JP2017043766A - 発泡成形用組成物、発泡成形体及び発泡成形用熱膨張性微小球 - Google Patents

発泡成形用組成物、発泡成形体及び発泡成形用熱膨張性微小球 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、無機充填剤を配合した発泡成形用組成物であって、成形時の熱膨張性微小球の破壊による成形体表面の凹みを抑制でき、かつ高い発泡倍率を有する発泡成形用組成物、該発泡成形用組成物を成形してなる発泡成形体及び発泡成形用組成物に好適に用いることができる発泡性成形用熱膨張性微小球を提供することである。【解決手段】 本発明の発泡成形用組成物は、熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球、塩化ビニル系樹脂を除く基材成分及び無機充填剤を含有し、発泡成形用組成物に占める前記無機充填剤の重量割合が20〜70重量%であり、前記140℃における熱膨張性微小の内圧が0.6〜1.4MPaであり、250℃における熱膨張性微小の内圧が3〜6.2MPaである。【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡成形用組成物、発泡成形体及び発泡成形用熱膨張性微小球に関する。
現在、熱可塑性樹脂等のプラスチックを材料とした製品は世界中で広く使用されており、その使用量は年々増加傾向にある。熱可塑性樹脂は石油を原料としているため、石油の枯渇やその廃材の焼却処理により二酸化炭素の発生量が増加し、地球温暖化につながるという問題が生じている。
上記の問題を解消するために充填材を添加し、熱可塑性樹脂の使用量を抑え、さらに、充填材の添加による質量の増加を抑制するため、熱可塑性樹脂を発泡させて軽量化する検討がなされている。
熱可塑性樹脂の発泡方法としては、化学発泡剤を樹脂溶融時の熱により分解させ、その際に発生したガスにより発泡させる方法があげられる。しかし、この方法では熱可塑性樹脂の使用量を減らすために充填剤の配合量を多くすると、化学発泡剤の気泡を含有し得る樹脂の配合割合が少ない状態となって、樹脂成形時の加熱により気化された発泡剤の気泡が樹脂中から抜けやすくなり、気泡を成形体内に安定的に留めておくことが困難であった。
また、特許文献1では、無機充填剤を配合した熱可塑性エラストマーの発泡成形体が開示されているが、例示された熱膨張性微小球を使用した場合、成形工程時に熱膨張性微小球が破壊され、十分な発泡倍率を有する成形体が製造できず、さらに熱膨張性微小球が破壊された部分で凹みが発生するため、発泡成形体の外観が損なわれる問題がある。
特開2004−217849公報
このように、無機充填剤を配合した発泡成形用組成物であって、熱膨張性微小球の破壊を抑制して、十分な発泡倍率を有する発泡成形体を製造できる発泡成形用組成物はこれまでなかった。
本発明の目的は、無機充填剤を配合した発泡成形用組成物であって、成形時の熱膨張性微小球の破壊による成形体表面の凹みを抑制でき、かつ高い発泡倍率を有する発泡成形用組成物、該発泡成形用組成物を成形してなる発泡成形体及び該発泡成形用組成物に好適に用いることができる熱膨張性微小球を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、塩化ビニル系樹脂を除く基材成分、熱膨張性微小球及び所定量の無機充填剤を含有する発泡成形用組成物において、熱膨張性微小球の内圧が特定の温度で所定の範囲内にある熱膨張性微小球を用いることにより、優れた外観を有する発泡成形体を得るこができ、かつ高い発泡倍率を有することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の発泡成形用組成物は、熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球、塩化ビニル系樹脂を除く基材成分及び無機充填剤を含有する発泡成形用組成物であって、発泡成形用組成物に占める前記無機充填剤の重量割合が20〜70重量%であり、140℃における前記熱膨張性微小球の内圧が0.6〜1.4MPaであり、250℃における前記熱膨張性微小球の内圧が3〜6.2MPaである。
本発明の発泡成形用組成物は、次の1)〜5)から選ばれる少なくとも一つをさらに満足すると好ましい。
1)前記熱膨張性微小球の重量割合が、前記無機充填剤100重量部に対して、1〜20重量部である。
2)前記熱可塑性樹脂が、ニトリル系単量体を含む重合性成分の重合体である。
3)前記重合性成分が、さらにカルボキシル基含有単量体を含む。
4)前記熱膨張性微小球の膨張開始温度が140〜200℃である。
5)前記無機充填剤が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムアルミニウム、タルク、マイカ、ワラストナイト、ガラスビーズ及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種である。
本発明の発泡成形体は、上記の発泡成形用組成物を成形してなるものである。
発泡成形体における気泡の体積と無機充填剤の体積の比(気泡:無機充填剤)は、0.5:1〜23:1であることが好ましい。
本発明の発泡成形用熱膨張性微小球は、無機充填剤と併用するものであって、ニトリル系熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とから構成され、140℃における前記熱膨張性微小球の内圧が0.6〜1.4MPaであり、250℃における前記熱膨張性微小球の内圧が3〜6.2MPaである。
本発明の発泡成形用組成物は、成形時の熱膨張性微小球の破壊による成形体表面の凹みを抑制でき、かつ高い発泡倍率を有する発泡成形体を得るこができる。
本発明の発泡成形体は、優れた外観を有し、かつ高い発泡倍率を有する。
本発明の発泡成形用熱膨張性微小球を用いれば、成形時の熱膨張性微小球の破壊による成形体表面の凹みを抑制でき、かつ高い発泡倍率を有する発泡成形体を得るこができる。
発泡成形用熱膨張性微小球の一例を示す概略図である。
[発泡成形用組成物]
本発明の発泡成形用組成物は、特定の熱膨張性微小球、塩化ビニル系樹脂を除く基材成分及び無機充填剤を含有し、発泡成形用組成物に占める無機充填剤の重量割合が20〜70重量%である。以下に詳細に説明する。
(無機充填剤)
無機充填剤は本発明の発泡成形体の必須成分である。発泡成形用組成物に占める前記無機充填剤の重量割合は、20〜70重量%であり、好ましくは30〜68重量%、より好ましくは40〜60重量%であり、さらに好ましくは45〜55重量%である。該重量割合が20重量%未満の場合、樹脂使用量を抑制する点において不十分であり、得られた発泡成形体の剛性も低くなる。一方、該重量割合が70重量%超の場合、発泡性成形用組成物より製造する発泡成形体に割れや裂けが起こる。
本発明で用いる無機充填剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムアルミニウム、タルク、マイカ、ワラストナイト、ガラスビーズおよびカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種である。
無機充填剤は、その表面を飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、樹脂酸等やそれらの塩、シランカップリング剤等で処理を施したものを使用してもよい。
本発明で用いる無機充填剤は、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を除くものである。充填剤として無機繊維を用いた場合、発泡成形体に歪みが生じやすく、好ましい発泡成形体が得られない可能性がある。
これら無機充填剤の中でも、経済性、発泡成形体の成形性の点から、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、ワラストナイト、ガラスビーズが好ましく、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカがさらに好ましい。
