JP2008023952A - 樹脂成形品の成形方法および光学用樹脂成形品 - Google Patents

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雅典 伊藤
Masato Yano
正人 矢野
Takashi Koba
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治一郎 吉田
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Abstract

【課題】耐熱性および吸湿特性に優れた、高温多湿下での製品のそり・変形の抑制された光学用樹脂成形品の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体0〜10重量%および芳香族ビニル系単量体100〜90重量%からなる(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接射出成形機に投入して成形してなる樹脂成形品の成形方法であり、かつ共重合体(A)のメルトボリュームフローレイト(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)(以下、MVRと記す)がポリカーボネート樹脂(B)のMVRに対して1〜50倍の範囲である樹脂成形品の成形方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂成形品の成形方法に関するものであり、詳しくは、該成形方法により得られた耐熱性および吸湿性の良好な光学用樹脂成形品に関するものである。
アクリル系樹脂は、透明性、耐光性、表面硬度に優れるため、自動車外装部品、エクステリア用品等の屋外用途に広く使用されている。また、アクリル系樹脂は可視光領域の光線透過率ではガラス並み以上の特性を有し、また成形後の複屈折は小さく、光学的に非常に優れたプラスチックの一つである。そのため、従来からアクリル系樹脂は種々の光学材料として利用されており、光学用プラスチックレンズや光学用ディスク、導光板等の光学用途部品としての応用が進んでいる。
しかしながら、アクリル系樹脂は透明性や成形性に優れるものの、低い衝撃強度や長期使用による吸湿が原因で発生する成形品の反りや寸法変化といった不具合が発生することが知られている。更には耐熱性の不足により、使用条件によっては容易に成形品が変形してしまうという問題があった。
これらの問題点に対して、ポリカーボネート樹脂による代替が提案されているが、価格の上昇や複屈折率の悪化による光学特性の低下あるいは成形性の低下等の懸念があるため、十分な問題解決には至っていない。
更に、ポリカーボネート樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のアロイ(特許文献1:特開2004−189805号)も提案されているが、吸湿による反りの改善が不十分あるいは透明性が不足していることに加えて、このようなアロイ系の場合、通常、成形前に造粒工程を経ることから製品の黄味が強くなる傾向にあるため、十分な問題の解決には至っていないのが現状である。
特開2004−189805号公報
本発明の目的は、特に光学用樹脂成形品として有用な樹脂成形品の成形方法を提供することにあり、耐熱性および吸湿性の良好な光学用樹脂成形品(特に導光板、拡散板、光学用プラスチックレンズや光学用ディスク)を提供することにある。
本発明者らはかかる課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の単量体組成からなる特定の共重合体とポリカーボネート樹脂からなり、各々ペレットの状態で、かつ特定のMVR比またはMVRとすることにより、予め溶融混練することなく、直接成形(射出成形、押出成形)することが可能となり、上記の目的を達成することを見出し本発明に達したものである。
すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体0〜10重量%および芳香族ビニル系単量体100〜90重量%からなる(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接射出成形機に投入して成形してなる樹脂成形品の成形方法であり、かつ共重合体(A)のメルトボリュームフローレイト(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)(以下、MVRと記す)がポリカーボネート樹脂(B)のMVRに対して1〜50倍の範囲であることを特徴とする樹脂成形品の成形方法、または(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体0〜10重量%および芳香族ビニル系単量体100〜90重量%からなる(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接押出成形機に投入して成形してなる樹脂成形品の成形方法であり、かつポリカーボネート樹脂(B)のMVR(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)が1未満であることを特徴とする樹脂成形品の成形方法を提供するものである。
本発明にて得られた光学用樹脂成形品は、耐熱性および吸湿性に優れているため、高温多湿下での製品のそり・変形を抑制でき、工業的価値の高い光学用樹脂成形品、特に導光板、拡散板、光学用プラスチックレンズや光学用ディスクとして有効に使用可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における樹脂成形品は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体0〜10重量%および芳香族ビニル系単量体100〜90重量%からなる共重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%からなるものである。
