JP2009174525A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Harunori Miyamura
治則 宮村
Nozomi Goto
望 後藤
Hideyuki Goto
英之 後藤
Hideki Fujiwara
秀規 藤原
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Abstract

【課題】圧縮室からバイパス通路へ漏れ出す流体の量を削減することによってスクリュー圧縮機の能力を向上させる。
【解決手段】スクリュー圧縮機(1)のケーシング(10)内では、スクリューロータ(40)の側方にスライドバルブ(70)が配置される。ケーシング(10)には、圧縮室(23)を低圧空間(S1)に連通させるためのバイパス通路(33)が形成される。スライドバルブ(70)がスライドすると、円筒壁(30)の内周面におけるバイパス通路(33)の開口面積が変化する。スライドバルブ(70)の先端には、樹脂製のシール用被膜(61)が形成される。バイパス通路(33)の全閉状態では、スライドバルブ(70)の先端がケーシング(10)のシート部(11)に押し付けられ、シール用被膜(61)が変形してスライドバルブ(70)とシート部(11)が密着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクリュー圧縮機の性能向上策に関するものである。
従来より、冷媒や空気を圧縮する圧縮機として、スクリュー圧縮機が用いられている。例えば、特許文献1には、1つのスクリューロータと2つのゲートロータとを備えたシングルスクリュー圧縮機が開示されている。
このシングルスクリュー圧縮機について説明する。スクリューロータは、概ね円柱状に形成されており、その外周部に複数条の螺旋溝が刻まれている。ゲートロータは、概ね平板状に形成されており、スクリューロータの側方に配置されている。このゲートロータには、複数の長方形板状のゲートが放射状に設けられている。ゲートロータは、その回転軸がスクリューロータの回転軸と直交する姿勢で設置され、ゲートがスクリューロータの螺旋溝と噛み合わされる。
このシングルスクリュー圧縮機では、スクリューロータとゲートロータがケーシングに収容されており、スクリューロータの螺旋溝と、ゲートロータのゲートと、ケーシングの内壁面とによって圧縮室が形成される。スクリューロータを電動機等で回転駆動すると、スクリューロータの回転に伴ってゲートロータが回転する。そして、ゲートロータのゲートが、噛み合った螺旋溝の始端(吸入側の端部)から終端(吐出側の端部)へ向かって相対的に移動し、閉じきり状態となった圧縮室の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室内の流体が圧縮される。
特許文献1や特許文献2に開示されているように、スクリュー圧縮機には、容量調節用のスライドバルブが設けられている。スライドバルブは、スクリューロータの外周に臨む位置に設けられ、スクリューロータの回転軸と平行な方向へスライド自在となっている。一方、スクリュー圧縮機には、圧縮行程中の圧縮室と吸入側とを連通させるためのバイパス通路が形成されている。スライドバルブが移動すると、スクリューロータが挿入されるシリンダ部の内周面におけるバイパス通路の開口面積が変化し、バイパス通路を通じて吸入側へ送り返される流体の流量が変化する。その結果、最終的に圧縮室から圧縮されて吐出される流体の流量が変化し、スクリュー圧縮機から吐出される流体の流量(即ち、スクリュー圧縮機の容量)が変化する。
特開2004−316586号公報 特開2005−030361号公報
スクリュー圧縮機において、バイパス通路がスライドバルブによって全閉された状態では、スライドバルブの先端がケーシングに押し付けられることで圧縮室とバイパス通路の間が遮断される。ところが、ケーシングやスライドバルブの材質は金属であるのが通常であり、また、加工精度や組立精度の制約があるため、スライドバルブの先端面がケーシングと完全に密着することは実際には有り得ない。従って、バイパス通路の全閉状態においても、スライドバルブの先端面とケーシングの間に僅かながら隙間ができ、この隙間を通って圧縮室内の流体の一部がバイパス通路へ漏れ出してしまう。このため、圧縮室から吐出される流体の量が圧縮室へ吸入された流体の量に比べて少なくなり、スクリュー圧縮機の能力が充分に発揮されないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮室からバイパス通路へ漏れ出す流体の量を削減することによってスクリュー圧縮機の能力を向上させることにある。
第1の発明は、ケーシング(10)と、上記ケーシング(10)のシリンダ部(30)に挿入されて圧縮室(23)を形成するスクリューロータ(40)と、上記シリンダ部(30)の内周面に開口して圧縮途中の上記圧縮室(23)を吸入側に連通させるバイパス通路(33)と、上記スクリューロータ(40)の軸方向へスライドすることによって上記シリンダ部(30)の内周面における上記バイパス通路(33)の開口面積を変化させるスライドバルブ(70)とを備えるスクリュー圧縮機を対象とする。そして、上記バイパス通路(33)が全閉状態になると、上記スライドバルブ(70)のスライド方向の先端面(P2)と、上記ケーシング(10)のうち該スライドバルブ(70)の先端面(P2)と対面する部分であるシート部(11)との間に挟み込まれるシール部材(61,62,65)を更に備えるものである。
