JP2008057627A - 自動グリース供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストン駆動手段を確実に動作させると共に、ピストンの移動量を小さくして極少量のグリースを長期に亘り安定して供給できるようにする。
【解決手段】 ピストン24の雌ねじ24Aに雄ねじ27Bが螺合した回転軸27と、この回転軸27からシリンダ22の内面22Cに向けて延びた腕部材28とによりピストン駆動部26を構成する。また、腕部材28は、シリンダ22の熱膨張率よりも大きな熱膨張率をもった材料により形成する。従って、シリンダ22の周囲が温度上昇したときには、熱膨張した腕部材28がシリンダ22の内面22Cを押圧して回転軸27を回転し、この回転軸27の雄ねじ27Bが周方向の変位をねじ運動によって僅かな軸方向の変位に切換える。これにより、シリンダ22内に充填されたグリースを極少量ずつ長期に亘り安定して供給することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スクロール式流体機械またはその他の機械類の摺動部にグリースを供給するのに用いて好適な自動グリース供給装置に関する。
一般に、車両、工作機械、電動機、電動工具等の機械類では、可動部材が摺接する摺動部に軸受等を用いると共に、該軸受内に円滑な動作を保持するためのグリースを充填している。しかし、充填したグリースは、可動部材が摺動変位するときに軸受内から徐々に漏洩してしまう。このため、これらの機械類ではグリースが枯渇する前にメンテナンスを行い、グリースを軸受内に供給しなくてはならない。
また、スクロール式圧縮機は、ケーシングと、該ケーシングに一体的に設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ前記ケーシング内に延びる先端側がクランクとなった駆動軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールとからなるものが知られている。
このスクロール式圧縮機は、固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間に画成される各圧縮室内の圧力が高くなるから、この圧力により旋回スクロールがスラスト方向に押圧される。
そこで、スクロール式圧縮機には、スラスト方向の押圧力(スラスト荷重)を支持するスラスト軸受が設けられ、該スラスト軸受の摺動部には潤滑用のグリースを封入している。また、スクロール式圧縮機には、スラスト軸受の摺動部に対してグリースを自動供給することができる自動グリース供給装置を備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平10−132193号公報
ここで、自動グリース供給装置は、内部にグリースが充填されると共にグリース用の給脂口を有したシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられ該シリンダ内のグリースを前記給脂口から吐出させるピストンと、該ピストンを前記給脂口の方向に徐々に摺動変位させる駆動部材とにより大略構成されている。
そして、駆動部材は、シリンダ内に軸方向に離間して設けられ給脂口の方向に変位可能となり逆方向の変位が規制された2個の爪部と、該各爪部を互いに連結しシリンダ周囲の温度変化に応じて熱膨張、熱収縮を繰返すことにより該各爪部をシリンダ内で選択的に摺動変位させる軸部とにより構成されている。
これにより、駆動部材は、スクロール式圧縮機を運転、停止したときに生じる温度変化を利用し、駆動部材の軸部を熱膨張、熱収縮することにより、各爪部を給脂口に向け軸方向に移動してピストンを押動する。これにより、自動グリース供給装置は、シリンダ内のグリースを給脂口から吐出し、スラスト軸受の摺動部にグリースを自動供給することができる。
ところで、上述した従来技術による自動グリース供給装置は、駆動部材をシリンダ内で軸方向に移動させることにより、ピストンを押動して給脂口からグリースを吐出させる構成としている。この構造では、駆動部材の移動距離がそのままピストンの移動距離となるから、長期に亘って極少量ずつグリースを供給する場合には、熱膨張、熱収縮する軸部を短くしたり、軸部とシリンダとの熱膨張率を近付けたりして軸部の伸縮寸法を小さく設定しなくてはならない。
しかし、軸部を短くしたり、軸部とシリンダとの熱膨張率を近付けて軸部の伸縮寸法を小さくした場合には、駆動部材によりピストンを押動することができなくなる虞がある。
また、グリースの供給量を少なくする手段としては、シリンダを細長くしてピストンと駆動部材を小径にすることも考えられる。しかし、この構成では、自動グリース供給装置の全体が長尺になるから、大きな取付スペースが必要になるという問題がある。
さらに、駆動部材の各爪部は、常時シリンダの内面に密着しているため、圧縮機の運転、停止以外の小さな温度変化、例えば気温の変化でもピストンを押動してしまうから、グリースが無駄に供給されるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ピストン駆動手段を大きく確実に動作させた場合でも、ピストンの移動量を小さくして極少量のグリースを長期に亘り安定して供給できるようにした自動グリース供給装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、グリースの供給が必要になる大きな温度変化を生じたときにだけピストン駆動手段を動作させることにとり、無駄な給脂を抑えることができるようにした自動グリース供給装置を提供することにある。
