JP2008060493A - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高輝度化を図るのに適した半導体発光装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】基板1と、基板1に配置されており、それぞれがn型半導体層22、活性層23、およびp型半導体層24が積層された複数の半導体発光素子2と、を備えた半導体発光装置Aであって、各半導体発光素子2は、基板1の厚さ方向に起立する側面2aによって規定された形状とされており、n型半導体層22、活性層23、およびp型半導体層24は、その結晶構造が六方晶であり、側面2aは、n型半導体層22、活性層23、およびp型半導体層24のM面と平行とされている。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1と、基板1に配置されており、それぞれがn型半導体層22、活性層23、およびp型半導体層24が積層された複数の半導体発光素子2と、を備えた半導体発光装置Aであって、各半導体発光素子2は、基板1の厚さ方向に起立する側面2aによって規定された形状とされており、n型半導体層22、活性層23、およびp型半導体層24は、その結晶構造が六方晶であり、側面2aは、n型半導体層22、活性層23、およびp型半導体層24のM面と平行とされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体発光装置およびその製造方法に関する。
図10は、従来の半導体発光装置の一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示された半導体発光装置Xは、基板91と、基板91上にマトリクス状に配置された複数の半導体発光素子92とを備えている。半導体発光素子92は、n型半導体層、活性層、およびp型半導体層が積層された構造とされている。複数の半導体発光素子92は、たとえば基板91を覆うように、n型半導体層、活性層、およびp型半導体層を形成した後に、これらの層に対してドライエッチングを施すことにより形成される。複数の半導体素子92は、配線93によって、たとえば直列に接続されている。半導体発光装置Xは、複数の半導体発光素子92を発光させることにより、面発光が可能とされている。
しかしながら、半導体発光装置Xの輝度を高めるためには、複数の半導体発光素子92をより高密度に配置する必要がある。このためには、隣り合う半導体発光素子92どうしをより近づけることが求められる。すると、隣り合う半導体発光素子92どうしを区画する溝94は、より狭幅となり、より深いものとなる。溝94が狭く深い溝であるほど、ドライエッチングによる形成不良が生じやすい。この形成不良により、隣り合う半導体発光素子92どうしが不当に導通するなどの不具合を生じることがあった。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、高輝度化を図るのに適した半導体発光装置およびその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供される半導体発光装置は、基板と、上記基板上に配置されており、それぞれがn型半導体層、活性層、およびp型半導体層が積層された構造とされた複数の半導体発光素子と、を備えた半導体発光装置であって、上記各半導体発光素子は、基板の厚さ方向に起立する面によって規定された形状とされており、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層は、その結晶構造が六方晶であり、上記起立する面は、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層のM面と平行とされていることを特徴としている。
このような構成によれば、上記半導体発光素子は、M面に平行な面によって規定されているため、クラックの発生を抑制することが可能であり、侵食を受けにくい。これにより、隣り合う上記半導体発光素子どうしをより近づけることが可能である。したがって、上記複数の半導体発光素子をより高密度に配置することが可能であり、上記半導体発光装置の高輝度化を図ることができる。
本発明の第2の側面によって提供される半導体発光装置の製造方法は、基板に、それぞれの結晶構造が六方晶であるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を形成する工程と、ドライエッチングを用いて上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層を貫通する溝を形成することにより、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層を、上記基板の厚さ方向に起立し、かつ上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層のM面に平行な面で規定された形状とされた複数の部分に分割する工程と、上記溝に対してウエットエッチングを施す工程と、を有することを特徴としている。
このような構成によれば、上記溝を、より狭幅に、かつより深さが深いものとして仕上げることが可能である。これにより、上記複数の半導体発光素子どうしを接近させることができる。したがって、上記複数の半導体発光素子をより高密度に配置することが可能であり、上記半導体発光装置の高輝度化を図ることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエットエッチングにおいては、KOH水溶液、または溶融したKOHを用いる。このような構成によれば、上記ドライエッチングを施した後に、上記溝の底部などに除去されない微小な半導体層の部分が残存しても、上記ウエットエッチングによって上記残存した部分を適切に除去することが可能である。したがって、たとえば隣り合う上記複数の半導体発光素子どうしが不当に導通してしまうことを防止することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2は、本発明に係る半導体発光装置の一例を示している。本実施形態の半導体発光装置Aは、基板1、複数の半導体発光素子2、絶縁層4、および複数の配線5を備えており、面発光が可能な照明装置として構成されている。なお、図1においては、理解の便宜上、絶縁層4、複数の配線5、および後述するバッファ層21を省略している。
