JP2008052848A - 光ピックアップ装置及び光学的情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録/再生に用いられる総てのレーザ光の波長を、単一の検出器により処理可能な光ピックアップ装置及び光学的情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】この発明の光ピックアップ装置および光学的情報記録再生装置は、メディア(光ディスク)の記録面にレーザ光を集光する対物レンズ(51)と、対物レンズに案内されるレーザ光をコリメートするコリメートレンズ(57)と、光源からコリメートレンズに案内されるレーザ光に、コリメートレンズを通過した状態で発散性が残るよう、所定の集束性の与える倍率変換レンズ(37)と、倍率変換レンズを介してメディアの記録面に集光されたレーザ光が反射された反射レーザ光の光路長を変化させる光路長補正機構(65)と、を有する。
【選択図】 図9
【解決手段】この発明の光ピックアップ装置および光学的情報記録再生装置は、メディア(光ディスク)の記録面にレーザ光を集光する対物レンズ(51)と、対物レンズに案内されるレーザ光をコリメートするコリメートレンズ(57)と、光源からコリメートレンズに案内されるレーザ光に、コリメートレンズを通過した状態で発散性が残るよう、所定の集束性の与える倍率変換レンズ(37)と、倍率変換レンズを介してメディアの記録面に集光されたレーザ光が反射された反射レーザ光の光路長を変化させる光路長補正機構(65)と、を有する。
【選択図】 図9
Description
この発明は、厚さの異なる光ディスクに対して情報から情報を再生し、もしくは情報を記録するもので、記録/再生に用いられる総てのレーザ光の波長を、単一の検出器により処理可能な光ピックアップ装置及び光学的情報記録再生装置に関する。
レーザ光を用いて既に記録されている情報が再生可能な、あるいはレーザ光により情報が記録可能な光ディスク(例えばCD規格の光ディスク)およびその光ディスクに情報を記録し、もしくは光ディスクから情報を再生する光ディスク装置(光ディスクドライブ)が実用化されて久しい。なお、CD規格に加えて、DVD規格と呼ばれる記録密度の高い光ディスクが広く普及している。
近年、青色あるいは紫色の波長のレーザ光を用いて情報を記録することにより、さらに記録密度が高められたHD(High definition(ハイ ディフィニション))DVDと称される光ディスク(以下、HD DVDと略称する)も、既に実用化されている。
多種の光ディスクについて、光ディスク装置(ディスクドライブ装置)をそれぞれ用意することは、コスト面や設置場所の点で非効率的であり、総ての規格の光ディスクに情報を記録し、または記録されている情報を再生し、もしくは既に記録されている情報を消去可能であることが、望まれている。
このような背景から、長波長(CD用)、中波長(DVD用)、短波長(HD DVD用)の3つの波長のレーザ光を2グループに分け、2つの波長のレーザ光について、光学素子を共有した光ピックアップが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯と波長650nm帯の透過光量を調整するフィルタ手段を備えたことを特徴とする光ピックアップが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、DVD用の赤色光ビームとHD DVD用の青色光ビームの光軸を共通とした光ピックアップにおいて、ダイクロイックプリズムの前後に、一対のビームエキスパンダレンズを設け、青色光ビームに発生する球面収差を補正し、それぞれの光ビームを平行光とするものが提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2004−103135号公報
特開2005−141884号公報
特開2004−185781号公報
特許文献1の光ピックアップでは、受光素子ユニットであるPDIC(Photo Detector-IC)が3系統必要であり、特許文献2の光ピックアップ装置では、赤外光(CD規格の光ディスク向けのレーザ光)については、光利用効率を上げるための倍率変換用のレンズを配置することが困難である。
また、特許文献3の光ピックアップにおいても、DVD用の赤色光ビームと高密度記録用の青色光ビームの光軸を共通とすることを開示するのみで、現在、広く利用されているCD規格の光ディスク用の785nmのレーザ光を含めた3つの波長のレーザ光を1つのPDICで検出することに関する記載が見当たらない。
すなわち、いずれの文献によっても、CD規格の光ディスク向け、DVD規格の光ディスク向け、ならびにHD DVD規格の光ディスク向けの3つの波長のレーザ光を1つのPDICで検出することは、その可能性を含めて論ぜられていない。
この発明の目的は、現在実用化されている3つの波長のレーザ光による情報の再生及び記録が可能な光ディスクからの信号を1系統の受光素子により検出可能な光ピックアップ装置及び光学的情報記録再生装置を提供することである。
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、記録媒体の記録面にレーザ光を集光する対物レンズと、この対物レンズに案内されるレーザ光をコリメートするコリメートレンズと、光源から前記コリメートレンズに案内されるレーザ光に、前記コリメートレンズを通過した状態で発散性が残るよう、所定の集束性の与える倍率変換レンズと、前記倍率変換レンズを介して前記記録媒体の記録面に集光されたレーザ光が反射された反射レーザ光の光路長を変化させる光路長補正機構と、を有することを特徴とする光ピックアップ装置を提供するものである。
以上説明した通り、この発明の実施の形態においては、単独の受光ユニットを用い、複数の波長のレーザ光のそれぞれの検出感度を、一定以上確保可能な光ピックアップ装置及び光学的情報記録再生装置が得られる。すなわち、レーザビームが透過する層の厚さの違いに起因して反射レーザビームが受光ユニットに結像される際のビームスポットのサイズの変動の影響を補正できる。従って、単独の受光ユニットにより、異なる規格の記録媒体から安定して情報を再生できる。
図1(a)および図1(b)は、この発明の実施の一形態が適用可能な光ピックアップ装置の一例を示す。なお、図1(a)は、光ピックアップ装置を、メディア(光学的情報記録媒体すなわち光ディスク)の記録面と直交する方向から見た状態(X−Y平面を見た状態)を示し、図1(b)は、光ピックアップ装置を、メディア(光ディスク)の記録面と平行な方向から見た状態(Y−Z平面を見た状態)を示す。
図1(a)および図1(b)に示す通り、光ピックアップ装置1は、例えば405nm帯の第1の波長のレーザビームL1を出射する第1の半導体レーザ光源11、例えば660nm帯の第2の波長のレーザビームL2を出射する第2の半導体レーザ光源21、例えば780nm帯の第3の波長のレーザビームL3を出射する第3の半導体レーザ光源31を有する。
第1の半導体レーザ光源11から出射された第1の波長のレーザビームL1は、第1のプリズム41および第2のプリズム43を透過し、ビームスプリッタ45によりその一部が反射されて、対物レンズ51に案内される。対物レンズ51とビームプスリッタ45との間には、対物レンズ51の側から順に、λ/4板(偏光素子)53、光路変更(立ち上げ)ミラー55およびコリメートレンズ57が位置されており、実際に対物レンズ51に案内される第1のレーザビームL1は、コリメートレンズ57により実質的に平行光に変換されたのち、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に入射される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL1は、対物レンズ51のパワーにより所定のスポットサイズ(集光時の波面の断面ビーム径)に収束され、光ディスクMの記録面に集光される。なお、対物レンズ51としては、波長互換タイプのものであれば、単レンズ方式に限らず、ツインレンズ方式等も利用可能である。
