JP2008059883A - カム構造、コネクタ用カム構造及び該コネクタ用カム構造を使用するコネクタ - Google Patents

カム構造、コネクタ用カム構造及び該コネクタ用カム構造を使用するコネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はカムを回動(回転)させる際に、接続対象物との接触若しくは非接触を変えることができるカム構造を提供する。
【解決手段】本目的は電子部品内で回動(回転)することで他の部品と接触若しくは非接触させるカム構造において、カムのカム部形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では他の部品と接触若しくは非接触することにより達成でき、例えば、コネクタ10内で回動することで、コネクタ10内に挿入される接続対象物とコンタクト14、16とを接触させるコネクタ用カム構造において、カムのカム部54の形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では接続対象物にコンタクト14、16が接触若しくは非接触することにより達成できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気又は電子機器に使用されるカム構造に関するもので、特にカムの形状を変化させることで相手物との接触若しくは非接触を任意に変えることができるカム構造に関するものである。
機械構造分野においては、機構カムとして、カム形状を変えることで、タイミングを変える方法がよく取られている。しかし、機械分野においても接触若しくは非接触を変えるということはなく、また、同様に電気又は電子機器の分野においても、該機器が小型化する一方で、カム形状を変えて、接触若しくは非接触を変えるようなことは行なわれていなかった。
例えば、 携帯電話やCCDカメラ等に使用されるコネクタは、狭ピッチで極薄(所謂軽薄短小)であり、主にハウジングとコンタクトと回動部材とを備え、ハウジングにフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)を挿入し、前記回動部材を嵌合側もしくはその反対側で回転させることで、前記コンタクトの接触部を前記FPCに接触させる構造のものがある。
ハウジングには、コンタクトが挿入される所要数の挿入孔が設けられるとともにFPCが挿入される嵌合口が設けられている。
コンタクトは主にFPCと接触する接触部と基板等に接続する接続部とハウジングに固定される固定部とを備えている。このコンタクトは、圧入等によってハウジングに固定されている。
下記にZIFタイプの所謂バックロックタイプとしての特許文献1(特開2003−297489)と特許文献2(特開平11−307198号)と本出願人が既に提案した特許文献3(特開2004−71160)を例示する。また、FFCをロックする構造として、特許文献4(実開平6−82783号)及び本出願人が既に提案した特許文献5(特願2003−422258)、特許文献6(特願2004−307793)、特許文献7(特願2005−178666)を例示する。
特開2003−297489の要約によると、アクチュエータを小さい操作力で操作でき、また、アクチュエータによるコンタクトの移動量を大きくして接続を確実に行うことができ、更に、低背のコネクタを提供することを目的とし、アクチュエータは、カム部と操作部を有し、前記両部の間に各コンタクトのばね部の先端付近が挿入脱出可能な逃げ溝を形成され、アクチュエータを支点を中心として90°右回転すると、カム部は各コンタクトのばね部と連結ばね部を弾性変形させ、すると、接触部の突起と接触部の突起との間で、FPCは挟圧され、したがって、FPCのパターンは、各コンタクトの端子部を介してプリント基板に接続され、インシュレータの天井部は、各コンタクトの接触部を被覆し、天井部の前面側の下部には、FPCをコネクタに挿入するためのガイド部が形成された構造のコネクタが開示されている。 特開平11−307198号の要約によると、複数の端子を接続し、FPC等を保持するプリント配線板用コネクターの操作性、保持性能を向上することを目的とし、ハウジングに、FPC等が差し込まれる挿入溝を設け、複数のコンタクトを、接触部を挿入溝に対して突出後退自在に、並列して設け、操作部材を、接続位置と解除位置とに回動自在に設け、操作部材に、複数のカムを設け、操作部材が接続位置のとき、コンタクトが、カムに被操作部を押圧されて接触部を挿入溝に突出させ、FPC等の端子に圧接して、端子を接続すると共にFPC等を保持し、操作部材が解除位置のとき、一部のコンタクトが、カムに被操作部を押圧されて接触部を挿入溝に対して僅かに突出させ、FPC等に当接して、FPC等を仮保持し、残りのコンタクトは、接触部を挿入溝に対して後退させる構造のプリント配線板用コネクターが開示されている。 特開2004−71160の要約によると、各部位の強度や仕様等を損なうことなく、スライダーでFPC又はFFCを確実にコンタクトの接触部に押圧することができ、作業性がよく、ピッチの狭小化や低背位化が可能なコネクタを提供することを目的とし、コンタクトの接触部と接続部との間に弾性部と支点部とを設けるとともに接触部と弾性部と支点部と接続部とを略クランク形状に配置し、かつ、接続部と対向する位置に弾性部から延設された押受部を設け、スライダーに長手方向に連設した押圧部を設け、押圧部がコンタクトの接続部と押受部との間で回動自在にスライダーをハウジングに装着する構造のコネクタが開示されている。 実開平6−82783号の要約によると、フレキシブルケーブルの裏面にリジットな補強板が取り付けられているフラットケーブルでも容易にスライダーの爪に係止させられることを目的とし、コンタクトピンを内装し、フラットケーブルを差し込む嵌合空間を形成したハウジングの嵌合空間内に、スライダーを挿抜自在に且つ抜き出し時に外側に回動可能に取り付け、前記嵌合空間にフラットケーブルを差し込んでからスライダーを嵌合空間に押し込むと、フラットケーブルがコンタクトピンに電気的に接続されるにおいて、前記スライダーのフラットケーブル当接面に、フレキシブルケーブルの裏面に補強板があてがわれたフラットケーブルのフレキシブルケーブル及び補強板に形成された係止部に挿入係止される係止突子を突設した構造のものが開示されている。 FPCをロックする構造として、本出願人が提案した特願2003−422258に、少芯数のコネクタでも、要求されたFPCの保持力を確保することができ、接続不良にも繋がらないコネクタを提供することを目的に、FPCと着脱自在に嵌合するコネクタであって、FPCと接触する接触部を有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともにFPCが挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、FPCに係止部を設け、係止部と係合する係合部を有するロック部材をハウジングに装着し、ロック部材の係合部をFPCの係止部に係合させることによりFPCがハウジングから抜けないようにすることにより達成でき、更に前記係合部に対応した位置に溝部を設けることでより確実なロックができる構造のコネクタが開示されている。 