JP2008056713A - 抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物、該組成物を含む電子写真用部材及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抵抗制御剤及びポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルあるいはさらに結着剤を含有する事を特徴とする抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物である。結着剤はポリイミドもしくはポリアミドイミド又はそれらの前駆]体である。抵抗制御剤はカーボンンブラックである。
【選択図】なし
Description
更に詳細には本発明は、コピー・プリンター等の電子写真装置に用いられる帯電部材、現像剤担持体、中間転写体、転写剤搬送部材などの電子写真用部材、及び電子写真用部材を有する電子写真装置に関する。
これらは組成物表面や内部でいかに電気抵抗を均一に出来るかがポイントになる。
(1)帯電工程(感光体表面を均一帯電させる。)
(2)露光工程(露光により感光体表面に静電潜像を形成する)
(3)現像工程(静電潜像を現像剤にて現像を形成する。)
(4)転写工程(現像を転写材(中間転写体や被記録媒体(紙やフイルム等))に転写する。)
(5)定着工程(被記録媒体上に転写された現像を熱等で定着する。)
電子写真用途においては、より再現性のある画像を複製する為に感光体表面を非常に均一に帯電させたり、正確に現像を中間転写体や被記録媒体に転写する必要から、他の用途より特に精度の高い抵抗制御が必要となる。
また印加電圧や駆動による熱や加圧/加力(ひずみ等)での変形を防せぐ必要がありより耐熱性と高強度が要求されている。
フルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を、一旦中間転写体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写体に転写する中間転写方式が用いられている。
しかし、この方式の場合、転写媒体である紙が環境により変動することもあり、各色画像を重ねる際の位置を精度良く合せることが非常に困難であるため、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
抵抗値が不均一になると電圧依存性が大きくなり、電子写真装置に用いた場合に電圧依存性が大きくなると、装置の転写バイアス条件によっては転写ニップにおける異常放電を引き起こし、線画像の散り、逆転写による白抜けなどの異常画像が発生する。
仮に、抵抗制御剤によりバラツキを小さくしたとしても、環境変動などに対応すべくプロセスコントロールにより転写条件を変動した場合に、その転写条件変動に対応できる余裕度は十分でなく、印加バイアスが高い設定になると上記異常画像の発生を引き起こす問題がある。
(1) 抵抗制御剤及びポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルを含有する事を特徴とする抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
(2) 抵抗制御剤、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル及び結着剤を含有することを特徴とする前記(1)の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
(3)前記結着剤が、非熱可塑性樹脂又はその前駆体である事を特徴とする前記(1))又(2)記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
(5)抵抗制御剤がカーボンブラックである事を特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物を含有する事を特徴とする電子写真用部材。
(7)電子写真用部材が電子写真用中間転写体であることを特徴とする前記(6)記載の電子写真用部材。
(9)前記(6)〜(8)のいずれかに記載の電子写真部材を少なくとも一つ以上有する電子写真装置。
(10)前記電子写真装置が、フルカラー電子写真装置であって、各色の現像器を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなることを特徴とする前記(9)に記載の電子写真装置。
(1)抵抗制御剤の溶媒又は結着剤中における粒子径を小さく、かつその分布巾を小さくすることができる。
(2)特に、該記した様に予め樹脂と相溶性の良い溶媒中に抵抗制御剤をサンドミル・ボールミル・ダイノーミル等の分散機で小粒径化して、抵抗制御剤分散液にした後、樹脂又は樹脂前駆体と混合し、加熱による乾燥又は溶融又は重合により組成物物を形成する方法の場合、抵抗制御剤の分散液における粒子径を小さく、かつその分布巾を小さくすることができるだけでなく、
(3)抵抗制御剤の分散液と、結着樹脂及び溶媒を含む溶液との混合分散溶液である塗布液とした状態でもほとんど抵抗制御剤の凝集を起さず、抵抗制御剤の分散液粒径を小さく、かつその分布巾を小さく維持することが可能であり、
(4)更には、従来知られている脂肪酸エステルや他のポリオキシエチレンソルビタンエステルとは異なり塗布液を乾燥や加熱をして組成物を形成した場合に、組成物内での抵抗制御剤の分散粒径が小さく、しかも分布の均一性が維持でき、電気抵抗値のバラツキや電気特性の電圧依存性がない抵抗制御剤含有組成物が作製できる。結着剤として、後述のポリイミドまたはポリアミドイミドもしくはそれらの前駆体を用いれば、連続使用に対しても耐久性があり変形や変動のない難燃性のある組成物が得られる。
本発明のポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルは、一般的にはソルビトールとエチレンオキサイドを付加重合した後脂肪酸とアルカリ存在化でエステル化反応にて合成されたものが挙げられ、(もちろん他の合成法でもよいが)下記一般式(1)で表されるものである。
一般式(1)
(式中A1〜A6は(C=O)-R又はHを表し、RはCnH2n+1又はCnH2n 又はCnH2n-1(n=1〜31)の脂肪酸残基を表す、
EO付加モル数(m)=a+b+c+d+e+f=3〜100を表す。)
n数が9以上であると結着剤や抵抗制御剤との相溶性が良くなる傾向にあり、
組成物を成型した際に抵抗制御剤の樹脂内での凝集が発生しにくく抵抗の均一性が向上する傾向にある。
n数が21以下であると極性溶媒への溶解性が向上し、抵抗制御剤の粒子径を好ましい程度まで小さくすることが容易になる傾向がある。
n数が11〜17の場合は、抵抗制御剤を小粒径化する事が出来、かつ樹脂と混合した場合の抵抗制御剤の樹脂内での凝集が抑えられ、より良い抵抗の均一化ができる。
特にn数が15〜17にした場合は、抵抗制御剤を小粒径化する事はもちろん成形過程で重合し極性が変化する結着剤(例えばポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂など)にも相溶性が良く、抵抗制御剤の樹脂内での凝集が抑えられ、更に良好な抵抗の均一化ができる。
