JP2008058194A - ウエストナイルウイルス感染の鑑別方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のウエストナイルウイルス(WNV)感染の鑑別方法は、WNVタンパク質を特異的に認識し、かつ、日本脳炎ウイルス(JEV)のタンパク質とは交差反応しない抗体を用いてWNV感染を鑑別する方法であって、好ましい態様の1つは、WNVの非構造タンパク質の1つであるWNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体を用いて、血清検体に含まれるWNV−NS1、および、血清検体に含まれる抗WNV−NS1抗体の少なくとも一方を測定することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、非構造タンパク質に着目することによって、将来ウエストナイル(WN)ワクチンが導入された場合にもWNV感染を高精度に鑑別・診断することが可能である。すなわち、WNワクチンは精製不活化ワクチンであり、ワクチンの接種により生体内に誘導されるのは構造タンパク質に対する抗体のみである。一方、WNVに感染した場合には、ワクチン接種とは異なり、構造タンパク質に対する抗体に加えて非構造タンパク質に対する抗体も誘導される。このため、ワクチン接種では誘導されない非構造タンパク質に対する抗体を検出すれば、ワクチン接種された生体であるか、WNV感染した生体であるかを鑑別することができる。
このことから、本発明の鑑別方法における、特に抗体を標的とした鑑別方法において、WNVタンパク質のうち特に非構造タンパク質(上記7種のいずれか)を特異的に認識する抗体を用いて、血清検体に含まれるWNV非構造タンパク質に対する抗体を測定する方法は、好ましい方法である。
本発明者はこれまでに、JEV由来のNS1(以下、「JEV−NS1」という。)を標的として、抗JEV−NS1抗体測定法によるJEV自然感染の検査方法を確立している(J Clin Microbiol 42: 5087-5093, 2004)。このJEV感染の検査方法と、本発明のWNV鑑別方法とを組み合わせることによって、WNV感染とJEV感染との鑑別を更に精度良く行うことが可能である。
抗体作製のための抗原としては、例えば、WNVのEg101株(Complete genome:GenbankアクセッションNo.AF260968)由来のNS1の全長を使用してもよいし、その部分配列からなるペプチドを用いてもよい。
前記抗原は、それ自体を単独で、あるいは、担体や希釈剤と共に、各種動物の抗体産生が可能な部位に投与することによって、ポリクローナル抗体を作製できる。前記投与方法としては、例えば、腹腔内注入、静脈注入、皮下注射等があげられる。また、抗原の投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントまたは不完全フロイントアジュバントを投与することもできる。
モノクローナル抗体の作製は、特に制限されないが、例えば、前記抗原を免疫された複数の動物(例えば、マウス)から抗体価の認められた個体を選択し、最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、目的のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを調製できる。
本発明の第一のWNV鑑別方法において、血清検体に含まれるWNV−NS1の測定方法は、WNV−NS1を特異的に認識する抗体を使用すればよく、その他の条件や工程等は特に制限されない。WNV−NS1を特異的に認識する抗体としては、前述の2H4抗体などがあげられ、例えば、その抗体分子そのものを使用してもよいし、抗体分子のF(ab’)2、Fab’またはFab画分等を用いてもよい。
(a1)WNV−NS1を認識する抗体Aを固相化する、
(a2)血清検体を添加して、これに含まれるWNV−NS1と抗体Aとを反応させる、
(a3)WNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体を添加して、抗体Aに結合したWNV−NS1と抗WNV−NS1抗体とを反応させる、
(a4)抗WNV−NS1抗体を認識する標識化抗体を添加して、抗WNV−NS1抗体と標識化抗体とを反応させる、そして
(a5)抗WNV−NS1抗体と標識化抗体との反応により形成された抗体複合体を、標識化抗体を利用して検出することにより、血清検体に含まれるWNV−NS1を測定すればよい。
