JP2006206821A - 導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物及びそれよりなる成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は導電性、環境温度安定性、耐熱性、柔軟性に優れる新規な導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物及びそれよりなる成形体に関するものである。
近年、帯電した静電気により半導体が破壊したり、電子機器が誤作動したりする等の問題が生じており、電荷を帯電させない技術、帯電した電荷を安全に除電する技術が重要になっている。一方、複写機、プリンター等では帯電した電荷を利用して印刷する技術が利用されており、安定に電荷を帯電させることが重要な技術になっている。
即ち、帯電する電荷を制御することが重要であり、そのため一般に絶縁性である熱可塑性エラストマーの導電性を制御することが求められている。
通常、導電性を付与するために、例えばカーボンブラック等の導電性フィラーの充填;カチオン性、アニオン性、非イオン性等の帯電防止剤の添加が一般的に行われている。
しかし、これまでのポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーにおいては、カーボンブラック等の導電性フィラーを均一に分散させることが困難であることに加え、不均一分散に起因して帯電する電荷も不均一である等の問題がある。また、帯電防止剤についても、均一に分散するため均一な帯電状態が得られるものの、湿度が高くなると電気抵抗値が低下する、長期間経過すると制電性が著しく低下する、水洗等により性能が低下する等の問題を有している。
これらの問題を解決するため、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーにビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム及び/又はトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムを成分とする組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
しかしながら、特許文献1〜4に提案の組成物は、導電性の制御が持続する、湿度に依存しない等の特徴を有しているものの、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーは環境温度によって分子の運動性が大きく変化するため、使用する環境温度により体積抵抗値が大きく変動する、すなわち環境温度安定性に劣るという問題を有している。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討した結果、ハードセグメントに特定の芳香族アミド単位を用いた芳香族アミドブロック共重合体及び導電剤からなる新規な導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物が導電性、環境温度安定性、耐熱性、耐寒性、柔軟性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示される芳香族アミド単位と、ポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位からなる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤0.001〜20重量部よりなることを特徴とする導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物及びそれよりなる成形体に関するものである。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物は、上記一般式(1)で示される芳香族アミド単位と、ポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位からなる芳香族アミドブロック共重合体と導電剤よりなる樹脂組成物である。
ここで、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体を構成する一般式(1)で示される芳香族アミド単位中のR1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜20の二価のオキシアルキレン基、アルキレンカルバモイル基、またはアリーレンカルバモイル基であり、R1、R2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また直鎖状又は分岐状であってもよい。
該オキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシペンタメチレン基、オキシヘキサメチレン基等の無置換オキシアルキレン基またはこれらにメチル基、エチル基等のアルキル置換基もしくはフェニル基等のアリール置換基が1個以上結合したものが挙げられる。さらには、上記の無置換オキシアルキレン基単位やアルキルまたはアリール置換オキシアルキレン基単位が任意に2個以上結合したものであっても良く、これらの1種または2種以上が使用される。中でも、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。なお、これらオキシアルキレン基中の酸素は、一般式(1)において直接ベンゼン環に結合することが好ましい。
該アルキレンカルバモイル基としては、例えばメチレンカルバモイル基、エチレンカルバモイル基、トリメチレンカルバモイル基、テトラメチレンカルバモイル基、ペンタメチレンカルバモイル基、2,2−ジメチルトリメチレンカルバモイル基、ネオペンチルカルバモイル基、ヘキサメチレンカルバモイル基、3−メチルペンタメチレンカルバモイル基、2−メチルヘプタメチレンカルバモイル基、ヘプタメチレンカルバモイル基、オクタメチレンカルバモイル基、ノナメチレンカルバモイル基、デカメチレンカルバモイル基、1,4−シクロヘキシレンカルバモイル基等を挙げることができ、これらの1種または2種以上が使用される。中でもエチレンカルバモイル基が好ましい。
該アリーレンカルバモイル基としては、例えば2−ベンジルカルバモイル基、3−ベンジルカルバモイル基、4−ベンジルカルバモイル基、1,2−フェニレンカルバモイル基、1,3−フェニレンカルバモイル基、1,4−フェニレンカルバモイル基等を挙げることができ、これらの1種または2種以上が使用される。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体を構成するポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位とは、公知のものであれば特に制限はない。
該ポリエステルは、例えばジカルボン酸あるいはジカルボン酸無水物と短鎖ポリオールを縮合重合することによって得ることができる。該ジカルボン酸あるいはジカルボン酸無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。一方、該短鎖ポリオールとしては、例えば脂肪族、脂環式、芳香族、置換脂肪族または複素環式のジヒドロキシ化合物;トリヒドロキシ化合物;テトラヒドロキシ化合物等を挙げることでき、具体的な短鎖ポリオールとしては、例えば1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメチレンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシレンジオール、ジヒドロキシエチルテトラヒドロフタレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
該ポリエステルを得る別の方法として、例えばβ−プロピオラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン等のラクトン化合物の1種または2種以上をヒドロキシ化合物と共に反応せしめる方法によることも可能である。
該脂肪族ポリ(オキシアルキレン)としては、例えばポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)、ポリ(オキシヘキサメチレン)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)のエチレンオキシド付加重合体などが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
該ポリカーボネートとしては、例えばヒドロキシ化合物の1種または2種以上と、ジアリルカーボネート、ジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換法によって得られたものが挙げられ、具体的なポリカーボネートとしては、例えばポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキシル)プロピレンカーボネート)等が挙げられる。また、ポリカーボネートを得る他の方法としては、いわゆるホスゲン法によっても得ることもできる。
また該ポリジエンとしては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン等が挙げられる。
該ポリオレフィンとしては、例えばポリジエンを水素添加したポリオレフィン;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類の単独重合体;ランダム共重合体;交互共重合体;ブロック共重合体等が挙げられる。
該ポリオルガノシロキサンとしては、例えばポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジフェニルシロキサン)、ポリ(メチルフェニルシロキサン)等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性に優れた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物が得られることから、芳香族アミドブロック共重合体が、一般式(1)で示される芳香族アミド単位とポリエステルからなることが好ましく、特に一般式(1)で示される芳香族アミド単位とポリ(ε−カプロラクトン)からなることが好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体は、一般式(1)で示される芳香族アミド単位と、ポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位が直接結合していても、他の化合物残基を含有していても良い。他の化合物残基としては、例えば二官能性ハライド化合物、二官能性イソシアネート化合物、二官能性カーボネート化合物、二官能性エステル化合物、二官能性アシルラクタム化合物、二官能性エポキシ化合物、二官能性テトラカルボン酸無水物等から誘導される化合物残基が挙げられ、これらの1種または2種以上を含有していても良い。
