JP2008051140A - ホイールバランスウェイトの貼付装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホイールバランスウェイトを強い接着力で貼り付けることができるとともに作業性にすぐれたホイールバランスウェイトの貼付装置を提供すること。
【解決手段】本発明のホイールバランスウェイトの貼付装置1は、押圧面31aに貼り付け式のホイールバランスウェイトを押圧する押圧部材3と、押圧部材3を駆動する駆動手段2と、を有し、駆動手段2を駆動してホイールバランスウェイトを内周面に貼り付けるホイールバランスウェイトの貼付装置1において、押圧部材3は、ホイールバランスウェイトを内周面に押しつけたときに、押圧面31aが内周面の湾曲形状に沿って湾曲可能に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、貼り付け式のホイールバランスウェイトをホイールのリムの内周面に貼り付けるための貼付装置に関する。
自動車などのタイヤをリムに組み込んだホイールアッセンブリ状態において、ホイールアッセンブリの回転軸まわりの周方向および回転軸方向のアンバランス が大きくなると、走行時に振動、騒音等の発生というような不具合が生じるようになる。この振動や騒音はホイールアッセンブリのアンバランス に起因するものであり、このアンバランス を打ち消すためにホイールにバランスウェイトが取り付けられている。
ホイールに取り付けられるホイールバランスウェイトとしては、たとえば、所定の重量を有する略板状のウェイトを粘着テープ等の手段によりリムの内周面に接着するホイールバランスウェイトがある。
このホイールバランスウェイトは、製造時にはウェイトが平板状に形成され、ホイールへ装着するときに、ホイールのリムの内周面に沿ってウェイトが湾曲させられる。すなわち、ホイールバランスウェイトが装着されるリムの内周面の曲率は、装着されるホイールにより異なるためである。
また、従来のホイールバランスウェイトは、ウェイトが軟質材料である鉛により形成されていた。鉛により形成されたウェイトは、加工が容易であり、人力により容易に成形することができる。しかしながら、鉛は、環境へ大きな負荷がかかることが知られている。このため、ウェイトの材料として、環境への負荷の少ない鉄系合金が用いられるようになってきている。このため、鉄製のウェイトを持つホイールバランスウェイトが用いられるようになってきている。
しかし、鉄製のウェイトを持つホイールバランスウエイトのホイール内周面への圧着を、従来のように手による作業で行う場合には、鉄が鉛よりも硬く人力での成形(変形)が困難であるため作業性に問題を生じていた。このため、ホイールバランスウェイトのホイールへの貼付は、貼付装置を用いて行っている。この貼付装置としては、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
たとえば、特許文献1には、バランスウエイト受けプレートに鉄製貼付けホイールバランスウエイトを載せ、ゴムプレート磁石に吸着させて位置を保持し、治具をホイール内に降ろし、ホイールバランスウエイト位置をホイールに対して位置決めし、シリンダーを作動させて、バランスウエイト受けプレートをホイール側に前進させることにより、鉄製貼付けホイールバランスウエイトをホイール内周面の指定位置に正確に貼着することができる貼付装置が開示されている。
特許文献2には、圧縮空気源を必要としない、手作業でホイールバランスウェイトを貼り付けることができる貼付装置が開示されている。
特許文献3には、圧縮空気源を必要としない、手作業でホイールバランスウェイトを貼り付けることができるとともに、クッション取付けプレートの曲率半径をホイールの公称径に応じて調整できる貼付装置が開示されている。
しかしながら、上記の各特許文献に記載の貼付装置は、公称径の異なるホイールにバランスウェイトを貼り付けるためには、ホイールバランスウェイトを保持するバランスウエイト受けプレートをホイールごとに調整する(あるいは取り替える)必要があった。つまり、公称径の異なる種々のホイールにホイールバランスウェイトを貼り付けるときの作業性が低かった。
