以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明に係わる反応装置の実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1斜め上から示した斜視図であり、図2は、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1を斜め下から示した斜視図であり、図3は、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1の側面図である。
このマイクロリアクタモジュール1は、例えばノート型パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、デジタルカメラ、携帯電話機、腕時計、レジスタ、プロジェクタといった電子機器に内蔵され、燃料電池に使用する水素ガスを生成する反応装置である。マイクロリアクタモジュール1は、反応物の供給や生成物の排出が行われる給排部2と、比較的高温に設定されて改質反応が起こる高温反応部(第1の反応部)4と、比較的低温に設定されて選択酸化反応が起きる低温反応部(第2の反応部)6と、高温反応部4と低温反応部6との間で反応物や生成物の流入又は流出を行うための連結管8とを具備する。
図4は、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1を機能ごとに分けた場合の概略側面図である。図4に示すように、給排部2には主に気化器502及び第一燃焼器504が設けられている。第一燃焼器504には空気と気体燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)がそれぞれ別々にあるいは混合気として供給され、これらの触媒燃焼によって熱が発する。気化器502には水と液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ブタン、ガソリン)がそれぞれ別々にあるいは混合された状態で燃料容器から供給され、第一燃焼器504における燃焼熱によって水と液体燃料が気化器502内において気化する。
高温反応部4には主に第一改質器(第1の反応器)506、第二燃焼器(加熱部)508及び第二改質器(第2の反応器)510が設けられ、第二燃焼器508が第一改質器506と第二改質器510の間に挟まれた位置に設けられ、これら第一改質器506、第二燃焼器508、第二改質器510が図面横方向に密着され、第一改質器506と第二改質器510とは互いに連通する構造になっている。
第二燃焼器508には空気と気体燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)がそれぞれ別々にあるいは混合気として供給され、これらの触媒燃焼によって熱が発する。なお、燃料電池では水素ガスの電気化学反応により電気が生成され、燃料電池から排出されたオフガスに含まれる未反応の水素ガスが空気と混合した状態で第一燃焼器504及び第二燃焼器508に供給されても良い。勿論、燃料容器に貯留されている液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ブタン、ガソリン)が別の気化器によって気化されて、その気化した燃料と空気の混合気が第一燃焼器504及び第二燃焼器508に供給されるようにしても良い。
第一改質器506及び第二改質器510には気化器502から水と液体燃料が気化された混合気(第1の反応物)が供給され、第一改質器506及び第二改質器510が第二燃焼器508によって加熱される。第一改質器506及び第二改質器510では水蒸気と気化された液体燃料から水素ガス等(第1の反応生成物)が触媒反応により生成され、更に微量ながら一酸化炭素ガスが生成される。燃料がメタノールの場合には、次式(1)、(2)のような化学反応が起こる。なお、水素が生成される反応は吸熱反応であって、第二燃焼器508の燃焼熱が用いられる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(2)
低温反応部6には主に一酸化炭素除去器512が設けられている。一酸化炭素除去器512は、第一燃焼器504によって加熱され、第一改質器506及び第二改質器510から水素ガス及び上記(2)の化学反応によって生成された微量の一酸化炭素ガス等を含む混合気(第2の反応物)が供給されるとともに、更に空気が供給される。一酸化炭素除去器512では混合気のうち一酸化炭素が選択的に酸化され、これにより一酸化炭素が除去される。一酸化炭素が除去された状態の混合気(第2の反応生成物:水素リッチガス)が燃料電池の燃料極に供給される。
以下、給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8の具体的な構成について図3、図5〜図9を用いて説明する。ここで、図5は本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1の分解斜視図であり、図6は図3の切断線VI−VIに沿った面の矢視断面図であり、図7は図3の切断線VII−VIIに沿った面の矢視断面図であり、図8は図3の切断線VIII−VIIIに沿った面の矢視断面図であり、図9は図3の切断線IX−IXに沿った面の矢視断面図である。
図3、図5、図6に示すように、給排部2は、ステンレス鋼等の管状の金属材料からなる液体燃料導入管10と液体燃料導入管10の周囲に配列された5本の管材15,17,19,21,23とからなるパイプ群と、液体燃料導入管10の上端部において液体燃料導入管10を囲むように設けられた燃焼器プレート12とを具備する。