二官能性ハライド化合物から誘導される化合物残基としては、例えばシュウ酸ジクロライド、マロン酸ジクロライド、コハク酸ジクロライド、グルタル酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、ピメリン酸ジクロライド、スベリン酸ジクロライド、アゼライン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライド、ドデカン酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、フタル酸ジクロライド等の二官能性酸クロライドから誘導される化合物残基;シュウ酸ジブロマイド、マロン酸ジブロマイド、コハク酸ジブロマイド、グルタル酸ジブロマイド、アジピン酸ジブロマイド、ピメリン酸ジブロマイド、スベリン酸ジブロマイド、アゼライン酸ジブロマイド、セバシン酸ジブロマイド、ドデカン酸ジブロマイド、テレフタル酸ジブロマイド、イソフタル酸ジブロマイド、フタル酸ジブロマイド等の二官能性酸ブロマイドから誘導される化合物残基等が挙げられ、その中でも反応性に優れ、効率よく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体が得られることから、アジピン酸ジクロライドから誘導される化合物残基が好ましい。
二官能性イソシアネート化合物から誘導される化合物残基としては、例えばジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等から誘導される化合物残基が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。その中でも反応性に優れ、効率よく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体が得られることから、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等から誘導される化合物残基が好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートから誘導される化合物残基が好ましく用いられる。
二官能性カーボネート化合物から誘導される化合物残基としては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等から誘導される化合物残基が挙げられ、その中でも反応性に優れ、効率よく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体が得られることから、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等から誘導される化合物残基が好ましい。
二官能性エステル化合物から誘導される化合物残基としては、例えばテレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル、フタル酸ジフェニル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、4,4−ビフェニルジカルボン酸ジフェニル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、フタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、4,4−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、フタル酸ジエチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、4,4−ビフェニルジカルボン酸ジエチル等から誘導される化合物残基が挙げられ、その中でも反応性に優れ、効率よく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体が得られることから、テレフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジメチル等から誘導される化合物残基が好ましい。
二官能性アシルラクタム化合物から誘導される化合物残基としては、例えばテレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)、イソフタロイルビス(ε−カプロラクタム)、アジポイルビス(ε−カプロラクタム)、スクシニルビス(ε−カプロラクタム)等から誘導される化合物残基が挙げられ、その中でも反応性に優れ、効率よく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体が得られることから、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)から誘導される化合物残基が好ましい。
二官能性エポキシ化合物から誘導される化合物残基としては、例えばテレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル等の芳香族ジカルボン酸ジグリシジルエステルから誘導される化合物残基;p−フェニレンジグリシジルエーテル等の芳香族ジグリシジルエーテルから誘導される化合物残基;ジエチレングリコールジグリシジルエステル等の脂肪族ジカルボン酸ジグリシジルエステルから誘導される化合物残基;ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジカルボン酸ジグリシジルエーテルから誘導される化合物残基等が挙げられる。
二官能性芳香族テトラカルボン酸無水物から誘導される化合物残基としては、例えばピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等から誘導される化合物残基が挙げられる。
また、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体における芳香族アミド単位の含有量は特に制限はなく、導電性、環境温度安定性、柔軟性、耐熱性、耐寒性に優れた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物が得られることから、芳香族アミド単位の含有量は5〜95重量%であることが好ましく、特に5〜50重量%であることが好ましく、さらに15〜45重量%であることが好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)で測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量が10000〜1000000であることが好ましく、特に30000〜500000であることが好ましい。また、該芳香族アミドブロック共重合体は、硬さがタイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:1997年)が50〜99であることが好ましく、特に65〜98であることが好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体の製造方法としては、一般式(1)で示される芳香族アミド単位と、ポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位からなる芳香族アミドブロック共重合体を製造することが可能な限りにおいていかなる方法を用いてもよく、例えば一般式(1)で示される芳香族アミド単位を含み両末端にカルボン酸基あるいは水酸基を有するモノマーと、両末端に水酸基あるいはカルボン酸基を含有するポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位を含有する化合物を直接反応させる方法;一般式(1)で示される芳香族アミド単位を含み両末端に水酸基を有するモノマーと、両末端に水酸基を含有するポリエステル、脂肪族ポリ(オキシアルキレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、ポリジエンまたはこれらの共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の単位とを反応させる際に、二官能性ハライド化合物、二官能性イソシアネート化合物、二官能性カーボネート化合物、二官能性エステル化合物、二官能性アシルラクタム化合物、二官能性エポキシ化合物、二官能性テトラカルボン酸無水物等よりなる群から選ばれる1種以上の鎖延長剤単位の存在下に反応させる方法;一般式(1)で示される芳香族アミド単位を含み両末端に水酸基を有するモノマーと、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を反応しプレポリマーを得た後、上述した鎖延長剤を1種以上添加し反応させる方法等が挙げられる。その際の重合方法としては、例えば溶液重合法、溶融重合法、界面重合法、固相重合法等が挙げられ、これらを組み合わせて製造してもよい。その中でも容易に分子量を増大させた芳香族アミドブロック共重合体が得られることから、溶液重合法を行った後に溶融縮合を行うことが好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる導電剤としては、導電効果を発揮するものであれば特に制限は無く公知のものを使用でき、例えば導電性充填材、帯電防止剤、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。その中でも効率よく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に導電性を付与でき、体積抵抗率の温度依存性が小さく、均一に分散することから、アルカリ金属塩類及び/又はアルカリ土類金属塩類が好ましい。
導電性充填材としては、例えばチャンネルブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック;炭素繊維;黒鉛;金属コートフィラー;金、銅、銀、アルミニウム、ニッケル及び黄銅等の合金類の金属繊維;金、銅、銀、アルミニウム、ニッケル及び黄銅等の合金類の金属粒子;酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化すず、酸化鉄及び酸化すずと酸化インジウムの複合体等の金属酸化物;カーボンナノチューブ;カーボンナノホーン等が挙げられ、その中でもカーボンブラックが好ましく、特にファーネストブラックが好ましく用いられる。これらは1種もしくは2種以上が用いられる。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンジアミン等の非イオン性帯電防止剤;アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩型スチレン重合体、第4級アンモニウム塩型アミノアルキルアクリレート重合体、第4級アンモニウム塩型アミノアルキルメタクリレート重合体、第4級アンモニウム塩型ジアリルアミン重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルアミノエチルアクリレート、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性帯電防止剤;ポリスチレンスルホン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム、リン酸エステル塩、スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル塩、アルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、アルキルリン酸塩、脂肪酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等のアニオン性帯電防止剤等の帯電防止剤が挙げられ、その中でも容易に低い体積抵抗率を有する導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物が得られることからカチオン性帯電防止剤が好ましい。これらは1種もしくは2種以上が用いられる。
