JP2008147445A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体層1に形成した素子を他の基板上に薄膜化して形成すると共に、そのしきい値電圧を適正化する。
【解決手段】デバイス部形成工程と、素子のしきい値電圧を設定するために、基体層1に不純物元素43をイオン注入するイオン注入工程と、基体層1に剥離用物質をイオン注入して剥離層を形成する剥離層形成工程と、基体層1の一部を剥離層に沿って分離除去する分離工程と、デバイス部における剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素43を、基体層1にイオン注入する調整工程を有する。
【選択図】図9

Description

本発明は、例えば液晶表示装置等に適用される半導体装置、及びその製造方法に関するものである。
従来より、絶縁層の表面に単結晶シリコン層が形成されたシリコン基板であるSOI(Silicon on Insulator)が知られている。SOI基板上にトランジスタ等のデバイスを形成することにより、寄生容量を低減すると共に絶縁抵抗を高くできる。すなわち、デバイスの高性能化や高集積化を図ることができる。上記絶縁層は、例えばシリコン酸化膜(SiO)により形成されている。
上記SOI基板は、デバイスの動作速度を高めると共に寄生容量をさらに低減する観点から、単結晶シリコン層の膜厚を薄くすることが望ましい。一般に、SOI基板の形成方法としては、機械研磨や化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)や、ポーラスシリコンを利用した方法等、種々の方法が知られている。例えば水素注入による方法の例として、半導体基板の内部に水素を注入し、これは別の他の基板に貼り合わせた後に、熱処理を行うことによって半導体基板を水素注入層に沿って分離し、別基板上に転写するスマートカット法がブルエル(Bruel)によって提案されている(非特許文献1及び非特許文献2等を参照)。
この技術によって、絶縁層の表面に単結晶シリコン層が形成されたシリコン基板であるSOI基板を形成できる。このような基板構造上にトランジスタ等のデバイスを形成することで、寄生容量を低減できると共に絶縁抵抗を高くできるため、デバイスの高性能化や高集積化を図ることができる。
Electronics Letters,Vol.31,No.14,1995,pp.1201 JJAP,Vol.36(1997)pp.1636 Applied Physics Letters, 43(2),15 July 1983 "Deactivation of the boron acceptor in silicon by hydrogen", Journal of Applied Physics, 75(7), 1 April 1994 "Hydrogen introduction and hydrogen-enhanced thermal donor formation"
本発明者らは、MOSトランジスタ等の半導体素子の少なくとも一部を形成した半導体基板に対し、水素注入層を形成して半導体基板の一部を分離することにより、半導体素子を他の基板上に薄膜化して製造できることを見出した。そして、上記他の基板を透明基板とすることによって、半導体層が薄膜化された半導体装置を、液晶表示装置に適用することが可能となる。
ところが、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、他の基板上に薄膜化して形成したNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタは、しきい値電圧が負電圧方向に1V程度以上大きくシフトしてしまうということが分かった。このようなしきい値電圧の変動によって、上記NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのしきい値やドレイン電流値等のバランスが崩れてしまうため、これらのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタによって構成されるCMOS回路等が、正常に動作できなくなるという問題がある。
しきい値電圧が負電圧方向にシフトする原因としては、次のようなことが考えられる。まず、しきい値制御のためにNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのチャネル領域に導入したホウ素等のP型不純物元素の一部は、半導体基板を分離するために注入した水素と結合することによって不活性化されるため、元々のP型不純物元素としての働きを失ってしまうことが考えられる。また、シリコン基板の内部に存在する酸素原子に水素が関与して、サーマルドナーが形成されるために、チャネル領域がN型化してしまうこと等が考えられる(非特許文献3及び4参照)。その結果、実際のしきい値電圧が狙いのしきい値電圧よりも負電圧方向にシフトするものと予想される。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基体層に形成した素子を他の基板上に薄膜化して形成すると共に、そのしきい値電圧を適正化しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、デバイス部における剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素を基体層にイオン注入するようにした。
具体的に、本発明に係る半導体装置の製造方法は、基体層に素子の少なくとも一部を含むデバイス部を形成するデバイス部形成工程と、前記素子のしきい値電圧を設定するために、前記基体層に不純物元素をイオン注入するイオン注入工程と、前記基体層に対し、剥離用物質をイオン注入して剥離層を形成する剥離層形成工程と、前記基体層の一部を前記剥離層に沿って分離除去する分離工程とを有する半導体装置の製造方法であって、前記デバイス部における前記剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の前記不純物元素を、前記基体層にイオン注入する調整工程を有している。