液体燃料導入管10及びパイプ群は、マイクロリアクタモジュール1内の各流体をそれぞれマイクロリアクタモジュール1の外部に流通するための管であり、液体燃料導入管10は、例えばステンレス鋼等の管状の金属材料からなり、液体燃料導入管10には気化用導入路14が設けられている。気化用導入路14には、フェルト材、セラミック多孔質材、繊維材、カーボン多孔質材等の吸液材が充填されている。吸液材は液体を吸収するものであり、吸液材は、例えば、無機繊維又は有機繊維を結合材で固めたもの、無機粉末を焼結したもの、無機粉末を結合材で固めたもの、グラファイトとグラッシーカーボンの混合体、等からなる。
管材15,17,19,21,23は例えばステンレス鋼等の管状の金属材料からなり、管材15,17,19,21,23にはそれぞれ空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素排出路24が設けられている。なお、本実施形態においては、気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素排出路24が別々の管材に設けられるとしたが、これらの流路14,16,18,20,22,24が隔壁によって仕切られた状態で1つの管材に設けられていても良い。
燃焼器プレート12も、例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。燃焼器プレート12の中央部に貫通孔が形成され、その貫通孔に液体燃料導入管10が嵌め込まれ、液体燃料導入管10と燃焼器プレート12が接合されている。ここで、液体燃料導入管10は、例えば蝋付けによって燃焼器プレート12と接合される。蝋剤としては、外部流通管10や燃焼器プレート12を流れる流体の温度のうちの最高温度よりも高い融点であり、融点が700度以上の、金に、銀、銅、亜鉛、カドミウムを含有した金蝋や、金、銀、亜鉛、ニッケルを主成分とした蝋、或いは金、パラジウム、銀主成分とした蝋が特に好ましい。また、燃焼器プレート12の一方の面には隔壁が突出するように設けられている。隔壁は一部が燃焼器プレート12の外縁全周に亘って設けられ、他の一部が径方向に亘って設けられ、燃焼器プレート12が低温反応部6の下面に接合されることによって、接合面に燃焼用流路26が形成され、液体燃料導入管10が燃焼用流路26によって囲繞されている。燃焼用流路26の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。燃焼用触媒としては、例えば白金が挙げられる。なお、液体燃料導入管10内の吸液材は燃焼器プレート12の位置まで充填されている。
図3、図5に示すように、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8は、積層された絶縁プレート290とベースプレート29を共通の基体としている。そのため、絶縁プレート290が高温反応部4、低温反応部6及び連結管8に共通した下面となるが、連結管8の下面が高温反応部4の下面に対して面一になっているとともに、更に低温反応部6の下面に対して面一になっている。
ベースプレート29は、低温反応部6の基体となるベース部28と、高温反応部4の基体となるベース部102と、連結管8の基体となる連結ベース部7とからなり、これらを一体形成したものであり、連結ベース部7において括れた状態とされている。このベースプレート29は、例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。絶縁プレート290は、低温反応部6の基体となるベース部296と、高温反応部4の基体となるベース部294と、連結管8の基体となる連結ベース部298とからなり、これらを一体形成したものであり、連結ベース部297において括れた状態とされている。この絶縁プレート290は、例えばセラミック等の電気絶縁体からなる。
そして、低温反応部6は、ベース部296、ベース部28、下部枠30、上部枠34及び蓋プレート36を下からこれらの順に積層したものであり、直方体状に呈している。下部枠30、上部枠34及び蓋プレート36は何れも例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。
高温反応部4は、ベース部294と、ベース部294に接合されたベース部102と、ベース部102に重ねられた改質器ベース体104と、改質器ベース体104の一部を覆った第一箱体110と、改質器ベース体104の別の一部を覆った第二箱体112と、第一箱体110と第二箱体112との間に挟まれた燃焼器プレート106,108とを備え、直方体状に呈している。改質器ベース体104、第一箱体110、第二箱体112及び燃焼器プレート106,108は何れも例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。
連結管8は、連結ベース部298と、連結ベース部298に接合された連結ベース部7と、連結ベース部298に接合された連結蓋280とを備える。連結蓋280は、例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。
図10は、ベースプレート29に絶縁プレート290を接合した状態の斜視図である。図7、図10に示すように、貫通孔51,52,53,54,55,56,58,60がベースプレート29のベース部28及び絶縁プレート290のベース部296を貫通している。図2、図3、図5に示すように、絶縁プレート290のベース部296が低温反応部6の下面となるが、低温反応部6の下面に管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10が蝋付け等により接合され、液体燃料導入管10の気化用導入路14が貫通孔52に通じ、管材15の空気用導入路16が貫通孔60に通じ、管材17の燃焼混合気導入路18が貫通孔58に通じ、管材19の排ガス排出路20が貫通孔56に通じ、管材21の燃焼混合気導入路22が貫通孔51に通じ、管材23の水素排出路24が貫通孔54に通じている。また、図2、図5、図6に示すように、燃焼器プレート12が低温反応部6の下面に接合されているが、燃焼器プレート12の燃焼用流路26の一端部が貫通孔53に通じ、燃焼用流路26の他端部が貫通孔55に通じている。