EO付加モル数を3以上にすると、分散液中における抵抗制御剤の分散性が向上し、抵抗制御剤の粒子径を好ましい程度まで小さくすることが容易となる傾向がある。一方、100以下であると、耐熱結着樹脂(例えば、ポリイミドまたはポリアミドイミド)もしくはそれらの前駆体との相溶性が向上し、塗布液及びシームレスベルト成形体内における抵抗制御剤の分布の均一性が向上する傾向がある。また、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)等の極性溶媒への溶解性が向上し、使用する際には加熱等による溶解作業が容易となり、生産性が著しく向上する。
EO付加モル数(m) 6〜60の場合、抵抗制御剤を小粒径化する事が出来、かつ樹脂と混合した場合の抵抗制御剤の樹脂内での凝集が抑えられ、より良い抵抗の均一化ができる。
特にEO付加モル数(m) 30〜40の場合抵抗制御剤を小粒径化する事はもちろん成形過程で重合し極性が変化する結着剤(例えばポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂など)にも相溶性が良く、抵抗制御剤の樹脂内での凝集が抑えられ、更に良好な抵抗の均一化が測れる。
特に結着剤にポリミイドやポリアミドイミドもしくはそれらの前駆体を使用する場合には、nが15〜17、脂肪酸残基数は4〜5、EO付加モル数は30〜40が好ましく中でも以下式(2)、(3)に示されるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット又はペンタオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが最も好ましい。
一般式(2) EO付加モル数は30又40
一般式(3) EO付加モル数は30又40
ユニオックスSPシリーズ(SP−40E等)や
日本エマルジョン社製 EMALEX TPM305、
花王社製 レオゾールシリーズ(430v、440v、460V)等が挙げられ、入手可能である。
特に従来技術で該記した様に予め樹脂と相溶性の良い溶媒中に抵抗制御剤をサンドミル・ボールミル・ダイノーミル等の分散機で小粒径化して、抵抗制御剤分散液にした後、樹脂又は樹脂前駆体と混合し、加熱による乾燥又は溶融又は重合により組成物を形成する方法の場合は、抵抗制御剤・溶剤・樹脂前駆体又は樹脂との全てにおいて相溶性が必要になってくるので従来の分散剤では対応できるものはなかった。特に結着剤としてポリイミドやポリアミドイミドを使用する場合、溶媒やその前駆体に相溶性が良い分散剤でも、加熱により樹脂を重合させていく過程でポリアミック酸など親水性の前駆体が疎水性の高いポリイミド体に変化するので本発明使用のような幅広い極性に対応した分散剤が必要である。
0.2重量部以上では、抵抗制御剤の分散性が向上する傾向にあり、60重量部以下であると、耐熱結着樹脂(例えば、ポリイミドまたはポリアミドイミド)もしくはそれらの前駆体との相溶性が向上し、塗布液にした場合の抵抗制御剤の粒度変化が小さくなる傾向がある。その結果、形成された抵抗制御剤含有組成物の電気抵抗の均一性が向上する。
前記分散液中に含まれる耐熱結着樹脂(含む前駆体)の含有量としては、、抵抗制御剤100重量部に対して20重量部以下であれば、抵抗制御剤分散液及び塗布液の粒子径を小さくかつ分布巾を小さくすることができ、電気抵抗にバラツキがなく良好な画像形成が可能であるが、特に好ましくは抵抗制御剤100重量部に対して耐熱結着樹脂の含有量が0.1〜10重量部である。耐熱結着樹脂の含有量が20以下であると分散液の粘度を低く抑えられ、分散性を向上でき、シームレスベルトにした場合の電気抵抗の均一性が向上する傾向がある。なお、0.1以上であると抵抗制御剤の凝集防止効果が向上する傾向がある。
本発明で使用される抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、或いは銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粉末などがあげられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム、などを併用してもよい。
特に抵抗の均一性の面からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、カーボンブラック表面を酸化処理やアルカリ処理したものや、各種の界面活性剤や樹脂で被覆したりグラフト処理やカプセル化処理したカーボンブラックも使用可能である。特に表面を酸性処理したカーボンブラック(酸性のカーボンブラック)は分散性がより好ましい。
なお、本発明で使用される抵抗制御剤は上記例示化合物に限定されるものではない。
樹脂またはその前駆体について説明する。
本発明に使用される樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイドなどの硫黄原子含有樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体などのフッ素原子含有樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、アイオノマー樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン樹脂、セルロースなどが挙げられるが耐熱性・難燃性が必要とされる用途、特に電子写真装置用部材においては特に結着剤としては、難燃性の観点からPVdF、ETFEなどのフッ素系樹脂、ポリイミドまたはポリアミドイミド等が挙げられる。
特に機械強度の面でポリイミドあるいはポリアミドイミドが好ましい。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物またはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)してポリイミドとする。反応の概略を下記反応式(a)に示す。
特に芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分の組み合わせとしては、
重合後の機械強度面から、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの組み合わせ、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの組み合わせ、もしくは2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの組み合わせが特に好ましい。
下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
このような例としては、例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
