JP2008059409A - Usb通信システム,usbデバイス,及びusb通信システムの異常検出方法 - Google Patents

Usb通信システム,usbデバイス,及びusb通信システムの異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】USB通信の物理的な接続の破断にあっては、それが何れの箇所で発生しても異常検出を行うことができるとともに、論理的な通信切断による異常も検出することが可能なUSB通信システム,USBデバイス,及びUSB通信システムの異常検出方法を提供する。
【解決手段】USBケーブル3によって上位装置2とカードリーダ1を接続して構成されるUSB通信システムにおいて、カードリーダ1は、上位装置2と論理的な通信線を設定する際の前処理としてバスリセットを実行するバスリセット実行手段と、自己がバスリセット状態になっている時間を計測する時間計測手段と、時間計測手段の計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する破断処理実行手段と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、USBケーブルによって上位装置とUSBデバイスを接続して構成される、USB通信システム,USBデバイス,及びUSB通信システムの異常検出方法に関する。
従来から、上位装置となるホスト側のコンピュータとデバイスとがUSB(ユニバーサルシリアルバス)通信によって接続されるシステムがある(例えば特許文献1参照)。このシステムは、ホストとデバイス間をシリアル通信で接続するものであって、例えば、プラグアンドプレイ機能(自動接続認識機能),ホットインサーション機能(電源を入れたままでの抜き差しを可能にする機能)及びホストからデバイスへの電源供給機能など、ユーザーの利便性を高める様々な機能を有している。
一般的に、USB通信で用いるUSBケーブルは、5Vの電源ライン(V−BUSライン),GND(グランド)ライン,及びデータ転送用のD+及びD−の信号ラインから構成される合計4本の配線を有している。そして、デバイス側では、V−BUSラインを通じて送信されるV−BUS信号の常時監視を行っている。つまり、このV−BUS信号の遷移状態を常時監視することで、USB通信の異常検出を行うこともできるようになっている。例えば、V−BUSラインの上位装置が故意にダウンさせることのないシステムにおいては、USB通信中に何らかの理由でUSBケーブルが外れた場合には、V−BUS信号がオンからオフへと遷移し、その結果、デバイスはUSB通信の物理的な接続が破断したと認識し、USB通信の異常が検出されることもできる。
特開2002−244775号公報
しかしながら、上述したUSB通信の異常検出方法は、上述したようにUSBケーブルが外れた場合(ディスコネクトした場合)の物理的な接続の破断は認識可能であるものの、ノイズ(例えばスイッチングノイズなど)やホスト側のコンピュータにおけるソフトウェア暴走(例えばブルースクリーン状態になる)等に起因した、論理的な通信切断の認識は困難である。V−BUS信号がオンからオフへと遷移しない場合があるからである。
また、USB通信の物理的な接続の破断であっても、認識困難になる場合がある。例えば、ホスト側のコンピュータとデバイスの間にハブユニットを介在させるとともに、そのハブユニットがセルフパワーで駆動している(自分で電源を内蔵する)場合には、たとえホスト側のコンピュータとハブユニット間でのケーブル切断が発生しても、ハブユニットとデバイス間のV−BUS信号の遷移状態に変化はない場合がある。つまり、上述したUSB通信の異常検出方法では、ホスト側のコンピュータとハブユニット間におけるUSB通信の物理的な接続の破断(ケーブルディスコネクト)を認識することができない可能性があり、ケーブルディスコネクトが何れの箇所で発生しても異常検出を行うことができる、というものではない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、USB通信の物理的な接続の破断にあっては、それが何れの箇所で発生しても異常検出を行うことができるとともに、論理的な通信切断による異常も検出することが可能なUSB通信システム,USBデバイス,及びUSB通信システムの異常検出方法を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) USBケーブルによって上位装置とUSBデバイスを接続して構成されるUSB通信システムにおいて、前記USBデバイスに前記上位装置と論理的な接続状態を形成しなおす際に発生するバスリセットを検出するバスリセット検出手段と、バスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段の計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する破断処理実行手段と、を有することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上位装置とUSBデバイスを有するUSB通信システムで、USBデバイスに、上位装置と論理的な接続状態を形成しなおす際に発生するバスリセットを検出する手段と、バスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測する手段と、その時間に基づいて(例えば所定時間を超えていれば)、自発的に(例えば上位装置からの何らかのコマンドを受信しなくても)通信破断処理を実行する手段と、を設けることとしたので、USB通信の物理的な接続の破断が何れの箇所で発生しても、異常検出を行うことができる。
すなわち、一般に、USBデバイスでは、何らかの通信異常が発生するとその都度バスリセットが発生し、この時間が長時間継続したときには、何らかの異常が発生したと判断し、上位装置からのコマンドが無くても自発的に通信破断処理が実行されるようにしたので、たとえホスト側のコンピュータとハブユニット間でのケーブル切断が発生しても、通信異常を検出することができ、ひいては異常検出の精度を高め、システムの安定性を高めることができる。
特に、本発明によれば、ノイズやホスト側のコンピュータにおけるソフトウェア暴走等に起因した論理的な通信切断が生じた場合であっても、バスリセット状態が予め定めた所定時間以上継続したときには、何らかの異常が発生したと判断することができるので、物理的な接続の破断だけでなく、論理的な通信切断の認識も行うことができる。