防塵性を高めるために、本出願人が提案した特願2004−307793の要約には、FPCの挿入力が掛からないで、防塵性を高めるコネクタを提供することを目的とし、所要数のコンタクトとハウジングと回動部材とを備えるコネクタにおいて、コンタクトは少なくと接触部と接続部と支点部と連結部と押受部とを備え、略倒H形状に配置し、接続部と押受部との間で回動部材の押圧部を回動させると接触部が接続対象物に接続するような構造にし、ハウジングにはコンタクトの接触部を被覆する天井部と押受部を覆う上壁部とを備え、回動部材には操作部と押圧部と押受部と係止孔とカバー部とを備え、回動部材が回動した後、回動部材のカバー部でコンタクトテール側を覆うようにする構造のものが開示されている。 防塵性を高めるために、本出願人が提案した特願2005−178666の要約には、FPCの挿入力が掛からないで、防塵性を高めるコネクタを提供することを目的とし、所要数のコンタクトとハウジングと回動部材とを備えるコネクタにおいて、コンタクトは少なくと接触部と接続部と支点部と連結部と押受部とを備え、略倒H形状に配置し、接続部と押受部との間で回動部材の押圧部を回動させると接触部が接続対象物に接続するような構造にし、ハウジングにはコンタクトの接触部を被覆する天井部と押受部を覆う上壁部とを備え、回動部材には操作部と押圧部と押受部と係止孔とカバー部とを備え、回動部材が回動した後、上壁部の先端と操作部との間及び上壁部と回動部材の操作部と反対側の先端との間を、回動時に回動部材がハウジングの上壁部に触れない範囲で狭くする構造のものが開示されている。
コネクタ分野においても、上記特許文献1から7のように、カム構造を利用してFPC等の接続対象物にコンタクトを接触させるものが多く見られるようになってきている。上記特許文献1から7のコネクタは、回動部材等を用いて、コンタクトと接続対象物とを接触させるというものである。しかし、客先仕様によっては、部分的に接続対象物と接触しない部分(非接触)を設けたい場合や接触している部分をズラしたい場合等の接触若しくは非接触を変えたいことが起こってきている。このような要求に対して、上記特許文献1から7のような構造では対応することが出来なかった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、カムを回動(回転)させる際に、接続対象物との接触若しくは非接触を変えることができるカム構造、コネクタ用カム構造及び該構造を使用するコネクタを提供せんとするものである。
上記目的は、電子部品内で回動(回転)することで他の部品と接触若しくは非接触させるカム構造において、カムのカム部形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では他の部品と接触若しくは非接触することにより達成できる。ここでいう「任意」とは、仕様等によって接触若しくは非接触するかを適宜設計するという意味であり、カムの形状を変化させることで接触若しくは非接触を選択しているものである。
請求項2記載のカム構造は、カム部を任意に変化させたカムを交換することにより、他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項1記載のカム構造である。ここでいう「任意」も、上記と同様の意味である。
また、請求項3記載のカム構造は、カムを所定の距離だけ移動することにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項1記載のカム構造である。ここでいう「所定の距離」とは、仕様等によって変化した接触若しくは非接触する位置分だけカムを挿入方向に前後させるという意味である。
さらに、請求項4記載のカム構造は、カムのカム部の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカム構造である。
コネクタ10に上記カム構造は、コネクタ10内で回動(回転)することで、コネクタ10内に挿入される接続対象物とコンタクト14、16とを接触させるコネクタ用カム構造において、カムのカム部54の形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では前記接続対象物に前記コンタクト14、16が接触若しくは非接触することにより達成できる。ここでいう「任意」とは、仕様等によって接続対象物にコンタクト14、16毎で接触若しくは非接触するかを適宜設計するという意味であり、カムの形状を変化させることでコンタクト14、16毎に接触若しくは非接触を選択しているものである。
請求項6記載のコネクタ用カム構造は、カム部54を任意に変化させたカムを交換することにより、接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項5記載のコネクタ10に使用するコネクタ用カム構造である。ここでいう「任意」も、上記と同様の意味である。
また、請求項7記載のコネクタ用カム構造は、カムを所定の距離だけ移動することにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項5記載のコネクタ用カム構造である。ここでいう「所定の距離」とは、仕様等によって変化した接触若しくは非接触する位置分だけカムを挿入方向に前後させるという意味である。
さらに、請求項8記載のコネクタ用カム構造は、カムのカム部54の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項5、6又は7記載のコネクタ用カム構造である。
上記カム構造をコネクタ10に使用すると、接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、該接続対象物と接触する接触部26を有する複数のコンタクト14、16と、該コンタクト14、16が保持・配列されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14、16を押圧するカム部54を有する回動部材181、182、183とを備えるコネクタ10において、前記ハウジング12には前記回動部材181、182、183の挿抜手段を有し、前記コンタクト14、16は一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181、182、183のカム部54により押圧される押受部32とを有し、前記回動部材181、182、183が前記コンタクト14、16の押受部32を押圧し、かつ、前記ハウジング12内で回動できるように装着されるとともに前記カム部54の形状を任意に変化させ、かつ、カム部54を回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では前記接続対象物に前記コンタクト14、16が接触若しくは非接触することにより達成できる。ここでいう「任意」とは、仕様等によって接続対象物にコンタクト14、16毎で接触若しくは非接触するかを適宜設計するという意味であり、カムの形状を変化させることでコンタクト14、16毎に接触若しくは非接触を選択しているものである。