前記調整工程は、前記イオン注入工程と同時に行うことが好ましい。
前記調整工程は、前記分離工程よりも後に行うようにしてもよい。
前記調整工程では、前記剥離用物質によって変化する前記デバイス部における電気導電型を補償する量の前記不純物元素をイオン注入するようにしてもよい。
前記デバイス部が形成された基体層を基板に貼り付ける貼付工程を有し、前記分離工程では、前記基板に貼り付けられた基体層の一部を加熱処理によって分離除去することが好ましい。
前記基板は、ガラス基板又は単結晶シリコン半導体基板であることが好ましい。
前記基体層は、単結晶シリコン半導体、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記剥離用物質は、水素であることが望ましい。
前記不純物元素は、P型不純物元素であることが好ましい。
前記不純物元素は、ホウ素であってもよい。
また、本発明に係る半導体装置は、基体層に形成されると共に素子の少なくとも一部を含むデバイス部を備えた半導体装置であって、前記基体層の一部は、剥離用物質を含む剥離層に沿って分離除去され、前記デバイス部には、前記剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素が含まれている。
前記デバイス部には、前記剥離用物質によって変化する前記デバイス部における電気導電型を補償する量の前記不純物元素が含まれていてもよい。
前記基体層は、前記デバイス部と共に基板に貼り付けられていることが好ましい。
前記基体層の一部は、加熱処理によって分離除去されていてもよい。
前記基板は、ガラス基板又は単結晶シリコン半導体基板であることが好ましい。
前記基体層は、単結晶シリコン半導体、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記剥離用物質は、水素であることが望ましい。
前記不純物元素は、P型不純物元素であることが好ましい。
前記不純物元素は、ホウ素であってもよい。
−作用−
次に、本発明の作用について説明する。
半導体装置は、素子の少なくとも一部を含むデバイス部を備えている。デバイス部は、基体層に形成されている。基体層の一部は、剥離層に沿って分離除去されている。そして、デバイス部には、剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素が含まれている。この半導体装置を製造する場合には、デバイス部形成工程と、イオン注入工程と、剥離層形成工程と、分離工程とを行うことに加え、調整工程を行う。
デバイス部形成工程では、基体層にデバイス部を形成する。デバイス部に含まれる素子としては、例えば薄膜トランジスタが例として挙げられる。基体層は、例えば、単結晶シリコン半導体、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。
イオン注入工程では、前記素子のしきい値電圧を設定するために、基体層に不純物元素をイオン注入する。不純物元素としては、P型不純物元素を適用することが可能であり、特に、ホウ素を適用することが好ましい。
その後、貼付工程を行うようにしてもよい。すなわち、デバイス部が形成された基体層を基板に貼り付ける。基板には、ガラス基板又は単結晶シリコン半導体基板を適用することが可能である。例えばガラス基板を上記基板に適用した場合には、その基板が透明になることから、当該半導体装置を液晶表示装置等の表示装置に適用することが可能となる。
続いて、剥離層形成工程では、剥離用物質を基体層にイオン注入する。上記基体層に対する剥離用物質としては、例えば水素を適用することができる。そうして、基体層の内部に剥離層を形成する。
その後、分離工程では、例えば加熱処理等によって、基体層の一部を剥離層に沿って分離除去する。そのことにより、基体層を薄膜化する。そのことにより、デバイスの動作速度を高めると共に寄生容量を低減することが可能となる。
ところで、基体層にイオン注入された剥離用物質は、しきい値電圧を設定するためにイオン注入された不純物元素と結合して不活性化する虞れがある。その結果、基体層において本来の不純物元素としての機能が剥離用物質によって相殺され、デバイス部における電気伝導度が変化することとなる。
そこで、本発明では、調整工程を行い、デバイス部における剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素をイオン注入する。そのことにより、イオン注入工程で基体層にイオン注入された不純物元素の機能が、剥離層形成工程でイオン注入された剥離用物質と結合して低下したとしても、それによる電気伝導度の変化分を補償する量で不純物元素がイオン注入されるため、基体層に含まれる不純物元素の機能を維持して、しきい値電圧を適正に設定することが可能となる。
調整工程は、イオン注入工程と同時に行うことが可能である。すなわち、イオン注入工程において、電気伝導度の変化分を補償する量を予め含んだ量で、素子のしきい値電圧を設定するために、不純物元素を基体層にイオン注入する。このようにすれば、イオン注入する工程を増加させないようにできる。
また、調整工程は、分離工程よりも後に行うようにしてもよい。このようにして導入した不純物元素によっても、剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償することが可能になる。
また、調整工程では、剥離用物質によって変化するデバイス部における電気導電型を補償する量の不純物元素をイオン注入するようにしてもよい。そのことにより、不純物元素が剥離用物質と結合したとしても、デバイス部の電気導電型を適正に維持することが可能となる。