特開2001−108020号公報 特開2001−343048号公報 特開2001−355680号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、ホイールバランスウェイトの貼り付け時の作業性にすぐれるとともに、ホイールバランスウェイトを強い接着力で貼り付けることができるホイールバランスウェイトの貼付装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、ホイールバランスウェイトの貼付装置について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
本発明のホイールバランスウェイトの貼付装置は、ホイールのリムの内周面上に位置する貼り付け式のホイールバランスウェイトと当接する押圧部材と、押圧部材をホイールの径方向に往復動させる駆動手段と、を有し、駆動手段を駆動して押圧部材をホイールの径方向外方に変移してホイールバランスウェイトを内周面に押しつけて貼り付けるホイールバランスウェイトの貼付装置において、押圧部材は、内周面に押しつけられたときに、ホイールバランスウェイトと対向する押圧面が内周面の湾曲形状に沿って湾曲可能に形成されていることを特徴とする。
本発明のホイールバランスウェイトの貼付装置は、ホイールバランスウェイトと当接する押圧部材の押圧面が、ホイールバランスウェイトを内周面に押しつけるときに、内周面の湾曲形状に沿って湾曲可能な状態で形成されている。つまり、押圧部材の押圧面自身が湾曲してホイールの内周面と一致する形状となり、ホイールバランスウェイトをホイールに圧着する。このことから、本発明の貼付装置は、ホイールの大きさごとに押圧部材を調整する必要がなくなり、ホイールバランスウェイトの貼付の作業性が向上する。
さらに、本発明のホイールバランスウェイトの貼付装置は、押圧部材の押圧面が湾曲することで、ホイールバランスウェイト全体を押圧できるため、ホイールバランスウェイトとホイールとの密着性が向上し、ホイールバランスウェイトのホイールへの接着性が向上し、ホイールバランスウェイトがホイールから外れなくなる。
本発明のホイールバランスウェイトの貼付装置は、ホイールのリムの内周面上に位置する貼り付け式のホイールバランスウェイトと当接する押圧部材と、押圧部材をホイールの径方向に往復動させる駆動手段と、を有し、駆動手段を駆動して押圧部材をホイールの径方向外方に変移してホイールバランスウェイトを内周面に押しつけて貼り付ける。
そして、本発明の貼付装置は、押圧部材が、内周面に押しつけられたときに、ホイールバランスウェイト(あるいはホイールのリムの内周面)と対向する押圧面が内周面の湾曲形状に沿って湾曲可能に形成されている。本発明の貼付装置は、押圧部材の押圧面自身が湾曲してホイールの内周面と一致する形状となり、ホイールバランスウェイトをホイールに圧着する。本発明の貼付装置は、ホイールの大きさごとに押圧部材を調整する必要がなくなり、ホイールバランスウェイトの貼付の作業性が向上する。
さらに、本発明の貼付装置は、押圧部材の押圧面が湾曲することにより、ホイールバランスウェイト全体を押圧できる。このため、ホイールバランスウェイト全体がホイールに密着し、高い接着性で貼り付けられる。
押圧部材は、ホイールの内周面に仮固定されたホイールバランスウェイトを押圧することが好ましい。つまり、あらかじめ、ホイールの所定の位置にホイールバランスウェイトを仮固定しておき、この仮固定されたホイールバランスウェイトを押圧部材で押圧することで、ホイールバランスウェイトを貼り付けることができる。ホイールバランスウェイトの仮固定とは、ホイールバランスウェイトがホイールの所定の位置にずれないように配置された状態を示す。仮固定されたホイールバランスウェイトとは、貼り付け式のホイールバランスウェイトを手でホイールに貼り付けた状態にあるホイールバランスウェイトであることが好ましい。
押圧部材は、押圧面にホイールバランスウェイトを支持可能に形成され、ホイールバランスウェイトを支持した状態で押圧部材を変移してホイールバランスウェイトを貼り付けることが好ましい。つまり、押圧部材をホイールバランスウェイトを支持可能に形成することで、ホイールバランスウェイトの貼り付け時にホイールバランスウェイトの仮固定が必要なくなる。
押圧部材は、ホイールバランスウェイトに対向する押圧面をもつ略帯状の押さえ板と、一端が押さえ板の略帯状の長さ方向の略中央部に接続され、他端が駆動手段に接続される接続部材と、を有することが好ましい。押圧部材がこのような構成となることで、駆動手段を駆動して押圧部材の押圧面がホイールバランスウェイトをホイールのリムの内周面に押しつけることができる。
