以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係わる反応装置の第1の実施形態における反応器1を示す分解斜視図であり、図2は、本実施形態における反応器1の二面図であり、図3は図2のIII−III断面図であり、図4は図2のIV−IV断面図である。反応器1は、図1に示すように、反応容器10と、反応容器10内に収納される仕切材20とからなる。
反応容器10は箱型部材体11と底板17とからなる。箱型部材体11は長方形の天板12と、天板12の四つの辺のうち相対する二辺において天板12に対して垂直に連なった状態で接続された一対の側板13,15と、天板12の別の相対する二辺において天板12に対して垂直に連なった状態で接続された一対の側板14,16とを有する。側板13,15は側板14,16に対して垂直に連なった状態で接続され、これら四枚の側板13,14,15,16によって正方形枠状又は長方形枠状に設けられている。
底板17は天板12と平行となるよう底板17の縁部が側板13,14,15,16の下辺部に接合されている。このように箱型部材体11の下面開口が底板17によって閉塞されることで、中空を有する平行四面体状の反応容器10が構成される。
底板17の側板13側の端部には、反応物の反応容器10内への導入口67と、生成物の反応容器10外への排出口99が設けられている。なお、導入口67は側板14と後述する壁板41との間に設けられ、排出口99は後述する壁板45,46間に設けられる。
図5は、本実施形態における反応器1に用いられる仕切材20の分解斜視図である。仕切材20は、図5に示すように、床板21(第1の仕切板)と、7枚の壁板41,42,43,44,45,46,47(第2の仕切板)とからなる。
床板21は反応容器10内に収納された状態で、天板12及び底板17と平行に設けられ、反応容器10内を上下2段に分割する。床板21には、図5に示すように、側板15側から7個の切り込み31,32,33,34,35,36,37が壁板41,42,43,44,45,46,47と平行に等間隔に設けられている。この切り込み31,32,33,34,35,36,37の幅は、それぞれ壁板41,42,43,44,45,46,47の厚さに等しい。
また、床板21の側板15側の端部は7個の切り込み31,32,33,34,35,36,37により8分割されている。この8個の端部のうち、側板14側から1〜5番目、及び8番目には、床板21を貫通する接続口69,73,77,81,85,93が設けられている。
壁板41,42,43,44,45,46,47は側板14,16と平行に設けられ、反応容器10内を8列に分割する。壁板41,42,43,44,45,46,47にはそれぞれ、高さ方向の中央位置に、側板13側から切り込み51,52,53,54,55,56,57が床板21と平行に設けられている。この切り込み51,52,53,54,55,56,57の高さは、床板21の厚さに等しい。壁板41,42,43,44,45,46,47の側板13側の端部は切り込み51,52,53,54,55,56,57により上下に2分割されている。
切り込み31,32,33,34,35,36,37と、対応する切り込み51,52,53,54,55,56,57とは、その長さの和が床板21、壁板41,42,43,44,45,46,47の切り込み方向の長さ以上となるように形成されている。
側板14側から1,3,5番目の壁板41,43,45には、側板13側の上側の端部側に、壁板41,43,45を貫通する接続口71,79,87が設けられている。
側板14側から2,4番目の壁板42,44には、側板13側の下側の端部側に、壁板42,44を貫通する接続口75,83が設けられている。
側板14側から6番目の壁板46には、側板15側の端部側に、壁板46を貫通する上下2つの接続口89,97が設けられている。
側板14側から7番目の壁板47には、側板13側の上下両方の端部側に、壁板47を貫通する接続口91,95がそれぞれ設けられている。
床板21と壁板41,42,43,44,45,46,47とは、切り込み31,32,33,34,35,36,37部分で床板21を挟持するとともに、切り込み51,52,53,54,55,56,57部分で壁板41,42,43,44,45,46,47をそれぞれ挟持するように組み合わせることにより、互いに垂直に組みつけられている。なお、この組み付け部分を溶接してもよいし、蝋付けしてもよい。溶接または蝋付けにより、床板21と壁板41,42,43,44,45,46,47とを確実に固定することができる。また、床板21と壁板41,42,43,44,45,46,47の周縁部分が反応器1における天板12、底板17及び側板13,14,15、16の内面側に当接し、好ましくは溶接により接合されている。
図3,図4に示すように、反応容器1内は仕切材20により、16個の反応室68,70,72,74,76,78,80,82,84,86,88,90.92,94,96,98に分割される。
すなわち、床板21により反応容器1内は上段(床板21と天板との間)と下段(底板17と床板21との間)とに分割されている。上段は、図4に示すように、壁板41,42,43,44,45,46,47により、8個の反応室70,72,78,80,86,88,90,92に分割されている。また、下段は、図3に示すように、壁板41,42,43,44,45,46,47により、8個の反応室68,74,76,82,84,98,96,94に分割されている。
図6は、反応器1を仕切材20と垂直な面で切断して、反応室68,70,72,74,76,78,80,82,84,86,88,90,92,94,96,98と、導入口67、排出口99、接続口69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91,93,95,97の関係を示す、模式的な断面図である。
反応室68は、導入口67により反応容器10外へ通じるとともに、接続口69により反応室70と通じている。また、反応室98は接続口97により反応室96と通じているとともに、排出口99により反応容器10外へ通じている。他の反応室70,72,74,76,78,80,82,84,86,88,90.92,94,96は、接続口71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91,93,95のいずれか2つにより、隣接する2つの反応室と通じている。