第1のプリズム41は、第1のレーザ光源11からの波長405nm帯のレーザビームL1を透過し、第2のレーザ光源21からの波長660nm帯のレーザビームL2を反射するために、図2に示すように、450nm近傍で、透過光量と反射光量が反転する特性が与えられている。第1のプリズム41は、例えば多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜を介して2つのガラスプリズムを貼り合わせることで、容易に形成される。もちろん、単一のプリズムの一面にダイクロイック膜を設けたものであってもよいことはいうまでもない。なお、ダイクロイック膜の波長選択性は、波長405nmのレーザビームのS偏光の透過率が概ね100%に、波長660nmのレーザビームのS偏光の反射率が概ね100%に、規定されている。
第1の半導体レーザ光源11から出力される第1のレーザビームL1は、波面の形状が概ね楕円の発散光束である。なお、半導体レーザから出力されるレーザビームの波面は、楕円の短軸方向がレーザ素子の活性層の面の広がりの方向と平行で、活性層の面の広がり方向に伸びる直線偏光となることが知られている。従って、レーザビームL1の偏光の方向は、光軸(レーザ光源11とビームスプリッタ45を結んだ線分)を回転中心として、レーザ光源11を回転させることで、任意の方向に設定できる。
なお、第1のレーザ光源11とプリズム41との間、好ましくは、レーザ光源11の近傍の所定の位置に、レーザビームL1の波面の偏光の方向を90°回転させるλ/2板13を設け、ビームスプリッタ45によりメディア(光ディスク)Mの記録層に向かうレーザビームとメディア(光ディスク)Mで反射された反射レーザビームとを分離可能とするために、波面の偏光の方向を所定の方向に整えている。すなわち、半導体レーザ光源11を出射されたレーザビームL1の偏光の方向が、λ/2板13により整えられる(P偏光とS偏光の比率が所定の比率に変化される)。
λ/2板13の近傍にはさらに、光ディスク(メディア)Mの記録層で反射された反射レーザビームを、後段の信号処理のために複数に波面分割する回折格子15が位置されている。なお、λ/2板13と回折格子15は、一体的に形成されてもよい。例えば、λ/2板13の任意の面に、ホログラム等により所定の回折パターンが与えられてもよい。また、回折パターンがブレーズタイプまたはバイナリタイプである場合は、λ/2板13の任意の面に、直接パターンが形成されてもよい。
第2の半導体レーザ光源21から出射された第2の波長のレーザビームL2は、第1のプリズム41で折り曲げられ、第2のプリズム43を透過し、ビームスプリッタ45によりその一部が反射されて、対物レンズ51に案内される。対物レンズ51に案内された第2のレーザビームL2は、対物レンズ51により所定のスポットサイズに収束され、光ディスクMの記録面に集光される。すなわち、第2のレーザビームL2は、第1のプリズム41により第1のレーザビームL1と互いに重ね合わせられ、光ディスクMの記録面まで、第1のレーザビームL1と実質的に同一の光路を案内される。
第2の半導体レーザ光源21から出力される第2のレーザビームL2も、第1のレーザビームL1と同様に、波面の形状が概ね楕円の発散光束である。また、レーザビームL2の波面も、第1のレーザビームL1と同様に、楕円の短軸方向がレーザ素子の活性層の面の広がりの方向と平行で、活性層の面の広がり方向に伸びる直線偏光(P偏光)となることが知られている。なお、第2のレーザ光源21とプリズム41との間、好ましくは、レーザ光源21の近傍の所定の位置にも、レーザビームL2の波面の偏光の方向を90°回転させるλ/2板23が設けられ、ビームスプリッタ45によりメディア(光ディスク)Mの記録層に向かうレーザビームとメディア(光ディスク)Mで反射された反射レーザビームとを分離可能とするために、波面の偏光の方向が所定の方向に整えられている。
λ/2板23の近傍には、光ディスク(メディア)Mの記録層で反射された反射レーザビームを、後段の信号処理のために複数に波面分割する回折格子25が位置されている。なお、λ/2板23と回折格子25は、一体的に形成されてもよい。例えば、λ/2板23の任意の面に、ホログラム等により所定の回折パターンが与えられてもよい。また、回折パターンがブレーズタイプまたはバイナリタイプである場合は、λ/2板23の任意の面に、直接パターンが形成されてもよい。
第3の半導体レーザ光源31から出射された第3の波長のレーザビームL3は、第2のプリズム43で折り曲げられて第1および第2のレーザビームL1,L2と重ね合わせられ、ビームスプリッタ45によりその一部が反射されて、対物レンズ51に案内される。すなわち、第3のレーザビームL3も、光ディスクMの記録面まで、第1のレーザビームL1(あるいは第2のレーザビームL2)と実質的に同一の光路を案内される。
第3の半導体レーザ光源31から出力される第3のレーザビームL3も、第1、第2のレーザビームL1,L2と同様、波面の形状が概ね楕円の発散光束である。また、レーザビームL3の波面も、第1、第2のレーザビームL1,L2と同様に、楕円の短軸方向がレーザ素子の活性層の面の広がりの方向と平行で、活性層の面の広がり方向に伸びる直線偏光(P偏光)となることが知られている。なお、第3のレーザ光源31と第2のプリズム43との間、好ましくは、レーザ光源31の近傍の所定の位置にも、レーザビームL3の波面の偏光の方向を90°回転させるλ/2板33が設けられ、ビームスプリッタ45においてメディア(光ディスク)Mの記録層に向かうレーザビームとメディア(光ディスク)Mで反射された反射レーザビームとの分離のために、波面の偏光の方向が所定の方向に整えられている。
λ/2板33の近傍には、光ディスク(メディア)Mの記録層で反射された反射レーザビームを、後段の信号処理のために複数に波面分割する回折格子35が位置されている。なお、λ/2板33と回折格子35は、前に説明した第1および第2のレーザビームL1,L2への配置と同様に、一体的に形成されてもよい。また、例えば、λ/2板33の任意の面に、ホログラム等により所定の回折パターンが与えられてもよく、回折パターンがブレーズタイプまたはバイナリタイプである場合は、λ/2板33の任意の面に、直接パターンが形成されてもよい。
第2のプリズム43は、第1のレーザ光源11からの波長405nm帯のレーザビームL1および第2のレーザ光源21からの波長660nm帯のレーザビームL2を透過し、第3のレーザ光源31からの波長780nm帯のレーザビームL3を反射するために、図3に示すように、700〜750nm近傍で透過光量と反射光量が反転する特性が与えられている。第2のプリズム43も第1のプリズム41と同様、例えば多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜を介して2つのガラスプリズムを貼り合わせることで、容易に形成される。
第3の半導体レーザ光源31と第2のプリズム43との間、好ましくは、回折格子35と第2のプリズム43との間には、倍率変換レンズ37が位置されている。倍率変換レンズ37は、第3の半導体レーザ光源31からの波長780nmのレーザビームL3が集光される集光位置を、第1および第2の半導体レーザ光源11,21からのレーザビームL1,L2に比較して、後方にシフトする(対物レンズ51に入射される際に発散性が残る状態を維持する)ために用いられる。
すなわち、倍率変換レンズ37が用いられることにより、図1(a)および図1(b)に示す例では、波長780nmのレーザビームL3は、対物レンズ51に入射される時点で、非平行光である(レーザビームL3の断面ビーム径は、第2のプリズム43のビームスプリット面で反射され、対物レンズ51に入射されるまで、レーザビームL1,L2のビーム径よりも小さく絞り込まれている)。
このようにして実質的に同一の光路を案内される第1ないし第3のレーザビームL1,L2,L3は、ビームスプリッタ45に案内され、前に説明したように、対物レンズ51(および装着されている場合にはその装着された光ディスクMの記録面)に向けて案内される。なお、3つの半導体レーザ光源11,21,31は、情報の記録または再生のために用意されるメディア(光ディスク)Mの規格に基づいて、任意の1つが選択的に発光される。従って、2つ以上の光源から波長の異なるレーザビームが同時に出射されることが無いことはいうまでもない。
