JP2008056807A - エマルジョンの固化方法と、この方法を用いた発泡などによる成形品及びその製造方法 - Google Patents

エマルジョンの固化方法と、この方法を用いた発泡などによる成形品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケイフッ化物を使用せずに、エマルジョンを安全にpH調整しながら、エマルジョンを固化させる方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、エラストマー等の樹脂を分散媒に分散した分散体であるエマルジョンに、ケイフッ化物を含有せず、酸を発生する性質を有する固化剤を添加する。固化剤としては、酸化剤、還元剤、エステル、酸無水物、オキシ酸脱水物、酸ハロゲン化物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、ラクトン化合物、等を使用することができる。
【選択図】なし

Description

この発明は、樹脂の分散体であるエマルジョンのpHを調整しながら、ゆっくり固化させる方法と、この方法により成形した多孔質体や成形品、及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ケイフッ化物を含まない固化剤を用いて、エマルジョンのpHを調整しながら固化させる方法と、その方法を用いて成形された成形品、成形体、発泡体、多孔質体、及びそれらの製品の製造方法に関するものである。
樹脂の分散体としてのエマルジョンを原料とする製品には、エマルジョンの固化する性質を利用して成形する被膜や多孔質体等があり、製品としては手袋、カーペット、コーティング、人工皮革、スポンジ、フォーム等がある。このうち、多孔質体は、その特性からクッション、フィルター、電池セパレーター、ファブリック、人工皮革、断熱材、塗布具、吸着剤、洗浄ロール、バススポンジ等に用いられている。
従来、エマルジョンを固化する方法としては、ケイフッ化ナトリウムなどのケイフッ化物を加えることが知られている。例えばエマルジョンから多孔質体を製造する場合、エマルジョンの発泡物をケイフッ化ナトリウムなどで固化させて製造する。また、多孔質体の別の製造方法としては、エマルジョンの発泡物に対して固化剤を使用せずに、熱により固化する方法が知られている。
特開2005−169229
しかしながら、上記前者の製造方法の場合、ケイフッ化物の使用は環境上好ましくなく、近年はケイフッ化物の使用削減が求められている。また、上記後者の製造方法の場合、外部より熱を加えるため、エマルジョンの表面と内部とで固化時間に差が生じ、均一な空孔をもつ多孔質体を製造することができない。またこの方法では、厚さが8mmを超える均一な多孔質体は製造することが難しく、各種用途の要求に完全に応じることができない。
また、エマルジョンを固化する上で、エマルジョンのpHを調整する必要が生じることがあり、pHを下げる場合には通常、酸性物質を添加する。しかしこの方法を用いると、添加時にエマルジョンが不安定化し、一部が不可逆的に固化したり、凝固物が発生したりして好ましくなく、これに代わる方法が求められている。
そこで、この発明は、ケイフッ化物を使用せずに、エマルジョンを安全にpH調整しながら、エマルジョンを固化させる方法、その方法を用いて成形された樹脂成形品・樹脂成形体・樹脂被膜・樹脂多孔質体、及びそれらの製品の製造方法を提供しようとするものである。
この発明の発明者は、ある種の化合物がラテックス、エマルジョンをゆっくりと固化させることを見出し、鋭意研究した結果、この発明を完成したものである。
請求項1の発明は、エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加え、固化させる、エマルジョンの固化方法である。請求項2の発明は、エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加え固化させた、成形品である。請求項3の発明は、エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加え固化させた、多孔質体である。請求項4の発明は、エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加えることによりエマルジョンを固化させる、請求項2の成形品の製造方法である。請求項5の発明は、エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加えることによりエマルジョン発泡物を固化させる、請求項3の多孔質体の製造方法である。
請求項1の発明によれば、エマルジョンの原料としてケイフッ化物を含まず、また製造工程においてもケイフッ化物を使用せずに、エマルジョンのpHを安全に調整しながらエマルジョンを固化させることができる。また、請求項2及び3の発明によればケイフッ化物を含まない成形品や多孔質体を提供でき、環境衛生上好ましい。また、請求項4の発明によれば、ケイフッ化物を含まず、意図しない部分的な固化がなく、凝固物の発生のない成形品を製造することができる。