無機充填剤の平均粒子径は1〜15μmが好ましく、1.5〜10μmがより好ましい。無機充填剤の平均粒子径が1μmより小さくなると、成形した発泡成形体中において十分に分散しないことがある。一方、無機充填剤の平均粒子径が15μmより大きくなると、成形した発泡成形体の強度が低下する
(発泡成形用熱膨張性微小球)
本発明で用いる熱膨張性微小球は、発泡成形用であって、無機充填剤と併用するものである。熱膨張性微小球は、図1に示すように、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)11と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤(コア)12とから構成される熱膨張性微小球である。この熱膨張性微小球はコア−シェル構造をとっており、熱膨張性微小球は微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。
本発明の効果をより発揮させる点から、熱膨張性微小球の重量割合は、前記無機充填剤100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは2〜18重量部であり、さらに好ましくは3〜15重量部であり、特に好ましくは4〜13重量部である。該重量割合が1重量部未満の場合、熱膨張性微小球の添加量が少ないため、発泡成形体の軽量化が不十分となることがある。一方、該重量割合が20重量部超の場合、成形した発泡成形体の強度が低下することがある。
発泡成形用組成物に占める熱膨張性微小球の重量割合は、好ましくは0.5〜12重量%であり、より好ましくは0.7〜10重量%であり、さらに好ましくは1.5〜7重量%であり、特に好ましくは2〜5重量%である。該重量割合が0.5重量%未満の場合、得られる発泡成形体の軽量化が不十分となることがある。一方、該重量割合が12重量%超の場合、成形した発泡成形体の強度が低くなることがある。
発泡剤は、加熱することで気化する成分であり、熱膨張性微小球の熱可塑性樹脂からなる外殻に内包されることによって、熱膨張性微小球は微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示すようになる。
本願効果を発揮するためには、140℃における熱膨張性微小球の内圧が0.6〜1.4MPaであり、250℃における熱膨張性微小球の内圧が3〜6.2MPaである必要がある。このような特定の内圧を有する熱膨張性微小球を用いることにより、無機充填剤が所定量配合された場合であっても、成形時に熱膨張性微小球が大きく膨張することがないため、熱膨張性微小球の外殻の厚みが薄くならず、熱膨張性微小球の破壊は抑制できる。これにより成形時の熱膨張性微小球の破壊による成形体表面の凹みを抑制でき、かつ高い発泡倍率を有する発泡成形体を得るこができる。
本発明の効果をより発揮させる点から、140℃における熱膨張性微小球の内圧は、好ましくは0.7〜1.3MPa、より好ましくは0.8〜1.2MPa、さらに好ましくは0.9〜1.1MPaである。当該内圧が0.6MPa未満の場合、熱膨張性微小球の膨張倍率が低くなり、得られる発泡成形体の発泡倍率が低くなることがある。一方、当該内圧が1.4MPa超の場合、成形時に熱膨張性微小球が大きく膨張し、熱膨張性微小球の外殻の厚みが薄くなり、無機充填剤との接触により破壊されてしまい、所望の軽量化された発泡成形体が得られないことがある。
同様に、本発明の効果をより発揮させる点から、250℃における熱膨張性微小球の内圧は、好ましくは3.1〜6MPa、より好ましくは3.6〜5.5MPa、さらに好ましくは4〜5.2MPa、特に好ましくは4.2〜5MPaである。当該内圧が3MPa未満の場合、熱膨張性微小球の膨張倍率が低くなり、得られる発泡成形体の発泡倍率が低くなることがある。一方、当該内圧が6.2MPa超の場合、成形時に熱膨張性微小球が大きく膨張し、熱膨張性微小球の外殻の厚みが薄くなり、無機充填剤との接触により破壊されてしまい、所望の軽量化された発泡成形体が得られないことがある。
ここで、本発明における140℃(又は250℃)における熱膨張性微小球の内圧とは、その温度における発泡剤全体の蒸気圧を意味する。発泡剤が複数の成分によて構成される場合、140℃(又は250℃)における熱膨張性微小球の内圧は、各成分の140℃(又は250℃)の蒸気圧に対して、各成分のモル分率を乗算し、それぞれ乗算した値を合計して算出した値をいう。
発泡剤としては、上記の内圧を満たす限り特に限定されないが、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ナノデカン等の直鎖状炭化水素;イソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソドデカン、3−メチルウンデカン、イソトリデカン、4−メチルドデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソナノデカン、2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン等の分岐状炭化水素;シクロドデカン、シクロトリデカン、ヘキシルシクロヘキサン、ヘプチルシクロヘキサン、n−オクチルシクロヘキサン、シクロペンタデカン、ノニルシクロヘキサン、デシルシクロヘキサン、ペンタデシルシクロヘキサン、ヘキサデシルシクロヘキサン、ヘプタデシルシクロヘキサン、オクタデシルシクロヘキサン等の炭化水素;石油エーテル;それらのハロゲン化物;ハイドロフルオロエーテル等の含弗素化合物;テトラアルキルシラン;加熱により熱分解してガスを生成する化合物等が挙げられる。発泡剤は、直鎖状、分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。これらの発泡剤は上記の内圧を満たす限り単独で用いられてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
熱膨張性微小球の耐熱性及び内圧を調整する点から、発泡剤は、炭素数13以上の炭化水素を含有してもよい。発泡剤に占める炭素数13以上の炭化水素の重量割合は、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは5〜33重量%、さらに好ましくは10〜25重量%である。
発泡剤は熱膨張性微小球の膨張倍率を高める点から、炭素数11以下の炭化水素を含有することが好ましい。発泡剤に占める炭素数11以下の炭化水素の重量割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは55〜90重量%、さらに好ましくは60〜85重量%である。更に、発泡剤に占める炭素数13以上の炭化水素と炭素数11以下の炭化水素の合計の重量割合は、好ましくは70重量%超、より好ましくは73重量%超、さらに好ましくは80重量%超である。
また、熱膨張性微小球の内圧を調整する点から、発泡剤に占める炭素数12の炭化水素を含有してもよい。発泡剤に占める炭素数12の炭化水素の重量割合は、好ましくは30重量%未満、より好ましくは27重量%未満、さらに好ましくは20重量%未満である。
発泡剤の内包率は、熱膨張性微小球の重量に対する熱膨張性微小球に内包された発泡剤の重量の百分率で定義される。発泡剤の内包率については、特に限定されないが、熱膨張性微小球の重量に対して、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、さらに好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
熱膨張性微小球の外殻を形成する熱可塑性樹脂は、重合性成分の重合体である(重合性成分を重合して得られる)。また、重合性成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含むことがある成分である。単量体成分は、重合性二重結合を1個有するラジカル重合性単量体を意味し、付加重合可能な成分である。また、架橋剤は重合性二重結合を複数有するラジカル重合性単量体を意味し、橋架け構造を熱可塑性樹脂に導入する成分である。
