JP2012172735A - バランスウエイト貼着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リム径が異なるリム内周面にも、貼着式バランスウエイトを簡単に貼着できる汎用性に優れたバランスウエイト貼着装置を提供する。
【解決手段】本発明のバランスウエイト貼着装置1は、ホイールWのハブ内面Whに載置され得る載置部111とホイールのセンター穴Wcに嵌挿され得る支軸部112とを有する筐体11と、筐体に設けられた把持体12と、筐体内に収容された可動体13と、可動体を駆動する駆動手段(エアシリンダー)と、可動体の先端側に設けられた支持体141と、支持体の両端部間を弧状に架橋しホイールのリム内周面に沿って可撓な弧状帯142とを備えることを特徴とする。本発明の貼着装置は、構造がシンプルで取扱性に優れ、リム径の異なる複数種のホイールにバランスウエイトを効率的に貼着することができる。
【選択図】図1B
【解決手段】本発明のバランスウエイト貼着装置1は、ホイールWのハブ内面Whに載置され得る載置部111とホイールのセンター穴Wcに嵌挿され得る支軸部112とを有する筐体11と、筐体に設けられた把持体12と、筐体内に収容された可動体13と、可動体を駆動する駆動手段(エアシリンダー)と、可動体の先端側に設けられた支持体141と、支持体の両端部間を弧状に架橋しホイールのリム内周面に沿って可撓な弧状帯142とを備えることを特徴とする。本発明の貼着装置は、構造がシンプルで取扱性に優れ、リム径の異なる複数種のホイールにバランスウエイトを効率的に貼着することができる。
【選択図】図1B
Description
本発明は、貼着式バランスウエイトを自動車等のホイールへ貼着する際に用いるバランスウエイト貼着装置に関する。
高速回転する自動車等の車輪には、振動原因となるアンバランスを解消するためのバランスウエイトが取り付けられる。このバランスウエイトには、車両用ホイールのリムの周縁部にウエイトを係止する係止式(クリップ式またはフック式)と、そのリム内周面に矩形板状のウエイトを両面粘着テープなどで貼着する貼着式とがある。昨今では、意匠性に優れたアルミホイールが増え、その外観を支持するために貼着式バランスウエイトが多用されている。しかもウエイトの材質も、従来の鉛製から環境負荷がより小さい鉄製へ変わってきている。
鉄製ウエイトは鉛製ウエイトよりも高剛性で硬質である。このため、鉄製ウエイトをリム内周面に確実に貼着するには、相応に大きな加圧力が必要となり、鉄製ウエイトの貼着作業は容易ではない。そこで、この貼着作業を補助するためのバランスウエイト貼着装置(以下単に「貼着装置」という。)が開発されており、それに関する種々の提案が下記の特許文献でなされている。
ところが、上記の特許文献等で提案されている従来の貼着装置は、対応できるリム径(ホイールの公称径)が限られていたり、構造が複雑で大型で高重量であったりして、いずれも汎用性、作業性または効率性等に欠けるものであった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものである。すなわち、リム径の異なる種々のホイールにも容易に対応でき、構造が簡素で小型軽量であり、製造ラインに限らず小規模な整備場等でも利用可能な汎用性や作業性に優れたバランスウエイト貼着装置を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、中空弧状弾性体を用いて鉄製ウエイトを押圧することにより、リム径の異なる複数種のホイールに対しても、鉄製ウエイトをリム内周面へ効率よく確実に貼着できることを新たに見出した。この成果をさらに発展させることにより、以降に述べる本発明が完成されるに至った。
《バランスウエイト貼着装置》
《バランスウエイト貼着装置》
(1)本発明のバランスウエイト貼着装置は、ウエイトと貼着テープとからなる貼着式バランスウエイトをホイールのリム内周面に貼着するバランスウエイト貼着装置であって、前記ホイールのハブ内面に載置され得る載置部と該載置部から突出し該ホイールのセンター穴に嵌挿され得る支軸部とを有する筐体と、該筐体に設けられた把持体と、該筐体内に収容され該ホイールのセンター穴から該ホイールのリム内周面に向けて可動し得る可動体と、該可動体を駆動する駆動手段と、該可動体の先端側に設けられた支持体と、該支持体により支持された両端部間を弧状に架橋し該ホイールのリム内周面に沿って可撓な弧状帯と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明の貼着装置は、先ず、構造がシンプルであり、小型化や軽量化を図り易い。このため、貼着作業時における作業者の負担を大幅に軽減できる。これは、車両組立等を行う大規模工場の生産ラインでは勿論のこと、修理工場等の小規模な作業場でも同様である。
