JP2008060313A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合により形成された単結晶半導体層を有する半導体装置において、単結晶半導体層の接合によって生じる表面段差を低減する。
【解決手段】誘電体基板33に支持された第1および第2の半導体素子100A、100Bを備える半導体装置200の製造方法であって、(c)単結晶半導体基板1の第1主面S1における半導体素子形成領域T1、T2に、活性層領域25A、25Bとをそれぞれ形成する工程と、(d)単結晶半導体基板1に剥離用物質27を注入することにより、単結晶半導体基板1における素子分離領域10よりも第2主面S2の側に剥離層28を形成する工程と、(e)単結晶半導体基板1における剥離層28よりも第2主面S2の側に位置する部分1bを、単結晶半導体基板1から剥離することにより、半導体素子形成領域T1、T2を含む単結晶半導体層1aを得る工程と、(f)単結晶半導体層1のエッチングまたは研磨を行う工程とを包含する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびそれらの製造方法に関する。
アクティブマトリクス駆動の表示装置では、多数の薄膜トランジスタ(TFT)がマトリクス状に配列されたアクティブマトリクス基板が使用される。このようなTFTは、薄膜堆積やフォトリソグラフィーなどの半導体集積回路製造技術と同様の製造技術により、ガラスなどの絶縁基板上に形成される。このようにして形成されるTFTは、使用するシリコン薄膜の結晶性に応じて、非晶質シリコンTFTおよび多結晶シリコンTFTに大別される。一般に、多結晶シリコン膜の電界効果移動度は非晶質シリコン膜の電界効果移動度よりも高いため、多結晶シリコンTFTは、非晶質シリコンTFTよりも高速に動作することが可能である。
高速動作可能な多結晶シリコンTFTは、表示領域におけるスイッチング素子だけではなく、表示領域周辺の駆動回路のTFTにも用いることが可能になる。しかし、ソースドライバ(データドライバ)などの周辺駆動回路を多結晶シリコンTFTによって形成した場合、トランジスタのしきい値をはじめとする種々のTFT特性にバラツキが生じ、そのことが実用上の問題となっている。特に、周辺駆動回路だけではなく、イメージプロセッサやタイミングコントローラ等のより高度な機能回路を表示部と同一の基板上に集積しようとすると、極めて高いトランジスタ性能が要求されるが、多結晶シリコンTFTの高性能化には限界がある。多結晶シリコン膜には、結晶性の不完全性に起因するギャップ内の局在準位や結晶粒界付近の欠陥が存在しており、これらによって、移動度の低下やS係数(サブスレショルド係数)の増大が引き起こされることから、十分なトランジスタ性能を確保できないからである。
そこで、TFTをさらに高性能化するため、単結晶シリコン膜を活性層(チャネル領域)として用いることが提案されている。このようなTFTは「単結晶シリコンTFT」と称されている。
特許文献1は、予め形成した単結晶シリコンTFTをガラス基板上に接着剤で貼付けることにより、アクティブマトリクス型液晶表示装置の表示パネルを製造する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1の技術では、高性能なデバイスである単結晶シリコンTFTを、ガラス基板上に接着剤で貼り合わせるため、歩留まり及び生産性に劣るという問題がある。また、単結晶シリコンTFTが貼り付けられた後の基板は、接着剤による接合部分を有しているため、耐熱性が低く、ガスを放出しやすいという問題がある。従って、単結晶シリコンTFTが貼付された後の基板に、高品質の無機絶縁膜や他のTFTをさらに形成することはほとんど不可能である。
また、上記の単結晶シリコンTFTを用いてアクティブマトリクス基板を製造する場合、単結晶シリコンTFTアレイを含むデバイスを他の基板に貼り付ける必要があるので、サイズおよびコストの点で限界がある。
一方、絶縁膜上に形成された単結晶シリコン層を有するSOI(Silicon on Insulator)基板を形成する方法の1つとして、Smart−Cut(SOITEC社の登録商標)法が知られている。Smart−Cut法は、単結晶シリコン層の接合(転写)方法であり、例えば非特許文献1や非特許文献2に記載されている。この方法では、単結晶シリコン基板に水素をイオン注入して水素注入層を形成した後、単結晶シリコン基板と支持基板とを接合して熱処理を行い、単結晶シリコン基板を水素注入層に沿って分離する。このようにして、接着剤を用いることなく、支持基板の絶縁膜上に薄い単結晶シリコン層を接合できる。
Smart−Cut法を利用して、ガラス基板などの絶縁基板上に単結晶シリコン層を接合する方法が、例えば特許文献2に開示されている。この方法では、単結晶シリコン基板に水素を注入した後、陽極接合法により単結晶シリコン基板を支持基板に接合し、熱処理を行って単結晶シリコン基板の一部を剥離する。これにより、支持基板上に極めて薄い単結晶シリコン層を形成できる。この後、支持基板上に形成された単結晶シリコン層を用いてトランジスタを作製している。
特許文献2の方法を用いると、支持基板上に単結晶シリコン層を形成した後、トランジスタが作製されるので、支持基板上に形成された単結晶シリコン層の表面、すなわち水素の注入による剥離面の上に、ゲート酸化膜およびゲート電極を形成する必要がある。しかしながら、単結晶シリコン層の表面では、表面粗さ(表面凹凸)が大きく、また、水素の注入によるダメージのため結晶性も低い。そのため、高品質なゲート酸化膜が形成されず、高性能なトランジスタを形成することは難しい。また、支持基板上に単結晶シリコン層形成後に微細工を行う必要があるため、トランジスタの加工寸法精度は支持基板上での微細加工精度に左右される。
そこで、本出願人は、単結晶シリコン基板上に単結晶シリコンTFTを形成した後、水素注入層を利用して、ガラス基板などの絶縁基板上に単結晶シリコンTFTを転写する方法を提案している(例えば特許文献3)。この方法では、単結晶シリコン基板に予めトランジスタ構造を形成しておくため、水素の注入によるダメージを受けることなく、結晶性に優れた平坦な表面にチャネルを形成できるので、良好なトランジスタ特性が得られる。
特表平7−503557号公報 特開2003−234455号公報 特開2005−26472号公報 Electronics Letters, Vol.31, No.14, 1995, pp.1201−1202 Jpn.J.Appl. Phys. Vol.36 (1997) pp.1636−1641
アクティブマトリクス基板に集積される駆動回路には、通常、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)が組み込まれている。CMOSは、PMOS(P-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタおよびNMOS(N-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタと、これらのMOSトランジスタを電気的に分離する素子分離領域とを備えた構造を有している。
本願発明者らが検討したところ、特許文献3に記載された方法を用いて、絶縁基板上にCMOSを形成しようとすると、CMOSを構成する各トランジスタの単結晶シリコン層の厚さを制御することが難しいという問題があることを見出した。以下に詳しく説明する。
図10(a)〜(h)は、特許文献3に記載された方法を用いて、絶縁基板上にCMOSを形成するプロセスを説明するための工程断面図である。なお、ここで説明するCMOSの構成は、特許文献3の図2に示されている構成とは異なっている。これは、特許文献3の図2では素子分離領域が省略されているからである。
まず、図10(a)に示すように、単結晶シリコン基板101の表面101sに、熱酸化膜102および窒化珪素膜103をこの順で形成する。
次いで、第2のトランジスタ形成領域T2における単結晶シリコン基板101の表面101sにレジスト層104を設けて、窒化珪素膜103のうち第1のトランジスタ形成領域T1に位置する部分を除去する。なお、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2とは、導電型の異なるトランジスタをそれぞれ形成しようとする領域を指す。ここでは、第1のトランジスタ形成領域T1にはPMOSトランジスタ、第2のトランジスタ形成領域T2にはNMOSトランジスタがそれぞれ形成される。
この後、図10(b)に示すように、レジスト層104をマスクとして、単結晶シリコン基板101における第1のトランジスタ形成領域T1にN型のドーパント(例えばリン)105を注入する(第1の注入工程)。
レジスト層104を除去した後、第2のトランジスタ形成領域T2の窒化珪素膜103をマスクとして、単結晶シリコン基板101の表面101sに対して熱酸化処理を行う。これにより、図10(c)に示すように、第1のトランジスタ形成領域T1に酸化膜106が形成される。
続いて、窒化珪素膜103を除去した後、図10(d)に示すように、単結晶シリコン基板101の第2のトランジスタ形成領域T2にP型のドーパント(例えばボロン)107を注入する(第2の注入工程)。図示するように、第2の注入工程では、通常、酸化膜106をマスクとして利用する。これにより、フォトグラフィーによってトランジスタ形成領域T1にレジスト層を設ける必要がなくなり、工程数を低減できるので、製造時間を短縮し、製造コストを抑えることができる。
なお、酸化膜106をマスクとして利用すると、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2の間で、単結晶シリコン基板101の表面に段差dが生じる。段差dは、酸化膜106の厚さによって変わるが、例えば100〜250nm程度である。このため、第2のトランジスタ形成領域T2における単結晶シリコン基板101の表面は、第1のトランジスタ形成領域T1における単結晶シリコン基板101の表面よりも高くなる。
熱酸化膜102および酸化膜106を除去した後、単結晶シリコン基板101に対して、酸化雰囲気中で熱処理を行うと、図10(e)に示すように、単結晶シリコン基板101の表面に新たな熱酸化膜108が形成されるとともに、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2に注入されたドーパントが拡散し、それぞれ、N型のウェル領域109pおよびP型のウェル領域109nが形成される。