(2) 前記USBデバイスは、前記上位装置からの論理的な接続状態を形成するためのエニュメレーション処理を実行するエニュメレーション処理実行手段を備え、前記時間計測手段は、さらに、前記エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上述したUSBデバイスに、上位装置からの論理的な接続状態を形成するためのエニュメレーション処理を実行する手段を設け、エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間が計測されることとしたので、エニュメレーション処理中に何らかの通信異常が発生した場合であっても、その通信異常を検出することができ、ひいては異常検出の精度を更に高めることができる。
(3) 前記USBデバイスは、前記エニュメレーション処理が実行されている最中に前記バスリセットが発生した回数をカウントする回数計測手段を備え、前記破断処理実行手段は、前記回数計測手段の計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上述したUSBデバイスに、エニュメレーション処理が実行されている最中にバスリセットが発生した回数をカウントする手段を設け、その回数に基づいて(例えば所定回数を超えていれば)、自発的に通信破断処理が実行されることとしたので、時間に基づく異常検出と回数に基づく異常検出の二重チェックを行うことができ、より精度の高い異常検出を実現することができる。
(4) 前記USBデバイスは、前記USBケーブルにおける電源ラインの電圧レベルを認識する電圧レベル認識手段を備え、前記破断処理実行手段は、前記電圧レベル認識手段の認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上述したUSBデバイスに、USBケーブルにおける電源ライン(例えばV−BUSライン)の電圧レベルを認識する手段を設け、その認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理が実行されることとしたので、時間又は回数に基づく異常検出に加えて、V−BUS信号の遷移状態に基づく異常検出を行うことができ、異常検出の精度を更に高めることができる。
(5) 前記USBデバイスは、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置であって、前記カード状媒体処理装置は、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記通信破断処理が実行されることによって、内部に残留したカード状媒体を外部へ排出することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上述したUSBデバイスとして、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置を採用し、このカード状媒体処理装置には、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段(例えば、駆動モータ,搬送ローラ,シャッタなど)が設けられており、通信破断処理が実行されたとき、この制御手段によって、内部に残留したカード状媒体が外部へ排出されることとしたので、論理的な通信切断が発生した場合であっても、例えばカードを顧客に返却する動作をカード状媒体処理装置自身の判断で行うことができる。したがって、例えば、ATMなどで監視員がいない場合であっても、カード状媒体処理装置から自分のカードが排出されない、といったような事態を防ぐことができ、ひいてはカード操作に関する利便性を高めることができる。
(6) 前記USBデバイスは、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置であって、前記カード状媒体処理装置は、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記通信破断処理が実行されることによって、カード状媒体の新たな取り込みを阻止することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上述したUSBデバイスとして、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置を採用し、このカード状媒体処理装置には、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段(例えば、駆動モータ,搬送ローラ,シャッタなど)が設けられており、通信破断処理が実行されたとき、この制御手段によって、カード状媒体の新たな取り込みが阻止されることとしたので、論理的な通信切断が発生した場合に、例えばカード受付を停止する動作をカード状媒体処理装置自身の判断で行うことができる。したがって、例えば、ATMなどで監視員がいない場合に、無理やりカードが挿入されるなど、カード状媒体処理装置の故障に繋がりかねない事態を防ぐことができ、ひいてはカード操作に関するセキュリティ性を高めることができる。
(7) 前記USBデバイスは、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置であって、前記カード状媒体処理装置は、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記通信破断処理が実行されることによって、内部に残留したカード状媒体をロックして保留することを特徴とするUSB通信システム。
本発明によれば、上述したUSBデバイスとして、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置を採用し、このカード状媒体処理装置には、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段(例えば、駆動モータ,搬送ローラ,シャッタなど)が設けられており、通信破断処理が実行されたとき、この制御手段によって、内部に残留したカード状媒体がロックされて保留されることとしたので、論理的な通信切断が発生した場合に、例えばカード排出を停止する動作をカード状媒体処理装置自身の判断で行うことができる。したがって、例えば、ATMなどで監視員がいない場合に、内部に残留したカードが無理やり引き抜かれるなど、カード状媒体処理装置の故障に繋がりかねない事態を防ぐことができ、ひいてはカード操作に関するセキュリティ性を高めることができる。また、異常に気付いた監視委員が現場に到着するまでの間、カード状媒体を内部に留めておくことで、異常検出の原因追及が困難になるのを防ぐことができる。