本発明における(共)重合体(A)を構成する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルエキシルアクリレート等が、また芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン等が例示され、それぞれ1種または2種以上を選択して使用することが可能である。これらのうち、特に(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてはメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレートが、また芳香族ビニル系単量体としてはスチレンが好ましい。
なお、本発明においては、その目的を阻害しない範囲内で、これら単量体と共重合可能な単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸等の不飽和カルボン酸、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基含有単量体等を1種または2種以上選択して使用することも可能である。
本発明における(共)重合体(A)中の(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用割合は0〜10重量%の範囲であることが重要である。この使用割合が10重量%を超える場合(芳香族ビニル系単量体が90重量%未満)、ポリカーボネート樹脂(B)と混合した際、本発明の特徴である透明性が損なわれる。好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体2〜8重量%および芳香族ビニル系単量体98〜92重量%である。
本発明における(共)重合体(A)は、公知の重合法によって製造することができるが、なかでも塊状重合法または溶液重合法が好ましく、さらには連続式の塊状もしくは溶液重合法がより好ましく用いられる。より具体的には、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、及び必要であればエチルベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤を混合した原料を重合工程に供給し、該単量体を重合する工程および該工程の後、重合体、未反応単量体および/または溶剤を含む混合液を加熱し、同時にまたは加熱後減圧室に導入して未反応単量体および/または溶剤を重合体から分離する分離回収工程、さらに回収工程から排出された重合体に、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、拡散剤などの添加剤を添加し造粒することによりペレット化してなる造粒工程からなることが好ましい。
本発明における(共)重合体(A)の分子量はポリスチレン換算重量平均分子量で5万以上、および分子量分布(Mw/Mn)は1.8〜3.0の範囲であることが好ましい。この分子量を調整する方法としては、その重合方法、重合温度、または使用する重合開始剤や分子量調整剤の使用量を適宜設定することにより調整することが可能である。
さらに、本発明における(共)重合体(A)のpHは7.0以下であることが製品強度の点で好ましい。更に好ましくは6.0以下である。尚、このpHは共重合体の重合方法や重合時の添加剤とその量あるいは、共重合体(A)とポリカーボネート樹脂(B)を混合する際にリン酸等の酸成分を添加することにより、任意に調整することが可能である。
さらに、本発明における(共)重合体(A)中のアルカリ金属塩は、pHと同様、製品強度の点で0.1重量%未満であることが好ましい。なお、アルカリ金属塩の含有量については、(共)重合体(A)の重合方法や重合時の添加剤とその量の調整、あるいは(共)重合体(A)の洗浄方法等により任意に調整することが可能である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂(B)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、;“ビスフェノールA”から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビスビス(4−ヒドロキシジフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル類等を混合しても良い。
さらに、上記のジヒドロキシジアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用しても良い。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−(4,4’−(4,4’−ヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。なお、これらポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することが出来る。
本発明における樹脂成形品は、上述の(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接成形(射出成形、押出成形)して得られるものであり、(共)重合体(A)が1重量%未満(ポリカーボネート樹脂(B)が99重量%を超える)では、光学特性や成形性に劣る傾向にあり、(共)重合体(A)が90重量%を超えると(ポリカーボネート樹脂(B)が10重量%未満)耐熱性が不足する傾向にあるため好ましくない。