本発明の自動グリース供給装置は、内部にグリースが充填され該グリース用の給脂口を有したシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられ該シリンダ内のグリースを前記給脂口から吐出させるピストンと、前記シリンダ周囲の温度変化による熱膨張と熱収縮を利用して前記給脂口の方向に該ピストンを徐々に摺動変位させるピストン駆動手段とを備えてなる。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ピストン駆動手段は、前記シリンダ内に軸方向に延びて設けられ回転することにより前記ピストンをねじ運動によって軸方向に押動する回転軸と、該回転軸から前記シリンダ内面に向けて延び前記シリンダ周囲の温度変化に応じて前記シリンダに対して相対的に膨張と収縮する腕部材とからなり、前記腕部材は、前記シリンダに対して相対的に膨張したときに前記シリンダの内面を押して前記回転軸を回転駆動し、前記シリンダに対して相対的に収縮したときに前記回転軸の回転を規制した状態で前記シリンダの内面から離れる方向に変位して自由位置に復帰する構成としたことにある。
請求項2の発明によると、前記腕部材は、基端部が前記回転軸に対し回転中心から偏心した位置に取付けられると共に先端部が前記シリンダの内面に接触可能に配置され、前記腕部材は、前記シリンダに対して相対的に膨張したときに先端部が前記シリンダ内面を押して前記回転軸に回転モーメントを発生し、前記シリンダに対して相対的に収縮したときに前記回転軸の回転を規制した状態で先端部が前記シリンダの内面から離れる方向に変位して自由位置に復帰する構成としている。
請求項3の発明によると、前記腕部材は、前記シリンダと熱膨張率の異なる材料により形成している。
請求項4の発明によると、前記腕部材は、前記シリンダ周囲の温度変化に応じて撓み変形するバイメタルにより形成している。
請求項5の発明によると、前記回転軸の周囲には、該回転軸に摩擦力を付与して逆回転を規制する摩擦部材を設ける構成としている。
請求項1の発明によれば、シリンダ周囲の温度が変化したときには、シリンダとピストン駆動手段の腕部材とが相対的に膨張と収縮を生じる。例えばシリンダよりも腕部材が大きく膨張する場合には、熱膨張するときに該腕部材の先端部がシリンダ内面を押す。また、腕部材よりもシリンダが大きく膨張する場合には、シリンダが熱収縮するときに腕部材の先端部が該シリンダ内面を押す。このように腕部材は、シリンダに対して相対的に膨張、収縮することにより、シリンダ内面を押し、その反力で回転軸を回転することができる。
一方、腕部材がシリンダに対して相対的に収縮した場合、回転させた回転軸が戻らないように該回転軸の逆回転を規制しつつ、腕部材は、前記シリンダの内面から離れる方向に変位し、その先端部は、新たに回転した位置を基準とする自由位置に復帰することができる。これにより、相対的な膨張と収縮を繰返すことによりピストン駆動手段の回転軸を確実に回転駆動することができる。
そして、回転軸は、腕部材により回転駆動されることにより、この回転動作をねじ運動によって軸方向の変位に変換することができる。これにより、ピストン駆動手段は、ピストンを給脂口の方向に押動することができ、シリンダ内のグリースを給脂口から吐出することができる。
従って、腕部材が確実に動作するように、熱膨張、熱収縮による動作量を大きくした場合でも、回転軸は回転を軸方向の変位に切換えるねじ運動により軸方向の変位を減速することができ、該回転軸によりピストンを僅かずつ確実に押動することができる。
この結果、シリンダ周囲の温度変化を利用してピストン駆動手段を確実に動作することができ、しかも、ピストンを小さな移動量で確実に押動することができるから、極少量のグリースを長期に亘り安定して供給することができ、メンテナンスサイクルの期間を延長することができる。
また、ピストンを押動する動力源として腕部材による回転力を用いているから、この動力源は、ピストンの移動ストロークとは関係なくコンパクトに形成することができる。これにより、取付スペースを小さくでき、様々な機械類に取付けることができる。
しかも、シリンダ内面と腕部材との間に予め隙間を設けることにより、機械の運転、停止以外の小さな温度変化、例えば気温の変化では、ピストンを押動しないようにすることができる。従って、グリースの供給が必要になる大きな温度変化を生じたときにだけピストン駆動手段を動作させることができ、無駄なグリースの供給を抑えることができる。これによってもグリースを長期に亘り安定して供給することができる。
請求項2の発明によれば、腕部材は、回転軸に対し回転中心から偏心した位置に配設しているから、腕部材の先端部がシリンダ内面を押したときには、径方向の押圧力を回転軸に回転モーメントとして伝えることができる。これにより、腕部材により回転軸を確実に回転することができる。一方、腕部材の先端部がシリンダ内面から離れる方向に変位したときには、回転軸の逆回転を規制した状態で、その先端部を自由位置に復帰させることができる。
請求項3の発明によれば、腕部材は、シリンダと熱膨張率の異なる材料により形成している。この場合、例えばシリンダの熱膨張率よりも腕部材の熱膨張率が大きい場合には、腕部材が熱膨張するときに、その先端部でシリンダ内面を押して回転軸を回転駆動することができる。一方、腕部材が熱収縮したときには、その先端部をシリンダ内面から離間して自由位置に復帰させることができる。
また、腕部材の熱膨張率よりもシリンダの熱膨張率が大きい場合には、シリンダが熱膨張し、その後に熱収縮するときに、腕部材の先端部をシリンダ内面で押して回転軸を回転駆動することができる。一方、シリンダが熱膨張したときには、腕部材の先端部がシリンダ内面から離間するから、自由位置に復帰させることができる。
請求項4の発明によれば、腕部材は、シリンダ周囲の温度変化に応じて撓み変形するバイメタルにより形成しているから、腕部材が熱膨張するときに、その先端部でシリンダ内面を押圧して回転軸を回転駆動することができる。一方、腕部材が熱収縮したときには、シリンダ内面から離間して自由位置に戻ることができる。
