JP2008056798A - 透明樹脂成形品および各種製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、耐熱性および耐折り曲げ白化性の優れた透明樹脂成形品の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなる透明樹脂成形品。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなる透明樹脂成形品。
【選択図】なし
Description
本発明は、透明性、耐熱性および耐折り曲げ白化性に優れる透明樹脂成形品に関するものであり、詳しくはそれからなる各種光学用途部品やフィルムに関するものである。
アクリル系樹脂は、透明性、耐光性、表面硬度に優れるため、自動車外装部品、エクステリア用品等の屋外用途に広く使用されている。また、アクリル系樹脂は可視光領域の光線透過率ではガラス並み以上の特性を有し、また成形後の複屈折は小さく、光学的に非常に優れたプラスチックの一つである。そのため、従来からアクリル系樹脂は種々の光学材料として利用されており、光学用プラスチックレンズや光学用ディスク、導光板等の光学用途部品としての応用が進んでいる。
しかしながら、アクリル系樹脂は透明性や成形性に優れるものの、低い衝撃強度や長期使用による吸湿が原因で発生する成形品の反りや寸法変化といった不具合が発生することが知られている。更には耐熱性の不足により、使用条件によっては容易に成形品が変形してしまうという問題があった。
これらの問題点に対して、ポリカーボネート樹脂による代替が提案されているが、価格の上昇や複屈折率の悪化による光学特性の低下あるいは成形性の低下等の問題があるため、十分な問題解決には至っていない。
更に、ポリカーボネート樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のアロイ(特許文献1:特開2004−189805号)も提案されているが、ポリカーボネート樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体との相溶性が十分でないため、成形条件によっては層剥離現象が発生したり、樹脂の流れ方向での強度が極端に低下する不具合(異方性)が発生しやすいという欠点を有しているのが現状である。
特開2004−189805号公報
しかしながら、アクリル系樹脂は透明性や成形性に優れるものの、低い衝撃強度や長期使用による吸湿が原因で発生する成形品の反りや寸法変化といった不具合が発生することが知られている。更には耐熱性の不足により、使用条件によっては容易に成形品が変形してしまうという問題があった。
これらの問題点に対して、ポリカーボネート樹脂による代替が提案されているが、価格の上昇や複屈折率の悪化による光学特性の低下あるいは成形性の低下等の問題があるため、十分な問題解決には至っていない。
更に、ポリカーボネート樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のアロイ(特許文献1:特開2004−189805号)も提案されているが、ポリカーボネート樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体との相溶性が十分でないため、成形条件によっては層剥離現象が発生したり、樹脂の流れ方向での強度が極端に低下する不具合(異方性)が発生しやすいという欠点を有しているのが現状である。
本発明の目的は、透明性、耐熱性および耐折り曲げ白化性の良好な透明樹脂成形品(特に導光板、拡散板、光学用ディスク等の光学用途部品および加飾用あるいは表面コート用フィルム)を提供することにある。
本発明者らはかかる課題に鑑み鋭意検討を行った結果、官能基を有する特定の単量体を含有する特定の共重合体とポリカーボネート樹脂とを組み合わせることにより、上記の目的を達成することを見出し本発明に達したものである。
すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなる透明樹脂成形品を提供するものである。
すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなる透明樹脂成形品を提供するものである。
本発明にて得られた透明樹脂成形品は、透明性、耐熱性および耐折り曲げ白化性に優れていることに加えて、層剥離や衝撃強度の異方性が抑えられていることから、工業的価値の高い透明樹脂成形品、特に導光板、拡散板、光学用プラスチックレンズや光学用ディスク、あるいは加飾シートや保護シートとして有効に使用可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における透明樹脂成形品は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなるものである。
本発明における透明樹脂成形品は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなるものである。
本発明における共重合体(A)を構成するポリカーボネート樹脂と反応性を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸等の不飽和カルボン酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート等の水酸基含有単量体、2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体等が挙げられ、それぞれ1種または2種以上用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルエキシルアクリレート等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。これらのうち、特にポリカーボネート樹脂と反応性を有する単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、2−ビニル−2−オキサゾリンが、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてはメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレートが、また芳香族ビニル系単量体としてはスチレンが好ましい。