本発明によれば、デバイス部における剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素を基体層にイオン注入するようにしたので、基体層に形成した素子を他の基板上に薄膜化して形成すると共に、不純物元素の機能を維持してそのしきい値電圧を適正化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図22、図24〜図26は、本発明の実施形態1を示している。図1は、半導体装置Sの要部構造を模式的に示す断面図である。図2〜図22は、半導体装置Sの各製造工程を示す断面図である。図24は、半導体装置Sの要部を示す平面図である。図25はPMOSトランジスタにおけるしきい値電圧の変化を示すグラフ図であり、図26はNMOSトランジスタにおけるしきい値電圧の変化を示すグラフ図である。
半導体装置Sは、例えば、図示省略は省略するが、液晶表示装置の表示パネルを構成するガラス基板38に直接に形成され、表示パネルの複数の画素を駆動制御するドライバとして適用することが可能である。
図1に示すように、半導体装置Sは、ガラス基板38と、ガラス基板38上の基体層1に高密度且つ高精度に形成されたデバイス部Dとを備えている。デバイス部Dには、素子であるトランジスタ56,57が含まれており、トランジスタ56,57は平坦化膜37によって覆われている。そうして、デバイス部Dは、平坦化膜37を介してガラス基板38に自己接合によって貼り付けられている。言い換えれば、基体層1は、デバイス部Dと共にガラス基板38に貼り付けられている。
尚、半導体装置Sを透過表示を行う液晶表示装置に適用する場合には、基板38はガラス基板38等の透明基板が好ましいが、それ以外の表示装置等に適用する場合には、基板38は単結晶シリコン半導体基板等の他の基板を適用することができる。
デバイス部Dは、図1及び図24に示すように、半導体素子であるNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56を有している。これらの各トランジスタ56,57同士の間を電気的に分離する素子分離領域として、図1に示すように、素子分離用膜であるLOCOS酸化膜10が形成されている。
ここで、図1で右側のPMOSトランジスタ56は、図24におけるA−A断面を模式的に示している。一方、図1で左側のNMOSトランジスタ57は、図24におけるB−B断面を模式的に示している。
尚、図1及び図2では、NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56を1つずつ示しているが、形成するデバイスはこれらに限るものではなく、あらゆる半導体デバイスについて適用できる。また、その個数も1個から数百万個レベルまで制限はない。また、デバイス部Dには素子の少なくとも一部を含むように形成しておくことが可能である。
基体層1は、図1で右側のNウェル領域7に形成された第1の活性領域51と、図1で左側のPウェル領域8に形成された第2の活性領域52とを有している。第1の活性領域51はPMOSトランジスタ56を構成する一方、第2の活性領域52はNMOSトランジスタ57を構成する。
そして、デバイス部Dには、剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素が含まれている。すなわち、Nウェル領域7には、PMOSトランジスタ56のチャネル領域を構成すると共に、そのしきい値電圧を調整して設定するための第1調整領域13が形成されている。第1調整領域13には、リン等のN型不純物元素及びホウ素等のP型不純物元素が含まれている。この第1調整領域13には、電気伝導度の変化分を補償する量のP型不純物元素であるホウ素等が含まれている。
一方、Pウェル領域8には、PMOSトランジスタ56のチャネル領域を構成すると共に、そのしきい値電圧を調整して設定するための第2調整領域15が形成されている。第2調整領域15にはホウ素等のP型不純物元素が含まれている。この第2調整領域15にも、電気伝導度の変化分を補償する量のP型不純物元素であるホウ素等が含まれている。
尚、デバイス部Dには、上記電気伝導度を補償するだけでなく、剥離用物質によって変化するデバイス部Dにおける電気導電型を補償する量の不純物元素が含まれるようにしてもよい。
各活性領域51,52は、チャネル領域を構成する第1調整領域13及び第2調整領域15の左右両外側にそれぞれ形成された低濃度不純物領域23,20と、その低濃度不純物領域23,20の外側に形成された高濃度不純物領域30,27とによって構成されたLDD(Lightly Doped Drain)構造をそれぞれ有している。
すなわち、第1の活性領域51には、チャネル領域を構成する第1調整領域13が形成されると共に、その左右両側に配置されたP型低濃度不純物領域23と、そのP型低濃度不純物領域23の外側にそれぞれ配置されたP型高濃度不純物領域30とが形成されている。一方、第2の活性領域52には、チャネル領域を構成する第2調整領域15が形成されると共に、その左右両側に配置されたN型低濃度不純物領域20と、そのN型低濃度不純物領域20の外側にそれぞれ配置されたN型高濃度不純物領域27とが形成されている。
基体層1は、例えば単結晶シリコン半導体等の半導体層である。尚、基体層1は、単結晶シリコン半導体層以外に、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含むように構成することが可能である。
基体層1の一部は、後述するように、水素等の剥離用物質がイオン注入されることにより形成された剥離層に沿って分離除去されている。そうして、基体層1はその一部が加熱処理によって分離除去されることにより薄膜化されている。
図1に示すように、ガラス基板38の表面には絶縁膜である平坦化膜37が積層されている。この平坦化膜37にはさらに層間絶縁膜34及び平坦化膜31が積層されている。平坦化膜31には、ゲート酸化膜16及びLOCOS酸化膜10が形成されている。ゲート酸化膜16の上には上記第1の活性領域51及び第2の活性領域52が形成されている。第1の活性領域51は第1調整領域13によって覆われる一方、第2の活性領域52は第2調整領域15によって覆われている。これら第1調整領域13及び第2調整領域15は、LOCOS酸化膜10と共に、その表面を保護するための保護膜39によって覆われている。
