以下、本発明の実施の形態である表示装置1について図面を参照して説明する。表示装置1は、複数の電子ペーパを備えたバインダタイプである。まず、図1〜図6、図20〜図22を参照して、表示装置1の構成について説明する。図1は、表示装置1の外観を模式的に示した外観図である。図2は、表示装置1の位置検出手段である位置検出リング24の説明図である。図3は、表示装置1の構成を示すブロック図である。図4は、マスタペーパ3のRAM33のデータ構造を示す構成図である。図5は、ページ順序テーブル記憶領域332に記憶されたページ順序テーブルのデータ構造を示す構成図である。図6は、スレーブペーパ4のRAM43のデータ構造を示す構成図である。図20は、電源供給用リング21の断面を示す模式図である。図21は、位置検出用リング24の断面を示す模式図である。図22は、電源供給用貫通孔61に電源供給用リング21が貫通されている状態を示す模式図である。
図1に示すように、表示装置1は、表示部36(図3参照)を備えた電子ペーパである略長方形のマスタペーパ3と、マスタペーパ3と同様の形状で表示部46を備えたスレーブペーパ4を備えている。そして、マスタペーパ3及び各スレーブペーパ4は、4つの貫通孔61〜64を備え、それぞれの貫通孔を貫通する4つのリング21〜24からなる綴じ部材2により束ねて綴じられている。本実施形態では、スレーブペーパ4が4枚の場合を例にして説明する。以下、マスタペーパ3及びスレーブペーパ4を総称して電子ペーパ5と呼ぶ。尚、マスタペーパ3は出力装置として機能しており、マスタペーパ3及びスレーブペーパ4の表示部36,46に表示させる画像の制御を行う。
次に、図1、図20〜図22を参照して、電子ペーパ5の綴じ部材2について説明する。電子ペーパ5には、図1に示すように、電源供給用貫通孔61,接地用貫通孔62,通信用貫通孔63,位置検出用貫通孔64の4つの貫通孔が設けられている。以下、これらの貫通孔を総称して貫通孔6という。そして、綴じ部材2は、電源供給用リング21,接地用リング22,通信用リング23,位置検出用リング24の4つのリングで構成されている。電源供給用貫通孔61には電源供給用リング21を挿入し、接地用貫通孔62には接地用リング22を挿入し、通信用貫通孔63には通信用リング23を挿入し、位置検出用貫通孔64には位置検出用リング24を挿入して、電子ペーパ5が綴じられる。また、各リング21〜24はマスターペーパ3に固定されている。リング21〜24とマスタペーパ3と固定部分には回転軸が備えられており、その回転軸を軸にしてリング21〜24は回動する。そして、スレーブペーパ4の各貫通孔6の周囲には導電性のブラシが貫通孔の中心に向かって設置されており、ブラシと各リングが確実に接触するようになっている。すなわち、電源供給用リング21を例に説明すると、図22に示すように、電源供給用貫通孔61内の長手方向の側面にはそれぞれブラシ110、111が設けられており、電源供給用貫通孔61内を貫通した電源供給用リング21に接触している。
電源供給用リング21は、マスタペーパ3に備えられているバッテリー54(図3参照)に接続され、スレーブペーパ4へ電源を供給する。また、接地用リング22は、マスタペーパ3に備えられている0Vのアース55(図3参照)に接続され、スレーブペーパ4からの接地に利用される。通信用リング23は、マスタペーパ3に備えられている内部通信部35(図3参照)及びスレーブペーパ4に備えられている内部通信部45(図3参照)を接続し、電子ペーパ5間で情報のやり取りを行うのに使用される。位置検出用リング24は、電子ペーパ5がどのような順で綴じ部材2に綴じられているかを検出するのに利用される。
ここで、図20及び図22を参照して、電源供給用リング21について説明する。図20に示すように、電源供給用リング21は、その端部1191,1192で切断された開閉式の環であり、可撓性を有している。そして、ユーザは、端部1191,1192を離す、すなわち、開閉部119を開くことにより、リングを撓ませ、開閉部119から電子ペーパ5を着脱させることができる。ここでは、図20に示すように、電源供給用リング21の開閉部119の図20における右側の端部を端部1191、左側の端部を端部1192とする。
電源供給用リング21の内部は絶縁体113であり、その絶縁体113は表面が導体114で覆われている。そして、図20に示すように、電源供給用リング21には凸部112が設けられており、この凸部112は導体114で覆われていない。さらに、端部1191,1192も、導体114で覆われておらず、開閉部119が閉じられている状態において、導体同士が接触することはない。そして、絶縁体113の内部には1本の導線116が埋め込まれている。この導線116の一端は凸部112から外部接続可能となっており、他の一端は導体114の端部1191側の端に設けられた接続点1162で導体114に接続されている。
尚、マスタペーパ3の電源供給用貫通孔61内のマスタペーパ3の端側には、1つの凹部が設けられている。そして、その凹部には、バッテリー54(図3参照)に接続された導線の一端が接続されている。マスタペーパ3の凹部に電源供給用リング21の凸部112が嵌合され、マスタペーパ3に電源供給用リング21が固定される。そして、導線116にはバッテリー54から5Vの電圧が印加され、導線116の接続点1162から導体114に電流が流れる。
また、図22に示すように、スレーブペーパ4の電源供給用貫通孔61の内側には、導電性のブラシ110,111が設けられており、導体114と接触している。そして、このブラシ110,111から取得された電源が電源回路(図示外)に接続し、スレーブペーパ4を駆動させるための電源とされる。
