JP2008051255A - 自動変速機のシフト切換装置、切換方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

自動変速機のシフト切換装置、切換方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】シフト・バイ・ワイア方式のシフト制御システムにおいて、自車と障害物との衝突や接触を適切に回避する。
【解決手段】SBW−ECUは、車両が停止中に(S1010にてYES)、Dポジションへの変速操作を検出すると(S1020にてYES)、自車と前方障害物との距離L(F)を検出するステップ(S1030)と、L(F)が自車の現在位置に基づいてSBW−ECU自身が設定した前進用しきい値F(TH)以下であると(S1050にてYES)Dポジションへの変速操作を無効化するステップ(S1060)と、L(F)が前進用しきい値F(TH)以下でないと(S1050にてNO)Dポジションへの変速操作を有効としてシフトポジションを非走行ポジションからDポジションへ変更するステップ(S1070)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動変速機のシフトポジション(シフトレンジ)をモータ等からなるアクチュエータを介して切換える自動変速機のシフト切換に関し、特に車両が走行するシフトポジションへの切換を制限する、自動変速機のシフト切換に関する。
車両に搭載される自動変速機の中には、トルクコンバータなどの流体継手と歯車式変速機構とから構成される有段式の自動変速機や、油圧によって有効径を変化させる2つのプーリとそれらプーリに巻き掛けられた金属ベルトとから構成される無段式の自動変速機がある。
有段式の自動変速機は、エンジンと、トルクコンバータ等の流体継手を介して接続される。有段式の自動変速機は、複数の動力伝達経路を有してなる変速機構(歯車式変速機構)から構成され、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切換えを行なう、すなわち自動的に変速比(走行速度段)の切換えを行なうように構成される。有段式の自動変速機においては、摩擦要素である、クラッチ要素やブレーキ要素やワンウェイクラッチ要素が、所定の状態に係合および解放されることにより、ギヤ段が決定される。
無段式の自動変速機も、エンジンとトルクコンバータ等の流体継手を介して接続される。たとえばベルト式無段変速機は、金属ベルトと一対のプーリとを用いて、油圧によってプーリの有効径を変化させることで連続的に無段の変速を実現する。詳しくは、無端金属ベルトが、入力軸に取付けられた入力側プーリおよび出力軸に取付けられた出力側プーリに巻き掛けられて使用される。入力側プーリおよび出力側プーリは、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブをそれぞれ備え、溝幅を変えることで、無端金属ベルトの入力側プーリおよび出力側プーリに対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸と出力軸との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
このようないずれのタイプの自動変速機においても、従来においては、一般的に、自動変速機を有した車両には運転者(以下、運転者をドライバと記載する場合がある)により操作されるスライド式のシフトレバーが設けられ、シフトレバーのスライド操作に基づいて変速ポジション(たとえば、パーキングポジション(Pポジション)後進走行ポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行ポジション(Dポジション))が設定されている。したがって、シフトレバーの位置により(シフトレバーがスライド溝のどの位置にあるのかを目視することにより)、現在の自動変速機のシフトポジションを運転者が認識できる。
なお、シフトレンジとは、複数の前進変速ギヤ段(たとえば6速)を有する(後進変速ギヤ段を1段しか有しないとする)自動変速機における前進走行時に使用する変速ギヤ段の範囲を示すものである。たとえば、1レンジであると1速のみを使用し、2レンジであると1速および2速を使用し、3レンジであると1速、2速および3速を使用し、Dレンジであると1速から6速を使用することになる。
最近では、こうしたスライド式のシフトレバーによるシフト操作装置のみならず、いわゆるシフト・バイ・ワイア方式のシフト操作装置も知られている。こうした方式のシフト操作装置では、運転者のシフト操作をセンサやスイッチ(センサ類)によって検出し、その検出信号に応じて複数のポジションの中の1つのポジションを選択する構成となっている。さらに、このようなシフト・バイ・ワイア方式の場合には、シフトレバーはスライド式に限定されるものではなく、いわゆるジョイスティック方式の操作子やプッシュボタン方式の操作子の採用も提案されている。このジョイスティック方式の操作子では、運転者が前後左右にレバーを傾動させることでシフト操作が行なわれるようになっている。
スライド式のシフトレバーによるシフト操作装置であっても、いわゆるシフト・バイ・ワイア方式のシフト操作装置であっても、運転者の変速操作により、非走行ポジション(PポジションやNポジション)から走行ポジション(DポジションやRポジション)へのシフトポジションの切換えられた結果、車両の走行を開始する。走行が開始されると、自車の周囲の障害物に運転者が気付かない場合、その障害物に衝突や接触する可能性がある。