(8) (1)から(7)のいずれか記載のUSB通信システムに用いられるUSBデバイス。
本発明によれば、上述したUSB通信システムに用いられ、論理的な通信切断による異常検出を行うことが可能なUSBデバイスを提供することができる。
(9) USBケーブルによって上位装置とUSBデバイスを接続して構成されるUSB通信システムの異常検出方法であって、前記USBデバイスにおいて、前記上位装置と論理的な接続状態を形成しなおす際に発生するバスリセットを検出する第1ステップと、バスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測する第2ステップと、前記第2ステップの計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第3ステップと、を含むことを特徴とするUSB通信システムの異常検出方法。
本発明によれば、USB通信システムの異常検出方法で、USBデバイスにおいて上位装置と論理的な接続状態を形成しなおす際に発生するバスリセットを検出するステップ(上位装置からのバスリセットを検出して論理的接続を再度受け入れるステップ)と、バスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測するステップと、その計測結果に基づいて自発的に通信破断処理を実行するステップと、を含むこととしたので、USB通信の物理的な接続の破断が何れの箇所で発生しても異常検出を行うことができるとともに、論理的な通信切断による異常も検出することができる。
(10) 前記USBデバイスにおいて、前記第1ステップが実行された後、前記上位装置と論理的な接続状態を形成するためのエニュメレーション処理を実行する第4ステップと、前記エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測する第5ステップと、前記第5ステップの計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第6ステップと、を含むことを特徴とするUSB通信システムの異常検出方法。
本発明によれば、USB通信システムの異常検出方法に、上位装置と論理的な接続状態を形成するためのエニュメレーション処理を実行するステップと、エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測するステップと、その計測結果に基づいて自発的に通信破断処理を実行するステップと、を含むこととしたので、上述同様、エニュメレーション処理中に何らかの通信異常が発生した場合であっても、その通信異常を検出することができる。
(11) 前記USBデバイスにおいて、前記エニュメレーション処理が実行されている最中に前記バスリセットが発生した回数をカウントする第7ステップと、前記第7ステップの計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第8ステップと、を含むことを特徴とするUSB通信システムの異常検出方法。
本発明によれば、USB通信システムの異常検出方法に、エニュメレーション処理が実行されている最中に前記バスリセットが発生した回数をカウントするステップと、その計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行するステップと、を含むこととしたので、時間に基づく異常検出と回数に基づく異常検出の二重チェックを行うことができる。
(12) 前記USBデバイスにおいて、前記USBケーブルにおける電源ラインの電圧レベルを認識する第9ステップと、前記第9ステップの認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第10ステップと、を含むことを特徴とするUSB通信システムの異常検出方法。
本発明によれば、USB通信システムの異常検出方法に、USBケーブルにおける電源ライン(例えばV−BUSライン)の電圧レベルを認識するステップと、その認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行するステップと、を含むこととしたので、時間又は回数に基づく異常検出に加えて、V−BUS信号の遷移状態に基づく異常検出を行うことができる。
以上説明したように、本発明に係るUSB通信システム,USBデバイス,及びUSB通信システムの異常検出方法によれば、物理的な接続の破断が何れの箇所で発生しても、また、論理的な通信切断が発生しても、それらを異常として検出することができるので、システムの安定性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[システム構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るUSB通信システムのシステム構成図である。なお、図1では、USBデバイスとしてカードリーダ1を採用し、ホスト側のコンピュータとして、例えばATMなどの上位装置2を採用しているが、本発明はこれらに限られるものではない。例えば、USBデバイスとしては、マウス,キーボード,スキャナ,プリンタ,USBメモリなどが挙げられ、ホスト側のコンピュータとしては、家庭用PCやゲーム機などが挙げられる。また、図1では、上位装置2に対して1台のUSB機器(カードリーダ1)のみが接続されているが、実際は、カードリーダ1を含めて最大で127台のUSB機器を接続することが可能である(USBデバイスに付与しうるアドレス数は最大127である)。
図1において、カードリーダ1は、USBケーブル3を介して上位装置2と接続されている。USBケーブル3は、5Vの電源ライン(V−BUSライン),GND(グランド)ライン,及びデータ転送用のD+の信号ライン及びD−の信号ラインから構成される合計4本の配線を有している。