本発明の第二のWNV鑑別方法において、血清検体に含まれる抗WNV−NS1抗体の測定方法は、WNV−NS1を特異的に認識する抗体を使用すればよく、その他の条件や工程等は特に制限されない。
(b1)WNV−NS1を認識する抗体Aを固相化する工程、
(b2)WNV−NS1含有液を添加して、当該WNV−NS1抗原と抗体Aとを反応させる工程、
(b3)血清検体、または血清を含まない液(血清非含有液)を添加して、反応させる工程、
(b4)WNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体(抗体1)、または、WNV−NS1を認識しない抗体(抗体2)を添加して、反応させる工程、
(b5)抗体1および抗体2を認識する標識化抗体を添加して、抗体1または抗体2と標識化抗体とを反応させる工程、および、
(b6)抗体1または抗体2と標識化抗体との反応により形成された抗体複合体を検出する工程、を含み、
下記の表1に示すように、上記(b3)工程および(b4)工程においてそれぞれ、血清検体と抗体1とを添加した際における検出値[A]、血清検体と抗体2とを添加した際における検出値[B]、血清非含有液と抗体1とを添加した際における検出値[C]、血清非含有液と抗体2とを添加した際における検出値[D]を求め、これらの検出値を下記式に代入することによって抗体結合阻害%を算出すればよい。
抗体結合阻害%=100−[{(A−B)/(C−D)}×100]
<抗体の作製>
2H4抗体
以下の方法により、WNV−NS1に対する抗WNV−NS1モノクローナル抗体(MAb)2H4を作製した。なお、2H4は、本発明の鑑別に使用され、WNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体の一例である。
使用した抗原は、WNVのEg101株(Complete genome:GenbankアクセッションNo.AF260968)由来の精製WNV−NS1である。
作製方法は、以下のとおりである。
ステップ1: WNVのEg101株をVero細胞に感染させ、感染培養液を回収。
ステップ2: WNV感染培養液を下記6H4抗体を用いて免疫沈降し、精製WNV−NS1を得る。
ステップ3: 精製WNV−NS1をマウスに免疫。
ステップ4: ケーラーとミルスタインの方法に従い、モノクローナル抗体2H4を産生するハイブリドーマ(受領番号FERM AP-21013のWN−2H4細胞)を作製。
文献(J Clin Microbiol 42: 5087-5093, 2004)に記載の、JEV−NS1に対するモノクローナル抗体2D5(抗JEV−NS1 MAb)を使用した。
以下の方法により、JEV−NS1に対するモノクローナル抗体であり且つWNV−NS1に交差反応性を示す6H4を作製した。
使用した抗原は、JEVの中山株(GenbankアクセッションNo.M16574)由来の精製JEV−NS1である。
作製方法は、以下のとおりである。
ステップ1: JEVの中山株をVero細胞に感染させ、感染培養液を回収。
ステップ2: JEV感染培養液を上記2D5抗体を用いて免疫沈降し、精製JEV−NS1を得る。
ステップ3: 精製JEV−NS1をマウスに免疫。
ステップ4: ケーラーとミルスタインの方法に従い、モノクローナル抗体を作製。
ステップ1: WNVのEg101株をVero細胞に感染させ、感染培養液を回収。
ステップ2: WNV感染培養液を0.1%トリトンX-100処理の後、6H4を用いて免疫沈降によりWNV−NS1を精製。
ステップ3: 精製WNV−NS1をウサギに3回免疫。
ステップ4: 抗体価が十分に上昇した時点で、ウサギから採血し、血清を分離。
Vero細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)添加イーグル最少必須培地(MEM)で培養した。NS1発現細胞(2G2細胞)とNS1/NS2A発現細胞(2G12細胞)は、0.1mM非不可欠アミノ酸および400μg/mlアミノグリコシド系抗生物質(商品名G418)を含有する10%FBS添加MEMを用いて、選択的に培養を行った。いずれの細胞も培養温度は37℃とした。2G12細胞から得られた培養液は、血液検体に含まれる抗WNV−NS1抗体を測定対象とするELISA(抗WNV−NS1抗体測定ELISA)において、抗原検体として使用した。