請求項10記載のコネクタ10は、カム部54を任意に変化させた回動部材181を交換することにより、接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項9記載のコネクタ10である。ここでいう「任意」も、上記と同様の意味である。
また、請求項11記載のコネクタ10は、回動部材182を所定のピッチ距離分だけ移動することにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項9記載のコネクタ10である。ここでいう「所定のピッチ距離」とは、仕様等によって変化した接触若しくは非接触する位置分だけカムを挿入方向に前後させるという意味である。
さらに、請求項12記載のコネクタ10は、回動部材183のカム部54の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項9、10又は11記載のコネクタ10である。
請求項13記載のコネクタ10は、前記コンタクト14は一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181、182、183のカム部54により押圧される押受部32とを有する第一片20と、一端側にもう一つの接触部26若しくは固定部38を有するとともに前記接触部26と対向するように延設された延設部36と他方側に基板と接続する接続部40とを有する第二片22と、前記第一片20と前記第二片22とを連結する連結支点部30とを備え、前記ハウジング12は前記コンタクト14の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記回動部材181、182、183は回動させるための操作部56と長手方向に連設するとともに前記押受部32を押圧するカム部54とを備え、前記カム部54が前記コンタクト14の接続部40と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着することを特徴とする請求項9、10又は11、12記載のコネクタである。
また、請求項14記載のコネクタ10は、前記コンタクト16は一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181、182、183のカム部54により押圧される押受部32とを有する第一片20と、一端側に基板に接続する接続部40と他方側に前記押受部32と対向するように延設された延設部36とを有する第二片22と、前記第一片20と前記第二片22とを連結する連結支点部30とを備え、前記ハウジング12は前記コンタクト16の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記回動部材181、182、183は回動させるための操作部56と長手方向に連設するとともに前記押受部32を押圧するカム部54とを備え、前記カム部54が前記コンタクト16の延設部36と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着することを特徴とする請求項9、10又は11、12記載のコネクタ10である。
さらに、請求項15記載のコネクタ10は、前記接続部40と連結支点部30との中間にもう一つの接触部26を設けることを特徴とする請求項14記載のコネクタ10である。
請求項16記載のコネクタ10は、請求項13及び請求項14記載の前記コンタクト14、16を千鳥に配列することを特徴とするコネクタ10である。
以上の説明から明らかなように、本発明のカム構造と該カム構造を使用するコネクタ10によると、次のような優れた顕著な効果が得られる。
(1)電子部品内で回動(回転)することで他の部品と接触若しくは非接触させるカム構造において、カムのカム部形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では他の部品と接触若しくは非接触させているので、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、電子部品の低背化や小型化が可能である。
(2)請求項2記載のカム構造は、カム部を任意に変化させたカムを交換することにより、他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カム交換させるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、電子部品の低背化や小型化が可能である。
(3)請求項3記載のカム構造は、カムを所定の距離だけ移動することにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カムを移動するだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、電子部品の低背化や小型化が可能である。
(4)請求項4記載のカム構造は、カムのカム部の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カムを回動(回転)する方向を90度変えるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、電子部品の低背化や小型化が可能である。
(5)コネクタ10内で回動(回転)することで、コネクタ10内に挿入される接続対象物とコンタクト14、16とを接触させるコネクタ用カム構造において、カムのカム部54の形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では前記接続対象物に前記コンタクト14、16が接触若しくは非接触させているので、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(6)請求項6記載のコネクタ用カム構造は、カム部54を任意に変化させたカムを交換することにより、接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カム交換させるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(7)請求項7記載のコネクタ用カム構造は、カムを所定の距離だけ移動することにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カム交換させるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(8)請求項8記載のコネクタ用カム構造は、カムのカム部54の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カムを回動(回転)する方向を90