図7、図10に示すように、ベースプレート29には、改質燃料供給流路38と、混合流路40と、一酸化炭素除去用流路42と、一酸化炭素除去用流路44と、燃焼燃料供給流路47と、燃焼燃料供給流路48と、連通流路49と、排ガス流路50とが形成されている。
改質燃料供給流路38は、貫通孔52から連結ベース部7を通ってベース部102の角部にまで至るよう形成されている。混合流路40は、貫通孔60から連結ベース部7を通ってベース部102にまで至るよう形成されている。燃焼燃料供給流路48は、貫通孔58から連結ベース部7を通ってベース部102に至るよう形成されている。排ガス流路50は貫通孔56から貫通孔55に至るよう形成されているとともに、貫通孔56から連結ベース部7を通ってベース部102に至るように形成されている。ここで、連結ベース部7に連結蓋280が接合されているが、この連結蓋280によって改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48及び排ガス流路50が連結ベース部7において覆われている。
連通流路49は、ベース部102において直線状に形成されている。一酸化炭素除去用流路42は、ベース部28において矩形状に形成されている。一酸化炭素除去用流路46は、貫通孔52を囲むようにコ字状に形成され、一酸化炭素除去用流路46の一端部の底で貫通孔54が開口している。燃焼燃料供給流路47は、ベース部28において貫通孔51から貫通孔53へ至るように形成されている。
一酸化炭素除去用流路44は、ベース部28において複数の隔壁45が設けられることで、葛折り状に形成されている。ここで、一酸化炭素除去用流路44を形成する四枚の隔壁45は、他の部分よりも高くなっている。
図11は、ベースプレート29に改質器ベース体104、下部枠30及び連結蓋280を接合した状態の斜視図である、図11等に示すように、ベースプレート29のベース部28の上に下部枠30が蝋付け等により接合されており、隔壁45が下部枠30の内側において下部枠30の上端の高さまでわたっており、葛折り状の一酸化炭素除去用流路44が下部枠30まで連通した状態とされている。
図8、図11に示すように、下部枠30の内側に複数の隔壁が設けられることで、下部枠30の内側が渦巻き状の一酸化炭素除去用流路64、吹抜け孔66及び一酸化炭素除去用流路44に区分けされている。一酸化炭素除去用流路64においては底板72が設けられ、ベース部28に下部枠30が蝋付け等により接合されるとその底板72によって一酸化炭素除去用流路46及び燃焼燃料供給流路47の上部が蓋されるとともに、改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48及び排ガス流路50のそれぞれの上部の一部が蓋される。
また、一酸化炭素除去用流路64の一方の端部が一酸化炭素除去用流路44に通じ、一酸化炭素除去用流路64の中途部においてはベース部28の一酸化炭素除去用流路42に通じる吹抜け孔74が形成され、一酸化炭素除去用流路64の他方の端部においてはベース部28の一酸化炭素除去用流路46の端部に通じる吹抜け孔76が形成されている。吹抜け孔66はベース部28の混合流路40の上に位置している。なお、平面視して、液体燃料導入管10は一酸化炭素除去用流路64の一部に重なり、一酸化炭素除去用流路64が液体燃料導入管10の周りを渦巻くように構成される。
図12は改質器ベース体104に箱体110等を接合し、更に、下部枠30に上部枠34を接合した状態の斜視図である。図9、図12に示すように、上部枠34の内側に隔壁が設けられることで、上部枠34の内側に葛折り状の一酸化炭素除去用流路84が形成されている。また、上部枠34の内側全体に底板86が設けられ、下部枠30に上部枠34が接合されると、その底板86によって一酸化炭素除去用流路64及び一酸化炭素除去用流路44の上部が蓋される。また、一酸化炭素除去用流路84の一端部においては吹抜け孔88が形成され、一酸化炭素除去用流路84の他端部においては吹抜け孔90が形成されている。吹抜け孔88は下部枠30の吹抜け孔66に重なり、一酸化炭素除去用流路84が吹抜け孔88及び吹抜け孔66を介して混合流路40に通じている。吹抜け孔90が一酸化炭素除去用流路44の端部の上に位置し、一酸化炭素除去用流路84が吹抜け孔90を介して一酸化炭素除去用流路44に通じている。
図1、図3、図5等に示すように、上部枠34の上に蓋プレート36が蝋付け等により接合されることで、一酸化炭素除去用流路84の上部が蓋プレート36によって蓋されている。ここで、一酸化炭素除去用流路42,44,46,64,84の壁面全体には、一酸化炭素を選択的に酸化させる一酸化炭素選択酸化用触媒が担持されている。一酸化炭素選択酸化用触媒としては白金が挙げられる。
図5、図11に示すように、改質器ベース体104は、底板117の一方の面に例えば四枚の隔壁119,121,123,125を立設したものである。底板117の他方の面をベース部102に接合することにで、底板117によって改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48、連通流路49、排ガス流路50がベース部102において覆われている。