ステップ1: WNVのEg101株をVero細胞に感染させ、WNV感染培養液を回収。
ステップ2: WNV感染培養液からWNVのRNAを抽出。
ステップ3: RT−PCRにより、cDNAを作製。
ステップ4: PCRにより目的配列部分を増幅。
ステップ5: WNVの目的配列とベクターにより、プラスミドを作製。
ステップ6: CHO細胞にプラスミドをトランスフェクションし、薬剤選択及び限界希釈法により、NS1及びNS1/NS2A連続発現細胞株を作製。
Vero細胞に、JEV中山株またはWNV Eg101株を接種して1時間吸着させた後、0.075%ウシ血清アルブミン(BSA)添加MEMで24〜72時間培養した(以下、それぞれ「JEV感染細胞」、「WNV感染細胞」という)。これらの培養液は、WNV−NS1抗原を測定対象とするELISA(WNV−NS1抗原測定ELISA)において、抗原検体として使用した。
WNV−NS1抗原測定ELISA
北海道日高地方の日本脳炎ワクチン未接種1歳馬の血清30検体およびプール血清を使用した。
抗WNV−NS1抗体測定ELISA
抗WNV−NS1抗体陰性の検体として、抗JEV−NS1抗体陰性の初乳未摂取馬の血清8検体、北海道日高地方の日本脳炎ワクチン未接種1歳馬の血清20検体、北海道日高地方の日本脳炎ワクチン接種1歳馬の血清20検体、文献(J Clin Microbiol 42: 5087-5093, 2004)に記載のELISA値が0.122以下であるウマ血清20検体および抗JEV−NS1抗体陽性の自然感染馬の血清35検体を使用した。他方、抗WNV−NS1抗体陽性の検体として、WNV実験感染馬の血清2検体を使用した。これらの血清は日本中央競馬会競走馬総合研究所から分与された。
WNV−NS1抗原測定ELISA
まず、文献(Vaccine 21: 3713-3720, 2003)記載の方法に準じ、96穴マイクロプレートをウサギ抗WNV−NS1過剰免疫血清で感作することにより、WNV−NS1を認識する抗体(抗体A)をウェルに固相化した。
一方、WNV感染培養液とウマ血清とを混合したWNV感染モデル血清、または、JEV感染培養液とウマ血清とを混合したJEV感染モデル血清を、0.05%Tween20(商品名)と1%BSAとを含有するリン酸緩衝生理食塩水(以下、「ELISA希釈液」という。)で2倍に希釈した。この血清希釈液を前記ウェルに添加して、37℃で1時間反応させた。続いて、前記ウェルに、2H4抗体およびアルカリホスファターゼ(AP)標識抗マウスIgG抗体(標識化抗体)を順次加えて、それぞれ37℃で1時間反応させた後、基質液(0.1%パラニトロフェニルリン酸液)を加えて反応させ、その後415nmの吸光度を測定した。また、非特異反応の影響を除外するため、並行して、2H4に代えて、所定の割合(抗体1:ELISA希釈液=1:123)に希釈した精製IgG1(BETHYL社、以下同様)を使用した以外は、同様にして反応ならびに吸光度測定を行い、2H4による吸光度と精製IgG1による吸光度との差を特異的反応とした。
前述と同様に、96穴マイクロプレートをウサギ抗WNV−NS1過剰免疫血清で感作することにより、WNV−NS1を認識する抗体(抗体A)をウェルに固相化した。
一方、NS1/NS2A発現細胞(2G12細胞)を前述の方法で培養し、この培養液に含まれるNS1抗原量が100ng/mlとなるようにELISA希釈液で希釈し、この希釈培養液を前記ウェルに添加して、37℃で1時間反応させた。
そして、ウマ血清とELISA希釈液とを体積比1:5で混合し、この血清希釈液(または血清を含まないELISA希釈液)を前記ウェルに加えて37℃で1時間反応させた後は、前述のWNV−NS1抗原測定ELISAと同様にして、順次、2H4(または精製IgG1)、AP標識抗マウスIgG抗体、基質液を加えて反応させ、415nmの吸光度を測定した。このように反応系として、ウマ血清検体と2H4を添加した系、ウマ血清検体と精製IgG1を添加した系、ELISA希釈液と2H4を添加した系、ELISA希釈液と精製IgG1を添加した系のそれぞれについて吸光度を測定した。そして、これらの結果を下記式に代入してモノクローナル抗体(MAb)結合阻害%を求めた。MAb結合阻害%は、その値が大きい程、ウマ血清検体に含まれる抗WNV−NS1抗体の含有量が大きいと判断できる。
MAb結合阻害%=100−[{(A−B)/(C−D)}×100]
A:ウマ血清と2H4を添加した系の吸光度
B:ウマ血清とIgG1を添加した系の吸光度
