JP2008062130A - 酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】実車において排気ガス浄化性能を簡便に評価できる方法である酸素濃度による判定結果とライトオフ温度(T50)による判定結果とを近づけて、判定精度を高めることができる排気ガス浄化用触媒を提供すること。
【解決手段】前記酸素吸蔵材粒子が第1の個数平均粒子径を有する第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と、前記粒子(A)と同じ組成で前記第1の個数平均粒子径よりも大きい第2の個数平均粒子径を有する第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを混合することにより触媒の酸素吸蔵放出能の劣化時間を所定の時間になるように調整して得られる酸素吸蔵材粒子混合物であることを特徴とする酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒を用いる。
【選択図】図9

Description

本発明は、酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒に関する。
自動車の排気ガスを清浄化する触媒として、三元触媒が知られている。三元触媒は排気ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化し、また、窒素酸化物(NOx)を還元して、それらを水、二酸化炭素、窒素に変換するものであり、その代表的な構成としては、触媒金属を担持した酸素吸蔵材を含有する触媒層をハニカム状担体に形成してなるものが挙げられる(例えば、特許文献1)。
三元触媒における酸素吸蔵材は、空燃比がリーンであるときに排気ガス中の酸素を吸蔵し、窒素酸化物(NOx)を窒素(N)に還元する。また、空燃比がリッチであるときは排気ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が酸素吸蔵材の酸素を奪い、水(HO)及び二酸化炭素(CO)に酸化される。
酸素吸蔵材を含有する排気ガス浄化用触媒が排気ガスの熱により長時間高温に晒された場合には、酸素吸蔵材の比表面積が低下して酸素吸蔵能が低下すること及び触媒金属がシンタリングすることにより、触媒性能が低下し、その結果、排気ガス浄化用触媒の浄化性能が低下する。
浄化性能が低下した排気ガス浄化用触媒を備える自動車から排出される排気ガスは大気汚染の原因になるために、触媒を交換する必要がある。そして、触媒交換の時期は、排気ガス浄化用触媒の浄化性能を劣化判定する車載センサ(OBD:車載型排出ガス対策装置故障記録・表示装置)により判定されている。
OBDにおいては、排気ガス浄化用触媒の前後に酸素センサを設置して前記触媒の前後における酸素濃度を測定することにより、酸素吸蔵材の酸素吸蔵放出能と排気ガス浄化用触媒の浄化性能とが密接な関係にあることを利用して、その酸素濃度の差により浄化性能を判定する。そして、前記酸素濃度の差が大きいほど酸素吸蔵放出能が高いために排気ガスの浄化性能が高く、一方、前記酸素濃度の差が小さいほど酸素吸蔵放出能が低いために排気ガスの浄化性能が低いと判定している。これは、酸素吸蔵材の劣化と酸素吸蔵材に担持された触媒金属のシンタリングによる劣化とが高い相関を有するという前提に基づく判定方法である。
しかしながら、酸素吸蔵材の劣化と前記触媒金属のシンタリングによる劣化とは、充分に高い相関を有するものではなく、酸素吸蔵材が劣化しても触媒金属のシンタリングは充分に進んでおらず、排気ガスの浄化性能が充分に残っている場合があった。このような場合には、浄化性能が残っていて本来交換が不要な状態の触媒が、判定上は、触媒交換時期と判定され、新品の触媒に交換されるために、コスト的に不利益になるという問題があった。
上述のような、酸素吸蔵材の劣化判定という間接的な判定方法とは異なる、排気ガス浄化用触媒の浄化性能を直接的に判定する方法としては、ライトオフ温度(T50)という指標がある。ライトオフ温度とは、触媒に流入する、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)等の排気ガスを構成するモデルガスの温度を常温から徐々に上昇させたときの、排気ガスの浄化率が50%になったときの温度であり、排気ガス浄化用触媒の排気ガスの浄化性能と直接的に関連する指標である。そして、ライトオフ温度が低い場合には触媒活性が高く、排気ガス浄化性能が高いと判断されるものである。ライトオフ温度は、排気ガス浄化性能を直接的に判定する方法としては正確な方法であるが、排気ガス分析装置を用いてモデルガスの浄化率を測定する必要があるために、実験的には用いられているが、実車に適用することは困難である。
特開平9−00927号公報
上記のように、排気ガス浄化性能を直接的に判定する方法であるライトオフ温度による判定法は実車に適用することが困難である。従って、一般的な触媒活性の判定はOBDの酸素濃度測定による判定方法に拠らざるを得ない。しかしながら、この触媒活性の判定方法はライトオフ温度による排気ガス浄化性能の判定結果よりも判定精度が低い。