次に、反応容器10内の反応物の流路について説明する。図6に矢印で示すように、反応物はまず、導入口67から反応容器10内の反応室68に流入し、その後、接続口69、反応室70、接続口71、反応室72、接続口73、反応室74、接続口75、反応室76、接続口77、反応室78、接続口79、反応室80、接続口81、反応室82、接続口83、反応室84、接続口85、反応室86、接続口87、反応室88、接続口89、反応室90、接続口91、反応室92、接続口93、反応室94、接続口95、反応室96、接続口97、反応室98をこの順に通り、排出口99から反応容器10外に流出する。
なお、反応器1の用途に応じて、天板12と底板17のうちの少なくとも一方の外面に加熱器(例えば、電熱線、燃焼器等)を設けても良いし、反応容器10の内壁面、または、仕切材20の表面に、反応物から生成物へ変化させるための触媒を担持させてもよい。ここで、反応物から生成物への変化には、化学変化のみならず、状態変化をも含む。
例えば、反応器1を気化器として用いる場合、天板12と底板17のうちの少なくとも一方の外面に電熱線又は燃焼器を設ける。このようにすれば、反応物としての液体が導入口67から排出口99にまで流れる間に加熱され、液体が気化する。これにより、生成物としての気体が排出口99から流れ出る。
また、反応器1を改質器として用いる場合、箱型部材体11と底板17のうちの少なくとも一方の外面に電熱線又は燃焼器を設け、、反応容器10の内壁面、または、仕切材20の表面に改質触媒(例えば、Cu/ZnO系触媒、Pd/ZnO系触媒)を担持させる。このようにすれば、反応物としての燃料と水の混合気(例えば、メタノールと水の混合気)が導入口67から排出口99にまで流れる間に加熱され、改質触媒によって混合気から水素ガス等が生成される。これにより、水素ガス等を含む混合ガスが生成物として排出口99から流れ出る。
また、反応器1を一酸化炭素除去器として用いる場合、箱型部材体11と底板17のうちの少なくとも一方の外面に電熱線又は燃焼器を設け、反応容器10の内壁面、または、仕切材20の表面に一酸化炭素選択酸化触媒(例えば、白金)を担持させる。このようにすれば、反応物としての水素ガスと酸素ガスと一酸化炭素ガスの混合気が導入口67から排出口99にまで流れる間に加熱され、一酸化炭素選択酸化触媒によって一酸化炭素ガスが選択的に酸化される。これにより、一酸化炭素ガスが除去された状態のガスが生成物として排出口99から流れ出る。
また、反応器1を燃焼器として用いる場合、反応容器10の内壁面、または、仕切材20の表面に燃焼触媒(例えば、白金)を担持させる。このようにすれば、反応物としての水素ガスと酸素ガスとの混合気が導入口67から排出口99にまで流れる間に水素ガスが燃焼される。これにより、生成物として水が排出口99から流れ出る。
上記実施形態によれば、反応容器10内を仕切材20により16個の反応室68,70,72,74,76,78,80,82,84,86,88,90,92,94,96,98に仕切、仕切材20に設けた接続口69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91,93,95,97によりこれらの反応室は隣接するいずれか2つの反応室と通じており、反応容器10に設けた導入口67から排出口99までが1つの流路として通じているので、流路の断面寸法を小さくし、流路表面に設けた触媒までの反応物の拡散時間を短くすることができるとともに、流路長を長くして反応時間を長くすることができる。
また、仕切材20は、床板21と壁板41,42,43,44,45,46,47とを、切り込み31,32,33,34,35,36,37部分で床板21を挟持するとともに、切り込み51,52,53,54,55,56,57部分で壁板41,42,43,44,45,46,47をそれぞれ挟持するように組み合わせることにより、互いに垂直に組みつけることで形成できるので、容易に組み立てることができる。
〔変形例1〕
図7は、本実施形態における反応器1に用いられる、仕切材20とは異なる形態の仕切材60である。図7に示すように、仕切材60には、床板21や壁板41,42,43,44,45,46,47の接続口69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91,93,95,97が設けられる位置と対応する端部に、切欠き169,171,173,175,177,179,181,183,185,187,189,191,193,195,197を設けている。ここで、切欠き189と切欠き197とは、一体に設けている。
このように、切欠きを設けた場合でも、切欠き部分が反応室同士を接続する接続口として機能するので、同様の効果を得ることができる。なお、切欠きの形状は図7に示される形状に限らず、任意である。
なお、上記変形例においては、床板21や壁板41,42,43,44,45,46,47の両方に切り込み31,32,33,34,35,36,37,51,52,53,54,55,56,57を設けたが、いずれか一方のみに設けてもよい。
〔第2実施形態〕
図8は、本発明に係わる反応装置の第2の実施形態におけるマイクロリアクタモジュール600(反応装置)の側面図である。このマイクロリアクタモジュール600は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、デジタルカメラ、携帯電話機、腕時計、レジスタ、プロジェクタといった電子機器に内蔵され、燃料電池に使用する水素ガスを生成するものである。
図8に示すように、このマイクロリアクタモジュール600は、反応物の供給や生成物の排出が行われる給排部602と、比較的高温に設定されて改質反応が起こる高温反応部604(第1の反応部)と、高温反応部604の設定温度より低い温度に設定されて選択酸化反応が起きる低温反応部606(第2の反応部)と、高温反応部604と低温反応部606との間で反応物や生成物を送る連結部608とを具備する。