C:ELISA希釈液と2H4を添加した系の吸光度
D:ELISA希釈液とIgG1を添加した系の吸光度
培養液中の抗原(NS1抗原)を精製するために、プロテインAアガロースビーズ(Invitrogen社)を用いて免疫沈降を行い、サンプルバッファー(0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH8.6)、2%ドデシル硫酸ナトリウム、2mMエチレンジアミンテトラ酢酸、15%グリセロール、0.01%ブロムフェノールブルー)で溶出した。前記2D5(抗JEV−NS1 MAb)、6H4(WNV−NS1に交差反応性を持つ抗JEV−NS1 MAb)、2H4を用いてJEV感染培養液およびWNV感染培養液を免疫沈降した。2G12細胞培養液は2H4および6H4を用いて免疫沈降を行った。
免疫沈降において沈降させたタンパク質(NS1抗原)を100℃で2分加熱し、8.0%ポリアクリルアミドゲルを用いて150Vで70分電気泳動し、Silver Staining Kit(商品名、Pharmacia Biotech社)を用いて銀染色を行った。
吸光度およびMAb結合阻害%の比較は、スチューデントのt検定により行った。
(1)2H4抗体の性質解析
(1−1)ELISAによる各種抗体の性質解析
抗原に対する2H4抗体(抗WNV−NS1 MAb)ほか各種抗体の反応性(特異性)を解析した。具体的には、ウサギ抗WNV−NS1過剰免疫血清を96穴プレートに感作し、WNV感染培養液100ng/mlを反応させた後、ELISA希釈液で希釈した各種抗体(1:10から1:107)を反応させた。その後、標識抗体とパラニトルフェニルリン酸を順次反応させ、吸光度を測定した。同様に、ウサギ抗JEV−NS1過剰免疫血清とJEV感染培養液を用いて各種抗体の性質を解析した。
さらに、2H4がWNV-NS1に特異的に反応することを確認するために、前記方法により感染培養液を免疫沈降し、電気泳動に供した後、銀染色による検出を行った。
効率的にWNV−NS1を検出するために、および血清成分によるWNV−NS1検出阻害を避けるため、WNV−NS1抗原測定ELISAに供する血清検体について、その血清希釈度を検討した。ここで、血清希釈度とは、ウェル等に添加する血清検体における血清の希釈度であり、血清(E)と血清検体全量(F)との体積比(E:F)で表される。本実施例では、血清希釈度は「ウマ血清:(ウマ血清+感染培養液+ELISA希釈液)」となる。
WNV−NS1抗原測定ELISAにおいて、検出対象であるWNV−NS1抗原の検出限界を検討した。
(2−1)発現細胞における抗原分泌の確認
抗WNV−NS1抗体測定ELISAにおいては、前述のように、ウサギ抗WNV−NS1過剰免疫血清を感作(固相化)したマイクロプレートに、NS1/NS2A発現細胞(2G12細胞)の培養液を反応させた。この2G12細胞からのWNV−NS1分泌を確かめるために、培養液を2H4を用いて免疫沈降し、銀染色で検出した。
ウサギ抗WNV−NS1過剰免疫血清を感作した前記マイクロプレートに反応させるNS1抗原について、その至適濃度を決定した。
抗WNV−NS1抗体測定ELISAに供する測定対象血清について、その至適血清希釈度を次のように決定した。
抗WNV−NS1抗体陽性血清によるMAb結合阻害%と抗JEV−NS1抗体陽性血清によるMAb結合阻害%の差が大きかった1:2から1:10までの血清希釈度は、MAb結合阻害を詳しく調べるために抗WNV−NS1抗体陽性血清を6回、抗JEV−NS1抗体陽性血清を35検体測定し、平均値と標準偏差(SD)を求めた。血清希釈度1:20から1:1000では、抗WNV−NS1抗体陽性血清を3回、抗JEV−NS1抗体陽性血清を3検体測定し、平均値と標準偏差を求めた。これらの結果を表3に示す。
抗WNV−NS1抗体陽性と判断するためのボーダーラインを決定した。
WNVを感染させたWNV実験感染馬(2検体)について、感染後、所定の期間(0日、4日、7日、10日、12日、14日、18日、21日、25日、28日、35日)における血清を採取し、至適条件下、抗WNV−NS1抗体測定ELISAを行ってMAb結合阻害%を求めた。これらの結果を表4に示す。
Claims (13)
- ウエストナイルウイルス(WNV)のタンパク質を特異的に認識し、かつ、日本脳炎ウイルス(JEV)のタンパク質とは交差反応しない抗体を用いて、WNV感染を鑑別する方法。
- ウエストナイルウイルス(WNV)感染の鑑別方法であって、