なお、本発明においては、その目的を阻害しない範囲内で、これら単量体と共重合可能な単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、1種または2種以上選択して使用することも可能である。
また、本発明における共重合体(B)を構成する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体としては、共重合体(A)で例示されたものと同一のものが例示され、また同様に、その目的を阻害しない範囲内で、これら単量体と共重合可能な単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を1種または2種以上選択して使用することも可能である。
なお、本発明においては、その目的を阻害しない範囲内で、これら単量体と共重合可能な単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、1種または2種以上選択して使用することも可能である。
また、本発明における共重合体(B)を構成する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体としては、共重合体(A)で例示されたものと同一のものが例示され、また同様に、その目的を阻害しない範囲内で、これら単量体と共重合可能な単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を1種または2種以上選択して使用することも可能である。
本発明における共重合体(A)中の(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量は1〜10重量%の範囲であることが重要である。この含有量が1重量%未満、あるいは10重量%を超えると、ポリカーボネート樹脂(C)と混合した際、本発明の特徴である透明性が損なわれる。また共重合体(A)中のポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体が1重量%未満(または芳香族ビニル系単量体が98重量%を超える)では、最終製品とした際に層剥離等による外観不良が発生しやすく、また共重合体(A)中のポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体が49重量%を超える(または芳香族ビニル系単量体が50重量%未満)と、成形性が極端に低下するため好ましくない。好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体2〜8重量%および芳香族ビニル系単量体97〜50重量%、ポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜48重量%である。
また、同様に共重合体(B)中におけるこの(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量が1重量%未満(芳香族ビニル系単量体の含有量が99重量%を超える)、あるいは10重量%を超えると(芳香族ビニル系単量体の含有量が90重量%未満)、ポリカーボネート樹脂(C)と混合した際、本発明の特徴である透明性が損なわれる。好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体2〜8重量%および芳香族ビニル系単量体98〜92重量%である。
また、同様に共重合体(B)中におけるこの(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量が1重量%未満(芳香族ビニル系単量体の含有量が99重量%を超える)、あるいは10重量%を超えると(芳香族ビニル系単量体の含有量が90重量%未満)、ポリカーボネート樹脂(C)と混合した際、本発明の特徴である透明性が損なわれる。好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体2〜8重量%および芳香族ビニル系単量体98〜92重量%である。
本発明における共重合体(A)および共重合体(B)は、公知の重合法、例えば乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法、またはこれらを組み合わせた重合法により製造することが可能である。これらのうち、特に塊状重合法または溶液重合法により製造することが好ましい。
本発明における共重合体(A)および共重合体(B)の固有粘度(IV:30℃、ジメチルホルムアミド溶媒)は0.4〜1.5の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜1.4の範囲である。固有粘度を調整する方法としては、その重合方法、重合温度、または使用する重合開始剤や分子量調整剤の使用量を適宜設定することにより調整することが可能である。
さらに、本発明における共重合体(A)および共重合体(B)のpHは7.0以下であることが最終製品の耐久性の点で好ましい。更に好ましくは6.0以下である。尚、このpHは共重合体の重合方法や重合時の添加剤とその量あるいは、共重合体(A)および(B)とポリカーボネート樹脂(C)を混合する際にリン酸等の酸成分を添加することにより、任意に調整することが可能である。
さらに、本発明における共重合体(A)および共重合体(B)中のアルカリ金属塩は、pHと同様、製品強度の点で0.1重量%未満であることが好ましい。なお、アルカリ金属塩の含有量については、共重合体(A)および共重合体(B)の重合方法や重合時の添加剤とその量の調整、あるいは共重合体(A)および共重合体(B)の洗浄方法等により任意に調整することが可能である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂(C)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、;“ビスフェノールA”から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビスビス(4−ヒドロキシジフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル類等を混合しても良い。