請求項5の発明によれば、回転軸の周囲には、該回転軸に摩擦力を付与して逆回転を規制する摩擦部材を設けているから、腕部材が自由位置に戻るときに、回転軸が逆回転するのを規制でき、グリースの逆流や空気の吸込による動作不良を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態による自動グリース供給装置を無給油式のスクロール式圧縮機に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は空気等の流体を圧縮するスクロール式圧縮機を示している。このスクロール式圧縮機1は、後述のケーシング2、固定スクロール3、旋回スクロール6、駆動軸8、自転防止機構10、自動グリース供給装置21により大略構成されている。
2はスクロール式圧縮機1の外枠を形成するケーシングで、該ケーシング2は、軸方向の一側がほぼ閉塞され、他側が開口した段付筒状体として形成されている。また、ケーシング2は、大径筒部2Aと、該大径筒部2Aよりも小径な筒状に形成され該大径筒部2Aの軸方向の一側から外側に向けて突出した小径な軸受筒部2Bと、該軸受筒部2Bと前記大径筒部2Aとの間に形成された環状部2Cとにより大略構成されている。
また、ケーシング2には、環状部2Cの外径側に位置して他側に向け開口したハウジング収容穴2Dが形成され、該ハウジング収容穴2Dは、周方向に複数個所、例えば3箇所に配置されている。このハウジング収容穴2Dは、後述する自転防止機構10のケーシング側ハウジング11を収容するものである。
3はケーシング2の他側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール3は、ケーシング2の大径筒部2Aを軸方向他側から閉塞するように該大径筒部2Aの開口端に固定されている。また、固定スクロール3は、軸線O−Oを中心としてほぼ円板状に形成された鏡板3Aと、該鏡板3Aの表面に軸方向に立設された渦巻状のラップ部3Bと、該ラップ部3Bを取囲んで鏡板3Aの外径側に設けられた筒部3Cと、鏡板3Aの背面に突設された複数の冷却フィン3Dとによって大略構成されている。
4は固定スクロール3に設けられた例えば2個の吸込口で、該各吸込口4は、鏡板3Aの外径側から筒部3Cにかけて開口し、後述する外径側の圧縮室7に連通している。そして、吸込口4は、吸込フィルタ4Aを通じて外径側の圧縮室7内に空気を流通させるものである。
5は固定スクロール3の鏡板3Aの内径側(中心側)に設けられた吐出口で、該吐出口5は、最内径側の圧縮室7に連通し、この圧縮室7内の圧縮空気を吐出パイプ5Aから外部に吐出させるものである。
6は固定スクロール3と対向してケーシング2の大径筒部2A内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示している。この旋回スクロール6は、固定スクロール3の鏡板3Aと対向して配置されたほぼ円板状の鏡板6Aと、該鏡板6Aの表面に立設された渦巻状のラップ部6Bと、鏡板6Aの背面に突設された複数の冷却フィン6Cと、該冷却フィン6Cの先端側に位置して固定された背面プレート6Dとによって大略構成されている。
また、背面プレート6Dの中央側には、後述する駆動軸8のクランク8Aと回転可能に連結される筒状のボス部6Eが一体形成されている。さらに、背面プレート6Dの外径側には、ハウジング収容穴6Fが一側に向け開口して形成されている。このハウジング収容穴6Fは、前述したケーシング2のハウジング収容穴2Dに対応して周方向の3箇所に配置されている。そして、ハウジング収容穴6Fは、後述する自転防止機構10のスクロール側ハウジング13を収容するものである。
7は固定スクロール3と旋回スクロール6との間に設けられた複数の圧縮室である。これらの圧縮室7は、ラップ部3B,6B間に位置して外径側から内径側に亘って順次画成されている。そして、各圧縮室7は、旋回スクロール6が旋回運動するときに、ラップ部3B,6Bの外径側から内径側に向けて移動しつつ、これらの間で連続的に縮小される。
これにより、各圧縮室7のうち最外径側の圧縮室7には、吸込口4から空気が吸込まれ、この空気は最内径側の圧縮室7に達するまでに圧縮されて圧縮空気となる。そして、この圧縮空気は吐出口5から吐出され、外部の空気タンク(図示せず)等に貯えられる。
8はケーシング2の軸受筒部2Bに軸受9A,9Bを介して回転可能に設けられた駆動軸である。この駆動軸8は、モータ(図示せず)によって駆動されることにより、軸線O−Oを中心として回転し、旋回スクロール6を旋回動作させるものである。
ここで、駆動軸8の他端側には、軸線O−Oに対して一定の寸法だけ径方向に偏心したクランク8Aが設けられ、このクランク8Aは、旋回軸受9Cを介して旋回スクロール6の背面プレート6Dに設けられたボス部6Eに回転可能に連結されている。また、駆動軸8の一端側は、ケーシング2の外部に突出し、モータの出力側にベルト(図示せず)等を介して接続される。
10は自転防止機構を示している。この自転防止機構10は、ケーシング2の環状部2Cと旋回スクロール6の背面プレート6Dとの間に設けられている。また、自転防止機構10は、旋回スクロール6が自転するのを防止すると共に、旋回スクロール6に作用するスラスト荷重を支持するものである。これらの機能をバランスよく発揮するために、自転防止機構10は周方向の複数個所、例えば3箇所(1箇所のみ図示)に配設されている。そして、自転防止機構10は、図2に示す如く、後述するハウジング11,13、ボール受12,14、ボール15等からなるボールカップリングとして構成されている。
11はケーシング2のハウジング収容穴2D内に収容されたケーシング側ハウジングである。このハウジング11は、ほぼ円筒状に形成され、ハウジング収容穴2Dに収容されている。また、ケーシング側ハウジング11の一側には、後述の自動グリース供給装置21を収容する供給装置収容部11Aが形成されている。一方、ハウジング11の他側には、後述のボール受12を収容するためのボール受収容部11Bが形成されている。さらに、供給装置収容部11Aとボール受収容部11Bとの間には、給脂通路11Cがボール受12を貫通して形成されている。