押さえ板は、リムの内周面に押しつけられたときに内周面の湾曲形状に沿って湾曲可能な形状であれば、その材質が特に限定されるものではない。たとえば、所定の剛性と弾性をもつ一体の部材、所定の剛性と弾性をもつように薄板が積層して形成された部材を挙げることができる。
押さえ板は、少なくとも一枚の金属板をもつことが好ましい。この金属板が押さえ板の剛性を発揮するとともに押圧面がホイールのリムの内周面に沿って湾曲する。また、金属板をもつことで、押さえ板が弾性を発揮し、ホイールバランスウェイトの全体をリムの内周面に押しつけることができる。本形態は、少なくとも一枚の金属板をもてばよい形態であり、押さえ板が一枚の金属板のみから形成されても、ゴムや樹脂などから構成される少なくとも一枚の薄板と積層した状態で形成されていてもよい。
押さえ板が少なくとも一枚の金属板をもつときに、この金属板の材質は特に限定されるものではない。ステンレス、鋼やばね鋼などの鉄系金属よりなることが好ましい。
押さえ板が少なくとも一枚の金属板をもつときに、押さえ板の押圧面は、金属板で形成されたことが好ましい。押さえ板の押圧面はホイールバランスウェイトを貼り付けるためにホイールに押しつけられる表面であり、この表面が金属により形成されることで押さえ板の摩耗が抑えられる。これにより、ホイールバランスウェイトの貼付を繰り返し行っても、押さえ板の摩耗による押さえ板の交換が必要でなくなり、結果として、貼り付けに要するコストを低減できる。
押さえ板が、積層した状態の少なくとも二枚の金属板をもち、各金属板の長さが異なることが好ましい。押さえ板が積層した金属板をもつことで、それぞれの金属板が弾性を発揮する。そして、それぞれの金属板の長さが異なることで、押さえ板全体が発生する力(押圧面をリムの内周面に押しつける力)を調節できる。本形態は、少なくとも二枚の金属板をもてばよい形態であり、押さえ板が積層した二枚の金属板のみから形成されても、ゴムや樹脂などから構成される少なくとも一枚の薄板と積層した状態で形成されていてもよい。
少なくとも二枚の金属板は、ホイールの周方向の外方に位置する金属板の長さが外周方向の内方に位置する金属板より長いことが好ましい。このような構成は、いわゆる板バネであり、押さえ板全体が発生する力(押圧面をリムの内周面に押しつける力)を調節できる。
押さえ板をリムに付勢する付勢手段をもつことが好ましい。付勢手段をもつことで、ホイールバランスウェイト全体を押圧する力にバラツキが生じなくなり、より強固にホイールバランスウェイトを貼り付けることができる。具体的には、ホイールバランスウェイトを貼り付けるときには、押さえ板のホイールの周方向での略中央部に駆動手段からの応力が加わる。そして、押さえ板のホイールの周方向での端部には、押さえ板自身の剛性にもとづく応力によりホイールバランスウェイトが押しつけられる。そして、付勢手段をもつことで、この押さえ板にさらなる応力が付与され、ホイールバランスウェイトを圧着する。これにより、ホイールバランスウェイトを強固に貼り付けることができる。
この付勢手段は、押さえ板の端部をリムに付勢することができる手段であれば特に限定されるものではない。たとえば、シリンダ、バネをあげることができる。また、付勢手段の数についても特に限定されるものではない。
押圧部材の押圧面は、ホイールの周方向に対する両端部がホイールのリムの内周面の湾曲形状より小さな曲率半径をもつことが好ましい。押圧部材の両端部は、押圧部材をリムの内周面に押しつけたときに最初にリムに当接する部分であり、この部分が湾曲して形成されたことで、押圧部材がリムに当接したときに、押圧部材の端部がリムに対してすべるようになる。これにより、押圧部材がホイールの内周面に傷を付けることを防止することができる。
押圧部材の押圧面は、ホイールの内周面の湾曲形状より大きな曲率半径をもつことが好ましい。押圧部材の押圧面がホイールのリムの内周面よりも大きな曲率半径をもつことで、押圧部材をリムの内周面に押しつけたときに押圧部材の押圧面が湾曲してホイールバランスウェイトの全体をリムに押しつけることができる。押圧部材の押圧面は、本発明の貼り付け装置が使用される最も大きなホイールの内周面の湾曲形状より大きな曲率半径をもつことがより好ましい。