カードリーダ1は、主として、カードリーダ1全体を統率制御するCPU,制御プログラム等の各種プログラムを格納するROM,CPUのワーキングエリアとして機能するRAM,各種設定を記憶するEEPROM等からなる信号処理回路10と、上位装置2との通信を制御するコントローラIC(例えば、カードリーダ1に内蔵された集積回路から構成される),論理的な接続状態(いわゆるパイプ)を設定する(形成しなおす)ためのレジスタ(いわゆるエンドポイントとなるFIFOバッファ)等からなるUSBコントローラ11と、を有している。
図1に示すカードリーダ1は、V−BUS信号からの5V電源で駆動せず、自分で電源を内蔵するセルフパワータイプのUSBデバイスであるが、例えばUSBメモリなどバスパワータイプの小型機器をUSBデバイスとして採用した場合には、V−BUS信号からの5V電源で駆動させることもできる。
信号処理回路10とUSBコントローラ11との間では、アドレスバスによってアドレス番号が転送され、データバスによってデータが転送される。例えば、USBコントローラ11内のレジスタは各アドレスに割り当てられており、信号処理回路10内のCPUは、適宜レジスタのアドレスを指定する。すると、USBコントローラ11内のコントローラICによって、指定されたアドレスに対応するデータが信号処理回路10へ転送される。こうして、信号処理回路10内のCPUはデータ参照を行う。一方で、信号処理回路10のCPUは、上位装置2が要求するデータを、USBコントローラ11を介して上位装置2に送信することも可能である。
上位装置2は、主として、上位装置2全体を統率制御するCPU,制御プログラム等の各種プログラムを格納するROM,CPUのワーキングエリアとして機能するRAM等からなる信号処理回路20と、論理的な接続状態(いわゆるパイプ又は通信線)を設定するためのバッファ等からなるUSBインターフェース21と、を有している。なお、USBインターフェース21内のCPUやバッファは、信号処理回路20内のCPUやメモリ(RAMやEEPROM等)で代替することも可能である。
ここで、図1に示すUSB通信システムにおいて、USBコントローラ11内のコントローラICは、上位装置2と論理的な接続状態を形成する(或いは形成しなおす)際の前処理としてのバスリセットを検出する機能と、USBライン上のバスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測する機能と、その計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する機能と、を有している。なお、その他にも様々な機能を有するが、他の機能については後述する。また、本実施形態では、これらの機能をコントローラICに担わせることとしたが、例えば信号処理回路10内のCPUなど、その他カードリーダ1内の電気要素であれば如何なるものであってよい。
[USB通信の流れ]
図2は、図1に示すUSB通信システムにおけるUSB通信の流れを示すフローチャートである。
図2において、まず、ケーブル接続が行われる(ステップS1)。具体的には、USBケーブル3を介して、上位装置2にカードリーダ1が物理的・電気的に接続される。なお、図1では、上位装置2が親機となり、カードリーダ1が子機となって、上位装置2からのポーリング(問い合わせ)によってUSB通信が行われる。また、USB通信は、全て上位装置2が制御し、子機であるカードリーダ1側から勝手にUSB通信を開始することはできない。
次に、カードリーダ1において、上位装置2とのUSB通信を初期化するため(バスを初期化するため)のバスリセット(バスリセット状態)が検出される。より具体的には、上位装置2内の信号処理回路20は、USBインターフェース21を介して、例えばD+及びD−の両信号ラインをLowレベルにする等して、リセット信号を送信する。そして、これを受信したUSBコントローラ11内のコントローラICによって、バスリセット(バスリセット状態)が検出される(ステップS2)。
なお、このバスリセット(バスリセット状態)の詳細については、図4を用いて後述する。また、例えば、内部リセットをUSBコントローラ11が実行してもよいし、信号処理回路10が実行してもよい。また、本実施形態において、内部リセットの契機となった上記リセット信号の種類の如何は問わない。例えば、D+及びD−の両信号ラインをLowレベルにするのではなく、通常時はプルアップされているD+の信号ラインを一時停止させるような信号であってもよい。さらに、本実施形態におけるカードリーダ1では、上位装置2からのリセット信号を受信しなくても、種々のタイミングにおいてバスリセットが検出される。例えば、後述するエニュメレーション処理中やUSB通信中に何らかの不具合が生じた場合にも、バスリセット(バスリセットアサート)が検出される。
ステップS2のバスリセット状態が正常に解除された後(バスリセットデアサートが検出された後)、カードリーダ1内のUSBコントローラ11と、上位装置2内のUSBインターフェース21との間には、デフォルトパイプ(論理的な接続状態)が設定され、このデフォルトパイプを使ったコントロール転送によって、次に説明するエニュメレーション処理(エニュメレーション処理)が実行される(ステップS3)。
ステップS3に示すエニュメレーション処理とは、カードリーダ1と上位装置2間の接続初期手続を意味し、アプリケーションレベルでの通信路を確立するために様々な処理が実行される。例えば、上位装置2の信号処理回路20は、カードリーダ1内に記憶されているデバイスディスクリプタの情報転送を要求する。そして、上位装置2の信号処理回路20は、カードリーダ1に対し、不使用のアドレスにセットアップするようコマンドを送信する。これにより、カードリーダ1は、上位装置2から見て特定のデバイスアドレスを所有したことになり、今後、カードリーダ1と上位装置2は、このデバイスアドレスを用いて通信を行うことができる。また、カードリーダ1のリソースに関する情報(デバイスの使用条件,パイプの仕様や本数,IDコードなど)も、カードリーダ1から上位装置2へ転送される。