次いで、図10(f)に示すように、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2の間に、例えばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)により素子分離領域114を形成する。また、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2に、それぞれ、ゲート電極115p、115nなどのトランジスタの構成要素を形成し、NMOSおよびPMOSトランジスタ500p’、500n’を得る。なお、本明細書では、配線や電極が未だ形成されていなくても、ソースおよびドレイン領域やチャネル領域を有する半導体層とゲート電極とを備えた構造を「トランジスタ」と称することがある。
NMOSおよびPMOSトランジスタ500p’、500n’の形成方法を具体的に説明する。
まず、LOCOSにより素子分離領域114を形成した後、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2にゲート酸化膜113を形成する。
次いで、第1および第2のトランジスタ形成領域T1、T2において、ゲート酸化膜113の上に、それぞれゲート電極115p、115nを設ける。この後、これらのゲート電極115p、115nを注入マスクとして、比較的低いドーズで、ウェル領域109p、109nの表面に不純物イオンを注入することにより、低濃度不純物(LDD;Lightly doped drain)領域118p、118nを形成する。
続いて、ゲート電極115p、115nの側壁にサイドウォール116p、116nを形成する。サイドウォール116p、116nは、例えばSiO2膜を単結晶シリコン基板101に堆積した後、異方性の高いドライエッチングを行うことによって形成できる。この後、サイドウォール116p、116nおよびゲート電極115p、115nをマスクとして、比較的高いドーズで、ウェル領域109p、109nの表面に不純物イオンを注入することにより、高濃度不純物領域117p、117nを形成する。
単結晶シリコン基板101の表面におけるゲート電極115p、115nと重なる部分は、それぞれ、ゲート電極115p、115nに印加される電圧によってチャネルが形成されるチャネル領域120p、120nとなる。チャネル領域120p、120nの高さは、図示するように互いに異なっており、高さの差は上記段差dと略等しい。
次に、図10(g)に示すように、単結晶シリコン基板101の上に、CVD等により絶縁膜を堆積後、CMP等によって平坦化することによりSiO2など絶縁材料を用いて平坦化膜121を形成した後、平坦化膜121の上方から単結晶シリコン基板101に水素を注入することにより、水素注入層122を形成する。図示するように、水素注入層122は、トランジスタ500p’、500n’のチャネル領域120p、120nよりも深い領域に形成される。
この後、図10(h)に示すように、単結晶シリコン基板101に形成されたトランジスタ500p’、500n’を絶縁基板130に転写した後、単結晶シリコン層101aの研磨あるいはエッチングを行う。このようにして、PMOSトランジスタ500pおよびNMOSトランジスタ500nを備えた半導体装置600が得られる。
転写方法を具体的に説明する。まず、単結晶シリコン基板101の表面、すなわち平坦化膜121の表面と他の絶縁基板(例えばガラス基板)130とを接合し、単結晶シリコン基板101を400℃〜600℃の温度に加熱する。これにより、単結晶シリコン基板101のうち水素注入層122よりも深い部分101bが、単結晶シリコン基板101から剥離され、単結晶シリコン基板101のうち水素注入層122よりも浅い部分(単結晶シリコン層)101aが絶縁基板130の上に残る。このとき、単結晶シリコン層101aの上に水素注入層122の一部が残るため、単結晶シリコン層101aの表面を研磨あるいはエッチングし、水素注入層122を除去する。
上述した方法によって得られた半導体装置600では、トランジスタ500pのチャネル領域120pが位置する単結晶シリコン層101aの厚さDpと、トランジスタ500nのチャネル領域120nが位置する単結晶シリコン層101aの厚さDnとは異なっている。これは、上述したように、各トランジスタ500p、500nのチャネル領域120p、120nの高さが互いに異なるからである。
トランジスタ500p、500nにおける単結晶シリコン層101aの厚さDp、Dnは、寄生容量やしきい値、さらにはサブストレッシュ特性などを含むトランジスタの電気特性に大きな影響を与える。従って、NMOSおよびPMOSトランジスタ500p、500nにおける上記厚さDp、Dnが異なると、電気特性のバランスが悪くなり、高性能な半導体装置が得られない。また、単結晶シリコン層101aの厚さDp、Dnを、それぞれ所望の厚さに制御することが困難になる。完全空乏型のトランジスタの場合、チャネル領域が位置する単結晶シリコン層101aの厚さを50nm以上100nm以下とすることが好ましいが、一方のトランジスタを基準として単結晶シリコン層101aの厚さを制御すると、単結晶シリコン層101aのうち他方のトランジスタのチャネル領域が位置する部分が100nmよりも厚くなったり、あるいは50nmよりも薄くなってしまう。
上述してきたように、単結晶シリコン基板101の上に、従来から一般的に用いられている方法によってCMOSを形成し、これを絶縁基板130の上に転写すると、NMOSおよびPMOSトランジスタ500p、500nにおける単結晶シリコン層101aの厚さ(チャネル領域120p、120nがそれぞれ位置する部分の厚さ)Dp、Dnが互いに異なるという問題があった。また、そのような厚さDp、Dnの両方を制御することは困難であり、デバイス特性を低下させる要因となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接合により誘電体基板上に形成された複数のトランジスタを備えた半導体装置において、各トランジスタにおける半導体層の厚さを制御してデバイス特性を向上させることにある。
本発明による半導体装置の製造方法は、誘電体基板に支持された第1および第2の半導体素子を備える半導体装置の製造方法であって、(a)第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有する単結晶半導体基板を用意する工程と、(b)前記単結晶半導体基板の前記第1主面における、第1および第2の半導体素子がそれぞれ形成される第1および第2の半導体素子形成領域の間に、素子分離領域を形成する工程と、(c)前記単結晶半導体基板の前記第1主面における前記第1および第2の半導体素子形成領域に、それぞれの活性層領域の表面の高さが互いに等しくなるように、活性層領域をそれぞれ形成する工程と、(d)前記単結晶半導体基板に剥離用物質を注入することにより、前記単結晶半導体基板における前記素子分離領域よりも前記第2主面側に剥離層を形成する工程と、(e)前記単結晶半導体基板における前記剥離層よりも第2主面側に位置する部分を前記単結晶半導体基板から剥離することにより、前記第1および第2の半導体素子形成領域を含む単結晶半導体層を得る工程と(f)前記単結晶半導体層のエッチングまたは研磨を行う工程とを包含し、前記工程(f)は、前記素子分離領域を基準に、前記第1および第2の半導体素子の活性層領域が位置する部分の単結晶半導体層の厚さを決める工程を含む。
ある好ましい実施形態において、前記工程(d)の前に、前記単結晶半導体基板の前記第1主面側に平坦化層を設ける工程をさらに含む。
前記第1および第2の半導体素子形成領域に形成された前記剥離層の深さは互いに略等しいことが好ましい。
ある好ましい実施形態において、前記工程(f)は、前記素子分離領域をエッチストッパーとして、前記単結晶半導体層のエッチングを行う工程である。
ある好ましい実施形態において、前記工程(f)は、前記単結晶半導体層のうち前記素子分離領域の上に位置する部分が所定の厚さになるまで、前記単結晶半導体層のエッチングまたは研磨を行う工程である。
前記第1および第2半導体素子形成領域にそれぞれ電気的に接続された金属配線を形成する工程(j)と、前記第1および第2の半導体素子形成領域を含む単結晶半導体層を誘電体基板に接合する工程(k)とをさらに包含し、前記工程(k)は、前記工程(j)よりも後に行われてもよい。
前記工程(d)と工程(e)との間に、前記単結晶半導体基板の前記第1主面側を誘電体基板に接合する工程(g)をさらに含んでもよい。
前記工程(g)の前に、前記第1および第2半導体素子形成領域にそれぞれ電気的に接続された金属配線とを形成する工程をさらに含んでもよい。
前記工程(d)と工程(e)との間に、前記単結晶半導体基板の前記第1主面側を他の基板に接合する工程(h)、および前記工程(f)の後に、前記単結晶半導体層を前記他の基板から誘電体基板に転写する工程(i)をさらに含んでもよい。
前記工程(f)と工程(i)との間に、前記第1および第2半導体素子形成領域にそれぞれ電気的に接続された金属配線を形成する工程をさらに含んでもよい。
ある好ましい実施形態において、前記他の基板は半導体基板である。
前記第1および第2の半導体素子の一方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のP型不純物領域を有する半導体素子であり、他方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のN型不純物領域を有する半導体素子であってもよい。
前記工程(c)は、前記第2の半導体素子形成領域の上にレジスト層を設けて、前記第1の半導体素子形成領域に第1導電型のドーパントを注入することにより、第1導電型のウェル領域を形成する工程と、前記第1の半導体素子形成領域の上にレジスト層を設けて、前記第2の半導体素子形成領域に、前記第1導電型と異なる第2導電型のドーパントを注入することにより、第2導電型のウェル領域を形成する工程とを含み、前記活性層領域は、前記第1導電型のウェル領域および第2導電型のウェル領域の内部にそれぞれ形成されてもよい。
前記工程(c)は、前記第1および第2の半導体素子形成領域に、それぞれ、第1導電型のウェル領域、および前記第1導電型と異なる第2導電型のウェル領域を形成する工程(c1)を包含し、前記工程(c1)は、前記第1および第2の半導体素子形成領域に第1導電型のドーパントを注入する工程と、前記第1の半導体素子形成領域の上にレジスト層を設けて、前記第2の半導体素子形成領域に第2導電型のドーパントを注入する工程とを含んでもよい。
前記剥離用物質は、水素および不活性元素からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含んでもよい。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2の半導体素子は何れもMISトランジスタである。前記第1および第2の半導体素子の一方はPチャネル型MISトランジスタであり、他方はNチャネル型MISトランジスタであってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2の半導体素子は何れもバイポーラトランジスタである。前記第1および第2の半導体素子の一方はPNPラテラルバイポーラトランジスタであり、他方はNPNラテラルバイポーラトランジスタであってもよい。