本発明における請求項1に係わる樹脂成形品の成形方法においては、上記の(共)重合体(A)のMVR(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)が、ポリカーボネート樹脂(B)のMVRに比べて1〜50倍の範囲にあることが重要である。この割合が等倍未満では最終製品での成形性の低下が著しく、また50倍を越えると最終製品の外観不良が発生するため好ましくない。好ましくは1〜30倍である。
また、本発明における請求項2に係わる樹脂成形品の成形方法においては、上記のポリカーボネート樹脂(B)のMVR(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)が1未満であることが重要である。このMVRが1を越えると最終製品での成形性の低下が著しいため好ましくない。好ましくは0.8以下である。
なお、本発明でいうMVRは、上記のとおりISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定した値であり、単位はcm/10分である。
また、本発明においては、その目的に応じてさらにTinuvin P、234、326、329、360(チバスペシャルティケミカルズ社製)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、スミソーブ100、110、130(住友化学社製)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、スミソーブ400(住友化学社製)等のベンゾエート系紫外線吸収剤を1種または2種以上添加することが可能である。
これら紫外線吸収剤は、上記の(共)重合体(A)およびポリカーボネート樹脂(B)の合計100重量部に対して0.01〜5重量部の割合で配合することが好ましく、この範囲で添加することにより十分な耐光性が得られるが、その添加量が5重量部を超えると着色や耐熱性の低下、金型汚染などの問題が発生する傾向にあるため好ましくない。
さらに本発明においては、拡散剤として、例えば酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、メタクリル系樹脂、シリコン樹脂等からなる有機架橋微粒子を使用することができる。これらの拡散剤の平均粒子径については特に制限はないが、0.1〜20μmの範囲であることが好ましい。
また、その特性を損なわない範囲内で、染顔料、滑剤、離型剤および酸化防止剤等を添加することも可能である。
本発明における樹脂成形品は、上記(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接成形(射出成形、押出成形)して得られるものである。この際、これら各々のペレット形状については特に制限はなく、角状、丸状、円筒状、円盤状、フレーク状等、任意の形状のものを使用することが可能であるが、円筒状(いわゆるストランドペレット)のものが一般的である。またその大きさについても特に制限はなく、任意の大きさのものを使用することが可能であるが、1〜5mmの大きさのものが一般的である。さらに、本発明において直接投入可能な成形機としては、例えば、射出成形、(異型)押出成形が適しているが、その他ブロー成形、インフレーション成形、カレンダー成形等、目的に応じた成形機にて、直接各種の光学用樹脂成形品、特に導光板、拡散板、光学用プラスチックレンズや光学式ディスクに成形することが可能である。また、その際、樹脂成形品を成形する際の成形温度は230〜320℃であることが好ましい。成形温度が230℃未満では残留成形歪により、そり・変形が発生しやすく、350℃を超えるとシルバーストリークや焼けによる外観不良を引き起こす傾向にあるため好ましくない。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
〔実施例〕
−共重合体(A)−
共重合体A−1:容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いて共重合体を製造した。芳香族ビニル系単量体としてスチレン92重量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としてメチルメタアクリレート8重量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)0.015重量部、エチルベンゼン10重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を53.5重量%にした。このときの重合温度は150℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化を行い、MVRが32の共重合体A−1を作成した。
重合体を灰化後、純水に溶解してICP法および原子吸光法により定量(以下同様の手法にて測定)したところアルカリ金属塩の含有量は0.003重量%、さらに共重合体1gをアセトン40mlに溶解した後、メタノール40mlおよび純水40mlを加えて1時間放置して得られた上澄み液のpHを測定(以下同様の手法にて測定)したところ6.3であった。
共重合体A−2:メチルメタアクリレート5重量部、スチレン95重量部、t−ドデシルメルカプタン0.8重量部とした以外は共重合体A−1と同様の方法により共重合体A−2を作成した。尚、共重合体A−2のMVRは48、アルカリ金属塩の含有量は0.002重量%、pHは6.4であった。
共重合体A−3:スチレン100重量部とした以外は共重合体A−1と同様の方法により共重合体A−3を作成した。尚、共重合体A−3のMVRは21、アルカリ金属塩の含有量は0.002重量%、pHは6.4であった。