底板117の角部近傍に吹抜け孔114が形成され、吹抜け孔114が改質燃料供給流路38の端部の上に位置している。底板117の別の角部近傍に吹抜け孔115が形成され、吹抜け孔115が混合流路40の端部の上に位置している。隔壁121と隔壁123の間においては吹抜け孔154が底板117の隔壁121寄りに形成され、吹抜け孔155が底板117の隔壁123寄りに形成され、吹抜け孔154が連通流路49の一端部の上に位置し、吹抜け孔155が連通流路49の他端部の上に位置している。隔壁121と隔壁123の中間においては吹抜け孔132,134が形成され、吹抜け孔132が燃焼燃料供給流路48の端部の上に位置し、吹抜け孔134が排ガス流路50の端部の上に位置している。
第一箱体110は下面が開口した直方体状を呈しており、第一箱体110の開口に隔壁119,121を挿入して、第一箱体110に隔壁119,121が収容した状態で第一箱体110の開口が底板117によって閉塞され、第一箱体110が底板117に接合されている。隔壁119,121は第一箱体110の上面に接合され、隔壁119,121によって葛折り状の改質用流路116が第一箱体110の内側に形成されている。ここで、吹抜け孔114が改質用流路116の一端部にあり、吹抜け孔154が改質用流路116の他端部にある。改質用流路116の壁面全体には、燃料を改質して水素を生成する改質用触媒が担持されている。メタノールの改質に用いられる改質用触媒としては、例えばCu/ZnO系触媒、Pt/ZnO系触媒が挙げられる。
このように第一箱体110が隔壁119,121を上から覆って底板117に接合され、第一箱体110の内部空間に改質器用触媒が設けられることで、第一改質器506が構成される。
第二箱体112は下面が開口した直方体状を呈しており、第二箱体112の開口に隔壁123,125を挿入して、第二箱体112内に隔壁123,125が収容した状態で第二箱体112の開口が底板117によって閉塞され、第二箱体112が底板117に接合されている。隔壁123,125は第二箱体112の上面に接合され、隔壁123,125によって葛折り状の改質用流路150が第二箱体112の内側に形成されている。ここで、吹抜け孔155が改質用流路150の一端部にあり、吹抜け孔115が改質用流路150の他端部にある。改質用流路150の壁面全体には、燃料を改質して水素を生成する改質用触媒が担持されている。
このように第二箱体112が隔壁123,125を上から覆って底板117に接合され、第二箱体112の内部空間に改質用触媒が設けられることで、第二改質器510が構成される。
図13は、燃焼器プレート106,108の斜視図である。図13に示すように、燃焼器プレート106の一方の面には、隔壁139が下の縁を除いた縁に沿って突出するように設けられ、更に別の隔壁141が上下に延在するよう突出するように設けられている。そして、燃焼器プレート106に燃焼器プレート108が接合されることで、燃焼室138,140がその下側を開口するよう形成される。更に、図5、図12に示すように、燃焼器プレート106,108が第一箱体110と第二箱体112の間で改質器ベース体104の底板117に接合されることで、燃焼室138,140の下側開口が底板117によって塞がれる。ここで、燃焼器プレート106と第一箱体110の対向する面,燃焼器プレート108と第二箱体112の対向する面とは密着するように配置される。また、図8及び図9に示すように、吹抜け孔132が燃焼室138にあり、吹抜け孔134が燃焼室140にある。燃焼室138及び燃焼室140の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。燃焼用触媒としては、例えば白金が挙げられる。
このように、燃焼器プレート106,108の間に形成された燃焼室138,140の下側開口を塞ぐように燃焼器プレート106,108が底板に接合され、燃焼室138,140に燃焼用触媒が設けられることで第二燃焼器508が構成される。
燃焼器プレート106は第一箱体110に密接し、燃焼器プレート108は第二箱体112に密接している。そのため、第一改質器506、第二改質器510が第二燃焼器508を挟んだ状態で改質器ベース体104の底板117と平行な方向に沿って密着されている。
図1等に示すように、連結管8の外形は角柱状とされ、連結管8の幅が高温反応部4の幅及び低温反応部6の幅よりも狭く、連結管8の高さも高温反応部4及び低温反応部6の高さよりも低い。そして、連結管8は高温反応部4と低温反応部6との間に架設されているが、連結管8は高温反応部4の幅方向中央部において高温反応部4に連結しているとともに低温反応部6の幅方向中央部において低温反応部6に連結している。なお、上述したように、連結管8には、改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48及び排ガス流路50が設けられている。
次に、給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8の内側に設けられた流路の経路について説明する。また、図14は本実施形態のマイクロリアクタモジュール1における、液体燃料と水が供給されてから、生成物である水素リッチガスが排出されるまでの経路を示した図であり、図15は本実施形態のマイクロリアクタモジュール1における、気体燃料と空気からなる燃焼混合気が供給されてから、生成物である水等が排出されるまでの経路を示した図である。ここで図14、図15と図4の対応関係について説明すると、気化用導入路14が気化器502の流路に相当し、改質用流路116が第一改質器506の流路に相当し、改質用流路150が第二改質器510の流路に相当し、一酸化炭素除去用流路84の始端から一酸化炭素除去用流路46の終端までが一酸化炭素除去器512の流路に相当し、燃焼用流路26が第一燃焼器504の流路に相当し、燃焼室138,140が第二燃焼器508の流路に相当する。