アルカリ金属塩類は、アルカリ金属のカチオンとイオン解離可能なアニオンとにより構成されている化合物であり、該アルカリ金属のカチオンとしては、例えばリチウムカチオン(Li+)、ナトリウムカチオン(Na+)、カリウムカチオン(K+)等が挙げられ、その中でもイオン半径の小さいLi+、Na+が好ましく、特にLi+が好ましい。
アルカリ土類金属塩類は、アルカリ土類金属のカチオンとイオン解離可能なアニオンとにより構成されている化合物であり、該アルカリ土類金属のカチオンとしては、例えばマグネシウムカチオン(Mg+)、カルシウムカチオン(Ca+)等が挙げられる。
また、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類に用いるイオン解離可能なアニオンとしては、例えばCl−、Br−、F−、I−、NO3 −、SCN−、ClO4 −、CF3SO3 −、BF4 −、(CF3SO2)2N−、(CF3SO2)3C−等が挙げられ、その中でもClO4 −、CF3SO3 −、(CF3SO2)2N−、(CF3SO2)3C−が好ましく、特にCF3SO3 −、(CF3SO2)2N−、(CF3SO2)3C−が好ましい。
具体的なアルカリ金属塩類としては、例えば過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウムNa・C(CF3SO2)3等が挙げられ、その中でも、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム好ましく、特に過塩素酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムが好ましい。これらアルカリ金属塩類は1種または2種以上が目的に応じて適宜選択される。
具体的なアルカリ土類金属塩類としては、例えば過塩素酸マグネシウムMg(ClO4)2、過塩素酸カルシウムCa(ClO4)2、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウムMg(CF3SO3)2、トリフルオロメタンスルホン酸カルシウムCa(CF3SO3)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムMg・(N(CF3SO2)2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカルシウムCa・(N(CF3SO2)2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドマグネシウムMg・(C(CF3SO2)3)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドカルシウムCa・(C(CF3SO2)3)2等が挙げられる。これらアルカリ土類金属塩類は1種または2種以上が目的に応じて適宜選択される。
そして、これら導電剤のなかでも、Li+、Na+、K+、Mg2+およびCa2+よりなる群から選ばる少なくとも1種のカチオン、ならびにCl−,Br−,F−,I−,NO3 −,SCN−,ClO4 −,CF3SO3 −,BF4 −,(CF3SO2)2N−および(CF3SO2)3C−よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンとによって構成されている導電剤が好ましく、より具体的には、導電剤が過塩素酸リチウム及び/又はビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムであることが好ましい。
導電剤の配合量は、導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤0.001〜20重量部であり、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。0.001重量部未満であると導電性が不十分である。一方、20重量部を越えると熱安定性が低下する。
これら導電剤を導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に配合する際に、ブリードアウト防止、電気伝導性の促進、加工安定性、表面外観の改良の点から、導電剤をポリエステル化合物に溶解して用いることが好ましく、例えばアルカリ金属塩類及び/又はアルカリ土類金属塩類をポリエステル化合物に溶解して用いることが可能である。
該ポリエステル化合物としては、ポリエステル化合物であれば如何なるものでもよく、一般的なエステル化合物の製造方法によって製造されたポリエステル化合物を用いることができ、例えば多塩基酸成分及び/又は一価カルボン酸成分と、多価アルコール成分及び/又は一価アルコール成分を用いて縮合させて製造されるポリエステル化合物を用いることができ、その中でも、粘度が低く取り扱いが容易なアジピン酸系エステル化合物が好ましく、特にアジピン酸ポリエステル、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)ジエステルが好ましい。
ポリエステル化合物の添加量は、導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.4〜10重量部の範囲である。
また本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物には、耐熱性、特に耐熱変色性を向上させるため安定剤を添加してもよく、該安定剤としては、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;ヒンダードフェノール系化合物;ヒドロキシジオキサホスフェピン系化合物;ヒドロキシアクリレート系化合物;チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオン酸エステル等の硫黄含有化合物;スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物;ラクトン系化合物;ヒドロキシルアミン系化合物;ビタミンE系化合物;アリルアミン系化合物;アミン−ケトン系化合物;芳香族第二級アミン系化合物;モノフェノール系化合物;ビスフェノール系化合物;ポリフェノール系化合物;ベンツイミダゾール系化合物;ジチオカルバミン酸系化合物;チオウレア系化合物;有機チオ酸系化合物等が挙げられ、該安定剤の添加量は特に制限なく導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、0.0001〜10重量部が好ましく用いられる。
さらに本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物には、成形加工性を向上させる目的で、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸類;ステアリン酸エステル;シリコンオイル;ワックス類;エチレンビスステアリルアミド等の滑剤を添加することもできる。これらの添加量は特に制限はなく、導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく用いられる。
また本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物には、例えば染料;有機顔料あるいは無機顔料;無機補強剤;可塑剤;ヒンダードアミン系化合物、ベンゾエート系化合物等の光安定剤;ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェニルサィシレート系化合物、フェニルアクリレート系化合物等の紫外線吸収剤;発泡剤;結晶核剤;可塑剤;離型剤;カルボジイミド等の加水分解防止剤等の公知の添加剤を加えることができる。
さらに本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物には、難燃性を付与するために難燃剤を添加してもよい。難燃剤は難燃効果を発揮するものであれば特に制限は無く公知のものを使用でき、例えば塩素系難燃剤、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、窒素系難燃剤、無機系難燃剤、シリコーン系難燃剤、フッ素系難燃剤よりなる群から選ばれる1種以上の難燃剤を使用することができる。難燃剤の配合量は、導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、0.1〜500重量部が好ましく、特に3〜350重量部、さらに5〜250重量部が好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物は芳香族アミドブロック共重合体と導電剤を混合することにより得られ、これらは一度に混合しても良いし、良好な分散状態を達成するために二段もしくはそれ以上の多段で混合しても構わない。混合方法としては、例えば溶液混合、溶融混合等の方法が挙げられ、その中でも効率よく混合できることから溶融混合が好ましく用いられる。
溶融混合には、例えばバンバリーミキサー(ファレル社製)、加圧ニーダー((株)森山製作所製)、インターナルミキサー(栗本鉄工所製)、インテンシブミキサー(日本ロール製造(株)製)等の機械加圧式混練機;ロール成形機、単軸押出し機、二軸押出し機等の押出し成形機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練成形機が使用できる。溶融混合する際の温度は120〜350℃が好ましく、特に好ましくは150〜300℃である。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる成形体とは、成形体であれば如何なるものでもよく、例えば射出成形体、押出し成形体、ブロー成形体、発泡体、加熱成形体、真空成形体、圧縮成形体、インフレーション成形体、ケーブル用被覆体、シート・フィルム、中空成形体、ロール、糸等が挙げられ、その中でも好ましくはケーブル用被覆体、シート・フィルム、中空成形体、ロール、糸等である。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるケーブル用被覆体とは、コア材と被覆体からなるケーブルにおいて、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を、コア材を被覆する被覆体とし用いたものである。該コア材としては一般的にケーブルのコア材として用いられるものであれば、長さ、太さに特に制限はなく、例えば電線、光ファイバ等を挙げることができ、より具体的には、例えば銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、白金線等の電線;石英ガラスファイバ、多成分ガラスファイバ、プラスチッククラッドシリカファイバ、プラスチックファイバ等の光ファイバ等を挙げることができる。
また、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物による被覆が行われていれば、その被覆の構成に特に制限はなく、コア材と被覆体である導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物との間に、例えばフッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン等の単量体よりなる単独重合体又は共重合体;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;ポリスチレン系熱可塑性エラストマー;ポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリアミド系熱可塑性エラストマー;ポリオルガノシロキサン;ポリオレフィン;ポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル系重合体等の中間層により被覆されていても構わない。