本発明の貼付装置は、押圧部材の押圧面が湾曲可能に形成された以外は、従来公知の貼付装置と同様の構成をもつ。
本発明の貼付装置によりホイールに貼り付けられるホイールバランスウェイトは、所定の重量に調節されたウェイトを両面テープ等の接着手段でホイールに貼り付けるいわゆる貼り付け式のホイールバランスウェイトである。貼り付け式のホイールバランスウェイトには、図14に示したように、略帯状の金属板よりなるウェイト80とウェイト80の裏面に一方の接着面が貼り付けられた両面テープ81とから構成される形態がある。また、別の形態として、図15に示したように、複数のウェイト小片82と、複数のウェイト小片82が長手方向に並んだ状態で両面テープ81の一方の接着面に貼り付けた形態がある。
また、ホイールバランスウェイトを構成するウェイトは、その材質が限定されるものではない。たとえば、鉛系金属、鉄系金属、亜鉛系金属をあげることができる。これらの金属よりなるウェイトのうち、本発明の貼り付け装置は強い力でウェイト全体をホイールに押しつけることができることから、鉄系金属あるいは亜鉛系金属等の硬質の金属よりなるウェイトを用いたホイールバランスウェイトの貼付に効果を発揮する。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、ホイールバランスウェイトの貼付装置を製造した。
(実施例1)
本実施例の鉄製の貼り付け式のホイールバランスウエイトの貼付装置1は、図1に示すように、駆動手段2と、押圧部材3と、受け側部材4と、駆動手段2を固定する基材(図示せず)を有する。
駆動手段2は、押圧部材3を往復動可能に駆動するエアーシリンダ20よりなる。駆動手段2は、押圧部材3を往復動する方向と反対方向に受け側シリンダ(図示せず)をもち、受け側部材4を往復動させる。
押圧部材3は、接続部材30と、押さえ板31と、から構成される。
接続部材30は、一端がエアシリンダ20のシリンダに接続固定され、他端に押さえ板31が固定される略棒状の部材である。
押さえ板31は、ホイールバランスウェイトに対向する押圧面31aをもつ略帯状の金属板よりなる。押さえ板31は、略帯状の金属板の略中央部で接続部材30に接続固定されている。押さえ板31は、その押圧面31aがホイールの周方向に対向してのびた状態で固定されている。本実施例において、金属板よりなる押さえ板31と接続部材30とは、溶接により固定されている。押さえ板31が金属板よりなり、接続部材30と溶接で接合されたことで、押さえ板31の押圧面31aは、凹凸がないなめらかな表面となっている。
押さえ板31は、略平板状に形成され、略帯状の長さ方向(対応するホイールの周方向)の両端部が湾曲して形成されている。
受け側部材4は、駆動手段2が押圧部材3を駆動して押さえ板31をホイールのリムの内周面に押しつけたときに、ホイールの軸心に対称な位置に押しつけられる部材である。受け側部材4をもつことで、押圧部材3が所望の押圧力でリムに押しつけられるようになる。受け側部材4は、その形態が特に限定されるものではないが、本実施例においては、従来公知の部材を用いた。
(ホイールバランスウェイトの貼付)
本実施例の貼付装置1を用いて、図14に示したホイールバランスウェイトをホイールのリムの内周面に貼り付けた。このホイールバランスウェイト8は、略帯状の鉄板よりなるウェイト80とウェイト80の裏面に一方の接着面が貼り付けられた両面テープ81とから構成される。
ホイールバランスウエイトのホイールへの貼付に先立って、タイヤを装着したホイールのバランステストが実施され、テスト結果に基づいて、ホイールバランスウエイトの必要総重量およびホイールバランスウエイトのホイールへの貼付位置(重心位置)が決定される。この決定された必要総重量に対応する重量をもつ貼り付け式のホイールバランスウエイトが用意され、長手方向(ホイール周方向と同方向)中心位置がホイールバランスウエイトにマークされる。
つぎに、貼り付け式のホイールバランスウエイト8の接着面を露出させ、ホイールバランスウェイトの中心位置が、ホイールにあらかじめマークされた貼付中心位置(重心位置)に一致した状態で貼り付ける。この貼り付けは、ウェイト80をホイールのリムの内周面に人力で押しつけることでなされた。
人力でホイールバランスウェイトがホイールに貼り付けられた後に、貼り付け装置1(基材)をホイール内に挿入する。