あるいは、前記第1および第2の半導体素子はダイオードであってもよい。
本発明による半導体装置は、誘電体基板と、前記誘電体基板に支持された単結晶半導体層と、それぞれが、前記単結晶半導体層に活性層領域を有する第1および第2の半導体素子と、前記第1および第2の半導体素子を電気的に分離する素子分離領域とを備え、前記第1および第2の半導体素子の活性層領域の高さは互いに略等しく、かつ、前記第1および第2の半導体素子の前記単結晶半導体層における活性層領域が位置する部分の厚さは互いに略等しく、前記素子分離領域は、前記単結晶半導体層における前記活性層領域と反対側の面を含む平面に接している。
本発明による他の半導体装置は、誘電体基板と、前記誘電体基板に支持された単結晶半導体層と、それぞれが、前記単結晶半導体層に活性層領域を有する第1および第2の半導体素子と、前記第1および第2の半導体素子に接続された金属配線と、前記第1および第2の半導体素子を電気的に分離する素子分離領域とを備え、前記第1および第2の半導体素子の活性層領域の高さは互いに略等しく、かつ、前記第1および第2の半導体素子の前記単結晶半導体層における活性層領域が位置する部分の厚さは互いに略等しく、前記金属配線は、前記単結晶半導体層と前記誘電体基板との間に位置する。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2の半導体素子の一方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のP型不純物領域を有する半導体素子であり、他方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のN型不純物領域を有する半導体素子である。
前記単結晶半導体層は、IV族半導体層、II−VI族化合物半導体層、III−V族化合物半導体層、IV−IV族化合物半導体層、およびそれらの同属元素を含む混晶層、ならびに酸化物半導体層からなる群から選択された少なくとも1つの層を含んでもよい。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2の半導体素子は何れもMISトランジスタである。前記第1および第2の半導体素子の一方はPチャネル型MISトランジスタであり、他方はNチャネル型MISトランジスタであってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2の半導体素子は何れもバイポーラトランジスタである。前記第1および第2の半導体素子の一方はPNPラテラルバイポーラトランジスタであり、他方はNPNラテラルバイポーラトランジスタであってもよい。
あるいは、前記第1および第2の半導体素子はダイオードであってもよい。
本発明によれば、接合により誘電体基板上に形成された複数のトランジスタを備えた半導体装置において、各トランジスタにおける半導体層のうちチャネル領域の位置する部分の厚さを略等しくできるので、トランジスタ特性のばらつきを抑えることができる。
また、各トランジスタにおける半導体層のうちチャネル領域の位置する部分の厚さを、簡便なプロセスで精確に制御できるので、トラジスタ特性を向上できる。さらに、半導体層の厚さを従来よりも小さく抑えることが可能になるので、デバイスの動作速度を高めるとともに寄生容量を低減できる。
本発明では、接合により誘電体基板に形成された少なくとも2つの半導体素子を備えた半導体装置を製造する方法において、各半導体素子における活性層領域が位置する部分の半導体層の厚さを、素子分離領域を基準に決めることを特徴とする。従って、上記半導体層の厚さを従来よりも容易かつ精確に制御でき、高性能な半導体装置を実現できる。
本明細書において、「半導体素子」は、半導体層を用いて形成された素子を指し、例えばMISトランジスタやバイポーラトランジスタ、ダイオードなどであってもよい。また、「活性層領域」は、半導体素子がMISトランジスタであればチャネル領域、バイポーラトランジスタであればベース領域をいう。さらに、「半導体装置」は、半導体素子を備えた装置を広く含み、CMOS、IC(Integrated Circuit)、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置や有機EL表示装置などの各種表示装置、電子機器などであってもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明による半導体装置の製造方法の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1(a)に示すように、第1主面S1および第2主面S2を有する半導体基板(例えば単結晶シリコン基板)1を用意する。
次いで、図1(b)に示すように、半導体基板1の第1主面S1において、それぞれのトランジスタを形成しようとする領域(トランジスタ形成領域)T1、T2にウェル領域7A、7Bを形成し、トランジスタ形成領域T1、T2の間には、例えばLOCOSにより素子分離領域10を形成する。さらに、トランジスタ形成領域T1、T2を覆うゲート絶縁膜11を形成する。
本実施形態では、図10を参照しながら説明した従来技術とは異なり、トランジスタ形成領域T1、T2におけるウェル領域7A、7Bの表面の高さは互いに略等しい。
このような構成は、例えば次のようにして形成される。まず、トランジスタ形成領域T2にマスク層を設けて、トランジスタ形成領域T1にウェル領域7Aを形成するために第1導電型の不純物イオンを注入する(第1の注入工程)。続いて、トランジスタ形成領域T1、T2の両方に、第2導電型の不純物イオンの注入を行う(第2の注入工程)。これにより、トランジスタ形成領域T2にはウェル領域7Bが形成される。なお、第1の注入工程における第1導電型の不純物イオンの注入量が、第2の注入工程における第2導電型の不純物イオンの注入量よりも多くなるように、各注入工程の条件を選択すると、第1の注入工程で形成されたウェル領域7Aの導電型を、第2の注入工程後も第1導電型のまま維持できる。詳しい形成方法は後述する。
この後、図1(c)に示すように、半導体基板1の第1主面S1におけるトランジスタ形成領域T1、T2に、ゲート電極12A、12Bと、ソースおよびドレイン領域22A、22Bとをそれぞれ形成することにより、トランジスタ100A’、100B’を得る。ソースおよびドレイン領域22A、22Bは、それぞれ、ゲート電極12A、12Bをマスクとして、所定の導電型を規定する不純物イオンを注入することにより形成できる。また、各トランジスタ100A’、100B’のソースおよびドレイン領域22A、22Bの間には、それぞれチャネル領域25A、25Bが形成される。
次いで、図1(d)に示すように、半導体基板1の上に平坦化層26を形成した後、剥離用物質(例えば水素)27を平坦化層26の上方から半導体基板1に注入することにより、剥離層28を形成する。このとき、剥離層28が、半導体基板1における素子分離領域10よりも第2主面(S2)側に形成されるように、剥離用物質27の種類や注入条件を適宜選択する。
その後、図1(e)に示すように、半導体基板1の第1主面(S1)側を、ガラス基板などの誘電体基板33に接合した後、所定の温度(例えば400℃以上600℃以下)で熱処理を行うことにより、半導体基板1を剥離層28に沿って分離する。これにより、半導体基板1における剥離層28よりも第2主面(S2)側に位置する部分1bが、誘電体基板33から剥離し、剥離層28よりも第1主面(S1)側に位置する部分、すなわち、トランジスタ100A’、100B’のソースおよびドレイン領域22A、22Bやチャネル領域25A、25Bが形成された半導体層1aが誘電体基板33の上に残る。典型的には、剥離層28の内部に剥離面が生じるため、剥離層28の一部も誘電体基板33の上に残る。
次に、図1(f)に示すように、半導体層1aのエッチングを行い、チャネル領域25A、25Bをそれぞれ含む半導体層1A、1Bを得る。この後、図示しないが、半導体層1A、1Bを覆う保護膜を設ける。このようにして、誘電体基板33の上にトランジスタ100A、100Bを備えた半導体装置200が製造される。
本実施形態では、半導体層1aのエッチングを行う際に、素子分離領域10を基準にエッチングの終点を決める。従って、エッチング後の半導体層1A、1Bの厚さD1、D2は、素子分離領域10を基準に決まるので、素子分離領域10の厚さを制御することによって半導体層1A、1Bの厚さを容易に制御できる。具体的なエッチング方法を以下に説明する。
素子分離領域10をエッチストッパーとして、誘電体基板33の上に残った剥離層28および半導体層1aのドライエッチングを行う。この結果、図示するように、素子分離領域10と、半導体層1A、1Bにおけるチャネル領域25A、25Bの反対側の面を含む平面Pとが接する構成が得られ、半導体層1A、1Bが素子分離領域10によって完全に分離された完全空乏型のトランジスタ構造を実現できる。
あるいは、半導体層1aのうち素子分離領域10の上に位置する部分が所定の厚さになるまで、半導体層1aのエッチングを行ってもよい。この場合には、部分空乏型のトランジスタ構造が得られる。
なお、エッチングの代わりに研磨によって半導体層1aの薄膜化を行ってもよい。半導体層1aの研磨は、例えば酸化セリウムを砥粒に用いたCMP(Chemical Mechanical Polish)などによって行うことができる。この場合でも、半導体層1aを研磨して得られる半導体層1A、1Bの厚さD1、D2は、素子分離領域10を基準として制御される。
上記方法によると、トランジスタ100A、100Bのチャネル領域25A、25Bの高さは互いに略等しいので、半導体層1A、1Bにおける各チャネル領域25A、25Bの位置する部分の厚さD1、D2を略等しくできる。よって、トランジスタ100A、100Bの電気特性をバランスよく制御できる。また、上記方法では、素子分離領域10を利用することにより、半導体層1A、1Bにおける各チャネル領域25A、25Bの位置する部分の厚さD1、D2を容易かつ精確に制御できるので有利である。例えば完全空乏型のトランジスタ100A、100Bを形成する場合、トランジスタ100A、100Bにおける上記厚さD1、D2を、何れも、50nm以上100nm以下の所望の厚さに制御することが可能になり、高い電気特性を実現できる。
さらに、上記方法のように、剥離用物質27の注入前に平坦化層26を形成しておくと、剥離用物質27が注入される深さを半導体基板1に亘って揃えることができるので好ましい。これによって、トランジスタ形成領域T1、T2における剥離層28の深さを略等しくできるので、図1(e)に示す工程で、誘電体基板33の上に残る半導体層1aの表面に段差が生じない。従って、半導体層1aをエッチングすることによって得られる半導体層1A、1Bの厚さD1、D2をより精確に制御できる。