補強剤として、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビーズ等を一種以上添加することもできる。また、滑り性を改良する目的で、固体潤滑剤、例えば二硫化モリブデン、グラファイド、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉などを一種以上添加することができる。
特に、電子写真用シームレスベルト部材として用いる場合、その用途に応じて様々な添加剤を含有することが必要となるが、特に機械強度の点から上述したような補強効果のある無機充填剤が必要である。また、例えば、定着ベルトとして使用する際には、熱伝導性の高い無機充填剤を含有する必要がある。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと、6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)は最も一般的な方法として用いられる。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次式により表される。
イミド化率(%)=[(A)/(B)]×100
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm-1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm-1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm-1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm-1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm-1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm-1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm-1とアミド基の特性吸収1,670cm-1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm-1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
ポリアミドイミドは分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドは一般的なものを使用することが出来る。
ポリアミドイミド樹脂を合成する方法として一般的に、(1)イソシアネート法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と芳香族イソシアネートより溶媒中で製造する方法(例えば特公昭44ー19274)、(2)酸クロライド法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には前記誘導体クロライドとジアミンから溶媒中で製造する方法(例えば特公昭42ー15637)が用いられる。各製造方法について説明する。
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、イソシアネート法(1):酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)、あるいは、酸クロライド法(2):酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、下記一般式(I)または一般式(II)に示す化合物を使用することができる。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記式(III)および式(IV)に示す化合物を使用することができる。
上記式中、Xはハロゲン原子を示す。
芳香族ジアミンとしては、 m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数10分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
以上のようにして得られた耐熱結着樹脂及び溶媒を含む溶液と、抵抗制御剤、前記一般式(1)で表される分散剤及び溶媒を含む分散液を混合して塗布液が調製される。
使用される主な分散方法の例を下記に挙げるが、分散方法はこれらに限定されず適宜選択することができる。
(a)ニーディング型:ニーダー、プラネタリーミキサー等;原料の粘度が大きいほど大きなせん断応力が発生するので硬いペーストの練りに利用される。
(b)圧縮せん断型(3本ロールミル、2本ロールミル):ローラーの間隙に圧力をかけながら大きなせん断応力を加える分散機で、高粘度(1,000Pa・s位まで可能)で接着力の大きいものに適用される。
(c)攪拌混合型(コロイドミル、Kady Mill等):高い周速度(300〜1,200m/min)で回転するインペラーが高いせん断速度を与えることが可能。
(d)摩砕せん断型(ビーズミル、ボールミル等):ボールやビーズの衝撃とせん断応力によって分散を行なう分散機。ボールミルの場合、102〜103Pa、ビーズミルの場合、104〜105Pa程度のせん断応力が加えられる。ビーズミル、ボールミルともに揮発性低粘度体(数Pa・s位まで可能)の分散に使用される。
なお、抵抗制御剤を予めプレミキシングをする等の前処理を実施してもよい。
すなわち、本発明におけるシームレスベルトの最も好ましい製造方法は;
(a)抵抗制御剤と、前記一般式(1)で表される分散剤と、耐熱結着樹脂と、溶媒を含有する塗布液を、回転する円筒状支持体の内壁に塗布・流延する工程と、
(b)支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去して成膜する工程と、
(c)形成された膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
を含むことを特徴とする。
遠心成形は円筒状の回転体から構成される支持体を用いて形成するものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗布液を円筒の内面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。
回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80℃〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体のイミド化またはポリアミドイミド化を行う。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように予め、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
図1の模式図に、ベルト部材等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。なお、模式図は一例であってこの構成に限定されるものではない。