基材のホイール内への挿入が完了したのち、駆動手段2のエアーシリンダ20を駆動させる。エアーシリンダ20が駆動すると、押さえ板31および受け側部材4が変移する。押さえ板31および受け側部材4の変移が進行すると、まず、受け側部材4がホイールのリムの内周面に当接し、その後、押さえ板31の両端部がホイールのリムの内周面に当接する。そして、さらに変移すると、押さえ板31の中央部が凸となる形状に湾曲変形を生じる。また、押さえ板31の両端部がホイールのリムの内周面をすべり、当接位置が変移する。そして、押さえ板31の変移が進行すると、押さえ板31の中央部(接続部材30が接合された部分)がリムに当接する。このとき、押さえ板31自身の弾性により、押さえ板31がリムの内周面に当接する。
そして、さらに、押さえ板31の変移を進行させるように駆動手段2を駆動すると、押さえ板31がリムの内周面を押圧する。この押圧力により、リムの内周面に人力で貼り付けられたホイールバランスウェイト8が押しつけられ、ホイールに密着させられる。これにより、ホイールバランスウェイトがリムの内周面に貼り付けられた。ここで、ホイールバランスウェイトは、全体が押さえ板31に押圧されるため、より強い接着性をもつようになった。
つぎに、駆動手段2のエアーシリンダ20を逆方向に駆動して押さえ板31を後退させる。ホイールバランスウェイトはホイールのリムの内周面に貼着されたまま、押さえ板31のみが後退する。
以上により、本実施例の貼付装置によるホイールバランスウェイトの貼付を行うことができた。
上記したように、本実施例の貼付装置は、ホイールバランスウェイト全体をホイールに押しつけることができる。この結果、ホイールバランスウェイトがホイールの内周面の湾曲形状に沿って湾曲することとなり、強い接着力で接着するようになる。
特に、鉄板よりなるウェイトは、それ自身の剛性により人力のみでは、ホイールのリムの内周面に一致する形状にまで湾曲しないが、本実施例の貼り付け装置でより強い押圧力でホイールバランスウェイトをホイールに押しつけるため、ウェイト80がホイールの湾曲形状にそって湾曲し、より強い接着性を発揮する。
また、本発明の貼付装置は、ホイールバランスウェイトが貼り付けられるリムの内周面に沿って押さえ板31が湾曲するため、ホイールごとに押圧部材3を取り替える必要がなくなっている。つまり、ひとつの装置で押圧部材3を取り替えることなく種々のホイールにホイールバランスウェイトを貼り付けることができ、ホイールバランスウェイトの貼付の作業性が向上した。
(実施例2)
本実施例は、押さえ板31の形状が異なる以外は実施例1と同様な構成の貼り付け装置である。本実施例の貼り付け装置の構成を図2に示した。
本実施例の押さえ板31は、ホイールバランスウェイトに対向する押圧面31aが、貼り付け装置1を使用してホイールバランスウェイトを貼り付けるホイールのうち最も大きな曲率をもつホイールリムの内周面の曲率よりも大きな曲率で湾曲した状態で形成されている。
本実施例は、押さえ板31の構成が異なる以外は、実施例1と同様な効果を発揮する。
(実施例2の変形形態)
実施例2において用いられた押さえ板31は、図3に示したように、略帯状の長さ方向(対応するホイールの周方向)の両端部が、押さえ板31全体の湾曲形状の曲率よりも小さな曲率で湾曲して形成されている。
本変形形態例は、押さえ板31の構成が異なる以外は、実施例2と同様な効果を発揮する。
(実施例3)
本実施例は、さらに付勢手段5をもつこと以外は、実施例1と同様な構成の貼付装置である。本実施例の貼付装置の構成を図4に示した。
付勢手段5は、押さえ板31の両端部をホイールに付勢する部材であり、本実施例においては、駆動手段2に一端が固定された一対のスプリング(コイルバネ)50よりなる。
上記したように、エアーシリンダ20を駆動して押さえ板31でホイールバランスウェイトをホイールに押圧したときに、接続部材30を介して中央部を押圧し、両端部は押さえ板31自身の弾性により押圧力を付与している。そして、本実施例のように、付勢手段5をもつことで、この両端部が付勢手段5により押圧されるようになり、ホイールバランスウェイトの密着性が向上する。
(実施例3の変形形態)