なお、平坦化層26を形成しないで剥離用物質27の注入を行うと、半導体基板1の表面の段差を反映して、剥離用物質27の注入深さに分布が生じ、その結果、半導体基板1に形成される剥離層28にも段差が生じる。本願発明者らが実験したところ、剥離層28が急峻な段差(例えば段差の傾きが半導体基板1の表面に対して70度以上)を有していると、熱処理を行っても半導体基板1が剥離層28に沿って分離せず、剥離層28の段差部分では、トランジスタ100A、100Bの一部も誘電体基板33から剥離されてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、剥離用物質27の注入深さ(すなわち剥離層28の深さ)は半導体基板1に亘って略均一であり、上記のような急峻な段差を有していないので、半導体基板1のうち不要な部分のみを誘電体基板33から容易に剥離できる。
本実施形態において、ゲート電極12A、12Bは、ポリシリコンを用いて形成されることが好ましい。この理由を以下に説明する。
上述したように、上記方法では、平坦化層26の上方から剥離用物質27を注入するので、剥離用物質27の注入深さ分布を抑えることができる。しかしながら、剥離用物質27の注入深さは注入される材料にも依存する。Projected Range Statistic Semiconductor and Related Materials 2nd edition, J.F.Gibbons et al. Dowden, Hutchinson & Ross, Inc.によると、100KeVの注入エネルギーで水素を注入するとき、酸化膜中に注入される水素の深さ(注入飛程)は0.84μmであるのに対し、アルミニウム中に注入される水素の深さは、その略2倍の1.64μmである。一方、ポリシリコン中に注入される水素の深さは、例えば1μm程度である。
図1(d)からわかるように、剥離用物質27は、ゲート電極12A、12Bが形成された半導体基板1に対して注入される。ゲート電極12A、12Bがアルミニウムなどの金属を用いて形成されていると、剥離用物質27がゲート電極12A、12Bを通過して半導体基板1に注入される深さと、ゲート電極12A、12Bを通過せずに平坦化層(例えば酸化膜)26を通過して半導体基板1に注入される深さとを揃えることは困難である。剥離用物質27として水素を用いる場合、ゲート電極12A、12Bの厚さを0.3μmとすると、ゲート電極12A、12Bを通過する水素は、ゲート電極12A、12Bを通過しない水素よりも0.15μm程度深く注入されるおそれがある。これに対し、ゲート電極12A、12Bがポリシリコンを用いて形成されていれば、酸化膜中に注入される水素の深さとポリシリコン中に注入される水素の深さとが略等しいので、注入される材料に起因する注入深さのばらつきを抑えることが可能になる。
また、上記と同様の理由から、剥離物質27の注入によって剥離層28を形成した後に、トランジスタ100A’、100B’におけるソース領域22A、22Bにそれぞれ電気的に接続された金属配線(ここではソース配線)を設けることが好ましい。金属配線は、通常、アルミニウムなどの金属材料を用いて形成されるため、このような金属配線を設けた後に、剥離用物質27の注入を行うと、金属配線を通過して半導体基板1に注入される剥離用物質27は、金属配線を通過せずに半導体基板1に注入される剥離用物質よりも深く注入される。従って、注入される材料に起因して剥離用物質27の注入深さに分布が生じてしまう。これに対し、剥離層28を形成した後に金属配線を設ければ、このような注入深さ分布が生じることを防止できる。
さらに、上記金属配線は、半導体基板1を誘電体基板33に接合する工程(図1(e))の前に形成されることが好ましい。半導体基板1の上では、誘電体基板33の上に比べて、金属膜をより微細に加工できるため、微細なサイズ(例えば0.1〜0.5μm)の金属配線を精確に形成できる利点がある。金属配線を半導体基板1の上で形成すると、最終的に得られる半導体装置200では、金属配線は、半導体層1A、1Bと誘電体基板33との間に配置される。
なお、金属配線は、半導体層1aのエッチング工程(図1(f))の後に形成してもよい。この場合には、半導体層1A、1Bにおける誘電体基板33の反対側に金属配線が形成される。誘電体基板33の上に上記方法以外の方法で他の半導体素子が設けられており、他の半導体素子とトランジスタ100A、100Bとを電気的に接続する必要があるときには、他の半導体素子の配線とトランジスタ100A、100Bの配線とを、深いコンタクトホールを形成することなく、簡便なプロセスで接続できる利点がある。
本実施形態の製造方法は、上記方法に限定されない。図1(e)に示す転写工程では半導体基板1を誘電体基板33に接合しているが、代わりに、他の支持基板に接合してもよい。この場合、半導体基板1を他の支持基板に接合して半導体層1bの剥離を行い(第1の転写工程)、続いて、半導体層1aのエッチングまたは研磨を行った後、トランジスタ100A、100Bを支持基板から誘電体基板33に転写する(第2の転写工程)ことも可能である。支持基板として、シリコン基板などの半導体基板を用いることが好ましい。支持基板として半導体基板を用い、半導体層1aを支持基板に接合した後に金属配線を形成すると、ガラス基板上で形成するよりも微細な加工が可能になるからである。また、金属配線の融点以上の温度での熱処理によって水素注入によるダメージを完全回復できるというメリットや、CMP研磨によるチャネル領域の厚さ制御性を向上できるというメリットもある。この方法については後で詳述する。
トランジスタ100A、100Bは、何れもPMOSトランジスタあるいはNMOSトランジスタであってもよいし、トランジスタ100A、100Bのうち一方がPMOSトランジスタ、他方がNMOSトランジスタであってもよい。また、上記方法では2つのトランジスタ100A、100Bが形成されるが、本実施形態の半導体装置は少なくとも2つのトランジスタを備えていればよく、3以上のトランジスタが形成されてもよい。
上記方法では、剥離用物質27として水素を用いているが、剥離用物質27は水素、およびHeやNeなどの不活性元素からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいればよい。
本実施形態における半導体基板1としては、単結晶シリコン基板に限定されず、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)などのIV族半導体、セレン化亜鉛(ZnSe)やテルル化カドミウム(CdTe)などのII−VI族化合物半導体、シリコンカーバイド(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)などのIV−IV族化合物半導体、ガリウムナイトライド(GaN)やガリウム砒素(GaAs)、インジウムリン(InP)などのIII−V族化合物半導体、およびそれらの同属元素を含む混晶、ならびにLiNbO3、LaAlO3、SrTiO3などの酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つの半導体を含む基板を用いることができる。
また、誘電体基板33として、ガラス基板の他、プラスチック基板、石英基板、セラミック基板、表面が絶縁膜で覆われた金属基板などを用いてもよい。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明による第1の実施形態を説明する。ここでは、単結晶半導体基板に形成されたCMOSをガラス基板に転写することによって、CMOSを備えた半導体装置を製造する方法を例に説明する。このような半導体装置は、例えばアクティブマトリクス基板などに好適に使用され得る。
図2(a)〜(f)、図3(a)〜(e)、図4(a)〜(e)および図5(a)〜(c)は、本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、半導体基板1の表面S1に熱酸化膜(厚さ:例えば30nm程度)2を形成する。ここでは、半導体基板1としてシリコン基板を用いる。熱酸化膜2は、後で行われるイオン注入工程で半導体基板1の表面が汚染されることを防止するために形成される。なお、熱酸化膜2は必須の構成要素ではなく、形成されなくてもよい。
次いで、図2(b)に示すように、半導体基板1のうちN型トランジスタを形成しようとする領域(N型トランジスタ形成領域)Tnの上に設けられたレジスト層3をマスクとして、P型トランジスタを形成しようとする領域(P型トランジスタ形成領域)TpにN型のドーパント(例えばリン)4を注入する(第1の注入工程)。注入エネルギーは30〜150KeV、ドーズ量は1×1012〜1×1013cm-2の範囲内で適宜選択される。なお、後の工程で、P型およびN型トランジスタ形成領域Tp、Tnの全体にP型ドーパントを注入する場合には、P型トランジスタ形成領域Tpに注入したN型ドーパントの一部が打ち消されるので、その分を考慮してドーズ量を追加する必要がある。この場合のドーズ量は、例えば2×1012〜2×1013cm-2に設定される。
この後、図2(c)に示すように、レジスト層3を除去し、P型およびN型トランジスタ形成領域Tp、Tnの全体にP型ドーパント(例えばボロン)5を注入する(第2の注入工程)。注入エネルギーは10〜50KeV、ドーズ量は1×1012〜1×1013cm-2の範囲内で適宜選択される。
なお、第2の注入工程でも、レジスト層をマスクとして用いてもよい。すなわち、第1の注入工程の後、P型トランジスタ形成領域Tpに新たなレジスト層を形成し、これをマスクとして、N型トランジスタ形成領域TnのみにP型のドーパントを注入してもよい。この場合には、フォトリソグラフィーによるレジスト層の形成を2回行うので工程数は増加するが、P型のドーパント5によるN型のドーパント4の打ち消しを考慮してN型のドーパント4の注入量を増加させなくてよい。
第1および第2の注入工程でそれぞれ注入されるドーパントの導電型は、上記に限定されない。第1の注入工程でP型トランジスタ形成領域TpにP型のドーパントを注入し、第2の注入工程でN型およびP型トランジスタ形成領域Tn、TpにN型のドーパントを注入することもできる。さらに、第1および第2の注入工程の順序は、上記の順序に限定されない。例えば、P型およびN型トランジスタ形成領域Tp、Tnに対してN型のドーパントを注入した後、N型トランジスタ形成領域TnのみにP型のドーパントを注入してもよい。
