JP2008062374A - ウェーハ固定プレート - Google Patents
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Abstract
【課題】切削ブレードを用いて被加工物を切削すると同時にウェーハを固定する固定部材を切削してドレッシングを行う場合において、被加工物とドレッシング機能を有する固定部材との着脱を容易とする。
【解決手段】チャックテーブルに保持されたウェーハに切削ブレードを切り込ませて切削を行う切削装置において、切削装置において、チャックテーブルに保持されてウェーハを固定するウェーハ固定プレート8を、切削ブレードをドレッシングするプレート本体80とプレート本体80の表面に塗布された粘着層81とで構成する。ウェーハ固定プレートの表面に粘着層81を設けたことにより、ウェーハを容易に固定し、剥離することができる。
【選択図】図3
【解決手段】チャックテーブルに保持されたウェーハに切削ブレードを切り込ませて切削を行う切削装置において、切削装置において、チャックテーブルに保持されてウェーハを固定するウェーハ固定プレート8を、切削ブレードをドレッシングするプレート本体80とプレート本体80の表面に塗布された粘着層81とで構成する。ウェーハ固定プレートの表面に粘着層81を設けたことにより、ウェーハを容易に固定し、剥離することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、切削対象のウェーハを固定するウェーハ固定プレートに関するものである。
半導体ウェーハ、ガラス基板、複数のデバイスが電極板上に配置され樹脂封止されて構成されるCSP基板等の各種ウェーハは、切削ブレードによって切削されて個々のデバイス等に分割される。切削ブレードは、円板状の基台の外周縁に切り刃部が固着されて構成されており、切削ブレードが高速回転しながら切り刃部が被加工物に切り込んで切削が行われるため、切り刃部には目つぶれ、目詰まりが生じる。そこで、切削の合間にグリーンカーボランダム、アルミナ等の砥粒をビトリファイドボンド、レジンボンド等のボンド剤で固めて板状に成形したドレッシングボードに切り刃部を定期的に切り込ませて切り刃部のドレッシングを行うことにより、切り刃部の目つぶれ、目詰まりを防止している。
ところが、ガラス板やCSP基板のように、比較的粘性のある材料で形成される基板を切削ブレードによって切削すると、切り刃部の目つぶれ、目詰まりが著しく、切削を中断して頻繁にドレッシングを行う必要が生じて生産性が低下するという問題がある。
このような問題を解決すべく、被加工物を固定支持する固定部材自体にドレッシング機能を持たせ、被加工物と共に当該固定部材を切削することで、切削とドレッシングとを並行して行い、切削効率を向上させる技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、被加工物は、ワックスによってドレッシング機能を有する固定部材に接着されるため、被加工物と固定部剤との着脱が容易でないという問題がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、切削ブレードを用いて被加工物を切削する場合において、被加工物とドレッシング機能を有する固定部材との着脱を容易とすることである。
本発明は、ウェーハを吸引保持する保持面を有するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたウェーハを切削する回転可能な切削ブレードを有する切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に切り込み送りする切り込み送り手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に割り出し送りする割り出し送り手段とを少なくとも備えた切削装置のチャックテーブルに保持されてウェーハを固定するウェーハ固定プレートであって、該切削ブレードをドレッシングするプレート本体と、プレート本体の表面に塗布された粘着層とから構成されていることを特徴とする。
プレート本体には、砥粒とボンド剤とを混練し焼結して形成されるもの、セラミックスを焼結して形成されるものがある。プレート本体には表面から裏面に至る複数の細孔が形成されることが望ましい。また、粘着層は、外的刺激によって粘着力が低下するアジド化合物を含有することが望ましい。