さらに、上記のジヒドロキシジアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用しても良い。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−(4,4’−(4,4’−ヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。なお、これらポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することが出来る。
本発明における透明樹脂成形品は、上述の共重合体(A)1〜95重量%、共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなる樹脂組成物を成形して得られるものであり、共重合体(A)が1重量%未満(ポリカーボネート樹脂(C)が99重量%を超える)では、成形性に劣る傾向にあり、共重合体(A)が95重量%を超えると(ポリカーボネート樹脂(C)が5重量%未満)、耐熱性が不足する傾向にあるため好ましくない。
また、本発明においては、目的に応じてさらにTinuvin P、234、326、329、360(チバスペシャルティケミカルズ社製)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、スミソーブ100、110、130(住友化学(株)製)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、スミソーブ400(住友化学(株)製)等のベンゾエート系紫外線吸収剤を1種または2種以上添加することが可能である。
これら紫外線吸収剤は、上記の共重合体(A)、共重合体(B)およびポリカーボネート樹脂(C)の合計100重量部に対して0.01〜5重量部の割合で配合することが好ましく、この範囲で添加することにより十分な耐光性が得られるが、その添加量が5重量部を超えると着色や耐熱性の低下、金型汚染などの問題が発生する傾向にあるため好ましくない。
これら紫外線吸収剤は、上記の共重合体(A)、共重合体(B)およびポリカーボネート樹脂(C)の合計100重量部に対して0.01〜5重量部の割合で配合することが好ましく、この範囲で添加することにより十分な耐光性が得られるが、その添加量が5重量部を超えると着色や耐熱性の低下、金型汚染などの問題が発生する傾向にあるため好ましくない。
さらに本発明においては、目的に応じてシリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、メタクリル系樹脂、シリコン樹脂等からなる有機架橋微粒子を使用することができる。これらの粒子の平均粒径について特に制限はないが、0.1〜20μmの範囲であることが好ましい。
また、特性を損なわない範囲で、染顔料、滑剤、離型剤および酸化防止剤等を添加することも可能である。
また、特性を損なわない範囲で、染顔料、滑剤、離型剤および酸化防止剤等を添加することも可能である。
本発明における透明樹脂成形品は、上記共重合体(A)、共重合体(B)およびポリカーボネート樹脂(C)を通常の造粒機、例えばバンバリー、ロール、単軸押出機、2軸押出機等を用いて溶融混練した後、射出成形機やシート押出機等の成形機を用いて成形する、あるいは各々ペレットの状態で直接成形機に投入して成形することにより得られるものである。上記の直接成形機に投入する際における、これら各々のペレット形状については特に制限はなく、角状、丸状、円筒状、円盤状、フレーク状等、任意の形状のものを使用することが可能であるが、一般的には円筒状(いわゆるストランドペレット)であり、またその大きさについても特に制限はなく、任意の大きさのものを使用することが可能であるが、1〜5mmの大きさのものが一般的に使用されることが多い。
さらに、本発明において用いられる成形機としては、例えば、射出成形、押出成形、異型押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、カレンダー成形等、目的に応じた成形機を使用することが可能である。また樹脂成形品を成形する際の成形温度は230〜320℃であることが好ましい。成形温度が230℃未満では残留成形歪により、そり・変形が発生しやすく、350℃を超えるとシルバーストリークや焼けによる外観不良を引き起こす傾向にあるため好ましくない。
さらに、本発明において用いられる成形機としては、例えば、射出成形、押出成形、異型押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、カレンダー成形等、目的に応じた成形機を使用することが可能である。また樹脂成形品を成形する際の成形温度は230〜320℃であることが好ましい。成形温度が230℃未満では残留成形歪により、そり・変形が発生しやすく、350℃を超えるとシルバーストリークや焼けによる外観不良を引き起こす傾向にあるため好ましくない。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
〔実施例〕
−共重合体(A)−