続いて、熱酸化膜2を除去した後、図2(d)に示すように、酸化雰囲気中で900℃〜1000℃程度の温度で熱処理を行うことにより、半導体基板1の表面に新たな熱酸化膜(厚さ:30nm程度)6を形成するとともに、N型およびP型トランジスタ形成領域Tn、Tpに注入されたドーパントを拡散させてNウェル領域7nおよびPウェル領域7pをそれぞれ形成する。
なお、P型のドーパント5としてボロン、N型のドーパント4としてリンを用いる場合、リンの熱処理によるシリコン中の拡散係数は、ボロンに比べて小さいため、図2(c)に示す第2の注入工程の前に熱処理を行って、リンを予め半導体基板中に適度に拡散させても良い。
次いで、図2(e)に示すように、熱酸化膜6の上に、例えばCVD法により窒化珪素膜(厚さ:例えば200nm程度)9を形成した後、熱酸化膜6および窒化珪素膜9のパターニングを行って、半導体基板1の表面S1のうち素子分離領域を形成しようとする部分10’を露出させる。
その後、図2(f)に示すように、酸素雰囲気中で900〜1000℃程度の温度で熱処理を行うことにより、半導体基板1の露出部分10’を酸化させて(LOCOS)、素子分離領域(厚さ:例えば200〜500nm)10を形成する。
なお、本実施形態では、LOCOSにより素子分離領域10を形成するが、代わりにSTI(Shallow Trench Isolation)などの他の素子分離法を適用してもよい。
次いで、図3(a)に示すように、窒化珪素膜9および熱酸化膜6を除去した後、酸素雰囲気中で1000℃の温度で熱処理を行うことにより、Pウェル領域7nおよびNウェル領域7pの上にゲート酸化膜(厚さ:10〜20nm程度)11を形成する。
なお、窒化膜9を除去した後、トランジスタのしきい値電圧微調整のために、Nウェル領域7p、Pウェル領域7nにN型あるいはP型不純物元素をイオン注入等によりドーピングしてもよい。最終的には、しきい値電圧制御のために、チャネル領域の不純物濃度は1×1015/cm3〜1×1018cm3の範囲内で適宜設定されることとなる。
その後、図3(b)に示すように、Pウェル領域7nおよびNウェル領域7pの上に、ゲート酸化膜11を介して、ゲート電極12n、12pをそれぞれ形成する。ゲート電極12n、12pは、例えばCVD法によりポリシリコン膜(厚さ:300nm程度)をゲート酸化膜11の上に堆積させた後、ポリシリコン膜のパターニングを行うことによって形成できる。
次に、図3(c)に示すように、P型トランジスタ形成領域Tpを覆うようにレジスト層13を形成した後、N型トランジスタ形成領域Tnにおいて、ゲート電極12nをマスクとして、Pウェル領域7nにリンなどのN型ドーパント14のイオン注入を行い、低濃度不純物領域15nを得る。イオン注入を行う際のドーズ量は、例えば5×1012〜5×1013cm-2とする。この後、レジスト層13を除去する。
続いて、図3(d)に示すように、N型トランジスタ形成領域Tnを覆うレジスト層16を形成した後、P型トランジスタ形成領域Tpにおいて、ゲート電極12pをマスクとして、Nウェル領域7pにボロンなどのP型ドーパント17のイオン注入を行い、低濃度不純物領域15pを得る。イオン注入を行う際のドーズ量は、例えば5×1012〜5×1013cm-2とする。この後、レジスト層16を除去する。
なお、P型ドーパント17としてボロンを用いる場合、ボロンは熱拡散係数が大きいので、後に続く工程で、トランジスタ形成領域Tpに対してP型ドーパントを高濃度で注入する際に、注入されたボロンを熱拡散させて低濃度不純物領域15pを形成してもよい。これにより、レジスト層を形成するプロセスを省略できるので有利である。
この後、図3(e)に示すように、CVD法により、ゲート電極12n、12pを覆うSiO2膜を形成した後、SiO2膜の異方性ドライエッチングを行うことにより、ゲート電極12n、12pの側壁にサイドウォール21n、21pを形成する。
次に、図4(a)に示すように、P型トランジスタ形成領域Tpを覆うようにレジスト層20を形成した後、N型トランジスタ形成領域Tnにおいて、ゲート電極12nおよびサイドウォール21nをマスクとして、低濃度不純物領域15nにリンなどのN型のドーパント19のイオン注入を行い、高濃度不純物領域22nを得る。この後、レジスト層20を除去する。
続いて、図4(b)に示すように、N型トランジスタ形成領域Tnを覆うレジスト層23を形成した後、P型トランジスタ形成領域Tpにおいて、ゲート電極12pおよびサイドウォール21pをマスクとして、低濃度不純物領域15pにボロンなどのP型のドーパント24のイオン注入を行い、高濃度不純物領域22pを得る。この後、レジスト層23を除去する。
その後、図4(c)に示すように、低濃度不純物領域15n、15pおよび高濃度不純物領域22n、22pに注入されたドーパントを活性化させるための活性化熱処理を行うことにより、N型およびP型トランジスタ形成領域Tn、Tpに、それぞれNMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’が形成される。上記活性化熱処理は、例えば900℃の温度で10分間行う。次いで、NMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’を覆う平坦化膜26を形成する。
NMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’では、Pウェル領域7nおよびNウェル領域7pのうちゲート電極12n、12pおよびサイドウォール21n、21pと重なっていない領域に、それぞれ、トランジスタのソースおよびドレイン領域として機能する高濃度不純物領域22n、22pが形成され、サイドウォール21n、21pと重なる領域に低濃度不純物領域15n、15pが形成されている。高濃度不純物領域22n、22pおよび低濃度不純物領域15n、15pは、自己整合によって形成されているため、高濃度不純物領域22n、22pの端面はサイドウォール21n、21pの端面を基準としてそれぞれ自己整合的に位置付けられ、低濃度不純物領域15n、15pの端面は、ゲート電極12n、12pの端面を基準としてそれぞれ自己整合的に位置付けられている。また、Pウェル領域7nおよびNウェル領域7pのうちゲート電極12n、12pと重なる領域(すなわち、不純物領域15n、15p、22n、22pが形成されなかった領域)25n、25pは、それぞれ、NMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’のチャネル領域として機能する。
平坦化膜26は、SiO2などの絶縁膜を半導体基板1の上に堆積させた後、CMPなどによって、絶縁膜表面を平坦化することによって形成できる。
この後、図4(d)に示すように、平坦化膜26の上方から、半導体基板1に剥離用物質27を注入して剥離層28を形成する。剥離用物質27としては、水素、およびHeやNeなどの不活性元素からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。剥離層28は、半導体基板1のうち素子分離領域10およびチャネル領域25n、25pよりも深い領域に形成されることが好ましい。剥離層28の深さは、剥離用物質27の注入条件を適宜選択することによって制御できる。ここでは、剥離用物質27として水素を用いる。注入エネルギーは100〜200KeV、ドーズ量は2×1016〜1×1017cm-2の範囲内で適宜設定される。剥離層28の厚さは、剥離用物質の注入時の注入射程偏差(Projected Standard Deviation)の略等倍から数倍程度となる。例えば水素イオンを150KeVでシリコン基板中に注入した場合、剥離層28の厚さは100〜200nm程度となる。
このように、半導体基板1の表面に平坦化膜26を設けて、その上方から剥離用物質27の注入を行うと、水素注入深さ分布に急峻な段差が生じない。従って、半導体基板1に亘って剥離層28の深さを略一定にできるので有利である。本実施形態では、剥離層28のうちNMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’の下に位置する部分の深さは互いに等しく、例えばゲート酸化膜11とチャネル領域25n、25pの界面から200nm以上700nm以下である。
続いて、図4(e)に示すように、平坦化膜26の上に層間絶縁膜29を形成した後、高濃度不純物領域22n、22pにそれぞれ電気的に接続された電極および配線31を形成する。
電極および配線31は、例えば次のようにして形成できる。
まず、層間絶縁膜29に高濃度不純物領域22n、22p、および、図示していないが、ゲート電極12n、12pにそれぞれ達するコンタクトホール30を形成する。次いで、コンタクトホール30の内部および層間絶縁膜29の上に金属材料を300nm程度堆積して金属膜を形成する。金属材料としては、後工程の熱処理に耐える材料、具体的にはTiN、TaN、HfN、ZrNなどの高融点金属材料が好適に用いられる。なお、低抵抗のコンタクト抵抗を得るために、上記のような高融点金属材料を堆積する前に、Ti、Mo、Ta、Co、Niなどの金属を10〜20nm程度堆積させることが好ましい。これらの金属は、後工程の熱処理によって、シリコンと反応してTiSi2等のシリサイドを形成するために、良好な低抵抗コンタクトを実現できる。
次に、金属膜を所定の形状にパターニングすることにより、電極および配線31が得られる。なお、層間絶縁膜29を形成せずに、平坦化膜26にコンタクトホール30を形成し、コンタクトホール30の内部および平坦化膜26の上に金属材料を堆積させることによって、電極および配線31を形成してもよい。その場合は、前述した平坦化膜26の形成工程において、平坦化膜26を厚くしておくことが好ましい。
この後、半導体基板1の上に形成されたNMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’をガラス基板などの誘電体基板に転写する。転写方法を以下に説明する。
まず、図5(a)に示すように、層間絶縁膜29の上に絶縁膜32を形成した後、絶縁膜32の表面がガラス基板33に接触するように、半導体基板1とガラス基板33とを接合する。絶縁膜32は、層間絶縁膜29の上に絶縁材料を堆積した後、その表面をCMPなどによって平坦化する(表面凹凸が0.5nm以下、好ましくは0.3nm程度以下)ことによって形成できる。絶縁膜32の表面はSC1(アンモニア・過酸化水素混合水溶液)を用いた洗浄を含む洗浄プロセスにより基板表面のパーティクルおよび有機物が除去され、同じくSC1を用いて洗浄されたガラス基板33の表面にファンデルワールス力および水素結合によって貼り合わせられる。