図1において、ベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明のシームレスベルトとすることにより、電気抵抗値のバラツキや電気特性の電圧依存性がなく、連続使用に対してもベルトの変形や変動がなく耐久性が向上して優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
図1において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
図2の模式図は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
結着剤として非熱可塑性樹脂又はその前駆体、特にポリイミドまたはポリアミドイミドもしくはそれらの前駆体を使用した場合その効果が顕著であり、機械的な強度や耐熱性や難燃性などに優れる。
又本発明の抵抗制御剤含有組成物を電子写真用部材に使用すれば、電気抵抗値のバラツキや電気特性の電圧依存性がない非常に均一な抵抗と強度を所有した部材であるので、それを装置に用いると高品質の画像が得られる。
特にベルト状の中間転写ベルトに使用されると 装置のバイアス条件変動に よらず、線画像散りや逆転写による白抜け等の異常画像が発生することがな く安定した高品質な画像形成を行うことができ、中間転写ベルトとして最適 な構成を実現することが可能である。
すなわち、本発明の抵抗制御剤含有組成物を用いた電子写真装置は、長期に亘り異常画像が発生しない高品質の画像を提供することができる。特に、本発明のシームレスベルトをフルカラー電子写真装置に用いれば、高品質を維持したまま、より高速化に適応したフルカラー画像形成が可能である。
以下の手順で抵抗制御剤分散液1の調製、及びこの分散液とポリイミドワニスを用いて塗布液を調製し、分散液と塗布液それぞれの粒度評価を実施した。また、調製した塗布液を用いてシームレスベルトを作製し、電気抵抗のバラツキ評価及び画像評価を行った。
下記処方の抵抗制御剤分散液組成分を、ボールミル(2mmφのジルコニアボール使用)を用いて回転速度200rpmの条件で15時間(H)分散し、抵抗制御剤分散液1を得た。
抵抗制御剤;カーボンブラック(Special Black4:デグサ社製) :10重量部
分散剤;トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)3、n=17
(一般式(4))の化合物(*) : 5重量部
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
溶媒;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(関東化学社製:特級)
:85重量部
下記処方の塗布液組成分を均一に混合分散して塗布液を調製した。
<塗布液の処方>
抵抗制御剤分散液1 :13重量部
ポリイミドワニス〔(UワニスA:宇部興産社製(固形分18%)〕 :
33重量部
NMP : 4重量部
内半径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げし離型剤処理を施した金属製円筒を支持体(型)として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗布液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜が万遍なく広がった時点で回転数を100rpmに上げて熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。その後さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、段階的に300℃まで昇温して30分加熱処(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚85μmのシームレスベルトを得た。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕にかえてテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=6、n=17)
(下記構造式(2))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4)の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕にかえて
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=30、n=17)
(一般式(2))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%))
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=40、n=17)
(一般式(2))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%))
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=60、n=17)
(一般式(2))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
ペンタオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=40、n=17)
(一般式(3))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
テトラパルメチン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=30、n=15)
(一般式(5))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%))
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
一般式(5)
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
テトララウリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=30、n=11)
(一般式(6))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
一般式(6)
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
テトラカプリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=30、n=9)
(一般式(7))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%))
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
(一般式(7)