ビームスプリッタ45は、例えば、平行平板(平行平面の板状のガラスあるいは樹脂)の一方の面45iに、図示しない多層光学薄膜等である偏光分離膜が形成されたもので、(偏光分離膜により、)入射するレーザビームのP偏光成分およびS偏光成分、特にS偏光成分を、波長に拘わりなく一定量以上反射させ、かつ、P偏光成分およびS偏光成分の所定の割合を透過させる。すなわち、ビームスプリッタ45には、図4に示すように、S偏光成分の概ね80%を波長に拘わりなく透過可能で、残りを反射する特性が与えられている。なお、平行平板の他方の面45oには、偏光分離膜が形成された面45iから内部に入射するレーザビームが面45oで内部反射して再び面45iから出射することを抑制可能な、図示しない多層光学薄膜等である反射防止膜が形成されている。また、ビームスプリッタ45は、入射側面45i(または出射側面45o)において不所望に反射されることのあるレーザビームが、その出力源である半導体レーザ光源の図示しないモニタ用検出器に戻されて、(その半導体レーザ光源から)出力されるレーザビームの強度が変動することや、対物レンズ51(および光ディスクM)に向けてゴースト成分として作用することを抑止するために、第1および第2のプリズム41,43を結ぶ光軸に対して非平行に配置されることが好ましい。
ビームスプリッタ45へ案内された任意のレーザビームL1またはL2(またはL3)は、ビームスプリッタ45の入射側の面45iで反射され、コリメートレンズ57によりコリメートされて、立ち上げ(光路変更)ミラー55に案内される。
ビームスプリッタ45へ案内された任意のレーザビームL1またはL2(またはL3)の一部は、ビームスプリッタ45をそのまま透過し、ビームスプリッタ45に対して第1および第2のプリズム41,43と反対の側に位置され、第1ないし第3の半導体レーザ光源11,21および31からのレーザビームL1,L2またはL3の光量(強度)すなわち個々の光源の出力(レーザビームの強度)を一定の範囲内に維持するためのモニタに利用される光量モニタ用受光素子(モニタ用PDIC(Photo Detector-IC))47に案内される。
立ち上げ(光路変更)ミラー55に案内されたレーザビームは、(ミラー55により)光ディスク(メディア)Mの記録面に向けて折り曲げられる。ミラー55により折り曲げられたレーザビームL1またはL2(またはL3)は、λ/4板(偏光素子)53により波面の偏光の方向が45°回転され、対物レンズ51により与えられる収束性により光ディスクMの記録面に所定のスポットサイズで集光(収束)される。
なお、第3の半導体レーザ光源31からの第3のレーザビームL3は、第1および第2のレーザビームL1,L2と実質的に同一の光路で対物レンズ51に案内されるが、対物レンズ51へ入射される際に、コリメートレンズ57で所定の収束性が与えられるにも拘わらず僅かに発散性を保持した状態となる所定の収束性(レーザビームの断面ビーム径では発散性)が与えられてビームスプリッタ45へ案内され、ビームスプリッタ45で反射されて対物レンズ51に導かれる。
従って、第3のレーザビームL3は、第1または第2のレーザビームL1,L2に比較して、対物レンズ51から離れた位置で収束する。この場合、記録面上のレーザビームのスポットサイズ(集光時の波面の断面ビーム径)は、CD規格の光ディスクにおいて推奨される好適な大きさとなる。すなわち、第1または第2のレーザビームL1,L2を用いて情報の再生と記録が可能な光ディスクMは、記録面までの樹脂層の距離すなわちディスク基板の厚さが0.6mmであるが、第3のレーザビームL3が用いられる光ディスク基板の厚さは1.2mmであるから、第3のレーザビームL3は、対象であるCD規格の光ディスクの記録面に、好適なスポットサイズで、集光される。
光ディスク(メディア)Mの記録面で反射された反射レーザビーム(R1,R2またはR3)は、対物レンズ51により捕捉され、λ/4板53を通過することで波面の偏光の方向が45°回転される。従って、反射レーザビームの波面の偏光の方向は、対物レンズ51から光ディスクMの記録面に向けられるレーザビームの偏光の方向に対して、90°回転されている。
対物レンズ51で捕捉され、立ち上げ(光路変更)ミラー55で進行方向が変更された反射レーザビーム(R1,R2またはR3)は、コリメートレンズ57により所定の収束性が与えられ(一定の比率で収束され)、ビームスプリッタ45に戻される。なお、第1および第2のレーザビームL1,L2のそれぞれが反射された反射レーザビームR1,R2については、実質的に同一の収束性が与えられる。
一方、第3のレーザビームL3が反射された反射レーザビームR3は、対物レンズ51に入射される時点で非平行光であって、基板の厚さが1.2mmのCD規格の光ディスクの記録面から反射されることで、ビームスプリッタ45のビームスプリット面における断面ビーム径は、他の波長の反射レーザビームR1,R2の断面ビーム径に比較して大きい(最終的な結像位置が、レーザビームR1,R2よりも遠い)。
ビームスプリッタ45に案内された反射レーザビームR1,R2は、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、受光素子であるPDIC(Photo Detector-IC)61の所定の位置に結像される。なお、反射レーザビームR1,R2は、実際には、PDIC(受光素子)61に向けて第1の結像ミラー63で反射されて、PDIC61に結像される。
一方、ビームスプリッタ45に案内されたCD規格の光ディスクの記録面で反射された波長780nmの反射レーザビームR3は、非点収差レンズ59により所定の結像特性が与えられた後、第1の結像ミラー63をそのまま通過して、第2の結像ミラー65で反射されて、PDIC61に結像される。
すなわち、第1の結像ミラー63と第2の結像ミラー65とにより、405nm帯の第1の波長のレーザビームL1および660nm帯の第2の波長のレーザビームL2が光ディスクMの記録面で反射された反射レーザビームと、780nm帯の第3の波長のレーザビームL3が光ディスク(CD規格)の記録面で反射された反射レーザビームが、波長により別々に反射されることにより、集光距離の違いが補正されて、単一のPDIC61に結像される。
なお、第1の結像ミラー63については、反射レーザビームR3すなわち780nm帯のレーザビームを実質的に透過させ、660nm帯よりも波長の短いレーザビームは実質的に反射させることが要求される。このため、例えば700〜750nmの波長において反射特性が反転する多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜が用いられる。
また、第1の結像ミラー63は、第2の結像ミラー65により反射され、PDIC61に向けられる780nm帯のレーザビームR3の光路を全く遮ることのない大きさ、またはレーザビームR3のビーム断面の全体が通過する大きさのいずれかに規定される。すなわち、第3のレーザビームR3については、第2の結像ミラー65により反射されてPDIC61に案内される際に、第1の結像ミラー63を透過する場合と、透過しない(ミラー63が小さい)場合と、を考えることができる。この場合、レーザビームR3の一部が第1の結像ミラー63を透過する(レーザビームR3の一部が第1の結像ミラー63をまたぐ)ことを防止すれば、第1の結像ミラー63の大きさは、任意に設定可能である。