次に、図2及び図21を参照して、位置検出用リング24及び位置検出用リング24による電子ペーパ5の綴じ順序の検出方法について説明する。図21に示すように、位置検出用リング24は、その端部1491,1492で切断された開閉式の環であり、可撓性を有している。そして、ユーザは、端部1491,1492を離す、すなわち、開閉部149を開くことにより、リングを撓ませ、開閉部149から電子ペーパ5を着脱させることができる。ここでは、図21に示す、位置検出用リング24の開閉部149の図22における紙面右側の端部を端部1491、左側の端部を端部1492とする。
位置検出用リング24の内部は絶縁体143であり、その絶縁体143は表面がカーボン等の電気抵抗体144で覆われている。そして、図22に示すように、位置検出用リング24には凸部141,142が設けられており、この凸部141,142は電気抵抗体144で覆われていない。さらに、端部1491,1492も、電気抵抗体144で覆われておらず、開閉部149が綴じられている状態において、電気抵抗体同士が接触することはない。
さらに、開閉部149の端部1491には、位置検出用リング24の開閉を検出するスイッチ148が設けられている。このスイッチ148は、感圧センサであり、位置検出用リング24が綴じられているとONとなり、開放されているとOFFの状態となる。そして、このスイッチ148は、位置検出用リング24の絶縁体143の内部に埋め込まれた導線1481の一端に接続され、導線1481の他端は凸部142から外部に接続可能となっている。
尚、マスタペーパ3の位置検出用貫通孔64の内部には、2つの凹部が設けられており、マスタぺーパ3が位置検出用リング24に固定される。この凹部は、マスタペーパ3の短手方向に平行に向かい合う位置に設けられている。そして、マスタペーパ3の内側の凹部には、バッテリー54(図3参照)に接続された導線の一端及び開閉検出部39(図3参照)に接続された導線の一端が接続されており、外側の凹部には、アース55(図3参照)に接続された導線の一端が接続されている。
そして、位置検出用リング24の凸部141,142にマスタペーパ3の凹部が嵌合され、位置検出用リング24はマスタペーパ3に固定されている。したがって、導線146にはバッテリー54から5Vの電圧が印加され、導線146の接続点1462から電気抵抗体144に電流が流れ、導線147の接続点1472から導線147へ、そしてアース55へ電流が流れる。ここで、端部1491,1492は電気抵抗体144で覆われていないので、開閉部149が綴じられている状態で端部1491,1492がショートすることがない。バッテリー54から供給された電力は、電気抵抗体144を流れる間に、電気抵抗体144の抵抗により電圧は下がり、位置検出用リング24の端部1491から端部1492へ向かって、電圧が下がっていく。
また、スレーブペーパ4には、電圧計である電圧計測部48(図3参照)が設けられている。そして、位置検出用貫通孔14に設けられたブラシが電圧計測部48の端子として機能し、位置検出用貫通孔64に挿入されている位置検出用リング24に流れている電流の電圧を計測する。そして、電圧計測部48で計測された電圧値は、位置検出部47において、0〜255の値にA/D変換される。位置検出用リング24では、位置検出用リング24の端部1491から端部1492へ向かって電圧が下がるので、スレーブペーパ4の位置検出用リング24内での配置位置により、電圧計測部48で計測される電圧は異なった値となる。そこで、位置検出用リング24の中でそのスレーブペーパ4が0〜255のどの位置にあるかを検出し、電子ペーパ5の綴じ順序を検出することができる。尚、以下、A/D変換した値をA/D変換値と呼ぶこととする。後述するペーパ順序管理テーブル(図11参照)においては、このA/D変換値が位置検出用リング24内での電子ペーパ5の位置を示す「環内位置」の値として使用される。
図2に示すように、本実施の形態では、端部1491にスレーブペーパ4が存在する場合には、スレーブペーパ4の電圧計測部48において計測された電圧値が位置検出部47においてA/D変換値「255」と検出され、図2における端部1491の右隣にスレーブペーパ4が存在する場合には、A/D変換値は「254」と検出される。また、端部1492にスレーブペーパ4が存在する場合には、A/D変換値は「0」と検出され、図2における端部1492の左隣にスレーブペーパ4が存在する場合には、A/D変換値は「1」と検出される。そして、マスタペーパ3の図2における右隣にスレーブペーパ4が存在する場合にはA/D変換値は「129」と検出され、さらに右隣に存在する場合には「130」と検出される。また、マスタペーパ3の左隣にスレーブペーパ4が存在する場合にはA/D変換値は「127」と検出され、さらに左隣に存在する場合には「126」と検出され、さらに左隣に存在する場合には「125」と検出される。尚、マスタペーパ3は、位置検出用リング24において、A/D変換値が「128」に対応する位置に固定されている。
次に、図3を参照して、表示装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、表示装置1は、マスタペーパ3とスレーブペーパ4とから構成されている。尚、スレーブペーパ4は複数接続可能であるが、電気的構成はどのスレーブペーパ4でも同様であるため、図3においては1枚のスレーブペーパ4のみを記載している。
マスタペーパ3は、マスタペーパ3の全体を制御するCPU31と、プログラム等を記憶したROM32と、データを一時的に記憶するRAM33と、マスタペーパ3の製造番号を記憶したEEPROM34とを備えている。そして、ROM32とRAM33とEEPROM34とはバスを介してCPU31に接続されている。EEPROM34に記憶された製造番号は、それぞれのマスタペーパ3に固有の番号であり、他のマスタペーパ3から一意に識別できるマスタペーパ3の識別情報である。