重合性成分は、熱膨張性微小球のガスバリア性の点から、ニトリル系単量体を含むことが好ましい。ニトリル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられる。
ニトリル系単量体は、熱膨張性微小球の外殻の強度を高める点から、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを含有することが好ましく、メタクリロニトリルを必須に含有することが好ましい。
ニトリル系単量体に占めるメタクリロニトリルの重量割合は、好ましくは25〜50重量%、より好ましくは30〜45重量%、さらに好ましくは32〜40重量%である。
重合性成分に占めるニトリル系単量体の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60〜99.5重量%、さらに好ましくは80〜99重量%、特に好ましくは90〜98重量%である。該重量割合が55重量%未満の場合、熱膨張性微小球の外殻の強度が低下し、成形時に熱膨張性微小球が破壊され、所望の軽量化された発泡成形体が得られないことがある。
重合性成分は、溶融温度又は軟化温度の高い基材成分を用いて発泡成形体を製造できる点から、カルボキシル基含有単量体をさらに含んでもよい。
カルボキシル基含有単量体としては、遊離カルボキシル基を1分子当たり1個以上有するものであれば特に限定はないが、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;不飽和ジカルボン酸の無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有単量体は、1種又は2種以上を併用してもよい。カルボキシル基含有単量体は、一部又は全部のカルボキシル基が重合時や重合後に中和されていてもよい。
カルボキシル基含有単量体を重合性分に含む場合、重合性成分に占めるカルボキシル基含有単量体の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは13〜61重量%、より好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは25〜55重量%、特に好ましくは30〜50重量%である。
重合性分にカルボキシル基含有単量体を含む場合、重合性成分に占めるニトリル基含有単量体の重合割合は、特に限定はないが、好ましくは35〜87重量%、より好ましくは38〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量部、特に好ましくは42〜60重量部である。
重合性成分は、膨張挙動をコントロールしやすくなる点から、(メタ)アクリル酸エステル系単量体をさらに含んでもよい。なお、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、特に限定はないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性成分に占める(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは45重量%未満、より好ましくは0.1〜36重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは0.8〜10重量%である。該重量割合が45重量%以上の場合、熱膨張性微小球の外殻の強度が低下し、成形時に熱膨張性微小球が破壊され、所望の軽量化された発泡成形体が得られないことがある。
重合性成分は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記のニトリル系単量体、カルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外の他の単量体を含んでもよい。当該単量体としては、ハロゲン含有単量体、(メタ)アクリル酸アミド系単量体、スチレン系単量体、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基と反応する単量体を挙げることができる。さらには、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフイン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン等のビニルケトン系単量体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体;ビニルナフタリン塩等を挙げることができる。
ハロゲン含有単量体としては、特に限定はないが、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アミド系単量体としては、特に限定はないが、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等が挙げられる。
スチレン系単量体としては、特に限定はないが、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、p−ニトロスチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基と反応する単量体としては、特に限定はないが、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、プロペニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシスチレン等を挙げることができる。
重合性成分は、上述のとおり、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤を用いて重合することにより、得られる熱膨張性微小球では、内包された発泡剤の熱膨張時における保持率(内包保持率)の低下が抑制され、効果的に熱膨張させることができる。
架橋剤としては、特に限定はないが、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラアクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。これらの架橋剤は、1種又は2種以上を併用してもよい。
架橋剤はなくてもよいが、その量については特に限定はなく、単量体成分100重量部に対して0〜3.0重量部であると好ましく、さらに好ましくは0.02〜1.5重量部、特に好ましくは0.02〜1.0重量部である。架橋剤が3.0重量部より多いと、熱膨張性微小球の膨張性が低下し、発泡成形体の発泡倍率が低くなることがある。
熱膨張性微小球の最大膨張倍率は、特に限定されないが、好ましくは3倍以上、より好ましくは10倍以上、さらにより好ましくは20倍以上、特に好ましくは30倍以上、さらに好ましくは50倍以上、最も好ましくは70倍以上である。一方、最大膨張倍率の上限値は、好ましくは200倍である。
熱膨張性微小球の膨張開始温度(Ts)は、好ましくは140〜200℃、より好ましくは144〜199℃、さらに好ましくは150〜195℃、特に好ましくは160〜190℃、最も好ましくは170〜185℃である。熱膨張性微小球の膨張開始温度が140℃未満であると、成形時に熱膨張性微小球が膨張し、熱膨張性微小球の外殻の厚みが薄くなり、無機充填剤との接触により破壊されてしまい、所望の軽量化された発泡成形体が得られないことがある。一方、熱膨張性微小球の膨張開始温度が200℃を超えると、熱膨張性微小球の耐熱性が高くなり、成形時に熱膨張性微小球が十分に膨張せず、得られる発泡成形体の軽量化が不十分になることがある。