PDIC61は、例えば、所定の形状および面積が与えられた多分割PINフォトダイオードと、個々のフォトダイオードから出力される電流を電圧に変換するI/Vアンプ(電流−電圧変換器)を含み、個々のPINフォトダイオードに入射した反射レーザビームの強度に比例した電圧を出力する。PDIC61に結像される反射レーザビームは、それぞれが半導体レーザ光源11,21,31を出射された際に、回折格子15,25,35により所定の回折特性が与えられている。このため、PDIC61の受光面に案内された反射レーザビームは、例えばトラッキングエラーの検出に用いられる±1次光とフォーカスエラーの検出に用いられる非回折光(0次光)に波面分割され、PDIC61に結像される。従って、例えば図9に示す信号処理回路を用いることで、情報信号(RF出力)、フォーカスエラー信号あるいはトラックエラー信号が生成される。
また、非点収差センサレンズ59は、ビームスプリッタ45が実質的に平行平板であることに起因して、対物レンズ51からPDIC61へ向かう反射レーザビームに付加される非点収差成分を利用してフォーカスエラー信号を得るために、有益である。すなわち、ビームスプリッタ45を平行平板としたことにより、簡単な構成でフォーカスエラー信号を得ることができる。
なお、トラッキングエラーを検出するための手法としては、DPD(Differential Phase Detection,位相差検出)法あるいはDPP(Differential Push Pull)法等が利用可能である。また、メディア(光ディスク)MがCD規格であって、波長780nmのレーザビームが用いられる場合には、トラッキングエラーを検出する方法として、周知の3ビーム法も利用可能である。また、メディア(光ディスク)MがDVD規格もしくはHD DVD規格であって、それぞれ波長660nmもしくは405nmのレーザビームが用いられる場合には、トラッキングエラーを検出する方法として、対物レンズ51のレンズシフトの影響を考慮したCPP(Compensated Push Pull,補償プッシュプル)法を用いることもできる。
以上説明したように、図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置1を用いることで、PDIC61の受光面の図示しない光検出(受光)セルの配列および形状を所定の配列および形状とすることで、任意の波長のレーザビームが光ディスクの記録面で反射された反射レーザビームを高い効率で受光し、要求されるさまざまな信号がノイズに埋もれにくい一定以上のC/Nを確保して、さまざまな信号を得ることができる。すなわち、情報の再生及び記録に際して波長が異なる3種類のレーザビームが用いられる現行の3種類の光ディスク(メディア)Mからの信号を1系統の受光素子(単一のPDIC)により、処理できる。また、光ディスクMの記録層までの距離、すなわちレーザビームが透過する層の厚さの違いに起因して反射レーザビームがPDICに結像される際のビームスポットのサイズの変動の影響を補正できる。従って、異なる規格の光ディスクMから、安定して情報を再生できる。
図5(a)および図5(b)は、図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置とは異なるこの発明の別の実施の形態の一例を示す。なお。図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置と同一または類似した要素には同じ符号を付して、詳細な説明を簡素化する。
図5(a)および図5(b)に示す光ピックアップ装置101は、概ね405nmの波長のレーザビームL1を出射する第1の半導体レーザ光源11、概ね660nmの波長のレーザビームL2を出射する第2の半導体レーザ光源21、概ね780nmの波長のレーザビームL3を出射する第3の半導体レーザ光源31を有する。
セットされている光ディスクMがHD DVD規格である場合、第1のレーザ光源11から波長405nmのレーザビームL1が出射される。レーザビームL1は、プリズム41および43を透過し、ビームスプリッタ45で一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL1は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR1として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR1は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR1の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、非平行プリズム163の入射側面163iで反射され、PDIC61の所定の位置に結像される。
セットされている光ディスクMがDVD規格である場合、第2のレーザ光源21から波長660nmのレーザビームL2が出射される。レーザビームL2は、プリズム41で反射された後、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1と実質的に同一の経路でプリズム43に案内され、プリズム43を透過して、ビームスプリッタ45に案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL2は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL2は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR2として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR2は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR2の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、非平行プリズム163の入射側面163iで反射され、PDIC61の所定の位置に結像される。
セットされている光ディスクMがCD規格である場合、第3のレーザ光源31から波長780nmのレーザビームL3が出射される。レーザビームL3は、第2のプリズム43で反射され、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1および第2のレーザ光源21からのレーザビームL2と実質的に同一の経路で、ビームスプリッタ45に案内される。なお、図1(a)および図1(b)により既に説明したが、第3のレーザ光源31からのレーザビームL3は、倍率変換レンズ37が追加されていることから、対物レンズ51へ入射される際に、コリメートレンズ57で所定の収束性が与えられるにも拘わらず僅かに発散性を保持した状態となる所定の収束性(レーザビームの断面ビーム径では発散性)が与えられて、ビームスプリッタ45へ案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL3は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL3は、対物レンズ51のパワーにより拡散光から収束光に変換され、1.2mmの透過層を透過して、光ディスクMの記録面に集光される。
光ディスクMの記録面で反射された反射レーザビームR3は、第1または第2のレーザビームL1もしくはL2が反射された反射レーザビームに比較して少ない収束性のレーザビームとして、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR3は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR3の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、非平行プリズム163の入射側面163iを通過し、出射側面163oで反射されて、PDIC61の所定の位置に結像される。
なお、非平行プリズム163の入射側面163iには、反射レーザビームR3すなわち780nm帯のレーザビームを実質的に透過させ、660nm帯よりも波長の短いレーザビームは実質的に反射させることが要求される。このため、例えば700〜750nmの波長において反射特性が反転する多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜が用いられる。また、入射側面163iは、出射側面163oで反射されたレーザビームR3の断面ビーム径の総てを透過可能な大きさ(面積)が要求される。すなわち、入射側面163iの大きさは、PDIC61に向けて出射側面163oで反射されたレーザビームR3の一部のみが入射側面163iを透過する(レーザビームR3の一部が入射側面163iから外れる)ことのない大きさに設定されることが好ましい。