また、表示用データを閲覧可能に表示するための表示部36と、表示用データ又は表示用データの所在情報を記憶するメモリカード38を読み込むためのメモリカードインタフェイス(I/F)137と、通信用リング23に接続してスレーブペーパ4との間でデータ通信を行うための通信回路を備えた内部通信部35と、時間を計測するための計時装置36とも同様にバスを介してCPU31に接続されている。そして、位置検出リング24のスイッチ148に接続し、位置検出リング24の開閉を検出する開閉検出部39もバスを介してCPU31に接続されている。
メモリカード38には、複数の表示用データから構成されるコンテンツが記憶されている。表示用データは1ページ分の画像や文書のデータである。一つの表示用データに基づいて電子ペーパの表示部36には1ページ分の画像や文書が出力される。また、メモリカード38には上述のコンテンツが1つだけ記憶されている。尚、メモリカード38に複数のコンテンツが記憶されていても良いが、その例については後述する。
さらに、マスタペーパ3には、マスタペーパ3及び綴じ部材2に綴じられているスレーブペーパ4に電源を供給するバッテリー54、表示装置1を安定して動作させるためのアース55が設けられている。バッテリー54は、スレーブペーパ4への電源供給のために、電源供給用リング21に接続しており、アース55は、スレーブペーパ4の動作安定のために接地用リング22に接続している。さらに、位置検出用リング24へ電流を流すために、バッテリー54及びアース55は位置検出用リング24に接続している。
一方、スレーブペーパ4は、スレーブペーパ4の全体を制御するCPU41と、プログラム等を記憶したROM42と、データを一時的に記憶するRAM43と、スレーブペーパ4の製造番号を記憶したEEPROM44とを備え、ROM42とRAM43とEEPROM44とはバスを介してCPU41に接続されている。EEPROM44に記憶された製造番号は、それぞれのスレーブペーパ4に固有の番号であり、他のスレーブペーパ4から一意に識別できるスレーブペーパ4の識別情報である。また、表示用データを閲覧可能に表示するための表示部46も同様にバスを介してCPU41に接続されている。
そして、通信用リング23に接続してマスタペーパ3との間でデータ通信を行うための通信回路を備えた内部通信部45も同様にバスを介してCPU41に接続されている。さらに、位置検出用リング24の電気抵抗体144(図3参照)に接続して、電気抵抗体144の電圧を計測する電圧計測部48が設けられている。そして、スレーブペーパ4がどの位置に配置されているかを検出するために電圧計測部48に接続し、計測された電圧をA/D変換する位置検出部47もCPU41にバスを介して接続されている。尚、位置検出部47が本発明の位置検出手段に相当する。
次に、図4を参照して、マスタペーパ3のRAM33について説明する。図4に示すように、RAM33には、現在表示装置1に綴じられている電子ペーパ5の数を記憶する接続ペーパ数記憶領域331,どの電子ペーパ5に何を表示させるのかを示すページ順序テーブル(後述)を記憶するページ順序テーブル記憶領域332,表示部36に表示する表示用データを格納するためのページデータ展開領域333,メモリカード36へのアクセス時に一時使用領域として使用するメモリカードアクセス用ワークエリア334,ページ順序テーブルを更新する際に旧テーブルを格納する表示処理ワークエリア335,表示中のコンテンツの何ページから表示させるかを格納する表示開始コンテンツページ番号記憶領域336,表示書換処理を実行させるペーパのページ番号を記憶する書換え開始ペーパページ番号記憶領域337,書換処理を実行したページ数を記憶する書換えページ数記憶領域338が設けられている。尚、RAM33には、図示外のその他の記憶領域も設けられている。
次に、図5を参照してページ順序テーブル記憶領域332に記憶されたページ順序テーブルについて説明する。ページ順序テーブルは、綴じられている電子ペーパ5の順序を示すペーパページ番号3321,各電子ペーパの製造番号3322,現在表示しているコンテンツのどのページをその電子ペーパ5に表示しているかを示す表示中コンテンツページ番号3323,その電子ペーパ5の位置情報を0〜255の値で示す環内位置3324の項目のデータが各電子ペーパ5について格納されている。ページ捲り(電子ペーパの位置の変更)がなされたときにこのページ順序テーブルを更新することで、適切な表示用データを各電子ペーパの表示部に表示させることができる。
次に、図6を参照して、スレーブペーパ4のRAM43について説明する。図6に示すように、RAM43には、位置検出部47の検出結果である位置情報を記憶する接続位置記憶領域431,綴じられている電子ペーパ5の中で当該スレーブペーパ4が何番目かを示すペーパページ番号を記憶するペーパページ番号記憶領域432,表示部46に表示する表示用データを格納するためのページデータ展開領域433,図示外のその他の記憶領域が設けられている。
次に、以上の構成を有する表示装置1の動作について、図7〜図19を参照して説明する。まず、図7〜図18を参照して、マスタペーパ3の動作について説明する。図7は、マスタペーパ3のメイン処理(マスタペーパメイン処理)のフローチャートである。図8は、マスタペーパメイン処理の中で実行されるペーパ情報収集処理のフローチャートである。図9は、マスタペーパメイン処理のS20でペーパ情報収集処理を実行した場合のRAM33の記憶領域の状態の例を説明する説明図である。図10は、マスタペーパメイン処理のS40を実行した場合のRAM33の記憶領域の状態の例を説明する説明図である。図11は、マスタペーパメイン処理の中で実行されるデータ表示処理のフローチャートである。図12は、先頭ページを捲った直後にマスタペーパメイン処理のS110でペーパ情報収集処理を実行した場合のRAM33の記憶領域の状態の例を説明する説明図である。図13は、マスタペーパメイン処理の中で実行される先頭ページ位置走査処理のフローチャートである。図14は、先頭ページ位置走査処理を実行した後のRAM33の記憶領域の状態の例を説明する説明図である。図15は、マスタペーパメイン処理の中で実行される後端ページ位置走査処理のフローチャートである。図16は、後端ページを捲った場合のRAM33の記憶領域の状態の例を説明する説明図である。図17は、後端ページ位置走査処理を実行した後のRAM33の記憶領域の状態の例を説明する説明図である。図18は、マスタペーパメイン処理の中で実行される複数ページ位置検出処理のフローチャートである。
