JP2008061858A - 穿刺治療ナビゲーション装置 - Google Patents

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【課題】穿刺位置、病変部、及び医用的にクリティカルな部位の相互間の空間的な位置関係が分かり易い画像を表示する。
【解決手段】被検体に穿刺治療を施すときの穿刺器具NDの先端DEを含む3次元のボリューム領域を医用画像診断装置1によりスキャンして得た当該ボリューム領域の画像データを用いて穿刺治療をナビゲーションする画像情報を提供する穿刺治療ナビゲーション装置2が提供される。この装置2は、穿刺器具NDの周囲に位置する所定領域GSの空間を指定する空間指定手段16と、穿刺器具ND、被検体、及び医用画像診断装置1を互いに位置合わせした状態で、画像データに基づく投影像に穿刺器具NDの位置を示すマーカと所定領域の空間GSの内側又は外側の形態画像とを合成して表示する表示手段13,2Bと、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医用画像収集装置(X線CTスキャナ、磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置など)により収集された画像用データを再構成して得た断層像データから3次元の投影画像を作成・表示する、医療用の手術ナビゲーション装置に係り、とくに、穿刺治療の手術中に画像用データを収集しながらリアルタイムに穿刺透視の4次元(4D)表示を行なうことができる穿刺治療ナビゲーション装置に関する。
従来の穿刺治療では、穿刺針の先端位置を確認し、その深さや位置を示す画像をリアルタイムに参照できるようにした透視(Fluoroscopy)が行われている。この例として、図5に示すものが知られている。この透視では、図5に示すように、穿刺した針の先端DEを含むスライスS1(同図(a))のほか、その前後のスライスS2,S3(同図(b))、または、直交3断面S1,S4,S5(同図(c))のMPR(断面変換)が表示される。なお、穿刺治療以外でも、手術支援用に三次元画像やワイヤーフレーム像を合成投影する例が知られている。
上述した治療支援のためには、穿刺針の先端位置DE、目的の病変部、及び穿刺針が触れてはいけないクリティカルな部位を明瞭に描出させることが必要である。つまり、クリティカルな部位を避けつつ、穿刺針の先端を病変部に確実に誘導できる情報を提供する必要がある。
しかしながら、従来の穿刺治療向け透視法の場合、穿刺針の先端DEとその周辺の部位(前後の3スライスや直交する3断面)のMPR像を表示するだけであるから、必ずしも穿刺に十分な情報を提供しているとは言い難く、不十分な場合が多々あった。
例えば、穿刺治療においては穿刺針を曲げながら通す必要があり、その動きが直線的であるとは限らない。そのような場合、従来では、平面(断面)で形成されるMPR像を参照するようにしているため、参照を必要な部位の画像を補足し続けられるとは限らない。また、病変部と穿刺部位の位置関係が分かり難いので、MPR像の断面を移動させないといけないことも頻繁にあるが、そのような場合に、常に的確な位置に断面を移動させながら施術することは困難なことが多い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、穿刺位置、病変部、及び医用的にクリティカルな部位の相互間の空間的な位置関係が分かり易い画像を表示することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る穿刺治療ナビゲーション装置は、被検体に穿刺治療を施すときの穿刺器具の先端を含む3次元のボリューム領域を医用画像診断装置によりスキャンして得た当該ボリューム領域の画像データを用いて前記穿刺治療をナビゲーションする画像情報を提供する装置であり、前記穿刺器具の周囲に位置する所定領域の空間を指定する空間指定手段と、前記穿刺器具、前記被検体、及び前記医用画像診断装置を互いに位置合わせした状態で、前記画像データに基づく投影像に前記穿刺器具の位置を示すマーカと前記所定領域の空間の内側又は外側の形態画像とを合成して表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る穿刺治療ナビゲーション装置によれば、表示手段により表示される画像によって、穿刺位置、病変部、及び医用的にクリティカルな部位の相互間の空間的な位置関係が分かり易くなる。