熱膨張性微小球の最大膨張温度(Tmax)は、好ましくは175〜275℃、より好ましくは180〜260℃、さらに好ましくは185〜250℃、特に好ましくは190〜240℃である。熱膨張性微小球の最大膨張温度が175℃未満であると十分な耐熱性が得られず、成形時に熱膨張性微小球に内包されている発泡剤が熱膨張性微小球の外殻となる熱可塑性樹脂から外部へ抜け出てしまい、所望の軽量化された発泡成形体がえられないことがある。一方、熱膨張性微小球の最大膨張温度が275℃を超えると、熱膨張性微小球の耐熱性が高くなり、成形時に熱膨張性微小球が十分に膨張せず、得られる発泡成形体の軽量化が不十分になることがある。
熱膨張性微小球の平均粒子径については特に限定されないが、好ましくは0.5〜200μm、より好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは3〜80μm、特に好ましくは7〜60μm、最も好ましくは10〜50μmである。平均粒子径が0.5μmより小さい場合、熱膨張性微小球の膨張性能が低くなることがある。一方、平均粒子径が200μmより大きい場合、熱膨張性微小球の強度が低下し、成形時に熱膨張性微小球が破壊される場合がある。
熱膨張性微小球の粒度分布の変動係数CVは、特に限定されないが、好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは40%以下である。変動係数CVは、以下に示す計算式(1)及び(2)で算出される。
Figure 2017043766
(式中、sは粒子径の標準偏差、<x>は平均粒子径、xはi番目の粒子径、nは粒子の数である。)
熱膨張性微小球の製造方法は、重合性成分と、発泡剤と、重合開始剤とを含有する油性混合物を水性分散媒中に分散させ、前記重合性成分を重合させる工程(以下では、重合工程ということがある。)を含む製造方法である。
重合開始剤としては、特に限定はないが、ごく一般に用いられる過酸化物やアゾ化合物等を挙げることができる。
過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジベンジルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;クメンハイドロパーキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステルを挙げることができる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1‘−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等を挙げることができる。
重合開始剤の重量割合については、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1〜8重量%、最も好ましくは0.2〜5重量%である。当該重量割合が0.05重量%未満である場合、重合されない重合性成分が残存し、熱膨張性微小球の流動性が悪くなることがある。当該重量割合が10重量%を超える場合、耐熱性が低下する。
熱膨張性微小球の製造方法では、油性混合物を水性分散媒中に分散させた水系懸濁液を調製し、重合性成分を重合させる。
水性分散媒は、油性混合物を分散させるイオン交換水等の水を主成分とする媒体であり、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールや、アセトン等の親水性有機性の溶媒をさらに含有してもよい。本発明における親水性とは、水に任意に混和できる状態であることを意味する。水性分散媒の使用量については、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、100〜1000重量部の水性分散媒を使用するのが好ましい。
水性分散媒は、電解質をさらに含有してもよい。電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。これらの電解質は、1種又は2種以上を併用してもよい。電解質の含有量については、特に限定はないが、水性分散媒100重量部に対して0.1〜50重量部含有するのが好ましい。
水性分散媒は、水酸基、カルボン酸(塩)基及びホスホン酸(塩)基から選ばれる親水性官能基とヘテロ原子とが同一の炭素原子に結合した構造を有する水溶性1,1−置換化合物類、重クロム酸カリウム、亜硝酸アルカリ金属塩、金属(III)ハロゲン化物、ホウ酸、水溶性アスコルビン酸類、水溶性ポリフェノール類、水溶性ビタミンB類及び水溶性ホスホン酸(塩)類から選ばれる少なくとも1種の水溶性化合物を含有してもよい。なお、本発明における水溶性とは、水100gあたり1g以上溶解する状態であることを意味する。
水性分散媒中に含まれる水溶性化合物の量については、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.0001〜1.0重量部、さらに好ましくは0.0003〜0.1重量部、特に好ましくは0.001〜0.05重量部である。水溶性化合物の量が少なすぎると、水溶性化合物による効果が十分に得られないことがある。また、水溶性化合物の量が多すぎると、重合速度が低下したり、原料である重合性成分の残存量が増加したりすることがある。
水性分散媒は、電解質や水溶性化合物以外に、分散安定剤や分散安定補助剤を含有していてもよい。
分散安定剤としては、特に限定はないが、例えば、第三リン酸カルシウム、複分解生成法により得られるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムや、コロイダルシリカ、アルミナゾル、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらの分散安定剤は、1種又は2種以上を併用してもよい。
分散安定剤の配合量は、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部である。
分散安定補助剤としては、特に限定はないが、例えば、高分子タイプの分散安定補助剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。これらの分散安定補助剤は、1種又は2種以上を併用してもよい。
水性分散媒は、例えば、水(イオン交換水)に、水溶性化合物とともに、必要に応じて分散安定剤及び/又は分散安定補助剤等を配合して調製される。重合時の水性分散媒のpHは、水溶性化合物、分散安定剤、分散安定補助剤の種類によって適宜決められる。
熱膨張性微小球の製造方法では、水酸化ナトリウムや、水酸化ナトリウム及び塩化亜鉛の存在下で重合を行ってもよい。
本発明の製造方法では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させる。
油性混合物を懸濁分散させる方法としては、例えば、ホモミキサー(例えば、特殊機化工業株式会社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(例えば、株式会社ノリタケエンジニアリング社製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜懸濁法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
次いで、油性混合物が球状油滴として水性分散媒に分散された分散液を加熱することにより、懸濁重合を開始する。重合反応中は、分散液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、例えば、単量体の浮上や重合後の熱膨張性微小球の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
重合温度は、重合開始剤の種類によって自由に設定されるが、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは40〜90℃の範囲で制御される。反応温度を保持する時間は、1〜20時間程度が好ましい。重合初期圧力については特に限定はないが、ゲージ圧で0〜5MPa、さらに好ましくは0.1〜3MPaの範囲である。
熱膨張性微小球の製造方法では、重合後のスラリー(熱膨張性微小球含有分散液)に金属塩を添加し、カルボキシル基とイオン架橋を形成させてもよく、金属を含有する有機化合物で表面処理してもよい。