該ケーブル用被覆体の製造方法としては、ケーブル用被覆体を製造することが可能である限りにおいて如何なる制限を受けることはなく、公知の方法により製造することができ、例えば押出し成形、射出成形、圧縮成形等の溶融成形法により製造することができる。
溶融成形法によりケーブル用被覆体を製造する際の成形温度としては、ケーブル用被覆体の製造が可能である限り如何なる温度でもよく、その中でも生産効率よく、外観にも優れるケーブル用被覆体が製造可能であることから150℃以上350℃以下であることが好ましく、特に200℃以上300℃以下であることが好ましい。
また、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるケーブル用被覆体は、耐熱性を向上させるために導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を、必要に応じて架橋しても良い。架橋する方法としては、例えば電子線、加速電子線、γ線、X線、α線、紫外線等を照射する方法が挙げられ、その中でも加速電子線を照射する方法が好ましい。また、例えば予め導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に有機過酸化物等を配合し、成形後に加熱処理する化学架橋する方法も挙げられる。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるケーブル用被覆体は、必要に応じて弾性回復性や熱収縮特性を向上させるため熱処理することができる。熱処理はケーブル用被覆体が融着しない温度範囲であれば特に制限はなく、温度は50℃以上180℃以下が好ましく、特に好ましくは70℃以上130℃以下である。熱処理時間は0.005時間以上10時間以下が好ましく、特に好ましくは1時間以上3時間以下である。
そして、該ケーブル用被覆体とコア材を接合することによりケーブルとなり、その際の接合方法としては、ケーブル用被覆体とコア材を接合することが可能である限りにおいて如何なる制限を受けることはなく、例えばケーブル用被覆体を製造すると同時にコア材と接合しケーブルとする方法;ケーブル用被覆体を製造した後にコア材と接合しケーブルとする方法等が挙げられ、その中でもケーブルの生産性に優れることから、ケーブル用被覆体を製造すると同時にコア材と接合しケーブルとする方法が好ましく、その中でも特にケーブル被覆体とコア材を接合する際にクロスヘッドダイを用いた溶融押出し成形法が好ましい。
クロスヘッドを用いた溶融押出し成形法によりケーブルとする際には、ケーブル用被覆体を製造する際と同様の条件下で行うことが可能であり、例えば成形温度は150℃以上350℃以下であることが好ましく、特に200℃以上300℃以下であることが好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるシート・フィルムは、長さ、幅、厚さに特に制限はなく、平面状成形物であり、テープ類、リボン類も含む。シート・フィルムは高分子学会編集の高分子辞典(朝倉書店、1971年)によると200μm未満をフィルム、200μm以上をシートとしてシートとフィルムに区別されるが、本発明では両者をあわせてシート・フィルムとみなす。シート・フィルムの厚みは0.5μm〜10mmが好ましく、特に好ましくは10μm〜5mmである。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるシート・フィルムの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造することができ、例えば溶融成形法、溶液流延法等を用いることができる。
溶融成形法としては、例えばTダイを用いた方法、インフレーション法等の溶融押出し法;カレンダー法;熱プレス法;射出成形法等が挙げられ、その中でも得られるシート・フィルムの厚さムラが小さくできるTダイを用いた溶融押出し法が好ましい。溶融成形法の条件は、成形方法に応じて適宜選択され、例えばTダイを用いる溶融押出し法では樹脂温度が結晶融点以上分解温度以下の範囲で成形することが好ましく、結晶融点よりも10〜50℃高い温度範囲で成形することが特に好ましい。
また溶液流延法としては、例えば各成分を溶媒に溶解または分散させた液状物を適当なキャリアー(支持体)上に流延し、次いで溶剤を乾燥除去することで行うことができる。キャリアーとしては特に制限は無く、一般的な溶液流延法で用いるものが使用可能であり、例えばガラス板、金属ドラム、スチールベルト、フッ素樹脂ベルト、金属箔等の平板;ベルト;ロール等を挙げることができる。また、該溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロロエタン、四塩化炭素、二塩化エチレン、ヘキサフルオロイソプロパノール等のハロゲン化溶剤;ジメチルスルホキシド;ビニルピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。これらの溶剤はそれぞれ単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶液流延法で成形する際の溶液の濃度は0.1〜60重量%が好ましく、特に好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは10〜50重量%の範囲である。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるシート・フィルムは、単独またはいくつかの他の重合体からなるシート・フィルム、面上の支持体、多孔質のフィルムや不織布、紙状物、織編物等を積層しても良く、積層方法としては特に制限は無く、例えば押出しラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、無溶剤ラミネート法、ドライラミネート法、共押出しラミネート法等が挙げられる。また、シート・フィルムは、未延伸あるいは所望により一軸または二軸方向に延伸したシート・フィルムとして用いることができる。またかかる延伸加工後コロナ放電処理等の表面処理を行うこともできる。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるシート・フィルムは必要に応じて弾性回復性や熱収縮特性を向上させるため熱処理することができる。熱処理はシート・フィルムが融着しない温度範囲であれば特に制限はなく、100℃以上180℃以下が好ましく、特に好ましくは100℃以上130℃以下である。熱処理時間は0.005時間以上10時間以下が好ましく、特に好ましくは1時間以上3時間以下である。
また、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるシート・フィルムは、例えばフリードローイング;リッジフォーミング;プラグアンドリング成形;スリップ成形;圧空成形;マッチドモールド成形;直接法、ドレイプ成形法、エア・スリップ法、スナップバック法、プラグ・アシスト法、エア・クッション法等の真空成形;ヒートシール等の二次加工を行うことができる。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる中空成形体は、中空状に成形したものであり、形状、長さ、外径、内径に特に制限はない。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる中空成形体の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造することができ、例えば単軸押出し機、二軸押出し機又は特殊ミキシング型押出し機等の押出し機を用いた溶融押出し法;熱プレス法;射出成形法;ブロー成形法等により製造する方法が挙げられる。ここで成形条件は成形方法に応じて適宜選択され、樹脂温度が結晶融点以上分解温度以下の範囲で成形することが好ましく、特に結晶融点よりも10〜50℃高い温度範囲で成形することが好ましい。例えば溶融押出し法の場合には、150℃以上350℃以下が好ましく、特に好ましくは200℃以上300℃以下である。
また、中空成形体に寸法精度が要求される場合にはマンドレルを使用しても良い。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる中空成形体は、強度を向上させるために、例えばポリエステル繊維、芳香族アミド繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維等により補強を行うことができる。また硬鋼線による補強を行うこともできる。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるロールは、公知のものであればいかなる制限も無く、形状、長さ、外径、内径に特に制限はない。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなるロールの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造することができ、例えば単軸押出し機、二軸押出し機又は特殊ミキシング型押出し機等の押出し機を用いた溶融押出し法;熱プレス法;射出成形法;ブロー成形法等により製造する方法が挙げられる。ここで成形条件は成形方法に応じて適宜選択され、樹脂温度が結晶融点以上分解温度以下の範囲で成形することが好ましく、特に結晶融点よりも10〜50℃高い温度範囲で成形することが好ましい。例えば溶融押出し法の場合には、150℃以上350℃以下が好ましく、特に好ましくは200℃以上300℃以下である。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる糸は、紡糸したものであれば如何なるものでもよく、太さ、形状に特に制限はない。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる糸の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を溶融させ紡糸ノズルから押出して巻き取る溶融紡糸法;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ビニルピロリドン等の溶剤に導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を溶解させた原液を紡糸ノズルから押出して巻き取る湿式紡糸法、乾式紡糸法等が挙げられる。
溶融紡糸法により製造する際の温度は、150℃以上350℃以下が好ましく、特に好ましくは200℃以上300℃以下である。
湿式紡糸法、乾式紡糸法により製造する際の溶液の濃度は、25重量%以上80重量%以下の範囲が好ましく、特に30重量%以上60重量%以下の範囲が好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる糸は、必要に応じて弾性回復性や熱収縮特性を向上させるため熱処理することができる。熱処理は糸が融着しない温度範囲であれば特に制限はなく、100℃以上180℃以下が好ましく、特に好ましくは100℃以上130℃以下である。熱処理時間は0.005時間以上10時間以下が好ましく、特に好ましくは1時間以上3時間以下である。
また、本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる糸は、ストレッチ感の温度依存性が小さく、0℃の弾性率(E0)と100℃の弾性率(E100)の比(E0/E100)が1以上5以下であることが好ましく、特に1以上2以下であることが好ましい。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる糸はそのまま裸糸として使用されたり、他繊維で被覆して被覆糸として使用される。他繊維としては、例えばポリアミド繊維、ウール、ポリエステル繊維、綿、アクリル繊維等公知の繊維を挙げることができる。