このようなシフトポジションの切換制御に関して、特開2003−65430号公報(特許文献1)は、運転者の誤判断または誤操作原因により車両の安全走行状態を失する可能性があるとき、車両の走行可能な状態を解除することができる自動変速機のシフトポジション切換え制御装置を開示する。この自動変速機のシフトポジション切換え制御装置は、自動変速機のシフトポジションを、パーキングを含む各種走行ポジションに切換えるためのシフトポジション切換機構と、シフトポジション切換機構の駆動源をなすアクチュエータと、アクチュエータを駆動する駆動回路と、外部操作によって入力される切換指令に従い駆動回路を介してアクチュエータを駆動することにより、自動変速機のシフトポジションを切換指令に対応したシフトポジションへ制御する制御部とを備える。自動変速機は、車両に推進力を伝達する内燃機関に接続されている。制御部は、車両が後進走行状態にあるとき、車両の車速が所定の車速を超えてしまっていると判断すると、切換指令に係らず、車両の走行可能な状態を解除する。
この自動変速機のシフトポジション切換え制御装置によると、車庫入れ等の後進走行時にアクセルペダルをブレーキペダルとを踏み間違える等の運転者の誤操作原因により、所定の車速を超えた過車速状態が生じたとき、車両の走行可能な状態を解除するシフトポジションへの制御が可能であるので、車両の安全走行状態を失する状態の回避ができる。
この特許文献1に開示された制御装置は車両の走行中であったが、実開平2−7021号公報(特許文献2)は、停止している車両におけるシフト操作に関する安全装置を開示する。詳しくは、特許文献2は、停止している車両の前方や後方に障害物がありながらも、運転者が無意識にその障害物がある方向へ発進するシフトポジションにチェンジレバーを操作することによる事故発生の可能性を回避する、オートマチック車の安全装置を開示する。このオートマチック車の安全装置は、チェンジレバーをシフトさせてシフトポジションを切換えることにより、トランスミッションのギヤの組合せを変えるオートマチック車において、(イ)チェンジレバーによるシフトチェンジを阻止する阻止部と、(ロ)車の前部、後部に配置され、それぞれ前方、後方に超音波を送波し、その反射波を受波する距離測定部と、(ハ)エンジン始動時に、距離測定部からの信号に基づいて車両の前方、後方の少なくともいずれか一方に障害物があると判定されると、阻止部を動作させて障害物が位置する方向に進むシフトポジションへのシフトチェンジを阻止する制御部とを含む。
この安全装置によると、エンジン始動時に車両の前方あるいは後方に障害物がある場合、この車両の前後に設けられた距離測定部により阻止部が作動して、DポジションやRポジションへシフトポジションを切換えることができないようにしてある。このため、エンジン始動時に、車両の前後方向に障害物があると、その障害物がある方向へは進むことができないので、シフトチェンジの誤動作により発進して障害物に衝突したり接触したりすることを回避できる。
特開2003−65430号公報 実開平2−7021号公報
しかしながら、特許文献1は、既に車両が走行中である場合における危険回避策を開示しているに過ぎない。これに対して、特許文献2は、車両停止中からの危険回避策を開示しているが、設定距離l0よりも短い範囲に障害物を検出するとその方向へ走行するシフトポジションへのシフト切換を阻止している。そして、特許文献2は、この設定距離l0は予めメーカによって製造段階において設定されていてもよいし、運転者が任意に設定できるようにしておいてもよいと開示されている。このように設定距離l0が一旦設定されて、その後運転者が変更することを忘れると、いつも同じ設定距離になる。たとえば、駐車場における後方に停止している車両との衝突あるいは接触を回避することを前提とするとこの設定距離l0は極めて小さい値(たとえば、互いにリヤを対向させて後進駐車している場合、リヤバンパーからリヤバンパーまでの0.5m〜1m程度)になる。すなわち、0.5m〜1mまでは後進走行できる。一方、前方から走行してきた大型車両との行き違いのために単に後進走行するときには後続車両までの距離となり、たとえば、自車のリヤバンパーから後続車のフロントバンパーまでの距離であって5mであっても構わない場合がある。このため、設定距離l0が5mと設定されている状態では、駐車場において指定の枠内に駐車しようとしても後進走行できない。すなわち、後進駐車しようとしても後方に駐車された車両との距離が5mになると後進走行が阻止される。このときに、設定距離l0を0.5mと変更するのは、著しく運転者の負担になる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、運転者による操作に従った電気的信号に基づいて、アクチュエータにより機械要素を動かして複数のシフトポジションの中から操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるシフト・バイ・ワイア方式のシフト制御システムにおいて、自車と障害物との衝突や接触を適切に回避できる、シフト切換装置、切換方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機のシフト切換装置は、運転者による操作に従った電気信号に基づいて、アクチュエータにより機械要素を動かして複数のシフトポジションの中から操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるためのシフト切換手段と、非走行ポジションから走行ポジションへの切換操作時における車両の周囲に関する条件に基づいて走行ポジションへの切換を禁止するようにシフト切換手段を制御するための制御手段と、車両の位置を検出するための検出手段と、条件を、位置に基づいて変更するための変更手段とを含む。第6の発明に係るシフト切換方法は、第1の発明に係るシフト切換装置と同様の要件を備える。