また、平坦化膜31とゲート酸化膜16との間には、例えばポリシリコン等からなるゲート電極17及びサイドウォール24が形成されている。ゲート電極17は、ゲート酸化膜16を介して第1調整領域13又は第2調整領域15に対向している。一方、サイドウォール24は、ゲート電極17の側方に配置され、ゲート酸化膜16を介して低濃度不純物領域20,23に対向している。
平坦化膜31及び層間絶縁膜34には、各高濃度不純物領域27,30と重なる位置において、コンタクトホール35が貫通形成されている。コンタクトホール35には、メタル電極であるソース電極36及びドレイン電極36がそれぞれ形成されている。
このように、本実施形態1の半導体装置Sは、CMOS構造を有している。すなわち、図24に示すように、入力電圧が印加される金属配線36iは、コンタクトホール35gを介してNMOSトランジスタ57のゲート電極17n及びPMOSトランジスタ56のゲート電極17pにそれぞれ電気的に接続されている。また、NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56のドレイン領域は、出力電圧が取り出される金属配線36oにそれぞれ電気的に接続されている。
−製造方法−
次に、上記半導体装置Sの製造方法について説明する。
まず、デバイス部形成工程では基体層1に素子であるNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56の少なくとも一部を含むデバイス部Dを形成する。すなわち、図2に示すように、ウェハであるシリコン基板1(基体層1に相当する)に対し、30nm程度の厚みの熱酸化膜2を形成する。熱酸化膜2は、後にイオン注入を行う工程においてシリコン基板1の表面の汚染を防ぐことを目的とするものであるが、必ずしも必須ではない。
ここで、基体層1として、単結晶シリコン半導体からなるシリコン基板1を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限らず他の半導体等を含む材料によって構成することが可能である。すなわち、基体層1は、単結晶シリコン半導体、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含むように構成することができる。
次に、図3に示すように、第2の活性領域52となる領域にレジストマスク3を形成した状態で、第1の活性領域51となる領域にN型不純物元素4(例えばリン等)をイオン注入する。リン元素をイオン注入する場合、その注入エネルギーを50〜150KeV程度に設定すると共に、ドーズ量を1×1012〜1×1013cm−2程度とする。このとき、次の工程においてP型不純物をシリコン基板1の全面に注入する場合には、P型不純物元素によって打ち消される相当分を考慮して、N型不純物元素の注入量を追加して設定する。
次に、図4に示すように、レジスト3を除去した後に、第1の活性領域51となる領域及び第2の活性領域52となる領域の双方に対し、同時にP型不純物元素5(例えばホウ素)をイオン注入する。ホウ素をイオン注入する場合、注入エネルギーを10〜50KeV程度にすると共に、ドーズ量を1×1012〜1×1013cm−2程度とする。尚、ホウ素に比べてリンは熱処理に対するシリコン中の拡散係数が小さいため、ホウ素元素の注入前に熱処理を行って予めリンをシリコン基板中に適度に拡散させてもよい。また、Nウェル領域7でのP型不純物によるN型不純物の打ち消しを避けたい場合には、Nウェル領域7上にレジストを形成した後にP型不純物元素5を注入してもよい。この場合、Nウェル領域7のN型不純物注入時にP型不純物による打消しを考慮する必要はない。
その後、図5に示すように、熱酸化膜2を除去した後、酸化雰囲気中で900〜1000°程度の熱処理をすることによって、30nm程度の厚みの熱酸化膜6を形成すると共に、Nウェル領域7及びPウェル領域8に注入された不純物元素を拡散させ、Nウェル領域7及びPウェル領域8を形成する。
次に、シリコン基板1(Nウェル領域7及びPウェル領域8)の表面にCVD等により200nm程度の厚みの窒化珪素膜9を形成した後、図6に示すように、窒化珪素膜9及び熱酸化膜6のパターニングを行う。
このとき、Nウェル領域7及びPウェル領域8の一部が窒化珪素膜9及び熱酸化膜6によって覆われている。また、Nウェル領域7及びPウェル領域8の境界を含む領域が露出している。そうして、これら窒化珪素膜9及び熱酸化膜6が残された領域には、後にNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56が形成される。
続いて、図7に示すように、酸素雰囲気中で900〜1000°程度の熱処理を行うことによりLOCOS酸化を行う。そうして、200〜500nm程度の厚みであって例えば350nmのLOCOS酸化膜10を形成する。LOCOS酸化膜10は、上記窒化珪素膜9及び熱酸化膜6から露出している領域に形成される。尚、LOCOS酸化は素子分離のための方法であるが、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)等のLOCOS酸化以外の方法によって素子分離を行ってもよい。
次に、窒化珪素膜9及び熱酸化膜6を一旦除去した後に、酸素雰囲気中で1000℃程度の熱処理を行って、図8に示すように、Nウェル領域7及びPウェル領域8の表面に10〜20nm程度の厚みの熱酸化膜11を形成する。
その後、イオン注入工程を行って、NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56のしきい値電圧を設定するために、基体層1に不純物元素43,45をイオン注入する。さらにこのとき、調整工程を同時に行い、デバイス部Dにおける剥離用物質32による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素43,45を、基体層1にイオン注入する。