金属塩は、2価以上の金属カチオンが好ましく、例えばAl、Ca、Mg、Fe、Ti、Cu等が挙げられる。添加のしやすさから、水溶性が好ましいが、非水溶性でも構わない。金属含有有機化合物は、表面処理効率より、水溶性であると好ましく、周期表3〜12に属する金属を含有する有機化合物であると、耐熱性がさらに向上するため好ましい。
得られたスラリーを遠心分離機、加圧プレス機、真空脱水機等により濾過し、含水率10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、更に好ましくは20〜40重量%のケーキ状物とし、ケーキ状物を、棚型乾燥機、間接加熱乾燥機、流動乾燥機、真空乾燥機、振動乾燥機、気流乾燥機等により乾燥し、含水率6重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
イオン性物質の含有量を低減させる目的で、ケーキ状物を水洗及び/又は再分散後に再濾過し、乾燥させても構わない。また、スラリーを噴霧乾燥機、流動乾燥機等により乾燥し、乾燥粉体を得てもよい。
(基材成分)
基材成分とは、発泡成形体を構成する成分であって、成形により一定の形を付与することを可能とする成分である。本発明で用いる基材成分は、塩化ビニル系樹脂を除くものである。ここで、塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単量体のみを重合性成分として重合した樹脂、塩化ビニル単量体を主成分(重合性成分に占める塩化ビニル単量体の重量割合が50重量%以上100重量%未満をいう)として酢酸ビニル単量体等の塩化ビニル単量体以外の重合性単量体を含有する重合性成分を重合させた樹脂をいう。
基材成分としては特に限定はないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム類;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂;ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)等の熱可塑性樹脂;エチレン系アイオノマー、ウレタン系アイオノマー、スチレン系アイオノマー等のアイオノマー樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリ乳酸(PLA)、PBS、PHA、澱粉樹脂等のバイオプラスチック;変性シリコン系、ウレタン系、ポリサルファイド系、アクリル系、シリコン系、ポリイソブチレン系、ブチルゴム系等のシーリング材料;ウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合物系、塩化ビニル系、アクリル系の塗料成分等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填剤を含む発泡成形体の成形性の点から、好ましくはゴム類、ワックス類、熱可塑性樹脂、アイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマー、バイオプラスチックである。
基材成分の融点又は軟化点は、無機充填剤を含む発泡成形体の成形性の点から、好ましくは50〜250℃、より好ましくは100〜200℃である。基材成分の融点又は軟化点が50℃より低い場合、製造した発泡成形体が互いに接着しやすくなる。基材成分の融点又は軟化点が250℃より高い場合、無機充填剤を含む発泡成形体の成形の作成が困難になることがある。
発泡成形用組成物に占める基材成分の重量割合は、好ましくは25〜78重量%であり、より好ましくは35〜70重量%であり、さらに好ましくは40〜60重量%であり、特に好ましくは45〜55重量%である。該重量割合が25重量%未満の場合、得られる発泡成形体に割れや裂けが発生することがある。一方、該重量割合が78重量%超の場合、樹脂使用量を抑制する点において不十分であり、得られた発泡成形体の剛性が低くなることがある。
(その他成分)
熱膨張性微小球と基材成分以外にも、必要に応じて、有機系充填剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、安定剤等の各種添加剤を含有していてもよい。その場合、熱膨張性微小球および基材成分に対して、第三成分として各種添加剤を添加してもよい。
有機充填剤としては、綿繊維、麻繊維、ケナフ繊維等のセルロース系繊維、紙粉、木粉、竹粉、籾殻粉、果実殻粉等のセルロース系粉や澱粉等が挙げられる
可塑剤としては、特に限定はないが、フラル酸ジイソノニル(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ブチルオクチルフタレート(BOP)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、トリメット酸トリオクチル(TOTM)、リン酸トリクレシル(TCP)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等等を挙げることができる。
安定剤としては、特に限定はないが、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤、リン系安定剤、有機スズ系安定剤、鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤等の酸化防止剤;紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系安定剤等の光安定剤;ハイドロタルサイト;等が挙げられる。
滑剤としては、特に限定はないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等の金属石鹸;パラフィンワックス、流動パラフィン等の炭化水素系ワックス;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアミド系ワックス;ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレート、ステアリン酸ブチル等のエステル系ワックス;ステアリン酸等の脂肪酸系ワックス;ステアリルアルコール等の高級アルコール系ワックス;等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、カオリン、クロム黄、フタロシアニンブルー、赤鉛等が挙げられる。
帯電防止剤としては、特に限定はないがアニオン系帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤等が挙げられる。
(発泡成形用組成物の製造方法)
発泡成形用組成物の製造方法としては、1)前述の無機充填剤、熱膨張性微小球及び基材成分を基材成分の融点又は軟化点以上、熱膨張性微小球の膨張開始温度以下の温度で溶融混練して無機充填剤、熱膨張性微小球及び基材成分のコンパウンド(発泡成形用組成物)を製造する方法、2)無機充填剤と基材成分を基材成分の融点又は軟化点以上の温度で溶融混練して、無機充填剤のマスターバッチを製造し、これとは別に熱膨張性微小球と基材成分を基材成分の融点又は軟化点以上、熱膨張性微小球の膨張開始温度以下の温度で溶融混練して熱膨張性微小球のマスターバッチを製造し、無機充填剤及び熱膨張性微小球のマスターバッチを均一に混合して製造する方法、3)1)において、無機充填剤を2)に記載の無機充填剤のマスターバッチに変えて、コンパウンド(発泡成形用組成物)を製造する方法、4)1)において、熱膨張性微小球を2)に記載の熱膨張性微小球のマスターバッチに変えて、コンパウンド(発泡成形用組成物)を製造する方法等が挙げられる。
コンパウンド又はマスターバッチを製造する方法としては、特に限定はないが、ニーダー、ロール、ミキシングロール、ミキサー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等により混合することが好ましい。