第1または第6の発明によると、自動変速機は、運転者による操作に従った電気的信号に基づいて、アクチュエータにより機械要素を動かして複数のシフトポジションの中から操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるシフト・バイ・ワイア方式によりシフト切換が制御される。非走行ポジションから走行ポジションへシフトポジションが切換えられるように操作された時には、その時における車両の周囲に関する条件に基づいて走行ポジションへの切換が禁止される。たとえば、車両の前方や後方の周囲に障害物が存在すると、DポジションやRポジションへのシフト切換を禁止する。ここで、車両の前方や後方の周囲に関する条件は車両の位置に基づいて(運転者が操作することなく自動的に)変更される。たとえば、駐車場や挟い道路等である場合には、走行ポジションへのシフト切換が禁止され易くなるように条件が変更され、そのような位置ではないと走行ポジションへのシフト切換が禁止されにくくなるように条件が変更される。このため、運転者が条件を変更する必要がない。その結果、シフト・バイ・ワイア方式のシフト制御システムにおいて、自車と障害物との衝突や接触を適切に回避できる、シフト切換装置やシフト切換方法を提供することができる。
第2の発明に係る自動変速機のシフト切換装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、車両の周囲の障害物に関する条件に基づいて走行ポジションへの切換を禁止するようにシフト切換手段を制御するための手段を含む。第7の発明に係るシフト切換方法は、第2の発明に係るシフト切換装置と同様の要件を備える。
第2または第7の発明によると、車両の周囲の障害物に関する条件に基づいて走行ポジションへの切換を禁止されるので、障害物に衝突したり障害物と接触したりする危険を回避できる。
第3の発明に係る自動変速機のシフト切換装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、車両の前方に障害物があるという条件が成立すると前進走行ポジションへの切換を禁止し、車両の後方に障害物があるという条件が成立すると後進走行ポジションへの切換を禁止するように、シフト切換手段を制御するための手段を含む。第8の発明に係るシフト切換方法は、第3の発明に係るシフト切換装置と同様の要件を備える。
第3または第8の発明によると、障害物がある方向への走行するシフトポジションへの切換が禁止されるので、障害物に衝突したり障害物と接触したりする危険を適切に回避できる。
第4の発明に係る自動変速機のシフト切換装置においては、第3の発明の構成に加えて、障害物は、自車以外の他の車両、人、建造物および路面の段差の少なくともいずれかである。第9の発明に係るシフト切換方法は、第4の発明に係るシフト切換装置と同様の要件を備える。
第4または第9の発明によると、自車以外の他の車両、人、建造物に衝突したり接触したりすることや、路面の段差で車両が破損することを適切に回避できる。
第5の発明に係る自動変速機のシフト切換装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、設定された距離の範囲内の障害物に関する条件に基づいて走行ポジションへの切換を禁止するようにシフト切換手段を制御するための手段を含む。変更手段は、車両の位置に基づいて、距離を変更するための手段を含む。
第5または第10の発明によると、たとえば駐車場や狭い道路等の車両の位置に基づいて、走行ポジションへのシフト切換を禁止する距離を変更するので、運転者が距離を変更する必要なく、自車と障害物との衝突や接触を適切に回避できる。
第11の発明に係るプログラムは、第6〜第10のいずれかの発明に係るシフト切換方法をコンピュータで実現するプログラムであって、第12の発明に係る記録媒体は、第6〜第10のいずれかの発明に係るシフト切換方法をコンピュータで実現するプログラムを記録した媒体である。
第11または第12の発明によると、コンピュータ(汎用でも専用でもよい)を用いて、第6〜第10のいずれかの発明に係るシフト切換方法を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置を備えたシフト制御システム10の構成を示す。本実施の形態においては、車両の周囲の環境に応じて、車両停止状態(非走行ポジションであるPポジションやNポジション)から走行ポジション(DポジションやRポジション)へのシフト切換を許可したり禁止したりする。
このシフト制御システム10は、車両のシフトポジションを切換えるために用いられる。シフト制御システム10は、Pスイッチ20、シフトスイッチ26、車両電源スイッチ28、車両制御装置(以下、「EFI−ECU」と表記する)30、パーキング制御装置(以下、「SBW(Shift By Wire)−ECU」と表記する)40、アクチュエータ(モータ)42、エンコーダ46、シフト制御機構48、表示部50、メータ52および駆動機構60を含む。シフト制御システム10は、電気制御によりシフトポジションを切換えるシフトバイワイヤシステムとして機能する。具体的にはシフト制御機構48がアクチュエータ42により駆動されてシフトポジションの切換えを行なう。
車両電源スイッチ28は、車両電源のオン・オフを切換えるためのスイッチである。車両電源スイッチ28は、特に限定されるものではないが、たとえば、イグニッションスイッチである。車両電源スイッチ28がドライバなどのユーザから受付けた指示はEFI−ECU30に伝達される。たとえば、車両電源スイッチ28がオンされることにより、図示しない補機バッテリから電力が供給されて、シフト制御システム10が起動される。