WNVの非構造タンパク質の1つであるWNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体を用いて、血清検体に含まれるWNV−NS1、および、血清検体に含まれる抗WNV−NS1抗体の少なくとも一方を測定することを特徴とする鑑別方法。 - ウエストナイルウイルス(WNV)感染と日本脳炎ウイルス(JEV)感染とを鑑別する、請求項1又は2記載の鑑別方法。
- 鑑別に使用する抗WNV−NS1抗体は、WNV−NS1と結合し、JEVの非構造タンパク質JEV−NS1とは実質的に結合しないモノクローナル抗体である、請求項3記載の鑑別方法。
- 血清検体が、ウマまたはヒト、その他の哺乳類もしくは鳥類など動物由来の血清検体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鑑別方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の鑑別方法を用いて、ウエストナイル脳炎などのWNV感染症に罹患しているかどうかを判定する方法。
- 血清検体に含まれるWNV−NS1を測定する方法が、
(a1)WNV−NS1を認識する抗体Aを固相化する工程、
(a2)血清検体を添加して、これに含まれるWNV−NS1と抗体Aとを反応させる工程、
(a3)WNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体を添加して、抗体Aに結合したWNV−NS1と抗WNV−NS1抗体とを反応させる工程、
(a4)抗WNV−NS1抗体を認識する標識化抗体を添加して、抗WNV−NS1抗体と標識化抗体とを反応させる工程、および
(a5)抗WNV−NS1抗体と標識化抗体との反応により形成された抗体複合体を検出することにより、血清検体に含まれるWNV−NS1を測定する工程
を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 血清検体に含まれる抗WNV−NS1抗体の測定が、当該抗WNV−NS1抗体によって、鑑別に使用する抗WNV−NS1抗体とWNV−NS1との結合が阻害される割合(抗体結合阻害%)を算出する工程を含み、
抗体結合阻害%の算出方法が、
(b1)WNV−NS1を認識する抗体Aを固相化する工程、
(b2)WNV−NS1含有液を添加して、当該WNV−NS1抗原と抗体Aとを反応させる工程、
(b3)血清検体、または血清を含まない液(血清非含有液)を添加して、反応させる工程、
(b4)WNV−NS1を特異的に認識する抗WNV−NS1抗体(抗体1)、または、WNV−NS1を認識しない抗体(抗体2)を添加して、反応させる工程、
(b5)抗体1および抗体2を認識する標識化抗体を添加して、抗体1または抗体2と標識化抗体とを反応させる工程、および、
(b6)抗体1または抗体2と標識化抗体との反応により形成された抗体複合体を検出する工程、を含み、
上記(b3)工程および(b4)工程においてそれぞれ、血清検体と抗体1とを添加した際における検出値[A]、血清検体と抗体2とを添加した際における検出値[B]、血清非含有液と抗体1とを添加した際における検出値[C]、血清非含有液と抗体2とを添加した際における検出値[D]を求め、これらの検出値を下記式に代入することによって抗体結合阻害%を算出する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
抗体結合阻害%=100−[{(A−B)/(C−D)}×100] - 抗体結合阻害%が予め定めた基準値以上のときに、血清検体に含まれる抗WNV−NS1抗体について陽性と判定する、請求項8記載の方法。
- 受領番号がFERM AP-21013であるハイブリドーマ(WN−2H4細胞)により産生されるモノクローナル抗体2H4を用いて鑑別を行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 受領番号がFERM AP-21013であるハイブリドーマ(WN−2H4細胞)により産生される、モノクローナル抗体。
- 受領番号がFERM AP-21013であるハイブリドーマ(WN−2H4細胞)。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法によって、WNV感染を鑑別するための鑑別用試薬キット。
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