12はケーシング側ハウジング11の他側に設けられたボール受で、該ボール受12は、ボール受収容部11Bの奥部に嵌合状態で収容されている。また、ボール受12の他側面には、ボール15を案内する円環状のガイド溝12Aが凹設されている。
13は旋回スクロール6のハウジング収容穴6F内にケーシング側ハウジング11と対向して収容されたスクロール側ハウジングである。このハウジング13は、ケーシング側ハウジング11と同様に、ほぼ円筒状に形成され、供給装置収容部13A、ボール受収容部13B、給脂通路13Cが形成されている。
14はスクロール側ハウジング13のボール受収容部13Bに収容されたボール受である。このボール受14には、ケーシング側ハウジング11のボール受12と同様に、円環状のガイド溝14Aが凹設されている。
15は2つのボール受12,14間に転動可能に挟持されたボールで、該ボール15は、鋼材等を用いて形成され、ボール受12,14のガイド溝12A,14Aに沿って転動する。
そして、このように構成された自転防止機構10は、ボール15をボール受12,14のガイド溝12A,14Aに沿って転動することにより、旋回スクロール6が自転するのを防止しつつ、旋回動作させることができる。また、運転時に旋回スクロール6に作用するスラスト荷重を支持することができる。
ここで、ボール15をボール受12,14のガイド溝12A,14Aで転動する場合には、この摺動部位の円滑な動作を保持するために、グリースGを供給する必要がある。このグリースGは、組立時に充填しても徐々に漏れ出てしまうから、ボール15の周囲に定期的に供給する必要がある。そこで、スクロール式圧縮機1には、ボール15の周囲にグリースGを自動で供給することができる後述の自動グリース供給装置21を設けている。
21は第1の実施の形態による自動グリース供給装置を示している。この自動グリース供給装置21は、ケーシング側ハウジング11の供給装置収容部11Aとスクロール側ハウジング13の供給装置収容部13Aにそれぞれ収容されている。そして、自動グリース供給装置21は、ボール15の周囲にグリースGを自動で極少量ずつ供給するもので、図3に示す如く、後述のシリンダ22、ピストン24、摩擦部材25、回転軸27、腕部材28により大略構成されている。
22は自動グリース供給装置21の外枠をなすシリンダである。このシリンダ22は、後述する腕部材28よりも熱膨張率が小さな金属材料、樹脂材料、セラミックス材料等を用いて形成されている。また、シリンダ22は、有底筒状体をなし、ボール15側となる他側が底板22Aによって閉塞され、その中心にはグリースGを吐出する給脂口22Bが突設されている。
また、シリンダ22内には、給脂口22B側(他側)にグリースGが充填されている。そして、シリンダ22の内面22Cには、後述のピストン24が軸方向に摺動し、腕部材28の先端部が当接する。一方、シリンダ22の一側には、蓋体23が取付けられている。
24はシリンダ22内に軸方向に摺動可能に挿嵌された円板状のピストンで、該ピストン24は、シリンダ22内のグリースGを給脂口22Bから吐出させるものである。また、ピストン24の中心部には、後述する回転軸27の雄ねじ27Bが螺合する雌ねじ24Aが形成されている。一方、ピストン24の外周側には、シリンダ22の内面22Cと液密に摺接するシールリング24Bが設けられている。ここで、シールリング24Bは、回転軸27が回転したときにピストン24が一緒に回転せず、軸方向にだけ移動するように所定の抵抗力をもってシリンダ22の内面22Cに接している。
また、25はピストン24の中央側に設けられた円筒状の摩擦部材で、該摩擦部材25の内周側は、雌ねじ24Aに続く雌ねじとなっている。そして、摩擦部材25は、回転軸27に回転抵抗を与えるもので、例えばゴム材料、樹脂材料等により形成されている。詳しくは、摩擦部材25による抵抗力は、後述する腕部材28が熱膨張(伸長)したときに発生する回転モーメントでは回転軸27の回転を許し、腕部材28が熱収縮(縮小)しながらシリンダ22の内面22Cに接触して生じる小さな回転モーメントでは回転軸27の回転を規制できる程度に設定されている。また、摩擦部材25は、グリースGが腕部材28側に漏れ出さないようにするシール部材を兼ねている。
26は自動グリース供給装置21のピストン駆動手段としてのピストン駆動部を示している。このピストン駆動部26は、シリンダ22の周囲の温度変化による熱膨張と熱収縮を利用し、シリンダ22内を給脂口22Bに向けピストン24を徐々に摺動変位させるものである。そして、ピストン駆動部26は、前述したピストン24の雌ねじ24Aと、後述の回転軸27、腕部材28とにより大略構成されている。
27はシリンダ22内の軸中心に設けられた回転軸である。この回転軸27は、回転駆動されたときにねじ運動によってピストン24を軸方向(図3中の矢示A方向)に押動するもので、ピストン24の中心部に螺合している。そして、回転軸27は、その一端部27Aが蓋体23に当接することにより、軸方向一側への移動が規制されている。また、回転軸27の外周には、一端部27Aを除き、右ねじからなる雄ねじ27Bが刻設され、該雄ねじ27Bはピストン24の雌ねじ24Aに螺合している。
ここで、雄ねじ27Bを右ねじとして形成しているから、回転軸27は、反時計回り(図4中の矢示B方向)に回転されることにより、この回転力をねじ運動により軸方向の移動力に変換し、ピストン24を給脂口22Bに向け矢示A方向に押動することができる。また、回転軸27は、雄ねじ27Bのねじ山のピッチを適宜に変更することにより、1回転したときの軸方向の移動距離を自由に設定できるから、グリースGの吐出量を必要量に応じて容易に変更することができる。