Pスイッチ20は、シフトポジションをパーキングポジション(以下、「Pポジション」と呼ぶ)とパーキング以外のRポジション、NポジションおよびDポジション(以下、これらの3つのポジションを「非Pポジション」と呼ぶ)との間で切換えるためのスイッチであり、スイッチの状態をドライバに示すためのインジケータ22、およびドライバからの指示を受付ける入力部24を含む。ドライバは、入力部24を通じて、シフトポジションをPポジションに入れる指示を入力する。入力部24はモーメンタリスイッチであってもよい。入力部24が受付けたドライバからの指示は、EFI−ECU30、およびEFI−ECU30を通じSBW−ECU40に伝達される。なお、このようなPスイッチ20以外により、非PポジションからPポジションにシフトポジションを切換えるものであってもよい。
SBW−ECU40は、シフトポジションをPポジションと非Pポジションとの間で切換えるために、シフト制御機構48を駆動するアクチュエータ42の動作を制御し、現在のシフトポジションの状態をインジケータ22に提示する。シフトポジションが非Pポジションであるときにドライバは入力部24を押下すると、SBW−ECU40はシフトポジションをPポジションに切換えて、インジケータ22に現在のシフトポジションがPポジションである旨を提示する。
アクチュエータ42は、スイッチドリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」と表記する)により構成され、SBW−ECU40からの指示を受けてシフト制御機構48を駆動する。エンコーダ46は、アクチュエータ42と一体的に回転し、SRモータの回転状況を検知する。本実施の形態のエンコーダ46は、A相、B相およびZ相の信号を出力するロータリーエンコーダである。SBW−ECU40は、エンコーダ46から出力される信号を取得してSRモータの回転状況を把握し、SRモータを駆動するための通電の制御を行なう。
シフトスイッチ26は、シフトポジションをドライブポジション(D)、リバースポジション(R)、ニュートラルポジション(N)、ブレーキポジション(B)などのポジションに切換えたり、またPポジションに入れられているときには、Pポジションを解除したりするためのスイッチである。シフトスイッチ26が受付けたドライバからの指示はEFI−ECU30に伝達される。EFI−ECU30は、ドライバからの指示に基づき、駆動機構60におけるシフトポジションを切換える制御を行なうとともに、現在のシフトポジションの状態をメータ52に提示する。駆動機構60は、無段変速機構から構成されているが、有段変速機構から構成されてもよい。
EFI−ECU30は、シフト制御システム10の動作を統括的に管理する。表示部50は、EFI−ECU30またはSBW−ECU40が発したドライバに対する指示や警告などを表示する。メータ52は、車両の機器の状態やシフトポジションの状態などを提示する。
さらに、SBW−ECU40には、この車両(自車)の位置を検出する自車位置検出部1000と、自車から前方側の障害物までの前方距離L(F)を検出する前方距離L(F)検出部1100と、自車から後方側の障害物までの後方距離L(R)を検出する後方距離L(R)検出部1200とが接続されている。自車位置検出部1000は、たとえばカーナビゲーション装置である。前方距離L(F)検出部1100は、たとえばミリ波を用いたレーダーセンサである。後方距離L(R)検出部1200は、たとえば距離測定機能を有するクリアランスセンサやバックカメラと連動して動作するカーナビゲーション装置の距離測定機構等である。なお、これらの検出部は、上述したセンサ等に限定されるものではない。また、障害物とは、たとえば、自車以外の他の車両、人、壁面や支柱等を含む建造物等である。
図2に示すように、シフトスイッチ26は、たとえば、シフトレバー1102と、シフトレバー1102が摺動される第1の溝1104と、シフトレバー1102が摺動される第2の溝1106と、シフトレバー1102が摺動される第3の溝1108と、シフトレバー1102が摺動される第4の溝1110とから構成される。
第1の溝1104に沿ってシフトレバー1102がその終端(下端)まで到達して、予め定められた時間以上、シフトレバー1102が運転者により保持されることによりブレーキポジションに設定される。このとき、シフトレバー1102は、矢印1126で示すように移動される。
第2の溝1106に沿ってシフトレバー1102がその終端(右端)まで到達して、予め定められた時間以上、シフトレバー1102が運転者により保持されることによりニュートラルポジションに設定される。このとき、シフトレバー1102は、矢印1120で示すように移動される。
第2の溝1106に沿ってシフトレバー1102がその終端(右端)まで到達して、さらに第3の溝1108に沿ってシフトレバー1102がその終端(上端)まで到達して、予め定められた時間以上、シフトレバー1102が運転者により保持されることにより後進走行ポジションに設定される。このとき、シフトレバー1102は、矢印1122で示すように移動される。
第2の溝1106に沿ってシフトレバー1102がその終端(右端)まで到達して、さらに第4の溝1110に沿ってシフトレバー1102がその終端(下端)まで到達して、予め定められた時間以上、シフトレバー1102が運転者により保持されることにより前進走行ポジションに設定される。このとき、シフトレバー1102は、矢印1124で示すように移動される。
図2に示すシフト切換装置1110のシフトレバー1102は、運転者がシフトレバー1102から手を離している状態の中立位置にあることを示す。すなわち、図2に示すように、中立位置にあるシフトレバー1102を、矢印1120のように動かすことにより自動変速機がニュートラル状態となるニュートラルポジションに、矢印1122のように動かすことにより自動変速機が後進走行状態となる後進走行ポジションに、矢印1124のように動かすことにより前進走行ポジションに、矢印1126のように動かすことにより自動変速機が前進走行状態となる前進走行ポジションであってエンジンブレーキ作動状態となるブレーキポジションに設定される。なお、以下の説明においては、ブレーキポジション(Bポジション)についての説明は割愛する。