以下、図1〜4を参照して、本発明に係る、手術ナビゲーション装置としての穿刺治療ナビゲーション装置の一つの実施形態を説明する。この装置を用いて実施される手術は、穿刺針を被検体の体内に挿入して行う穿刺治療であり、この穿刺治療ナビゲーション装置は、この穿刺治療に必要な透視を支援する支援装置である。
この穿刺治療ナビゲーション装置は、医用画像収集装置としてのX線CT(Computed Tomography)スキャナ(X線CT装置とも呼ぶ)と一体に実施されるものであってもよいし、そのX線CTスキャナと当該スキャナに接続された別体の画像処理装置との統合システムで実施される構成であってもよい。このX線CTスキャナにより透視撮影がリアルタイムに実行され、その透視撮影の元で施される穿刺手術を支援するための、本発明に係る穿刺治療ナビゲーション法が上記穿刺治療ナビゲーション装置に実施されている。
図1に、X線CTスキャナ1と穿刺治療ナビゲーション装置2とが機能的に統合して構成されたシステムの機能的なブロック図を示す。
このシステムによれば、X線CTスキャナ1はCTスキャン部11及びCT再構成部12を備える一方、穿刺治療ナビゲーション装置2は3D/4D合成投影部13、穿刺位置・角度取得部14、位置合わせ部15、表示空間指定部16、クリッピング指定部17、データ保管部18、及び領域抽出部19を備える。
なお、このシステムのX線CTスキャナとしての以外の機能は、コンピュータを用いて構成されている。このため、上述した構成要素のうちの、CTスキャン部11、CT再構成部12、及びデータ保管部18以外の構成要素は、コンピュータのCPU2Aの処理機能及び周辺装置(入力装置2B、表示装置2Cを含む)によって機能的に実現されるようになっている。図2は、それらの機能手段をブロック化して表したものである。以下、このブロック化した機能を中心に説明する。
CTスキャン部11は、周知のスキャン機能を実行してボリューム収集による生データを収集する。CT再構成部12は、収集したボリュームの生データを実空間のボリュームデータに再構成し、そのボリュームデータを3D/4D合成投影部13に送る。このボリュームデータについては、断面スライス毎に再構成された後に、その複数枚の断面スライスの実空間データを組み合わせたデータをボリュームデータとして扱う場合と、複数断面の生データから直接に実空間データを再構成して、それをボリュームデータとして扱う場合とがある。
3D/4D合成投影部13は、3D及び/又は4Dの投影画像を生成する投影画像生成部と、複数の物体の画像の合成部とを備える。
なお、機能的には、前述したCT再構成部12は、3D/4D合成投影部13に包含され、CTスキャン部11により収集された生データから3D/4D投影画像生成部により、直接に、3D/4D投影画像が生成される場合がある。CTスキャンに係る生データから直接に3D及び/又は4D画像を生成する場合、生データから実空間データに変換させる処理は、3D/4D合成投影部13の3D及び/4Dの投影画像を生成する処理に含まれる。
穿刺位置・角度取得部14により、位置センサ20及び角度センサ21に接続され、穿刺器具(穿刺針)の位置及び角度の情報が得られ、その取得情報が位置合わせ部15に送られる。この位置合わせ部15により、X線CTスキャナ1との位置を合わせる位置補正演算が行われ、その補正演算された位置情報は3D/4D合成投影部13に補正情報として送られる。3D/4D合成投影部13は、この補正情報に基づいて穿刺の位置及び角度を示すマーカのデータを生成し、そのマーカを3D及び/又は4D投影画像に的確な位置及び角度で表示することができる。
表示空間指定部16により、例えば入力装置2Bからの操作情報を用いて、穿刺周り(穿刺針の先端部の周囲)の所定空間域、つまりガイド用空間の範囲が定義され、その空間域を定義する情報が3D/4D合成投影部13に送られる。
クリッピング指定部17は、表示空間指定部16で定義された空間域に対して表示空間(表示対象の空間)を限定する。この表示空間の限定情報は3D/4D合成投影部13に送られる。
データ保管部18は、ポストタイム処理を行う場合、術前データを合成する場合、手術計画・手術シミュレーションを行う場合などの状況における処理に必要なボリュームデータ又はCT生データを保管するように記憶装置を含んで構成されている。
領域抽出部19は、被検体内の病変部や危険部位(穿刺してはいけない、医用的にクリティカルな部位を言う)などの領域を定義し、この領域を定義する情報が3D/4D合成投影部13に送られる。
続いて、図2〜4を参照して、本実施形態に係る穿刺治療ナビゲーション装置の動作の一例を、その動作の流れに沿って説明する。