まず、図7に示すように、マスタペーパメイン処理では、表示装置1に綴じられている電子ペーパ5の位置情報・識別情報を収集し、メモリカード38に記憶されているコンテンツの表示用データを各電子ペーパ5に割り当てる処理を行う。綴じ部材2が開閉されたり、ページ捲りが行われたりするたびに、これらの処理を実行して状態を更新して処理を繰り返す。
図示しない電源ボタンによりマスタペーパ3の電源がONされるとマスタペーパメイン処理が開始される。マスタペーパメイン処理が開始されると、表示開始コンテンツページ番号を1として表示開始コンテンツページ番号記憶領域336に格納する(S10)。次に、表示装置1に綴じられている電子ペーパ5の情報であるペーパ情報を収集するペーパ情報収集処理を実行する(S20)。尚、ペーパ情報とは、どの電子ペーパ5がどこに位置しているかを示す情報である。
ここで、ペーパ情報収集処理の詳細について、図8及び図9を参照して説明する。ペーパ情報収集処理では、0〜255の位置にあるスレーブペーパ4に順に製造番号を問い合わせ、どのスレーブペーパ4がどこに位置しているかの対応関係をページ順序テーブルに記憶させる。
図8に示すように、ペーパ情報収集処理では、まず走査位置に0をセットして初期化する。そして、マスタペーパ3自身も表示装置1内に綴じられていることから、まずマスタペーパ3についてのペーパ情報を記憶する。すなわち、接続ペーパ数記憶領域331に接続ペーパ数を1と記憶し、マスタペーパ3の製造番号と位置情報をページ順序テーブルに記憶する(S21)。
次に、0の走査位置から順にスレーブペーパ4に対して製造番号を問い合わせる処理を行う。問い合わせた走査位置にスレーブペーパ4が存在しない場合には応答が返ってこないので、その場合にはタイムアウト処理を行う。そのために、まず応答待ちのためのタイマをセットする(S22)。次に、対象とする走査位置にある可能性のあるスレーブペーパ4に対して製造番号を問い合わせる(S23)。尚、本実施形態では、マスタペーパ3とスレーブペーパ4間のデータ送信は、(宛先タイプ,宛先位置,宛先製造番号,コマンド,データ)のような形式を用いて行っている。ここでは、例えば、0の走査位置に対して製造番号を問い合わせるコマンド(S,0,*,REQID)を送信する。
次に、このコマンド送信に対してスレーブペーパ4から応答が得られたか否かを判断する(S24)。応答があった場合には(S24:YES)、応答にあったスレーブペーパ4の製造番号をページ順序テーブルのペーパ番号3322に、今回対象としている走査位置を環内位置3324に記憶する(S25)。そして、綴じられている電子ペーパの数(接続ペーパ数)に1を加算する(S26)。一方、応答がない場合は(S24:NO)、所定時間経過してタイムアウトになるまで(S27:NO)、S24に戻って処理を繰り返し、タイムアウトになったら(S27:YES)、次の走査位置の処理に進む(S28)。
対象走査位置の処理が終了したら(S26又はS27:YES)、次の走査位置を対象とするために走査位置に1を加算する(S28)。そして、走査位置255まで処理が終了するまで(S29:NO)、S22〜S29を繰り返す。全ての走査位置について処理が終了したら、環内位置3324をキーにして環内位置3324が若い順にページ順序テーブルのレコードを並び替え、更に、環内位置3324が若い順にペーパページ番号を1から順番に割り振る(S30)。以上で表示装置1内の全ての電子ペーパの位置と製造番号が収集できたので、ペーパ情報収集処理を終了してマスタペーパメイン処理に戻る。尚、S23において問い合わせ先の環内位置3324が128である場合、S27において必ずタイムアウトになってしまう。なぜなら、本実施形態ではマスタペーパ3の環内位置3324が128なので、スレーブペーパ4の環内位置3324が128になることはないからである。
図9は、ペーパ情報収集処理が終了したときのRAM33の記憶領域の状態である。接続ペーパ数記憶領域331には3が格納されているから、現在表示装置1に綴じられている電子ペーパの数はマスタペーパ3を入れて3枚である。そして、ページ順序テーブルには3枚の電子ペーパそれぞれの情報が上に位置する順に並べられており、先頭頁は環内位置127の製造番号S00234のスレーブペーパ4、次がマスタペーパ3(製造番号はM00001,環内位置は128)、最終頁は環内位置129の製造番号S04058のスレーブペーパ4となっている。
次に、図7に戻ってマスタペーパメイン処理の説明を継続する。ペーパ情報収集処理が終了したので(S20)、次に、コンテンツの表示用データを各ペーパに割り当てるページ割り当て処理を行う(S40)。すなわち、図10に示すように、ペーパページ番号3321が1の電子ペーパから順に、表示中コンテンツページ番号3323を、1、2、3と表示中コンテンツのページを割り当てる。そして、書換え開始ペーパページ番号記憶領域337に1を格納し、書換えページ数記憶領域338に3を格納する。この設定により、次に説明するデータ表示処理が1ページ目のペーパから全ペーパに対して実行される。