図9は、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール600を機能ごとに分けた場合の概略側面図である。図9に示すように、給排部602には主に気化器610及び第一燃焼器612が設けられている。第一燃焼器612には空気と気体燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)がそれぞれ別々にあるいは混合気として供給され、これらの触媒燃焼によって熱が発する。気化器610には水と液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ブタン、ガソリン)がそれぞれ別々にあるいは混合された状態で燃料容器から供給され、第一燃焼器612における燃焼熱によって水と液体燃料が気化器610内において気化する。
高温反応部604には主に第二燃焼器614と、第二燃焼器614の上に設けられた改質器400Bとが設けられている。第二燃焼器614には空気と気体燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)がそれぞれ別々にあるいは混合気として供給され、これらの触媒燃焼によって熱が発する。なお、燃料電池では水素ガスの電気化学反応により電気が生成されるが、燃料電池から排出されたオフガスに含まれる未反応の水素ガスが空気と混合した状態で第一燃焼器612及び第二燃焼器614に供給されても良い。勿論、燃料容器に貯留されている液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ブタン、ガソリン)が別の気化器によって気化されて、その気化した燃料と空気の混合気が第一燃焼器612及び第二燃焼器614に供給されるようにしても良い。
この改質器400Bには気化器610から水と液体燃料が気化された混合気(第1の反応物)が供給され、改質器400Bが第二燃焼器614によって加熱される。改質器400Bでは水蒸気と気化された液体燃料から水素ガス等(第1の生成物)が触媒反応により生成され、更に微量ながら一酸化炭素ガスが生成される。燃料がメタノールの場合には、次式(1)、(2)のような化学反応が起こる。なお、水素が生成される反応は吸熱反応であって、第二燃焼器614の燃焼熱が用いられる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(2)
低温反応部606には主に一酸化炭素除去器500Bが設けられている。一酸化炭素除去器500Bには、第一燃焼器612によって加熱され、改質器400Bから水素ガス及び上記(2)の化学反応によって生成された微量の一酸化炭素ガス等を含む混合気(第2の反応物)が供給されるとともに、更に空気が供給される。一酸化炭素除去器500Bでは混合気のうち一酸化炭素が選択的に酸化され、これにより一酸化炭素が除去される。一酸化炭素が除去された状態の混合気(第2の生成物:水素リッチガス)が燃料電池の燃料極に供給される。
マイクロリアクタモジュール600の具体的な構成について図8、図10〜図14を用いて説明する。図10は、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール600の分解斜視図であり、図11は、本実施形態のマイクロリアクタモジュール600における、改質器400Bの分解斜視図であり、図12は、図8の切断線XII−XIIに沿った面の矢視断面図であり、図13は、図8の切断線XIII−XIIIに沿った面の矢視断面図であり、図14は、図8の切断線XIV−XIVに沿った面の矢視断面図であり、図15は、図8の切断線XV−XVに沿った面の矢視断面図である。
図8、図10、図12に示すように、給排部602は、液体燃料導入管622と、液体燃料導入管622の上端部において液体燃料導入管622を囲むように設けられた燃焼器プレート624と、液体燃料導入管622の周囲に配列された5本の管材626,628,630,632,634とを具備する。
液体燃料導入管622は、例えばステンレス鋼等の管状の金属材料からなり、液体燃料導入管622内には吸液材623が充填されている。吸液材623は液体を吸収するものであり、吸液材623は、例えば無機繊維又は有機繊維を結合材で固めたもの、無機粉末を焼結したもの、無機粉末を結合材で固めたもの、グラファイトとグラッシーカーボンの混合体、等からなる。具体的には、フェルト材、セラミック多孔質材、繊維材、カーボン多孔質材といったものが吸液材623として用いられる。
管材626,628,630,632,634は、例えばステンレス鋼等の管状の金属材料からなる。
燃焼器プレート624も、例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。燃焼器プレート624の中央部に貫通孔が形成され、その貫通孔に液体燃料導入管622が嵌め込まれ、液体燃料導入管622と燃焼器プレート624が接合されている。ここで、液体燃料導入管622は、例えば蝋付けによって燃焼器プレート624と接合される。蝋剤としては、液体燃料導入管622や燃焼器プレート624を流れる流体の温度のうちの最高温度よりも高い融点であり、融点が700度以上の、金に、銀、銅、亜鉛、カドミウムを含有した金蝋や、金、銀、亜鉛、ニッケルを主成分とした蝋、或いは金、パラジウム、銀主成分とした蝋が特に好ましい。また、燃焼器プレート624の一方の面には隔壁が突出するように設けられている。隔壁は一部が燃焼器プレート624の外縁全周に亘って設けられ、他の一部が径方向に亘って設けられ、燃焼器プレート624が低温反応部606の下面に接合されることによって、接合面に燃焼用流路625が形成され、液体燃料導入管622が燃焼用流路625によって囲繞されている。燃焼用流路625の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。燃焼用触媒としては、例えば白金が挙げられる。なお、液体燃料導入管622内の吸液材623は燃焼器プレート624の位置まで充填されている。