共重合体A−i:メチルメタアクリレート20重量部、スチレン80重量部とした以外は共重合体A−1と同様の方法により共重合体A−iを作成した。尚、共重合体A−iのMVRは18、アルカリ金属塩の含有量は0.003重量%、pHは6.2であった。
−ポリカーボネート樹脂(B)−
B−1:ユーピロンH−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 MVR:20)
B−2:カリバー200−3(住友ダウ(株)製 MVR:0.1>)
−紫外線吸収剤(C)−
C−1:TINUVIN
P(チバスペシャルティケミカルズ社製)
〔実施例1〜11、比較例1〜9〕
<射出成形品の成形方法>
上記各種成分につき、それぞれペレット状態で予め乾燥させた後、表1に示す割合にてペレット状態で混合し(実施例5のみ紫外線吸収剤添加)、シリンダー温度を250℃、金型温度を80℃に設定した(株)日本製鋼所製J−150EP射出成形機を用いて各種試験片を作成した。なお、比較例4については、予め、シリンダー温度を240℃に設定した2軸押出機(日本製鋼所製 TEM−35)を用いて溶融混練して得られたペレットを使用した。
<押出成形品の成形方法>
また、同様に上記各種成分につき、それぞれペレット状態で予め乾燥させた後、表2に示す割合にてペレット状態で混合し(実施例11のみ紫外線吸収剤添加)、シリンダー温度を260℃、ロール温度を95℃に設定した田辺プラスチックス機械(株)40mm異型シート押出機を用いて、幅200mm、厚み2mmのシートを作成した。なお、比較例7については、予め、シリンダー温度を240℃に設定した2軸押出機((株)日本製鋼所製 TEM−35)を用いて溶融混練して得られたペレットを使用した。
各種の試験条件は下記のとおりである。
<射出成形品(表1)の評価>
耐熱性:ISO 75に準じ、0.46MPaの条件で荷重たわみ温度を測定した。単位:℃
透明性:100×50×3の平板を作成し、ヘーズメーター(HM−150 村上色彩技術研究所)を用いてヘイズを測定した。
色調:100×50×3の平板を作成し、カラーメーター(CMS35−35SP 村上色彩技術研究所)を用いてイエローインデックス(YI)を測定した。
成形品外観:100×50×3の平板を作成し、目視により外観を判定した。
○:問題なし
△:若干表面に細かな筋状の模様が見えるものの、実用上問題なし
×:全面に細かな筋状の模様が発生し、使用不可
<押出成形品(表2)の評価>
成形性:成形時のドローダウンの状態を、ダイとロールの間隔を30cmに設定した状態で最も垂れている部分の床面からの高さとダイス出口下端の同高さとの差から計算により求めた(単位:cm)。数値が小さい程良好。
耐湿熱性:作成したシートを150mm幅で切り出し、雰囲気温度65℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽中で400時間放置後、反り量(mm)を測定した。
色調:100×50×3の平板を作成し、カラーメーター(CMS35−35SP 村上色彩技術研究所)を用いてイエローインデックス(YI)を測定した。
Figure 2008023952
Figure 2008023952
本発明の成形方法にて得られた、特に光学用樹脂成形品(特に導光板、拡散板、光学用プラスチックレンズや光学用ディスク)は、耐熱性および吸湿特性に優れているため、高温多湿下での製品のそり・変形を抑制できることから工業的価値の高い各種の光学用樹脂成形品として使用可能である。

Claims (9)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体0〜10重量%および芳香族ビニル系単量体100〜90重量%からなる(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接射出成形機に投入して成形してなる樹脂成形品の成形方法であり、かつ共重合体(A)のメルトボリュームフローレイト(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)(以下、MVRと記す)がポリカーボネート樹脂(B)のMVRに対して1〜50倍の範囲であることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. (メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体0〜10重量%および芳香族ビニル系単量体100〜90重量%からなる(共)重合体(A)1〜90重量%とポリカーボネート樹脂(B)99〜10重量%を、各々ペレットの状態で直接押出成形機に投入して成形してなる樹脂成形品の成形方法であり、かつポリカーボネート樹脂(B)のMVR(ISO 1133に準じ220℃ 10kgの条件で測定)が1未満であることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  3. (共)重合体(A)のpHが7未満である請求項1又は2に記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. (共)重合体(A)中のアルカリ金属塩の含有量が0.1重量%未満である請求項1〜3何れかに記載の樹脂成形品の成形方法。
  5. 請求項1〜4何れかに記載の成形方法により得られた光学用樹脂成形品。
  6. 拡散板である請求項5に記載の光学用樹脂成形品。
  7. 導光板である請求項5に記載の光学用樹脂成形品。
  8. 光学用プラスチックレンズである請求項5に記載の光学用樹脂成形品。
  9. 光学用ディスクである請求項5に記載の光学用樹脂成形品。
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