次に、割り当てたコンテンツのページを各電子ペーパに表示させるデータ表示処理を実行する(S50)。ここで、図11を参照して、データ表示処理について説明する。まず、書換えすべきページ数が0に達したかどうかを判断する(S51)。書換えページ数が0になるまでの間(S51:NO)、以下の処理を繰り返し実行する。
まず、書換え開始ペーパページ番号(図10の例では1)の表示中コンテンツページ番号(図10の例では1)の表示用データをメモリカード38から読み出して、ページデータ展開領域333に格納する(S52)。すなわち、まず1ページ目の電子ペーパに表示用コンテンツの第1ページを表示させるために、1ページ目の表示用データを読み込む。
次に、ページ番号3321が書換え開始ペーパページ番号である電子ペーパの製造番号が、マスタペーパ3自身の製造番号か否かを判断する。マスタペーパ3自身の製造番号であれば(S53:YES)、その表示用データをそのままマスタペーパ3の表示部36に表示させる(S54)。図10の例では、ページ番号3321が書換え開始ペーパページ番号(=1)であるペーパの製造番号3322は「S00234」であり、マスタペーパ3の製造番号ではないから(S53:NO)、その製造番号のスレーブペーパ4に表示用データを送信する(S55)。この場合のデータ送信は、(S,*,S00234,REQWRITE,[表示用データ])となる。後述のように、このコマンドを受信したスレーブペーパ4は、その表示部46に受信した表示用データを表示させ、表示完了を通知してくるので、その応答を受信するまで待機する(S56)。
以上で1ページ目用の表示用データが1枚目の電子ペーパに表示されたので、書換えすべきペーパの数(書換えページ数)から1を減算する(S57)。そして、次に位置している電子ペーパ5に表示用データを表示させるために、書換え開始ペーパページ番号に1を加算する(S58)。ここでは、書換えページ数が2となり、書換え開始ペーパページ番号が2となる。
そして、表示装置1内の全ての電子ペーパに表示が完了したか否かを判断するため、書換え開始ペーパページ番号が接続ペーパ数を上回ったかどうかを判断する(S59)。ここでは、接続ペーパ数は3であり、書き換え開始ペーパページ番号は2であるから、S51に戻って次の位置の電子ペーパへの表示処理を行う。次回の処理では、ページ番号3321が書換え開始ペーパページ番号(=2)である電子ペーパの製造番号は「M0001」であり、マスタペーパ3自身の製造番号であるから(S53:YES)、ページデータ展開領域333に格納された表示用データをそのまま表示部36に表示させる(S54)。そして、書換えページ数を減算して1とし(S57)、書換え開始ペーパページ番号を加算して3とする(S58)。以上で2ページ目の表示用データの表示が完了する。
まだ表示処理は完了していないので(S59:NO)再度S51に戻り、次のペーパに対する表示処理を行う。次回の処理では、ペーパページ番号3321が書換え開始ペーパページ番号(=3)である電子ペーパの製造番号は「S04058」のスレーブペーパ4であるから(S53:NO)、そのスレーブペーパ4に表示用データを送信して表示させる(S55)。そして、書換えページ数を減算して0とし(S57)、書換え開始ペーパページ番号を加算して4とする(S58)。
以上で表示装置1内の3枚のペーパ全てに表示がなされた(書換え開始ペーパページ番号が接続ペーパ数を越えた)ので(S59:YES)、書換え開始ペーパページ番号に1をセットして(S60)、S51に戻り、書換えページ数が0になっているので(S51:YES)、マスタペーパメイン処理に戻る。
尚、S52において表示中コンテンツページ番号に対応する表示用データが存在しない場合は、白紙の表示用データをページデータ展開領域333に格納する。また、表示中コンテンツページ番号に後述の「コンテンツ終了を示す画面データにリンクする値」が設定されている場合には、コンテンツ終了を示す画面データをページデータ展開領域333に格納する。また、表示中コンテンツページ番号に後述の「コンテンツ先頭を示す画面データにリンクする値」が設定されている場合には、コンテンツ先頭を示す表示用データをページデータ展開領域333に格納する。コンテンツ終了を示す表示用データ及びコンテンツ先頭を示す表示用データはそれぞれEEPROM34に記憶されている。ここでは、EEPROM34に記憶されているものとして説明するが、コンテンツ終了を示す表示用データ及びコンテンツ先頭を示す表示用データは、どこに記憶されていても良い。
図7に戻り、マスタペーパメイン処理の説明を継続する。以上で表示装置1内の3枚の電子ペーパ5のそれぞれにコンテンツの1ページから3ページが表示されたので(S50)、次に、綴じ部材2が開閉されたか否かを判断する(S70)。既に述べたように、綴じ部材2の開閉は、位置検出リング24のスイッチ148により検出される。開閉されていれば(S70:YES)、電子ペーパ5の追加や取り外しが行われている可能性があるので、再度ペーパ情報収集処理を実行し(S80,図8)、更新されたページ順序テーブルに従ってページ割り当て処理を行うとともに、書換え開始ペーパページ番号記憶領域337に1を格納し、書換えページ数記憶領域338に接続ペーパ数をセットする(S90)。そして、ページ割り当て済のページ順序テーブルに従って各電子ペーパに表示用データを表示させる(S200,図11)。
綴じ部材2が開閉されていない場合には(S70:NO)、ページ捲りが行われたかどうかをチェックしてページ捲りがあった場合には表示部36,46への表示用データを適宜書き換える処理を行う(S100〜S200)。まず、ページ順序テーブル記憶領域332に記憶されている現在のページ順序テーブルを、表示処理ワークエリア335に旧ページ順序テーブルとしてコピーする(S100)。