上記コンパウンドの製造方法としては、無機充填剤、熱可塑性微小球、基材成分及びその他必要な成分をあらかじめリボンミキサーにより混合し、バンバリーミキサーを使用して基材成分の融点又は軟化点以上、熱膨張性微小球の膨張開始温度以下の温度にて溶融混練し、無機充填剤、熱膨張性微小球及び基材成分のコンパウンドを作成する方法等が挙げられる。
製造したコンパウンドを単軸押出機や二軸押出機等に供給し加熱成形することにより、発泡成形体を製造することが可能である。また、製造したコンパウンドをニーダーや単軸押出機や二軸押出機等を使用して造粒し、単軸押出機や二軸押出機や射出成形機等に供給し加熱成形することにより、発泡成形体を製造することが可能である。
無機充填剤のマスターバッチを製造する方法の例としては、無機充填剤、基材成分及びその他必要な成分をあらかじめリボンミキサーにて混合し、次にダイを備えた二軸押出を使用して、基材成分の融点又は軟化点以上の温度で、無機充填材及びその他必要成分を溶融混練し、ダイにて適切な形状に押出し、得られた混練物を空冷後、更に適切な形状にし、無機充填材のマスターバッチを作成する。さらに、熱膨張性微小球のマスターバッチも無機充填材のマスターバッチの製造方法と同様に、基材成分の融点又は軟化点以上、熱膨張性微小球の膨張開始温度以下の温度にて溶融混練し、適切な形状に押出し、得られた混練物を空冷後、更に適切な形状に加工して、熱膨張性微小球のマスターバッチを作成する。作成した、無機充填材及び熱膨張性微小球のマスターバッチと、必要な場合、基材成分を追加してリボンミキサーにて均一に混合する。
製造した無機充填材及び熱膨張性微小球のマスターバッチの混合物である発泡成形用組成物を単軸押出機や二軸押出機や射出成形機等に供給し加熱成形することにより、発泡成形体を製造することが可能である。
無機充填剤のマスターバッチにおける無機充填剤の重量割合は、25〜80重量%が好ましく、50〜75重量%がより好ましい。
また、熱膨張性微小球のマスターバッチにおける熱膨張性微小球の重量割合は、25〜75重量%が好ましく、40〜70重量%がより好ましい。
[発泡性成形体及びその製造方法]
本発明の発泡成形体は、前述の発泡成形用組成物を成形してなるものである。本発明の発泡成形体は、本発明の発泡成形用組成物を用いているため、成形時の熱膨張性微小球の破壊による成形体表面の凹みを抑制できるため、優れた外観を有しており、また、高い発泡倍率を有している。
発泡成形体の製造方法は、前述の発泡成形用組成物を、発泡成形用組成物に含有される熱膨張成微小球の最大膨張温度に近い温度で加熱成形する工程を含むものである。加熱成形する方法としては、特に限定はないが、射出成形、異型などの押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形、中空成形、混練成形、圧縮成形、真空成形、熱成形等である。
発泡成形体の製造方法について、押出成形により発泡成形体を製造する工程を例に挙げて説明する。使用する押出成形機としては、シリンダー部にヒーター及び熱電対を備えており、発泡成形用組成物を供給するための原料供給口を装備している。シリンダー内部には発泡成形用組成物をさらに溶融混練しながら原料供給口から押出し方向へ移動させるためのスクリューが設置されている。
シリンダー内に供給された発泡成形用組成物はスクリューの回転シリンダー内で基材成分の融点又は軟化点以上でかつ含有される熱膨張成微小球の最大膨張温度に近い温度(発泡成形体の成形温度)に加熱されることにより溶融混練物となり、目的の形状に成形可能となり、ヒーターおよび熱電対を備えたダイを経て、押出成形され、発泡成形体が得られる。
ここで、発泡成形体の成形温度とは、溶融混練物が成形機のシリンダー内を移動する時の溶融混練物の温度をいう。
発泡成形体の成形温度は、発泡成形体の発泡倍率の点から、好ましくは160〜250℃、より好ましくは170〜240℃、さらに好ましくは180〜230℃である。該温度が160℃未満の場合、熱膨張性微小球の膨張が不十分となり、目標の発泡倍率が得られないことがある。一方、該温度が250℃超の場合、気化した発泡剤が熱膨張性微小球の外殻より外部へ抜け、熱膨張性微小球が収縮する「ヘタリ」の現象が起こり、目標の発泡倍率が得られないことがある。
また、発泡成形体の製造工程おいて押出成形機にベントが設けられている場合、ベントを閉じた状態で成形を行うことが望ましい。ベントを開放した状態では、ベントより溶融混練物が押出され、軽量な発泡成形体が得られにくいことがある。
また、押出成形においては、ダイ直前に設けられたベントに真空ポンプ等を接続し、廃棄して、混練時に発生したボイドを抜くことも可能である。
発泡成形体の製造工程において、発泡成形用組成物を原料供給口に投入してからダイより押出されるまでの時間はスクリューの回転数により調整することができる。スクリューの回転数は、設備および基材成分の種類等により適宜設定すればよいが、発泡成形用組成物を原料供給口に投入してからダイより押出されるまでの時間(滞留時間)が0.2〜30分であると好ましく、より好ましくは0.3〜20分、さらに好ましくは0.5〜15分、特に好ましくは0.7〜5分である。該滞留時間が0.2分未満であると、加熱が不十分となり膨張性微小球が十分に膨張せず、所望の発泡倍率の発泡成形体が得られないことがある。一方、該滞留時間が30分より長くなると、作業効率が低下し生産性に問題が生じることがある。
ダイより押出された発泡成形体は、通常、空冷、水冷、ロール等の冷却設備にて冷却され、所望の発泡成形体となる。本発明においては、冷却設備、引取設備等の一般的な設備を使用できる。
本発明の発泡成形体において、均一に独立した気泡の割合(独立気泡率)は、特に限定はないが、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上、最も好ましくは80%以上である。独立気泡率の上限値は100%である。独立気泡率が50%未満であると、連通気泡が多くなり、得られた発泡成形体の強度が弱くなり、また、吸水性の問題もあるため好ましくない。一方で、独立気泡率が高い発泡成形体は、強度に優れ、また、断熱性にすぐれた発泡成形体となり、好ましい。なお、独立気泡率の評価方法は、実施例で説明する。
本発明の発泡成形体の表面の凹みは、好ましくは15カ所以下、より好ましくは5か所未満である。表面の凹みが15カ所より多くなると、得られた発泡成形体の外観が不良で、強度が弱くなることがあり、好ましくない。発泡成形体の表面の凹が5か所未満であると、得られた発泡成形体の外観が良好で、強度も優れているため好ましい。なお、表面状態の評価方法は、実施例で説明する。
本発明の発泡成形体の発泡倍率は、好ましくは1.2〜3倍、より好ましくは1.3〜2.7倍である。発泡倍率が3倍超であると、得られた発泡成形体の強度が低くなることがある。なお、発泡倍率の評価方法は、実施例で説明する。
本発明の発泡成形体において、熱膨張成微小球によって発泡成形体内部に造孔された気泡径は、好ましくは30〜400μm、より好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは70〜250μmである。発泡成形体の気泡径が30μmよりも小さい場合は、得られた発泡成形体の発泡倍率が低くなることがある。一方、発泡成形体の気泡径が400μmよりも大きい場合、得られた発泡成形体の強度が低くなることがある。なお、気泡径の評価方法は、実施例で説明する。
発泡成形体における気泡の体積と無機充填剤の体積の比(気泡:無機充填剤)は、好ましくは0.5:1〜23:1、より好ましくは0.7:1〜20:1、さらに好ましくは1.4:1〜15:1である。当該比が0.5:1より小さいと、得られた発泡成形体の発泡倍率が低くなることがある。一方、当該比が23:1より大きいと、無機充填剤の配合量が低くなり、樹脂使用量を抑制する点において不十分であり、得られた発泡成形体の剛性も低くなることがある。なお、発泡成形体における気泡の体積と無機充填剤の体積の比の評価方法は、実施例で説明する。