以上説明したように、図5(a)および図5(b)に示した光ピックアップ装置101を用いることで、レーザビームが透過する層の厚さ(光ディスクMの規格)の違いに起因して反射レーザビームがPDICに結像される際のビームスポットのサイズの変動の影響を補正できる。従って、異なる規格の光ディスクMから、安定して情報を再生できる。
図6(a)および図6(b)は、図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置とは異なるこの発明のさらに別の実施の形態の一例を示す。なお。図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置と同一または類似した要素には同じ符号を付して詳細な説明を簡素化する。
図6(a)および図6(b)に示す光ピックアップ装置201は、概ね405nmの波長のレーザビームL1を出射する第1の半導体レーザ光源11、概ね660nmの波長のレーザビームL2を出射する第2の半導体レーザ光源21、概ね780nmの波長のレーザビームL3を出射する第3の半導体レーザ光源31を有する。
セットされている光ディスクMがHD DVD規格である場合、第1のレーザ光源11から波長405nmのレーザビームL1が出射される。レーザビームL1は、プリズム41および43を透過し、ビームスプリッタ45で一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL1は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR1として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR1は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR1の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正ユニット263の第1のミラー263aを透過し、PDIC61の所定の位置に結像される。なお、PDIC61は、後述するが、CD規格の光ディスクのための波長780nmのレーザビームを受光する際のゲインを高めるために、対物レンズ51とビームスプリッタ45とを結ぶ軸線を延長した線分201aに対して、所定の角度θだけ、傾けられることが好ましい。
セットされている光ディスクMがDVD規格である場合、第2のレーザ光源21から波長660nmのレーザビームL2が出射される。レーザビームL2は、プリズム41で反射された後、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1と実質的に同一の経路でプリズム43に案内され、プリズム43を透過して、ビームスプリッタ45に案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL2は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL2は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR2として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR2は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR2の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正ユニット263の第1のミラー263aを透過し、PDIC61の所定の位置に結像される。
セットされている光ディスクMがCD規格である場合、第3のレーザ光源31から波長780nmのレーザビームL3が出射される。レーザビームL3は、第2のプリズム43で反射され、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1および第2のレーザ光源21からのレーザビームL2と実質的に同一の経路で、ビームスプリッタ45に案内される。なお、図1(a)および図1(b)により既に説明したが、第3のレーザ光源31からのレーザビームL3は、倍率変換レンズ37が追加されていることから、対物レンズ51へ入射される際に、コリメートレンズ57で所定の収束性が与えられるにも拘わらず僅かに発散性を保持した状態となる所定の収束性(レーザビームの断面ビーム径では発散性)が与えられて、ビームスプリッタ45へ案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL3は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL3は、対物レンズ51のパワーにより拡散光から収束光に変換され、1.2mmの透過層を透過して、光ディスクMの記録面に集光される。
光ディスクMの記録面で反射された反射レーザビームR3は、第1または第2のレーザビームL1もしくはL2が反射された反射レーザビームに比較して少ない収束性のレーザビームとして、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR3は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR3の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正ユニット263の第1のミラー263aにより、一旦ビームスプリッタ45側へ折り返され、第2のミラー263bにより再びPDIC61側に向けて反射されて、PDIC61の所定の位置に結像される。なお、上述した通り、PDIC61は、対物レンズ51とビームスプリッタ45とを結ぶ軸線を延長した線分201aに対して角度θだけ傾けられているので、赤外光光路長補正ユニット263の第2のミラー263bで反射され、軸線201aに対して斜めからPDIC61の受光面に案内される反射レーザビームR3を受光した場合であっても、PDIC61による光電変換出力が、不所望に低くなることが抑止される。
また、赤外光光路長補正ユニット263の第1のミラー263aついては、反射レーザビームR3すなわち780nm帯のレーザビームを実質的に透過させ、660nm帯よりも波長の短いレーザビームは実質的に反射させることが要求される。このため、例えば700〜750nmの波長において反射特性が反転する多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜が用いられる。
また、第1のミラー263aは、第2のミラー263bにより反射され、PDIC61に向けられる780nm帯のレーザビームR3の光路を全く遮ることのない大きさに規定される。すなわち、第3のレーザビームR3については、第2のミラー263bと第1のミラー263aにより反射されてPDIC61に案内されるが、それ以外のレーザビーム(R1,R2)については、光路設計上、第1のミラー263aを透過することが求められるのみであるから、第1のミラー263aの大きさは、レーザビームR3を反射できる最小の大きさでよく、その場合、ミラー263aの重量が軽減される。
以上説明したように、図6(a)および図6(b)に示した光ピックアップ装置201を用いることで、レーザビームが透過する層の厚さの違いに起因して反射レーザビームがPDICに結像される際のビームスポットのサイズの変動の影響を補正できる。また、CD規格の光ディスクのための780nm帯のレーザビームの光路長を補正した結果生じるPDICの受光面への入射の際の傾きについても、PDICを傾けたことにより光電変換効率が高められることから、規格の異なるさまざまな光ディスクから、安定して情報を再生できる。