実施例3においては、付勢手段5は、ひとつのスプリング50であったが、図5に示したように、それぞれ二つのスプリング51,52であってもよい。二つのスプリング51,52のバネ定数は、同じであっても異なっていてもよい。二つのスプリングのそれぞれのバネ定数が異なるときには、押さえ板31の端部側に位置するスプリング52のバネ定数が内側に位置するスプリング51のバネ定数より大きいことが好ましい。このような形態となることで、より強固にホイールバランスウェイトを貼り付けることができる。
(実施例4)
本実施例は、押さえ板31が積層した状態の複数の金属板よりなる以外は、実施例1と同様な構成の貼付装置である。本実施例の貼付装置の構成を図6に示した。
本実施例の押さえ板31は、積層した状態の複数の金属板よりなり、ホイールバランスウェイトを貼り付けるときに、それぞれの金属板が湾曲することで、付勢力を発生させている。
本実施例は、押さえ板31の構成が異なるので、実施例1の場合よりも強固にホイールバランスウェイトを貼り付けることができる。
(実施例5)
本実施例は、押さえ板31を構成する積層した状態の複数の金属板の長さ(略帯状の長手方向の長さ)がそれぞれ異なる以外は、実施例1と同様な構成の貼付装置である。本実施例の貼付装置の構成を図7に示した。
本実施例の貼付装置1の押さえ板31は、積層した状態の複数の金属板よりなり、押圧面31aから径方向内方にすすむにつれてその長さが短くなるように形成されている。本実施例の貼付装置1の押さえ板31は、板バネとして機能し、ホイールバランスウェイトを貼り付けるときに、それぞれの金属板が湾曲することで、付勢力を発生させている。
本実施例は、押さえ板31の構成が異なるので、実施例1の場合よりも強固にホイールバランスウェイトを貼り付けることができる。
(実施例6)
本実施例は、押さえ板31が積層した状態の複数の金属板よりなるとともに、押圧面31aの長さ方向の両端部が湾曲して形成されたこと以外は、実施例5と同様な構成の貼付装置である。本実施例の貼付装置の構成を図8に示した。
本実施例の貼付装置1の押さえ板31は、積層した状態の複数の金属板よりなり、押圧面31aから径方向内方にすすむにつれてその長さが短くなるように形成されている。
本実施例は、押さえ板31の構成が異なる以外は、実施例5と同様な効果を発揮する。
(実施例7)
本実施例は、押さえ板31が積層した状態の複数の板状部材よりなること以外は、実施例5と同様な構成の貼付装置である。本実施例の貼付装置の構成を図9に示した。
本実施例の貼付装置1の押さえ板31は、材質の異なる複数の板状部材が積層してなる。本実施例の貼付装置1の押さえ板31は、押圧面31a側から、金属板311、ゴム板312、樹脂板313、金属板314が積層して形成されている。金属板311,314の間にゴム板312および樹脂板313を配置した構成をしていることで、押さえ板31がクッション性をもつようになった。これにより、ホイールバランスウェイトの形状の相違を吸収できる。
本実施例は、押さえ板31の構成が異なる以外は、実施例5と同様な効果を発揮する。
(実施例1の変形形態)
実施例1では、押さえ板31と接続部材30の接続は溶接でなされていたが、図10に示したように、両面テープ6を用いて押さえ板31と接続部材30を接着する形態であってもよい。なお、図10は、押さえ板31と接続部材30の接続部をその構成がわかるように断面図で示した。
また、図11に示したように、ネジ止めで接合してもよい。ネジ止めで接合するときには、図11に示したように、ネジ7の頭が押さえ板31の押圧面31aから突出しないことが好ましく、より好ましくは、図12に示したように、ネジ止めした金属板315の表面にさらに別の金属板を配置する形態が好ましい。なお、図12に示した形態は、金属板315の表面に両面テープ316を貼り付け、その表面に別の金属板317を貼り付けた形態を示した例である。なお、図11および12は、押さえ板31と接続部材30の接続部をその構成がわかるように断面図で示した。
また、押さえ板31が十分な厚さ(ホイールの径方向での厚さ)をもつときには、図13に示したように、接続部材30の先端部に係合凸部309を形成し、押さえ板31に係合凸部309が係合する係合凹部319を形成し、係合凸部309と係合凹部319とを係合させて固定してもよい。なお、図13は、押さえ板31と接続部材30の接続部をその構成がわかるように断面図で示した。
(実施例8)
本実施例は、押圧手段3が鉄製のバランスウエイトを支持可能に形成された以外は、実施例1と同様な構成の貼付装置である。