すなわち、図9に示すように、PMOSトランジスタ56の形成領域が開口するようにレジスト12を形成する。続いて、PMOSトランジスタ56のしきい値電圧を設定するためのP型不純物元素43(例えばホウ素)を、イオン注入によってNウェル領域7に導入する。このとき、後の剥離層33を形成する工程でイオン注入する水素によって生じる負電圧シフトを補償するように不純物元素43の注入量を規定する。
ところで、水素の影響が無い通常の場合(例えば、剥離層33を形成しないで半導体装置を形成するような場合)、N+ポリシリコンのゲート電極17を有するPMOSトランジスタ56に対して、そのしきい値電圧を1Vに設定するためには、例えば、図25に波線で示すように、注入エネルギーを約20KeVにすると共にドーズ量を約3×1012cm−2として、ホウ素をNウェル領域7にイオン注入することが好ましい。
これに対し、本発明者らは、基板38に貼り付けたシリコン基板1(基体層1)の一部を剥離層33に沿って分離除去して製造する半導体装置について、鋭意研究を重ねることにより、次の知見を見出した。すなわち、後工程でシリコン基板1に剥離層33を形成する場合には、しきい値電圧を規定するための不純物元素の機能が剥離用物質32である水素によって相殺されて、図25に実線で示すように、Nウェル領域7へのホウ素の注入量に対するしきい値電圧の変化の度合いが小さくなる。その結果、上述の水素の影響がない通常の場合に比べると、予想に反して、しきい値電圧が負電圧方向へシフトしてしまう。
そこで、本実施形態1では、上記PMOSトランジスタ56のしきい値電圧を1Vとするために、図25に実線で示すように、注入エネルギーを約20KeVにすると共にドーズ量を約1.1×1013cm−2に設定して、ホウ素をNウェル領域7にイオン注入するようにした。
次に、図10に示すように、NMOSトランジスタ57の領域が開口するようにレジスト14を形成する。続いて、NMOSトランジスタ57のしきい値電圧を設定するためのP型不純物元素45(例えばホウ素)をイオン注入によりPウェル領域8に導入する。このとき、PMOSトランジスタ56の場合と同様にして、剥離用物質である水素によって生じる負電圧シフトを補償するように不純物元素45の注入量を規定する。
ところで、水素の影響が無い通常の場合、N+ポリシリコンのゲート電極を有するNMOSトランジスタ57に対して、そのしきい値電圧を1Vに設定するためには、例えば、図26に波線で示すように、注入エネルギーを約20KeVにすると共にドーズ量を約3×1012cm−2として、ホウ素をPウェル領域8にイオン注入することが好ましい。
しかしながら、本発明者らが見出した知見によると、水素の影響がある場合には、図26に実線で示すように、剥離用物質である水素の影響を受けて、Pウェル領域8へのホウ素の注入量に対するしきい値電圧の変化の度合いが小さくなる。その結果、上述の水素の影響がない通常の場合に比べると、予想に反して、しきい値電圧が負電圧方向へシフトすることとなる。
そこで、本実施形態1では、上記NMOSトランジスタ57のしきい値電圧を1Vとするために、図26に実線で示すように、注入エネルギーを約20KeVにすると共にドーズ量を約1.5×1013cm−2に設定して、ホウ素をPウェル領域8にイオン注入するようにした。
尚、図25及び図26に示したホウ素のドーズ量としきい値電圧との関係は、ゲート電極の材料及び電気導電型、さらに水素注入の条件やその後の熱処理条件等によって変化する。したがって、上記各プロセス条件に合わせて、ホウ素の注入量を適切に設定することが必要である。
また、調整工程では、剥離用物質によって変化するデバイス部Dにおけるトランジスタ56,57の電気導電型を補償する量の不純物元素43,45をイオン注入するようにしてもよい。
その後、図11に示すように、レジスト14及び熱酸化膜11を一旦除去した後に、酸素雰囲気中で1000℃程度の熱処理を行う。そのことにより、不純物元素43が導入されたNウェル領域7に第1調整領域13を形成する一方、不純物元素45が導入されたPウェル領域8に第2調整領域15を形成し、これら第1調整領域13及び第2調整領域15の表面に10〜20nm程度の厚みのゲート酸化膜16を形成する。
その後、図12に示すように、ゲート酸化膜16の上に、NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56のゲート電極17を形成する。すなわち、ゲート電極17はCVD等により300nm程度の厚みのポリシリコン層をゲート酸化膜16の上に堆積させた後、リン等のN不純物元素を拡散等によってゲート電極17の内部に導入してN+ポリシリコン層とする。続いて、そのN+ポリシリコン層をフォトリソグラフィによりパターニングしてゲート電極17を形成する。
続いて、図13に示すように、NMOSトランジスタ57を形成する領域(図10で右側の領域)で開口するようにレジスト18を形成し、ゲート電極17をマスクとして、N型不純物元素19をイオン注入する。そうして、シリコン基板1にN型低濃度不純物領域20を形成する。N型不純物元素19には例えばリンを適用し、そのイオン注入条件としては、例えばドーズ量を5×1012〜5×1013cm−2程度とする。
次に、図14に示すように、PMOSトランジスタ56を形成する領域(図14で左側の領域)で開口するようにレジスト21を形成し、ゲート電極17をマスクとして、P型不純物元素22をイオン注入する。そうして、P型低濃度不純物領域23を形成する。P型不純物元素22には例えばホウ素を適用し、そのイオン注入条件としては、例えばドーズ量を5×1012〜5×1013cm−2程度とする。
尚、ホウ素は熱拡散係数が比較的大きいため、後工程においてPMOSトランジスタ56のP型高濃度不純物領域を形成する際に注入されたホウ素の熱拡散のみによって、PMOSトランジスタ56のP型低濃度不純物領域を形成できる場合がある。したがって、必ずしもP型低濃度不純物領域を形成するためのイオン注入を行わなくてもよい。