基板1は、たとえばサファイア製であり、複数の半導体発光素子2を支持するためのものである。基板1は、その厚さがたとえば350μm程度とされている。
複数の半導体発光素子2は、基板1上にマトリクス状に配置されており、それぞれが基板1の厚さ方向に光を照射可能に構成されている。半導体発光素子2は、図2に示すように、バッファ層21、n−GaN層22、活性層23、p−GaN層24、n側電極25、およびp側電極26を備えている。
n−GaN層22は、GaNにSiがドープされた層であり、本発明で言うn型半導体層の一例である。本実施形態においては、n−GaN層2は、その厚さが260μm程度とされている。基板1とn−GaN層22との間には、バッファ層21が形成されている。バッファ層21は、基板1とn−GaN層22との格子歪みを緩和するためのものである。
活性層23は、MQW構造とされた層であり、p側電極26を介して供給される正孔とn側電極25から供給される電子とが再結合することにより発せられる光を増幅させるための層である。活性層23は、たとえば複数のInGaN層と複数のGaN層とが交互に積層されており、たとえば青色光や緑色光を発するように構成されている。上記InGaN層は、Inの組成比がたとえば15%程度とされることにより、n−GaN層22よりもバンドギャップが小とされており、活性層23の井戸層を構成している。上記GaN層は、活性層23のバリア層を形成している。本実施形態においては、活性層23は、たとえば上記複数のInGaN層と複数のGaN層とが3〜7層ずつ積層されており、その厚さが50〜150nm程度とされている。活性層23とn−GaN層22との間には、超格子層を設けてもよい。
p−GaN層24は、GaNにMgがドープされたことによりいわゆるp型半導体層とされており、本発明で言うp型半導体層の一例である。本実施形態においては、p−GaN層24は、その厚さが5000Å程度とされている。
n−GaN層22のうち薄肉とされた部分には、n側電極25が形成されている。また、p−GaN層24上には、p側電極26が形成されている。p−GaN層24の上面がITOまたはNiAu薄膜からなる透明電極で覆われた構成としてもよい。
n−GaN層22、活性層23、およびp−GaN層24は、いずれもその結晶構造が六方晶とされている。そして、図1に示すように、各半導体発光素子2は、基板1の厚さ方向視において正六角形状とされている。この六角形状は、側面2aによって規定されている。側面2aは、n−GaN層22、活性層23、およびp−GaN層24のM面と平行とされている。図中の方向Mは、M面が広がる方向を示している。n−GaN層22およびp−GaN層24のうち基板1の表面の法線方向を向く面は、いずれもC面となっている。
図2に示すように、絶縁層4は、たとえばSiO2などの絶縁体からなり、複数の半導体発光素子2を覆っている。絶縁層4には、複数の孔が形成されている。これらの孔は、n側電極25およびp側電極26に通じている。
複数の配線5は、隣り合う半導体発光素子2どうしをたとえば直列に接続するためのものである。各配線5は、絶縁層4に形成された複数の孔を利用して、一方の半導体発光素子2のn側電極25と他方の半導体発光素子2のp側電極26とを導通させている。
次に、半導体発光装置Aの製造方法について、図3〜図9を参照しつつ以下に説明する。
まず、図3に示すように、基板1を用意する。そして、基板1のC面に、バッファ層21A、n−GaN層22A、活性層23A、およびp−GaN層24Aを積層させる。バッファ層21A、n−GaN層22A、活性層23A、およびp−GaN層24Aのそれぞれの層を成長させるには、たとえばMOCVD法を用いる。
次いで、図4に示すように、バッファ層21A、n−GaN層22A、活性層23A、およびp−GaN層24Aに対して、たとえばフォトリソグラフィの手法によって残存させるべき箇所をマスクした状態でドライエッチングを施す。ドライエッチングの条件としては、たとえばCl2ガスおよびSiCl4ガスを用い、プラズマ電力300W、バイアス電力200W、圧力0.6Paとする。このドライエッチングにより、基板1に達する深さの溝3を形成する。溝3によって、バッファ層21A、n−GaN層22A、活性層23A、およびp−GaN層24Aは、複数のバッファ層21、n−GaN層22、活性層23、およびp−GaN層24に分割される。溝3の幅が狭く、深さが深いほど、溝3の底部に非除去部27が残存する場合が多い。非除去部27は、ドライエッチングによって除去されなかった微小な半導体である。
図5に示すように、溝3は、バッファ層21、n−GaN層22、活性層23、およびp−GaN層24を、それぞれが正六角形状である複数の部分に分割するような形状とする。この際に形成される側面2aを、いずれもn−GaN層22、活性層23、およびp−GaN層24のM面と平行とする。なお、図5において、基板1を省略している。
ついで、図6に示すように、溝3に対してウエットエッチングを施す。このウエットエッチングは、たとえばKOH水溶液を用いて、紫外線を照射しながら行う。あるいは、KOH水溶液に代えて、400℃以上の雰囲気温度によって溶融したKOHを用いてもよい。このウエットエッチングにおいては、側面2aは、六方晶のM面であるため、KOH水溶液または溶融KOHによって比較的侵食されにくい。また、p−GaN層24の上面は、六方晶のC面であるため、M面ほどではないが、比較的侵食されにくい。一方、図4に示す非除去部27は、その表面が不特定な方向を向く面であるため、容易に侵食される。したがって、非除去部27を適切に除去することができる。