更に請求項5の発明によれば、ケイフッ化物を含まず、軽量で微細で均一な空孔を内側と外側に均一に有する多孔質体を製造することができ、各種用途の要求にも応じることができる。
この発明におけるエマルジョンとは、樹脂を分散媒に分散した分散体であり、ラテックスとも呼ばれるものである。また、樹脂とは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、エラストマーである。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、スチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びそれらの共重合体等を使用できる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、及びそれらの共重合体等を使用できる。
ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBR、MBR、CR、フッ素ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、EPM、EPDM、及びそれらの共重合体等を使用できる。
エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、及びそれらの共重合体等を使用できる。
上記のゴム、エラストマー、樹脂は単独で使用することもでき、また、2種類以上を混合して使用することもできる。
樹脂を分散させる分散媒としては、水、有機溶剤が使用でき、好ましくは水、炭化水素が使用できる。樹脂を分散媒に分散する方法としては、各種の公知の方法を使用でき、例えば、樹脂の原料であるモノマーを分散媒に分散、乳化し、重合する乳化重合方法を使用することができる。また、樹脂溶液を作成し、分散媒に分散、乳化する方法を使用することが出来る。また、自然界より植物、動物から得られるエマルジョンを使用することもできる。この例としては、天然ゴムラテックスが挙げられる。
上記エマルジョンを分散、乳化する場合において、安定剤を使用することができる。安定剤としては、分散剤、乳化剤、界面活性剤が使用でき、界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、高分子界面活性剤、非イオン性界面活性剤が使用できる。これらの界面活性剤の具体例としては、脂肪酸、ロジン酸、ポリカルボン酸、などのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン化合物などが挙げられる。
上記エマルジョンは、成形する製品に割れや裂け、収縮等の成形不良を少なくするため固形分濃度を40%以上とすることが好ましい。より好ましくは、固形分濃度は50%以上である。また、発泡成形を行う場合には、好ましくは固形分濃度が50%以上、より好ましくは60%以上である。固形分濃度の上限は限定されないが、固形分濃度が75%以上になるとエマルジョンの粘度が急激に高くなり、取り扱いが困難となるため、好ましくない。
上記エマルジョンは、中性〜アルカリ性であり、好ましくはアルカリ性とする。pHで示すと、6以上であり、好ましくは7以上とする。pHの上限に特に制限はないが、13以下が実用上好ましい。エマルジョンのpHを上記の範囲とすることで、後述する多孔質体の成形の際に、微細な気泡をもつ発泡体を作成することが可能となる。エマルジョンのpHの調整は、後述する固化剤を使用して行う。
上記エマルジョンは、後述する固化剤を用いることで安全にpHを調整しながら、固化させることができる。「安全に固化させる」とは、固化剤をエマルジョンに添加した際に、意図しない部分的な固化が生じたり、凝固物が発生しないように固化させることである。このような部分的な固化や凝固物が発生すると、その後には再び均一なエマルジョンには戻らず、成形品にもダマや異物として入り込み、外観上好ましくなかったり、強度の低下となったりする。またエマルジョンの「固化」とは、分散媒中に分散している樹脂粒子同士が集合融着し、流動しない状態になることである。
本発明の固化剤は、酸を発生する性質を有する物質である。酸を発生する性質を有する固化剤には、酸化剤、還元剤、エステル、酸無水物、オキシ酸脱水物、酸ハロゲン化物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、ラクトン化合物、等を使用することができる。