図3に、シフト制御機構48の構成を示す。シフトポジションは、Pポジション、非Pポジション(R、N、Dの各ポジションを含み、さらにDポジションに加えて1速固定のD1ポジションや1、2速固定(2速固定でも良い)のD2ポジション(2レンジ)を含んでも良い)である。シフト制御機構48は、アクチュエータ42により回転されるマニュアルシャフト102、マニュアルシャフト102の回転に伴って回転するディテントプレート100、ディテントプレート100の回転に伴って動作するロッド104、図示しない変速機の出力軸に固定されたパーキングギア108、パーキングギア108をロックするためのパーキングロックポール106、ディテントプレート100の回転を制限してシフトポジションを固定するディテントスプリング110およびころ112を含む。ディテントプレート100は、アクチュエータ42により駆動されてシフトポジションを切換えるシフト手段として機能する。マニュアルシャフト102、ディテントプレート100、ロッド104、ディテントスプリング110およびころ112は、シフト切換機構の役割を果たす。また、エンコーダ46は、アクチュエータ42の回転量に応じた計数値を取得する。
なお、図3の斜視図においては、ディテントプレート100の谷(Pポジション位置)しか示していないが、実際には図3の拡大平面図に示すように、ディテントプレート100には、D、N、R、Pの4つのポジションに対応する4つの谷が存在する。
図3は、シフトポジションが非Pポジションであるときの状態を示している。この状態では、パーキングロックポール106がパーキングギア108をロックしていないので、車両の駆動軸の回転は妨げられない。この状態からアクチュエータ42によりマニュアルシャフト102を時計回り方向に回転させると、ディテントプレート100を介してロッド104が図3に示す矢印Aの方向に押され、ロッド104の先端に設けられたテーパ部によりパーキングロックポール106が図3に示す矢印Bの方向に押し上げられる。ディテントプレート100の回転に伴ってディテントプレート100の頂部に設けられた4つの谷のうちの一方、すなわち非Pポジション位置120にあったディテントスプリング110のころ112は、山122を乗り越えて他方の谷、すなわちPポジション位置124へ移る。ころ112は、その軸方向に回転可能にディテントスプリング110に設けられている。ころ112がPポジション位置124に来るまでディテントプレート100が回転したとき、パーキングロックポール106は、パーキングギア108と嵌合する位置まで押し上げられる。これにより、車両の駆動軸が機械的に固定され、シフトポジションがPポジションに切換わる。
シフト制御システム10においては、シフトポジション切換時にディテントプレート100、ディテントスプリング110およびマニュアルシャフト102などのシフト切換機構に係る負荷を低減するために、SBW−ECU40が、ディテントスプリング110のころ112が山122を乗り越えて落ちるときの衝撃を少なくするように、アクチュエータ42の回転量を制御する。
図4を参照して、本実施の形態に係るシフト切換装置の機能ブロック図について説明する。図4に示すように、このシフト切換装置は、運転者がシフト操作を行なう変速操作部10000(たとえば、シフトスイッチ26に対応)と、変速操作部10000に接続され運転者による変速操作を検出する変速操作検出部11000と、変速操作検出部11000により非走行ポジションから走行ポジション(DポジションやRポジション)への変速操作が検出されると、自車の周囲の情報に基づいて走行ポジションへの変速を実行するか否かを判断する変速実行判断部40000と、変速実行判断部40000により制御される変速実行部60000とを含む。
さらに、変速実行判断部40000には、自車の車速を検出する車速検出部50000と、自車と前後障害物との距離を検出する距離検出部20000とが接続されている。さらに、変速実行判断部40000には、距離検出部20000にて検出された距離と比較されるしきい値を設定するしきい値設定部30000が接続されている。しきい値設定部30000には、自車位置検出部31000(たとえば、カーナビゲーション装置に対応)と制動距離判断部32000とが接続されている。制動距離判断部32000は、たとえば路面が濡れていることを何らかの方法により検出すると、路面抵抗の低下により制動距離が伸びるので、しきい値を大きく変更して、検出された障害物までの距離が大きなしきい値を下回ると(十分に離れていても)走行ポジションへのシフト切換を許可しない。すなわち、ブレーキをかけても車両が止まりにくい状況下では、しきい値を大きく変更しして、非走行ポジションへのシフト切換を許可しにくくする。
このような機能ブロックを有する本実施の形態に係るシフト切換装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECUに含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
図5を参照して、SBW−ECU40で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)1000にて、SBW−ECU40は、車速Vを検出する。なお、車速Vの検出方法は特に限定されない。S1010にて、SBW−ECU40は、車両が停止しているか否かを車速Vに基づいて判断する。車両が停止していると(S1010にてYES)、処理はS1020へ移される。もしそうでないと(S1010にてNO)、この処理は終了する。