押圧部材3は、押さえ板31の裏面に磁石が組み付けられており、この磁力により鉄製のバランスウェイトを押圧面31aに支持する。
(ホイールバランスウェイトの貼付)
本実施例の貼付装置1を用いて、実施例1の時と同様に、図14に示したホイールバランスウェイトをホイールのリムの内周面に貼り付けた。
実施例1の時と同様に、ホイールバランスウエイトの必要総重量およびホイールバランスウエイトのホイールへの貼付位置(重心位置)が決定される。
つぎに、貼り付け式のホイールバランスウエイト8を押さえ板31に支持させる。このとき、ホイールバランスウェイトの接着面が外周方向を向いた状態で支持させる。また、ホイールバランスウェイトは、その重心位置が接続部材30の延長線上に位置するように支持される。そして、剥離紙を剥がして接着面を露出し、基材をホイール内に挿入する。
ホイールに対するホイールバランスウエイトの位置決めは、ホイールに予めマークされたホイールバランスウエイトの貼着中心位置と、ホイールバランスウエイトに予めマークされたホイールバランスウエイトの中心位置とを、目視などにより合わせて決定する。
貼り付け式のホイールバランスウエイトのホイールに対する位置決めが終了したのち、駆動手段2のエアーシリンダ20を駆動させる。エアーシリンダ20が駆動すると、押さえ板31および受け側部材4が変移する。押さえ板31および受け側部材4の変移が進行すると、まず、受け側部材4がホイールのリムの内周面に当接し、その後、押さえ板31の両端部がホイールのリムの内周面に当接する。そして、さらに変移すると、押さえ板31の中央部が凸となる形状に湾曲変形を生じる。また、押さえ板31の両端部がホイールのリムの内周面をすべり、当接位置が変移する。そして、押さえ板31の変移が進行すると、押さえ板31の中央部(接続部材30が接合された部分)がリムに当接する。このとき、押さえ板31自身の弾性により、押さえ板31がリムの内周面に当接する。
そして、さらに、押さえ板31を押さえ板31の変移を進行させるように駆動手段2を駆動すると、押さえ板31がリムの内周面を押圧する。この押圧力により、リムの内周面に、押さえ板31の押圧面31aに支持されたホイールバランスウェイトが押しつけられる。これにより、ホイールバランスウェイトがリムの内周面に貼り付けられた。ここで、ホイールバランスウェイトは、全体が押さえ板31に押圧されるため、より強い接着性をもつようになった。
つぎに、駆動手段2のエアーシリンダ20を逆方向に駆動して押さえ板31を後退させる。ホイールバランスウェイトはホイールのリムの内周面に貼着されたまま、押さえ板31のみが後退する。
以上により、本実施例の貼付装置によるホイールバランスウェイトの貼付を行うことができた。
上記したように、本実施例の貼付装置は、押さえ板31がホイールバランスウェイト全体をホイールに押しつけることができる。この結果、ホイールバランスウェイトがホイールの内周面の湾曲形状に沿って湾曲することとなり、強い接着力で接着するようになる。
また、本実施例の貼り付け装置は、ホイールバランスウェイトの貼り付け時にホイールバランスウェイトの仮固定を必要としないため、貼り付けに要するコストの上昇を抑えることができる。
また、本実施例の貼付装置は、ホイールバランスウェイトが貼り付けられるリムの内周面に沿って押さえ板31が湾曲するため、ホイールごとに押圧部材3を取り替える必要がなくなっている。つまり、ひとつの装置で押圧部材3を取り替えることなく種々のホイールにホイールバランスウェイトを貼り付けることができ、ホイールバランスウェイトの貼付の作業性が向上した。
実施例1のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例2のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例2の変形形態のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例3のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例3の変形形態のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例4のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例5のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例6のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 実施例7のホイールバランスウェイトの貼付装置の構成を示した図である。 