図8、図10に示すように、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608は、積層された絶縁プレート640とベースプレート642とを共通の基体としている。そのため、絶縁プレート640が高温反応部604、低温反応部606及び連結部608に共通した下面となるが、連結部608の下面が高温反応部604の下面に対して面一になっているとともに、更に低温反応部606の下面に対して面一になっている。
ベースプレート642は、低温反応部606の基体となるベース部652と、高温反応部604の基体となるベース部654と、連結部608の基体となる連結ベース部656とからなる。ベースプレート642は、ベース部652とベース部654と連結ベース部656とを一体形成したものであり、連結ベース部656において括れた状態とされている。このベースプレート642は、例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。
絶縁プレート640は、低温反応部606の基体となるベース部662と、高温反応部604の基体となるベース部664と、連結部608の基体となる連結ベース部666とからなる。絶縁プレート640は、ベース部662とベース部664と連結ベース部666とを一体形成したものであり、連結ベース部666において括れた状態とされている。この絶縁プレート640は、例えばセラミック等の電気絶縁体からなる。
図10、図13に示すように、ベースプレート642に絶縁プレート640を接合した状態で、貫通孔671〜678がベースプレート642のベース部652及び絶縁プレート640のベース部662を貫通している。図8、図10に示すように、絶縁プレート640のベース部662が低温反応部606の下面となるが、低温反応部606の下面に管材626,628,630,632,634及び液体燃料導入管622が蝋付け等により接合されている。ここで、管材626が貫通孔671に通じ、管材628が貫通孔672に通じ、管材630が貫通孔673に通じ、管材632が貫通孔674に通じ、管材634が貫通孔675に通じ、液体燃料導入管622が貫通孔678に通じている。また、図10、図12、図13に示すように、燃焼器プレート624が低温反応部606の下面に接合されているが、燃焼器プレート624の燃焼用流路625の一端部が貫通孔676に通じ、燃焼用流路625の他端部が貫通孔677に通じている。
図13に示すように、ベースプレート642には、改質燃料供給流路702と、連通流路704と、空気供給流路706と、混合室708と、燃焼燃料供給流路710と、燃焼室712と、排ガス流路714と、燃焼燃料供給流路716と、排気室718とが形成されている。
改質燃料供給流路702は、貫通孔678から連結ベース部656を通ってベース部654の角部にまで至るよう形成されている。混合室708は、ベース部652において四角形状に形成されている。連通流路704は、ベース部654の角部から連結ベース部656を通って混合室708まで至るように形成されている。空気供給流路706は、貫通孔675から混合室708まで至るように形成されている。
燃焼室712は、ベース部654の中央部においてC字状に形成されている。この燃焼室712の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。
燃焼燃料供給流路710は、貫通孔672から連結ベース部656を通って燃焼室712まで至るように形成されている。排ガス流路714は、貫通孔677から貫通孔673に至るよう形成されているとともに、燃焼室712から連結ベース部656を通って貫通孔673に至るように形成されている。燃焼燃料供給流路716は、ベース部652において貫通孔674から貫通孔676に至るように形成されている。排気室718はベース部652において矩形状に形成され、排気室718の角部に貫通孔671が通じている。
ベース部652上に一酸化炭素除去器500Bが設けられている。この一酸化炭素除去器500Bは、第1実施形態における反応器1を応用したものであり、一酸化炭素除去器500Bは図1〜図6に示された反応器1と同様に設けられている。そして、図14に示された一酸化炭素除去器500Bの断面は図3に示された反応器1の断面に対応し、図15に示された一酸化炭素除去器500Bの断面は図4に示された反応器1の断面に対応する。なお、一酸化炭素除去器500Bと反応器1との間で互いに対応する部分に同一の符号を付して、互いに対応する部分の説明を省略する。
図8、図10に示すように、一酸化炭素除去器500Bの底板17がベース部652の上面に接合されている。底板17によって、改質燃料供給流路702の一部と、排ガス流路714の一部と、燃焼燃料供給流路710の一部と、連通流路704の一部と、空気供給流路706と、混合室708と、燃焼燃料供給流路716と、排気室718とが蓋される。底板17に形成された導入口67は混合室708の角部709の上に位置され、底板17に形成された排出口99は排気室718の角部719の上に位置されている。
この一酸化炭素除去器500Bにおいては、反応容器10の内壁面、または、仕切材20の表面に、一酸化炭素選択酸化触媒(例えば、白金)が担持されている。
次いで、ベース部654上に改質器400Bが設けられている。図11、図14、図15に示すように、この改質器400Bは、下面で開口した箱型部材体410と、箱型部材体410内に収容された仕切板420と、箱型部材体410の下側開口を閉塞した底板430とを備える。
箱型部材体410、仕切板420及び底板430は、ステンレス鋼といった金属材料からなるものでも良いし、セラミック材料からなるものでも良いし、ガラス材料からなるものでも良いし、樹脂材料からなるものでも良い。
箱型部材体410は、正方形又は長方形に成した天板412と、天板412の四つの辺のうち相対する二辺において天板412に対して垂直に連なった状態で接続された一対の側板414,414と、天板412の別の相対する二辺において天板412に対して垂直に連なった状態で接続された一対の側板416,416とを有する。側板414は側板416に対して垂直に連なった状態で接続され、これら四枚の側板414,414,416,416によって正方形枠状又は長方形枠状に設けられている。
