JP2008056848A - 活性エネルギー線硬化性封止剤および該封止剤を用いた光半導体装置 - Google Patents
活性エネルギー線硬化性封止剤および該封止剤を用いた光半導体装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の活性エネルギー線硬化性封止剤は、分子内に環状脂肪族骨格と1個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂(A)、数平均分子量が400以上のポリオール(B)、活性エネルギー線感応触媒(C)および3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価カルボン酸の酸無水物(D)からなる樹脂組成物であって、ポリオール(B)が炭素−炭素単結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)または液状のポリカーボネートポリオール(B2)であることを特徴としている。
【選択図】なし
Description
以下に、本願で用いられる測定方法および効果の評価方法について例示する。
実施例および比較例で得られた封止剤を、アプリケータを用いて、鋼板上に、20μmの厚みで塗布する。UV照射装置(アイグラフィックス(株)製、商品名「ECS−301」)を用いて、前記塗膜に紫外線を照射(積算光量1500mJ/cm2)して硬化させ、試験片を作製した。
剛体振り子型粘弾性測定器((株)エー・アンド・ディー製「RPT3000」)を用いて、対数減衰率のピーク温度を測定し、ガラス転移温度(Tg)とした。
実施例および比較例で得られた封止剤を、アプリケータを用いて、剥離可能な基板(離型コートを施したガラス板)上に、100μmの厚みで塗布した後、上記(1)と同様にして紫外線硬化後、基板より剥離して、試験片を作製した。
分光光度計(島津(株)製「UV−2450」)を用いて、波長400nmにおける光透過率(T%)を測定した。光線透過率が85T%以上を透明性良好(○)、75T%以上85T%未満を使用可能なレベルの透明性(△)、75T%未満を透明性不良(×)と判断した。
上記(2)と全く同様にして作製した試験片を、熱風オーブン中で260℃1分間加熱した後、85℃、85%RH環境下で1週間放置した。
上記(2)と同様にして、波長400nmにおける光透過率(T%)を測定し、(2)と同じ基準で加熱加湿後の透明性を判断した。
実施例および比較例で得られた封止剤を、銅板(縦150mm×巾25mm×厚み1.5mm)に塗布(厚み:100μm)した後、上記(1)と同様にして紫外線硬化し、試験片を得た。
該試験片に対して、恒温恒湿槽(エスペック(株)製「TSE−11−A」)を用いて、−40℃(条件1)で30分間放置した後、85℃(条件2)で30分間放置するサイクルを、連続で500サイクル繰り返した。なお、条件1から条件2への条件変更は昇温速度5℃/分(25分間)、条件2から条件1への条件変更は降温速度5℃/分(25分間)で行った。
500サイクル後、試験片の接着界面に染色浸透探傷液(日本マテック(株)製、商品名「KD−CHECK RDP−1」)を塗布し、割れや剥離の有無を目視にて観察し(試験回数:n=5)、全ての試験片において割れ、剥離の見られなかった場合を密着性(耐熱衝撃性)良好(○)と判断し、1つでも割れ、剥離の見られた場合には密着性(耐熱衝撃性)不良(×)と判断した。
上記(4)と全く同様にして作製した試験片を、熱風オーブン中で260℃1分間加熱した後、85℃、85%RH環境下で1週間放置した。
上記(4)と同様に試験片の接着界面に染色浸透探傷液(日本マテック(株)製、商品名「KD−CHECK RDP−1」)を塗布し、割れや剥離の有無を目視にて観察し(試験回数:n=5)、全ての試験片において割れ、剥離の見られなかった場合を加熱加湿後の密着性良好(○)と判断し、1つでも割れ、剥離の見られた場合には不良(×)と判断した。
E型粘度計を用いて、25℃において測定した。
A1:ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
[ポリオール]
B1:協和発酵ケミカル(株)製「TOE−2000H」(式(I)の両末端水酸基型ビニルエーテルオリゴマー:HO(CH2)2(CH(OC2H5)CH2)nCH2OH)、数平均分子量2000、主鎖の結合:炭素−炭素単結合
B2−(1):ダイセル化学工業(株)製「プラクセル CD205PL」(液状ポリカーボネートポリオール)、数平均分子量500、主鎖の結合:カーボネート結合を含む
B2−(2):ダイセル化学工業(株)製「プラクセル CD220PL」(液状ポリカーボネートポリオール)、数平均分子量2000、主鎖の結合:カーボネート結合を含む
B3:ダウケミカル(株)製、商品名「TONE0301」(ポリε−カプロラクトン変性トリメチロールプロパン)、数平均分子量300、主鎖の結合:エステル結合を含む
B4:宇部興産(株)製、1,6−ヘキサンジオール
[活性エネルギー線感応触媒]
C1:ダイセル・サイテック(株)製「Uvacure1590」(トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩)
[多価カルボン酸/酸無水物]
D1:三菱ガス化学(株)製「H−TMAn」(シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物)
[その他の添加剤]
フッ素含有アルコール: ダイキンファインケミカル研究所製「A−5410」
臭素化フェニルグリシジルエーテル:ナガセケムテックス社製「デナコールEX−147」
表1に示すとおり、脂環式エポキシ樹脂として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」)を75重量部、ポリオールとして、両末端水酸基型ビニルエーテルオリゴマー(協和発酵ケミカル(株)製「TOE−2000H」)を25重量部、活性エネルギー線感応触媒として、トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Uvacure1590」を3重量部、多価カルボン酸無水物として、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物(三菱ガス化学(株)製、商品名「H−TMAn」)3.75重量部(エポキシ樹脂に対して5重量部である)、および、エチレングリコール1重量部を、シンキー社製の「あわとり練太郎」を用いて室温で1時間攪拌混合して、活性エネルギー線硬化性封止剤を作製した。