酸化剤としては、過酸化物、ハロゲン化酸化物、過ハロゲン化物、過ホウ酸物、過炭酸物、過燐酸物、過硫酸物、過酢酸物等が使用できる。これら酸化剤は、単体で、または塩として使用することができる。塩として使用する場合、ナトリウム、カリウム、アンモニウムなどの1価の塩や、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの多価の塩を使用することができる。これら酸化剤の具体例としては、パーオキシエステル化合物、アルキレングリコールパーオキシアルキレート、アルキルパーオキシアルキレート、アルキルパーオキサイド化合物、ブチルパーオキサイド化合物、ブチルパーオキシアルキルカーボネート、アミルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、ジクミルパーオキサイド、ビスブチルパーオキシプロピルベンゼン、パーオキシケタール化合物、ビスブチルパーオキシブタン、ケトンパーオキサイド化合物、パーオキシジカーポネート化合物、アルキルハイドロパーオキサイド化合物、アミルハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素、過酸化尿素、塩素酸カリウム、臭素酸カリウム、ヨウ素酸塩、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム等が挙げられる。
還元剤としては、硫黄化合物、燐、燐化合物、有機化合物、アルデヒド類化合物、糖類等が使用できる。これらの還元剤の具体例としては、フルフラール、ロンガリット、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(NaHSO2・CH2O・2H2O)、亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレート(ZnSO2・CH2O・2H2O)、燐、亜燐酸、次亜燐酸、次亜燐酸塩、ピロ燐酸塩、アルデヒド類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンジルアルデヒド、シンナミルアルデヒド、アクロレイン、グリオキザール、ブドウ糖、グルコース、果糖等が挙げられる。
エステルとしては、脂肪酸エステル、マロン酸エステル化合物、コハク酸エステル、エチルアセテート、硫酸エステル、燐酸エステル、ホウ酸エステル等が挙げられる。
酸無水物としては、カルボン酸無水物、ジカルボン酸無水物、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、フタル酸無水物、マレイン酸無水物等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、メチレンイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トルエンイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物等が挙げられる。
また、酸化剤と還元剤とを組み合わせて固化剤として使用することもできる。酸化剤と還元剤とを組み合わせて使用する場合、酸化剤が上記した酸化剤のいずれかである場合、組み合わせる還元剤は上記した還元剤のいずれでも使用可能であるが、上記したもの以外の還元剤を組み合わせて使用することもできる。また、還元剤が上記した還元剤のいずれかである場合、組み合わせる酸化剤は上記した酸化剤のいずれでも使用可能であるが、上記した酸化剤以外の酸化剤と、組み合わせて使用することもできる。好ましい組み合わせとしては、過酸化物と硫黄化合物、過ハロゲン化合物とアルデヒド類化合物等がある。
この発明の固化剤は、固体、液体状のものを使用し、そのまま、若しくは溶液または分散液等の液状にして、エマルジョンに混合して使用する。
固化剤は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用する場合、2種以上の固化剤をあらかじめ混合した後、エマルジョンに混合する。また、固化剤を1種ずつ順次、エマルジョンに混合してもよい。また、酸化剤と還元剤を組み合わせた固化剤を使用する場合は、エマルジョンに混合する直前に酸化剤と還元剤を混合し、その後エマルジョンに混合することが好ましい。なお、酸化剤と還元剤を1種ずつエマルジョンに混合してもよい。
固化剤のエマルジョンへの添加方法は、固化剤を粉状にして、あるいは溶液、分散液、スラリーなの液状にて添加する。また、エマルジョンを撹拌している状態で固化剤を添加したり、添加後に自然に拡散させてもよい。また、固化剤添加後にスタティクミキサーやオーガーを使用し混合させてもよい。ポンプなどを使用してエマルジョンを輸送しつつ、このラインへ固化剤を注入し、拡散させたり混合させたりすることもできる。この場合にも各種の混合方法が使用できる。
溶液として固化剤を添加する場合の固化剤溶液の濃度は、エマルジョンに不均一な固化が生じない程度の濃度にすることが好ましい。具体的には固化剤の種類によって違いはあるが、5%以上50%以下である。この値より希薄であればエマルジョンの固形分が低下し成形時に不良が発生しやすく、この値より濃厚であれば、不均一な部分固化が発生することがあり、成形品にブツやダマ、ふくれなどの不良となる。液状として固化剤を添加する場合の固化剤溶液のpHは、エマルジョンに不均一な固化が生じないよう3以上が好ましく、より好ましくは5以上である。この値より低ければ、不均一な部分固化が発生することがある。pHの調整には、アルカリ、酸、塩などにより調整することができる。
固化剤を添加して行う「固化」とは、エマルジョンの流動性がなくなり固形化することである。これは、固化剤から酸性物質が放出され、エマルジョンのpHが低下し、エマルジョンの樹脂粒子が不安定化し、遂には粒子同士が融着し固化するものと考えられる。