このようにして、カードリーダ1から上位装置2へ様々な情報が転送された後、エニュメレーション処理中にバスリセットが発生しなければ(ステップS4:NO)、アプリケーションレベルでの通信路が確立される(ステップS5)。この通信路は、複数本のパイプ(論理的な接続状態)から構成され、これら複数本のパイプ(例えばロースピード通信の場合は2本のパイプ、ハイスピード通信の場合は15本のパイプ)は、USBコントローラ11内のレジスタと、USBインターフェース21内のバッファとを論理的に接続する。ステップS2及びステップS3に示すように、バスリセットは、上位装置2と論理的な接続状態を形成する際の前処理として検出されることになる。
なお、複数本のパイプを用いたデータ転送方式については、大容量データの一括転送が可能なバルク転送,小容量データの定周期転送が可能なインタラプト転送、又は一定時間内のデータ量が保障されたアイソクロナス転送など、様々な転送方式がある。本実施形態において、カードリーダ1と上位装置2では、インタラプト転送方式を採用しているが、本発明はこれに限られず、USB機器に応じて最適な転送方式を採用することができる。
ここで、エニュメレーション処理が完了して、アプリケーションレベルでの通信路が確立する前に(ステップS5の前に)、バスリセットが発生する場合がある(ステップS4:YES)。より具体的には、ノイズ・ソフトウェア暴走などの外的・内的要因によって、カードリーダ1のUSBコントローラ11においてバスリセットが検出される場合がある。また、USB通信システムのいずれかの箇所においてUSB通信の物理的な接続の破断が生じた場合もある。
これらが生じた場合には、カードリーダ1は、再びステップS2で説明したバスリセット状態になった後、ステップS3のエニュメレーション処理を実行し直す。一方で、これが生じなかった場合には(ステップS4:NO)、上述のとおり通信路の確立が行われる(ステップS5)。
次に、アプリケーションレベルでのUSB通信が行われる(ステップS6)。具体的には、カードリーダ1の信号処理回路10は、上位装置2からコマンドを受信するまで待機する。USBコントローラ11を介して所定のコマンド(例えばカードに記録された磁気データの読み出し)を受信したとき、そのコマンド内容に基づいて、所定のデータ(例えば金銭データ)を上位装置2に送信する。
ここで、USB通信を行っている最中に、バスリセットが発生する場合がある(ステップS7;YES)。より具体的には、ノイズ・ソフトウェア暴走などの外的・内的要因によって、カードリーダ1のUSBコントローラ11において内部リセットが実行される場合がある。また、上述同様、USB通信システムのいずれかの箇所においてUSB通信の物理的な接続の破断が生じた場合もある。
これらが生じた場合には、カードリーダ1は、再びステップS2で説明したバスリセット状態になった後(ステップS2)、ステップS3のエニュメレーション処理を実行し直し(ステップS3,ステップS5)、再度USB通信を行う(ステップS6)。一方で、これが生じなかった場合には(ステップS7;NO)、USB通信は終了する。
[USB通信システムの異常検出方法]
図3は、本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の一例(第1検出ルーチン)を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、図3に示すフローチャートを具現化した制御プログラム・変数データ等は、USBコントローラ11内のコントローラICに格納されているが、この格納場所の如何は問わない。例えば、信号処理回路10の内部に格納されていてもよい。
また、本実施形態では、USBコントローラ11内のコントローラICは、上述したようにタイマ機能を有しており、所望の時間を計測することが可能である。具体的には、カードリーダ1がバスリセットアサートを検出してからバスリセットデアサートを検出するまでの時間を計測することが可能である。なお、このコントローラICによる計時機能は、信号処理回路10内のCPUが担ってもよい。また、SRタイムフリップフロップ(FF)やクロック発振器,クロックゲート回路などのタイマ回路(カウンタ回路)を別途カードリーダ1に設けても構わない。
図3において、まず、バスセットが発生したか否か(バスリセットアサートが検出されたか否か)が判断される(ステップS11)。また、エニュメレーション処理の最中やUSB通信の最中に、USBコントローラ11によって、バスリセットが発生したか否かが判断される。バスリセットが発生していなければ(ステップS11:NO)、第1検出ルーチンを終了する。
一方で、バスリセットが発生した場合には(ステップS11:YES)、コントローラICのタイマが起動する(ステップS12)。その後、コントローラICによってカードリーダ1のバスリセットが解除されたか否か(バスリセットデアサートが検出されたか否か)が判断され(ステップS13)、解除されれば第1検出ルーチンを終了する(ステップS13:YES)。
一方で、バスリセットが解除されず(ステップS13:NO)、所定の時間(例えば数十ms,数百ms)が経過した場合には(ステップS14:YES)、コントローラICはタイムアウト(タイムアップ)と認識し、通信破断処理を実行する(ステップS15)。このように、ステップS12〜ステップS14に示す処理は、カードリーダ1がバスリセット状態になっている時間を計測するステップとなる。また、ステップS15に示す処理は、ステップS12〜ステップS14の計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行するステップとなる。
ここで、ステップS15に示す通信破断処理の具体例としては、例えば、カードリーダ1に挿入されたカードを利用者に自動返却(強制排出)する、カードの新たな取り込みを阻止する、或いは、カードリーダ1に挿入されたカードをキャプチャして(ロックして)、サービスマンが到着するまで勝手に引き抜けないようにする(保留する)、等の処理が挙げられる。より具体的に説明すると、図1には図示しないが、カードリーダ1には、カードの内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する駆動モータ,搬送ローラ,搬送路,シャッタ(ソレノイド)などが設けられている。従って、USBコントローラ11が通信破断処理を実行すると、その旨が通信破断処理要求として信号処理回路10に転送され、信号処理回路10のCPUは、各部に対して各種制御信号を送信する。例えば強制排出を行う場合には、CPUは駆動モータに対して駆動制御信号を送信し、この駆動モータにプーリやベルト等で連結された搬送ローラが回転することによって、内部に残留したカードを外部へ排出(強制排出)する。また、例えばカードの新たな取り込みを阻止する場合には、CPUはシャッタに対して駆動制御信号を送信し、このシャッタが搬送路を塞ぐことによって、カードの新たな取り込みが阻止される。さらに、例えば内部に残留したカードをロックして保留する場合にも、CPUはシャッタに対して駆動制御信号を送信し、このシャッタがカード排出口を塞ぐことによって、カードリーダ1の内部に残留したカードを引き出すことができなくなる。