本発明では、プレート本体の表面に粘着層が塗布されているため、粘着層にウェーハを接触させることにより、ウェーハ固定プレートにウェーハを容易に固定することができる。
また、ウェーハ固定プレートに、表面から裏面に至る細孔を設けると、切削装置のチャックテーブルにウェーハ固定プレートを載置し、その上にウェーハを載置して吸引すると、細孔を通じて伝達される吸引力によってウェーハを吸引することができ、ウェーハをより確実に固定することができる。
更に、粘着層がアジド化合物を含有する場合は、光、熱、超音波等の外的刺激によって粘着層から窒素ガスを発生することにより粘着層が低下するため、ウェーハを切削して形成された個々のデバイスを容易にウェーハ固定プレートから離脱させることができる。
図1に示す切削装置1は、ウェーハを保持するチャックテーブル2と、チャックテーブル2に保持されたウェーハを切削する切削手段3とを備えている。
チャックテーブル2は、ウェーハを吸引保持する保持面20を有している。保持面20は、例えば多孔質のセラミックスにより構成され、図示しない吸引源に連通している。保持面20は、支持板21に支持されている。
切削手段3は、ハウジング30と、ハウジング30によって回転可能に支持されY軸方向の軸心を有するスピンドル31と、スピンドル31を回転駆動する駆動部32と、スピンドル31の先端部に装着された切削ブレード33と、切削水を吐出する一対のノズル34を備えている。ハウジング30の側部には、撮像部40によってウェーハを撮像して切削すべき位置を検出するアライメント手段4が固定されている。
チャックテーブル2は、加工送り手段5によってX軸方向に加工送りされる構成となっている。加工送り手段5は、X軸方向に配設されたX軸ボールネジ50と、X軸ボールネジ50と平行に配設された一対のX軸ガイドレール51と、X軸ボールネジ50の一端に連結された駆動源52と、内部のナットがX軸ボールネジ50に螺合すると共に下部がX軸ガイドレール51に摺接するX軸移動基台53と、X軸移動基台53に固定されチャックテーブル2を回動させるパルスモータ54とから構成され、駆動源52によって駆動されてX軸ボールネジ50が回動するのに伴い、X軸移動基台53がX軸ガイドレール51にガイドされてX軸方向に移動する構成となっている。
切削手段3は、切り込み送り手段6によってZ軸方向に切り込み送りされる構成となっていると共に、割り出し送り手段7によってY軸方向に割り出し送りされる構成となっている。切り込み送り手段6は、Z軸方向に配設されたZ軸ボールネジ60と、Z軸ボールネジ60と平行に配設された一対のZ軸ガイドレール61と、Z軸ボールネジ60の一端に連結されたパルスモータ62と、切削手段3を支持すると共にその内部のナットがZ軸ボールネジ60に螺合し側部がZ軸ガイドレールに摺接する支持部63とから構成されており、パルスモータ62によって駆動されてZ軸ボールネジ60が回動するのに伴い、支持部63がZ軸ガイドレール61にガイドされて昇降して切削手段3も昇降する構成となっている。
また、割り出し送り手段7は、Y軸方向に配設されたY軸ボールネジ70と、Y軸ボールネジ70と平行に配設された一対のY軸ガイドレール71と、Y軸ボールネジ70の一端に連結されたパルスモータ72と、内部のナットがY軸ボールネジ70に螺合し下部がY軸ガイドレール71に摺接するY軸移動基台73とから構成されており、パルスモータ72によって駆動されてY軸ボールネジ70が回動するのに伴い、Y軸移動基台73がY軸ガイドレール71にガイドされてY軸方向に移動して切削手段3もY軸方向に移動する構成となっている。Y軸移動基台73には切り込み送り手段6を備えており、Y軸移動基台73のY軸方向の移動によって、切り込み送り手段6も同方向に移動する構成となっている。
図2に示すウェーハWは、ストリートSによって区画されて多数のデバイスDが形成されて構成されており、ストリートSを縦横に切削することにより、個々のデバイスDに分割される。
図2に示すように、チャックテーブル2は、ウェーハ固定プレート8を介してウェーハWを保持する。図3に示すように、ウェーハ固定プレート8は、プレート本体80と、プレート本体80の表面に塗布された粘着層81とから構成される。プレート本体80は、切削ブレード33のドレッシングを行うものであり、例えば、グリーンカーボランダム、アルミナ等の砥粒とビトリファイドボンド剤またはレジンボンド剤とを混練して板状に成形し、その後、所定の温度で焼結して形成することができる。そして、発泡剤を混練してポーラス状に構成して表面から裏面に至る細孔を形成するか、または、レーザー光線の照射によって、表面から裏面に至る細孔83を形成する。