第1の発明のスクリュー圧縮機(1)では、ケーシング(10)のシリンダ部(30)にスクリューロータ(40)が挿入され、両者の間に圧縮室(23)が形成される。スクリューロータ(40)が回転すると、圧縮室(23)へ流体が吸入されて圧縮される。このスクリュー圧縮機(1)において、スライドバルブ(70)が移動すると、スライドバルブ(70)の先端面(P2)とケーシング(10)のシート部(11)との間隔が変化し、シリンダ部(30)の内周面における上記バイパス通路(33)の開口面積が変化する。そして、バイパス通路(33)の開口面積が変化すると、圧縮室(23)からバイパス通路(33)へ流れ込む流体の量が変化し、その結果、単位時間当たりにスクリュー圧縮機(1)から吐出される流体の量(即ち、スクリュー圧縮機(1)の容量)が変化する。このスクリュー圧縮機(1)には、シール部材(61,62,65)が設けられる。このシール部材(61,62,65)は、バイパス通路(33)が全閉となった状態でスライドバルブ(70)の先端面(P2)とケーシング(10)のシート部(11)との間に挟み込まれ、スライドバルブ(70)の先端面(P2)とケーシング(10)のシート部(11)の隙間をシールする。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記シール部材(61,62,65)は、樹脂又はゴムによって構成されて上記スライドバルブ(70)又は上記ケーシング(10)に設けられるものである。
第2の発明では、シール部材(61,62,65)がスライドバルブ(70)又はケーシング(10)に設けられる。シール部材(61,62,65)の材質は、スライドバルブ(70)やケーシング(10)の材質として一般的な金属よりも硬度の低い樹脂又はゴムとなっている。バイパス通路(33)が全閉となった状態では、シール部材(61,62,65)がスライドバルブ(70)とケーシング(10)のシート部(11)に挟み込まれて変形することによって、スライドバルブ(70)とシート部(11)の隙間がシールされる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記シール部材(61)は、上記スライドバルブ(70)の先端面(P2)を覆う樹脂製の被膜であるものである。
第3の発明では、上記スライドバルブ(70)の先端面(P2)を覆うように樹脂製の被膜が形成され、この被膜がシール部材(61)を構成する。バイパス通路(33)が全閉となった状態では、シール部材(61)である樹脂製の被膜が変形し、スライドバルブ(70)の先端面(P2)とケーシング(10)のシート部(11)との隙間が被膜によってシールされる。
第4の発明は、上記第1の発明において、上記シール部材(62)は、上記ケーシング(10)とは別体に形成されて上記シート部(11)を覆うように該ケーシング(10)に取り付けられるものである。
第4の発明では、シール部材(62)がケーシング(10)とは別体に形成される。このシール部材(62)は、シート部(11)を覆うようにケーシング(10)に取り付けられる。
第5の発明は、金属製のケーシング(10)と、上記ケーシング(10)のシリンダ部(30)に挿入されて圧縮室(23)を形成するスクリューロータ(40)と、上記シリンダ部(30)の内周面に開口して圧縮途中の上記圧縮室(23)を吸入側に連通させるバイパス通路(33)と、上記スクリューロータ(40)の軸方向へスライドすることによって上記シリンダ部(30)の内周面における上記バイパス通路(33)の開口面積を変化させるスライドバルブ(70)とを備えるスクリュー圧縮機を対象とする。そして、上記スライドバルブ(70)は、上記バイパス通路(33)に臨む樹脂製の弁体部(71)を備え、上記バイパス通路(33)が全閉状態になると該弁体部(71)のスライド方向の先端面(P2)が上記ケーシング(10)に当接するように構成されるものである。
第5の発明のスクリュー圧縮機(1)では、ケーシング(10)のシリンダ部(30)にスクリューロータ(40)が挿入され、両者の間に圧縮室(23)が形成される。スクリューロータ(40)が回転すると、圧縮室(23)へ流体が吸入されて圧縮される。このスクリュー圧縮機(1)において、スライドバルブ(70)が移動すると、スライドバルブ(70)の弁体部(71)の先端面(P2)とケーシング(10)のシート部(11)との間隔が変化し、シリンダ部(30)の内周面における上記バイパス通路(33)の開口面積が変化する。そして、バイパス通路(33)の開口面積が変化すると、圧縮室(23)からバイパス通路(33)へ流れ込む流体の量が変化し、その結果、単位時間当たりにスクリュー圧縮機(1)から吐出される流体の量(即ち、スクリュー圧縮機(1)の容量)が変化する。
この発明のスライドバルブ(70)では、弁体部(71)の材質が樹脂となっている。つまり、スライドバルブ(70)の弁体部(71)は、金属製のケーシング(10)に比べて硬度が低くなっている。この弁体部(71)は、バイパス通路(33)が全閉となった状態でケーシング(10)のシート部(11)に当接して変形し、変形することによってシート部(11)に密着する。
上記第1の発明では、バイパス通路(33)が全閉となった状態において、スライドバルブ(70)の先端面(P2)とケーシング(10)のシート部(11)との間の隙間がシール部材(61,62,65)によって塞がれる。また、上記第5の発明では、バイパス通路(33)が全閉となった状態において、スライドバルブ(70)の樹脂製の弁体部(71)がケーシング(10)のシート部(11)に当接して変形し、弁体部(71)とシート部(11)の隙間が塞がれる。従って、これらの発明によれば、スライドバルブ(70)とシート部(11)の隙間を通って圧縮室(23)からバイパス通路(33)へ漏れ出す流体の量を削減でき、圧縮室(23)へ吸入された流体の量と圧縮室(23)から吐出される流体の量との差を減少させてスクリュー圧縮機(1)の能力を向上させることができる。