上述した固化方法を用いることにより、エマルジョンを長時間かけて均一に固化させることができる。固化剤を混合してから固化に至るまでの固化時間は、10秒以上とすることが好ましく、より好ましくは30秒以上、さらにより好ましくは60秒以上である。エマルジョン固形分100重量部当たり、固化剤を0.1〜20重量部使用することで、固化時間を10秒以上とすることができる。このように固化時間を長時間とすることにより、固化剤を混合した後に、型に流し入れる等の成形作業を行うことが可能となる。特に発泡成形の場合、均一な空孔を有する多孔質体を製造することが可能となる。またエマルジョンに固化剤を混合した後、塗布することによりフィルムや被膜物を製造することができる。
また、上述した固化方法を用いることにより、エマルジョンから多孔質体を製造する発泡成形を行うことができる。発泡成形にて多孔質体を製造する方法としては、エマルジョンに気体を機械的に撹拌混合する方法(機械発泡法)、発泡剤を混合し熱や化学反応にて気体を発生させる方法(ガス発泡方法)等が挙げられる。これらの発泡方法によりエマルジョンを発泡させた発泡物とし、上述した固化剤を用いて固化させ多孔質体とすることができる。
なお、エマルジョンに気体を機械的に撹拌混合する方法を用いる場合には、ホイップミキサー、ホバートミキサー、ピンミキサー、オークスミキサーなどのバッチ式、連続式の各種の方法を使用することができる。
またエマルジョンへの固化剤の混合方法としては、あらかじめエマルジョンに固化剤を混合した後にエマルジョンを発泡させてもよいし、また、エマルジョンを発泡させた後の発泡物に固化剤を混合させてもよい。また、発泡させるのと同時にエマルジョンに固化剤を混合させてもよく、これらの方法を併用することもできる。具体的な混合方法として、輸送ラインによる方法、撹拌機、スタティクミキサーやオーガーによる方法など各種の方法を用いることができる。
成形品、多孔質体を製造する原料となるエマルジョンには各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、起泡剤、気泡安定剤、架橋剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、触媒、可塑剤、充填剤、滑剤、老化防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤、安定剤、着色剤、付香剤、消臭剤、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、固化助剤、pH調整剤、増粘剤、減粘剤、導電剤等が使用できる。
これらの添加剤のうち、起泡剤は、発泡成形時に使用し、発泡成形時の泡の発生作用を持つものであり、界面活性剤を用いることができる。起泡剤の具体例としては、脂肪酸、ロジン酸、ポリカルボン酸、などのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン化合物等が挙げられる。起泡剤はエマルジョン100重量部当たり、1〜20重量部使用するのが望ましい。なお、起泡剤はエマルジョンの安定剤を兼ねることができる。この場合には起泡剤の添加量を減らすことができる。
また、前述の添加剤のうち気泡安定剤は、発泡成形時に使用し、発泡成形時の泡の安定化作用を有するものであり、界面活性剤、高分子界面活性剤、水溶性樹脂、シリコン化合物等がある。気泡安定剤の具体例としては、アルキル化4級化アンモニウム塩、塩化アルキル・ホルムアルデヒド・アンモニア反応生成物、トリメンベース、アミノ酸化合物、界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンシリコーン化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。気泡安定剤は、エマルジョン100重量部当たり0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部使用する。
また、前述の添加剤のうち固化助剤は、固化剤と共に使用し、成形時の固化の速度を速めたり、固化を完全な状態としたり、固化時の泡を安定化させる作用を有するものであり、金属酸化物、塩、酸、溶剤、界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコン系界面活性剤等がある。固化助剤の具体例としては、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。また、固化剤が発生させる酸との共通アニオン塩等も挙げることができる。固化助剤はエマルジョン100重量部当たり0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部使用する。
この様にして固化剤を用いてエマルジョンを固化し作成した成形品、多孔質体は、必要に応じて原料のエマルジョンに含まれる分散媒、添加剤などの補助材料を除去する。その方法としては、洗浄、乾燥等の方法を使用する。また、補助材料の除去に前後して、成形品、多孔質体を架橋してゴム弾性を付与したり、硬化させたり、耐熱性や耐水性を付与したりしてもよい。