S1020にて、SBW−ECU40は、(PポジションやNポジションから)Dポジションへの変速操作を検出したか否かを判断する。このとき、SBW−ECU40は、シフトスイッチ26から入力された信号に基づいて判断する。Dポジションへの変速操作を検出すると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、処理はS1080へ移される。
S1030にて、SBW−ECU40は、自車と前方障害物との距離L(F)を検出する。このとき、SBW−ECU40は、レーダーセンサ等の前方距離L(F)検出部1100から入力された信号に基づいて、自車と前方障害物との距離L(F)を検出する。
S1040にて、SBW−ECU40は、後述するフローチャートで算出されメモリに記憶された前進用しきい値F(TH)を読み込む。S1050にて、検出された自車と前方障害物との距離L(F)が前進用しきい値F(TH)以下であるか否かを判断する。距離L(F)≦前進用しきい値F(TH)であると(S1050にてYES)、処理はS1060へ移される。もしそうでないと(S1050にてNO)、処理はS1070へ移される。
S1060にて、SBW−ECU40は、Dポジションへの変速操作を無効化する。すなわち、しきい値以下の距離における前方に障害物があるので、Dポジションへのシフト切換を許可しない。その後、この処理は終了する。
S1070にて、SBW−ECU40は、Dポジションへの変速操作を有効として、シフトポジションをDポジションへ変更する。すなわち、しきい値以下の距離における前方に障害物がないので、Dポジションへのシフト切換を許可して、Dポジションへシフトポジションを切換え、車両を前進させる。
S1080にて、SBW−ECU40は、(PポジションやNポジションから)Rポジションへの変速操作を検出したか否かを判断する。このとき、SBW−ECU40は、シフトスイッチ26から入力された信号に基づいて判断する。Rポジションへの変速操作を検出すると(S1080にてYES)、処理はS1090へ移される。もしそうでないと(S1080にてNO)、この処理は終了する。
S1090にて、SBW−ECU40は、自車と後方障害物との距離L(R)を検出する。このとき、SBW−ECU40は、クリアランスセンサ等の後方距離L(R)検出部1200から入力された信号に基づいて、自車と後方障害物との距離L(R)を検出する。
S1100にて、SBW−ECU40は、後述するフローチャートで算出されメモリに記憶された後進用しきい値R(TH)を読み込む。S1110にて、検出された自車と後方障害物との距離L(R)が後進用しきい値R(TH)以下であるか否かを判断する。距離L(R)≦後進用しきい値R(TH)であると(S1110にてYES)、処理はS1120へ移される。もしそうでないと(S1110にてNO)、処理はS1130へ移される。
S1120にて、SBW−ECU40は、Rポジションへの変速操作を無効化する。すなわち、しきい値以下の距離における後方に障害物があるので、Rポジションへのシフト切換を許可しない。その後、この処理は終了する。
S1130にて、SBW−ECU40は、Rポジションへの変速操作を有効として、シフトポジションをRポジションへ変更する。すなわち、しきい値以下の距離における後方に障害物がないので、Rポジションへのシフト切換を許可して、Rポジションへシフトポジションを切換え、車両を後進させる。
図6を参照して、SBW−ECU40で実行されるしきい値算出処理のプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムも、予め定められたサイクルタイムで繰返し実行される。また、このプログラムの実行開始タイミングは、車両が停止しているときとしても構わないが、このタイミングに限定されるものではない。
S2000にて、SBW−ECU40は、現在位置を検出する。このとき、SBW−ECU40は、カーナビゲーション装置等の自車位置検出部1000から入力された自車位置情報に基づいて、現在位置を検出する。
S2010にて、SBW−ECU40は、現在位置は駐車場であるか否かを判断する。このとき、SBW−ECU40は、自車位置検出部1000から入力された自車位置情報(緯度、経度および高度)とカーナビゲーション装置に記憶された地図データとに基づいて、現在位置が駐車場であるか否かを判断する(さらに、立体駐車場であるか否かまで判断しても良い)。現在位置は駐車場であると判断されると(S2010にてYES)、処理はS2020へ移される。もしそうでないと(S2010にてNO)、処理はS2030へ移される。
S2020にて、SBW−ECU40は、前進用しきい値F(TH)に駐車場用前進しきい値を代入し、後進用しきい値R(TH)に駐車場用後進しきい値を代入する。その後、処理はS2060へ移される。なお、駐車場用前進しきい値および駐車場用後進しきい値は、車両の寸法、動力特性等に基づいて適宜設定されメモリに記憶されている。さらに、これらの駐車場しきい値は、前進と後進とで異なる値がメモリに記憶されている。
S2030にて、SBW−ECU40は、現在位置の道路幅は4m以下であるか否かを判断する。このとき、SBW−ECU40は、自車位置検出部1000から入力された自車位置情報(緯度、経度および高度)とカーナビゲーション装置に記憶された地図データ(道路幅情報を含むデータ)とに基づいて、現在位置の道路幅が4m以下であるか否かを判断する。現在位置の道路の幅が4m以下であると判断されると(S2030にてYES)、処理はS2040へ移される。もしそうでないと(S2030にてNO)、処理はS2050へ移される。なお、本発明はこの4mに限定されるものではない。すなわち、車両の行き違い等を考慮した場合に4m以下であると運転に注意が必要であると考えられる道路幅であれば特に限定されない。さらに、他の理由(車幅等)に基づいて道路幅を決定しても構わない。