得られた封止剤の硬化物は、表2に示すとおり、優れた耐熱性、密着性(耐熱衝撃性)、耐湿熱性(信頼性)を有していた。
ポリオール(B)の種類、配合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性封止剤を作製した。なお、実施例5、6にはそれぞれ屈折率調整用のフッ素含有アルコール、臭素化フェニルグリシジルエーテルを添加した。
得られた封止剤の硬化物は、表2に示すとおり、優れた耐熱性、密着性(耐熱衝撃性)、耐湿熱性(信頼性)を有していた。
表1に示すように、ポリオールをエステル基を有するポリオールに変更し、多価カルボン酸/酸無水物を用いないで、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性封止剤を作製した。
比較例1より得られた封止剤の硬化物は、表2に示すとおり、耐湿熱性、密着性(耐熱衝撃性)に劣っていた。比較例2の封止剤は硬化性が悪く、測定方法の硬化条件では十分に硬化しなかった。
表1に示すように、ポリオールおよび多価カルボン酸/酸無水物を用いない以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性封止剤を作製した。
比較例3より得られた封止剤の硬化物は、表2に示すとおり、加熱加湿後の密着性、密着性(耐熱衝撃性)に劣っていた。
表1に示すように、ポリオールを低分子量ポリオールに変更し、多価カルボン酸/酸無水物を用いないで、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性封止剤を作製した。
比較例4より得られた封止剤の硬化物は、表2に示すとおり、加熱加湿後の密着性、密着性(耐熱衝撃性)に劣っていた。
表1に示すように、多価カルボン酸/酸無水物を用いない以外は、実施例6と同様にして、活性エネルギー線硬化性封止剤を作製した。
比較例5より得られた封止剤の硬化物は、表2に示すとおり、加熱加湿後の密着性に劣っていた。
Claims (12)
- 分子内に環状脂肪族骨格と1個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂(A)、数平均分子量が400以上のポリオール(B)、活性エネルギー線感応触媒(C)および3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価カルボン酸の酸無水物(D)からなる樹脂組成物であって、ポリオール(B)が炭素−炭素単結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性封止剤。
- 炭素−炭素単結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)が、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリオレフィン系ポリオールである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- ポリオレフィン系ポリオールが、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリジエン系ポリオールに水素添加して作製したポリオレフィン系ポリオールである請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- 分子鎖の両末端に水酸基を有するポリジエン系ポリオールが、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリイソプレンである請求項3に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- 炭素−炭素単結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)が、両末端に水酸基を有するビニルエーテル系オリゴマーである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- 分子内に環状脂肪族骨格と1個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂(A)、数平均分子量が400以上のポリオール(B)、活性エネルギー線感応触媒(C)および3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価カルボン酸の酸無水物(D)からなる樹脂組成物であって、ポリオール(B)が液状のポリカーボネートポリオール(B2)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性封止剤。
- ポリカーボネートポリオール(B2)が、1,6−ヘキサンジオール成分、その他のジオール成分、及び、カーボネート成分から構成され、1,6−ヘキサンジオール成分とその他のジオール成分のモル比が9:1〜1:9である請求項7に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- 脂環式エポキシ樹脂(A)とポリオール(B)の合計量(100重量部とする)に対して、脂環式エポキシ樹脂(A)の配合量が30〜90重量部、ポリオール(B)の配合量が10〜70重量部、触媒(C)の配合量が0.05〜10重量部であり、多価カルボン酸及び/又は酸無水物(D)の配合量が、脂環式エポキシ樹脂(A)(100重量部とする)に対して、0.1〜20重量部である請求項1〜8のいずれかの項に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- さらに、炭素数3〜15、フッ素数1〜23の直鎖状あるいは分岐鎖状のアルコールを含む請求項1〜9のいずれかの項に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- さらに、芳香環、または、臭素及び芳香環を有するエポキシ樹脂を含む請求項1〜9のいずれかの項に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤。
- 請求項1〜11のいずれかの項に記載の活性エネルギー線硬化性封止剤で発光ダイオードを封止してなる光半導体装置。
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