実施例1
実施例1〜3は、エマルジョンのpHを調整しながら、固化させる方法である。まず実施例1について説明する。エマルジョンは、NBRラテックス(日本ゼオン製ニッポールLX−531B、固形分濃度66%、pH11)を100重量部用意した。撹拌しつつ、固化剤として過硫酸ナトリウム1重量部を濃度10%の水溶液にして加えた、添加終了後2分間撹拌を続け、全体を均一とした。表1に示すように、この後次第にpHが低下し、1時間後にはpHは9となった。添加時に凝固物の発生はなかった。
実施例2
本実施例では、実施例1と同様の手順で、過硫酸ナトリウムに代えて固化剤としてロンガリットを加えた。表1に示すようにphは次第に低下し、1時間後にはpHは9となった。添加時に凝固物の発生はなかった。
実施例3
本実施例では、実施例1と同様の手順で、過硫酸ナトリウムに代えて固化剤として過ヨウ素酸ナトリウムを加えた。表1に示すようにphは次第に低下し、1時間後にはpHは8となった。添加時に凝固物の発生はなかった。
比較例1
本比較例では、実施例1と同様の手順で、表1に示すように過硫酸ナトリウムに代えて固化剤として酢酸0.5重量部を濃度10%の水溶液にして加えた。添加と同時にphが低下し、凝固物が発生した。凝固物が発生した後、元のエマルジョンの均一な状態には戻らなかった。
比較例2
本比較例では、実施例1と同様の手順で、表1に示すように過硫酸ナトリウムに代えて固化剤として水分散したケイフッ化ナトリウム0.5重量部を加えた。phが次第に低下し、1時間後にはpHは8となった。添加時に凝固物の発生はなかった。
Figure 2008056807
実施例4
実施例4〜14は、エマルジョンのpHを調整しながら、固化させ多孔質体を製造する方法である。
まず実施例4について説明する。原料エマルジョンとして、NBRラテックス(日本ゼオン製ニッポールLX−531B、固形分濃度66%)を100重量部用意した。このエマルジョンの樹脂固形分100重量部に対し、架橋剤(硫黄) 1.5重量部、加硫促進剤(EZ) 1.5重量部、気泡安定剤(トリメンベース) 1.0重量部、固化助剤(酸化亜鉛)3.0重量部を加え混合した。この混合物をホイップミキサーにて空気を撹拌混合し発泡物を作成した。これに、固化剤として、表2に示すように酸化剤(=過硫酸ナトリウムの10%水溶液)を10重量部加えさらに均一となるよう混合した。なお、各薬品は水分散液、または水溶液として使用している。
この発泡物を直径60mm深さ20cmの筒状の型に注型した。この後、発泡物は固化剤の混合時からしだいにpHが低下し10分後に流動性がなくなり固化した。この後、蒸気にて1時間、100℃に加温し加硫を行った。固化した発泡物はゴム弾性が付与された連続気泡構造の多孔質体となった。容器から取り出し水洗いし、乾燥を行った。多孔質体は使用した金型と略同一の形状であった。この多孔質体を厚さ10mmにて輪切りとし、円柱側面のスキン層を削り落し丸みをつけ、化粧用塗布具とした。これをパウダーファンデーションの塗布具として使用すると、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例5
実施例4と同様の手順で、過硫酸ナトリウムに代えて固化剤として表2に示すように過硫酸カリウムの10%水溶液を10重量部加えた。固化剤を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は15分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また、実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例6
実施例4と同様の手順で、過硫酸ナトリウムに代えて固化剤として表2に示すようにロンガリットの10%水溶液を10重量部加えた。固化剤を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は20分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また、実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例7
実施例4と同様の手順で、表2に示すように固化剤1として過硫酸ナトリウムの10%水溶液を1重量部と固化剤2としてロンガリットの10%水溶液を0.5重量部を加えた。固化剤1を加えた後に固化剤2を加えた。固化剤1と2を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は5分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例8
実施例4と同様の手順で、表2に示すように固化剤1として過硫酸ナトリウムの10%水溶液を2重量部と固化剤2としてロンガリットの10%水溶液を0.2重量部を加えた。固化剤1を加えた後に固化剤2を加えた。固化剤1と2を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は5分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例9