次いで、400℃以上600℃以下の温度で熱処理を行うと、図5(b)に示すように、半導体基板1が剥離層28に沿って分離する。その結果、半導体基板1のうち剥離層28よりも深い部分1bがガラス基板33から剥離され、剥離層28よりも浅い部分、すなわちNMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’のチャネル領域25n、25pを含む半導体層1aがガラス基板33の上に残る。このようにして、NMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’と素子分離領域10とをガラス基板33に転写できる。
なお、剥離層28は、典型的には、剥離層28の内部に剥離面が生じて分離するため、ガラス基板33に転写された半導体層1aの上には、図示するように剥離層28の一部が残る。
続いて、図5(c)に示すように、半導体層1aの上に残った剥離層28および半導体層1aのエッチングを行った後、保護膜34を設けることにより、ガラス基板33の上にNMOSおよびPMOSトランジスタ100n、100pが形成された半導体装置200を得る。
本実施形態では、半導体層1aのエッチングは、素子分離領域10をエッチストッパーとして、素子分離領域10が露出するまで行う。これによって、NMOSトランジスタ100nの半導体層1nおよびPMOSトランジスタ100pの半導体層1pが得られる。これらの半導体層1n、1pは、素子分離領域10によって完全に分離されている。また、半導体装置200における保護膜34は、半導体層1n、1pの表面を保護し、電気絶縁性を確保するために設けられる。
半導体装置200の平面図を図6に示す。図5(c)に示すPMOSトランジスタ100pの断面図は、図6におけるA−A’線に沿った断面に相当し、図5(c)に示すNMOSトランジスタ100nの断面図は、図6におけるB−B’線に沿った断面に相当する。図示するように、半導体装置200では、NMOSトランジスタ100nとPMOSトランジスタ100pとが直列に接続され、CMOSインバータが構成されている。具体的には、入力電圧がかけられる金属配線31iが、コンタクト部30gを介して、NMOSトランジスタ100nのゲート電極12nおよびPMOSトランジスタ100pのゲート電極12pに電気的に接続されている。また、NMOSトランジスタ100nのドレイン領域およびPMOSトランジスタ100pのドレイン領域は、出力電圧が取り出される金属配線31oと電気的に接続されている。なお、図6に示す平面図において、トランジスタ100p、100nが形成された領域以外の領域が素子分離領域10である。
半導体装置200では、トランジスタ100n、100pのチャネル領域25n、25pの高さは略等しいので、NMOSトランジスタ100nの半導体層1nのうちチャネル領域25nの位置する部分の厚さDnと、PMOSトランジスタ100pの半導体層1pのうちチャネル領域25pの位置する部分の厚さDpとは略等しくなる。ゲート電極に電圧を印加して行くと、半導体層の深さ方向に向かって電荷空乏層が形成され、やがて半導体層のゲート電極側表面に反転層が形成されてその深さが最大となり、それ以上大きくならなくなったときの電荷空乏層の深さ方向の幅を「最大空乏層幅」と呼ぶ。最大空乏層幅は半導体層内(チャネル領域)の不純物濃度によって決まり、不純物濃度が高いほど最大空乏層幅は大きくなる。N型とP型の両方の不純物がある場合には、互いに相殺しあって、残った分が実効的不純物濃度となる。SOIトランジスタにおいて、最大空乏層幅よりも半導体薄膜層が薄い場合を「完全空乏型」、逆に、最大空乏層幅よりも半導体薄膜層が厚い場合を「部分空乏型」とよぶ。言い換えると、完全空乏型では、半導体層が深さ方向に亘って全て(完全に)電荷空乏層となり、部分空乏型では、半導体層の一部が空乏化する。従って、例えば完全空乏型のトランジスタを形成しようとすると、チャネル領域の不純物濃度によって適宜半導体層の膜厚を設定する必要があるが、一般的にチャネル領域の不純物濃度が1〜5×1017cm-3程度であることを考えると、厚さDn、Dpは、好ましくは30nm以上150nm以下、より好ましくは30nm以上100nm以下である。
上記厚さDn、Dpは、素子分離領域10の厚さを調整することによって容易に制御できる。再び図2(f)を参照しながら説明する。半導体基板1の表面を部分的に酸化する(LOCOS)ことによって素子分離領域10を形成すると、酸化のための熱処理条件(温度、時間など)を適宜選択することにより、素子分離領域10の厚さXを制御できる。「素子分離領域10の厚さX」は、図2(f)に示すように、素子分離領域10の最大厚さを指すものとする。半導体基板1としてシリコン基板を用いる場合、厚さXの素子分離領域(SiO2)領域10を形成するための消費されるシリコンの厚さは、Xの約0.45倍である。よって、厚さXの素子分離領域10を形成すると、素子分離領域10の深さはX×0.45となる。ここでいう「素子分離領域10の深さ」とは、図示するように、半導体基板1の表面のうち窒化珪素膜9で覆われて酸化されなかった部分からの最大深さを指す。本実施形態の方法によって完全空乏型のトランジスタを形成する場合には、この素子分離領域10の深さ(X×0.45)が、トランジスタにおける半導体層1n、1pの厚さDn、Dpと略等しくなる。従って、素子分離領域10の厚さXを調整すれば、半導体層1n、1pを所望の厚さDn、Dpに制御することが可能になる。
本実施形態の方法は、図2〜図5を参照しながら説明した上記方法に限定されない。例えば、半導体層1aのエッチングを行う際に、素子分離領域10が露出する時点をエッチング終点とする代わりに、素子分離領域10の上に位置する半導体層1aが所定の厚さDs(例えば50nm以上200nm以下)になった時点をエッチング終点としてもよい。これにより、図7に示すように、部分空乏型のトランジスタを備えた半導体装置200’が得られる。半導体装置200’では、図5(c)に示す半導体装置200と同様に、NMOSトランジスタ100nの半導体層1nのうちチャネル領域25nの位置する部分の厚さDnと、PMOSトランジスタ100pの半導体層1pのうちチャネル領域25pの位置する部分の厚さDpとは略等しい。これらの厚さDn、Dpは、上述した素子分離領域10の厚さXに、素子分離領域10の上に残された半導体層1aの厚さDsを加えた厚さ(X+Ds)となる。従って、素子分離領域10の厚さXと上記厚さDsとを調整することによって、上記厚さDn、Dpを容易に制御できる。
上記方法を用いて、表示装置などに使用されるアクティブマトリクス基板にCMOSを形成すると、CMOSを含む駆動回路と、画素電極やスイッチング素子などを含む表示領域とを同一のガラス基板上に形成できるので有利である。
図8は、上記方法で得られたCMOSを用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す断面模式図である。図8に示すアクティブマトリクス基板では、ガラス基板33の上には、駆動回路を構成するCMOSと、表示領域に設けられるスイッチング素子などの電気素子37とが形成されている。CMOSは、NMOSおよびPMOSトランジスタ100n、100pおよびそれらを電気的に分離する素子分離領域10を有している。このような構成は、例えば、上記方法において半導体基板1とガラス基板33とを貼り合わせる(図5(a))前に、ガラス基板33に予め能動素子あるいは受動素子などの電気素子37を作製しておくことによって得られる。電気素子37が形成されたガラス基板33に、NMOSおよびPMOSトランジスタ100n、100pを転写した後、必要に応じて、各トランジスタ100n、100pと電気素子37とを電気的に接続する。接続する方法は特に限定しないが、例えば図8に示すように、絶縁膜34から電極および配線31に達するコンタクトホール35を形成し、このコンタクトホール35を介して、電極および配線31と電気素子37とを接続する配線36を形成してもよい。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明による第2の実施形態を説明する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体基板に形成されたトランジスタを、他の支持基板に一旦転写した後、さらにガラス基板に転写する点で、第1の実施形態の製造方法と異なっている。
図9(a)〜(f)は、本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。簡単のため、図2〜図5と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
まず、図2(a)〜図2(f)、図3(a)〜図3(e)および図4(a)〜(e)を参照しながら説明した方法と同様の方法で、半導体基板1に素子分離領域10、NMOSおよびPMOSトランジスタ300n’、300p’、および平坦化層26を形成した後、水素などの剥離用物質27を半導体基板1に注入することによって剥離層28を形成する(図9(a))。NMOSおよびPMOSトランジスタ300n’、300p’の構成は、図4(d)に示すNMOSおよびPMOSトランジスタ100n’、100p’の構成と同様である。
次に、図9(b)に示すように、平坦化層26の表面が支持基板40に接するように、半導体基板1と支持基板40とを貼り合わせる。平坦化層26の表面および支持基板40の表面は、貼り合わせられる前に、SC1を用いて洗浄されることが好ましい。支持基板40としては、半導体基板1と同様の基板を用いることができる。本実施形態では、単結晶シリコン基板を用いる。
続いて、400℃以上600℃以下の温度で熱処理を行うと、図9(c)に示すように、半導体基板1が剥離層28に沿って分離する。その結果、半導体基板1のうち剥離層28よりも深い部分1bが支持基板40から剥離され、剥離層28よりも浅い部分(半導体層)1aが支持基板40の上に残る(第1の転写工程)。
続いて、図9(d)に示すように、素子分離領域10をエッチストッパーとして、半導体層1aの上に残った剥離層28および半導体層1aのエッチングを行い、NMOSトランジスタ300n’のチャネル領域25nを含む半導体層1nと、PMOSトランジスタ300p’のチャネル領域25pを含む半導体層1pを得る。なお、酸化セリウムを砥粒に用いればSiO2に対して大きな選択比を得ることができるので、CMPによって研磨する際に素子分離領域10をエッチストッパーとして用いることができ、半導体層の膜厚制御性が良くなる。この後、半導体層1n、1pを覆う保護膜36を形成する。保護膜36の表面は、CMPにより平坦化する。
本実施形態では、NMOSトランジスタ300n’の半導体層1nと、PMOSトランジスタ300p’の半導体層1pとは、素子分離領域10によって分離されている。また、前述した実施形態1と同様に、半導体層1nのうちチャネル領域25nの位置する部分の厚さDnと、半導体層1pのうちチャネル領域25pの位置する部分の厚さDpとは略等しくなる。