次に本発明の貼着装置では、弧状帯がウエイトをリム内周面へ押圧する。この弧状帯は、両端部が支持体により支持されたアーチ状をしており、ホイールのリム内周面に沿って可撓であり、変形自由度が高い。このため、リム径がある程度変化しても(つまりリム内周面の曲率が変化しても)、またリム内周面が軸方向に多少傾斜していても、弧状帯はリム内周面に沿ってウエイトを確実に押圧し得る。従って本発明の貼着装置によれば、ホイールの種類が変わっても、一種の弧状帯を取り付けたままで幅広くバランスウエイトの貼着作業を行え、リム径に適合した専用の貼着具へ付け替えたりする作業は不要となる。
よって本発明の貼着装置によれば、使用場所やホイールの種類を問わず、バランスウエイトをリム内周面へ効率よく確実に貼着ことが可能となる。
(3)ちなみに本発明に係る弧状帯が、曲率や傾斜の異なる複数種のリム内周面に対応できるのは、その支持構造および形状に起因するところが大きい。すなわち弧状帯は、両端部が支持された弧状(アーチ状)となっていることにより、その裏面側(リム内周面に対面する弧状表面の背面側)には自ずと、その変形を許容する変形許容域が形成される。この変形許容域により弧状帯は、リム内周面の法線方向に撓み易くなり、弧状帯の弧状表面と異なる曲率や傾斜をもつリム内周面にも、適切に沿うことができる。さらに弧状帯は、その支持構造に加えて帯状をしているので、広範囲のリム内周面に沿うことができる。
なお変形許容域は、単なる空間でもよいが、弧状帯の変形を阻害しない範囲で、低剛性材が充填等されていてもよい。また、支持体または弧状帯の具体的な剛性や材質は問わない。通常、支持体は弧状帯よりも高剛性であり、弧状帯はウエイトをリム内周面に馴染ませるのに足る剛性を有すると好適である。
1 バランスウエイト貼着装置
11 本体(筐体)
111 載置面(載置部)
112 ボス(支軸部)
12 ハンドル(把持体)
13 駆動ロッド(可動体)
14 中空弧状弾性体
141 支持部(支持体)
142 弧状部(弧状帯)
At 変形許容域
B 貼着式バランスウエイト
T タイヤ
W ホイール
Wr リム内周面
Wh ハブ内面
Wb ホイール取付用ボルト穴
Wc センター穴
11 本体(筐体)
111 載置面(載置部)
112 ボス(支軸部)
12 ハンドル(把持体)
13 駆動ロッド(可動体)
14 中空弧状弾性体
141 支持部(支持体)
142 弧状部(弧状帯)
At 変形許容域
B 貼着式バランスウエイト
T タイヤ
W ホイール
Wr リム内周面
Wh ハブ内面
Wb ホイール取付用ボルト穴
Wc センター穴
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。上述した本発明の構成に本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成を付加し得る。なお、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《バランスウエイト》
(1)ウエイト
リム内周面に貼着されるウエイトは、材質、形状、サイズ等を問わないが、環境負荷が少なく、安価に入手可能な純鉄製または鉄合金製が好ましい。例えば、JIS規格にあるSC鋼材(SWRM、SWRCH等)、SS鋼材(SS400等)である。貼着式のウエイトは、通常、重量調整が容易なように、矩形板状(薄いブロック状)の小片が一単位となっている。本発明でいうウエイトは、小片一つでも、小片が帯状に連なった集合体でもよい。なお、ウエイト(特に鉄製ウエイト)は、メッキや塗装等の防錆処理が適宜なされたものであると好ましい。
(1)ウエイト
リム内周面に貼着されるウエイトは、材質、形状、サイズ等を問わないが、環境負荷が少なく、安価に入手可能な純鉄製または鉄合金製が好ましい。例えば、JIS規格にあるSC鋼材(SWRM、SWRCH等)、SS鋼材(SS400等)である。貼着式のウエイトは、通常、重量調整が容易なように、矩形板状(薄いブロック状)の小片が一単位となっている。本発明でいうウエイトは、小片一つでも、小片が帯状に連なった集合体でもよい。なお、ウエイト(特に鉄製ウエイト)は、メッキや塗装等の防錆処理が適宜なされたものであると好ましい。