度変えるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(9)接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、該接続対象物と接触する接触部26を有する複数のコンタクト14、16と、該コンタクト14、16が保持・配列されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14、16を押圧するカム部54を有する回動部材181、182、183とを備えるコネクタ10において、前記ハウジング12には前記回動部材181、182、183の挿抜手段を有し、前記コンタクト14、16は一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181、182、183のカム部54により押圧される押受部32とを有し、前記回動部材181、182、183が前記コンタクト14、16の押受部32を押圧し、かつ、前記ハウジング12内で回動できるように装着されるとともに前記カム部54の形状を任意に変化させ、かつ、カム部54を回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では前記接続対象物に前記コンタクト14、16が接触若しくは非接触させているので、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(10)請求項10記載のコネクタ10は、カム部54を任意に変化させた回動部材181を交換することにより、接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カム交換させるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(11)請求項11記載のコネクタ10は、回動部材182を所定のピッチ距離分だけ移動することにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カム交換させるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(12)請求項12記載のコネクタ10は、回動部材183のカム部54の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えているので、カムを回動(回転)する方向を90度変えるだけで、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択でき、コネクタの低背化や小型化が可能である。
(13)請求項13記載のコネクタ10は、前記コンタクト14は一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181、182、183のカム部54により押圧される押受部32とを有する第一片20と、一端側にもう一つの接触部26若しくは固定部38を有するとともに前記接触部26と対向するように延設された延設部36と他方側に基板と接続する接続部40とを有する第二片22と、前記第一片20と前記第二片22とを連結する連結支点部30とを備え、前記ハウジング12は前記コンタクト14の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記回動部材181、182、183は回動させるための操作部56と長手方向に連設するとともに前記押受部32を押圧するカム部54とを備え、前記カム部54が前記コンタクト14の接続部40と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着しているので、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択できるコネクタ10を提供できる。
(14)請求項14記載のコネクタ10は、前記コンタクト16は一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181、182、183のカム部54により押圧される押受部32とを有する第一片20と、一端側に基板に接続する接続部40と他方側に前記押受部32と対向するように延設された延設部36とを有する第二片22と、前記第一片20と前記第二片22とを連結する連結支点部30とを備え、前記ハウジング12は前記コンタクト16の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記回動部材181、182、183は回動させるための操作部56と長手方向に連設するとともに前記押受部32を押圧するカム部54とを備え、前記カム部54が前記コンタクト16の延設部36と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着しているので、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択できるコネクタ10を提供できる。
(15)請求項15記載のコネクタ10は、前記接続部40と連結支点部30との中間にもう一つの接触部26を設けているので、客先仕様対応して容易に接触する部分と非接触する部分を変えることができ、かつ、任意に接触する部分と非接触する部分を選択できるコネクタを提供でき、安定した接続を得ることができる。
(16)請求項16記載のコネクタ10は、請求項13及び請求項14記載の前記コンタクト14、16を千鳥に配列しているので、より一層の狭ピッチが可能になる。
本発明のポイントは、他の部品(例えば、FPC80やフレキシブルフラットケーブル(以下「FFC」という)や基板など)と接触若しくは非接触させる場合に、カム構造を使用したものである。つまり、本発明では、カムのカム部形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分により他の部品と接触若しくは非接触させるものである。ここでいう「任意」とは、仕様等によって接触若しくは非接触するかを適宜設計するという意味であり、カムの形状を変化させることで接触若しくは非接触を選択しているものである。
カム部を任意に変化させる方法には、次の3通りが考えられる。
第一に、カム部を任意に変化させたカムを交換することにより、他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることである。この方法は、必要な分だけのカムを予め用意しており、仕様に応じてカムを交換するものである。ここでいう「任意」も、上記と同様の意味である。
第二に、カムを所定の距離だけ移動することにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることである。この方法は、1つのカムを使用して、仕様に応じてカムを挿入方向に前後させることにより、接触若しくは非接触させる部分を変化させるものである。ここでいう「所定の距離」とは、仕様等によって変化した接触若しくは非接触する位置分だけカムを挿入方向に前後させるという意味である。