図2、図5に示すように、低温反応部6の下面つまり絶縁プレート290の下面には、電熱線170が蛇行した状態にパターニングされ、低温反応部6から連結管8を通って高温反応部4にかけてこれらの下面には、電熱線172が蛇行した状態にパターニングされている。低温反応部6の下面から燃焼器プレート12の表面を通って液体燃料導入管10の側面にかけて電熱線174がパターニングされている。ここで、液体燃料導入管10の側面及び燃焼器プレート12の表面には、窒化シリコン、酸化シリコン等の絶縁膜が成膜され、その絶縁膜の表面に電熱線174が形成されている。絶縁膜又は絶縁プレート290に電熱線170,172,174をパターニングすることで、印加しようとする電圧が金属材料製のベースプレート29、液体燃料導入管10、燃焼器プレート12等に掛かることがなく、電熱線170,172,174の発熱効率を向上させることができる。
電熱線170,172,174は、絶縁膜又は絶縁プレート290から拡散防止層、発熱層の順に積層したものである。発熱層は3層の中で最も低い抵抗率の材料(例えば、Au)であり、電熱線170,172,174に電圧が印加されると電流が集中的に流れて発熱する。拡散防止層は、電熱線170,172,174が発熱しても発熱層の材料が拡散防止層に熱拡散されにくく、且つ拡散防止層の材料が発熱層に熱拡散しにくい材料であり、比較的融点が高く且つ反応性が低い物質(例えば、W)を用いることが好まし。また、拡散防止層が絶縁膜に対して密着性が低く剥離しやすい場合には、更に、絶縁膜と拡散防止層の間に密着層を設けるようにしてもよく、密着層としては拡散防止層に対しても絶縁膜又は絶縁プレート290に対しても密着性に優れた材料(例えば、Ta、Mo、Ti、Cr)からなる。電熱線170は、起動時に低温反応部6を加熱し、電熱線172は、起動時に高温反応部4及び連結管8を加熱し、電熱線174は、給排部2の気化器502及び第一燃焼器504を加熱する。この後、燃料電池からの水素を含むオフガスで第二燃焼器508が燃焼されたら、電熱線172は第二燃焼器508の補助として高温反応部4及び連結管8を加熱する。同様に、燃料電池からの水素を含むオフガスで第一燃焼器504が燃焼される場合、電熱線170は第一燃焼器504の補助として低温反応部6を加熱する。
また、電熱線170,172,174は温度に依存して電気抵抗が変化し、抵抗値の変化から温度の変化を読み取る温度センサとしても機能する。具体的には、電熱線170,172,174の温度は電気抵抗に比例する。
電熱線170,172,174の何れの端部も低温反応部6の下面に位置し、これら端部が燃焼器プレート12を囲むように配列されている。電熱線170の両端部にはそれぞれリード線176,178が接続され、電熱線172の両端部にはそれぞれリード線180,182が接続され、電熱線174の両端部にはそれぞれリード線184,186が接続されている。なお、図3においては、図面を見やすくするために、電熱線170,172,174及びリード線176,178,180,182,184,186の図示を省略する。
また、図3、図5に示すように、低温反応部6の表面に、ゲッター材188を設けるようにしてもよい。このゲッター材188には電熱材等のヒータが設けられ、このヒータには配線190が接続されている。配線190の両端部は燃焼器プレート12の周囲において低温反応部6の下面に位置し、配線190の両端部にはそれぞれリード線192,194が接続されている。ゲッター材188は加熱されることで活性化して吸着作用をもつものであり、後述する断熱パッケージ200の内部空間に残留する気体や、マイクロリアクタモジュール1から断熱パッケージ200の内部空間に漏洩した気体や、外部から断熱パッケージ200内に侵入した気体を吸着することにより、断熱パッケージ200の内部空間に気体が浸入し、真空度が悪化して断熱効果が低下することを抑えるものである。ゲッター材188の材料としては例えばジルコニウム、バリウム、チタニウム又はバナジウムを主成分とした合金が挙げられる。なお、図3においては、図面を見やすくするために、リード線192,194の図示を省略する。
次に、このマイクロリアクタモジュール1の熱損失を抑制するための断熱構造について説明する。図16は本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1を覆う断熱パッケージ(断熱容器)200の分解斜視図であり、図17は、断熱パッケージ200を斜め下から示した斜視図である。図16、図17に示すように、断熱パッケージ200はマイクロリアクタモジュール1の全体を覆うように構成され、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が断熱パッケージ200内に収容される。断熱パッケージ200は、下面が開口した長方形状のケース202と、ケース202の下面開口を閉塞するための閉塞板204とから構成され、閉塞板204がケース202に接合されている。ケース202及びベースプレート204は例えばステンレス鋼等の板状の金属材料からなる。また、ケース202及び閉塞板204の内側となる面に例えばアルミニウム、金、銀等からなる金属反射膜を成膜するようにしてもよい。このような金属反射膜が成膜されていると、給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8からの輻射による熱損失を抑制することができる。
閉塞板204を複数の通し孔が貫通し、管材15,17,19,21,23、液体燃料導入管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194がそれぞれの通し孔に挿通された状態でこれら貫通孔が封止されている。断熱パッケージ200の内部空間は密閉され、その内部空間が真空圧とされて真空断熱構造とされる。これによって、熱損失を抑えることができる。