(2)貼着テープ
貼着テープは、通常、両面テープからなり、片面にウエイトが貼着され、その反対面に剥離紙が付いている。この剥離紙は、バランスウエイトをリム内周面へ貼着する前に剥がされる。なお、粘着テープは、クッション材付き両面テープであると、リム内周面の微細な凹凸が吸収され、ウエイトの貼着が安定して好ましい。
貼着テープは、通常、両面テープからなり、片面にウエイトが貼着され、その反対面に剥離紙が付いている。この剥離紙は、バランスウエイトをリム内周面へ貼着する前に剥がされる。なお、粘着テープは、クッション材付き両面テープであると、リム内周面の微細な凹凸が吸収され、ウエイトの貼着が安定して好ましい。
《バランスウエイト貼着装置》
(1)筐体
貼着装置の筐体(本体)は、ホイールのハブ内面に載置され得る載置部と、この載置部から突出しホイールのセンター穴に嵌挿され得る支軸部とからなる。載置部により、貼着装置はホイール内で安定した姿勢を保持する。載置部の形状や大きさは問わないが、載置部はハブ内面に安定して当接する程度の平面(載置面)を有すると好ましい。
(1)筐体
貼着装置の筐体(本体)は、ホイールのハブ内面に載置され得る載置部と、この載置部から突出しホイールのセンター穴に嵌挿され得る支軸部とからなる。載置部により、貼着装置はホイール内で安定した姿勢を保持する。載置部の形状や大きさは問わないが、載置部はハブ内面に安定して当接する程度の平面(載置面)を有すると好ましい。
また支軸部により、貼着装置はハブ内面に平行な方向への移動が拘束される。このため、弧状帯がウエイトをリム内周面へ押圧する際に作用する反力は支軸部により負担され、作業者に負担が係らない。また支軸部の形状や大きさも問わないが、支軸部は、ホイールのセンター穴(ハブ穴)に沿った円筒または円柱状であると好ましい。なお支軸部は、バランスウエイトの貼着を予定しているホイールのいずれのセンター穴にも嵌挿できる大きさ(外径)であると、貼着装置の汎用性が増して好ましい。具体的には、支軸部の外径がセンター穴の最小径よりも小さいとよい。さらに支軸部の先端部が角丸形状またはテーパー形状のガイド部になっていると、センター穴への嵌挿が容易となり好ましい。
(2)把持体
筐体に設けられる把持体は、貼着装置を移動、保持、ホイールへ脱着等する際に作業者がもつハンドルまたは取手等である。その形状や取付位置等は問わない。
筐体に設けられる把持体は、貼着装置を移動、保持、ホイールへ脱着等する際に作業者がもつハンドルまたは取手等である。その形状や取付位置等は問わない。
(3)可動体および駆動手段
可動体は、駆動手段により駆動され、弧状帯をホイールのセンター穴からリム内周面へ向けて可動させる。可動体は、例えば、筐体に対して往復動する駆動ロッドである。駆動手段の駆動源は、空圧(圧縮空気)、油圧、モータ等のいずれでもよい。もっとも、圧縮空気を用いると、貼着装置の簡素化や小型軽量化を図れて好ましい。そして駆動手段は圧縮空気を駆動源とするエアシリンダーであると好適である。
可動体は、駆動手段により駆動され、弧状帯をホイールのセンター穴からリム内周面へ向けて可動させる。可動体は、例えば、筐体に対して往復動する駆動ロッドである。駆動手段の駆動源は、空圧(圧縮空気)、油圧、モータ等のいずれでもよい。もっとも、圧縮空気を用いると、貼着装置の簡素化や小型軽量化を図れて好ましい。そして駆動手段は圧縮空気を駆動源とするエアシリンダーであると好適である。
(4)支持体および弧状帯
弧状帯は支持体により両端部が支持されたアーチ状の帯状部材である。この大きさは問わないが、弧状帯の曲率半径が、バランスウエイトの貼着を予定しているリム内周面の曲率半径よりも小さいと、貼着装置の汎用性が増して好ましい。ちなみに弧状帯の曲率半径がリム内周面の曲率半径よりも小さい場合、弧状帯によりバランスウエイトは中央付近から両端側へ順に加圧される。
弧状帯は支持体により両端部が支持されたアーチ状の帯状部材である。この大きさは問わないが、弧状帯の曲率半径が、バランスウエイトの貼着を予定しているリム内周面の曲率半径よりも小さいと、貼着装置の汎用性が増して好ましい。ちなみに弧状帯の曲率半径がリム内周面の曲率半径よりも小さい場合、弧状帯によりバランスウエイトは中央付近から両端側へ順に加圧される。