上記第2の発明では、比較的柔らかい樹脂やゴムから成るシール部材(61,62,65)をスライドバルブ(70)又はケーシング(10)に設けている。また、上記第3の発明では、比較的柔らかい樹脂製の被膜をシール部材(61)としてスライドバルブ(70)に設けている。従って、これらの発明によれば、シール部材(61,62,65)が変形することによってスライドバルブ(70)とケーシング(10)のシート部(11)の隙間を確実にシールすることができる。また、上記第3の発明によれば、シール部材(61)としての被膜がスライドバルブ(70)と一体になっているため、スクリュー圧縮機(1)を組み立てる際にシール部材(61)を取り付ける工程が不要となり、スクリュー圧縮機(1)の組立に要する工数を低く抑えることができる。
上記第4の発明では、シール部材(62)がケーシング(10)とは別体に形成されている。このため、シール部材(62)の成形を容易に行うことができる。また、この発明では、移動するスライドバルブ(70)ではなく移動しないケーシング(10)にシール部材(62)を取り付けている。このため、スライドバルブ(70)の移動に起因してシール部材(62)が損傷する可能性が低くなり、スクリュー圧縮機(1)の信頼性を確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態のシングルスクリュー圧縮機(1)(以下、単にスクリュー圧縮機と言う。)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するためのものである。
図1,図2に示すように、スクリュー圧縮機(1)は、半密閉型に構成されている。このスクリュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆動する電動機とが金属製のケーシング(10)に収容されている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介して電動機と連結されている。図1において、電動機は省略されている。また、ケーシング(10)内には、冷媒回路の蒸発器から低圧のガス冷媒が導入されると共に該低圧ガスを圧縮機構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20)から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高圧空間(S2)とが区画形成されている。
圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内に形成された円筒壁(30)と、該円筒壁(30)の中に配置された1つのスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。円筒壁(30)は、シリンダ部を構成している。スクリューロータ(40)には、駆動軸(21)が挿通されている。スクリューロータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連結されている。駆動軸(21)は、スクリューロータ(40)と同軸上に配置されている。駆動軸(21)の先端部は、圧縮機構(20)の高圧側(図1における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の右側)に位置する軸受ホルダ(35)に回転自在に支持されている。この軸受ホルダ(35)は、玉軸受(36)を介して駆動軸(21)を支持している。
図3に示すように、スクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)は、円筒壁(30)に回転可能に嵌合しており、その外周面が円筒壁(30)の内周面と摺接する。スクリューロータ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数(本実施形態では、6本)形成されている。
スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、図3における手前側の端部が始端となり、同図における奥側の端部が終端となっている。また、スクリューロータ(40)は、同図における手前側の端部(吸入側の端部)がテーパー状に形成されている。図3に示すスクリューロータ(40)では、テーパー面状に形成されたその手前側の端面に螺旋溝(41)の始端が開口する一方、その奥側の端面に螺旋溝(41)の終端は開口していない。
各ゲートロータ(50)は、樹脂製の部材である。各ゲートロータ(50)には、長方形板状に形成された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(51)が放射状に設けられている。各ゲートロータ(50)は、円筒壁(30)の外側に、スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対称となるように配置されている。つまり、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、二つのゲートロータ(50)が、スクリューロータ(40)の回転中心軸周りに等角度間隔(本実施形態では180°間隔)で配置されている。各ゲートロータ(50)の軸心は、スクリューロータ(40)の軸心と直交している。各ゲートロータ(50)は、ゲート(51)が円筒壁(30)の一部を貫通してスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置されている。
ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている(図3を参照)。ロータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57)と軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉厚の円板状に形成されている。アーム部(57)は、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設けられており、基部(56)の外周面から外側へ向かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒状に形成されて基部(56)に立設されている。軸部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致している。ゲートロータ(50)は、基部(56)及びアーム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取り付けられている。各アーム部(57)は、ゲート(51)の背面に当接している。
ゲートロータ(50)が取り付けられたロータ支持部材(55)は、円筒壁(30)に隣接してケーシング(10)内に区画形成されたゲートロータ室(90)に収容されている(図2を参照)。図2におけるスクリューロータ(40)の右側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側となる姿勢で設置されている。一方、同図におけるスクリューロータ(40)の左側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が上端側となる姿勢で設置されている。各ロータ支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(90)内の軸受ハウジング(91)に玉軸受(92,93)を介して回転自在に支持されている。なお、各ゲートロータ室(90)は、低圧空間(S1)に連通している。
圧縮機構(20)では、円筒壁(30)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空間が圧縮室(23)になる。スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)は、吸入側端部において低圧空間(S1)に開放しており、この開放部分が圧縮機構(20)の吸入口(24)になっている。
スクリュー圧縮機(1)には、容量調節用のスライドバルブ(70)が設けられている。このスライドバルブ(70)は、スライドバルブ収納部(31)内に設けられている。スライドバルブ収納部(31)は、円筒壁(30)がその周方向の2カ所において径方向外側に膨出した部分であって、吐出側の端部(図1における右端部)から吸入側の端部(同図における左端部)へ向かって延びる概ね半円筒形状に形成されている。スライドバルブ(70)は、円筒壁(30)の軸心方向にスライド可能に構成されており、スライドバルブ収納部(31)へ挿入された状態でスクリューロータ(40)の周側面と対面する。スライドバルブ(70)の詳細な構造は後述する。
ケーシング(10)内には、円筒壁(30)の外側に連通路(32)が形成されている。連通路(32)は、各スライドバルブ収納部(31)に対応して1つずつ形成されている。連通路(32)は、円筒壁(30)の軸方向へ延びる通路であって、その一端が低圧空間(S1)に開口し、その他端がスライドバルブ収納部(31)の吸入側の端部に開口している。円筒壁(30)のうち連通路(32)の他端(図1における右端)に隣接する部分は、スライドバルブ(70)の先端面(P2)が当接するシート部(11)を構成している。また、シート部(11)では、スライドバルブ(70)の先端面(P2)と向かい合う面がシート面(P1)を構成している。
スライドバルブ(70)が高圧空間(S2)寄り(図1における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の右側寄り)へスライドすると、スライドバルブ収納部(31)の端面(P1)とスライドバルブ(70)の端面(P2)との間に軸方向隙間が形成される。この軸方向隙間は、圧縮室(23)から低圧空間(S1)へ冷媒を戻すためのバイパス通路(33)を、連通路(32)と共に構成している。つまり、バイパス通路(33)は、その一端が低圧空間(S1)に連通し、その他端が円筒壁(30)の内周面に開口可能となっている。スライドバルブ(70)を移動させてバイパス通路(33)の開度を変更すると、圧縮機構(20)の容量が変化する。また、スライドバルブ(70)は、圧縮室(23)と高圧空間(S2)とを連通させるための吐出口(25)が形成されている。
上記スクリュー圧縮機(1)には、スライドバルブ(70)をスライド駆動させるためのスライドバルブ駆動機構(80)が設けられている。このスライドバルブ駆動機構(80)は、軸受ホルダ(35)に固定されたシリンダ(81)と、該シリンダ(81)内に装填されたピストン(82)と、該ピストン(82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム(84)と、該アーム(84)とスライドバルブ(70)とを連結する連結ロッド(85)と、アーム(84)を図1の右方向(アーム(84)をケーシング(10)から引き離す方向)に付勢するスプリング(86)とを備えている。
図1に示すスライドバルブ駆動機構(80)では、ピストン(82)の左側空間(ピストン(82)のスクリューロータ(40)側の空間)の内圧が、ピストン(82)の右側空間(ピストン(82)のアーム(84)側の空間)の内圧よりも高くなっている。そして、スライドバルブ駆動機構(80)は、ピストン(82)の右側空間の内圧(即ち、右側空間内のガス圧)を調節することによって、スライドバルブ(70)の位置を調整するように構成されている。