閉塞板204を複数の通し孔が貫通し、管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10がそれぞれの通し孔に挿通された状態で、一部が断熱パッケージ200の外側に露出される。この外部に露出している部分から断熱パッケージ200内に外気が侵入しないように、管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10と閉塞板204の貫通孔とは、例えばガラス材又は絶縁封止材で接合、封止されている。断熱パッケージ200の内部空間は密閉され、内圧が1Torr以下になるように真空排気され、その内部空間が真空圧とされて真空断熱構造とされる。これによって、マイクロリアクタモジュール1の各部の熱が外部に伝搬してしまうことを抑えて、熱損失を低減することができる。また、断熱パッケージ200の内側においては管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10が支柱として閉塞板204に対して立った状態とされ、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10に支持されて、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が断熱パッケージ200の内面から離れている。
また、液体燃料導入管10は、平面視して高温反応部4、低温反応部6及び連結管8全体の重心において低温反応部6の下面に連結していることが望ましい。
なお、上記においては、ゲッター材188を低温反応部6の表面に設けるとしたが、ゲッター材188を設ける位置は断熱パッケージ200の内側であれば特に限定されるものではない。
次に、マイクロリアクタモジュール1の動作について説明する。
まず、リード線192,194の間に電圧が印加されると、ゲッター材188がヒータによって加熱され、ゲッター材188が活性化される。これにより、断熱パッケージ200内の残留ガスがゲッター材188に吸着され、断熱パッケージ200内の真空度が高まり、断熱効率が高まる。
また、リード線176,178の間に電圧が印加されると、電熱線170が発熱し、低温反応部6が加熱される。リード線180,182の間に電圧が印加されると、電熱線172が発熱し、高温反応部4が加熱される。リード線184,186の間に電圧が印加されると、電熱線174が発熱し、液体燃料導入管10の上部が加熱される。液体燃料導入管10、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が金属材料からなるため、これらの間で熱伝導しやすい。なお、電熱線170,172,174の電流・電圧が制御装置によって測定されることで、液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6の温度が測定され、測定温度が制御装置にフィードバックされ、制御装置によって電熱線170,172,174の電圧が制御され、これにより液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6の温度制御がなされる。
電熱線170,172,174によって液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6が加熱された状態において、気化用導入路14に液体燃料と水の混合液が外部のポンプ等によって連続的又は断続的に供給されると、混合液が吸液材に吸収され、毛細管現象により混合液が気化用導入路14の上に向かって浸透する。そして、吸液材内の混合液が気化し、燃料と水の混合気が吸液材から蒸散する。吸液材内にて混合液が気化するから、突沸を抑えることができ、安定して気化することができる。
そして、吸液材から蒸散した混合気は貫通孔52、改質燃料供給流路38、吹抜け孔114を通って第一改質器506(改質用流路116)に流れ込む。その後、混合気は吹抜け孔154、連通流路49、吹抜け孔155を通って第二改質器510(改質用流路150)に流れ込む。混合気が改質用流路116,150を流れている際には、混合気が加熱されて触媒反応することによって、水素ガス等が生成される(燃料がメタノールの場合には、上記化学反応式(1)、(2)を参照。)。
第一改質器506及び第二改質器510で生成された混合気(水素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス等を含む。)が吹抜け孔115を通って混合流路40へと流れ込む。一方、空気がポンプ等によって空気用導入路16に供給され、混合流路40へ流れ込み、水素ガス等の混合気と空気が混合される。
そして、空気、水素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等を含む混合気が混合流路40から吹抜け孔66,88を通って一酸化炭素除去器512(一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46まで)へ流れ込む。混合気が一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46へ流れている時に、混合気中の一酸化炭素ガスが選択的に酸化され、一酸化炭素ガスが除去される。ここで、一酸化炭素ガスは一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46までの間で均一的に反応するのではなく、一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46までの経路のうち下流(主に、一酸化炭素除去用流路64から一酸化炭素除去用流路46にかけて)において一酸化炭素ガスの反応速度が高くなる。一酸化炭素ガスの酸化反応は発熱反応であるので、主に一酸化炭素除去用流路64から一酸化炭素除去用流路46までの部分で熱が発生する。この部分の下に液体燃料導入管10が位置するので、一酸化炭素ガスの酸化反応による熱が第一燃焼器504の熱とあいまって気化器502での水と燃料の気化熱に効率よく用いられる。