実施例4と同様の手順で、表2に示すように固化剤1として過硫酸ナトリウムの10%水溶液を0.5重量部と固化剤2としてロンガリットの10%水溶液を1重量部を加えた。固化剤1を加えた後に固化剤2を加えた。固化剤1と2を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は7分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例10
実施例4と同様の手順で、表2に示すように固化剤1としてロンガリットの10%水溶液を0.5重量部と固化剤2として過硫酸ナトリウムの10%水溶液を1重量部を加えた。固化剤1を加えた後に固化剤2を加えた。固化剤1と2を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は5分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例11
実施例4と同様の手順で、表2に示すように固化剤1として過酸化水素の35%水溶液を1重量部と固化剤2としてホルムアルデヒドの35%水溶液を1重量部を加えた。固化剤1を加えた後に固化剤2を加えた。固化剤1と2を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は10分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例12
実施例4と同様の手順で、表2に示すように固化剤1として過ヨウ素酸カリウムの5%水溶液を2重量部と固化剤2としてグルコースの10%水溶液を4重量部を加えた。固化剤1を加えた後に固化剤2を加えた。固化剤1と2を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は15分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例13
実施例4と同様の手順で、表2に示すように過硫酸ナトリウムに代えて固化剤として燐酸エステルを1重量部加えた。固化剤を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は13分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また、実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
実施例14
実施例4と同様の手順で、表2に示すように過硫酸ナトリウムに代えて固化剤としてトルエンジイソシアネートを1重量部加えた。固化剤を混合した後から次第にpHが低下し固化して多孔質体となった。固化時間は15分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また、実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
比較例3
実施例4と同様の手順で、固化剤としてケイフッ化ナトリウムの10%の水溶液を2重量部使用した。固化時間は10分であった。いずれもゴム弾性のある連続気泡構造の多孔質体であり、金型と略同型の形状であった。また、実施例4と同様に化粧用具としたが、化粧料の乗りがよく、また肌当たりの感触も良く化粧用塗布具として適していた。
Figure 2008056807
比較例4
実施例4と同様に操作したが(表2では省略)、固化剤として酢酸2重量部を使用した。固化剤の添加と同時にpHが低下し、固化し、容器に流し入れることはできなかった。発泡物は樹脂片の固まりとなり多孔質体は得られなかった。
比較例5
実施例4と同様に操作したが(表2では省略)、固化剤を使用しなかった。この起泡物は注型後30分間経過しても固化せず、泡が次第に消えていった。固化した多孔質体は得られなかった。

Claims (5)

  1. エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加え、固化させることを特徴とする、エマルジョンの固化方法。
  2. エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加え、固化させたことを特徴とする、成形品。
  3. エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加え、固化させたことを特徴とする、多孔質体。
  4. エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加えることによりエマルジョンを固化させることを特徴とする、請求項2の成形品の製造方法。
  5. エマルジョンにケイフッ化物を含有しない固化剤を加えることによりエマルジョン発泡物を固化させることを特徴とする、請求項3の多孔質体の製造方法。
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