本発明の発泡成形体は、例えば、軽量で断熱性を持ち、剛性に優れているため、床材や壁材、埋め込みのパネル材等の建築資材、自動車のバンパーやインパネ等の内外装材、電化製品部品、電子レンジ対応可能な食品用容器等の用途に特に好適である。
以下に、本発明の発泡成形体の製造方法の実施例について、具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、断りのない限り、「%」とは「重量%」を意味するものである。
また、以下で用いる熱膨張性微小球、実施例及び比較例で成形した発泡成形体について次に示す要領で物性の評価を行った。熱膨張性微小球を単に微小球ということがあり、発泡成形体を単に成形体ということがある。
〔平均粒子径と粒度分布の測定〕
レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製、HEROS&RODOS)を使用した。乾式分散ユニットの分散圧は5.0bar、真空度は5.0mbarで乾式測定法により測定し、D50値を平均粒子経とした。
〔含水率の測定〕
測定装置として、カールフィッシャー水分計(MKA−510N型、京都電子工業株式会社)を用いて測定した。
〔熱膨張性微小球の内圧の計算方法〕
熱膨張性微小球の140℃又は250℃における内圧は、発泡剤を構成する各炭化水素の配合量より発泡剤を構成する各炭化水素のモル分率を算出し、発泡剤を構成する各炭化水素の140℃及び250℃の蒸気圧と算出した各炭化水素のモル分率を乗算し、それぞれ乗算した値を合計して、発泡剤の140℃及び250℃における蒸気圧を算出して、熱膨張性微小球の140℃又は250℃における内圧とした。
イソペンタン:140℃の蒸気圧1.5MPa、250℃の蒸気圧6.4MPa、分子量72
イソヘキサン:140℃の蒸気圧0.73MPa、250℃の蒸気圧3.8MPa、分子量86
イソオクタン:140℃の蒸気圧0.28MPa、250℃の蒸気圧1.8MPa、分子量114
イソドデカン:250℃の蒸気圧0.45MPa、分子量170
イソヘキサデカン:分子量226
イソドデカンの140℃の蒸気圧、イソヘキサデカンの140℃及び250℃の蒸気圧は非常に低いため、イソドデカンの140℃の蒸気圧、イソヘキサデカンの140℃及び250℃の蒸気圧を実質0MPaとして熱膨張性微小球の内包成分の蒸気圧を算出した。
〔膨張開始温度(Ts)および最大膨張温度(Tmax)の測定〕
測定装置として、DMA(DMA Q800型、TA instruments社製)を使用した。微小球0.5mgを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカップに入れ微小球層の上部にアルミ蓋(直径5.6mm、0.1mm)をのせて試料を準備した。その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定した。加圧子により0.01Nの力を加えた状態で、20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定した。正方向への変位開始温度を膨張開始温度(Ts)とし、最大変位量を示したときの温度を最大膨張温度(Tmax)として測定した。
〔発泡倍率〕
熱膨張成微小球を含まずに成形した成形体の比重を発泡成形体の比重で除した値を算出し、発泡倍率とした。成形体の比重はK−7112 A法(水中置換法)に準拠した方法により測定を実施した。
〔気泡の状態〕
電子顕微鏡(SEM)装置を用いて、得られた成形体断面の気泡状態の確認を行った。30倍で撮影したSEM写真から、単位面積あたりに占める独立気泡の割合を算出し、以下の評価基準に基づいて判定。
◎:均一独立(独立気泡率80%以上)
○:ほぼ均一独立(独立気泡率が50%以上80%未満)
×:不均一(独立気泡率が50%未満)
〔気泡径〕
得られた成形体の断面を100倍で撮影したSEM写真より、ASTM・D3576−77に準じた方法で算出した。
〔表面の状態〕
得られた発泡成形体を幅15cm、長さ50cmに調製し、調製した発泡成形体を目視により確認し、以下の評価基準に基づいて判定した。
○:良好(熱膨張性微小球の破壊による凹みが5箇所未満で、表面荒れのない状態。)
△:やや不良(熱膨張性微小球の破壊による凹みが5箇所以上15箇所未満で、一部表面荒れが見られる状態。)
×:不良(熱膨張性微小球の破壊による凹みが5箇所以上15箇所未満で、全体的に表面荒れが見られる状態。)
〔気泡の体積と無機充填剤の体積の比〕
発泡成形用樹脂組成物に配合される基材成分(無機充填剤および熱膨張性微小球のマスターバッチに含まれる基材成分も含む)、無機充填剤の重量を基材成分および無機充填剤のそれぞれの密度で除した値を基材成分および無機充填剤の体積として算出し、算出した体積の値を合算した。合算した体積の値と、前記の方法にて算出した発泡成形体の発泡倍率から1引いた値とを乗算して、発泡成形体における気泡の体積の値を算出した。算出した無機充填剤の体積の値を1として、算出した気泡の体積の値を無機充填剤の体積の値で除して算出した値を、発泡成形体における気泡の体積と無機充填剤の体積の比とした。なお、基材成分及び無機充填剤の密度は以下の通りである。
エチレン―酢酸ビニル(EVA)樹脂:密度0.93g/cm
ポリエチレン樹脂:密度0.94g/cm
酸変性ポリエチレン樹脂:密度0.94g/cm
ポリプロピレン樹脂:密度0.90g/cm
酸変性ポリプロピレン樹脂:密度0.90g/cm
炭酸カルシウム:密度2.7g/cm
タルク:密度2.7g/cm
〔熱膨張性微小球の調製〕
〔製造例1〕
イオン交換水600gに、塩化ナトリウム120g、シリカ有効成分20重量%であるコロイダルシリカ50g、ジエタノールアミン−アジピン酸縮合物3g及び5%水溶液のエチレンジアミン四酢酸・4Na塩0.1gを加え、pHを2.8〜3.2に調整し、水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル155g、メタクリロニトリル79g、メタアクリル酸メチル15g、エチレングリコールジメタクリレート1g、2−2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)1.5g、イソペンタン30g、イソオクタン25g、イソドデカン15gを混合して油性混合物を調整した。
水性分散媒と油性混合物を混合し、得られた混合物をホモミキサー(特殊機化工業社製、TKホモミキサー)により分散して、懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重合した。重合後に得られた重合液を濾過、乾燥して得られた熱膨張性微小球を微小球1とした。得られた微小球1の物性を表1に示す。
〔製造例2〜20〕
製造例1で用いた各種成分および量を、表1、2に示すものに変更する以外は製造例1と同様にして微小球2〜20をそれぞれ得た。得られた微小球2〜20のそれぞれの物性を表1、2に示す。なお、表1、2の各種成分の略号の詳細を表3に示す。
Figure 2017043766
Figure 2017043766
Figure 2017043766
〔熱膨張性微小球のマスターバッチの調製〕
50重量部の熱膨張性微小球1、2重量部の流動性パラフィンオイル(P−200)及び48重量部のエチレン―酢酸ビニル(EVA)樹脂をリボンミキサーでブレンドし、ラボプラストミル(東洋精機社製;シリンダー温度およびダイ温度は全て100℃、スクリュー回転数30rpm)を用いて直径2mmのストランド状に押出した。得られたストランドを空冷した後、ペレタイザーにて長さ4mmの俵状のペレットとし、熱膨張性微小球1を50重量%含有したマスターバッチ1(MB1)を得た。
また、熱膨張性微小球1を熱膨張性微小球2〜20に変更する以外はMB1の調製と同様にして、マスターバッチ2〜20(MB2〜20)をそれぞれ得た。
〔無機充填剤のマスターバッチの調整〕