次に、ページ捲りが行われたかどうかをチェックするために、ペーパ情報収集処理を実行する(S110,図8)。例えば、S110の実行後、ページ順序テーブルは図12に示すような状態に更新される。旧ページ順序テーブルでは環内位置3324が127で先頭ページ(ページ番号1)だった「S00234」のスレーブペーパ4が、ページ順序テーブルでは、環内位置3324が130となり後端ページ(ページ番号3)に来ている。
次に、S110で更新されたページ順序テーブルを参照して先頭ページの位置を確認し、後端に来たページの表示内容を更新する準備をする先頭ページ位置走査処理を実行する(S120)。
ここで、図13を参照して、先頭ページ位置走査処理について説明する。図13に示すように、先頭ページ位置走査処理では、まず、走査の対象とする走査ペーパ番号に、表示処理ワークエリア335に記憶されている旧ページ順序テーブルの先頭位置のペーパの製造番号を設定する(S121)。図12の例では、走査ペーパ番号=S00234と設定される。
次に、S121で設定した走査ペーパ番号のペーパのページ順序テーブルにおけるペーパページ番号と、接続ペーパ数とが同一かどうかを判断する(S122)。走査ペーパ番号のペーパは、旧ページ順序テーブルの先頭位置のペーパであり、接続ペーパ数は、最終ページのページ番号と等しいから、この2つの値が等しい場合は(S122:YES)、先頭ページだったペーパが捲られて最終ページになったということであるから、現在のページ順序テーブルの後端ペーパに表示するべき表示中コンテンツページ番号3323が、後端ペーパの1ページ前のペーパの次のページになるように、表示中コンテンツページ番号3323の値を更新する(S124)。図12の例では、後端である「S00234」の表示中コンテンツページ番号3323の値は「1」であるが、これを1ページ前の表示中コンテンツページ番号3323の値「3」の次のページである「4」に更新する(図14参照)。
そして、表示装置1で現在表示しているコンテンツの何ページ目が先頭の電子ペーパに表示されているかを示す表示開始コンテンツページ番号を1増やして、表示開始コンテンツページ番号記憶領域336に記憶する。図12の例で表示開始コンテンツページ番号は「1」だったが、先頭ページが捲られた結果、現在の先頭ページ([M0001])に表示されているコンテンツのページは2ページ目となっているから、表示開始コンテンツページ番号は「2」に更新される(図14参照)。
次に、現在のページ順序テーブルの後端ペーパに表示するべき表示中コンテンツページ番号がコンテンツのコンテンツページ数よりも大きいかどうかを判断する(S126)。コンテンツページ数よりも大きい場合は、先頭ページを捲って後端ページとしたが、後端ページに表示すべきコンテンツデータがない場合にあたる。このような場合には(S126:YES)、書き換え開始ペーパページ番号記憶領域337に1を記憶し(S129)、書換えページ数に「1」を設定して書換えページ数記憶領域338に記憶させた上で(S130)、現在のページ順序テーブルの後端ペーパに表示するべき表示中コンテンツページ番号にコンテンツ終了を示す画面データにリンクする値を設定する(S131)。そして、マスタペーパメイン処理に戻る。
後端ペーパの表示中コンテンツページ番号がコンテンツページ数以下であれば(S126:NO)、表示の書換えが必要なペーパのページ番号を接続ペーパ数とする(S127)。ここでは、先頭だったペーパがページ捲りされ後端に移ったので、その後端のページの表示を書き換える必要がある。後端のページのペーパページ番号は、接続ペーパ数と同一の値であるから、書き換え開始ペーパページ番号を接続ペーパ数とする。図12の例では、ページ捲りされて先頭(ペーパページ番号=1)から後端(ペーパページ番号=3)に移った「S00234」のペーパに、コンテンツの次のページを表示させたい。従って、図14に示すように、書き換え開始ペーパページ番号記憶領域337に3が記憶される。
そして、今回書き換えたいペーパの数は後端のペーパのみであるから、書換えページ数に「1」を設定して書換えページ数記憶領域338に記憶させて(S128)、マスタペーパメイン処理に戻る。
一方、走査ペーパ番号のペーパページ番号と接続ペーパ数とが同一の値でなければ(S122:NO)、先頭ページが捲られて後端に行ってはいないから、表示の書換えを実行する必要がないので、書換えページ数に0を設定し(S123)、マスタペーパメイン処理に戻る。
図7に戻り、マスタペーパメイン処理の説明を継続する。先頭ページのページ捲りがあったかどうかが以上の先頭ページ位置走査処理(S120,図13)で判断されたので、次に、その結果に基づいてページ捲りがあったか否かを判断する(S140)。ページ捲りがあったかどうかは、具体的には、先頭ページ位置走査処理の結果、書換えページ数記憶領域338の値に「1」が記憶されているか否かにより判断できる。ページ捲りがあった場合には(S140:YES)、S120で更新されたページ順序テーブル、表示開始コンテンツページ番号、書換え開始ペーパページ番号、書換えページ数(図14参照)に従って、各電子ペーパ5に表示用データを表示させる(S200,図11)。
ページ捲りがなかったと判断された場合には、次に、後端ページのページ捲りが行われたかを調べ、先頭に移動したページの表示内容を更新する準備をする後端ページ位置走査処理を行う(S150)。
ここで、図15〜図17を参照して、後端ページ位置走査処理について説明する。図15に示すように、後端ページ位置走査処理では、まず、走査の対象とする走査ペーパ番号に、表示処理ワークエリア335に記憶されている旧ページ順序テーブルの後端のペーパの製造番号を設定する(S151)。図16の例では、走査ペーパ番号=S04058と設定される。