本発明は、組成が同じで粒子径が異なるセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒を用いることにより、実車において排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能を簡便に評価できる方法である酸素濃度による判定結果をライトオフ温度(T50)による判定結果に近づけて、判定精度を高めることができる排気ガス浄化用触媒を提供することを課題とする。
本発明者らは前記ライトオフ温度による浄化性能の判定結果と酸素濃度測定による判定結果とが一致しない理由について検討し、その理由について以下のように考えた。
後に詳しく説明するが、触媒金属としてロジウム及びパラジウムをその表面に担持した、酸化物として換算したときにCeO/ZrO/Nd3=22.5/67.5/10(質量比)になる組成のセリウム系複酸化物を酸素吸蔵材として含有する排気ガス浄化用触媒を一例にとり説明する。図1は前記触媒を空気中で、1100℃でエージングしたときのライトオフ温度(T50)の経時変化を表すグラフを示す。(i)は20nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒、及び(ii)は100nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒の場合を示している。
図1に示すように、前記セリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒においては40時間付近まで経時的にライトオフ温度が高くなり、40時間付近以降はライトオフ温度は大きく変化しない。従って40時間付近が浄化性能の劣化の進行が飽和する時間である。
一方、図2は前記セリウム系酸素吸蔵材を含有する触媒を空気中、1100℃でエージングしたときの酸素センサで測定した酸素放出量の経時変化を表すグラフである。(i)は20nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒、(ii)は100nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒の場合について示している。図2に示すように酸素吸蔵放出能(以下OSC能ともいう)はエージング時間が長くなるにつれて低下し、一定時間経過時に前記低下の進行が飽和する点(OSC能劣化ポイント)を迎え、それ以降、酸素吸蔵放出能は横ばいになる。
図2には、浄化性能の劣化の進行が飽和する40時間のライン(以下、触媒性能劣化ラインとも呼ぶ)及び酸素吸蔵放出能の低下の進行が飽和するときのライン(以下、OSC能劣化ラインとも呼ぶ)が示されている。図2に示すように、OSC能劣化ラインは、OSC能劣化ポイントを通るラインであり、図2中、175μmol・(25ml cat.)−1を通るラインである。
図2において、(i)20nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒の酸素放出量は、触媒性能劣化ラインを超えて58時間付近でOSC能劣化ポイントに到達し、以降は横ばいになっている。
一方、(ii)100nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する触媒の酸素放出量は、触媒性能劣化ラインに達しない22時間付近でOSC能劣化ポイントに到達し、以降はその酸素放出量は横ばいになっている。従って、前記(ii)の場合、触媒性能劣化ラインに達する前にOSC能劣化ポイントに到達するために、未だ触媒活性が劣化していないのに既に劣化しているものと判定される。この場合、酸素吸蔵材は劣化したとしても触媒金属のシンタリングが進行していないために失活しておらず触媒活性は失っていない。しかしながら酸素放出量がOSC能劣化ポイントに到達したと酸素センサにより判定されると、触媒は既に寿命に達したものと判定されて交換時期と誤判定される。
一方、前記(i)の場合、触媒性能劣化ラインを超えてからOSC能劣化ポイントに到達する。この場合には、上記(ii)の場合のように触媒活性は失っていないのに寿命に達したものと判定される問題は生じない。しかしながら、このような細かい酸素吸蔵材粒子のみを含有する触媒においては、触媒性能劣化ポイントを超えて実質的に浄化性能が劣化しているにも関らず、酸素吸蔵能がOSC能劣化ポイントに達していないために、まだ、触媒活性が有効であるという判定がされるという問題があった。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、粒子径の異なる酸素吸蔵材を特定の割合で混合して用いた触媒においては、前記のように、酸素濃度による判定方法によっても誤判定が生じにくいことを見出した。