28は蓋体23とピストン24との間に位置して回転軸27の一端部27Aに設けられた腕部材である。この腕部材28は、回転方向に180度ずらして2個設けられている。また、腕部材28は、シリンダ22よりも熱膨張率が大きく、弾性をもった金属材料、樹脂材料等を用いて形成されている。そして、腕部材28は、回転軸27の外周側に径方向に突出するように固着された基端側の取付部28Aと、該取付部28Aの先端から屈曲するように設けられ、シリンダ22の内面22Cに向けて延びた偏心腕部28BとによりL字状に形成されている。
ここで、偏心腕部28Bは、図4に示す如く、回転軸27の回転中心から偏心寸法eだけ偏心した位置に配設されている。従って、腕部材28は、偏心腕部28Bの先端がシリンダ22の内面22Cを押したときに、反力として伝わる径方向の押圧力を回転軸27に矢示B方向の回転モーメントとして伝えることができる。これにより、腕部材28は、シリンダ22に対して相対的に膨張することにより、回転軸27を確実に回転駆動することができる。
また、腕部材28の偏心腕部28Bの先端を、シリンダ22の内面22Cに対して予め隙間を設けて配置した場合には、給脂の必要がない気温の変化では、回転軸27を回転しないようにすることができる。従って、給脂が必要となるスクロール式圧縮機1の運転時だけグリースGを供給することができる。
このように構成された自動グリース供給装置21の給脂動作について、図3ないし図5を参照しつつ詳述する。
まず、スクロール式圧縮機1を運転すると、摺接部分の摩擦熱、圧縮室7の圧縮熱等によりシリンダ22の周囲が温度上昇し、各腕部材28の温度も高くなる。このときに、各腕部材28はシリンダ22よりも熱膨張率が大きいから、該腕部材28は、シリンダ22に対して相対的に膨張して偏心腕部28Bの先端をシリンダ22の内面22Cに当接し、該内面22Cを押す。これにより、各腕部材28は、図4中に二点鎖線で示す如く、弾性変形しつつ取付部28Aと一緒に回転軸27を矢示B方向に回転駆動する。
また、各腕部材28により回転軸27を矢示B方向に回転駆動すると、該回転軸27は、雄ねじ27Bと雌ねじ24Aとで螺合したピストン24をシリンダ22の給脂口22Bに向けて矢示A方向に僅かな距離だけ移動させる。これにより、ピストン24は、僅かな移動量に応じて極少量のグリースGを給脂口22Bから吐出させることができる。
一方、スクロール式圧縮機1の運転を停止すると、シリンダ22の周囲が温度低下し、各腕部材28の温度も低くなる。このときには、腕部材28は、シリンダ22に対して相対的に収縮して各腕部材28の偏心腕部28Bが縮小し、シリンダ22の内面22Cに対する押圧力(摩擦力)が取除かれるから、偏心腕部28Bの先端側は、図5に実線で示す如く、矢示B方向に移動して自由位置に復帰することができる。ここで、自由位置とは、偏心腕部28Bの先端側に対する負荷を取除いたときに、この先端側が弾性力(復元力)によって戻る初期の位置を示している。
そして、シリンダ22周囲の温度が上昇と下降とを繰返す度に、シリンダ22内でピストン24を矢示A方向に徐々に摺動変位させることができ、シリンダ22内のグリースGを、長期間に亘って自転防止機構10のボール15の周囲に供給することができる。
第1の実施例によるスクロール式圧縮機1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
まず、電動モータにより駆動軸8を回転させ、旋回スクロール6を旋回させると、固定スクロール3のラップ部3Bと旋回スクロール6のラップ部6Bとの間に画成された圧縮室7が連続的に縮小する。これにより、吸込口4から吸込んだ外気は、各圧縮室7で順次圧縮することにより、圧縮空気として吐出口5から吐出し、外部の空気タンク等に貯留することができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、ピストン24を駆動してグリースGを吐出させるピストン駆動部26は、シリンダ22内を軸方向に延びてピストン24の雌ねじ24Aに雄ねじ27Bが螺合した回転軸27と、該回転軸27からシリンダ22の内面22Cに向けて延びた腕部材28とにより構成し、該腕部材28は、シリンダ22の周囲の温度変化による熱膨張と熱収縮により前記シリンダ22の内面22Cを押して前記回転軸27を回転駆動する構成とした。
従って、腕部材28の熱膨張、熱収縮による動作量を大きくした場合でも、回転軸27は、回転を軸方向の変位に切換えるねじ運動により、このときの回転量に比較して軸方向の変位量を小さくすることができ、該回転軸27によりピストン24を僅かずつ確実に押動することができる。
この結果、温度変化を利用してピストン駆動部26を確実に動作することができ、しかも、ピストン24を小さな移動量で確実に押動することができるから、極少量のグリースGを長期に亘り安定して供給することができ、自転防止機構10のメンテナンスサイクルの期間を延長することができる。
また、ピストン24を押動する動力源として腕部材28による回転力を用いているから、この動力源は、ピストン24の移動ストロークとは関係なくコンパクトに形成することができる。これにより、自動グリース供給装置21の取付スペースを小さくでき、様々な機械類に取付けることができる。
一方、腕部材28の偏心腕部28Bを、シリンダ22の内面22Cと間に予め隙間を設ける寸法に設定した場合には、スクロール式圧縮機1の運転、停止以外の小さな温度変化、例えば気温の変化では、回転軸27、ピストン24が動作しないようにすることができる。従って、グリースGの供給が必要になる運転時だけピストン駆動部26を動作させることができ、無駄なグリースGの供給を抑えることができる。
また、腕部材28の偏心腕部28Bは、回転軸27の回転中心から偏心寸法eだけ偏心した位置に配設しているから、偏心腕部28Bの先端部でシリンダ22の内面22Cを押圧することにより、径方向の押圧力を回転軸27に回転モーメントとして伝えることができる。従って、腕部材28は、回転軸27を確実に回転駆動することができる。