底板430が天板412と平行となるよう底板430の縁部が側板414,414,416,416の下辺部に接合されている。このように箱型部材体410の下面開口が底板430によって閉塞されることで、中空を有する平行四面体状の反応容器が構成される。
仕切板420は矩形波状とされ、両側において対向した一対の補強部422,422と、2つの補強部422,422の間において補強部422に対向した複数の仕切部424,424,…と、仕切部424の四つの辺のうち一辺において隣り合う仕切部424と仕切部424との間に又は隣り合う仕切部424と補強部422との間に連結された複数の折返し部426,426,…とを有する。
この仕切板420は波高方向が側板414と平行となるように箱型部材体410に収容され、仕切板420の補強部422が側板414に面した状態で当接し、好ましくは補強部422が側板414に溶接により接合されている。仕切板420の折返し部426は側板416に面した状態で当接し、好ましくは折返し部426が側板416に溶接により接合されている。
折返し部426の上辺部及び補強部422の上辺部が箱型部材体410の天板412に当接し、好ましくは溶接により接合されている。折返し部426の下辺部及び補強部422の下辺部が底板430に当接し、好ましくは溶接により接合されている。
このように仕切板420が箱型部材体410に収容されているので、箱型部材体410と底板430とによる中空が仕切部424によって複数の空間418,418,…に区画されている。これら複数の空間418,418,…のうち、一方の補強部422と仕切部424との間の空間418に通じる導入口432が底板430に形成され、他方の補強部422と仕切部424との間の空間418に通じる排出口434が底板430に形成されている。
また、仕切部424の波高方向一端部には上下一対の貫通孔428,428が形成され、隣り合う空間418,418が貫通孔428,428を介して通じている。そのため、箱型部材体410と底板430とによる中空が導入口432から排出口434までの流路状に設けられ、その流路が葛折り状とされている。
図8、図10に示すように、改質器400Bの底板430がベース部654の上面に接合されている。底板430によって、改質燃料供給流路702の一部と、排ガス流路714の一部と、燃焼燃料供給流路710の一部と、連通流路704の一部と、燃焼室712とが蓋される。底板430に形成された導入口67は改質燃料供給流路702の端部703の上に位置され、底板430に形成された排出口99は連通流路704の端部705の上に位置されている。
この改質器400Bにおいては、箱型部材410と底板430の内面や仕切板420に改質触媒(例えば、Cu/ZnO系触媒、Pd/ZnO系触媒)が担持されている。
図10に示すように、改質器400Bの底板430と一酸化炭素除去器500Bの底板17とは連結蓋680によって連結された状態で一体形成されている。底板430と底板17と連結蓋680とを一体にした板材690は、連結蓋680において括れた状態とされている。この板材690がベースプレート642に接合されているが、板材690の連結蓋680はベースプレート642の連結ベース部656に接合され、これにより連結部608が構成される。この連結部608においては、改質燃料供給流路702の一部と、排ガス流路714の一部と、燃焼燃料供給流路710の一部と、連通流路704の一部とが連結蓋680によって蓋される。
図8等に示すように、連結部608の外形は角柱状とされ、連結部608の幅が高温反応部604の幅及び低温反応部606の幅よりも狭く、連結部608の高さも高温反応部604及び低温反応部606の高さよりも低い。そして、連結部608は高温反応部604と低温反応部606との間に架設されているが、連結部608は高温反応部604の幅方向中央部において高温反応部604に連結しているとともに低温反応部606の幅方向中央部において低温反応部606に連結している。
なお、上述したように、連結部608には、改質燃料供給流路702、連通流路704、燃焼燃料供給流路710及び排ガス流路714が設けられている。
次に、給排部602、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608の内側に設けられた流路について説明する。図16は本実施形態のマイクロリアクタモジュール600における、気体燃料と空気からなる燃焼混合気が供給されてから、生成物である水蒸気等が排出されるまでの経路を示した図であり、図17は本実施形態のマイクロリアクタモジュール600における、液体燃料と水が供給されてから、生成物である水素ガスが排出されるまでの経路を示した図である。ここで図16、図17と図9の対応関係について説明すると、液体燃料導入管622が気化器610に相当し、燃焼用流路625が第一燃焼器612に相当し、燃焼室712が第二燃焼器に相当する。
図10に示すように、低温反応部606の下面つまり絶縁プレート640の下面には、電熱線720が蛇行した状態にパターニングされ、低温反応部606から連結部608を通って高温反応部604にかけてこれらの下面には、電熱線722が蛇行した状態にパターニングされている。低温反応部606の下面から燃焼器プレート624の表面を通って液体燃料導入管622の側面にかけて電熱線724がパターニングされている。ここで、液体燃料導入管622の側面及び燃焼器プレート624の表面には、窒化シリコン、酸化シリコン等の絶縁膜が成膜され、その絶縁膜の表面に電熱線724が形成されている。絶縁膜又は絶縁プレート640に電熱線720,722,724をパターニングすることで、印加しようとする電圧が金属材料製のベースプレート642、液体燃料導入管622、燃焼器プレート624等に掛かることがなく、電熱線720,722,724の発熱効率を向上させることができる。