S2040にて、SBW−ECU40は、前進用しきい値F(TH)に挟路用前進しきい値を代入し、後進用しきい値R(TH)に挟路用後進しきい値を代入する。その後、処理はS2060へ移される。なお、挟路用前進しきい値および挟路用後進しきい値は、車両の寸法、動力特性等に基づいて適宜設定されメモリに記憶されている。さらに、これらの挟路用しきい値は、前進と後進とで異なる値がメモリに記憶されている。
S2050にて、SBW−ECU40は、前進用しきい値F(TH)に前進用基準値を代入し、後進用しきい値R(TH)に後進用基準値を代入する。なお、前進用基準値およ後進用基準値は、車両の寸法、動力特性等に基づいて適宜設定されメモリに記憶されている。さらに、これらの挟路用しきい値は、前進と後進とで異なる値がメモリに記憶されている。
S2060にて、SBW−ECU40は、制動距離が伸びる要因があるか否かを判断する。たとえば、路面が濡れていると、制動距離が伸びる要因があると判断される。制動距離が伸びる要因があると判断されると(S2060にてYES)、処理はS2070へ移される。もしそうでないと(S2060にてNO)、この処理は終了する。さらに、運転者の熟練度や年齢に応じて制動距離が伸びる要因があるか否かを判断するようにしても構わない。
S2070にて、SBW−ECU40は、前進用しきい値F(TH)に前進用しきい値F(TH)×α(α>1)を代入し、後進用しきい値R(TH)に後進用しきい値R(TH)×β(β>1)を代入する。このαやβは、適宜設定される。このようにすると、制動距離が伸びるとき(すなわち、ブレーキを作動させても停止しにくいときやブレーキ操作が遅れるとき)には、しきい値が大きくなるように補正して、障害物との距離が(制動距離が伸びないときよりも)長い状態であっても、走行ポジションへのシフト切換を許可しない。
以上のような構造を有する本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置を備えたシフト制御システム10の動作について、説明する。
車両の停止中に(S1010にてYES)、この車両(自車)の現在位置が検出される(S2000)。自車の現在位置が駐車場であると(S2010にてYES)、前進用しきい値F(TH)に駐車場用前進しきい値が代入されて、後進用しきい値R(TH)に駐車場用後進しきい値が代入される(S2020)。
自車の現在位置が駐車場ではなく(S2010にてNO)、自車の現在位置が幅が4m以下の道路であると(S2030にてYES)、前進用しきい値F(TH)に挟路用前進しきい値が代入されて、後進用しきい値R(TH)に挟路用後進しきい値が代入される(S2040)。
自車の現在位置が駐車場ではなく(S2010にてNO)、自車の現在位置が幅が4m以下の道路でもないと(S2030にてNO)、前進用しきい値F(TH)に前進基準値が代入されて、後進用しきい値R(TH)に後進用基準値が代入される(S2050)。
なお、さらにこれら以外の条件を設定して、前進用しきい値F(TH)および後進用しきい値R(TH)を設定するようにしても構わない。
さらに、路面が濡れている等で制動距離が伸びる要因があると判断されると(S2060にてYES)、前進用しきい値F(TH)に前進用しきい値F(TH)×α(α>1)が代入され、後進用しきい値R(TH)に後進用しきい値R(TH)×β(β>1)が代入される。
[Dポジションへのシフト切換時]
車両の停止中に(S1010にてYES)、運転者が非走行ポジション(PポジションやNポジション)からDポジションへのシフト切換の操作を行なうと(S1020にてYES)、自車と前方障害物との距離L(F)が検出され(S1030)、上述のように設定された前進用しきい値F(TH)以下であるか否かが判断される(S1050)。自車の周囲の環境(位置や路面状態)に応じて設定された前進用しきい値F(TH)の距離内に障害物があると(S1050にてYES)、Dポジションへの変速操作が無効化(キャンセル)されて、現在の非走行ポジションを維持する。一方、前進用しきい値F(TH)の距離内に障害物がないと(S1050にてNO)、Dポジションへの変速操作が有効と判断されて、非走行ポジションからDポジションへシフトポジションが切換えられる。
[Rポジションへのシフト切換時]
また、車両の停止中に(S1010にてYES)、運転者が非走行ポジション(PポジションやNポジション)からRポジションへのシフト切換の操作を行なうと(S1080にてYES)、自車と後方障害物との距離L(R)が検出され(S1090)、上述のように設定された後進用しきい値R(TH)以下であるか否かが判断される(S1110)。自車の周囲の環境(位置や路面状態)に応じて設定された後進用しきい値R(TH)の距離内に障害物があると(S1110にてYES)、Rポジションへの変速操作が無効化(キャンセル)されて、現在の非走行ポジションを維持する。一方、後進用しきい値R(TH)の距離内に障害物がないと(S1110にてNO)、Rポジションへの変速操作が有効と判断されて、非走行ポジションからRポジションへシフトポジションが切換えられる。
以上のようにして、本実施の形態に係るシフト切換装置によると、運転者がしきい値を変更する必要なく、運転者の技量や車両の周囲の環境に応じて設定されたしきい値の範囲内に障害物があるときには、非走行ポジションから走行ポジション(DポジションやRポジション)へのシフトポジションの切換を許可しない。このため、運転者にしきい値の変更の手続を負担させることなく、自車と障害物との衝突や接触を適切に回避することができる。