次に、ゲート酸化膜16及びLOCOS酸化膜10等を覆うようにCVD等によりSiO膜を形成する。その後、前記SiO膜に対して異方性ドライエッチングを行うことにより、図15に示すように、ゲート電極17の両側壁にSiOからなるサイドウォール24を形成する。
次に、図16に示すように、NMOSトランジスタ57を形成する領域で開口するようにレジスト25を形成し、ゲート電極17及びサイドウォール24をマスクとして、リン等のN型不純物元素26をシリコン基板1にイオン注入する。そうして、N型低濃度不純物領域20の両外側にN型高濃度不純物領域27を形成する。
続いて、図17に示すように、PMOSトランジスタ56を形成する領域で開口するようにレジスト28を形成し、ゲート電極17及びサイドウォール24をマスクとして、ホウ素等のP型不純物元素29をシリコン基板1にイオン注入する。そうして、P型低濃度不純物領域23の両外側にP型高濃度不純物領域30を形成する。その後、不純物元素がイオン注入された領域に熱処理を行って、その不純物元素の活性化を行う。熱処理としては例えば900℃で10分間の熱処理を行う。
その後、図18に示すように、ゲート電極17及びサイドウォール24等を覆うようにSiO等の絶縁膜を形成した後に、これをCMP等により平坦化して厚さ600nm程度の平坦化膜31を形成する。
次に、剥離層形成工程を行う。剥離層形成工程では、図19に示すように、シリコン基板1に対し、平坦化膜31を介して剥離用物質32をイオン注入して剥離層33を形成する。剥離用物質32は、水素、及びHeやNe等の不活性元素の少なくとも一つを含むようにする。イオン注入の条件としては、例えば剥離用物質32が水素の場合、ドーズ量を約2×1016〜1×1017cm−2とし、注入エネルギーを約100〜200KeV程度とする。
その後、図20に示すように、平坦化膜31の表面に層間絶縁膜34を形成する。続いて、平坦化膜31及び層間絶縁膜34にコンタクトホール35を形成し、コンタクトホール35の底で高濃度不純物領域27,30を露出させる。その後、コンタクトホール35の内部にメタル材料を充填して、図20に示すように、メタル電極であるソース電極36及びドレイン電極36を形成する。尚、剥離用物質32のイオン注入前に形成する平坦化膜31を比較的厚く形成することにより、層間絶縁膜34を形成しないでコンタクトホール35、ソース電極36及びドレイン電極36を形成するようにしてもよい。以上のようにして、デバイス部形成工程を行う。
次に、図21に示すように、上記NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56を覆うように平坦化膜37を形成する。すなわち、まず、層間絶縁膜34の上に、CVD等により絶縁膜を堆積させて形成する。次に、その絶縁膜をCMP法等によって研磨して表面を平坦化する。こうして、シリコン基板1上に、NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56を含むデバイス部Dが形成される。
その後、貼付工程を行う。貼付工程では、デバイス部Dが形成されたシリコン基板1を基板38に貼り付ける。基板38には例えばガラス基板38を適用する。すなわち、平坦化膜37の表面と、ガラス基板38の表面とをそれぞれSC1洗浄する。その後、図21に示すように、デバイス部Dをガラス基板38に位置合わせして、ファンデルワールス力による自己接合により、平坦化膜37の表面において互いに貼り合わせる。
次に、分離工程を行う。分離工程では、図22に示すように、400〜600℃程度の加熱処理を行うことにより、ガラス基板38に貼り付けられたシリコン基板1(基体層1)の一部(つまり、剥離層33を介してゲート電極17とは反対側の部分)を、剥離層33に沿って分離除去する。その結果、ガラス基板38上にNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56が移される。
その後、剥離層33をエッチング等により取り除いた後、LOCOS酸化膜10が露出するまで基体層1(Nウェル領域7及びPウェル領域8)をエッチングやCMP等により薄膜化して、素子分離を行う。さらに、図1に示すように、露出した基体層1の表面を保護し、電気絶縁性を確保するために、保護膜39を形成する。尚、LOCOS酸化膜10が露出するまで基体層1をエッチングする工程は必ずしも必須ではない。以上のようにして、半導体装置Sを製造する。
−実施形態1の効果−
したがって、この実施形態1によると、水素を注入して形成された剥離層33に沿って基体層1(シリコン基板1)の一部を分離除去すると共に、その水素によって変化する電気伝導度の変化分を補償するドーズ量で、不純物元素であるホウ素を基体層1にイオン注入するようにしたので、その基体層1に形成したNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56の動作速度を高めると共に寄生容量を低減でき、さらにそのしきい値電圧を適正化することができる。
すなわち、まず、基体層1の一部を剥離層33に沿って分離除去することにより、NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56のチャネル領域(第1調整領域13及び第2調整領域15)をガラス基板38上に薄膜化して形成できるため、その動作速度の向上及び寄生容量の低減を図ることができる。
ところで、上記調整工程を行わない通常の製造方法では、しきい値電圧を設定するために基体層1のNウェル領域7及びにPウェル領域8に導入した不純物元素であるホウ素が、剥離用物質である水素に反応して、その不純物元素としての機能が水素により相殺されて電気伝導度が変化する虞れがある。