図4は、図3に示す第1検出ルーチンにおいて、カードリーダ1がバスリセットを検出している様子を示す説明図である。
まず、図4(a)に示すように、ノイズ・ソフトウェア暴走などの外的・内的要因によって異常は発生しておらず、バスリセット状態が予め定められた時間Tmsだけ維持される場合を考える。この場合、USBコントローラ11のコントローラICでは、時刻tにおいて(いわゆるアサートされたとき)内蔵するタイマが起動し(図3のステップS12)、時間計測が開始される。そして、予め定められた制限時間Rmsが経過する前の、時刻tにおいて(いわゆるデアサートされたとき)バスリセットが解除されているので(図3のステップS13:YES)、通信破断処理(図3のステップS15)は行われることなく第1検出ルーチンは終了する。
一方で、図4(b)に示すように、ノイズ・ソフトウェア暴走などの外的・内的要因によって異常が発生しており、バスリセット状態が、制限時間Rmsが経過した以降も維持されている場合を考える。このような場合、USBコントローラ11のコントローラICでは、時刻tのとき(いわゆるアサートされたとき)に内蔵するタイマが起動し(図3のステップS12)、時間計測が開始される。そして、予め定められた制限時間Rmsが経過する時刻t+Rmsの時点においても、未だバスリセット状態が解除(デアサート)されていないので(図3のステップS13:NO,ステップS14:YES)、通信破断処理(図3のステップS15)が実行される。
図5は、本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の他の一例(第2検出ルーチン)を示すフローチャートである。なお、図3に示すケースと同様に、図5に示すフローチャートを具現化した制御プログラム・変数等は、USBコントローラ11内のコントローラIC等に格納されている。また、コントローラICはタイマ機能を有しているとともに、エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測する機能をも有している。
図5において、まず、エニュメレーション処理が開始されたか否かが判断される(ステップS21)。より具体的には、USBコントローラ11内のコントローラICは、バスリセット(図1のステップS2)が正常に解除された後、アプリケーションレベルでの通信路を確立するために(上位装置2と論理的な接続状態を形成するために)、上位装置2との間で接続初期手続を開始する。
このとき、接続初期手続の開始とともに、コントローラIC内のタイマが起動する(ステップS22)。その後、コントローラICによってエニュメレーション処理が完了したか否か、すなわちアプリケーションレベルでの通信路が確立したか否かが判断され(ステップS23)、完了した場合には(ステップS23:YES)、第2検出ルーチンを終了する。
一方で、エニュメレーション処理が完了せず(ステップS23:NO)、所定の時間が経過した場合には(ステップS24:YES)、コントローラICはタイムアウト(タイムアップ)と認識し、通信破断処理を実行する(ステップS25)。このように、ステップS22〜ステップS24に示す処理は、エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測するステップ、その計測結果に基づいて自発的に通信破断処理を実行するステップとなる。なお、ステップS25の通信破断処理については、上述したとおりである。
通常、この接続初期手続(エニュメレーション処理)は極短時間に進行し成立するものであるが、外的なノイズなどが加わっている場合や、USBケーブル3のコネクトが不完全な場合には、その進行に大きな支障をきたすことが知られている。また、ホスト側(上位装置2側)のドライバ仕様により、個々のエニュメレーション処理(交渉)が正常に終わらない場合は再トライが加わったり、場合によっては最初からその交渉が実行し直されたりする場合もあるが、ある一定以上それを繰り返しても正常に終結しない場合は、いずれその動作は諦められることも知られている。そして、このような状況は、USBデバイスやホスト自身の駆動開始時間ばかりではなく、物理的なケーブルのディスコネクトからコネクト状態、或いは外的・内的要因による復旧時にも同様な状況が起こる(すなわち、正常に接続している状態から破断状態に至る場合がある)。したがって、上述した図5に示す第2検出ルーチンによれば、このようにして破断状態に至った場合であっても、それを異常発生として検出することができる。
図6は、本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の他の一例(第3検出ルーチン)を示すフローチャートである。具体的には、時間に基づく異常検出と回数に基づく異常検出との二重チェックを行うためのフローチャートである。すなわち、図6のフローチャートは、図5のフローチャートを包含する関係にあり、時間に基づく異常検出(図5参照)と回数に基づく異常検出(図6参照)とを検出していて、いずれかの条件成立で通信破断処理(ステップ
S36,S40)が実行されることになる。
なお、図3,図5に示すケースと同様に、図6に示すフローチャートを具現化した制御プログラム・変数等は、USBコントローラ11内のコントローラIC等に格納されている。また、コントローラICはタイマ機能を有しているとともに、エニュメレーション処理が実行されている最中にバスリセットが発生した回数をカウントする機能をも有している。
図6において、まず、エニュメレーション処理が開始されたか否かが判断され(ステップS31)、開始されない場合には(ステップS31:NO)第3検出ルーチンは終了する。一方、これが開始された場合において(ステップS31:YES)、Loopカウンタ(変数)に5が入力され(ステップS32)、また、例えば制限時間10秒に設定されたタイマが起動する(ステップS33)。