すなわち、本発明の酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒は、酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒であって、前記酸素吸蔵材粒子が第1の個数平均粒子径を有する第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と、前記粒子(A)と同じ組成で前記第1の個数平均粒子径よりも大きい第2の個数平均粒子径を有する第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを混合することにより、酸素吸蔵放出能の劣化時間を所定の時間になるように調整して得られる酸素吸蔵材粒子混合物であることを特徴とする。このように異なる個数平均粒子径を有するセリウム系酸素吸蔵材粒子を混合して触媒を所定の条件でエージングした際の酸素吸蔵放出能の劣化時間が調整された酸素吸蔵材粒子混合物を含有 することにより、酸素センサによる触媒の劣化判定の精度を高めることができる。
また、前記排気ガス浄化用触媒は、1100℃の空気中でエージング処理したときの酸素吸蔵放出能が40時間であるとき、前記第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と前記第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを実質的に下記式(1)を満たすような割合で配合して得られる酸素吸蔵材粒子混合物を含有することが好ましい。
y=253.5x+47.6 (1)
(式(1)中、xは個数平均粒子径から算出した前記粒子(B)の体積に対する前記粒子(A)の体積比、yは前記粒子(A)と前記粒子(B)の合計量中の前記粒子(A)の含有割合(質量%)を示し、x>0、y<100を満たす)。異なる個数平均粒子径を有するセリウム系酸素吸蔵材粒子を後述する方法により導き出された前記式を満たすような配合割合で混合して得られる酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒においては、酸素センサによる触媒の劣化判定の精度を高めることができる。
また、前記酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒における、前記第1の個数平均粒子径が20〜50nmの範囲であり、前記第2の個数平均粒子径が100〜200nmの範囲である場合には、エージング処理した際の触媒の酸素吸蔵放出能の劣化時間が所定の時間になるように調整しやすい点から好ましい。
本発明の排気ガス浄化用触媒を用いれば、OBDにおける酸素センサによる触媒の劣化判定の精度を高めることができる。
本発明の酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒は、前記酸素吸蔵材粒子が第1の個数平均粒子径を有する第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と、前記粒子(A)と同じ組成で前記第1の個数平均粒子径よりも大きい第2の個数平均粒子径を有する第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを混合することにより、エージング処理した際の触媒の酸素吸蔵放出能の劣化時間が所定の時間になるように調整して得られる酸素吸蔵材粒子混合物を含有することを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。図11は本発明の排気ガス浄化用触媒10が内蔵された触媒コンバータを模式的に示す断面図である。
触媒コンバータ8は、エンジンに接続される排気通路に配置され、この触媒コンバータ8において排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素および窒素酸化物が浄化されて排出されるように構成されている。この触媒コンバータ8は耐熱容器9の中に排気ガス浄化用触媒10が内蔵されることにより構成されている。
排気ガス浄化用触媒10は、隔壁で区画した多数のセルを有する略円柱状のハニカム担体のセル壁表面に触媒層が形成されることにより構成され、排気ガスは上流側から下流側に向かってセルを通過する間にそのセル表面に形成された触媒層中に拡散してこの触媒層に含まれる触媒貴金属と接触することにより有害成分(HC,CO,NOx)が浄化されるようになっている。この排気ガス浄化用触媒10は、そのハニカム担体として例えばコージェライト製のセラミック担体、或いはステンレス製のメタル担体を用いることができる。
排気ガス浄化用触媒10の触媒層は、触媒材料がセル壁の表面にコーティングされることにより形成されている。この触媒材料は、触媒貴金属を担持した酸素吸蔵材、及び、必要に応じて用いられるアルミナ粒子等の耐熱性金属粒子を含有する。
前記触媒金属としては、三元触媒用の触媒金属として用いられるものであれば、特に限定なく用いられ、具体的には、例えば、ロジウム、パラジウム及び白金等の貴金属や、それらの酸化物である、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化プラチナ等が好ましく用いられる。