また、腕部材28は、シリンダ22の熱膨張率よりも大きな熱膨張率をもった材料により形成しているから、腕部材28が熱膨張するときに、偏心腕部28Bの先端部でシリンダ22の内面22Cを押して回転軸27を回転駆動することができる。一方、腕部材28が熱収縮したときには、偏心腕部28Bを取付部28Aの移動に伴う新たな自由位置(初期位置)に戻すことができる。
さらに、ピストン24には、回転軸27の雄ねじ27Bに摩擦力を付与して逆回転を規制する摩擦部材25を設ける構成とした。従って、腕部材28が初期位置に戻るときに、回転軸27が逆回転するのを規制でき、グリースGの逆流や空気の吸込による動作不良を防止することができる。
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、腕部材の偏心腕部を湾曲して形成し、その先端部をシリンダの内面にほぼ直角に当接させる構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は第2の実施の形態による腕部材で、該腕部材31は、第1の実施の形態による腕部材28とほぼ同様に、シリンダ22よりも熱膨張率が大きく、弾性をもった金属材料、樹脂材料等からなり、取付部31Aと偏心腕部31Bとにより構成されている。しかし、第2の実施の形態による腕部材31は、偏心腕部31BがS字状に湾曲し、その先端部をシリンダ22の内面22Cにほぼ直角に当接させる構成としている点で、第1の実施の形態による腕部材28と相違している。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、偏心腕部31Bの先端部をシリンダ22の内面22Cに対しほぼ直角に当接させている。従って、シリンダ22の内面22Cに斜めに当接した場合に生じる滑りを防止でき、回転軸27を確実に、かつ正確に回転駆動することができる。
次に、図7は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、腕部材は、シリンダ周囲の温度変化に応じて撓み変形するバイメタルにより形成したことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は第3の実施の形態による腕部材で、該腕部材41は、回転軸27の外周側に径方向に突出するように固着された取付部41Aと、該取付部41Aの先端から屈曲するように設けられ、シリンダ22の内面22Cに向けて延びた偏心腕部41Bとにより形成されている。
ここで、偏心腕部41Bは、円弧状に湾曲して形成され、外径部41B1と内径部41B2とが異なる熱膨張率をもったバイメタルとして形成されている。このバイメタルは、外径部41B1の熱膨張率よりも内径部41B2の熱膨張率が大きくなるように構成している。これにより、シリンダ22の周囲が温度上昇したときには、内径部41B2が大きく延びて偏心腕部41Bの曲率半径を大きくするから、偏心腕部41Bの先端でシリンダ22の内面22Cを押圧して回転軸27を回転駆動することができる。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、偏心腕部41Bをバイメタルを用いて形成しているから、偏心腕部41Bを大きく伸長、縮小させることができる。
次に、図8および図9は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、腕部材をシリンダの熱膨張率よりも小さな熱膨張率をもった材料を用いて形成したことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は第4の実施の形態によるシリンダで、該シリンダ51は、第1の実施の形態によるシリンダ22とほぼ同様に円筒状に形成されている。しかし、第4の実施の形態によるシリンダ51は、後述する腕部材52の熱膨張率よりも大きな熱膨張率をもった材料を用いて形成されている点で、第1の実施の形態によるシリンダ22とは相違している。
52は第4の実施の形態による腕部材で、該腕部材52は、シリンダ51の熱膨張率よりも小さな熱膨張率をもった材料を用いて形成されている。また、腕部材52は、取付部52Aと偏心腕部52Bとからなり、該偏心腕部52Bは、その先端部がシリンダ51の内面51Cにほぼ直角に当接するようにS字状に湾曲している。
次に、図8、図9を参照しつつ第4の実施の形態によるグリースGの供給動作について説明する。
まず、運転によってシリンダ51の周囲が温度上昇すると、図8中に二点鎖線で示す如く、各腕部材52よりも大きな熱膨張率のシリンダ51が熱膨張して拡径する。これにより、腕部材52は、シリンダ51に対して相対的に収縮して、シリンダ51の内面51Cに対する腕部材52の押圧力(摩擦力)が取除かれるから、弾性変形していた偏心腕部52Bの先端側は、矢示B方向に移動して自由位置に戻ることができる。
一方、運転を停止すると、シリンダ51の周囲が温度低下し、シリンダ51が熱収縮する。このときに、各腕部材52は、シリンダ51に対して相対的に膨張し、図9に示す如く、偏心腕部52Bを弾性変形させつつシリンダ51の内面51Cを押圧するから、二点鎖線で示すように、取付部52Aと一緒に回転軸27を矢示B方向に回転駆動することができる。
また、腕部材52の偏心腕部52Bの先端部は、シリンダ51の内面51Cに対しほぼ直角に当接させることにより、偏心腕部52Bの先端部とシリンダ51の内面51Cとの滑りを防止して、回転軸27を確実に回転することができる。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、シリンダ51の熱収縮を利用して回転軸27を回転駆動することができる。また、偏心腕部52Bの先端をシリンダ51の内面51Cに直角に当接することができ、傾斜した状態で当接することによる滑りを無くし、回転軸27を確実に回転駆動することができる。
次に、図10は本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、2つのシリンダの間に中間板を設け、この中間板にピストン駆動部をなす回転軸を螺合する構成としたことにある。なお、第5の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