なお、障害物との距離に代えて/加えて、車両の走行方向の路面に段差(たとえば溝や車止めを含む)がある場合に、非走行ポジションからその段差がある方向への走行ポジションへのシフト切換を無効化するようにしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るシフト制御システム10の構成を示す図である。 図1のシフトスイッチ26の構成を示す図である。 図1のシフト制御機構48の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るシフト切換装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係るシフト切換装置であるSBW−ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の実施の形態に係るシフト切換装置であるSBW−ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
符号の説明
10 シフト制御システム、20 Pスイッチ、22 インジケータ、24 入力部、26 シフトスイッチ、28 車両電源スイッチ、30 EFI−ECU、40 SBW−ECU、42 アクチュエータ、46 エンコーダ、48 シフト制御機構、50 表示部、52 メータ、60 駆動機構、70 シフト系統電源異常検出部、100 ディテントプレート、102 マニュアルシャフト、104 ロッド、106 パーキングロックポール、108 パーキングギア、110 ディテントスプリング、112 ころ、120 非Pポジション位置、122 山、124 Pポジション位置、1000 自車位置検出部、1100 前方距離L(F)検出部、1200 後方距離L(R)検出部。

Claims (12)

  1. 車両に搭載された自動変速機のシフト切換装置であって、
    運転者による操作に従った電気信号に基づいて、アクチュエータにより機械要素を動かして複数のシフトポジションの中から前記操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるためのシフト切換手段と、
    非走行ポジションから走行ポジションへの切換操作時における車両の周囲に関する条件に基づいて前記走行ポジションへの切換を禁止するように前記シフト切換手段を制御するための制御手段と、
    前記車両の位置を検出するための検出手段と、
    前記条件を、前記位置に基づいて変更するための変更手段とを含む、自動変速機のシフト切換装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両の周囲の障害物に関する条件に基づいて前記走行ポジションへの切換を禁止するように前記シフト切換手段を制御するための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機のシフト切換装置。
  3. 前記制御手段は、前記車両の前方に障害物があるという条件が成立すると前進走行ポジションへの切換を禁止し、前記車両の後方に障害物があるという条件が成立すると後進走行ポジションへの切換を禁止するように、前記シフト切換手段を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の自動変速機のシフト切換装置。
  4. 前記障害物は、自車以外の他の車両、人、建造物および路面の段差の少なくともいずれかである、請求項3に記載の自動変速機のシフト切換装置。
  5. 前記制御手段は、設定された距離の範囲内の障害物に関する条件に基づいて前記走行ポジションへの切換を禁止するように前記シフト切換手段を制御するための手段を含み、
    前記変更手段は、前記車両の位置に基づいて、前記距離を変更するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の自動変速機のシフト切換装置。
  6. 車両に搭載された自動変速機のシフト切換方法であって、
    運転者による操作に従った電気信号に基づいて、アクチュエータにより機械要素を動かして複数のシフトポジションの中から前記操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるシフト切換ステップと、
    非走行ポジションから走行ポジションへの切換操作時における車両の周囲に関する条件に基づいて前記走行ポジションへの切換を禁止するように前記シフト切換ステップを制御する制御ステップと、
    前記車両の位置を検出する検出ステップと、
    前記条件を、前記位置に基づいて変更する変更ステップとを含む、自動変速機のシフト切換方法。
  7. 前記制御ステップは、前記車両の周囲の障害物に関する条件に基づいて前記走行ポジションへの切換を禁止するように前記シフト切換ステップを制御するステップを含む、請求項6に記載の自動変速機のシフト切換方法。
  8. 前記制御ステップは、前記車両の前方に障害物があるという条件が成立すると前進走行ポジションへの切換を禁止し、前記車両の後方に障害物があるという条件が成立すると後進走行ポジションへの切換を禁止するように、前記シフト切換ステップを制御するステップを含む、請求項6または7に記載の自動変速機のシフト切換方法。
  9. 前記障害物は、自車以外の他の車両、人、建造物および路面の段差の少なくともいずれかである、請求項8に記載の自動変速機のシフト切換方法。
  10. 前記制御ステップは、設定された距離の範囲内の障害物に関する条件に基づいて前記走行ポジションへの切換を禁止するように前記シフト切換ステップを制御するステップを含み、
    前記変更ステップは、前記車両の位置に基づいて、前記距離を変更するステップを含む、請求項6〜9のいずれかに記載の自動変速機のシフト切換方法。
  11. 請求項6〜10のいずれかのシフト切換方法をコンピュータに実現させるプログラム。
  12. 請求項6〜10のいずれかのシフト切換方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体。
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