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c+d+e+f)=30、n=17)
(一般式(2))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、シームレスベルトの膜厚を100μmにした以外は実施例1と同じにしシームレスベルトを得た。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
ソルビットオレイン酸モノエステル
((一般式(8))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
(一般式8)
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
縮合リシノレイン酸ポリグリセリル
(チラバゾールH-818 太陽化学)(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(EO付加数20、n=17 日本油脂社製 ノニオンOT-521)
(一般式(9))(*)
(*)〔N−メチル−2‐ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
一般式(9)
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17 (一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N‐メチル−2‐ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(EO付加数(a+b+c)=20、n=17 日本油脂社製 ノニオンOT-221)
(一般式(10))(*)
(*)〔N‐メチル−2‐ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
一般式(10)
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、 n=17)
(一般式(4)))の化合物(*)
(*)〔N‐メチル−2‐ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
ポリオキシエチレンオレイルエーテル
(日本油脂社製 ノニオンE205-S)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、この塗布液を用いてシームレスベルトを作製した。
実施例1の抵抗制御剤分散液1の処方において用いた分散剤
トリスイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット
(EO付加数(a+b+c)=3、n=17)
(一般式(4))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
にかえて
ソルビットオレイン酸モノエステル
((一般式(8))の化合物(*)
(*)〔N-メチル-2-ピロリドン溶液(固形分10%)〕
とした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製し、シームレスベルトの膜厚を100μmにした以外は実施例1と同じにしシームレスベルトを得た。
実施例1〜10及び比較例1〜6で調製した抵抗制御剤分散液と塗布液それぞれの粒度評価、ならびにシームレスベルトの電気抵抗のバラツキ評価と画像評価を下記の条件で実施した。結果を下記表1に示す。
抵抗制御剤分散液及び塗布液の下記粒度分布特性(下記、1、2)を粒度分布測定装置(日機装社製ナノトラックUPA−EX150)にて測定した。数値が小さい程、分散性が良好である。
(1)D50:メジアン径(μm)
(2)SD:粒度分布幅の標準偏差
作製した各シームレスベルトの10箇所を、ハイレスタUP MCP−HT450(三菱化学社製:プローブURS)にて体積抵抗率を測定し、その最大値と最小値をそれぞれ常用対数にて示し、下記式により求められる変動幅からバラツキを評価した。
電気抵抗のバラツキ=log(MAX抵抗率)−log(MIN抵抗率)
電気抵抗のバラツキの許容範囲としては、0.5以下が最も好ましい。
作製した各シームレスベルトを前記図2に示した構成のフルカラー電子写真装置において、実施例1〜9及び比較例1〜5に関しては中間転写ベルトとして使用し、又実施例10及び比較例6に関しては転写搬送ベルトとして使用し、1万枚連続プリントした後形成するハーフトーン画像濃度がほぼ0.8になるように調整した。
得られたハーフトーン画像について、斑点状の濃度ムラであるボソツキ画像の発生の度合いを評価した。画像評価の基準は下記による。
◎:非常に良好 、○:良好、△:実使用上問題なし、×:非常に悪い
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
Claims (10)
- 抵抗制御剤及びポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルを含有する事を特徴とする抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
- 抵抗制御剤、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル及び結着剤を含有することを特徴とする請求項1の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
- 前記結着剤が、非熱可塑性樹脂又はその前駆体である事を特徴とする請求項2記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
- 前記結着剤が、ポリイミドもしくはポリアミドイミド又はそれらの前駆体である事を特徴とする請求2又は3記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
- 抵抗制御剤がカーボンブラックである事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物を含有する事を特徴とする電子写真用部材。
- 電子写真用部材が電子写真用中間転写体であることを特徴とする6項記載の電子写真用部材
- 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合せて一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に用いられる中間転写体において、前記電子写真用中間転写体がシームレスベルトであることを特徴とする請求項7記載の電子写真用部材。
- 請求項6〜8記載の電子写真部材を少なくとも一つ以上有する電子写真装置。
- 前記電子写真装置が、フルカラー電子写真装置であって、各色の現像器を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項9に記載の電子写真装置。
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