そして、一酸化炭素が除去された状態の混合気が貫通孔54及び水素排出路24を通って燃料電池の燃料極等に供給される。燃料電池では排出路24から供給される水素ガスの電気化学反応により電気が生成され、未反応の水素ガス等を含むオフガスが燃料電池から排出される。
以上の動作は初期段階の動作であり、その後の発電動作中は、混合液が気化用導入路14に供給され続ける。そして、燃料電池から排出されたオフガスに空気が混合され、その混合気(以下、燃焼混合気という。)が燃焼混合気導入路22及び燃焼混合気導入路18に供給される。燃焼混合気導入路22に供給された燃焼混合気は貫通孔51、燃焼燃料供給流路47、貫通孔53を通って燃焼用流路26に流れ込み、燃焼混合気が燃焼用流路26において触媒燃焼し、燃焼熱が発する。燃焼用流路26が低温反応部6の下側において液体燃料導入管10を周回しているため、燃焼熱によって液体燃料導入管10が加熱されるとともに低温反応部6が加熱される。そのため、電熱線170,174に供給する電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
一方、燃焼混合気導入路18に供給された燃焼混合気は貫通孔58、燃焼燃料供給流路48、吹抜け孔132を通って燃焼室138,140へ流れ込み、燃焼混合気が燃焼室138,140において触媒燃焼する。これにより燃焼熱が発するが、燃焼室138,140の両側に第一改質器506、第二改質器510が配置されているので、燃焼熱によって第一改質器506及び第二改質器510が加熱される。そのため、電熱線172に供給する電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
なお、燃料容器に貯留されている液体燃料の一部が気化されて、その気化した燃料と空気の燃焼混合気が燃焼混合気導入路18,22に供給されるようにしても良い。
混合液が気化用導入路14に供給された状態であって、燃焼混合気が燃焼混合気導入路18,22に供給された状態において、制御装置が電熱線170,172,174の抵抗値によって温度を測定しながら、電熱線170,172,174の印加電圧を制御するとともに、ポンプ等を制御する。制御装置によってポンプが制御されると、燃焼混合気導入路18,22に供給される燃焼混合気の流量が制御され、これにより燃焼器504,508の燃焼熱量が制御される。このように制御装置が電熱線170,172,174及びポンプを制御することによって、それぞれ、液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6の温度制御がなされる。ここで、高温反応部4が250℃〜400℃、好ましくは300℃〜380℃、低温反応部6が高温反応部4より低い温度、具体的には120℃〜200℃、さらに好ましくは140℃〜180℃となるよう、温度制御を行う。
次に、本発明における反応装置の各部の具体的な寸法及び構成材料の一例について説明する。高温反応部4は、例えば、幅が16mm、長さが10mm、高さが6mm程度の大きさに形成される。ここで、第二燃焼器燃焼器の高さは、例えば0.3mm程度に形成される。連結管8は、例えば、長さが3mm、高さ及び幅が1mm程度の大きさに形成される。低温反応部6は、例えば、幅が16mm、長さが23mm、高さが6mm程度の大きさに形成される。給排部2における外部流通管10は、例えば、長さが7〜8mm、縦横が2〜3mmで形成される。また、断熱パッケージ200は、例えば、高さが9〜10mm、幅が20mm、長さが40mm程度に形成される。そして、高温反応部4、低温反応部6、連結管8、外部流通管10、燃焼器プレート12等を形成する金属材料は、例えば、肉厚が0.1mm〜0.2mm程度のステンレス鋼SUS304からなる。また、断熱パッケージ200は、例えば、肉厚が0.5mm程度のステンレス鋼SUS304からなる。このように構成した場合、電熱線170の電力を15W、電熱線172の電力を25Wとしたとき、9〜10秒程度で高温反応部4を375℃、低温反応部6を150℃とすることができ、比較的短時間で起動することができる。
次いで、本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1を備える発電ユニット601の概略構成について説明する。図18は本実施形態におけるマイクロリアクタモジュール1を備える発電ユニット601の一例を示す斜視図である。図18に示すように、以上のようなマイクロリアクタモジュール1は、発電ユニット601に組み付けて用いることができる。この発電ユニット601は、例えば、フレーム602と、フレーム602に対して着脱可能な燃料容器604と、流路、ポンプ、流量センサ及びバルブ等を有する流量制御ユニット606と、断熱パッケージ200に収容された状態のマイクロリアクタモジュール1と、燃料電池、燃料電池を加湿する加湿器及び燃料電池で生成された副生成物を回収する回収器等を有する発電モジュール608と、マイクロリアクタモジュール1及び発電モジュール608に空気(酸素)を供給するエアポンプ610と、二次電池、DC−DCコンバータ及び発電ユニット601の出力で駆動する外部の機器と電気的に接続するための外部インターフェース等を有する電源ユニット612とを具備して構成される。流量制御ユニット606によって燃料容器604内の水と液体燃料の混合気がマイクロリアクタモジュール1に供給されることで、上述のように水素リッチガスが生成され、水素リッチガスが発電モジュール608の燃料電池に供給され、生成された電気が電源ユニット612の二次電池に蓄電される。