これに対して、本実施形態1では、そのしきい値電圧を設定するイオン注入工程において調整工程を行い、剥離層33を形成せずに製造する場合に比べてホウ素の導入量を適量に増大させたので、その増大された分のホウ素によって、水素による電気伝導度の変化を補償することができる。その結果、上記NMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56のしきい値電圧を大きくシフトさせずに適切に規定することができる。
このとき、剥離用物質32に水素を適用すると共に、上記電気伝導度を補償するための不純物元素にホウ素を適用するようにしたので、好適に剥離層33を形成でき、且つNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56のしきい値電圧を適正化できることとなる。
そのことに加え、調整工程を上記イオン注入工程と同時に行うようにしたので、イオン注入の工程数を増加させずに、電気伝導度の変化分を補償することができる。さらに、この半導体装置Sを表示装置に適用すれば、表示装置の高精度な駆動制御が可能になり、表示品位を高めることが可能になる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、調整工程をイオン注入工程と同時に行うようにしたが、本発明はこれに限定されず、イオン注入工程と別個独立に行うようにしてもよい。例えば、調整工程は、分離工程よりも後に行うことが可能である。
この場合には、まず、イオン注入工程において、剥離用物質である水素の影響がない場合と同じ量の不純物元素であるホウ素をイオン注入する。その後、上記実施形態1と同様に、剥離層形成工程、貼付工程及び分離工程を行う。続いて、調整工程を行い、上記実施形態1とは反対側(つまり、基体層1のゲート電極17とは反対側)から、水素による電気伝導度の変化分を補償する量のホウ素を、基体層1にイオン注入する。このようにしても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
またその他に、調整工程は、Nウェル領域7及びPウェル領域8を形成する工程と同時に行うことも可能である。
また、上記実施形態1ではガラス基板38にデバイス部Dを貼り合わせる例について説明したが、断面図である図23に示すように、そのガラス基板38に予め形成した電気素子42に対し、ガラス基板38に貼り付けたデバイス部DのNMOSトランジスタ57及びPMOSトランジスタ56を電気的に接続するようにしてもよい。
すなわち、能動素子や受動素子等の電気素子42が予め形成されたガラス基板38に対し、上記貼付工程においてデバイス部Dを貼り付ける。次に、ガラス基板38上のデバイス部D及び電気素子42を覆うように、保護膜39を形成する。その後、デバイス部Dにコンタクトホール46を形成し、そのコンタクトホール46の底でソース電極36及びドレイン電極36を露出させる。一方、デバイス部Dの側方には、電気素子42が露出するように、保護膜39にコンタクトホール47を形成する。そうして、コンタクトホール46,47を介して電気素子42と、ソース電極36又はドレイン電極36とを接続するように、メタル配線41をパターン形成する。このようにして、半導体装置Sを製造してもよい。
また、上記実施形態1ではしきい値電圧を設定するためにP型不純物元素を導入したが、本発明はこれに限らず、N型不純物元素によってしきい値電圧を設定する場合にも適用することができる。すなわち、剥離用物質である水素によるしきい値の負電圧シフトを相殺する分量だけ、N型不純物元素のドーズ量を減らしてイオン注入する。そのことによっても同様の効果を得ることができる。調整工程において、N型不純物元素のドーズ量を調整するようにすれば、上記実施形態1のP型不純物元素の場合と同様に、イオン注入の工程数を増加させないようにすることができる。
また、上記実施形態1では、素子としてMOSトランジスタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、その他の半導体デバイスに対しても同様に適用することができる。
以上説明したように、本発明は、半導体装置及びその製造方法について有用であり、特に、基体層に形成した素子を他の基板上に薄膜化して形成すると共に、そのしきい値電圧を適正化する場合に適している。
図1は、半導体装置の要部構造を模式的に示す断面図である。 図2は、シリコン基板に形成された熱酸化膜を示す断面図である。 図3は、リンをイオン注入する工程を示す断面図である。 図4は、ホウ素をイオン注入する工程を示す断面図である。 図5は、熱酸化膜、Nウェル領域及びPウェル領域が形成された状態を示す断面図である。 図6は、パターニングされた熱酸化膜及び窒化珪素膜を示す断面図である。 図7は、LOCOS酸化膜が形成された状態を示す断面図である。 図8は、酸化膜が形成された状態を示す断面図である。 図9は、Nウェル領域にホウ素をイオン注入する工程を示す断面図である。 図10は、Pウェル領域にホウ素をイオン注入する工程を示す断面図である。 図11は、ゲート酸化膜、第1調整領域及び第2調整領域を示す断面図である。 図12は、ゲート電極が形成された状態を示す断面図である。 図13は、Pウェル領域に低濃度不純物領域を形成する工程を示す断面図である。 図14は、Nウェル領域に低濃度不純物領域を形成する工程を示す断面図である。 図15は、サイドウォールが形成された状態を示す断面図である。 図16は、Pウェル領域に高濃度不純物領域を形成する工程を示す断面図である。 図17は、Nウェル領域に高濃度不純物領域を形成する工程を示す断面図である。 図18は、平坦化膜が形成された状態を示す断面図である。 図19は、剥離層が形成された状態を示す断面図である。 図20は、ソース電極及びドレイン電極が形成された状態を示す断面図である。 図21は、ガラス基板に貼り付けられたデバイス部を示す断面図である。 図22は、シリコン基板の一部が分離された状態を示す拡大断面図である。 図23は、ガラス基板上の電気素子に接続されたデバイス部を示す断面図である。 図24は、半導体装置の要部を示す平面図である。 図25は、PMOSトランジスタにおけるしきい値電圧の変化を示すグラフ図である。 図26は、NMOSトランジスタにおけるしきい値電圧の変化を示すグラフ図である。