そして、前記第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)としては、セリア(酸化セリウム)粒子、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、Ce−Zr−X−O(X=Ce以外の希土類元素、アルカリ土類金属元素、アルカリ金属、遷移金属元素など)粒子等、酸素吸蔵能を有するセリウム含有粒子が好ましく用いられる。
なお、前記セリア−ジルコニア複合酸化物としては、酸化物として換算した場合に、ZrOを50質量%以上、CeO以外の希土類元素酸化物等を5〜15質量%含有し、その残部がCeOからなるようなセリア−ジルコニア複合酸化物が好ましい。
セリウム系酸素吸蔵材粒子(A)の個数平均粒子径は20〜50nmであり、好ましくは20〜30nmである。前記範囲の場合には、エージング処理した際の触媒の酸素吸蔵放出能の劣化時間が所定の時間になるように調整しやすい点から特に好ましい。
一方、第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)は、第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と同じ組成のセリウム系酸素吸蔵材粒子からなる、個数平均粒子径が100〜200nm、好ましくは120〜200nmの粒子である。個数平均粒子径が前記範囲の場合には、エージング処理した際の触媒の酸素吸蔵放出能の劣化時間が所定の時間になるように調整しやすい点から特に好ましい。
なお、前記個数平均粒子径は、以下の方法により測定される。はじめに、測定される酸素吸蔵材粒子をイオン交換水中で超音波振動装置等を用いて充分に分散させる。そして、得られた分散体の粒度分布をレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて計測する。粒度分布は粒子径ごとに粒子数が積分される。そして、累積粒子数が全粒子数の50%になるときの粒子径(D50)が個数平均粒子径とされる。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを混合することにより触媒の酸素吸蔵放出能の劣化時間が所定の時間になるように調整して得られる酸素吸蔵材粒子混合物を含有する。
前記所定の時間は、セリウム系酸素吸蔵材粒子の組成や、排気ガス浄化用触媒が搭載される自動車等の排気系の種類等により、適宜、設計的に選択されうる。
以下に、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明する。
はじめに、本発明に係る酸素吸蔵材粒子混合物の作製方法について説明する。
〈セリウム系酸素吸蔵材粒子混合物の作製方法〉
セリウム系酸素吸蔵材粒子(A)として、個数平均粒子径が20、30、50及び70nmのCeZrNd複酸化物を、セリウム系酸素吸蔵材粒子(B)として、100nmのCeZrNd複酸化物を用いた。
なお、前記CeZrNd複酸化物は何れも酸化物として換算したときに、CeO/ZrO/Nd3=22.5/67.5/10(質量比)になる組成のセリウム系酸化物である。
前記粒子(A)及び粒子(B)を表1に記載の割合でそれぞれ混合して酸素吸蔵材粒子を得た。
Figure 2008062130
そして、前記各酸素吸蔵材粒子20gをそれぞれイオン交換水20mLに分散させて、水スラリーを調製した。そして、得られた前記それぞれの水スラリーに8.14質量%の硝酸ロジウム水溶液0.82gを混合した後、水分を蒸発させて酸素吸蔵材粒子にロジウムを担持した。そして、前記ロジウムを担持した酸素吸蔵材粒子を空気中で500℃で2時間焼成することによりセリウム系酸素吸蔵材粒子表面にロジウムを担持させて形成された酸素吸蔵材粒子混合物を得た。
一方、アルミナ粉末20gをイオン交換水20mLに分散させて水スラリーを調製した。そして、得られた前記水スラリーに、4.33質量%の硝酸パラジウム水溶液5.13gを混合した後、水分を蒸発させてアルミナ粉末表面にパラジウムを担持した。そして、前記パラジウムを担持したアルミナ粉末を空気中で500℃で2時間焼成することにより耐熱材料粉末を得た。
そして、前記それぞれの酸素吸蔵材粒子混合物5gと前記耐熱材料粉末5gとを混合し、さらに10.3質量%のジルコニアバインダー溶液19.4gを混合してこれらをイオン交換水中に分散させてスラリーを調製した。
そして、前記それぞれのスラリーをコージェライト性のハニカム担体(体積25ml,セル密度3/600cps)にウオッシュコートした。
このときの触媒担持量は100g/L、パラジウム担持量は0.56g/L、ロジウム担持量は0.17g/Lであった。
そして、得られた各触媒を空気中で500℃で2時間焼成することにより排気ガス浄化用触媒を得た。
(ライトオフ性能の評価方法)
モデルガス流通反応装置と排気ガス分析装置を用いて、評価サンプルの三元触媒性能を評価した。