第三に、カムのカム部の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることである。この方法は、1つのカムを使用して、回動(回転)方向を変えることにより同一箇所で接触若しくは非接触を変化させるものである。つまり、カムを90度若しくは−90度回動(回転)させることにより同一箇所で、接触と非接触かを変えるものである。
また、第一と第三とを組み合わせることや第二と第三とを組み合わせることもできる。このような組み合わせをすることで、場所場所で接触か非接触かを変えることもでき、かつ、同一箇所で接触か非接触かを変えることが可能になる。
以下では、図1から図13に基づいて、本発明のカム構造を使用するコネクタの一実施例について説明する。以下では、カムを回動部材181、182、183と称する。図1(A)は交換方式に使用する回動部材の斜視図であり、(B)は移動方式に使用する回動部材の斜視図であり、(C)は回動(回転)方向を変える回動部材の斜視図である。図2(A)は図1(A)とは別の交換方式の回動部材の斜視図であり、(B)は図1(B)のa部拡大図である。図3(A)は交換方式及び移動方式の回動部材のカム部拡大図であり、(B)は回動(回転)方向を変える回動部材の90度回動状態のカム部拡大図であり、(C)は回動(回転)方向を変える回動部材の−90度回動状態のカム部拡大図である。図4(A)は回動部材が装着されてない場合のFPC挿入側よりみたコネクタの斜視図であり、(B)は回動部材が装着されてない場合のFPC挿入方向と反対側よりみたコネクタの斜視図である。図5(A)はFPC挿入側よりみた交換方式に使用する回動部材を挿入したコネクタの斜視図であり、(B)はFPC挿入側よりみた移動方式に使用する回動部材を挿入したコネクタの斜視図あり、(C)はFPC挿入側よりみた回動(回転)方向を変える回動部材を挿入したコネクタの斜視図である。図6はハウジングの斜視図である。図7(A)は一方のコンタクトの斜視図であり、(B)はもう一方のコンタクトの斜視図である。図8(A)は交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。図9(A)は交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。図10(A)は移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。図11(A)は移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。図12(A)は回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。図13(A)は回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。
一実施例の本発明のコネクタ10は、主にハウジング12と回動部材181、182、183とコンタクト14、16とを備えている。該コネクタ10は、2種類のコンタクト14、16をハウジング12への挿入方向を変えて千鳥に配列しており、挿入方向を変えて千鳥に配列することによってピッチの狭小化と低背位化に対応させたものである。
まず、図1に基づいて、コネクタ10に使用する5つのカム構造について説明する。
第一番目は、図1(A)のように、回動部材181のカム部54を任意に変化させた回動部材181を交換することにより、他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えるものである。この方法は、必要な分だけの回動部材181を予め用意しておき、仕様に応じて回動部材181を交換するものである。図1(A)の回動部材181は、前記回動部材181を回動(回転)させることにより、16〜69端子が接触し、1〜15端子と70〜85端子が接触しない(非接触)構造になっている。交換方式の別の回動部材181としては、例えば、図2(A)のように、前記回動部材181を回動(回転)させることにより、1〜30端子と56〜85端子が接触し、31〜55端子が接触しない(非接触)構造になっている。
第二番目は、図1(B)のように、回動部材182を所定の距離だけ移動することにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えるものである。この方法は、1つの回動部材182を使用し、仕様に応じて回動部材182を挿入方向に前後させることにより、接触若しくは非接触させる部分を変化させるものである。図1(B)の回動部材182は、前記回動部材182を回動(回転)させることにより、1〜10端子と21〜30端子と41〜50端子と61〜70端子と81〜85端子が接触し、11〜20端子と31〜40端子と51〜60端子と71〜80端子が接触しない(非接触)構造になっている。
第三番目は、図1(C)のように、回動部材183のカム部54の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えるものである。この方法は、1つの回動部材183を使用し、回動(回転)方向を変えることにより同一箇所で接触若しくは非接触を変化させるものである。つまり、回動部材183を90度若しくは−90度回動(回転)させることにより同一箇所で、接触と非接触かを変えるものである。図1(C)の回動部材183は、前記回動部材183を挿入方向に対して90度回動(回転)させることにより、1〜40端子が接触し、41〜85端子が接触しない(非接触)構造で、前記回動部材183を挿入方向に対して−90度回動(回転)させることにより、41〜85端子が接触し、1〜40端子が接触しない(非接触)構造になっている。
また、図示はしないが、次のようなカム構造も可能である。
第四番目は、第一番目と第三番目とを組合わせたものである。つまり、交換方式の回動部材181に、逆回動(回転)することで接触若しくは非接触することができる(第三場番目)構造を任意に箇所に形成しておけば、芯数毎の接触/非接触も可能で、かつ、同一箇所での接触/非接触も可能になる。
第五番目は、第二番目と第三番目とを組合わせたものである。つまり、移動方式の回動部材182に、逆回動(回転)することで接触若しくは非接触することができる(第三場番目)構造を任意に箇所に形成しておけば、芯数毎の接触/非接触も可能で、かつ、同一箇所での接触/非接触も可能になる。
以下で、上記カム構造を使用した回動部材181、182、183について説明する。この回動部材181、182、183は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
前記回動部材181、182、183は主に前記回動部材181、182、183を操作する操作部56と前記コンタクト14、16の押受部32を押圧するカム部54を備えている。本実施例では、前記回動部材181、182、183を略棒状片にしている。