61は第5の実施の形態による自動グリース供給装置を示している。この自動グリース供給装置61は、底板62Aの中央に給脂口62Bが設けられた第1のシリンダ62と、該第1のシリンダ62と対向して設けられた第2のシリンダ63と、該各シリンダ62,63間に設けられ中心部に雌ねじ64Aを有する中間板64と、該中間板64の中央に取付けられた摩擦部材65と、前記第1のシリンダ62内に軸方向に摺動可能に挿嵌されたピストン66と、前記第2のシリンダ63の周囲の温度変化による熱膨張と熱収縮を利用してピストン66を徐々に摺動変位させるピストン駆動手段としてのピストン駆動部67とにより大略構成されている。
また、ピストン駆動部67は、前述した中間板64の雌ねじ64Aと、他端部68Aがピストン66の一端面に当接し該中間板64の雌ねじ64Aに雄ねじ68Bが螺合した回転軸68と、前記第2のシリンダ63内に位置して該回転軸68の他端側に設けられた腕部材69とにより構成されている。ここで、第5の実施の形態による腕部材69は、前述した各実施の形態によるものと同様に、周囲の温度変化によって第2のシリンダ63の内面63Aを押し、その反力で回転軸68を回転駆動するものである。
なお、第5の実施の形態によるピストン駆動部67は、回転軸68をピストン66に向け矢示A方向に移動させるものであるから、前述した第1の実施の形態による回転軸27とは反対に、回転軸68を時計回りに回転させる必要がある。従って、腕部材69は、第1の実施の形態による腕部材28と反対の取付形態となっている。
次に、第5の実施の形態による自動グリース供給装置61の給脂動作について詳述する。
まず、シリンダ62,63の周囲で温度変化が生じると、ピストン駆動部67は、腕部材69で第2のシリンダ63の内面63Aを押圧し、その反力で回転軸68を回転駆動する。これにより、回転軸68は、ねじ運動により螺合した中間板64に対し矢示A方向に移動してピストン66を押動することにより、第1のシリンダ62内のグリースGを給脂口62Bから吐出させることができる。
かくして、このように構成された第5の実施の形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
次に、図11は本発明の第6の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、シリンダを閉塞する蓋体を設け、この蓋体にピストン駆動部をなす回転軸を螺合する構成としたことにある。なお、第6の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
71は第6の実施の形態による自動グリース供給装置を示している。この自動グリース供給装置71は、底板72Aの中央に給脂口72Bが設けられたシリンダ72と、該シリンダ72の開口側を閉塞して設けられ中心部に雌ねじ73Aを有する蓋体73と、該蓋体73の中央に取付けられた摩擦部材74と、前記蓋体73の中央に設けられ後述の回転軸78を覆う軸カバー75と、前記シリンダ72内に軸方向に摺動可能に挿嵌されたピストン76と、前記シリンダ72の周囲の温度変化による熱膨張と熱収縮を利用してピストン76を徐々に摺動変位させるピストン駆動手段としてのピストン駆動部77とにより大略構成されている。
また、ピストン駆動部77は、前述した蓋体73の雌ねじ73Aと、他端部78Aがピストン76の一端面に当接し該蓋体73の雌ねじ73Aに雄ねじ78Bが螺合した回転軸78と、蓋体73とピストン76との間に位置して回転軸78の他端側に設けられた腕部材79とにより構成されている。ここで、第6の実施の形態による腕部材79は、前述した各実施の形態によるものと同様に、周囲の温度変化によってシリンダ72の内面72Cを押し、その反力で回転軸78を回転駆動するものである。
なお、第6の実施の形態によるピストン駆動部77は、前述した第5の実施の形態によるピストン駆動部67と同様に、回転軸78をピストン76に向け矢示A方向に移動させるものであるから、前述した第1の実施の形態による回転軸27とは反対に、回転軸78を時計回りに回転させる必要がある。従って、腕部材79は、第1の実施の形態による腕部材28と反対の取付形態となっている。
次に、第6の実施の形態による自動グリース供給装置71の給脂動作について詳述する。
まず、シリンダ72の周囲で温度変化が生じると、ピストン駆動部77は、腕部材79でシリンダ72の内面72Cを押し、その反力で回転軸78を回転駆動する。これにより、回転軸78は、ねじ運動により螺合した蓋体73に対し矢示A方向に移動してピストン76を押動することにより、シリンダ72内のグリースGを給脂口72Bから吐出させることができる。
かくして、このように構成された第6の実施の形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
なお、第1の実施の形態では、回転軸27に2個の腕部材28を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば回転軸27に対して1個または3個以上の腕部材28を設ける構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用できるものである。
また、第3の実施の形態では、腕部材41の偏心腕部41Bを外径部41B1と内径部41B2とが異なる熱膨張率をもったバイメタルとして形成し、外径部41B1の熱膨張率よりも内径部41B2の熱膨張率が大きくなるように構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、外径部41B1の熱膨張率よりも内径部41B2の熱膨張率が小さくなるように偏心腕部41Bを構成してもよい。この場合には、温度が下降したときに偏心腕部41Bの曲率半径を大きくすることができる。