また、プレート本体80は、セラミックスを焼結することによっても形成することができる。例えば、粒径が6μmの粒子からなるアルミナを93%、二酸化珪素と二酸化チタンを7%とする成分のセラミックスを、約1200℃、大気圧の下で4〜5時間焼結することにより、気孔率を39%、表面から裏面に至る細孔の平均細孔径を6μmとするポーラスセラミックスとする。また、粒径が50μmの粒子からなるアルミナ粒子を93%、二酸化珪素と二酸化チタンを7%とする成分のセラミックスを、同様の条件により焼結することにより、気孔率を38%、表面から裏面に至る細孔の平均細孔径を50μmとする通気性が高いポーラスセラミックスとすることもできる。これらの製法による場合も、レーザー光線等を用いて表面から裏面に至る細孔を形成してもよい。
粘着層81には、アジド化合物を含有することが望ましい。アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマーなどのアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、光、熱、超音波及び衝撃による刺激を与えることにより分解して、窒素と活性ラジカル種に分裂し、窒素ガスを発生する。
図2に示したように、チャックテーブル2の保持面20にウェーハ固定プレート8を載置して粘着層81を上方に露出させ、粘着層81にウェーハWの裏面を載置する。保持面
20には吸引源から伝達される吸引力が作用するため、ウェーハ固定プレート8は、その吸引力によって保持面20において吸引保持される。また、プレート本体80及び粘着層81に形成された細孔83を通じて粘着層81の露出面にも吸引力が伝達されるため、ウェーハWが粘着層81に吸着され、粘着力によって粘着層81に固着される。したがって、特別な装置を用いてウェーハWをウェーハ固定プレート8に押し付けたり、接着用のワックス等を用いる必要がない。
20には吸引源から伝達される吸引力が作用するため、ウェーハ固定プレート8は、その吸引力によって保持面20において吸引保持される。また、プレート本体80及び粘着層81に形成された細孔83を通じて粘着層81の露出面にも吸引力が伝達されるため、ウェーハWが粘着層81に吸着され、粘着力によって粘着層81に固着される。したがって、特別な装置を用いてウェーハWをウェーハ固定プレート8に押し付けたり、接着用のワックス等を用いる必要がない。
図4に示すように、図1に示したアライメント手段4によって切削ブレード33と切削すべきストリートSとのY軸方向の位置合わせが行われた後に、加工送り手段5(図1参照)に駆動されてチャックテーブル2がX軸方向に移動すると共に、切削ブレード33が高速回転しながら切り込み送り手段6によって駆動されて切削手段3が下降し、高速回転する切削ブレード33がストリートSに切り込んで当該ストリートSが切削される。切削ブレード33は、アルミニウム等で形成された基台330の外周縁に、砥粒がボンド剤で固めて構成された切り刃部331が形成された構成となっており、切り刃部331がストリートSに作用することにより切削が行われる。
ストリートSを1本切削するごとに、図1に示した割り出し送り手段7によって切削手段3がストリート間隔ずつ割り出し送りされ、チャックテーブル2がX軸方向に移動すると共に、切削ブレード33がストリートSに切り込み、順次同方向のストリートSが切削されていく。同方向のストリートSがすべて切削された後は、チャックテーブル2が90度回転した後に、上記切削が行われ、すべてのストリートSが縦横に切削される。
図5に示すように、ストリートの切削時は、切削ブレード33の切り刃部331がウェーハ固定プレート8のプレート本体を切り込むことにより、切り刃部331のドレッシングが行われる。したがって、常にドレッシングが行われると共に、ドレッシングだけのために時間をとる必要がなく、切削効率が向上する。
このようにしてウェーハWが縦横に切削されて個々のデバイスDに分割されると、デバイスDをウェーハ固定プレート8から剥離してピックアップする作業を行う。ピックアップ前の個々のデバイスDは、粘着層81によって固着されているため、ピックアップ工程に移る際に、ウェーハ固定プレート8をチャックテーブル2から取り外しても、デバイスDが離脱することがない。
