をより高くするとともに、その温度をより安定させ、これにより、各溝52a〜52iの後端部における凹状メニスカスの形成をより安定させて、気化器14における気化動作をより安定させるようにしてもよい。
本発明に係わる実施形態の反応装置を適用した発電装置のブロック図である。 本実施形態における反応装置を示す斜視図である。 本実施形態における反応装置の接合体を分解した状態を示す分解斜視図である。 図2の切断線IV−IVに沿った面の矢視断面図である。 図4の切断線V−Vに沿った面の矢視断面図である。 図4の切断線VI−VIに沿った面の矢視断面図である。 図4の切断線VII−VIIに沿った面の矢視断面図である。 本実施形態における気化器の動作を説明するための図であり、図7に示す断面図の一部を拡大して示した図である。 本実施形態における反応装置を断熱容器に収納した状態の縦断面図である。
符号の説明
10 反応装置
14 気化器
15 改質器
16 一酸化炭素除去器
17 燃焼器
30c,40c 改質器用の溝
30e,40e 一酸化炭素除去器用の溝
50c 燃焼器用の溝
50a,50b,50c 貫通孔
51a 燃焼器用の凹部
51b〜51i リブ
52a〜52i 燃焼器用の溝
61 断熱室

Claims (13)

  1. 反応物の反応を起こす反応装置において、
    複数の基板が積層されて接合された接合体を有し、
    前記接合体は、
    反応物が流れる流路を有する第1の反応器と、
    前記第1の反応器に対応して形成され、該第1の反応器を加熱する加熱部と、
    前記加熱部と並置され、液体状の反応物が供給され、前記加熱部より供給された熱量に基づいて前記反応物を加熱して気化し、気化された前記反応物を前記第1の反応器に供給する気化器と、を具備することを特徴とする反応装置。
  2. 前記加熱部と前記気化器は、同一基板上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記加熱部は、気体燃料を燃焼させる燃焼器を有することを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  4. 前記気化器は、前記基板に形成された凹部内に形成され、該凹部内に、一端部から前記液体状の反応物が流れ込み、他端部にメニスカスが形成される複数の溝を有していることを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  5. 前記複数の溝は、前記加熱部と前記気化器の配列方向に直交する方向に互いに平行に設けられ、前記複数の溝の各々の前記一端部から前記他端部までの長さは、前記加熱部に近づくにつれて順に短く設定されていることを特徴とする請求項4に記載の反応装置。
  6. 前記複数の溝は、前記凹部の底部に、前記加熱部と前記気化器の配列方向に直交する方向に互いに平行な複数の凸部が立設されて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の反応装置。
  7. 前記反応装置は、更に、反応物が流れる流路を有し、前記第1の反応器と離間して配置される第2の反応器と、複数の流路を有して前記第1の反応器と前記第2の反応器とを連通する連結部と、前記第1の反応器、前記第2の反応器および前記連結部に囲まれた領域に設けられ、前記複数の基板を積層方向に貫通する断熱室と、を有することを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  8. 前記気化器は、前記加熱部より前記連結部を介して供給された熱量に基づいて、前記反応物を気化することを特徴とする請求項7に記載の反応装置。
  9. 前記反応装置は、前記第1の反応器および前記第2の反応器に設けられ、該第1の反応器および該第2の反応器を加熱する薄膜ヒータを有することを特徴とする請求項7に記載の反応装置。
  10. 前記気化器は、前記第2の反応器に対応した位置に形成されることを特徴とする請求項7に記載の反応装置。
  11. 前記気化器は、前記基板に形成された凹部内に形成され、該凹部内に、一端部から前記液体状の反応物が流れ込み、他端部にメニスカスが形成される複数の溝を有し、前記複数の溝は、前記第1の反応器と前記第2の反応器の配列方向に直交する方向に設けられ、前記複数の溝の各々の長さは、前記断熱室に近づくにつれて順に短く設定されていることを特徴とする請求項7に記載の反応装置。
  12. 前記第1の反応器は第1の温度に設定され、前記第2の反応部は、前記第1の温度より低い第2の温度に設定され、前記第1の反応部は、反応物として前記気化器によって気化された水と組成に水素原子を含む燃料の混合気体が供給され、該反応物から水素を含むガスを反応生成物として生成する改質器であり、前記第2の反応部は、反応物として前記反応生成物が供給され、該反応生成物に含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器であることを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  13. 前記反応装置は、更に、前記第1の反応器、前記第2の反応器、前記連結部、前記断熱室、前記加熱部および前記気化器の全体を覆い、内部空間が大気圧より低い気圧とされる断熱容器を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の反応装置。
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