図7(a)および図7(b)は、図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置とは異なるこの発明のさらに別の実施の形態の一例を示す。なお。図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置と同一または類似した要素には同じ符号を付して詳細な説明を簡素化する。
図7(a)および図7(b)に示す光ピックアップ装置301は、概ね405nmの波長のレーザビームL1を出射する第1の半導体レーザ光源11、概ね660nmの波長のレーザビームL2を出射する第2の半導体レーザ光源21、概ね780nmの波長のレーザビームL3を出射する第3の半導体レーザ光源31を有する。
セットされている光ディスクMがHD DVD規格である場合、第1のレーザ光源11から波長405nmのレーザビームL1が出射される。レーザビームL1は、プリズム41および43を透過し、ビームスプリッタ45で一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL1は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR1として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR1は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR1の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正プリズム363の入射面363iおよび出射面363oを透過し、PDIC61の所定の位置に結像される。なお、PDIC61は、後述するが、CD規格の光ディスクのための波長780nmのレーザビームを受光する際のゲインを高めるために、対物レンズ51とビームスプリッタ45とを結ぶ軸線を延長した線分301aに対して、所定の角度φだけ、傾けられることが好ましい。
セットされている光ディスクMがDVD規格である場合、第2のレーザ光源21から波長660nmのレーザビームL2が出射される。レーザビームL2は、プリズム41で反射された後、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1と実質的に同一の経路でプリズム43に案内され、プリズム43を透過して、ビームスプリッタ45に案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL2は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL2は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR2として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR2は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR2の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正プリズム363の入射面363iおよび出射面363oを透過し、PDIC61の所定の位置に結像される。
セットされている光ディスクMがCD規格である場合、第3のレーザ光源31から波長780nmのレーザビームL3が出射される。レーザビームL3は、第2のプリズム43で反射され、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1および第2のレーザ光源21からのレーザビームL2と実質的に同一の経路で、ビームスプリッタ45に案内される。なお、図1(a)および図1(b)により既に説明したが、第3のレーザ光源31からのレーザビームL3は、倍率変換レンズ37が追加されていることから、対物レンズ51へ入射される際に、コリメートレンズ57で所定の収束性が与えられるにも拘わらず僅かに発散性を保持した状態となる所定の収束性(レーザビームの断面ビーム径では発散性)が与えられて、ビームスプリッタ45へ案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL3は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL3は、対物レンズ51のパワーにより拡散光から収束光に変換され、1.2mmの透過層を透過して、光ディスクMの記録面に集光される。
光ディスクMの記録面で反射された反射レーザビームR3は、第1または第2のレーザビームL1もしくはL2が反射された反射レーザビームに比較して少ない収束性のレーザビームとして、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR3は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR3の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正プリズム363の入射面363iの対物レンズ51とビームスプリッタ45とを結ぶ軸線を延長した線分301aを含む第1の領域363icを通過し、出射面363oで反射され、入射面363iの第1の領域363icを含まない第2の領域363isにより再びPDIC61側に向けて反射されて、PDIC61の所定の位置に結像される。なお、赤外光光路長補正プリズム363の入射面363iの第1の領域363icには、反射レーザビームR3すなわち780nm帯のレーザビームを実質的に透過させ、660nm帯よりも波長の短いレーザビームは実質的に反射させることが要求される。このため、例えば700〜750nmの波長において反射特性が反転する多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜が用いられる。一方、出射面363oと入射面363iの第2の領域363isには、780nm帯のレーザビームを反射することのできる多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜が用いられる。
また、PDIC61は、対物レンズ51とビームスプリッタ45とを結ぶ軸線を延長した線分301aに対して角度φだけ傾けられているので、赤外光光路長補正プリズム363の入射面363isで反射され、軸線301aに対して斜めからPDIC61の受光面に案内される反射レーザビームR3を受光した場合であっても、PDIC61による光電変換出力が、不所望に低くなることが抑止される。
以上説明したように、図5(a)および図5(b)に示した光ピックアップ装置101を用いることで、レーザビームが透過する層の厚さの違いに起因して反射レーザビームがPDICに結像される際のビームスポットのサイズの変動の影響を補正できる。また、CD規格の光ディスクのための780nm帯のレーザビームの光路長を補正した結果生じるPDICの受光面への入射の際の傾きについても、PDICを傾けたことにより光電変換効率が高められることから、規格の異なるさまざまな光ディスクから、安定して情報を再生できる。
図8(a)および図8(b)は、図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置とは異なるこの発明のさらに別の実施の形態の一例を示す。なお。図1(a)および図1(b)に示した光ピックアップ装置と同一または類似した要素には同じ符号を付して詳細な説明を簡素化する。
図7(a)および図7(b)に示す光ピックアップ装置401は、概ね405nmの波長のレーザビームL1を出射する第1の半導体レーザ光源11、概ね660nmの波長のレーザビームL2を出射する第2の半導体レーザ光源21、概ね780nmの波長のレーザビームL3を出射する第3の半導体レーザ光源31を有する。