75重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、PO−120−B−10、平均粒子径1.8μm)、5重量部のポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、ノバテックLL UJ960、融点:126℃)及び20重量部の酸変性ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、レクスパールET230X、融点:99℃)をリボンミキサーでブレンドし、ラボプラストミル(東洋精機社製;シリンダー温度およびダイ温度は全て165℃、スクリュー回転数20rpm)を用いて直径2mmのストランド状に押出した。得られたストランドを空冷した後、ペレタイザーにて長さ4mmの俵状のペレットとし、無機充填剤である炭酸カルシウムを75重量%含有した無機充填剤マスターバッチ1を得た。
〔実施例1−1〕
100重量部の無機充填剤マスターバッチ1(炭酸カルシウム75重量%含有)、40重量部のポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、ノバテックLL UJ960)、5重量部の熱膨張性微小球1のマスターバッチ(MB1)をあらかじめリボンミキサーにて混合させ発泡成形用組成物を得た。得られた発泡成形用組成物中の無機充填剤の含有率は52重量%、無機充填剤100重量部に対する熱膨張性微小球の含有量は3.3重量部となった。
得られた発泡成形用組成物の混合物を押出成形機であるラボプラストミル(東洋精機社製)の原料供給口から供給し、シリンダー内での混練物の温度(発泡成形体の成形温度)を190℃、Tダイ(幅150mm、リップ厚み1.7mm)の温度を190℃とし、スクリュー回転数40rpmで溶融混合物を押出し、板状発泡成形体(幅148mm、厚み1.7mm)を得た。
得られた発泡成形体の気泡状態、気泡径、表面の状態、発泡倍率、気泡の体積と無機充填剤の体積の比(気泡:無機充填剤)の評価をした。その結果を表4に示す。
〔実施例1−2〜1−14、比較例1−1〜1−6〕
実施例1−1において、使用する熱膨張性微小球のマスターバッチとその配合量、ポリエチレン樹脂の配合量、シリンダー内での混練物の温度(発泡成形体の成形温度)、Tダイの温度を表4、5に示すものに変更する以外は実施例1−1と同様にして、各発泡成形用組成物および各発泡成形体を得た。得られた各発泡成形体について、気泡状態、気泡径、表面の状態、発泡倍率、気泡の体積と無機充填剤の体積の比(気泡:無機充填剤)の評価をした。その結果を表4、5に示す。
Figure 2017043766
Figure 2017043766
〔無機充填剤のマスターバッチの調整〕
75重量部のタルク(日本タルク社製、ミクロエースP−3、平均粒子径5.0μm)、5重量部のポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、ノバテックPP MA3H、軟化点:110℃)及び20重量部の酸変性ポリプロピレン樹脂(三洋化成社製、ユーメックス1010、軟化点:145℃)をリボンミキサーでブレンドし、ラボプラストミル(東洋精機社製;シリンダー温度およびダイ温度は全て220℃、スクリュー回転数20rpm)を用いて直径2mmのストランド状に押出した。得られたストランドを空冷した後、ペレタイザーにて長さ4mmの俵状のペレットとし、無機充填剤であるタルクを75重量%含有した無機充填剤マスターバッチ2を得た。
〔実施例2−1〕
100重量部の無機充填剤マスターバッチ2(タルク75重量%含有)、40重量部のポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、ノバテックPP MA3H、軟化点:110℃)、5重量部の熱膨張性微小球7のマスターバッチ(MB7)をあらかじめリボンミキサーにて混合させ発泡成形用組成物を得た。得られた発泡成形用組成物中の無機充填剤の含有率は52重量%、無機充填剤100重量部に対する熱膨張性微小球の含有量は3.3重量部となった。
得られた発泡成形用組成物の混合物を押出成形機であるラボプラストミル(東洋精機社製)の原料供給口から供給し、シリンダー内での混練物の温度(発泡成形体の成形温度)を230℃、Tダイ(幅150mm、リップ厚み1.7mm)の温度を230℃とし、スクリュー回転数40rpmで溶融混合物を押出し、板状発泡成形体(幅149mm、厚み1.7mm)を得た。
得られた各発泡成形体について、気泡状態、気泡径、表面の状態、発泡倍率、気泡の体積と無機充填剤の体積の比(気泡:無機充填剤)の評価をした。その結果を表6に示す。
〔実施例2−2〜2−14、比較例2−1〜2−6〕
実施例2−1において、使用する熱膨張性微小球のマスターバッチとその配合量、ポリプロピレン樹脂の配合量、シリンダー内での混練物の温度(発泡成形体の成形温度)、Tダイの温度を表6、7に示すものに変更する以外は実施例2−1と同様にして、各発泡成形用組成物および各発泡成形体を得た。得られた各発泡成形体について、成形性、気泡状態、表面状態、発泡倍率の評価をした。その結果を表6、7に示す。
Figure 2017043766
Figure 2017043766
表4〜7からわかるように、無機充填剤の含有量が20〜70重量%、含有する熱膨張性微小球の140℃における内圧が0.6〜1.4MPa、250℃における内圧が3〜6.2MPaとなる発泡成形用組成物を用いて得られた実施例の発泡成形体は、無機充填剤の含有量が20〜70重量%、含有する熱膨張性微小球の140℃における内圧が0.6〜1.4MPa、250℃における内圧が3〜6.2MPaのいずれかを充足しない条件で得られた比較例の発泡成形体と比較して、気泡状態、表面の状態、発泡倍率のいずれも優れていることがわかる。
11 熱可塑性樹脂からなる外殻
12 発泡剤

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球、塩化ビニル系樹脂を除く基材成分及び無機充填剤を含有する発泡成形用組成物であって、
    発泡成形用組成物に占める前記無機充填剤の重量割合が20〜70重量%であり、
    140℃における前記熱膨張性微小球の内圧が0.6〜1.4MPaであり、250℃における前記熱膨張性微小球の内圧が3〜6.2MPaである、
    発泡成形用組成物。
  2. 前記熱膨張性微小球の重量割合が、前記無機充填剤100重量部に対して、1〜20重量部である、請求項1に記載の発泡成形用組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ニトリル系単量体を含む重合性成分の重合体である、請求項1又は2に記載の発泡成形用組成物。
  4. 前記重合性成分が、さらにカルボキシル基含有単量体を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形用組成物。
  5. 前記熱膨張性微小球の膨張開始温度が140〜200℃である、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡成形用組成物。
  6. 前記無機充填剤が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムアルミニウム、タルク、マイカ、ワラストナイト、ガラスビーズ及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡成形用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡成形用組成物を成形してなる、発泡成形体。
  8. 発泡成形体における気泡の体積と無機充填剤の体積の比(気泡:無機充填剤)が、0.5:1〜23:1である、請求項7に記載の発泡成形体。
  9. 無機充填剤と併用する発泡成形用熱膨張性微小球であって、
    ニトリル系熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とから構成され、
    140℃における前記熱膨張性微小球の内圧が0.6〜1.4MPaであり、250℃における前記熱膨張性微小球の内圧が3〜6.2MPaである、
    発泡成形用熱膨張性微小球。
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