符号の説明
S 半導体装置
D デバイス部
1 シリコン基板(基体層)
4 N型不純物元素
5 P型不純物元素
7 Nウェル領域
8 Pウェル領域
13 第1調整領域
15 第2調整領域
17 ゲート電極
19,26 N型不純物元素
20 N型低濃度不純物領域
22,29 P型不純物元素
23 P型低濃度不純物領域
27 N型高濃度不純物領域
30 P型高濃度不純物領域
31 平坦化膜
32 剥離用物質
33 剥離層
36 ソース電極、ドレイン電極、金属配線
37 平坦化膜
38 ガラス基板
43,45 P型不純物元素
51 第1の活性領域
52 第2の活性領域
56 PMOSトランジスタ
57 NMOSトランジスタ

Claims (19)

  1. 基体層に素子の少なくとも一部を含むデバイス部を形成するデバイス部形成工程と、
    前記素子のしきい値電圧を設定するために、前記基体層に不純物元素をイオン注入するイオン注入工程と、
    前記基体層に対し、剥離用物質をイオン注入して剥離層を形成する剥離層形成工程と、
    前記基体層の一部を前記剥離層に沿って分離除去する分離工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
    前記デバイス部における前記剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の前記不純物元素を、前記基体層にイオン注入する調整工程を有している
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記調整工程は、前記イオン注入工程と同時に行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記調整工程は、前記分離工程よりも後に行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記調整工程では、前記剥離用物質によって変化する前記デバイス部における電気導電型を補償する量の前記不純物元素をイオン注入する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1において、
    前記デバイス部が形成された基体層を基板に貼り付ける貼付工程を有し、
    前記分離工程では、前記基板に貼り付けられた基体層の一部を加熱処理によって分離除去する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記基板は、ガラス基板又は単結晶シリコン半導体基板である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1において、
    前記基体層は、単結晶シリコン半導体、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1において、
    前記剥離用物質は、水素である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1において、
    前記不純物元素は、P型不純物元素である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項9において、
    前記不純物元素は、ホウ素である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 基体層に形成されると共に素子の少なくとも一部を含むデバイス部を備えた半導体装置であって、
    前記基体層の一部は、剥離用物質を含む剥離層に沿って分離除去され、
    前記デバイス部には、前記剥離用物質による電気伝導度の変化分を補償する量の不純物元素が含まれている
    ことを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11において、
    前記デバイス部には、前記剥離用物質によって変化する前記デバイス部における電気導電型を補償する量の前記不純物元素が含まれている
    ことを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項11において、
    前記基体層は、前記デバイス部と共に基板に貼り付けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項11において、
    前記基体層の一部は、加熱処理によって分離除去されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項13において、
    前記基板は、ガラス基板又は単結晶シリコン半導体基板である
    ことを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項11おいて、
    前記基体層は、単結晶シリコン半導体、IV族半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−IV族化合物半導体、及びこれらの同族元素を含む混晶、並びに酸化物半導体からなる群から選択された少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項11において、
    前記剥離用物質は、水素である
    ことを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項11において、
    前記不純物元素は、P型不純物元素である
    ことを特徴とする半導体装置。
  19. 請求項11において、
    前記不純物元素は、ホウ素である
    ことを特徴とする半導体装置。
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