電熱線720,722,724は、絶縁膜又は絶縁プレート640から拡散防止層、発熱層の順に積層したものである。発熱層は3層の中で最も低い抵抗率の材料(例えば、Au)であり、電熱線720,722,724に電圧が印加されると電流が集中的に流れて発熱する。拡散防止層は、電熱線720,722,724が発熱しても発熱層の材料が拡散防止層に熱拡散されにくく、且つ拡散防止層の材料が発熱層に熱拡散しにくい材料であり、比較的融点が高く且つ反応性が低い物質(例えば、W)を用いることが好ましい。また、拡散防止層が絶縁膜に対して密着性が低く剥離しやすい場合には、更に、絶縁膜と拡散防止層の間に密着層を設けるようにしてもよく、密着層としては拡散防止層に対しても絶縁膜又は絶縁プレート640に対しても密着性に優れた材料(例えば、Ta、Mo、Ti、Cr)からなる。電熱線720は、起動時に低温反応部606を加熱し、電熱線722は、起動時に高温反応部604及び連結管608を加熱し、電熱線724は、給排部602の気化器610及び第一燃焼器612を加熱する。この後、燃料電池からの水素を含むオフガスで第二燃焼器614が燃焼されたら、電熱線722は第二燃焼器612の補助として高温反応部604及び連結管608を加熱する。同様に、燃料電池からの水素を含むオフガスで第一燃焼器612が燃焼される場合、電熱線720は第一燃焼器612の補助として低温反応部606を加熱する。
また、電熱線720,722,724は温度に依存して電気抵抗が変化し、抵抗値の変化から温度の変化を読み取る温度センサとしても機能する。具体的には、電熱線720,722,724の温度は電気抵抗に比例する。
電熱線720,722,724の何れの端部も低温反応部606の下面に位置し、これら端部が燃焼器プレート624を囲むように配列されている。電熱線720の両端部にはそれぞれリード線731,732が接続され、電熱線722の両端部にはそれぞれリード線733,734が接続され、電熱線724の両端部にはそれぞれリード線735,736が接続されている。なお、図8においては、図面を見やすくするために、電熱線720,722,724及びリード線731〜736の図示を省略する。
また、図10に示すように、連結部608の表面に、ゲッター材728を設けるようにしてもよい。このゲッター材728には電熱材等のヒータが設けられ、ゲッター材728にはそれぞれリード線737,738が接続されている。ゲッター材728は加熱されることで活性化して吸着作用をもつものであり、後述する断熱パッケージ791の内部空間に残留する気体や、マイクロリアクタモジュール600から断熱パッケージ791の内部空間に漏洩した気体や、外部から断熱パッケージ791内に侵入した気体を吸着することにより、断熱パッケージ791の内部空間の真空度が悪化して断熱効果が低下することを抑えるものである。ゲッター材728の材料としてはジルコニウム、バリウム、チタニウム又はバナジウムを主成分とした合金が挙げられる。なお、図8においては、図面を見やすくするために、リード線737,738の図示を省略する。
次に、図18は、本実施形態のマイクロリアクタモジュール600を覆う断熱パッケージ791(断熱容器)の分解斜視図である。図18に示すように、断熱パッケージ791はマイクロリアクタモジュール600の全体を覆うように構成され、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608が断熱パッケージ791内に収容されている。断熱パッケージ791は、下面が開口した長方形状のケース792と、ケース792の下面開口を閉塞したプレート793とから構成され、プレート793がケース792に接合されている。ケース792及びプレート793のどちらも、例えばガラス等の断熱材又は金属材料からなる。また、内側となる面にはアルミニウム、金等の金属反射膜を成膜するようにしてもよい。このような金属反射膜が成膜されていると、給排部602、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608からの輻射による熱損失を抑制することができる。
プレート793を複数の通し孔が貫通し、管材626,628,630,632,634、液体燃料導入管622及びリード線731〜738がそれぞれの通し孔に挿通された状態で、この通し孔から断熱パッケージ791内に外気や水分が侵入しないように、管材626,628,630,632,634、液体燃料導入管及びリード線731〜738とプレート793の貫通孔とは、例えばガラス材又は絶縁封止材で接合、封止される。また、断熱パッケージ791の内部空間は密閉されて真空排気され、その内部空間が真空圧とされて真空断熱構造とされる。これによって、マイクロリアクタモジュール600の各部の熱が外部に伝搬してしまうことを抑えて、熱損失を低減することができる。
管材626,628,630,632,634及び液体燃料導入管622は、一部が断熱パッケージ791の外側に露出される。そのため、断熱パッケージ791の内側においては管材626,628,630,632,634及び液体燃料導入管622が支柱としてプレート793に対して立った状態とされ、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608が管材626,628,630,632,634及び液体燃料導入管622に支持されて、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608が断熱パッケージ791の内面から離れている。
また、液体燃料導入管622は、平面視して高温反応部604、低温反応部606及び連結部608全体の重心において低温反応部606の下面に連結していることが望ましい。
なお、ゲッター材728は、例えば低温反応部606の表面に設けられるが、ゲッター材728の設ける位置は断熱パッケージ791の内側であれば特に限定されない。
次に、マイクロリアクタモジュール600の動作について説明する。
まず、リード線737,738の間に電圧が印加されると、ゲッター材728がヒータによって加熱され、ゲッター材728が活性化される。これにより、断熱パッケージ791内のガスがゲッター材728に吸着され、断熱パッケージ791内の真空度が高まり、断熱効率が高まる。