まず、手術前或いは術中にCT画像を用いて穿刺治療の箇所、角度、深さ、穿刺器具(穿刺針)NDの先端DEの進行をガイドするガイド用空間GS、危険部位CRの位置、治療対象である病変部LSの位置などの情報を装置2に入力装置2Bを介して入力して手術計画を立てる(図2、ステップS1)。
このとき、CT以外のモダリティ装置、例えば超音波画像診断装置をも用いて被検体の画像を収集し、一度計画した穿刺治療の箇所、角度、深さなどの入力情報が適当か否かについて確認する場合がある。この手術計画において、必要に応じて、病変部LSと危険部位CR(太い血管、実質部など)の位置を確認したり、病変部LSと危険部位CRの領域を抽出したりすることができる。これにより領域抽出機能が発揮される。
次に、穿刺器具に位置センサ20及び角度センサ22を取り付け、X線CTスキャナ1との位置合わせを行う(図2、ステップS2)。これにより、穿刺位置・角度取得機能及び位置合わせ機能が発揮される。また、上述の領域抽出の情報と、このデータ病変部との位置合わせも行う。
次いで、穿刺器具NDの先端位置DEやその状態、危険部位CR、及び病変部LSを透視画面上に正確な位置、角度にて表示される(図2、ステップS3)。
病変部LSと危険部位CRを合成表示するときは、それぞれに、他の部位と異なる色づけをして、位置や形状が明確にわかるようにする。このとき、それぞれの部位に3次元的位置を保持するアノテーションを表示して病変部LS、危険部位CR、及びその他の部位との間の相互間の誤認識を防ぐことが望ましい。これらの部位の領域は通常、不透明合成で合成表示を行うが、位置関係や、領域の大きさ、及び/又は、形状によっては、半透明合成で表示する場合もある。半透明の場合、合成の比重を調整することで、適切な合成状態に調整することができる。半透明合成を用いれば、各物体の前後関係が分かり難くなるが、全ての物体を見ることができ、穿刺針NDを進めるときに、予めそれぞれの物体への到着時期を予測することができる。
不透明合成の場合は、通常陰面処理による順番で表示されるが、ある部位を重点的に見たい場合は、表示優先度の順位を変更して所望の部位が見えるように調整する。
次に、必要に応じて、手術シミュレーションを行う(図2、ステップS4)。これにより、先ほど立てた手術計画内容の確認と、必要に応じてその修正を行う。これは、事前にスキャンした3Dボリュームを使用して、仮想的に穿刺マーカを3Dボリューム内に表示して行う。事前にスキャンした3Dボリュームはデータ保管部18に格納されている。
これらの準備を行った後、穿刺手術が開始される。このとき、表示装置2Cには、穿刺治療ガイドのための、指定したガイド用空間GSが指定されている。これにより、表示空間、すなわちガイド用空間GSの指定機能が発揮される。
この穿刺手術の開始に伴って、穿刺治療ナビゲーション装置2の図示しないCPUは、穿刺治療のナビゲーションを収集するか否かを入力装置2Bからの入力情報に伴って判断する(図2、ステップS5)。この判断がYESとなる場合、ナビゲーションのための一連の処理を終えるが、NOとなる場合には、現在時点の被検体のデータ収集をX線CTスキャナ1に命じ(図2、ステップS6)、その収集したデータに基づいて表示画像を更新する(図2、ステップS7)。この更新画像には、手術計画で立てたガイド用空間GS、穿刺針ND及びその先端位置DE、病変部LS、危険部位CRが重畳して表示される。つまり、その時点の穿刺針ND及び先端位置DEの位置情報が更新して表示される。
図3は、穿刺針NDの周りに円筒形状にガイド用空間GSを指定した例である。穿刺経路の周囲の状況や、危険部位CRとの位置関係を考慮して(例えば危険部位CRを含まないように避けて)ガイド用空間GSのサイズが決められている。図3では、穿刺針NDの周囲をある一定のサイズでくり抜き、さらに、穿刺先端DEから先に空間を配して円筒形状の空間を定義している。このほか、楕円や短形形状で行う場合もある。この状態にてボリュームレンダリングやMIP表示にて、穿刺の位置関係を見ることができる。さらに、平面やスラブクリッピングを行って、穿刺針NDとその他の部位との位置関係を見易くする場合もある(クリッピング機能)。
そして、空間面やクリッピング面にMPR画像を貼り付けることにより、病変部LSや危険部位CRの境目のコントラストが少なく、領域抽出がうまくできない場合でも、両者を見分けることが容易となる。