セットされている光ディスクMがHD DVD規格である場合、第1のレーザ光源11から波長405nmのレーザビームL1が出射される。レーザビームL1は、プリズム41および43を透過し、ビームスプリッタ45で一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL1は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR1として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR1は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR1の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正プリズム463により、PDIC61に向けて反射される。なお、赤外光光路長補正プリズム463は、台形プリズム464と三角(直角)プリズム465が三角プリズム465の最も長い辺と台形プリズム464の平行な辺のうちの長い方の辺が接合されて第1の反射面463rを呈するもので、入射面463iと出射面463oは、三角プリズム465の直角を挟む2辺が割り当てられている。
詳細には、反射レーザビームR1は、入射面463iを通過し、第1の反射面463rで、PDIC61に向けて反射される。なお、三角プリズム465が省略される場合もあるが、その場合も、反射レーザビームR1は、第1の反射面463rで反射されることはいうまでも無い。
セットされている光ディスクMがDVD規格である場合、第2のレーザ光源21から波長660nmのレーザビームL2が出射される。レーザビームL2は、プリズム41で反射された後、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1と実質的に同一の経路でプリズム43に案内され、プリズム43を透過して、ビームスプリッタ45に案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL2は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL2は、対物レンズ51のパワーにより光ディスクMの記録面に収束(集光)され、記録面に記録されている情報の有無に応じて偏光の方向が変化され、反射レーザビームR2として、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR2は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR2の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正プリズム463の入射面463iを通過し、第1の反射面463rで、PDIC61の所定の位置に結像される。なお、三角プリズム465が省略されている場合には、反射レーザビームR1は、第1の反射面463rで反射される。
セットされている光ディスクMがCD規格である場合、第3のレーザ光源31から波長780nmのレーザビームL3が出射される。レーザビームL3は、第2のプリズム43で反射され、第1のレーザ光源11からのレーザビームL1および第2のレーザ光源21からのレーザビームL2と実質的に同一の経路で、ビームスプリッタ45に案内される。なお、図1(a)および図1(b)により既に説明したが、第3のレーザ光源31からのレーザビームL3は、倍率変換レンズ37が追加されていることから、対物レンズ51へ入射される際に、コリメートレンズ57で所定の収束性が与えられるにも拘わらず僅かに発散性を保持した状態となる所定の収束性(レーザビームの断面ビーム径では発散性)が与えられて、ビームスプリッタ45へ案内される。
ビームスプリッタ45に案内されたレーザビームL3は、一部が反射され、コリメートレンズ57でコリメートされた後、ミラー55で進行方向が変化され、λ/4板53により波面の偏光の方向が45°回転されて対物レンズ51に案内される。
対物レンズ51に案内されたレーザビームL3は、対物レンズ51のパワーにより拡散光から収束光に変換され、1.2mmの透過層を透過して、光ディスクMの記録面に集光される。
光ディスクMの記録面で反射された反射レーザビームR3は、第1または第2のレーザビームL1もしくはL2が反射された反射レーザビームに比較して少ない収束性のレーザビームとして、対物レンズ51に戻される。
対物レンズ51に戻された反射レーザビームR3は、λ/4板53により波面の偏光の方向がさらに45°回転され、ミラー55で反射され、コリメートレンズ57により収束性が与えられて、ビームスプリッタ45に戻される。
ビームスプリッタ45に戻された反射レーザビームR3の所定の割合の光量は、ビームスプリッタ45を通過したのち、非点収差センサレンズ59により所定の結像特性が与えられた後、赤外光光路長補正プリズム463の入射面463i(三角プリズム)と第1の反射面(接続面)463rとを通過し、台形プリズム464の2面の非平行面で順に反射され、第1の反射面(接続面)463rを台形プリズム464から三角プリズム465へ通過し、出射面463o(三角プリズム)を透過して、PDIC61に案内される。
なお、赤外光光路長補正プリズム463の入射面463i(三角プリズム)と第1の反射面(接続面)463rと出射面463o(三角プリズム)のそれぞれには、反射レーザビームR3すなわち780nm帯のレーザビームを実質的に透過させ、660nm帯よりも波長の短いレーザビームは実質的に反射させることが要求される。このため、例えば700〜750nmの波長において反射特性が反転する多層光学薄膜等である図示しないダイクロイック膜が用いられる。
以上説明したように、図8(a)および図8(b)に示した光ピックアップ装置401を用いることで、レーザビームが透過する層の厚さの違いに起因して反射レーザビームがPDICに結像される際のビームスポットのサイズの変動の影響を補正できる。従って、異なる規格の光ディスクMから、安定して情報を再生できる。
図9は、図1、図5〜図8を用いて説明した光ピックアップ装置が組み込まれる光学的情報記録再生装置(光ディスクドライブ装置)の一例を示す概略図である。
光学的情報記録再生装置1001は、制御バス1011に接続された主制御装置(CPU)1021、データ処理のためのデータが保持されるRAM(Random Access Memory)1023、動作プログラム等が予め記録されているROM(Read Only Memory)1025等の制御系を含む。
制御バス1011には、光ディスク(メディア)Mを所定の回転数で回転させるディスクモータ1101がディスクモータ制御回路1201を介して接続されている。従って、光ディスクMは、CPU1011の制御によるディスクモータ1101の回転により、所定の速度で回転される。
制御バス1011にはまた、光ピックアップ装置1(101,201,301および401)を、(セットされた)光ディスクMの記録面に沿って移動させる送りモータ1111が送りモータ制御回路1211を介して接続されている。従って、光ピックアップ装置1(101,201,301および401)は、CPU1011の制御により、光ディスクの記録面の半径方向に沿って、往復動される。
任意の半導体レーザ光源(11,21,31)からのレーザビームL1,L2,L3の強度は、モニタ用PDIC47により検出され、レーザ光量制御回路1261へフィードバックされる。なお、レーザ光量制御回路1261からそれぞれのレーザ光源に供給されるレーザ駆動信号は、光ディスクへの情報の書き込み時においては、記録データ生成回路1031からの記録すべきデータに対応したレーザ変調信号により、強度変調される。
PDIC61により受光された反射レーザビームR1,R2,R3は、(概略的に示すが)0次光(非回折光)を受光する4分割検出セル61Cのそれぞれの検出セルからの出力が加算された出力が、データ再生回路1267に供給される。データ再生回路1267に入力された個々の検出セルの出力は、CPU1021の制御により、エラー訂正回路1041に供給され、エラー訂正された後、光ディスクMに記録されているデータとして、RAM1023に転送される。また、データ再生回路1267の出力は、光ディスクMの回転数(ディスクモータ1101の回転数)を制御するために、PLL制御回路1269にも供給される。