また、リード線731,732の間に電圧が印加されると、電熱線720が発熱し、低温反応部606が加熱される。リード線733,734の間に電圧が印加されると、電熱線722が発熱し、高温反応部604が加熱される。リード線735,736の間に電圧が印加されると、電熱線724が発熱し、液体燃料導入管622の上部が加熱される。液体燃料導入管622、高温反応部604、低温反応部606及び連結部608が金属材料からなるため、これらの間で熱伝導しやすい。なお、電熱線720,722,724の電流・電圧が制御装置によって測定されることで、液体燃料導入管622、高温反応部604及び低温反応部606の温度が測定され、測定温度が制御装置にフィードバックされ、制御装置によって電熱線720,722,724の電圧が制御され、これにより液体燃料導入管622、高温反応部604及び低温反応部606の温度制御がなされる。
電熱線720,722,724によって液体燃料導入管622、高温反応部604及び低温反応部606が加熱された状態において、液体燃料導入管622に液体燃料と水の混合液がポンプ等によって連続的又は断続的に供給されると、混合液が吸液材623に吸収され、毛細管現象により混合液が液体燃料導入管622内の上に向かって浸透する。そして、吸液材623内の混合液が気化し、燃料と水の混合気が吸液材から蒸散する。吸液材623内にて混合液が気化するから、突沸を抑えることができ、安定して気化することができる。
そして、吸液材623から蒸散した混合気は貫通孔678、改質燃料供給流路702、導入口67を通って改質器400B内に流れ込む。その後、混合気は改質器400B内を流れている際には、混合気が加熱されて触媒反応することによって、水素ガス等が生成される(燃料がメタノールの場合には、上記化学反応式(1)、(2)を参照。)。
改質器400Bで生成された混合気(水素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス等を含む。)が排出口99及び連通流路704を通って混合室708へと流れ込む。一方、空気がポンプ等によって管材634に供給され、貫通孔675及び空気供給流路706を通って混合室708へ流れ込み、水素ガス等の混合気と空気が混合される。
そして、空気、水素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等を含む混合気が混合室708から導入口67を通って一酸化炭素除去器500B内へ流れ込む。混合気が一酸化炭素除去器500B内を流れている時に、混合気中の一酸化炭素ガスが選択的に酸化され、一酸化炭素ガスが除去される。
そして、一酸化炭素が除去された状態の混合気が排出口99から排気室718、貫通孔671、管材626を経由して、燃料電池の燃料極等に供給される。燃料電池では水素ガスの電気化学反応により電気が生成され、未反応の水素ガス等を含むオフガスが燃料電池から排出される。
以上の動作は初期段階の動作であり、その後の発電動作中は、混合液が液体燃料導入管622に供給され続ける。そして、燃料電池から排出されたオフガスに空気が混合され、その混合気(以下、燃焼混合気という。)が管材632及び管材628に供給される。管材632に供給された燃焼混合気は貫通孔674、燃焼燃料供給流路716、貫通孔676を通って燃焼用流路625に流れ込み、燃焼混合気が燃焼用流路625において触媒燃焼し、燃焼熱が発する。燃焼用流路625が低温反応部606の下側において液体燃料導入管622を周回しているため、燃焼熱によって液体燃料導入管622が加熱されるとともに低温反応部606が加熱される。そのため、電熱線720,724に供給する電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
一方、管材628に供給された燃焼混合気は貫通孔672、燃焼燃料供給流路710を通って燃焼室712へ流れ込み、燃焼混合気が燃焼室712において触媒燃焼する。これにより燃焼熱が発する。この燃焼熱によって改質器400Bが加熱される。そのため、電熱線722に供給する電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
なお、燃料容器に貯留されている液体燃料が気化されて、その気化した燃料と空気の燃焼混合気が管材628,632に供給されるようにしても良い。
混合液が液体燃料導入管622に供給された状態であって、燃焼混合気が管材628,632に供給された状態において、制御装置が電熱線720,722,724の抵抗値によって温度を測定しながら、電熱線720,722,724の印加電圧を制御するとともに、ポンプ等を制御する。制御装置によってポンプが制御されると、管材628,632に供給される燃焼混合気の流量が制御され、これにより燃焼器612,614の燃焼熱量が制御される。このように制御装置が電熱線720,722,724及びポンプを制御することによって、それぞれ、液体燃料導入管622、高温反応部604及び低温反応部606の温度制御がなされる。ここで、高温反応部604が250℃〜400℃、好ましくは300℃〜380℃、低温反応部606が高温反応部4より低い温度、具体的には120℃〜200℃、さらに好ましくは140℃〜180℃となるよう、温度制御を行う。
次いで、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール600を備える発電ユニット801の概略構成について説明する。図19は本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール600を備える発電ユニット801の一例を示す斜視図である。図19に示すように、以上のようなマイクロリアクタモジュール600は、発電ユニット801に組み付けて用いることができる。この発電ユニット801は、例えば、フレーム802と、フレーム802に対して着脱可能な燃料容器804と、流路、ポンプ、流量センサ及びバルブ等を有する流量制御ユニット806と、断熱パッケージ791に収容された状態のマイクロリアクタモジュール600と、燃料電池、燃料電池を加湿する加湿器及び燃料電池で生成された副生成物を回収する回収器等を有する発電モジュール808と、マイクロリアクタモジュール600及び発電モジュール808に空気(酸素)を供給するエアポンプ810と、二次電池、DC−DCコンバータ及び発電ユニット801の出力で駆動する外部の機器と電気的に接続するための外部インターフェース等を有する電源ユニット812とを具備して構成される。流量制御ユニット806によって燃料容器804内の水と液体燃料の混合気がマイクロリアクタモジュール600に供給されることで、上述のように水素ガスが生成され、水素ガスが発電モジュール808の燃料電池に供給され、生成された電気が電源ユニット812の二次電池に蓄電される。