次に、S121で設定した走査ペーパ番号のペーパのページ順序テーブルにおけるペーパページ番号が「1」であるかを判断する(S152)。走査ペーパ番号のペーパは、旧ページ順序テーブルの後端位置のペーパであるから、これが現在のページ順序テーブルで「1」である場合(S152:YES)、後端ページだったペーパが捲られて先頭ページになったということであるから、現在のページ順序テーブルの先頭ペーパに表示するべき表示中コンテンツページ番号3323が、2ページ目のペーパの前のページになるように、表示中コンテンツページ番号3323の値を更新する(S154)。図16の例では、現在先頭である「S04058」の表示中コンテンツページ番号3323の値は「6」であるが、これを2ページ目の表示中コンテンツページ番号3323の値「4」の前のページである「3」に更新する(図17参照)。
そして、表示装置1で現在表示しているコンテンツの何ページ目が先頭の電子ペーパ5に表示されているかを示す表示開始コンテンツページ番号を1減らして、表示開始コンテンツページ番号記憶領域336に記憶する(S155)。図16の例で表示開始コンテンツページ番号は「4」だったが、後端ページが先頭へ捲られた結果、現在の先頭ページ([S04058])に表示されているコンテンツのページは3ページ目となっているから、表示開始コンテンツページ番号は「3」に更新される(図17参照)。
次に、表示開始コンテンツページ番号が「1」より小さいかどうかを判断する(S156)。1ページ目から表示させていた状態で、後端ページを先頭に捲ると、表示開始コンテンツページ番号は「0」になってしまう(S156:YES)。このような場合は、書き換え開始ペーパページ番号記憶領域337に1を記憶し(S159)、書換えページ数に「1」を設定して書換えページ数記憶領域338に記憶させた上で(S160)、現在のページ順序テーブルの先頭ペーパに表示するべき表示中コンテンツページ番号にコンテンツ先頭を示す画面データにリンクする値を設定する(S161)。そして、表示開始コンテンツページ番号を0として(S162)、マスタペーパメイン処理に戻る。
表示開始コンテンツページ番号が「1」以上であれば(S156:NO)、表示の書換えが必要な電子ペーパ5のページ番号(書換え開始ページ番号)を1とする(S157)。ここでは、後端だったペーパがページ捲りされて先頭ページに移ったので、先頭ページの表示を書き換える必要があるため、「1」に設定する(図17参照)。
そして、今回書き換えたい電子ペーパ5の数は先頭の電子ペーパ5のみであるから、書換えページ数に「1」を設定して書換えページ数記憶領域338に記憶させて(S158)、マスタペーパメイン処理に戻る。
一方、走査ペーパ番号のペーパページ番号が1でなければ(S152:NO)、後端ページが捲られて先頭に行ってはいないから、表示の書換えを実行する必要がないので、書換えページ数に0を設定し(S153)、マスタペーパメイン処理に戻る。
図7に戻り、マスタペーパメイン処理の説明を継続する。後端ページのページ捲りがあったかどうかが以上の後端ページ位置走査処理(S150)で判断されたので、次に、後端ページのページ捲りがあったか否かを判断する(S170)。ページ捲りがあったかどうかは、具体的には、先頭ページ位置走査処理の結果、書換えページ数記憶領域338の値に「1」が記憶されているか否かにより判断できる。ページ捲りがあった場合には(S170:YES)、S150で更新されたページ順序テーブル、表示開始コンテンツページ番号、書換え開始ペーパページ番号、書換えページ数(図17参照)に従って、各電子ペーパに表示用データを表示させる(S200,図11)。
後端ページのページ捲りがなかった場合には(S170:NO)、次に、複数ページが一度に捲られたかどうかを判断する複数ページ位置走査処理を実行する(S180)。
ここで、図18を参照して、複数ページ位置走査処理について説明する。図18に示すように、複数ページ位置走査処理では、まず、走査の対象とする走査ペーパ番号に、表示処理ワークエリア335に記憶されている旧ページ順序テーブルの後端の電子ペーパ5の製造番号を設定する(S181)。
次に、S181で設定した走査ペーパ番号の旧ページ順序テーブルにおけるページ番号と、現在のページ順序テーブルにおけるページ番号とが等しいか否かを判断する(S182)。旧ページ番号と新ページ番号が等しければ(S182:YES)、ページ捲りは行われていないので、そのまま書換ページ数を「0」として(S183)、マスタペーパメイン処理に戻る。
一方、既に、先頭ページ位置走査処理(S120,図13)と後端ページ位置走査処理(S150,図15)において、先頭ページ又は後端ページが1ページだけ捲られる場合については処理が済んでいるので、ここで旧ページ番号と新ページ番号が等しくない場合は(S182:YES)、複数ページが一度に捲られた場合のみである。この場合には、表示中コンテンツページ番号3323の値を、現在のページ順序テーブル先頭の表示中コンテンツページ番号とし(S184)、ページ順序テーブルの2番目以降の表示中コンテンツページ番号を先頭ページに合うように更新する(S185)。そして、書換え開始ペーパページ番号を2として、書換えページ数を接続ペーパ数から1差し引いた値とする(S187)。以上の処理により、2ページ目以降の全てのページが書き換えられ、適切な表示となる。そして、マスタペーパメイン処理に戻る。
図7に戻り、マスタペーパメイン処理の説明を継続する。複数ページのページ捲りがあったかどうかが以上の複数ページ位置検出処理(S180)で判断されたので、次に、複数ページのページ捲りがあったか否かを判断する(S190)。ページ捲りがあったかどうかは、具体的には、複数ページ位置検出処理の結果、書換えページ数記憶領域338の値に「0」以外の値が記憶されているか否かにより判断できる。ページ捲りがあった場合には(S190:YES)、S180で更新されたページ順序テーブル、表示開始コンテンツページ番号、書換え開始ペーパページ番号、書換えページ数に従って、各電子ペーパに表示用データを表示させる(S200,図11)。