本発明の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる成形体は、例えば絶縁電線、電子機器配線用電線、自動車用電線、機器用電線、フレキシブル電線、テープ電線、電源コード、屋内配線用絶縁電線、電力用電線、制御用電線、通信用電線、計装用電線、信号用電線、移動用電線、船用電線、車両用電線、航空機用電線、ヒーティング電線、消防用耐火・耐熱電線、原子力発電所用電線等のケーブル用被覆体;磁気テープ、強磁性薄膜テープ等のテープ;写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電機絶縁フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイ用フィルム等のフィルム;液晶表示装置用部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルム;偏光板、光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラスに用いられる反射防止用フィルム;ディスプレイ防爆用フィルムのベースフィルム;液晶表示用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池用基板等の光学シート;光学レンズ、スクリーン等に用いるレンズシート;救急絆創こう、サージカルテープ、リハビリテープ等の医療補助用テープの基材;消炎、鎮痛、血行促進等の疾患治療用テープの基材;手術用手袋;紙おむつ、ナプキン等の衛生用品固定用テープの基材;静電防止シート、ルーフィング用シート等のシート;半導電フィルム、帯電防止フィルム、医薬フィルム等のフィルム;空圧チューブ、油圧チューブ、熱収縮チューブ等のチューブ類;空圧ホース、油圧ホース、熱収縮ホース、酸素ホース、蒸気用ホース、送吸油ホース、ガス用ホース、編み上げホース、布巻きホース、高圧ホース、サクションホース、ダクトホース、スプレーホース、送排水用ホース、耐圧補強ホース、静電気防止ホース等のホース類;ラック&ピニオンブーツ、等速ジョイントブーツ、ステアリングブーツ、ダストブーツ、サスペンションブーツ等のブーツ類;エアーダクト;印刷用ロール、製紙用ロール、紡績用ロール、製鉄用ロール、染色化繊用ロール等の工業用ロール;事務機器用ロール;帯電ロール、転写ロール、給紙ロール、定着ロール、搬送ロール等のOA機器用ロール;自動化機器用ロール等の各種機器用ロール;もみすり機等の農業機械用ロール;水着、スキーウェアー、サイクリングウェアー、レオタード、ランジェリー、ファンデーション、肌着等の衣料;パンティストッキング、靴下、サポーター、帽子、手袋、パワーネット、包帯等の雑品;紙おむつ、ナプキン等の衛生用品固定用テープ;テニスラケットのガット;カーシート地糸;ロボットアーム用金属被覆糸;不織布;舞台照明用カラーフィルター、光選択吸収フィルター等の光学フィルター;スポーツ衣料用途;コンベヤベルト、樹脂コンベヤベルト、急傾斜コンベヤ、円筒コンベヤベルト等の搬送用コンベヤベルト類;Vベルト、歯付きベルト等の動力伝達ベルト類;自動車用、鉄道用、産業機械用、建築土木用等の防振ゴム;防舷材、金属をはじめとする各種素材のライニング;化粧板;携帯電話、電化製品、リモコン等のパッキン;シーリング材、防水材、オイルシール、メカニカルシール、成形パッキン、グランドパッキン等の運動用シール;Oリング、ガスケット等の固定用シール;シリンジ用ガスケット;マスク;サック;手袋;コンドーム;水枕;哺乳器用乳首;キャップ容器;レインウェア;エアバック;ダイヤフラム;ラバーダム;ガスのう膜;オイルフェンス;フレキシブルコンテナ;ゴルフボール、サッカーボール等のボール類;スポーツ床;フェンス用緩衝ゴム;チェーン;舗装用ブロック;自動車用ブーツ;ウェザーストリップ;建築用ガスケット;免震ゴム;手すり;滑り止め;エアータイト;スペーサー;合わせガラス;止水板;伸縮可とう継ぎ手;糸ゴム;ゴムひも;ハンドレール;グロメット;インシュレーター;ストッパー;ワイパーブレード;ジョイント;制振ゴム;ゴムスイッチ;玩具;靴;足ゴム;ゴルフクラブ、テニスラケット、スキーポール等のグリップ部分;シーラント;電気部品;電子部品;タイヤ;精密機器、精密加工機類の振動吸収材;スポーツ用品;日用雑貨;座席シート等に使用できる。
本発明は、導電性、環境温度安定性、耐熱性、耐寒性、柔軟性に優れる新規な導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物及びそれよりなる成形体を提供することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
評価・分析に用いた機器及び方法を以下に示す。
〜導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体の数平均分子量の測定〜
カラム(東ソー(株)製、商品名TSK−GEL GMHHR−H)を装着したGPC装置(東ソー(株)製、商品名HLC−8020)により、カラム温度40℃、流量0.4mL/分の条件下で、溶離液に20mmol/Lの塩化リチウム−N−メチル−2−ピロリドン溶液を用いて測定し、標準ポリスチレン換算で算出した。
カラム(東ソー(株)製、商品名TSK−GEL GMHHR−H)を装着したGPC装置(東ソー(株)製、商品名HLC−8020)により、カラム温度40℃、流量0.4mL/分の条件下で、溶離液に20mmol/Lの塩化リチウム−N−メチル−2−ピロリドン溶液を用いて測定し、標準ポリスチレン換算で算出した。
〜芳香族アミドブロック共重合体に用いる芳香族アミド単位含量の測定〜
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX270型)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温の条件で1H−NMRを測定し、芳香族基とラクトン単位のメチレン基のピーク強度比より算出した。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX270型)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温の条件で1H−NMRを測定し、芳香族基とラクトン単位のメチレン基のピーク強度比より算出した。
〜導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体の融点測定〜
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、商品名DSC200)を用い、昇温速度10℃/分、−100〜300℃の範囲で測定した。
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、商品名DSC200)を用い、昇温速度10℃/分、−100〜300℃の範囲で測定した。
〜導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物に用いる芳香族アミドブロック共重合体のタイプAデュロメータ硬さ〜
芳香族アミドブロック共重合体を圧縮成形した厚さ2mmのシートを用いて、タイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:1997年)を測定した。
芳香族アミドブロック共重合体を圧縮成形した厚さ2mmのシートを用いて、タイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:1997年)を測定した。
〜体積抵抗率、環境温度安定性〜
導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物の体積抵抗率は、厚さ2mmのシートを用いて、JIS K6271(2001年)に準拠して二重リング電極法により測定した。なお、測定は印加電圧:100V、温度:23℃、相対湿度:50%で行った。
導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物の体積抵抗率は、厚さ2mmのシートを用いて、JIS K6271(2001年)に準拠して二重リング電極法により測定した。なお、測定は印加電圧:100V、温度:23℃、相対湿度:50%で行った。
また、測定温度を40℃として上記同様の方法により体積抵抗率を測定し、23℃の体積抵抗率/40℃の体積抵抗率の比を、環境温度安定性の指標とした。なお、環境温度安定性は、前記体積抵抗率の比が小さいほど、温度依存性性が小さく環境温度安定性に優れるものとする。
〜耐熱性〜
導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる成形体を、所定の温度に設定したギアオーブン中に1時間放置し外観を目視観察した。
導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる成形体を、所定の温度に設定したギアオーブン中に1時間放置し外観を目視観察した。
合成例1(ジヒドロキシ芳香族アミド化合物の合成)
窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でp−アミノフェノール763g(7.0モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)2.1L、トルエン1.4Lを加え50℃に昇温し均一溶液を得た。別途、窒素導入管を備えた3L滴下ロートに、テレフタル酸ジクロライド710g(3.5モル)、NMP0.3L、トルエン1.4Lを加えて均一溶液とした。この溶液を先の溶液中に80℃を保ちながら30分かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。
窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でp−アミノフェノール763g(7.0モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)2.1L、トルエン1.4Lを加え50℃に昇温し均一溶液を得た。別途、窒素導入管を備えた3L滴下ロートに、テレフタル酸ジクロライド710g(3.5モル)、NMP0.3L、トルエン1.4Lを加えて均一溶液とした。この溶液を先の溶液中に80℃を保ちながら30分かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。
室温まで冷却後、固形分を吸引濾過により回収し、メタノール7Lで2回攪拌洗浄し、N,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを得た。
続いて、窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド1045g(3.0モル)、炭酸エチレン555g(6.3モル)、触媒として炭酸ナトリウム0.95g(9.0ミリモル)、NMP6.0Lを加え、180℃で3時間反応させた。室温まで冷却後、固形分を吸引ろ過により回収し、NMP5L、次いでメタノール7.5Lで2回攪拌洗浄し、N,N’−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド1110g(収率85%)を得た。その構造式を下記に示す。この化合物を(a)と記す。
窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で4−アミノ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド1600g(8.9モル)、NMP4.0Lを加え均一溶液を得た。別途に、窒素導入管を備えた3L滴下ロートに、イソフタル酸ジクロライド901g(4.4モル)、NMP2.0Lを加えて均一溶液とした。この溶液を先の溶液中に1時間かけて滴下し、さらに50℃で2時間反応させた。室温まで冷却後、得られたスラリーをアセトン25Lに投入し、吸引ろ過により白色固体を回収した。得られた固体をNMPより再結晶し、N,N’−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)フェニル)−1,3−ベンゼンジカルボキサミド1873g(収率86%)を得た。その構造式を下記に示す。この化合物を(b)と示す。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)896g(2.1モル)、ε−カプロラクトン2342g(20.5モル)、NMP5380gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.4g(4.1ミリモル)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)731g(2.1モル)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を250℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去し、更に250℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3100gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量78000、融点225℃、タイプAデュロメータ硬さ95、芳香族アミド単位含量29重量%であった。
合成例4(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)1309g(3.0モル)、ε−カプロラクトン1710g(15.0モル)、NMP5380gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.4g(4.1ミリモル)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)1068g(3.0モル)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を260℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去し、更に260℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3000gを得た。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)1309g(3.0モル)、ε−カプロラクトン1710g(15.0モル)、NMP5380gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.4g(4.1ミリモル)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)1068g(3.0モル)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を260℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去し、更に260℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3000gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量72000、融点230℃、タイプAデュロメータ硬さ98、芳香族アミド単位含量44重量%であった。
合成例5(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)934g(2.1モル)、ε−カプロラクトン2442g(21.4モル)、NMP5611gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.5g(4.4ミリモル)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。その後、リン酸1.7g(17.1ミリモル)を添加して180℃で30分攪拌した。引き続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート360g(2.1モル)を30分かけて滴下し、180℃で4時間反応させた。その後、内温を250℃まで昇温しながら、NMPを減圧下で2時間かけて留去し、更に250℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3300gを得た。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)934g(2.1モル)、ε−カプロラクトン2442g(21.4モル)、NMP5611gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.5g(4.4ミリモル)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。その後、リン酸1.7g(17.1ミリモル)を添加して180℃で30分攪拌した。引き続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート360g(2.1モル)を30分かけて滴下し、180℃で4時間反応させた。その後、内温を250℃まで昇温しながら、NMPを減圧下で2時間かけて留去し、更に250℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3300gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量84000、融点226℃、タイプAデュロメータ硬さ95、芳香族アミド単位含量29重量%であった。
合成例6(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(b)979g(2.0モル)、ε−カプロラクトン3991g(35.0モル)、NMP3668gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート2.4g(7.0ミリモル)を加え、180℃で8時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)711g(2.0モル)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を230℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去し、更に230℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット4700gを得た。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(b)979g(2.0モル)、ε−カプロラクトン3991g(35.0モル)、NMP3668gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート2.4g(7.0ミリモル)を加え、180℃で8時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)711g(2.0モル)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を230℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去し、更に230℃で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット4700gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量75000、融点188℃、タイプAデュロメータ硬さ80、芳香族アミド単位含量23重量%であった。
合成例7(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌翼を備えた3Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で化合物(a)87.3g(0.2モル)、ε−カプロラクトン456.6g(4.0モル)、NMP500mLを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート0.14g(0.4ミリモル)を加え、180℃で1時間開環重合を行った。室温まで冷却し、ピリジン32g(0.4モル)とアジピン酸ジクロライド36.6g(0.2モル)をNMP60mLに溶解した溶液を加え、さらに室温で15時間反応させた。反応終了後の溶液に、NMP1Lを加えて希釈溶解し、メタノール15Lに投入した。得られた固形分をメタノール5Lで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥し芳香族アミドブロック共重合体を得た。
窒素導入管、温度計、攪拌翼を備えた3Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で化合物(a)87.3g(0.2モル)、ε−カプロラクトン456.6g(4.0モル)、NMP500mLを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート0.14g(0.4ミリモル)を加え、180℃で1時間開環重合を行った。室温まで冷却し、ピリジン32g(0.4モル)とアジピン酸ジクロライド36.6g(0.2モル)をNMP60mLに溶解した溶液を加え、さらに室温で15時間反応させた。反応終了後の溶液に、NMP1Lを加えて希釈溶解し、メタノール15Lに投入した。得られた固形分をメタノール5Lで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥し芳香族アミドブロック共重合体を得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量96000、融点160℃、タイプAデュロメータ硬さ85、芳香族アミド単位含量28重量%であった。
合成例8(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌翼を備えた300mLの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、アジピン酸ジクロライド7.32g(40ミリモル)、NMP20mLを加え均一溶液を得た。別途に、窒素導入管を備えた200mL滴下ロートに、ポリ(オキシテトラメチレン)ポリオール[保土谷化学工業製、商品名PTG−1000SN;数平均分子量=1038]20.76g(20ミリモル)、ピリジン3.2mL(40ミリモル)、NMP80mLを加え、撹拌し均一溶液とし、この溶液を先の溶液中に15分かけて滴下した。さらに室温で3時間反応させた後、ピリジン3.2mL(40ミリモル)、化合物(a)8.73g(20ミリモル)、NMP30mLを加え、さらに120℃で2時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた均一溶液をメタノール1.5Lに投入し、吸引ろ過により芳香族アミドブロック共重合体を得た。