図19は、発電ユニット801を電源として用いる電子機器851の一例を示す斜視図である。図19に示すように、この電子機器851は、携帯型の電子機器であって、例えばノート型パーソナルコンピュータである。電子機器851は、CPU、RAM、ROM、その他の電子部品から構成された演算処理回路を内蔵するとともにキーボード852を備え付けた下筐体854と、液晶ディスプレイ856を備え付けた上筐体858と、を備える。下筐体854と上筐体858はヒンジで結合されており、上筐体858を下筐体854に重ねてキーボード852に液晶ディスプレイ856を相対させた状態で折り畳むことができるように構成されている。下筐体854の右側面から底面にかけて、発電ユニット801を装着するための装着部860が形成され、装着部860に発電ユニット801を装着すると、発電ユニット801の電気によって電子機器851が動作する。
以上のように本実施の形態によれば、一酸化炭素除去器500B内を仕切材20により16個の反応室68,70,72,74,76,78,80,82,84,86,88,90,92,94,96,98に仕切、仕切材20に設けた接続口69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91,93,95,97によりこれらの反応室は隣接するいずれか2つの反応室と通じており、反応容器10に設けた導入口67から排出口99までが1つの一酸化炭素除去流路として通じているので、流路の断面寸法を小さくし、流路表面に設けた触媒までの反応物としての水素ガスと酸素ガスと一酸化炭素ガスの混合気の拡散時間を短くすることができるとともに、流路長を長くして反応時間を長くすることができる。
また、仕切材20は、床板21と壁板41,42,43,44,45,46,47とを、切り込み31,32,33,34,35,36,37部分で床板21を挟持するとともに、切り込み51,52,53,54,55,56,57部分で壁板41,42,43,44,45,46,47をそれぞれ挟持するように組み合わせることにより、互いに垂直に組みつけることで形成できるので、仕切材20を用いて一酸化炭素除去器500Bを容易に組み立てることができる。
また、断熱パッケージ791の内部空間が断熱空間となっており、高温反応部604が低温反応部606から離れ、高温反応部604から低温反応部606までの間隔が連結管608の長さ分となっている。従って、高温反応部604から低温反応部606への伝熱の経路が連結管608に限られ、高温を要しない低温反応部606への伝熱が限定される。特に、連結管608の高さ及び幅は高温反応部604と低温反応部606の高さ及び幅よりも小さいから、連結管608を通じた熱伝導も極力抑えられている。そのため、高温反応部604の熱損失を抑えることができるとともに、低温反応部606が設定温度以上に昇温することも抑えることができる。即ち、1つの断熱パッケージ791内に高温反応部604と低温反応部606を収容した場合でも、高温反応部604と低温反応部606の間で温度差を発生することができる。
また、低温反応部606と高温反応部604との間を通じた流路702,704,710,714を1本の連結管608にまとめた状態とされているので、連結管608等に発生する応力を小さくすることができる。つまり、高温反応部604と低温反応部606との間には温度差があるから、低温反応部606よりも高温反応部604のほうがより膨張するが、高温反応部604が連結管608との連結部以外は自由端となっているので、連結管608等に発生する応力を抑えることができる。特に、連結管608は高さや幅が高温反応部604や低温反応部606よりも小さく、更に連結管608は高温反応部604及び低温反応部606の幅方向中央部において高温反応部604及び低温反応部606に連結しているから、連結管608、高温反応部604及び低温反応部606の応力発生を抑えることができる。
管材626,628,630,632,634及び液体燃料導入管622は断熱パッケージ791の外側に延出しているが、これらは全て低温反応部606に連結されている。そのため、高温反応部604から断熱パッケージ791外への直接の伝熱を抑えることができ、高温反応部604の熱損失を抑えることができる。従って、1つの断熱パッケージ791内に高温反応部604と低温反応部606を収容した場合でも、高温反応部604と低温反応部606の間で温度差を発生することができる。
連結管608の下面、高温反応部604の下面及び低温反応部606の下面が面一となっているため、電熱線722を比較的簡単にパターニングすることができ、電熱線722の断線を抑えることができる。
また、液体燃料導入管622内に吸液材623を充填させて、液体燃料導入管622を気化器610としたので、マイクロリアクタモジュール600の小型化・簡略化を図りつつ、混合液の気化に必要な温度状態(液体燃料導入管622の上部が120℃となる状態)とすることができる。
また、燃焼器プレート624は液体燃料導入管622の上端部において液体燃料導入管622の周囲に設けられて、更に液体燃料導入管622内の吸液材623が燃焼器プレート624の高さの位置まで充填されているから、第一燃焼器612における燃焼熱を混合液の気化に効率よく用いることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更をおこなっても良い。
例えば、上記実施形態においては、仕切材20を、天板12及び底板17に平行な床板21と、側板14,16に平行な壁板41,42,43,44,45,46,47とを組み合わせて形成したが、本発明はこれに限らず、例えば側板13,15に平行な壁板と壁板41,42,43,44,45,46,47とを組み合わせて形成してもよいし、側板13,15に平行な壁板と床板21とを組み合わせて形成してもよい。また、上記実施形態においては、天板12及び底板17に平行な1枚の床板21のみを用いたが、複数の床板を用いてもよい。