なお、半導体層1aのエッチングを行う際に、素子分離領域10の上に位置する半導体層1aが所定の厚さになるまでエッチングを行うことにより、部分空乏型のトランジスタを形成してもよい。この場合でも、半導体層1nの厚さDnと半導体層1pの厚さDpとを略等しくできる。
続いて、図9(e)に示すように、高濃度不純物領域22n、22p、および、図示していないが、ゲート電極12n、12pにそれぞれ電気的に接続された電極および配線44を形成する。電極および配線44は、保護膜36に、高濃度不純物領域22n、22pにそれぞれ達するコンタクトホール42を形成し、次いで、コンタクトホール42の内部および保護膜36の上に金属膜を堆積した後、金属膜のパターニングを行うことによって形成できる。
この後、図9(f)に示すように、支持基板40の上に形成されたCMOS構造をガラス基板33に転写することにより(第2の転写工程)、ガラス基板33の上にNMOSおよびPMOSトランジスタ300n、300pを備えた半導体装置400が得られる。
第2の転写工程を具体的に説明する。まず、電極および配線44を覆う絶縁膜46を形成した後、絶縁膜46の表面がガラス基板33に接するように、絶縁膜46とガラス基板33とを貼り合わせる。絶縁膜46の表面およびガラス基板33の表面は、貼り合わせられる前に、SC1を用いて洗浄されることが好ましい。この後、支持基板40を平坦化層26から剥離する。支持基板40は、例えば、予め支持基板40に構造上弱い層を作りこんでおき、何らかの衝撃を与えることによって分離させることができる。あるいは、特定の薬液に対してエッチングレートが大きな分離層をあらかじめ支持基板40に作り込んでおき、その薬液を用いたエッチングによって分離させてもよい。
上記方法を用いて、表示装置などに使用されるアクティブマトリクス基板にCMOSを形成すると、CMOSを含む駆動回路と、画素電極やスイッチング素子などを含む表示領域とを同一のガラス基板上に形成できるので有利である。本実施形態によると、例えば図8に示す構成と比べて、金属配線にアルミニウムなどの低融点低抵抗材料を使用でき、また、先に述べたように酸化セリウムを用いたCMPによる半導体層の薄膜化により膜厚制御性が向上して特性ばらつきが小さくなるという利点がある。さらに、シリコン基板などを用いる場合には、金属配線層形成前に高温(700〜800℃程度)で熱処理できるので、水素注入による残留ダメージを完全に回復できるという利点もある。
上述してきたように、本発明によると、ガラス基板などの誘電体基板上に、高いトランジスタ特性を有する複数のMOSトランジスタを形成できる。各MOSトランジスタにおいて、チャネル領域が位置する部分の半導体層の厚さは互いに等しいので、MOSトランジスタ間の特性のばらつきを防止できる。また、隣接するMOSトランジスタを電気的に分離する素子分離領域を利用して、各MOSトランジスタの半導体層の厚さを精確に制御できるので、電気特性に優れた半導体装置を提供できる。また、ゲート絶縁膜が酸化膜(Oxide)以外のMIS(Metal Insulator Semiconductor)に対しても、同様に本発明を適用することができる。
本発明における上記MOSトランジスタは、単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いて形成された後、誘電体基板上に転写される。このように、半導体基板上から誘電体基板上へMOSトランジスタを転写することにより、寄生容量を低減できるとともに絶縁抵抗を高くでき、デバイスの高性能化や高集積化を図ることが可能になる。
さらに、本発明によると、単結晶シリコン層をチャネル領域とするMOSトランジスタを用いた高性能な回路と、他の回路とを同一の誘電体基板上に構成することが可能になり、高付加価値を有する高機能な半導体装置を実現できる。
(第3の実施形態)
本発明は、上記第1、および第2の実施形態で示したMISトランジスタ以外の半導体素子に対しても同様に適用できる。ここでは、ラテラルバイポーラ、またはラテラルダイオードに本発明を適用した場合の半導体装置の構成を説明する。
図11および図12(a)は、それぞれ、PNPラテラルバイポーラトランジスタ700pおよびNPNラテラルバイポーラトランジスタ700nを備えた半導体装置800を示す断面図および平面図である。図11に示すPNPラテラルバイポーラトランジスタ700pの断面図は、図12(a)におけるC−C’線に沿った断面に相当し、図11に示すNPNラテラルバイオポーラトランジスタ700nの断面図は、図12(a)におけるD−D’線に沿った断面に相当する。また、図12(b)は、PNPラテラルバイポーラトランジスタ700pおよびNPNラテラルバイポーラトランジスタ700nの接続を説明するための回路図である。ここでは、PNPおよびNPNラテラルバイポーラ700p、700nによる微小ベース電流で大きな増幅率を得ることができるダーリントン接続回路を例示している。簡単のため、図2〜図5と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
図11および図12に示す半導体装置800は、ゲート電極を有さない点で、前述のMOSトランジスタを備えた半導体装置200、400と大きく異なる。従って、高濃度不純物領域22n、22pを形成するときに、ベース領域25n,25pにイオン注入時のマスクとしてフォトレジストパターンを形成しておくことが必要となる。その他の工程は、前述のMOSトランジスタを備えた半導体装置200、400の製造工程と同様である。このようにして、高濃度不純物領域22nの一方をエミッタ、他方をコレクタとし、かつ、これらの高濃度不純物領域22nの間の領域25nをベースとしたNPNラテラルバイポーラトランジスタ700n、および、高濃度不純物領域22pの一方をエミッタ、他方をコレクタとし、かつ、これらの高濃度不純物領域22pの間の領域25pをベースとしたPNPラテラルバイポーラトランジスタ700pを形成することができる。ベース領域25pは、ベース電極31に電気的に接続され、ベース領域25nは、金属配線31pを介してPNPラテラルバイポーラトランジスタ700pのコレクタ22pに電気的に接続される。また、ベース領域25p、25nの濃度は最終的に1×1015cm-3〜1×1018cm-3の範囲内で適宜調整される。なお、「ベース領域25n、25p」は、MOSトランジスタにおけるチャネル領域に相当する領域であり、本明細書では、ベール領域やチャネル領域を総称して「活性層領域」という。
ラテラルバイポーラ700n、700pの電気特性を改善するために、ベース25p、25nとエミッタ22p、22nの間にエミッタ22p、22nと同じ導電型の低濃度不純物領域を形成することが好ましい。これにより、アーリー効果やパンチスルー等が抑えられて良好なトランジスタを得ることができる。
また、図示しないが、バイポーラトランジスタ700n、700pにおいて高濃度不純物領域22n、22pの一方をN型高濃度不純物領域、他方をP型高濃度不純物領域とすることによって、ラテラルダイオードを形成できる。この場合、ベース電極は必ずしも必要ない。N型およびP型不純物高濃度不純物領域に挟まれた領域(バイポーラトランジスタのベース領域に相当)25n、25pの不純物濃度は1×1015cm-3〜1×1018cm-3の範囲内で適宜調整されることが好ましい。
なお、本実施形態では、半導体素子として、NPN、PNP構造が基板面に対して水平方向に形成されたラテラル型のバイポーラトランジスタを用いているが、代わりに、これらの構造が基板面に対して垂直方向に形成された通常のバイポーラトランジスタを用いることもできる。
本発明の半導体装置は、上記実施形態1に例示するようなMOSトランジスタと、上記実施形態3に例示するようなバイポーラトランジスタやダイオードとを備えていてもよい。この場合、同一の誘電体基板に上記MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタやダイオードを作り込むことができるので、製造プロセス上有利である。
本発明は、CMOS、IC、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置や有機EL表示装置などの各種表示装置、電子機器などに広く適用できる。特に、周辺駆動回路やコントロール回路を一体集積化したアクティブマトリクス基板、およびそれを用いたアクティブマトリクス型表示装置に好適に用いられる。
(a)〜(f)は、本発明による好ましい実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 (a)〜(f)は、本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施形態を示す工程断面図である。 (a)〜(e)は、本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施形態を示す工程断面図である。 (a)〜(e)は、本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施形態を示す工程断面図である。 (a)〜(c)は、本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施形態を示す工程断面図である。 本発明による第1の実施形態の半導体装置の構成を示す平面図である。 本発明による第1の実施形態の半導体装置の他の構成を説明するための断面模式図である。 本発明による第1の実施形態の半導体装置の製造方法を用いて得られたアクティブマトリクス基板の構成を説明するための断面模式図である。 (a)〜(f)は、本発明による半導体装置の製造方法の第2の実施形態を示す工程断面図である。 (a)〜(h)は、従来の半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。 本発明による第3の実施形態の半導体装置の構成を示す断面模式図である。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明による第3の実施形態の半導体装置の構成を示す平面図および回路図である。
符号の説明
1 半導体基板
1a、1b、1n、1p 半導体層
S1、S2 半導体基板の表面
T1、T2、Tn、Tp トランジスタ形成領域
7A、7B、7n、7p ウェル領域
10 素子分離領域
11 ゲート絶縁膜
12A、12B、12n、12p ゲート電極
15n、15p 低濃度不純物領域
2n、21p サイドウォール
22A、22B、22n、22p 高濃度不純物領域(ソースおよびドレイン領域)
25A、25B、25n、25p 活性層領域(チャネル領域、またはベース領域)
26 平坦化層
27 剥離用物質
28 剥離層
31、44 ソース電極および配線
33 誘電体基板
40 支持基板
D1、D2、Dn、Dp 半導体層の厚さ
100A、100B、100n、100p、300n、300p トランジスタ