スクリュー圧縮機(1)の運転中において、スライドバルブ(70)では、その軸方向の端面の一方に圧縮機構(20)の吸入圧が、他方に圧縮機構(20)の吐出圧がそれぞれ作用する。このため、スクリュー圧縮機(1)の運転中において、スライドバルブ(70)には、常にスライドバルブ(70)を低圧空間(S1)側へ押す方向の力が作用する。従って、スライドバルブ駆動機構(80)におけるピストン(82)の左側空間及び右側空間の内圧を変更すると、スライドバルブ(70)を高圧空間(S2)側へ引き戻す方向の力の大きさが変化し、その結果、スライドバルブ(70)の位置が変化する。
スライドバルブ(70)の詳細な構造について、図4,図5を参照しながら説明する。
スライドバルブ(70)は、弁体部(71)と、ガイド部(75)と、連結部(77)とによって構成されている。このスライドバルブ(70)において、弁体部(71)とガイド部(75)と連結部(77)とは、1つの金属製の部材で構成されている。つまり、弁体部(71)とガイド部(75)と連結部(77)とは、一体に形成されている。
弁体部(71)は、図2にも示すように、中実の円柱の一部を削ぎ落としたような形状となっており、削ぎ落とされた部分がスクリューロータ(40)を向く姿勢でケーシング(10)内に設置されている。弁体部(71)において、スクリューロータ(40)と向かい合う対向面(72)は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面の曲率半径と等しい円弧面となっており、弁体部(71)の軸方向へ延びている。この弁体部(71)の対向面(72)は、スクリューロータ(40)と摺接する。
弁体部(71)では、一方の端面(図5における左端面)が弁体部(71)の軸方向と直交する平坦面となり、他方の端面(同図における右端面)が弁体部(71)の軸方向に対して傾斜した傾斜面となっている。この傾斜面となった弁体部(71)の他端面の傾きは、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)の傾きと同じである。
弁体部(71)では、平坦面となった端面(図5における左端面)に、シール部材としてのシール用被膜(61)が形成されている。シール用被膜(61)は、樹脂製の被膜であって、弁体部(71)の平坦面となった端面の全体を覆っている。シール用被膜(61)を構成する樹脂としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が挙げられる。スライドバルブ(70)において、弁体部(71)の端面を覆うシール用被膜(61)の表面は、スライドバルブ(70)のスライド方向における先端面(P2)となっている。
ガイド部(75)は、断面がT字形の柱状に形成されている。このガイド部(75)において、T字形の横棒に対応する側面(即ち、図4において手前側を向いている側面)は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面の曲率半径と等しい円弧面となっており、軸受ホルダ(35)の外周面と摺接する摺動面(76)を構成している。スライドバルブ(70)において、ガイド部(75)は、その摺動面(76)が弁体部(71)の対向面(72)と同じ側を向く姿勢で、弁体部(71)の傾斜面となった端面から間隔をおいて配置されている。
連結部(77)は、比較的短い柱状に形成され、弁体部(71)とガイド部(75)を連結している。この連結部(77)は、弁体部(71)の対向面(72)やガイド部(75)の摺動面(76)とは反対側にオフセットした位置に設けられている。そして、スライドバルブ(70)では、弁体部(71)とガイド部(75)の間の空間とガイド部(75)の背面側(即ち、摺動面(76)とは反対側)の空間とが吐出ガスの通路を形成し、弁体部(71)の対向面(72)とガイド部(75)の摺動面(76)との間が吐出口(25)となっている。
−運転動作−
先ず、スクリュー圧縮機(1)の全体的な運転動作について、図7を参照しながら説明する。
スクリュー圧縮機(1)において電動機を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲートロータ(50)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程、圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここでは、図7においてドットを付した圧縮室(23)に着目して説明する。
図7(A)において、ドットを付した圧縮室(23)は、低圧空間(S1)に連通している。また、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の下側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされている。スクリューロータ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結果、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図7(B)の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の上側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、このゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図7(C)の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室(23)は、吐出口(25)を介して高圧空間(S2)と連通した状態となっている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室(23)から高圧空間(S2)へ押し出されてゆく。