押さえ板と接続部材の接続方法の一例を示した図である。 押さえ板と接続部材の接続方法の一例を示した図である。 押さえ板と接続部材の接続方法の一例を示した図である。 押さえ板と接続部材の接続方法の一例を示した図である。 本発明の貼付装置でホイールに貼り付けられるホイールバランスウェイトの側面図である。 本発明の貼付装置でホイールに貼り付けられるホイールバランスウェイトの側面図である。
符号の説明
1:貼付装置
2:駆動手段 20:エアーシリンダ
3:押圧部材 30:接続部材
31:押さえ板 31a:押圧面
4:受け側部材
5:付勢手段 50,51,52:スプリング
6:両面テープ
7:ネジ
8:ホイールバランスウェイト
80:ウェイト 81:両面テープ
82:ウェイト小片

Claims (10)

  1. ホイールのリムの内周面上に位置する貼り付け式のホイールバランスウェイトと当接する押圧部材と、
    該押圧部材を該ホイールの径方向に往復動させる駆動手段と、
    を有し、該駆動手段を駆動して該押圧部材を該ホイールの径方向外方に変移して該ホイールバランスウェイトを該内周面に押しつけて貼り付けるホイールバランスウェイトの貼付装置において、
    該押圧部材は、該内周面に押しつけられたときに、該ホイールバランスウェイトと対向する押圧面が該内周面の湾曲形状に沿って湾曲可能に形成されていることを特徴とするホイールバランスウェイトの貼付装置。
  2. 前記押圧部材は、前記ホイールの前記内周面に仮固定された前記ホイールバランスウェイトを押圧する請求項1記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  3. 前記押圧部材は、前記押圧面に前記ホイールバランスウェイトを支持可能に形成され、該ホイールバランスウェイトを支持した状態で該押圧部材を変移して該ホイールバランスウェイトを貼り付ける請求項1記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  4. 前記押圧部材は、
    前記ホイールバランスウェイトに対向する前記押圧面をもつ略帯状の押さえ板と、
    一端が該押さえ板の略帯状の長さ方向の略中央部に接続され、他端が前記駆動手段に接続される接続部材と、
    を有する請求項1記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  5. 前記押さえ板は、少なくとも一枚の金属板をもつ請求項4記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  6. 前記押さえ板が、積層した状態の少なくとも二枚の金属板をもち、各該金属板の長さが異なる請求項4記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  7. 少なくとも二枚の前記金属板は、前記ホイールの周方向の外方に位置する金属板の長さが外周方向の内方に位置する金属板より長い請求項6記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  8. 前記押さえ板を前記リムに付勢する付勢手段をもつ請求項4記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  9. 前記押圧部材の前記押圧面は、前記ホイールの周方向の両端部が該ホイールの前記リムの前記内周面の湾曲形状より小さな曲率半径をもつ請求項1記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
  10. 前記押圧部材の前記押圧面は、前記ホイールの前記内周面の湾曲形状より大きな曲率半径をもつ請求項1記載のホイールバランスウェイトの貼付装置。
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