共重合体A−1:純水120部および過硫酸カリウム0.3部を仕込み、重合温度65℃の条件で、メタアクリル酸5重量部、スチレン90重量部、メチルメタアクリレート5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部からなる単量体混合溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々5時間に亘って連続添加し、その後、重合を3時間継続し、重合を完結した。次いで、塩化カルシウムを用いて塩析を行った後、見掛け体積に対して3倍以上の体積の洗浄水を使用し、また洗浄−脱水の工程を3回繰り返して行い、共重合体A−1を得た。得られた共重合体A−1の固有粘度は0.65であった。また、得られた共重合体A−1を灰化後、純水に溶解してICP法および原子吸光法により定量(以下同様の手法にて測定)したところアルカリ金属塩の含有量は0.085重量%、さらに共重合体1gをアセトン40mlに溶解した後、メタノール40mlおよび純水40mlを加えて1時間放置して得られた上澄み液のpHを測定(以下同様の手法にて測定)したところ4.3であった。
−共重合体(A)−
共重合体A−1:純水120部および過硫酸カリウム0.3部を仕込み、重合温度65℃の条件で、メタアクリル酸5重量部、スチレン90重量部、メチルメタアクリレート5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部からなる単量体混合溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々5時間に亘って連続添加し、その後、重合を3時間継続し、重合を完結した。次いで、塩化カルシウムを用いて塩析を行った後、見掛け体積に対して3倍以上の体積の洗浄水を使用し、また洗浄−脱水の工程を3回繰り返して行い、共重合体A−1を得た。得られた共重合体A−1の固有粘度は0.65であった。また、得られた共重合体A−1を灰化後、純水に溶解してICP法および原子吸光法により定量(以下同様の手法にて測定)したところアルカリ金属塩の含有量は0.085重量%、さらに共重合体1gをアセトン40mlに溶解した後、メタノール40mlおよび純水40mlを加えて1時間放置して得られた上澄み液のpHを測定(以下同様の手法にて測定)したところ4.3であった。
共重合体A−2:使用する単量体混合溶液を、グリシジルメタアクリレート5重量部、スチレン90重量部、メチルメタアクリレート5重量部とした以外はA−1と同様の方法により重合を行い、固有粘度0.56の共重合体A−2を得た。また共重合体A−2を灰化後、純水に溶解してICP法および原子吸光法により定量(以下同様の手法にて測定)したところアルカリ金属塩の含有量は0.091重量%、さらに共重合体1gをアセトン40mlに溶解した後、メタノール40mlおよび純水40mlを加えて1時間放置して得られた上澄み液のpHを測定(以下同様の手法にて測定)したところ5.3であった。
共重合体A−3:使用する単量体混合溶液を、メタアクリル酸20重量部、スチレン70重量部、メチルメタアクリレート10重量部とした以外はA−1と同様の方法により重合を行い、固有粘度0.65の共重合体A−3を得た。また共重合体A−3を灰化後、純水に溶解してICP法および原子吸光法により定量(以下同様の手法にて測定)したところアルカリ金属塩の含有量は0.088重量%、さらに共重合体1gをアセトン40mlに溶解した後、メタノール40mlおよび純水40mlを加えて1時間放置して得られた上澄み液のpHを測定(以下同様の手法にて測定)したところ3.6であった。
共重合体A−4:使用する単量体混合溶液を、2−ビニル−2−オキサゾリン30重量部、スチレン67重量部、メチルメタアクリレート3重量部とした以外はA−1と同様の方法により重合を行い、固有粘度0.53の共重合体A−4を得た。また共重合体A−4を灰化後、純水に溶解してICP法および原子吸光法により定量(以下同様の手法にて測定)したところアルカリ金属塩の含有量は0.096重量%、さらに共重合体1gをアセトン40mlに溶解した後、メタノール40mlおよび純水40mlを加えて1時間放置して得られた上澄み液のpHを測定(以下同様の手法にて測定)したところ6.1であった。
−共重合体(B)−
共重合体B−1:容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてスチレン92重量部、メチルメタアクリレート8重量部、t−ドデシルメルカプタン0.03重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)0.015重量部、エチルベンゼン10重量部から成る単量体混合物を連続的に反応槽に供給し、重合温度を150℃に調整して重合を行い、重合転化率を53.5重量%にした。抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化を行い、固有粘度0.58、アルカリ金属塩の含有量は0.003重量%、pH6.3の共重合体B−1を得た。
共重合体B−1:容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてスチレン92重量部、メチルメタアクリレート8重量部、t−ドデシルメルカプタン0.03重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)0.015重量部、エチルベンゼン10重量部から成る単量体混合物を連続的に反応槽に供給し、重合温度を150℃に調整して重合を行い、重合転化率を53.5重量%にした。抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化を行い、固有粘度0.58、アルカリ金属塩の含有量は0.003重量%、pH6.3の共重合体B−1を得た。
共重合体B−2:使用する単量体混合物をメチルメタアクリレート5重量部、スチレン95重量部とした以外は共重合体B−1と同様の方法により重合を行い、共重合体B−2を作成した。尚、共重合体B−2の固有粘度は0.53、アルカリ金属塩の含有量は0.002重量%、pHは6.4であった。
共重合体B−i:使用する単量体混合物をメチルメタアクリレート20重量部、スチレン80重量部とした以外は共重合体B−1と同様の方法により重合を行い共重合体B−iを作成した。尚、共重合体B−iの固有粘度は0.66、アルカリ金属塩の含有量は0.003重量%、pHは6.2であった。
−ポリカーボネート樹脂(C)−
C−1:ユーピロンH−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
C−2:カリバー200−3(住友ダウ(株)製)