図4は、図3のように円筒形状でガイド用空間GSを定義した状態で、透視投影(Perspective)表示を行う例である。これにより、穿刺針NDの進む方向に危険部位CRが無いことの確認や、病変部LSに対する穿刺針NDのアプローチ位置、角度を確認し易くなる。また、上記のようなCT透視では、患者のみならず術者も、ある程度の被爆を受けることになるため、ロボットや遠隔制御装置を用いての施術も行われる。このような場合、従来技術も利用しつつ、図3や図4のような表示、制御により、遠隔操作や指示を効率的に行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る穿刺治療ナビゲーション装置によれば、穿刺治療中に表示装置2Cに表示される画像には、治療部位全体の内部構造の画像にガイド用空間GSが穿刺針NDの位置DE(針の先端位置を含む)、病変部LS、及び医用的にクリティカルな危険部位CRと共に重畳・表示される。しかも、この画像はリアルタイムに更新される。このため、穿刺治療中において、常に、穿刺針ND及びその先端位置DE、病変部LS、及び危険部位CRの相互間の空間的な位置関係が一目瞭然であり、しかも、危険部位CRを避けた状態でガイド用空間GSが設定されている。そして、このガイド用空間GSに沿って、穿刺針NDの先端DEをターゲットである病変部LSに向けて進めることができる。このため、この画像を観察しながら治療することで、穿刺治療の容易化が可能になる。
本発明に係る穿刺治療ナビゲーション装置とX線CTスキャナとを一体に組み合わせて実施するシステムの全体の概略を示す機能ブロック図。 図1に示すシステムにより実行される穿刺治療のための手術計画から手術開始までの処理の概要を示すフローチャート。 穿刺治療中に表示されるナビゲーション画面の一例を説明する図。 穿刺治療中に表示されるナビゲーション画面の別の例を説明する図。 穿刺治療に用いるナビゲーション画像の従来法を説明する図。
符号の説明
1 医用画像診断装置としてのX線CTスキャナ
2 穿刺治療ナビゲーション装置
13 3D/4D画像投影部
14 穿刺位置・角度取得部
15 位置合わせ部
16 表示空間指定部
17 クリッピング指定部
18 データ保管部
19 領域抽出部
20,21 センサ

Claims (8)

  1. 被検体に穿刺治療を施すときの穿刺器具の先端を含む3次元のボリューム領域を医用画像診断装置によりスキャンして得た当該ボリューム領域の画像データを用いて前記穿刺治療をナビゲーションする画像情報を提供する穿刺治療ナビゲーション装置において、
    前記穿刺器具の周囲に位置する所定領域の空間を指定する空間指定手段と、
    前記穿刺器具、前記被検体、及び前記医用画像診断装置を互いに位置合わせした状態で、前記画像データに基づく投影像に前記穿刺器具の位置を示すマーカと前記所定領域の空間の内側又は外側の形態画像とを合成して表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする穿刺治療ナビゲーション装置。
  2. 前記形態画像は、前記所定領域の空間をクリッピングした画像である請求項1に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
  3. 前記画像データを断面変換した画像を生成する断面変換手段を備え、
    前記表示手段は、前記断面変換手段により生成された画像を前記空間の面又はそのクリッピング面に貼り付けて前記形態画像を作成する手段を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
  4. 前記投影像は、前記被検体の3次元投影像又はこの3次元投影像に時間軸の情報を加えた4次元投影像であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
  5. 前記医用画像診断装置は、X線CTスキャナ、磁気共鳴イメージング装置、及び超音波診断装置のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
  6. 前記表示手段は、前記形態画像を不透明合成又は透明合成の何れかの手法で合成する手段であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
  7. 前記空間指定手段は、前記穿刺器具の周囲に位置する所定領域の空間として円筒状空間又は矩形空間を指定する手段であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
  8. 前記空間指定手段は、前記円筒状空間又は前記矩形空間のサイズを任意に設定可能な手段であることを特徴とする請求項7に記載の穿刺治療ナビゲーション装置。
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