また、第1の実施の形態では、自動グリース供給装置21を、ボール受12,14間にボール15を挟持する形態の自転防止機構10にグリースGを供給するものとして説明した。しかし、本発明はこれに限らず、自動グリース供給装置21は、例えば特許文献1として記載した特開平10−132193号公報の図1に示す可動プレート、ガイド、ボール等からなる自転防止機構、図18に示す柱体等からなるスラスト受けに対し、それぞれの摺動部にグリースを供給するのに用いる構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用できるものである。
また、第5,第6の実施の形態による自動グリース供給装置61,71の構成を、第1ないし第4の実施の形態に適用してもよい。
また、第5の実施の形態では、回転軸68に摩擦力を付与して逆回転を防止する摩擦部材65を設ける構成とした。しかし、第5の実施の形態の構造では、第1の実施の形態による摩擦部材25のように、摩擦部材65にシール機能は必要ないため、中間板64と回転軸68との間の摩擦力だけで回転軸68の逆回転を防止できる場合は摩擦部材65を省略してもよい。また、第6の実施の形態においても同様の理由により、摩擦部材74を省略することができる。
さらに、各実施の形態では、自動グリース供給装置21,61,71をスクロール式圧縮機1に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば車両、工作機械、電動工具等のように運転時に摩擦熱によって温度が上昇する軸受を有する種々の機械にも広く適用できる。
本発明の第1の実施の形態による自動グリース供給装置が適用されたスクロール式圧縮機を示す縦断面図である。 自転防止機構、自動グリース供給装置等を示す要部拡大の縦断面図である。 自動グリース供給装置を単体で示す要部拡大の縦断面図である。 シリンダとピストン駆動部の回転軸、腕部材を図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大横断面図である。 腕部材により回転軸を回転した状態を図4と同様位置からみた拡大横断面図である。 本発明の第2の実施の形態による腕部材をシリンダ、回転軸と一緒に示す拡大横断面図である。 本発明の第3の実施の形態による腕部材をシリンダ、回転軸と一緒に示す拡大横断面図である。 本発明の第4の実施の形態による腕部材をシリンダ、回転軸と一緒に示す拡大横断面図である。 腕部材により回転軸を回転した状態を図8と同様位置からみた拡大横断面図である。 本発明の第5の実施の形態による自動グリース供給装置を単体で示す要部拡大の縦断面図である。 本発明の第6の実施の形態による自動グリース供給装置を単体で示す要部拡大の縦断面図である。
符号の説明
21,61,71 自動グリース供給装置
22,51,72 シリンダ
22A,62A,72A 底板
22B,62B,72B 給脂口
22C,51C,63A,72C 内面
23,73 蓋体
24,66,76 ピストン
24A,64A,73A 雌ねじ
25,65,74 摩擦部材
26,67,77 ピストン駆動部(ピストン駆動手段)
27,68,78 回転軸
27A 一端部
27B,68B,78B 雄ねじ
28,31,41,52,69,79 腕部材
28A,31A,41A,52A 取付部
28B,31B,41B,52B 偏心腕部
41B1 外径部
41B2 内径部
62 第1のシリンダ
63 第2のシリンダ
64 中間板
68A,78A 他端部
e 偏心腕部の偏心寸法
G グリース

Claims (5)

  1. 内部にグリースが充填され該グリース用の給脂口を有したシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられ該シリンダ内のグリースを前記給脂口から吐出させるピストンと、前記シリンダ周囲の温度変化による熱膨張と熱収縮を利用して前記給脂口の方向に該ピストンを徐々に摺動変位させるピストン駆動手段とを備えてなる自動グリース供給装置において、
    前記ピストン駆動手段は、前記シリンダ内に軸方向に延びて設けられ回転することにより前記ピストンをねじ運動によって軸方向に押動する回転軸と、該回転軸から前記シリンダ内面に向けて延び前記シリンダ周囲の温度変化に応じて前記シリンダに対して相対的に膨張と収縮する腕部材とからなり、
    前記腕部材は、前記シリンダに対して相対的に膨張したときに前記シリンダの内面を押して前記回転軸を回転駆動し、前記シリンダに対して相対的に収縮したときに前記回転軸の回転を規制した状態で前記シリンダの内面から離れる方向に変位して自由位置に復帰する構成としたことを特徴とする自動グリース供給装置。
  2. 前記腕部材は、基端部が前記回転軸に対し回転中心から偏心した位置に取付けられると共に先端部が前記シリンダの内面に接触可能に配置され、
    前記腕部材は、前記シリンダに対して相対的に膨張したときに先端部が前記シリンダ内面を押して前記回転軸に回転モーメントを発生し、前記シリンダに対して相対的に収縮したときに前記回転軸の回転を規制した状態で先端部が前記シリンダの内面から離れる方向に変位して自由位置に復帰する構成としてなる請求項1に記載の自動グリース供給装置。
  3. 前記腕部材は、前記シリンダと熱膨張率の異なる材料により形成してなる請求項1または2に記載の自動グリース供給装置。
  4. 前記腕部材は、前記シリンダ周囲の温度変化に応じて撓み変形するバイメタルにより形成してなる請求項1または2に記載の自動グリース供給装置。
  5. 前記回転軸の周囲には、該回転軸に摩擦力を付与して逆回転を規制する摩擦部材を設ける構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の自動グリース供給装置。
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