次に、スライドバルブ(70)を用いた圧縮機構(20)の容量調節について、図1を参照しながら説明する。なお、圧縮機構(20)の容量とは、“単位時間当たりに圧縮機構(20)から高圧空間(S2)へ吐出される冷媒の量”を意味する。
スライドバルブ(70)が図1の左側へ最も押し込まれた状態では、スライドバルブ(70)の先端面(P2)がシート部(11)のシート面(P1)に押し付けられ、圧縮機構(20)の容量が最大となる。つまり、この状態では、バイパス通路(33)がスライドバルブ(70)の弁体部(71)によって完全に塞がれ、低圧空間(S1)から圧縮室(23)へ吸入された冷媒ガスの全てが高圧空間(S2)へ吐出される。
この状態では、弁体部(71)の端面を覆うシール用被膜(61)がシート部(11)に押し付けられる。つまり、金属製のシート部(11)には、金属よりも硬度の低い樹脂製のシール用被膜(61)が押し付けられる。このため、シート部(11)のシート面(P1)やシール用被膜(61)の表面に多少の凹凸があったり、シート部(11)のシート面(P1)に対してシール用被膜(61)の表面が完全に平行になっていなくても、シール用被膜(61)が多少変形するため、シート部(11)のシート面(P1)とスライドバルブ(70)の先端面(P2)との間に実質的な隙間は無くなる。従って、シート部(11)とスライドバルブ(70)の隙間からの冷媒の漏れが防止される。
一方、スライドバルブ(70)が図1の右側へ退き、スライドバルブ(70)の先端面(P2)がシート面(P1)から離れると、円筒壁(30)の内周面にバイパス通路(33)が開口する。この状態において、低圧空間(S1)から圧縮室(23)へ吸入された冷媒ガスは、その一部が圧縮行程途中の圧縮室(23)からバイパス通路(33)を通って低圧空間(S1)へ戻り、残りが最後まで圧縮されて高圧空間(S2)へ吐出される。そして、スライドバルブ(70)の先端面(P2)とスライドバルブ収納部(31)のシート面(P1)との間隔が広がると、それにつれてバイパス通路(33)を通って低圧空間(S1)へ戻る冷媒の量が増大し、高圧空間(S2)へ吐出される冷媒の量が減少する(つまり、圧縮機構(20)の容量が減少する)。
なお、圧縮室(23)から高圧空間(S2)へ吐出される冷媒は、先ずスライドバルブ(70)に形成された吐出口(25)へ流入する。その後、この冷媒は、スライドバルブ(70)のガイド部(75)の背面側に形成された通路を通って高圧空間(S2)へ流入する。
−実施形態の効果−
本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、スライドバルブ(70)の先端に樹脂製のシール用被膜(61)が設けられており、バイパス通路(33)が全閉となった状態では、このシール用被膜(61)がシート部(11)のシート面(P1)に押し付けられる。そして、金属製のシート部(11)に対して、金属よりも柔らかい樹脂製のシール用被膜(61)が押し付けられることとなり、シール用被膜(61)が変形してシート部(11)のシート面(P1)と密着する。このため、シート部(11)とスライドバルブ(70)の隙間を実質的に無くすことができる。従って、本実施形態によれば、スライドバルブ(70)とシート部(11)の隙間を通って圧縮室(23)からバイパス通路(33)へ漏れ出す冷媒の量を削減でき、圧縮室(23)へ吸入された冷媒の量と圧縮室(23)から吐出される冷媒の量との差を減少させてスクリュー圧縮機(1)の能力を向上させることができる。
また、本実施形態では、シール部材としてのシール用被膜(61)がスライドバルブ(70)と一体になっているため、スクリュー圧縮機(1)を組み立てる際にシール部材を取り付ける工程が不要となり、スクリュー圧縮機(1)の組立に要する工数を低く抑えることができる。
−実施形態1の変形例−
本実施形態では、図7に示すように、シール用被膜(61)をスライドバルブ(70)ではなくケーシング(10)のシート部(11)に形成してもよい。この場合、シール用被膜(61)は、シート部(11)のうちスライドバルブ(70)の先端面(P2)と向かい合う面を覆うように設けられ、このシール用被膜(61)の表面がシート面(P1)を構成する。また、この場合、スライドバルブ(70)では、弁体部(71)の平坦な端面がスライドバルブ(70)の先端面(P2)を構成する。
また、本実施形態では、スライドバルブ(70)とケーシング(10)のシート部(11)との両方にシール用被膜(61)を形成してもよい。この場合、シート部(11)にいてシール用被膜(61)が形成される位置は、図7に示すものと同じである。
また、本実施形態のシール用被膜(61)の材質は、樹脂に限定されるものではなく、金属より硬度が低くて被膜を形成できるもの(例えば、フッ素ゴム等)であってもよい。
なお、本実施形態において、シール用被膜(61)は、塗料状の樹脂材料をスライドバルブ(70)やシート部(11)に塗布することによって形成されるものであってもよいし、予めシート状あるいは板状に成形された樹脂製部材をスライドバルブ(70)やシート部(11)に接着剤等で貼り付けることによって形成されるものであってもよい。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、上記実施形態1のシール用被膜(61)に代えて弁座部材(62)がシール部材として設けられている。ここでは、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図8に示すように、弁座部材(62)は、ケーシング(10)に取り付けられている。この弁座部材(62)は、ケーシング(10)における各連通路(32)の吐出側の端部(同図における右端部)付近に1つずつ設けられている。