窒素導入管、温度計、攪拌翼を備えた300mLの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、アジピン酸ジクロライド7.32g(40ミリモル)、NMP20mLを加え均一溶液を得た。別途に、窒素導入管を備えた200mL滴下ロートに、ポリ(オキシテトラメチレン)ポリオール[保土谷化学工業製、商品名PTG−1000SN;数平均分子量=1038]20.76g(20ミリモル)、ピリジン3.2mL(40ミリモル)、NMP80mLを加え、撹拌し均一溶液とし、この溶液を先の溶液中に15分かけて滴下した。さらに室温で3時間反応させた後、ピリジン3.2mL(40ミリモル)、化合物(a)8.73g(20ミリモル)、NMP30mLを加え、さらに120℃で2時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた均一溶液をメタノール1.5Lに投入し、吸引ろ過により芳香族アミドブロック共重合体を得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量14800、融点270℃、タイプAデュロメータ硬さ94であった。
合成例9(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
ポリ(オキシテトラメチレン)ポリオールを、ポリ(ジメチルシロキサン)ポリオール[信越化学製、商品名X−22−160AS;数平均分子量=959]19.18g(20ミリモル)に変更した以外は合成例8と同様の操作を行い、芳香族アミドブロック共重合体を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)ポリオールを、ポリ(ジメチルシロキサン)ポリオール[信越化学製、商品名X−22−160AS;数平均分子量=959]19.18g(20ミリモル)に変更した以外は合成例8と同様の操作を行い、芳香族アミドブロック共重合体を得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量23700、融点258℃、タイプAデュロメータ硬さ96であった。
合成例10(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
ポリ(オキシテトラメチレン)ポリオールを、ダイマー酸ポリエステルポリオール[ユニケマ製、商品名PRIPLAST3192;数平均分子量=1931]38.62g(20ミリモル)に変更した以外は合成例8と同様の操作を行い、芳香族アミドブロック共重合体を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)ポリオールを、ダイマー酸ポリエステルポリオール[ユニケマ製、商品名PRIPLAST3192;数平均分子量=1931]38.62g(20ミリモル)に変更した以外は合成例8と同様の操作を行い、芳香族アミドブロック共重合体を得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量14000、融点224℃、タイプAデュロメータ硬さ86であった。
合成例11(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管、温度センサー、攪拌翼、留出管を備えた500mLの4つ口フラスコに、化合物(b)18.6g(38ミリモル)、両末端カルボン酸水素添加ブタジエン[日本曹達(株)製、商品名NISSO−PB CI−1000;数平均分子量=1400]81.4g(38ミリモル)、及びヒンダードフェノール系化合物として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名イルガノックス1330)0.10gを仕込んだ。100℃で1時間、減圧乾燥を行った後、NMP103.2gとテトラブチルチタネート0.16gを添加した。窒素気流下、210℃まで0.5時間かけて昇温し、5.5時間反応させた。その後、NMPを減圧留去しながら250℃まで昇温し、1mmHgの減圧下で1時間溶融重縮合を行い、芳香族アミドブロック共重合体93.6gを得た。
窒素導入管、温度センサー、攪拌翼、留出管を備えた500mLの4つ口フラスコに、化合物(b)18.6g(38ミリモル)、両末端カルボン酸水素添加ブタジエン[日本曹達(株)製、商品名NISSO−PB CI−1000;数平均分子量=1400]81.4g(38ミリモル)、及びヒンダードフェノール系化合物として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名イルガノックス1330)0.10gを仕込んだ。100℃で1時間、減圧乾燥を行った後、NMP103.2gとテトラブチルチタネート0.16gを添加した。窒素気流下、210℃まで0.5時間かけて昇温し、5.5時間反応させた。その後、NMPを減圧留去しながら250℃まで昇温し、1mmHgの減圧下で1時間溶融重縮合を行い、芳香族アミドブロック共重合体93.6gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量20000、融点は215℃、タイプAデュロメータ硬さ50であった。
実施例1
合成例3で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]を0.5重量部(導電剤量 0.1重量部)添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例3で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]を0.5重量部(導電剤量 0.1重量部)添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例2
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]0.5重量部の代わりに1.0重量部(導電剤量 0.2重量部)とした以外は実施例1と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]0.5重量部の代わりに1.0重量部(導電剤量 0.2重量部)とした以外は実施例1と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例3
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]0.5重量部の代わりに5重量部(導電剤量 1重量部)とした以外は実施例1と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]0.5重量部の代わりに5重量部(導電剤量 1重量部)とした以外は実施例1と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例4
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]0.5重量部の代わりに10重量部(導電剤量 2重量部)とした以外は実施例1と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]0.5重量部の代わりに10重量部(導電剤量 2重量部)とした以外は実施例1と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例5
合成例7で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤である過塩素酸リチウムをアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)ジエステルに溶解した混合物(過塩素酸リチウム/アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)ジエステル=18/82(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノール0862−18]を5重量部(導電剤量 0.9重量部)添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例7で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤である過塩素酸リチウムをアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)ジエステルに溶解した混合物(過塩素酸リチウム/アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)ジエステル=18/82(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノール0862−18]を5重量部(導電剤量 0.9重量部)添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例6
合成例4で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤として過塩素酸リチウムを1重量部添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例4で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤として過塩素酸リチウムを1重量部添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例7
合成例6で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤としてファーネスブラック(三菱化成(株)製、商品名ダイアブラックH)を20重量部添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例6で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤としてファーネスブラック(三菱化成(株)製、商品名ダイアブラックH)を20重量部添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例8
合成例5で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤としてカチオン系帯電防止剤(新日本理化(株)製、商品名プラスタットC−100)2重量部添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例5で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤としてカチオン系帯電防止剤(新日本理化(株)製、商品名プラスタットC−100)2重量部添加し、250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例9