第二番目の移動方式(図1(B)のタイプ)は、図1(B)及び図2(B)のように1芯ごとに突起64を設け、移動した後に前記突起64を隣接する前記コンタクト14、16間に入れることで位置決めを行っている。また、別の方法としては、回動部材182の長手方向両側若しくは一方側に複数の係合孔を設け、該係合孔に入る係合部材を準備しておき、該係合部材を所定の位置の前記係合孔に係合することで位置決めと移動距離を決めている。
前記回動部材181、182、183の前記カム部54は、コンタクト14、16の押受部32に押し付ける部分である。その形状としては、前記コンタクト14、16の接触部26が接続対象物に接触するか接触しないかによって適宜設計する。前記コンタクト14、16の接触部26を接続対象物(FPC80)に接触させたい場合は、細長形状にすることが望ましく、本実施例では略楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、コンタクト14、16の押受部32と接続部40の突出台44との間で回転させることで、カム部54の大きさの変化によりコンタクト14、16の押受部32が持ち上げられ、FPC80をコンタクト14、16の接触部26側に押し付けている。接触させる部分のカム部54の形状としては、コンタクト14、16の押受部32と接続部40の突出台44との間で回転でき、長軸と短軸といった大きさの違いによりコンタクト14、16の押受部32を押し上げられ、図8から図13のように前記コンタクト14、16の接触部26が接続対象物(FPC80)に接触すれば、如何なるものでもよい。接触させる部分の前記カム部54の形状や大きさは、このようなことを考慮して適宜設計する。
前記回動部材181、182、183の前記カム部54は、コンタクト14、16の押受部32に押し付ける部分であるが、前記コンタクト14、16の接触部26を接続対象物(FPC80)に接触させない部分(非接触部分)の形状としては、前記コンタクト14、16の押受部32を押圧しないように切欠部分57にしている。つまり、前記カム部54の形状は、仕様に応じて、本実施例では略楕円形状(凸部分55)と切欠部分57との組み合わせにより接触/非接触とを行っている。
第三番目の逆回動(回転)方式の前記カム部54の形状は略X形状をしており、90度回動した際に接触させたい部分であれば、上記のように略楕円形状(凸部分55)とし、逆に−90度回動した際の形状は切欠部分57にしている。また、−90度回動した際に接触させたい部分であれば、上記のように略楕円形状(凸部分55)とし、逆に90度回動した際の形状は切欠部分57にしている。つまり、カム部54の形状としては、第一番目の交換方式と第二番目の移動方式の場合は図3(A)のように凸部分55と切欠部分57との組合せになっており、第三番目の逆回動(回転)方式の場合は90度回動した際に接触する図3(B)と−90度回動した際に接触する図3(C)の組合せになっている。
また、前記回動部材181、182、183には、操作性を考慮して、操作部56が設けられている。特徴的なのは、一方の前記コンタクト14の押受部32と突出台44との間で回動することで、一方及びもう一方の前記コンタクト14、16の押受部32を押し上げて、一方及びもう一方の前記コンタクト14、16の接触部26をFPC80に接触させている。
上述した前記回動部材181、182、183は前記ハウジング12の嵌合口20と反対側(一方のコンタクト14の接続部側)に回動自在に装着されている。前記回動部材18は、一方のコンタクト14の接続部40方向から、一方並びにもう一方のコンタクト14、16とが前記ハウジング12に固定された後に、挿入され、保持されている。
次に、ハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
前記ハウジング12には、所要数のコンタクト14、16が装着される挿入溝48が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。また、前記ハウジング12には前記FPC80が挿入される嵌合口20が設けられ、前記嵌合口20の大きさは前記FPC80が挿入でき、前記FPC80が挿入された際に前記回動部材18、182、183で前記コンタクト14、16に押圧できるように適宜設計されている。前記ハウジング12には前記回動部材181、182、183の挿抜手段が設けられている。当該挿抜手段としては、前記回動部材181、182、183を挿入方向に挿入孔62を設け、手や治具等で挿抜することや前記挿入孔62に代えて嵌合口20と反対側に連設する溝を設け、手や治具等で嵌合口20と反対側から挿抜することが考えられる。本実施例では、前記ハウジング12の長手方向一方側に、前記回動部材181、182、183を挿入する挿入孔62が設けらている。前記挿入孔62は前記回動部材181、182、183が挿入でき、回動(回転)できればよく、前記回動部材181、182、183の形状や嵌入性等を考慮して適宜設計する。第二番目の移動方式(図1(B)のタイプ)の場合には、必要に応じて、長手方向両側に前記挿入孔62を設ける。この挿抜の場合には、前記回動部材181、182、183の先端に誘い部を設けることが望ましく、先端にテーパや面取りやRを設けている。
第一番目の交換方式(図1(A)のタイプ)と第三番目の逆回転方式(図1(C)のタイプ)は、前記挿入孔62の反対側で、かつ、内壁側に凹部を設けて、前記回動部材181、183の先端が前記凹部に突き当たるまで挿入することで位置決めをすると同時に先端が凹部に係合することで回転軸としての作用も持たせている。
第二番目の移動方式(図1(B)のタイプ)は、図1(B)及び図2(B)のように1芯ごとに突起64を設け、移動した後に前記突起64を隣接する前記コンタクト14、16間に入れることで位置決めを行っている。また、別の方法としては、回動部材182の長手方向両側若しくは一方側に複数の係合孔を設け、該係合孔に入る係合部材を準備しておき、該係合部材を所定の位置の前記係合孔に係合することで位置決めと移動距離を決めている。第二番目の移動方式(図1(B)のタイプ)は前記回動部材182が嵌入される側と反対側に設けられた挿入孔62を円形にし、前記回動部材182の挿入側先端を円柱形にし、それぞれを係合させることで回転軸としての作用を持たせている。
前記ハウジング12には、前記コンタクト14、16の接触部26、26を被覆する天井部50が設けられている。前記天井部50は、前記コンタクト14、16の防塵性を高めるためのものであり、その大きさや形状はこの役割や前記ハウジング12の強度や前記回動部材18の回動性や強度等を考慮して適宜設計する。低背化を考慮して、前記ハウジング12の肉厚は出来るかぎり薄くしている。
次に、図7に基づいて、2種類のコンタクト14、16について説明する。この2種類のコンタクト14、16は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト14、16の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