4分割検出セル61Cのそれぞれの検出セルからの出力のうち、隣りあわない検出セル相互の出力が、4つの検出セルのうちの非点収差法によるフォーカスエラー信号の生成のために加算器1251により加算され、フォーカシング制御回路1263に供給される。フォーカシング制御回路1263により生成されたフォーカスエラー制御信号は、対物レンズ51を光ディスクMの記録面と直交する方向に移動させるためのフォーカス制御コイル1121に供給される。
4分割検出セル61Cのそれぞれの検出セルからの出力のうち、光ディスクMに予め記録されている情報である記録マーク列、または案内溝の反射成分を含む信号がいずれかの検出セルに投影されるよう組み合わせられる隣りあう2つの検出セル相互の出力が、加算器1253により、光ディスクMの記録面の傾きの影響あるいは対物レンズ51のレンズシフトの影響をキャンセルための補正信号を生成するために加算される。
一方、±1次光を検出する2つの4分割検出セル61L,61Rのそれぞれの検出セルからの出力のうち、光ディスクMに予め記録されている情報である記録マーク列、または案内溝の反射成分を含む信号がいずれかの検出セルに投影されるよう組み合わせられる隣りあう2つの検出セル相互の出力が、加算器1255により加算され、さらに加算器1257により、加算器1253の出力と加算されて、対物レンズ51の光ディスクMの記録面に平行で、光ディスクMの半径方向の位置と対物レンズ51の中心を通過するレーザビームとを整合させるトラック制御のためのトラッキング制御回路1265に供給される。トラッキング制御回路1265により生成されたトラックエラー制御信号は、対物レンズ51を光ディスクMの記録面の半径方向に、光ディスクMの記録面に沿って移動させるためのトラック制御コイル1123に供給される。
以上説明したように、この発明の任意の実施の形態によれば、記録密度が最も高められた超高密度記録が可能なHD DVD規格の光ディスク、現在に広く普及しているDVD規格の光ディスクおよびCD規格の光ディスクのそれぞれを、1系統の受光素子により再生可能な光ピックアップ装置及び光学的情報記録再生装置が得られる。
なお、本発明は、上述のいずれかの実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記のいずれかの実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…第1の半導体レーザ光源、21…第2の半導体レーザ光源、31…第3の半導体レーザ光源、41…第1のプリズム波長板、43…第2のプリズム、45…(平行平板)ビームスプリッタ、51…対物レンズ、61…PDIC(受光素子)、63…第1の結像ミラー、65…第2の結像ミラー、163…非平行プリズム、163…非平行プリズム、163…非平行プリズム、163…非平行プリズム、163i…(非平行プリズムの)入射側面、163o…(非平行プリズムの)出射側面、263…光路長補正ユニット、263a…(光路長補正ユニットの)第1のミラー、263b…(光路長補正ユニットの)第2のミラー、363…光路長補正プリズム、363i…(光路長補正プリズムの)入射面、363o…(光路長補正プリズムの)出射面、463…光路長補正プリズム、463i…(光路長補正プリズムの)入射面、463o…(光路長補正プリズムの)出射面、463r…(光路長補正プリズムの)第1の反射面、464…(光路長補正プリズムの)台形プリズム、465…(光路長補正プリズムの)三角(直角)プリズム。
Claims (7)
- 記録媒体の記録面にレーザ光を集光する対物レンズと、
この対物レンズに案内されるレーザ光をコリメートするコリメートレンズと、
光源から前記コリメートレンズに案内されるレーザ光に、前記コリメートレンズを通過した状態で発散性が残るよう、所定の集束性の与える倍率変換レンズと、
前記倍率変換レンズを介して前記記録媒体の記録面に集光されたレーザ光が反射された反射レーザ光の光路長を変化させる光路長補正機構と、
を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光路長補正機構は、前記倍率変換レンズを介して前記記録媒体の記録面に集光されたレーザ光が反射された反射レーザ光の光路長を増大することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記倍率変換レンズを介して前記記録媒体の記録面に集光されるレーザ光は、前記記録媒体の記録面までの距離が長い(記録媒体の光透過層の厚さが厚い)記録媒体向けの波長のレーザ光であることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
- 記録層までの光透過層の厚さが第1の厚さである第1の規格の記録媒体から情報を再生し、あるいは情報を記録するための第1の波長のレーザ光を出力する第1の光源と、
記録層までの光透過層の厚さが前記第1の規格の記録媒体よりも厚い第2の規格の記録媒体から情報を再生し、あるいは情報を記録するための前記第1の波長よりも長い第2の波長のレーザ光を出力する第2の光源と、
前記第1および第2の光源からのそれぞれのレーザ光を記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、
この対物レンズに案内されるレーザ光をコリメートするコリメートレンズと、
前記第2の光源から前記コリメートレンズに案内されるレーザ光に、前記コリメートレンズを通過した状態で発散性が残るよう、所定の集束性の与える倍率変換レンズと、
前記第2の光源からの前記レーザ光が前記記録媒体の記録面に集光されたレーザ光が反射された第1の反射レーザ光の光路長を前記第1の光源からの前記レーザ光が前記記録媒体の記録面に集光されたレーザ光が反射された第2の反射レーザ光の光路長に比較して、増加させる光路長補正機構と、
を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記第1の光源からのレーザ光の波長は、中心波長で405nmまたは660nmで、前記第2の光源からのレーザ光の波長は、中心波長で780nmであることを特徴とする請求項4記載の光ピックアップ装置。
- 波長405nm帯の第1のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、
波長660nm帯の第2のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、
波長780nm帯の第3のレーザビームを出射する第3の半導体レーザ光源と、
記録媒体の記録面に前記第1ないし第3のレーザビームを集光する対物レンズと、
この対物レンズに案内されるレーザ光をコリメートするコリメートレンズと、
前記第3の半導体レーザ光源からの前記第3のレーザビームに、前記コリメートレンズを通過した状態で発散性が残るよう、所定の集束性の与える倍率変換レンズと、
前記倍率変換レンズを介して前記記録媒体の記録面に集光された前記第3のレーザビームが前記記録媒体の記録面で反射された反射レーザビームの光路長を、前記第1および第2のレーザビームよりも増大する光路長補正機構と、
前記記録媒体の記録面で反射された反射レーザビームを検出し、その強度に対応する出力を出力する光電変換素子と、
を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の光ピックアップ装置と、
記録媒体を所定の回転数で回転させるディスクモータと、
前記光ピックアップ装置により前記記録媒体に記録されている情報を取得して再生信号を生成し、あるいは前記記録媒体に情報を記録するための信号処理部と、
を有することを特徴とする光学的情報記録再生装置。
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