以上の処理により、綴じ部材の開閉、ページ捲りの際の表示内容の書換えが実行されたので、S70に戻って処理を繰り返す。
次に、図19を参照して、スレーブペーパ4で実行されるスレーブペーパメイン処理について説明する。図19は、スレーブペーパメイン処理のフローチャートである。まず、位置検出部47の出力値を取得して、自身の接続位置を更新し、接続位置記憶領域431に記憶する(S301)。次に、マスタペーパ3からのコマンド受信を待つ(S302)。
そして、受信したコマンドに含まれる宛先位置が、自身の接続位置(接続位置記憶領域431に記憶されている位置)であるか否かを判断する。宛先位置が接続位置である場合には(S303:YES)、受信したコマンドが、製造番号の問い合わせであるか否かを判断する(S304)。製造番号の問い合わせコマンド(REQID)である場合には(S304:YES)、EEPROM44に記憶されているスレーブペーパ4自身の製造番号をマスタペーパ3に応答する(S305)。本実施形態では、この応答送信は(M,*,*,SENDID,製造番号)となる。製造番号の問い合わせコマンドでない場合は(S304:NO)、そのままS301に戻る。
宛先位置が接続位置でない場合には(S303:NO)、次に、宛先となっている製造番号が自身の製造番号か否かを判断する(S306)。宛先製造番号が自身の製造番号でない場合には(S306:NO)、そのままS301に戻る。
宛先製造番号が自身の製造番号である場合には(S306:YES)、受信したコマンドが表示画像の書き込みの指示であるか否かを判断する(S307)。書き込み指示コマンド(REQWRITE)である場合には(S307:YES)、コマンドとともに受信した表示用データをページデータ展開領域433に書き込み(S308)、続いて、展開した表示用データを表示部46に表示させて(S309)、表示を完了した旨をマスタペーパ3に応答する(S310)。本実施形態では、この応答送信は(M,*,*,SENDDONE,NULL)となる。そして、S301に戻る。
書き込み指示コマンド(REQWRITE)でなかった場合には(S307:NO)、次に、受信したコマンドが位置情報の問い合わせであるか否かを判断する(S311)。位置情報の問い合わせコマンド(REQPOS)である場合には(S311:YES)、接続位置記憶領域431に記憶されている位置情報を取り出して、マスタペーパ3に応答する(S312)。本実施形態では、この応答送信は(M,*,*,SENDPOS,接続位置)となる。位置情報の問い合わせコマンド(REQPOS)でなかった場合には(S311:NO)、そのままS301に戻る。
以上のように、スレーブペーパ4では、接続位置を更新しつつ、マスタペーパ3からのコマンド受信を待ち、受信したコマンドに従って表示部46への表示内容を更新したり、情報をマスタペーパ3に送信したりする。
以上説明したように、本実施形態の表示装置1によれば、リング状の綴じ部材2にスレーブペーパ4が綴じられ、そのうちの位置検出リング24には電圧が印加されて、各スレーブペーパ4で位置検出リング24を流れる電圧値を計測する。その電圧値を変換して位置情報が得られ、マスタペーパ3が位置情報を収集して各ペーパを位置の順に並び替えることにより、現在のペーパの並び順を把握して、コンテンツの適切なページを表示させることができる。このように位置情報を用いることで、ページ捲りが行われたり、スレーブペーパ4の追加や取り外しが行われたときも、その都度ペーパ情報を更新すれば、現在のペーパの並び順にあわせた表示内容に書き換えることができる。また、綴じ部材2がリング状に形成されており、各スレーブペーパ4がそれぞれ位置検出部を有するため、スレーブペーパ4は所望の位置に適宜追加、取り外しが可能である。
尚、上述の実施形態によれば綴じ部材2がリング状であると説明したが、電子ペーパの貫通孔に貫通する貫通部を備えている形状であればどのような形状でもよい。例えば棒状の貫通部を備えた綴じ部材により電子ペーパが綴じられていてもよい。
尚、上述の実施形態によればメモリカード38にコンテンツが1つだけ記憶されているものとして説明したが、メモリカード38にコンテンツが複数記憶されている場合は、S10の前にコンテンツを選択する処理を行なって選択されたコンテンツを表示させる。コンテンツを選択する処理については様々な方法が考えられる。例えば、マスタペーパに操作ボタンを設けておき、メモリカード38に入っているコンテンツをサムネイル表示させ、操作ボタンによりユーザに選択させればよい。
また、データ送信は、(S,*,S00234,REQWRITE,[表示用データ])というように、製造番号を識別子として通信を行う例をあげたが、(S,127,*,REQWRITE,[表示用データ])のように、環内位置を使って通信を行うこともできる。このような通信方法であれば、スレーブペーパの識別子を収集することなく、同様の処理が実行できる。
尚、本実施形態において、図7のS20,S80,S110及び図8でペーパ情報収集処理を実行するマスタペーパ3のCPU31が本発明の位置情報取得手段及び識別情報取得手段に相当する。また、図8のS30で並び替え処理を実行するCPU31が本発明の順序算出手段に相当する。また、図7のS40及びS90、図13のS124,図18のS154でページ割り当て処理を実行するマスタペーパ3のCPU31が本発明の割当手段に相当する。また、図19のS312で位置情報を応答するスレーブペーパ4のCPU41が本発明の位置情報送信手段に相当する。