粘着層81がアジド化合物を含有する場合は、デバイスDのピックアップの前に、図3に示した粘着層81に外的刺激、例えば、光(ウェーハWがガラス等の透明体の場合)、熱、超音波等を加える。粘着層81に外的刺激を加えると、窒素ガスが発生し、粘着層81の外へ放出される。これにより、窒素ガスがウェーハWの裏面との接着面の一部を剥がし接着力を低下させるため、容易にデバイスDをウェーハ固定プレート8から剥離することができる。
アジド化合物の分解により生成した活性ラジカル種は、重合性オリゴマーに作用して重合架橋を促進する。したがって、例えば、接着性物質が光硬化型粘着剤からなる場合は、光による刺激を与えなくとも、アジド化合物の分解により生成した活性ラジカル種により重合架橋が起こり、粘着力が低下する。
なお、アジド化合物は、粘着層81の中において分散していてもよいが、ウエーハとの接着面に存在することが好ましい。更に、当該接着面におけるアジド化合物の濃度が、プレート本体80と接する面におけるアジド化合物の濃度よりも高いことがより好ましく、更に、アジド化合物が当該接着面に存在し、プレート本体と接する面には存在しないことがより好ましい。これにより、剥離は接着面でのみ起こることから、ウエーハWに粘着剤が残ることがない。
このようにして粘着層81の粘着力が低下した後は、デバイスDをウェーハ固定プレート8から剥離することによるピックアップを容易かつ円滑に行うことができる。
1:切削装置
2:チャックテーブル
20;保持面 21:支持板
3:切削手段
30:ハウジング 31:スピンドル 32:駆動部
33:切削ブレード
330:基台 331:切り刃部
4:アライメント手段
40:撮像部
5:加工送り手段
50:X軸ボールネジ 51:X軸ガイドレール 52:駆動源
53:X軸移動基台 54:パルスモータ
6:切り込み送り手段
60:Z軸ボールネジ 61:Z軸ガイドレール 62:パルスモータ
63:支持部
7:割り出し送り手段
70:Y軸ボールネジ 71:Y軸ガイドレール 72:パルスモータ
73:Y軸移動基台
8:ウェーハ固定プレート
80:プレート本体 81:粘着層 82:砥粒 83:細孔
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Claims (5)
- ウェーハを吸引保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウェーハを切削する回転可能な切削ブレードを有する切削手段と、該チャックテーブルと該切削手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルと該切削手段とを相対的に切り込み送りする切り込み送り手段と、該チャックテーブルと該切削手段とを相対的に割り出し送りする割り出し送り手段とを少なくとも備えた切削装置の該チャックテーブルに保持されてウェーハを固定するウェーハ固定プレートであって、
該切削ブレードをドレッシングするプレート本体と、該プレート本体の表面に塗布された粘着層とから構成されていることを特徴とするウェーハ固定プレート。 - 前記プレート本体は、砥粒とボンド剤とを混練し焼結して形成される請求項1に記載のウェーハ固定プレート。
- 前記プレート本体は、セラミックスを焼結して形成される請求項1に記載のウェーハ固定プレート。
- 表面から裏面に至る複数の細孔が形成された請求項1、2または3に記載のウェーハ固定プレート。
- 前記粘着層は、外的刺激によって粘着力が低下するアジド化合物を含有する請求項1、2、3または4に記載のウェーハ固定プレート。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007170382A JP2008062374A (ja) | 2006-08-10 | 2007-06-28 | ウェーハ固定プレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008062374A true JP2008062374A (ja) | 2008-03-21 |
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JP2007170382A Pending JP2008062374A (ja) | 2006-08-10 | 2007-06-28 | ウェーハ固定プレート |
Country Status (1)
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