図19は、発電ユニット601を電源として用いる電子機器701の一例を示す斜視図である。図19に示すように、この電子機器701は、携帯型の電子機器であって、例えばノート型パーソナルコンピュータである。電子機器701は、CPU、RAM、ROM、その他の電子部品から構成された演算処理回路を内蔵するとともにキーボード702を備え付けた下筐体704と、液晶ディスプレイ706を備え付けた上筐体708と、を備える。下筐体704と上筐体708はヒンジ部で結合されており、上筐体708を下筐体704に重ねてキーボード702に液晶ディスプレイ706を相対させた状態で折り畳むことができるように構成されている。下筐体704の右側面から底面にかけて、発電ユニット601を装着するための装着部710が形成され、装着部710に発電ユニット601を装着すると、発電ユニット601の電気によって電子機器701が動作する。
以上のように本実施の形態によれば、改質器506、燃焼器508、改質器510が改質器ベース体104の底板117に平行な方向に沿って密着されて配置され、箱体110,112、燃焼器プレート106,108が底板117に接合されているから、箱体110,112同士や箱体110,112と燃焼器プレート106,108を接合せずとも済み、接合面を少なくすることができる。そのため、内部の反応物や生成物の漏洩を抑えることができる。
また、ベースプレート29のベース部102の上に改質器ベース体104が接合され、ベースプレート29の別のベース部28の上に一酸化炭素除去器512が設けられているから、第一改質器506、第二改質器510、第二燃焼器508、一酸化炭素除去器512のベースとなる部分がベースプレート29として共有化されている。そのため、マイクロリアクタモジュール1の部品点数がその共有に係る分だけ低減され、改質器507,510と一酸化炭素除去器512との接合プロセスも不要となるから、マイクロリアクタモジュール1の製造プロセスの簡略化を図ることができる。
また、改質器ベース体104の底板117に立設された隔壁119,121,123,125に箱体110,112を覆うことで改質器506,510が設けられるから、改質器506.510の内側に流路を形成する場合に箱体110,112に隔壁を設ける必要がない。そのため、改質器506,510の接合面が減り、底板117と箱体110,112とを接合する場合に隔壁同士を接合する接合プロセスも不要となるから、改質器506,510の製造プロセスの簡略化を図ることができる。
また、断熱パッケージ200の内部空間が断熱空間となっており、高温反応部4が低温反応部6から離れ、高温反応部4から低温反応部6までの間隔が連結管8の長さ分となっている。従って、高温反応部4から低温反応部6への伝熱の経路が連結管8に限られ、高温を要しない低温反応部6への伝熱が限定される。特に、連結管8の高さ及び幅は高温反応部4と低温反応部6の高さ及び幅よりも小さいから、連結管8を通じた熱伝導も極力抑えられている。そのため、高温反応部4の熱損失を抑えることができるとともに、低温反応部6が設定温度以上に昇温することも抑えることができる。即ち、1つの断熱パッケージ200内に高温反応部4と低温反応部6を収容した場合でも、高温反応部4と低温反応部6の間で温度差を発生することができる。
また、低温反応部6と高温反応部4との間を通じた38,40,48,50を1本の連結管8にまとめた状態とされているので、連結管8等に発生する応力を小さくすることができる。つまり、高温反応部4と低温反応部6との間には温度差があるから、低温反応部6よりも高温反応部4のほうがより膨張するが、高温反応部4が連結管8との連結部以外は自由端となっているので、連結管8等に発生する応力を抑えることができる。特に、連結管8は高さや幅が高温反応部4や低温反応部6よりも小さく、更に連結管8は高温反応部4及び低温反応部6の幅方向中央部において高温反応部4及び低温反応部6に連結しているから、連結管8、高温反応部4及び低温反応部6の応力発生を抑えることができる。
管材15,17,19,21,23、液体燃料導入管10、リード線176,178,180,182,184,186,192,194は断熱パッケージ200の外側に延出しているが、これらは全て低温反応部6に連結されている。そのため、高温反応部4から断熱パッケージ200外への直接の伝熱を抑えることができ、高温反応部4の熱損失を抑えることができる。従って、1つの断熱パッケージ200内に高温反応部4と低温反応部6を収容した場合でも、高温反応部4と低温反応部6の間で温度差を発生することができる。
連結管8の下面、高温反応部4の下面及び低温反応部6の下面が面一となっているため、電熱線172を比較的簡単にパターニングすることができ、電熱線172の断線を抑えることができる。
また、液体燃料導入管10の気化用導入路14に吸液材を充填させて、気化用導入路14を気化器502としたので、マイクロリアクタモジュール1の小型化・簡略化を図りつつ、混合液の気化に必要な温度状態(気化用導入路14の上部が120℃となる状態)とすることができる。
また、燃焼器プレート12は液体燃料導入管10の上端部において液体燃料導入管10の周囲に設けられて、更に気化用導入路14内の吸液材が燃焼器プレート12の高さの位置まで充填されているから、第一燃焼器504における燃焼熱を混合液の気化に効率よく用いることができる。
また、第一改質器506と第二改質器510との間に第二燃焼器508を挟んだ構造としているため、第二燃焼器508の燃焼熱が第一改質器506と第二改質器510に均等に伝導し、第一改質器506と第二改質器510との間に温度差が生じないようにすることができる。