C−1:ユーピロンH−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
C−2:カリバー200−3(住友ダウ(株)製)
−紫外線吸収剤(D)−
C−1:TINUVIN P(チバスペシャルティケミカルズ社製)
C−1:TINUVIN P(チバスペシャルティケミカルズ社製)
〔実施例、比較例〕
上記各成分につき、表1に示す割合に混合し、シリンダー温度を230℃に設定した2軸押出機((株)日本製鋼所製 TEM−35)にて所定のペレットを得た。得られたペレットを100℃にて予め乾燥させた後、上記各成分につき、表1に示す割合に混合し、シリンダー温度を250℃、金型温度を80℃に設定した(株)日本製鋼所J−150EP射出成形機を用いて各種試験片を作成した。なお、各種の試験条件は下記のとおりである。
上記各成分につき、表1に示す割合に混合し、シリンダー温度を230℃に設定した2軸押出機((株)日本製鋼所製 TEM−35)にて所定のペレットを得た。得られたペレットを100℃にて予め乾燥させた後、上記各成分につき、表1に示す割合に混合し、シリンダー温度を250℃、金型温度を80℃に設定した(株)日本製鋼所J−150EP射出成形機を用いて各種試験片を作成した。なお、各種の試験条件は下記のとおりである。
耐熱性:ISO 75に準じ、0.46MPaの条件で荷重たわみ温度を測定した。単位:℃
透明性:100×50×3の平板を作成し、ヘーズメーター(HM−150 村上色彩技術研究所)を用いてヘイズを測定した。
耐折り曲げ白化性:作成したシートを180度折り曲げ、折り曲げた部分の白化の状態を目視により判定した。
○:白化なし
△:やや白化
×:著しく白化
異方性:作成したシートから流れ方向(MD)と流れに垂直な方向(TD)にJIS4号ダンベルを打ち抜き、引張り試験機(AG−500 島津製作所製)を用いて引張り試験を行い、破断までの伸びを測定した。単位:%
透明性:100×50×3の平板を作成し、ヘーズメーター(HM−150 村上色彩技術研究所)を用いてヘイズを測定した。
耐折り曲げ白化性:作成したシートを180度折り曲げ、折り曲げた部分の白化の状態を目視により判定した。
○:白化なし
△:やや白化
×:著しく白化
異方性:作成したシートから流れ方向(MD)と流れに垂直な方向(TD)にJIS4号ダンベルを打ち抜き、引張り試験機(AG−500 島津製作所製)を用いて引張り試験を行い、破断までの伸びを測定した。単位:%
本発明における透明樹脂成形品(特に導光板、拡散板、光学用プラスチックレンズや光学用ディスク)は、透明性、耐熱性および耐折り曲げ白化性に優れているため、これらの特性を要求される工業的価値の高い各種の樹脂成形品として使用可能である。
Claims (9)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%、芳香族ビニル系単量体98〜50重量%およびポリカーボネート樹脂と反応性のある官能基を有するビニル系単量体1〜49重量%からなる共重合体(A)1〜95重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体1〜10重量%および芳香族ビニル系単量体99〜90重量%からなる共重合体(B)0〜94重量%およびポリカーボネート樹脂(C)99〜5重量%からなる透明樹脂成形品。
- 共重合体(A)および(B)のpHが各々7未満である請求項1に記載の透明樹脂成形品。
- 共重合体(A)および(B)中のアルカリ金属塩の含有量が各々0.1重量%未満である請求項1に記載の透明樹脂成形品。
- 請求項1〜3何れかに記載の透明樹脂成形品からなる拡散板。
- 請求項1〜3何れかに記載の透明樹脂成形品からなる導光板。
- 請求項1〜3何れかに記載の透明樹脂成形品からなる光学用プラスチックレンズ。
- 請求項1〜3何れかに記載の透明樹脂成形品からなる光学用ディスク。
- 請求項1〜3何れかに記載の透明樹脂成形品からなる加飾用フイルム。
- 請求項1〜3何れかに記載の透明樹脂成形品からなる表面保護フィルム。
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JP2006235247A JP2008056798A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 透明樹脂成形品および各種製品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227370A (ja) * | 2012-04-24 | 2013-11-07 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 透明樹脂組成物 |
CN104220229A (zh) * | 2012-03-29 | 2014-12-17 | 富士胶片株式会社 | 复合透镜及其制造方法 |
JPWO2020246381A1 (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 |
-
2006
- 2006-08-31 JP JP2006235247A patent/JP2008056798A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020246381A1 (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | 株式会社日本触媒 | 共重合体、及び複合樹脂 |
CN113906061A (zh) * | 2019-06-06 | 2022-01-07 | 株式会社日本触媒 | 共聚物和复合树脂 |
EP3981805A4 (en) * | 2019-06-06 | 2023-04-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | COPOLYMER AND COMPOSITE RESIN |
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