図9に示すように、弁座部材(62)は、ケーシング(10)と別体に形成された樹脂製の部材である。弁座部材(62)を構成する樹脂としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が挙げられる。なお、弁座部材(62)の材質は、樹脂に限定されるものではなく、金属より硬度が低くて被膜を形成できるもの(例えば、フッ素ゴム等)であってもよい。
この弁座部材(62)は、本体部(63)とアーチ部(64)とを備えている。本体部(63)は、シート部(11)の形状に対応して湾曲した板状に形成されている。アーチ部(64)は、その端面形状が円弧状に形成され、本体部(63)の厚さ方向へ延びている。このアーチ部(64)は、本体部(63)の上面に連続して形成されている。アーチ部(64)の長さは、本体部(63)の厚さよりも長くなっており、図9における本体部(63)の背面から後方へ突出している。
弁座部材(62)がケーシング(10)に取り付けられた状態では、ケーシング(10)に予め形成された溝にアーチ部(64)が嵌り込み、連通路(32)の一方の端部(図8における右端部)がアーチ部(64)によって形成される。また、この状態では、シート部(11)のうちスライドバルブ(70)の先端面(P2)と向かい合う面が弁座部材(62)の本体部(63)によって覆われる。そして、本実施形態では、弁座部材(62)の本体部(63)の表面が、スライドバルブ(70)の先端面(P2)と接するシート面(P1)を構成する。
バイパス通路(33)が全閉になった状態(即ち、圧縮機構(20)の容量が最大に設定された状態)では、スライドバルブ(70)が弁座部材(62)の本体部(63)に押し付けられる。つまり、この状態では、ケーシング(10)のシート部(11)とスライドバルブ(70)の弁体部(71)とによって弁座部材(62)の本体部(63)が挟み込まれ、本体部(63)の前面(即ち、シート面(P1))が弁体部(71)と密着し、本体部(63)の背面がシート部(11)と密着する。
本実施形態では、スライドバルブ(70)の弁体部(71)とケーシング(10)のシート部(11)の材質が金属であるのに対し、弁座部材(62)の材質は金属よりも硬度の低い樹脂である。このため、弁体部(71)の先端面(P2)やシート部(11)の端面に多少の凹凸があったり、弁体部(71)の先端面(P2)やシート部(11)の端面と弁体部(71)材の本体部(63)の表面とが完全に平行になっていなくても、樹脂製の本体部(63)が多少変形するため、弁座部材(62)の本体部(63)と弁体部(71)やシート部(11)との間に実質的な隙間は無くなる。従って、シート部(11)とスライドバルブ(70)の隙間からの冷媒の漏れが防止される。
−実施形態2の効果−
本実施形態によれば、シール部材としての弁座部材(62)がケーシング(10)とは別体に形成されているため、弁座部材(62)の成形を容易に行うことができる。また、本実施形態では、移動するスライドバルブ(70)ではなく移動しないケーシング(10)に弁座部材(62)を取り付けている。このため、スライドバルブ(70)の移動に起因して弁座部材(62)が損傷する可能性が低くなり、スクリュー圧縮機(1)の信頼性を確保することができる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、上記実施形態1のシール用被膜(61)に代えてOリング(65)がシール部材として設けられている。ここでは、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図10,図11に示すように、Oリング(65)は、スライドバルブ(70)の弁体部(71)に取り付けられている。このOリング(65)は、弁体部(71)に形成された嵌合溝(73)に嵌め込まれており、弁体部(71)の軸方向の周囲を囲んでいる。なお、Oリング(65)の材質としては、例えばフッ素ゴムが挙げられる。
弁体部(71)において、嵌合溝(73)は、弁体部(71)の両側の端面から周側面に亘って、その軸方向の周囲に沿って形成されている。弁体部(71)の周側面において、嵌合溝(73)は、弁体部(71)の中心軸を挟んで対向する位置に1つずつ形成され、弁体部(71)の軸方向へ延びている。弁体部(71)の各端面において、嵌合溝(73)は、弁体部(71)の周側面に形成された部分の一方の端部と他方の端部とを繋ぐように形成されている。弁体部(71)の先端面(P2)において、嵌合溝(73)は、対向面(72)よりもやや背面側(対向面(72)とは反対側)寄りに形成され、先端面(P2)の直径に沿って延びている。上述したように、弁体部(71)の嵌合溝(73)には、Oリング(65)が嵌め込まれている。嵌合溝(73)に嵌め込まれたOリング(65)は、その一部が弁体部(71)の周側面や端面から突出している。
バイパス通路(33)が全閉になった状態(即ち、圧縮機構(20)の容量が最大に設定された状態)では、スライドバルブ(70)がケーシング(10)のシート部(11)に押し付けられる。つまり、この状態では、ケーシング(10)のシート部(11)とスライドバルブ(70)の弁体部(71)とによってOリング(65)が挟み込まれ、Oリング(65)がシート部(11)と弁体部(71)の両方と密着する。