評価触媒の前処理(プリコンディショニング)はリッチ雰囲気下のモデルガスを用いて、触媒入口ガス温度600℃、保持温度20分、空間速度100,000/hrで行った。浄化評価モデルガスは、センター空燃比A/F=14.7、パータベーション振幅±0.9、F/B周波数1.0Hz、空間速度(SV)=60,000/hrとした。触媒入口ガス温度は、30℃/minの昇温速度で100℃から500℃まで昇温した。この昇温過程で温度とHCの浄化率との関係を求め、浄化率50%を示す触媒入口ガス温度をライトオフ温度(T50)とした。
(酸素放出量の評価方法)
図3に酸素ガスの吸蔵・放出を測定する測定装置の構成を表す模式図を示す。図3中、1はキャピラリーカラム、2は酸素センサ(後側)、3は酸素センサ(前側)、4はガラス管、5はヒーター、6は触媒、7はパルスガス発生装置を示す。前記装置において、触媒6はガラス管4内に配置され、ガラス管4内はヒーター5により所定の温度に加熱される。ガラス管4には上流側から酸素、一酸化炭素、窒素の各ガスをパルス状に供給可能なパルスガス発生装置7が設けられ、ガラス管4の下流側にはキャピラリーカラム1が接続されている。そして、ガラス管の上流側及び下流側にはそれぞれ酸素センサ2,3が配置されている。
前記測定装置を用いて、図4(A)に示すように、ベースガス(N)流通中に20秒ごとに酸素及び一酸化炭素を導入してリーン及びリッチを再現し、ストイキ、リーン、リッチのサイクルを繰り返した。そして、ストイキからリッチに切り替えた直後から触媒の上流及び下流に配置された酸素センサにより図4(B)に示すように、A/F値の出力差がなくなるまでの時間における酸素量に換算して、これを酸素放出量とした。なお、測定は、触媒入口ガス温度500℃で測定した。
前記得られた各データを図5〜図8に示すようにプロットした。
図5〜図8はセリウム系酸素吸蔵材を含有する排気ガス浄化用触媒を空気中、1100℃で所定の時間エージングした後の上記酸素センサにより測定した酸素放出量の経時変化曲線を示すグラフである。
なお、図5は20nmの粒子と100nmの粒子の組合せ、図6は30nmの粒子と100nmの粒子の組合せ、図7は50nmの粒子と100nmの粒子の組合せ、図8は70nmの粒子と100nmの粒子の組合せである。
図5においては、20nmの粒子の配合比が50%未満の場合には、触媒性能劣化ラインに到達する前に酸素吸蔵能の低下が飽和(酸素吸蔵放出能の劣化)してOSC能劣化ポイントに到達し、20nmの粒子の配合比が50%以上の範囲ではOSC能劣化ポイントは触媒性能劣化ラインを超えた領域にある。
また、図6においては、30nmの粒子の配合比が55%未満の場合には、触媒性能劣化ラインに到達する前にOSC能劣化ポイントに到達し、30nmの粒子の配合比が55%以上の範囲ではOSC能劣化ポイントは触媒性能劣化ラインを超えた領域にある。
さらに、図7においては、50nmの粒子の配合比が79%未満の場合には、触媒性能劣化ラインに到達する前にOSC能劣化ポイントに到達し、50nmの粒子の配合比が79%以上の範囲ではOSC能劣化ポイントは触媒性能劣化ラインを超えた領域にある。
一方、図8においては、70nmの粒子がいずれの配合比であっても、触媒性能劣化ラインに到達する前にOSC能劣化ポイントに到達している。
図5〜図8の結果に基づいて、個数平均粒子径から算出した前記粒子(B)の体積に対する前記粒子(A)の体積比を横軸に、前記粒子(A)と前記粒子(B)の合計量中の前記粒子(A)の含有割合(質量%)を縦軸にプロットしたグラフを図9に示す。
図9においては、A〜C点はそれぞれ、図5〜図7における触媒性能劣化ラインとOSC能劣化ラインとの交点に達したときの前記体積比及び粒子(A)の含有割合をプロットしたものである。
図9における、A〜C点を通る線形近似式を導くと、
y=253.5x+47.6 (1)
(式中、xは個数平均粒子径から算出した前記粒子(B)の体積に対する前記粒子(A)の体積比、yは前記粒子(A)と前記粒子(B)の合計量中の前記粒子(A)の含有割合(質量%)を示し、x>0、y<100を満たす)が導かれる。
従って、前記式(1)を満たす混合割合で混合して得られる酸素吸蔵材粒子混合物を用いた場合には、触媒性能劣化ラインとOSC能劣化ポイントとを近づけることができる。従って、排気ガス浄化性能を簡便に評価できる方法である酸素濃度による判定結果とライトオフ温度(T50)による判定結果とを近づけることができるために、酸素濃度による判定方法による判定精度が高い3元触媒を得ることができる。
また、上述のような高い判定精度は、第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と、第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを混合して前記OSC能劣化ポイントが触媒性能劣化ライン上に存在するように調整した場合には、以下のような理由により、より判定精度が高くなる。
図10の(A)及び(B)は、排気ガス浄化用触媒の酸素放出量の経時変化を示すグラフの一例である。図10(A)は前記触媒性能劣化ライン上にOSC能劣化ポイントが存在する場合、図10(B)は前記触媒性能劣化ラインを過ぎた後に、OSC能劣化ポイントに到達する場合を示す。