最初に、図7(A)の一方のコンタクト14について説明する。一方の前記コンタクト14は図7(A)のように倒略H形状をし、少なくとも前記FPC80と接触する接触部26(図7(A)の図面の上側)と基板等に接続する接続部40と前記ハウジング12に固定する固定部38と連結支点部30と回動部材18によって押圧される押受部32とを備えている。前記接触部26(図7(A)の図面の上側)と前記押受部32とは板状片の第一片22の両端に設けられている。一端側に前記ハウジング12に挿入される固定部38を有するとともに前記接触部26(図7(A)の図面の上側)と対向するように延設された延設部36と他端側に基板と接続する接続部40とを有する第ニ片24を備え、前記第一片22と前記第二片24はほぼ中間付近で連結支点部30によって連結されている。前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とは略クランク形状に配置されており、前記接続部40には前記押受部32側に突出するような突出台44が設けられ、前記押受部32と前記突出台44との間で前記回動部材18のカム部54が回動するようなっている。本実施例では前記コンタクト14の連結支点部30付近に、前記嵌合口20と反対方向に傾斜する傾斜部28が設けられている。該傾斜部28を設けることで、低背化を図っている。また、前記突出台44は前記回動部材18のカム部54が回動する際に安定した回動をするために、押受部32と接続部40との間の間隔を調整するためのものであり、突出量はこのようなことを考慮して適宜設計する。
前記接続部40の配置位置としては、基板のランド位置や基板のパターン位置や狭スペース等を考慮して適宜設計する。即ち、前記接続部40は要求仕様に応じて、前記接触部26に対向する側や前記押受部32に対向する側に設けられることになり、また、ランドの位置によっては千鳥に設けることもある。一方の前記コンタクト14では、前記接続部40を前記押受部32に対向する側に設けている。前記接触部26は、FPC80と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部40は本実施例では図7(A)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。前記FPC80の仕様によっては、前記接触部26と対向する側にも接触部26を設ける場合もある。即ち、2つの接触部26、26を設けて、前記FPC80を挟持するようにしてもよい。本実施例では、一方の前記コンタクト14では、前記連結支点部30から前記接触部26に対向するように延設した延設部36を設け、該延設部36上に前記ハウジング12に固定するための固定部38を設けている。前記固定部38の大きさや形状は、保持力や前記ハウジング12の強度等を考慮して適宜設計する。
前記連結支点部30と前記押受部32とは、前記FPC80が挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC80が前記ハウジング12の嵌合口20内に挿入された後に、前記回動部材18のカム部54が前記コンタクト14の接続部40の突出台44と押受部32との間で回動すると、前記押受部32がカム部54によって押し上げられることで前記コンタクト14の連結支点部30の下端(図7(A)の下側)を支点にし、前記コンタクト14の連結支点部30の上端が前記接触部26側に傾くことによって、前記接触部26が前記FPC80側に押圧される。前記連結支点部30と前記押受部32の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。
次に、もう一方のコンタクト16について説明する。ここでは、上述した一方のコンタクト14との相違部分についてのみ説明する。もう一方の前記コンタクト16も図7(B)のように一方の前記コンタクト14と同様に倒略H字形状をしており、主にFPC80と接触する接触部26(図7(B)の図面の上側)と基板に接続する接続部40とハウジング12に固定する固定部38と連結支点部30と前記回動部材18のよって押圧される押受部32とを備えている。これらの前記接触部26(図7(B)の図面の上側)と前記連結支点部30と前記接続部40は、略倒U字形状に配置されている。前記接続部40は、一方のコンタクトと同様に表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
一方の前記コンタクト14ともう一方の前記コンタクト16の相違点は、幾分形状的な違いはあるものの前記接続部40と前記延設部36とが逆にしただけである。即ち、一方の前記コンタクト14では、前記接続部40を前記押受部32と対向する側に、前記延設部36を前記接触部26(図7(A)の図面の上側)と対向する側に設けているのに対し、もう一方の前記コンタクト16では、前記接続部40を前記接触部26(図7(B)の図面の上側)と対向する側に、前記延設部36を前記押受部32と対向する側に設けている。もう一方の前記コンタクト16の延設部36に前記ハウジング12に固定するための固定部38を設けている。
本発明の活用例としては、薄型テレビやリアプロジェクション等の電気又は電子機器に使用されるFPC80を使用したコネクタに活用され、特にカムの形状を変化させることで相手物との接触若しくは非接触を任意に変えることができるカム構造に関するものである。
(A) 交換方式に使用する回動部材の斜視図である。(B) 移動方式に使用する回動部材の斜視図ある。(C) 回動(回転)方向を変える回動部材の斜視図である。 (A) 図1(A)とは別の交換方式の回動部材の斜視図である。(B) 図1(B)のa部拡大図である。 (A) 交換方式及び移動方式の回動部材のカム部拡大図である。(B) 回動(回転)方向を変える回動部材の90度回動状態のカム部拡大図である。(C) 回動(回転)方向を変える回動部材の−90度回動状態のカム部拡大図である。 (A) 回動部材が装着されてない場合のFPC挿入側よりみたコネクタの斜視図である。(B) 回動部材が装着されてない場合のFPC挿入方向と反対側よりみたコネクタの斜視図である。 (A) FPC挿入側よりみた交換方式に使用する回動部材を挿入したコネクタの斜視図である。(B) FPC挿入側よりみた移動方式に使用する回動部材を挿入したコネクタの斜視図ある。(C) FPC挿入側よりみた回動(回転)方向を変える回動部材を挿入したコネクタの斜視図である。 ハウジングの斜視図である。 (A) 一方のコンタクトの斜視図である。(B) もう一方のコンタクトの斜視図である。 (A) 交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 交換方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 移動方式に使用する回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態の一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が開いた(非接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 回動(回転)方向を変える回動部材を挿入し、回動部材が閉じた(接触)状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。