図7および図8は、M面とA面との侵食の違いを表す試験結果である。図7は、ある半導体層にドライエッチングによって溝を形成したものである。この溝は、M面に平行とされた側面Fmと、A面と平行とされた側面Faとを有している。この半導体層に紫外線を照射しながら溶融KOHによってウエットエッチングしたものが、図8に示されている。本図によく表れているように、側面Fmは、その形状が明瞭なままとされている。これに対し、側面Faは、微細な凹凸が生じており、その形状が不明瞭となっている。
次いで、図9に示すように、p−GaN層24から、活性層23を超えて、n−GaN層22に達する深さまで、ドライエッチングを行う。この後に、n側電極25、およびp側電極26を形成することにより、複数の半導体発光素子2を形成する。そして、複数の半導体発光素子2を覆い、かつ、溝3を埋めるように、絶縁層4を形成する。この絶縁層4にn側電極25およびp側電極26に通ずる複数の孔を形成した後に、複数の配線5を形成する。以上の工程を経ることにより、図1および図2に示す半導体発光装置Aが得られる。
次に、半導体発光装置Aおよびその製造方法の作用について説明する。
本実施形態によれば、側面2aを、クラックが生じにくく、侵食されにくい面とすることができる。このため、溝3の幅をより狭く、深さをより深くすることが可能である。したがって、複数の半導体発光素子2をより高密度に配置することが可能であり、半導体発光装置Aの高輝度化を図ることができる。
半導体発光装置Aの製造工程においては、溝3を幅が狭く、深さが深いものに仕上げようとするほど、ドライエッチングを施しても図4に示す非除去部27が残存しやすくなる。ドライエッチングの後に、紫外線を照射しながらKOH水溶液または溶融KOHを用いてウエットエッチングすることにより、非除去部27を適切に除去することが可能である。したがって、隣り合う半導体発光素子2どうしが、非除去部27によって不当に導通してしまうことを回避することができる。また、側面2aは、M面と平行とされているため、図7および図8に示した試験結果から理解されるように、KOH水溶液または溶融KOHを用いたウエットエッチングによっては、ほとんど侵食されない。したがって、ウエットエッチングによって溝3が不当に広幅となったり、側面2aが不明瞭な形状となったりすることを防止することができる。
本発明に係る半導体発光装置およびその製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体発光装置およびその製造方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明で言う半導体発光素子は、その形状を規定する面がM面と平行であればよい。したがって、上記半導体発光素子の形状は、上述した実施形態における正六角形に限定されず、正三角形、平行四辺形などであってもよい。ウエットエッチングには、KOH水溶液および溶融KOHのほかに、たとえばNaOH水溶液などを用いることができる。
A 半導体発光装置
1 基板
2 半導体発光素子
2a 側面
3 溝
4 絶縁層
5 配線
21,21A バッファ層
22,22A n−GaN層(n型半導体層)
23,23A 活性層
24,24A p−GaN層(p型半導体層)
25 n側電極
26 p側電極
1 基板
2 半導体発光素子
2a 側面
3 溝
4 絶縁層
5 配線
21,21A バッファ層
22,22A n−GaN層(n型半導体層)
23,23A 活性層
24,24A p−GaN層(p型半導体層)
25 n側電極
26 p側電極
Claims (3)
- 基板と、
上記基板上に配置されており、それぞれがn型半導体層、活性層、およびp型半導体層が積層された構造とされた複数の半導体発光素子と、
を備えた半導体発光装置であって、
上記各半導体発光素子は、基板の厚さ方向に起立する面によって規定された形状とされており、
上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層は、その結晶構造が六方晶であり、
上記起立する面は、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層のM面と平行とされていることを特徴とする、半導体発光装置。 - 基板に、それぞれの結晶構造が六方晶であるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を形成する工程と、
ドライエッチングを用いて上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層を貫通する溝を形成することにより、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層を、上記基板の厚さ方向に起立し、かつ上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層のM面に平行な面で規定された形状とされた複数の部分に分割する工程と、
上記溝に対してウエットエッチングを施す工程と、
を有することを特徴とする、半導体発光装置の製造方法。 - 上記ウエットエッチングにおいては、KOH水溶液、または溶融したKOHを用いる、請求項2に記載の半導体発光装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006238546A JP2008060493A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 半導体発光装置およびその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2008130628A (ja) * | 2006-11-17 | 2008-06-05 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
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2006
- 2006-09-04 JP JP2006238546A patent/JP2008060493A/ja active Pending
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