図10(A)に示すように、触媒性能劣化ライン上でOSC能劣化ポイントに達する場合には、OSC能劣化ポイントと触媒性能が劣化した点を一致させることができるために、OSC能劣化ポイントを特定することにより触媒性能が劣化した点を特定することができる。
一方、図10(B)に示すように、前記触媒性能劣化ライン上にOSC能劣化ポイントがない場合には、触媒性能劣化ライン上にOSC能劣化ポイントのような容易に特定しうる点がないために触媒性能が劣化した点を正確に特定することは難しい。
上記説明したように、本発明の排気ガス浄化用触媒を用いれば、OBDにおける酸素センサによる触媒の劣化判定の精度を高めることができる。
セリウム系複酸化物を含有する排気ガス浄化用触媒を空気中、1100℃でエージングしたときのライトオフ温度(T50)の経時変化を表すグラフを示す。 セリウム系酸素吸蔵材を含有する排気ガス浄化用触媒を空気中、1100℃でエージングしたときの酸素センサにより測定した酸素放出量の経時変化を表すグラフを示す。 本発明の実施の形態における、酸素ガスの吸蔵・放出を測定する測定装置の構成を表す模式図を示す。 本発明の実施の形態において、図4(A)は、酸素放出量の評価方法で用いた混合ガスのA/F値及び酸素放出量の経時変化を示すグラフ、図4(B)は触媒前後の酸素センサが示す酸素濃度の経時変化を示すグラフである。 20nmと100nmのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒を所定の条件でエージングした後の酸素放出量の経時変化を示すグラフである。 30nmと100nmの粒子の組合せのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒を所定の条件でエージングした後の酸素放出量の経時変化を示すグラフである。 50nmと100nmの粒子の組合せのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒を所定の条件でエージングした後の酸素放出量の経時変化を示すグラフである。 70nmと100nmの粒子の組合せのセリウム系酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒を所定の条件でエージングした後の酸素放出量の経時変化を示すグラフである。 図5〜図8に基づいて、粒子(B)の体積に対する粒子(A)の体積比を横軸に、粒子(A)と粒子(B)の合計量中の粒子(A)の含有割合を縦軸にプロットしたグラフである。 排気ガス浄化用触媒を所定の条件でエージングしたときの酸素放出量の経時変化を示すグラフの一例を示す。図10(A)は触媒性能劣化ライン上にOSC能劣化ポイントが存在する場合、図10(B)は触媒性能劣化ラインを過ぎた後に、OSC能劣化ポイントに到達する場合を示す。 本発明の一実施形態の排気ガス浄化用触媒を内蔵する触媒装置を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 キャピラリーカラム
2 酸素センサ(後側)
3 酸素センサ(前側)
4 ガラス管
5 ヒーター
6 試料
7 パルスガス発生装置
8 触媒コンバータ
9 耐熱容器
10 排気ガス浄化用触媒

Claims (3)

  1. 酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒であって、
    前記酸素吸蔵材粒子が第1の個数平均粒子径を有する第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と、前記粒子(A)と同じ組成で前記第1の個数平均粒子径よりも大きい第2の個数平均粒子径を有する第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを混合することにより、酸素吸蔵放出能の劣化時間を所定の時間になるように調整して得られる酸素吸蔵材粒子混合物であることを特徴とする酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒。
  2. 1100℃の空気中でエージング処理したときの酸素吸蔵放出能の劣化時間が40時間になるように調製するために、前記第1のセリウム系酸素吸蔵材粒子(A)と前記第2のセリウム系酸素吸蔵材粒子(B)とを実質的に下記式(1)を満たすような割合で配合して得られる酸素吸蔵材粒子混合物を含有する請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
    y=253.5x+47.6 (1)
    (式(1)中、xは個数平均粒子径から算出した前記粒子(B)の体積に対する前記粒子(A)の体積比、yは前記粒子(A)と前記粒子(B)の合計量中の前記粒子(A)の含有割合(質量%)を示し、x>0、y<100を満たす)
  3. 前記第1の個数平均粒子径が20〜50nmの範囲であり、前記第2の個数平均粒子径が100〜200nmの範囲である請求項1または請求項2に記載の酸素吸蔵材粒子を含有する排気ガス浄化用触媒。
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