合成例8で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]5重量部(導電剤量 1重量部)添加し、250℃に設定した30ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例8で得られた芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対し、導電剤であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムをアジピン酸系ポリエステルに溶解した混合物(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム/アジピン酸系ポリエステル=20/80(重量比))[三光化学工業(株)製、商品名サンコノールVC−2220R]5重量部(導電剤量 1重量部)添加し、250℃に設定した30ccミキサーを用いて溶融混合した後に、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例10
合成例9で得られた芳香族アミドブロック共重合体を使用した以外は実施例8と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例9で得られた芳香族アミドブロック共重合体を使用した以外は実施例8と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例11
合成例10で得られた芳香族アミドブロック共重合体を使用した以外は実施例8と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例10で得られた芳香族アミドブロック共重合体を使用した以外は実施例8と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例12
合成例11で得られた芳香族アミドブロック共重合体を使用した以外は実施例8と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
合成例11で得られた芳香族アミドブロック共重合体を使用した以外は実施例8と同様に厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
比較例1
導電剤を用いず、合成例3で得られた芳香族アミドブロック共重合体のみを250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。導電剤を用いなかったことより、体積抵抗率が大きく導電性に劣るものであった。測定結果を表1に示す。
導電剤を用いず、合成例3で得られた芳香族アミドブロック共重合体のみを250℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後、250℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。導電剤を用いなかったことより、体積抵抗率が大きく導電性に劣るものであった。測定結果を表1に示す。
比較例2
熱可塑性ポリウレタン(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名ミラクトランE598)100重量部に対し、導電剤としてカチオン系帯電防止剤(新日本理化(株)製、商品名プラスタットC−100)2重量部添加し、200℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、200℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。23℃の体積抵抗率/40℃の体積抵抗率の比が大きく、環境温度安定性に劣るものであった。測定結果を表1に示す。
熱可塑性ポリウレタン(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名ミラクトランE598)100重量部に対し、導電剤としてカチオン系帯電防止剤(新日本理化(株)製、商品名プラスタットC−100)2重量部添加し、200℃に設定した100ccミキサーを用いて溶融混合した後に、200℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ2mmのシートに圧縮成形し、体積抵抗率を測定した。23℃の体積抵抗率/40℃の体積抵抗率の比が大きく、環境温度安定性に劣るものであった。測定結果を表1に示す。
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を250℃に設定した20mm単軸押出成形機を用いてケーブル被覆体の製造を行う際に、同時にコア材である素線径0.26mmの銅線の7本撚り導線上に被覆厚0.5mmで押出し被覆することにより、導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成よりなる被覆体で被覆されたケーブルを得た。
得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成よりなる被覆体で被覆されたケーブルの耐熱性を評価したところ、200℃でも被覆体には融着は見られず、耐熱性に優れたものであった。
実施例14
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を230℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ200μmのフィルムに成形した。
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を230℃に設定した圧縮成形機を用いて厚さ200μmのフィルムに成形した。
得られたフィルムの耐熱性を評価したところ、150℃でも融着は見られず、耐熱性の高いフィルムであった。
実施例15
実施例3で得られた厚さ1mmのシートの耐熱性を評価したところ、180℃でも融着は見られず、耐熱性の高いシートであった。
実施例3で得られた厚さ1mmのシートの耐熱性を評価したところ、180℃でも融着は見られず、耐熱性の高いシートであった。
実施例16
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を250℃に設定した20mm単軸押出成形機を用いて、外径10mm、内径8mmの中空成形体を押出し成形した。
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を250℃に設定した20mm単軸押出成形機を用いて、外径10mm、内径8mmの中空成形体を押出し成形した。
得られた中空成形体の耐熱性を評価したところ、200℃でも融着は見られず、耐熱性の高い中空成形体であった。
実施例17
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を、250℃に設定した圧縮成形機を用いて、外形8mmの鉄芯を挿入し、外径10mmのロールに成形した。得られたロールの耐熱性を評価したところ、200℃でも融着は見られず、耐熱性の高いロールであった。
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を、250℃に設定した圧縮成形機を用いて、外形8mmの鉄芯を挿入し、外径10mmのロールに成形した。得られたロールの耐熱性を評価したところ、200℃でも融着は見られず、耐熱性の高いロールであった。
実施例18
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を250℃に設定したキャピラリー型粘度計に投入し、0.36cm3/分で押出した。押出されたストランドを空冷しながら50m/分の速度で引き取り溶融紡糸を行った。得られた糸は89デニールであった。
実施例3で得られた導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物を250℃に設定したキャピラリー型粘度計に投入し、0.36cm3/分で押出した。押出されたストランドを空冷しながら50m/分の速度で引き取り溶融紡糸を行った。得られた糸は89デニールであった。
得られた糸の耐熱性を評価したところ、200℃でも融着は見られず、耐熱性の高い糸であった。
Claims (9)
- 芳香族アミドブロック共重合体が、上記一般式(1)で示される芳香族アミド単位と、ポリエステルからなることを特徴とする請求項1に記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- 芳香族アミドブロック共重合体が、上記一般式(1)で示される芳香族アミド単位と、ポリ(ε−カプロラクトン)からなることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- 導電剤が、アルカリ金属塩類及び/又はアルカリ土類金属塩類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- 導電剤が、Li+、Na+、K+、Mg2+およびCa2+よりなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン、ならびにCl−,Br−,F−,I−,NO3 −,SCN−,ClO4 −,CF3SO3 −,BF4 −,(CF3SO2)2N−および(CF3SO2)3C−よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンとによって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- 導電剤が、過塩素酸リチウム及び/又はビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- 導電剤をポリエステル化合物に溶解して用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- ポリエステル化合物がアジピン酸系エステル化合物であることを特徴とする請求項7に記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物よりなる成形体。
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JP2005023257A JP2006206821A (ja) | 2005-01-31 | 2005-01-31 | 導電性芳香族アミドブロック共重合体樹脂組成物及びそれよりなる成形体 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008056713A (ja) * | 2006-08-29 | 2008-03-13 | Ricoh Co Ltd | 抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物、該組成物を含む電子写真用部材及び電子写真装置 |
JP2008159852A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Arai Pump Mfg Co Ltd | キャリアプレート |
JP2015131640A (ja) * | 2015-04-06 | 2015-07-23 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
US9415636B2 (en) | 2010-08-25 | 2016-08-16 | Bridgestone Corporation | Tire, and tire manufacturing method |
JP2017504196A (ja) * | 2013-12-23 | 2017-02-02 | ノヴァレッド ゲーエムベーハー | ホスフェピンマトリックス化合物を含んでいる半導体材料 |
-
2005
- 2005-01-31 JP JP2005023257A patent/JP2006206821A/ja active Pending
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