次に、USBコントローラ11内のコントローラICによって、バスリセットが発生したか否かが判断され(ステップS34)、これが発生しない場合には(ステップS34:NO)、上述した第2検出ルーチン(図5参照)で説明したステップS23〜ステップS25と同様の処理が順次実行される(ステップS38〜ステップS40)。第2検出ルーチンの詳細な説明については上述のとおりであるが、ステップS39において、例えば制限時間10秒に設定されたタイマがタイムアウトになったら(ステップS39:NO)、ステップS34に処理が戻される。
一方で、エニュメレーション処理が実行されている最中にバスリセットが発生した場合には(ステップS34:YES)、Loopカウンタの値が1だけデクリメントされる(ステップS35)。その後、コントローラICによって、Loopカウンタの値が0に等しいか否かが判断され(ステップS36)、0に等しければ(ステップS36:YES)、上述した通信破断処理が実行され(ステップS37)、0に等しくなければ(ステップS36:NO)、ステップS34に処理が戻される。このように、ステップS36に示す処理等は、エニュメレーション処理が実行されている最中にバスリセットが発生した回数をカウントするステップとなる。また、ステップS37に示す処理は、バスリセットが発生した回数に基づいて、自発的に通信破断処理を実行するステップとなる。
図7は、本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の他の一例(第4検出ルーチン)を示すフローチャートである。なお、図3,図5,図6に示すケースと同様に、図7に示すフローチャートを具現化した制御プログラム・変数等は、USBコントローラ11内のコントローラIC等に格納されている。また、コントローラICは、USBケーブル3における電源ラインの電圧レベル(V−BUS)を認識する機能を有しているとともに、その認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する機能をも有している。
図7において、まず、USBコントローラ11内のコントローラICによって、V−BUS信号がONからOFF状態に遷移したか否かが判断される(ステップS51)。OFF状態に遷移していれば、通信破断処理が実行され(ステップS52)、OFF状態に遷移していなければ、第4検出ルーチンは終了する。このように、ステップS51及びステップS52に示す処理は、USBケーブル3における電源ラインの電圧レベルを認識するステップ、その認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行するステップとなる。
[実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るUSB通信システムの異常検出方法によれば、バスリセット状態が予め定義した時間以上経過したか(図3に示す第1検出ルーチン)、エニュメレーション処理が予め定義した時間経過しても完了しないか(図5に示す第2検出ルーチン)、エニュメレーション処理中にバスリセットが予め定義した回数発生したか(図6に示す第3検出ルーチン)、などの各検出ルーチンによって、ノイズやホスト側のコンピュータにおけるソフトウェア暴走等に起因した論理的な通信切断が生じた場合であっても、それを認識することができ、ひいては異常検出の精度を高めてシステムの安定性を高めることができる。また、USB通信の物理的な接続の破断が何れの箇所で発生しても、異常検出を行うことができる点においても、異常検出精度を高めることができる。
また、これら第1検出ルーチン,第2検出ルーチン,又は第3検出ルーチンに、V−BUS信号がONからOFFへと遷移したかを判断する第4検出ルーチンを加えることで、異常検出の精度を更に高めることができる。なお、本実施形態では、第1検出ルーチン〜第3検出ルーチンを別々に説明したが、これらを組み合わせることは勿論可能である。複数の検出ルーチンを組み合わせることで、検出精度の更なる向上といった相乗効果を奏することができる。
また、カードリーダ1は、通信破断処理が実行された結果として、例えば挿入されたカードを利用者に自動返却することができる。これにより、ATMなどで監視員がいない場合であっても、自分のカードがカードリーダ1の内部にストックされてしまうのを防ぐことができ、ひいてはカード操作に関する利便性を高めることができる。また、通信破断処理が実行された結果として、例えば新たなカード受付を停止することができる。これにより、カードリーダ1で異常が発生しているにも拘らず新たなカードが挿入されるなど、カードリーダ1の故障に繋がりかねない事態を防ぐことができ、ひいてはカード操作に関するセキュリティ性を高めることができる。さらに、通信破断処理が実行された結果として、例えば内部に残留したカードをロックして保留することができる。これにより、内部に残留したカードが無理やり引き抜かれるなど、カードリーダ1の故障に繋がりかねない事態を防ぐことができ、ひいてはカード操作に関するセキュリティ性を高めることができる。
なお、上述したカードリーダ1と上位装置2とのUSB通信システムにおいて、両者のデータ転送中(取引中)に回線が破断してしまうと、上位装置2からカードリーダ1に指示を出すことは不可能であり、カードリーダ1側はそのような状況を検出し、必要に応じて(例えば顧客がカードを装置内に挿入し取引が始まっているときなど)自ら動作を起動しなくてはならない。そのため、その通信の破断を検出することは不可欠となるのである。
以上説明したように、本発明は、ノイズやホスト側のコンピュータにおけるソフトウェア暴走等に起因した論理的な通信切断の認識を行うことが可能なものとして有用である。
本発明の実施の形態に係るUSB通信システムのシステム構成図である。 図1に示すUSB通信システムにおけるUSB通信の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の一例(第1検出ルーチン)を示すフローチャートである。 図3に示す第1検出ルーチンにおいて、カードリーダがバスリセットを検出している様子を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の他の一例(第2検出ルーチン)を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の他の一例(第3検出ルーチン)を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るUSB通信システムの異常検出方法の他の一例(第4検出ルーチン)を示すフローチャートである。