符号の説明
10 コネクタ
12 ハウジング
14、16 コンタクト
181、182、183 回動部材
20 嵌合口
22 第一片
24 第二片
26 接触部
28 傾斜部
30 連結支点部
32 押受部
34 接触片
36 延設部
38 固定部
40 接続部
42 突出部
44 突出台
46 係合部
48 挿入溝
50 天井部
54 カム部
55 凸部分(接触)
56 操作部
57 切欠部分(非接触)
58 係止孔
62 挿入孔
64 突起
80 FPC(フレキシブルプリント基板)

Claims (16)

  1. 電子部品内で回動(回転)することで他の部品と接触若しくは非接触させるカム構造において、
    カムのカム部形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では他の部品と接触若しくは非接触することを特徴とするカム構造。
  2. カム部を任意に変化させたカムを交換することにより、他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項1記載のカム構造。
  3. カムを所定の距離だけ移動することにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項1記載のカム構造。
  4. カムのカム部の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより他の部品との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカム構造。
  5. コネクタ内で回動(回転)することで、コネクタ内に挿入される接続対象物とコンタクトとを接触させるコネクタ用カム構造において、
    カムのカム部の形状を任意に変化させ、かつ、カムを回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では前記接続対象物に前記コンタクトが接触若しくは非接触することを特徴とするコネクタ用カム構造。
  6. カム部を任意に変化させたカムを交換することにより、接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項5記載のコネクタに使用するコネクタ用カム構造。
  7. カムを所定の距離だけ移動することにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項5記載のコネクタ用カム構造。
  8. カムのカム部の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項5、6又は7記載のコネクタ用カム構造。
  9. 接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタであって、該接続対象物と接触する接触部を有する複数のコンタクトと、該コンタクトが保持・配列されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口を有するハウジングと、前記コンタクトを押圧するカム部を有する回動部材とを備えるコネクタにおいて、
    前記ハウジングには前記回動部材の挿抜手段を有し、前記コンタクトは一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材のカム部により押圧される押受部とを有し、前記回動部材が前記コンタクトの押受部を押圧し、かつ、前記ハウジング内で回動できるように装着されるとともに前記カム部の形状を任意に変化させ、かつ、カム部を回動(回転)させた際に、任意に変えた部分では前記接続対象物に前記コンタクトが接触若しくは非接触することを特徴とするコネクタ。
  10. カム部を任意に変化させた回動部材を交換することにより、接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項9記載のコネクタ。
  11. 回動部材を所定のピッチ距離分だけ移動することにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項9記載のコネクタ。
  12. 回動部材のカム部の回動(回転)方向を逆方向に、90度回動(回転)させることにより接続対象物との接触若しくは非接触させる位置を変えることを特徴とする請求項9、10又は11記載のコネクタ。
  13. 前記コンタクトは一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材のカム部により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側にもう一つの接触部若しくは固定部を有するとともに前記接触部と対向するように延設された延設部と他方側に基板と接続する接続部とを有する第二片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記ハウジングは前記コンタクトの接触部を被覆する天井部を有し、前記回動部材は回動させるための操作部と長手方向に連設するとともに前記押受部を押圧するカム部とを備え、前記カム部が前記コンタクトの接続部と押受部との間で回動するように前記ハウジングに装着することを特徴とする請求項9、10又は11、12記載のコネクタ。
  14. 前記コンタクトは一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材のカム部により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側に基板に接続する接続部と他方側に前記押受部と対向するように延設された延設部とを有する第二片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記ハウジングは前記コンタクトの接触部を被覆する天井部を有し、前記回動部材は回動させるための操作部と長手方向に連設するとともに前記押受部を押圧するカム部とを備え、前記カム部が前記コンタクトの延設部と押受部との間で回動するように前記ハウジングに装着することを特徴とする請求項9、10又は11、12記載のコネクタ。
  15. 前記接続部と連結支点部との中間にもう一つの接触部を設けることを特徴とする請求項14記載のコネクタ。
  16. 請求項13及び請求項14記載の前記コンタクトを千鳥に配列することを特徴とするコネクタ。
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