100A’、100B’、100n’、100p’、300n’、300p’トランジスタ
700p、700n バイポーラトランジスタ
200、400、800 半導体装置

Claims (29)

  1. 誘電体基板に支持された第1および第2の半導体素子を備える半導体装置の製造方法であって、
    (a)第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有する単結晶半導体基板を用意する工程と、
    (b)前記単結晶半導体基板の前記第1主面における、第1および第2の半導体素子がそれぞれ形成される第1および第2の半導体素子形成領域の間に、素子分離領域を形成する工程と、
    (c)前記単結晶半導体基板の前記第1主面における前記第1および第2の半導体素子形成領域に、それぞれの活性層領域の表面の高さが互いに等しくなるように、活性層領域をそれぞれ形成する工程と、
    (d)前記単結晶半導体基板に剥離用物質を注入することにより、前記単結晶半導体基板における前記素子分離領域よりも前記第2主面側に剥離層を形成する工程と、
    (e)前記単結晶半導体基板における前記剥離層よりも第2主面側に位置する部分を前記単結晶半導体基板から剥離することにより、前記第1および第2の半導体素子形成領域を含む単結晶半導体層を得る工程と、
    (f)前記単結晶半導体層のエッチングまたは研磨を行う工程と
    を包含し、
    前記工程(f)は、前記素子分離領域を基準に、前記第1および第2の半導体素子の活性層領域が位置する部分の単結晶半導体層の厚さを決める工程を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記工程(d)の前に、前記単結晶半導体基板の前記第1主面側に平坦化層を設ける工程をさらに含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1および第2の半導体素子形成領域に形成された前記剥離層の深さは互いに略等しい請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記工程(f)は、前記素子分離領域をエッチストッパーとして、前記単結晶半導体層のエッチングを行う工程である請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記工程(f)は、前記単結晶半導体層のうち前記素子分離領域の上に位置する部分が所定の厚さになるまで、前記単結晶半導体層のエッチングまたは研磨を行う工程である請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1および第2半導体素子形成領域にそれぞれ電気的に接続された金属配線を形成する工程(j)と、
    前記第1および第2の半導体素子形成領域を含む単結晶半導体層を誘電体基板に接合する工程(k)と
    をさらに包含し、
    前記工程(k)は、前記工程(j)よりも後に行われる請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記工程(d)と工程(e)との間に、前記単結晶半導体基板の前記第1主面側を誘電体基板に接合する工程(g)をさらに含む請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記工程(g)の前に、前記第1および第2半導体素子形成領域にそれぞれ電気的に接続された金属配線とを形成する工程をさらに含む請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記工程(d)と工程(e)との間に、前記単結晶半導体基板の前記第1主面側を他の基板に接合する工程(h)、および
    前記工程(f)の後に、前記単結晶半導体層を前記他の基板から誘電体基板に転写する工程(i)
    をさらに含む請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記工程(f)と工程(i)との間に、前記第1および第2半導体素子形成領域にそれぞれ電気的に接続された金属配線を形成する工程をさらに含む請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記他の基板は半導体基板である請求項9または10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1および第2の半導体素子の一方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のP型不純物領域を有する半導体素子であり、他方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のN型不純物領域を有する半導体素子である請求項1から11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記工程(c)は、
    前記第2の半導体素子形成領域の上にレジスト層を設けて、前記第1の半導体素子形成領域に第1導電型のドーパントを注入することにより、第1導電型のウェル領域を形成する工程と、
    前記第1の半導体素子形成領域の上にレジスト層を設けて、前記第2の半導体素子形成領域に、前記第1導電型と異なる第2導電型のドーパントを注入することにより、第2導電型のウェル領域を形成する工程と
    を含み、
    前記活性層領域は、前記第1導電型のウェル領域および第2導電型のウェル領域の内部にそれぞれ形成される請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記工程(c)は、前記第1および第2の半導体素子形成領域に、それぞれ、第1導電型のウェル領域、および前記第1導電型と異なる第2導電型のウェル領域を形成する工程(c1)を包含し、
    前記工程(c1)は、
    前記第1および第2の半導体素子形成領域に第1導電型のドーパントを注入する工程と、
    前記第1の半導体素子形成領域の上にレジスト層を設けて、前記第2の半導体素子形成領域に第2導電型のドーパントを注入する工程と
    を含む請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記剥離用物質は、水素および不活性元素からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む請求項1から14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記第1および第2の半導体素子は何れもMISトランジスタである請求項1から15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記第1および第2の半導体素子の一方はPチャネル型MISトランジスタであり、他方はNチャネル型MISトランジスタである請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記第1および第2の半導体素子は何れもバイポーラトランジスタである請求項1から15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記第1および第2の半導体素子の一方はPNPラテラルバイポーラトランジスタであり、他方はNPNラテラルバイポーラトランジスタである請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 前記第1および第2の半導体素子はダイオードである請求項1から15のいずれかに記載の半導体装置。
  21. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板に支持された単結晶半導体層と、
    それぞれが、前記単結晶半導体層に活性層領域を有する第1および第2の半導体素子と、
    前記第1および第2の半導体素子を電気的に分離する素子分離領域と
    を備え、
    前記第1および第2の半導体素子の活性層領域の高さは互いに略等しく、かつ、前記第1および第2の半導体素子の前記単結晶半導体層における活性層領域が位置する部分の厚さは互いに略等しく、
    前記素子分離領域は、前記単結晶半導体層における前記活性層領域と反対側の面を含む平面に接している半導体装置。
  22. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板に支持された単結晶半導体層と、
    それぞれが、前記単結晶半導体層に活性層領域を有する第1および第2の半導体素子と、
    前記第1および第2の半導体素子に接続された金属配線と、
    前記第1および第2の半導体素子を電気的に分離する素子分離領域と
    を備え、
    前記第1および第2の半導体素子の活性層領域の高さは互いに略等しく、かつ、前記第1および第2の半導体素子の前記単結晶半導体層における活性層領域が位置する部分の厚さは互いに略等しく、
    前記金属配線は、前記単結晶半導体層と前記誘電体基板との間に位置する半導体装置。
  23. 前記第1および第2の半導体素子の一方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のP型不純物領域を有する半導体素子であり、他方は1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下のN型不純物領域を有する半導体素子である請求項21または22に記載の半導体装置。
  24. 前記単結晶半導体層は、IV族半導体層、II−VI族化合物半導体層、III−V族化合物半導体層、IV−IV族化合物半導体層、およびそれらの同属元素を含む混晶層、ならびに酸化物半導体層からなる群から選択された少なくとも1つの層を含む請求項21から23のいずれかに記載の半導体装置。
  25. 前記第1および第2の半導体素子は何れもMISトランジスタである請求項21から24のいずれかに記載の半導体装置。
  26. 前記第1および第2の半導体素子の一方はPチャネル型MISトランジスタであり、他方はNチャネル型MISトランジスタである請求項25に記載の半導体装置。
  27. 前記第1および第2の半導体素子は何れもバイポーラトランジスタである請求項21から24のいずれかに記載の半導体装置。
  28. 前記第1および第2の半導体素子の一方はPNPラテラルバイポーラトランジスタであり、他方はNPNラテラルバイポーラトランジスタである請求項27に記載の半導体装置。
  29. 前記第1および第2の半導体素子はダイオードである請求項21から24のいずれかに記載の半導体装置。
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