符号の説明
1 カードリーダ
2 上位装置
3 USBケーブル
10 信号処理回路
11 USBコントローラ
20 信号処理回路
21 USBインターフェース

Claims (12)

  1. USBケーブルによって上位装置とUSBデバイスを接続して構成されるUSB通信システムにおいて、
    前記USBデバイスに前記上位装置と論理的な接続状態を形成しなおす際に発生するバスリセットを検出するバスリセット検出手段と、
    バスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測する時間計測手段と、
    前記時間計測手段の計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する破断処理実行手段と、を有することを特徴とするUSB通信システム。
  2. 前記USBデバイスは、前記上位装置からの論理的な接続状態を形成するためのエニュメレーション処理を実行するエニュメレーション処理実行手段を備え、
    前記時間計測手段は、さらに、前記エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測することを特徴とする請求項1記載のUSB通信システム。
  3. 前記USBデバイスは、前記エニュメレーション処理が実行されている最中に前記バスリセットが発生した回数をカウントする回数計測手段を備え、
    前記破断処理実行手段は、前記回数計測手段の計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行することを特徴とする請求項2記載のUSB通信システム。
  4. 前記USBデバイスは、前記USBケーブルにおける電源ラインの電圧レベルを認識する電圧レベル認識手段を備え、
    前記破断処理実行手段は、前記電圧レベル認識手段の認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行することを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のUSB通信システム。
  5. 前記USBデバイスは、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置であって、
    前記カード状媒体処理装置は、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記通信破断処理が実行されることによって、内部に残留したカード状媒体を外部へ排出することを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のUSB通信システム。
  6. 前記USBデバイスは、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置であって、
    前記カード状媒体処理装置は、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記通信破断処理が実行されることによって、カード状媒体の新たな取り込みを阻止することを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のUSB通信システム。
  7. 前記USBデバイスは、カード状媒体に対して所定の処理を実行するカード状媒体処理装置であって、
    前記カード状媒体処理装置は、カード状媒体の内部への取り込み及び外部への排出を機械的に制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記通信破断処理が実行されることによって、内部に残留したカード状媒体をロックして保留することを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のUSB通信システム。
  8. 請求項1から7のいずれか記載のUSB通信システムに用いられるUSBデバイス。
  9. USBケーブルによって上位装置とUSBデバイスを接続して構成されるUSB通信システムの異常検出方法であって、
    前記USBデバイスにおいて、前記上位装置と論理的な接続状態を形成しなおす際に発生するバスリセットを検出する第1ステップと、
    バスリセットアサートからバスリセットデアサートまでの時間を計測する第2ステップと、
    前記第2ステップの計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第3ステップと、を含むことを特徴とするUSB通信システムの異常検出方法。
  10. 前記USBデバイスにおいて、前記第1ステップが実行された後、前記上位装置と論理的な接続状態を形成するためのエニュメレーション処理を実行する第4ステップと、
    前記エニュメレーション処理が実行されている最中の処理時間を計測する第5ステップと、
    前記第5ステップの計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第6ステップと、を含むことを特徴とする請求項9記載のUSB通信システムの異常検出方法。
  11. 前記USBデバイスにおいて、前記エニュメレーション処理が実行されている最中に前記バスリセットが発生した回数をカウントする第7ステップと、
    前記第7ステップの計測結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第8ステップと、を含むことを特徴とする請求項9記載のUSB通信システムの異常検出方法。
  12. 前記USBデバイスにおいて、前記USBケーブルにおける電源ラインの電圧レベルを認識する第9ステップと、
    前記第9ステップの認識結果に基づいて、自発的に通信破断処理を実行する第10ステップと、を含むことを特徴とする請求項9記載のUSB通信システムの異常検出方法。
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