本実施形態では、スライドバルブ(70)の弁体部(71)とケーシング(10)のシート部(11)の材質が金属であるのに対し、Oリング(65)の材質は金属よりも硬度の低いゴムである。このため、弁体部(71)の先端面(P2)やシート部(11)のシート面(P1)に多少の凹凸があったり、弁体部(71)の先端面(P2)とシート部(11)のシート面(P1)とが完全に平行になっていなくても、ゴム製のOリング(65)が多少変形するため、弁体部(71)とシート部(11)との間に実質的な隙間は無くなる。従って、シート部(11)とスライドバルブ(70)の隙間からの冷媒の漏れが防止される。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、スライドバルブ(70)の弁体部(71)の全体をフッ素樹脂等の樹脂で構成してもよい。本変形例では、弁体部(71)の端面がスライドバルブ(70)の先端面(P2)を構成する。本変形例において、スライドバルブ(70)の弁体部(71)がケーシング(10)のシート部(11)に押し付けられると、樹脂製の弁体部(71)の先端面(P2)がシート部(11)のシート面(P1)に押し当てられて変形し、弁体部(71)の先端面(P2)とシート部(11)のシート面(P1)との隙間が塞がれる。また、本変形例では、スライドバルブ(70)の弁体部(71)だけでなく、ガイド部(75)や連結部(77)を含めたスライドバルブ(70)の全体を樹脂で構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、シングルスクリュー圧縮機について有用である。
実施形態1のシングルスクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 図1のII−II線における横断面図である。 シングルスクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。 実施形態1のスライドバルブの斜視図である。 実施形態1のスライドバルブの正面図である。 シングルスクリュー圧縮機の圧縮機構の動作を示す平面図であって、(A)は吸込行程を示し、(B)は圧縮行程を示し、(C)は吐出行程を示す。 実施形態1の変形例のシングルスクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 実施形態2のシングルスクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 弁座部材の斜視図である。 実施形態3のスライドバルブの正面図である。 実施形態3のスライドバルブを先端面側から見た側面図である。
符号の説明
1 シングルスクリュー圧縮機
10 ケーシング
23 圧縮室
30 円筒壁(シリンダ部)
33 バイパス通路
40 スクリューロータ
61 シール用被膜(シール部材)
62 弁座部材(シール部材)
65 Oリング(シール部材)
70 スライドバルブ
71 弁体部

Claims (5)

  1. ケーシング(10)と、
    上記ケーシング(10)のシリンダ部(30)に挿入されて圧縮室(23)を形成するスクリューロータ(40)と、
    上記シリンダ部(30)の内周面に開口して圧縮途中の上記圧縮室(23)を吸入側に連通させるバイパス通路(33)と、
    上記スクリューロータ(40)の軸方向へスライドすることによって上記シリンダ部(30)の内周面における上記バイパス通路(33)の開口面積を変化させるスライドバルブ(70)とを備えるスクリュー圧縮機であって、
    上記バイパス通路(33)が全閉状態になると、上記スライドバルブ(70)のスライド方向の先端面(P2)と、上記ケーシング(10)のうち該スライドバルブ(70)の先端面(P2)と対面する部分であるシート部(11)との間に挟み込まれるシール部材(61,62,65)を更に備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記シール部材(61,62,65)は、樹脂又はゴムによって構成されて上記スライドバルブ(70)又は上記ケーシング(10)に設けられている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1において、
    上記シール部材(61)は、上記スライドバルブ(70)の先端面(P2)を覆う樹脂製の被膜である
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項1において、
    上記シール部材(62)は、上記ケーシング(10)とは別体に形成されて上記シート部(11)を覆うように該ケーシング(10)に取り付けられている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 金属製のケーシング(10)と、
    上記ケーシング(10)のシリンダ部(30)に挿入されて圧縮室(23)を形成するスクリューロータ(40)と、
    上記シリンダ部(30)の内周面に開口して圧縮途中の上記圧縮室(23)を吸入側に連通させるバイパス通路(33)と、
    上記スクリューロータ(40)の軸方向へスライドすることによって上記シリンダ部(30)の内周面における上記バイパス通路(33)の開口面積を変化させるスライドバルブ(70)とを備えるスクリュー圧縮機であって、
    上記スライドバルブ(70)は、上記バイパス通路(33)に臨む樹脂製の弁体部(71)を備え、上記バイパス通路(33)が全閉状態になると該弁体部(71)のスライド方向の先端面(P2)が上記ケーシング(10)に当接するように構成されている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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