ところで、支持体と弧状帯は別体でも一体でもよい。別体の場合、例えば、支持体を剛体として、弧状帯を両端部が支持体に支持された弾性体とすればよい。もっとも、支持体と弧状帯は一体化した中空弧状弾性体であると、貼着装置の簡素化を図れて好ましい。
弧状帯(中空弧状弾性体を含む)は、所望の弾性と剛性が発揮されるように、その材質および形状が適宜選択される。弧状帯に適した材料として、合成樹脂(エンジニアリングプラスチック等)や硬質ゴムなどがあり、例えばウレタンゴムなどが好適である。
さらに本発明に係る弧状帯は、ウエイトを押圧する弧状表面に、そのウエイトを磁着させる永久磁石を備えると好ましい。貼着前の鉄製ウエイト(バランスウエイト)が弧状帯に一時的に支持されるので、貼着作業を効率的に行い易い。なお、永久磁石の磁力は、貼着作業の完了後に、貼着したウエイトから弧状帯を容易に磁脱できる程度が好ましい。
このような永久磁石として、弧状帯内に埋設されたり、その周囲に配置される焼結磁石やシート状のボンド磁石(ゴムプレート磁石)がある。さらに、弧状帯自体が磁石粉末を含むボンド磁石でもよい。なお、磁石成分はフェライト系でも希土類系でもよい。
《貼着装置》
(1)本発明の一実施例であるバランスウエイト貼着装置1(以下「貼着装置1」という。)を図1Aおよび図1Bに示した。この貼着装置1は、図2Aに示すように、ホイールWのリム内周面Wrへ、貼着式バランスウエイトB(以下「バランスウエイトB」という。)を貼着する装置である。なお、図1Aおよび図1Bには、ホイールWのハブ内面Wh(ホイール取付面)へ貼着装置1をセットした状態を示した。またバランスウエイトBは、鉄製のウエイトBgおよび両面テープBtからなる。
(1)本発明の一実施例であるバランスウエイト貼着装置1(以下「貼着装置1」という。)を図1Aおよび図1Bに示した。この貼着装置1は、図2Aに示すように、ホイールWのリム内周面Wrへ、貼着式バランスウエイトB(以下「バランスウエイトB」という。)を貼着する装置である。なお、図1Aおよび図1Bには、ホイールWのハブ内面Wh(ホイール取付面)へ貼着装置1をセットした状態を示した。またバランスウエイトBは、鉄製のウエイトBgおよび両面テープBtからなる。
(2)貼着装置1は、本体11(筐体)と、ハンドル12(把持体)と、駆動ロッド13(可動体)と、図示しないエアシリンダー(駆動手段)と、中空弧状弾性体14(支持体および弧状帯)とからなる。
本体11は、平坦なハブ内面Whに載置される平坦な載置面111(載置部)と、載置面111の中央付近から下方へ突出したボス112(支軸部)とを有する。なお、本実施例でいう上下左右は、図1Bに基づく。ハンドル12は、本体11の上面に固定された根元部から延びる取手である。
駆動ロッド13は、往復動可能に本体11内に収容されている。駆動ロッド13の一端側(右端側)には本体11内に収容されたエアシリンダーがあり、これにより駆動ロッド13は左右方向(図中の矢印方向)に往復動する。駆動ロッド13の他端側(左端側)には中空弧状弾性体14を取り付ける取付板131が固定されている。エアシリンダーは、コンプレッサ等の圧縮空気源にエアラインを通じて接続されており、その途中に圧縮空気の導入、遮断、排気を切り替える切替弁がある。
中空弧状弾性体14は、取付板131に固定される平板状の支持部141(支持体)と、この支持部141の両端側にある端部143a、143b(両者を合わせて「両端部143」という。)間を弧状に架橋した帯状の弧状部142(弧状帯)とからなる。この中空弧状弾性体14は、硬質な合成樹脂(例えばウレタンゴム)を一体成形したものである。支持部141と弧状部142との間には、弓状の空間である変形許容域Atが形成されている。この変形許容域Atがあるため、弧状部142は押圧方向(駆動ロッド13の作動方向)に適度に撓み得る。なお、支持部141は、弧状部142よりも肉厚であり、その大部分が高剛性な取付板131により保持されている。このため支持部141は弧状部142と異なり、ほとんど撓まない。なお、弧状部142の弧状表面142aには、薄いマグネットシート(図略)が強固に貼り付けてある。
《貼着作業》
(1)貼着装置1を用いて、バランスウエイトBをリム内周面Wrへ貼着する工程は次の通りである。先ず、ホイールWにタイヤTを組み込んだ組込体の回転アンバランスをバランス測定機で測定する。その回転アンバランスを解消するために必要なバランスウエイトBの貼着位置と貼着重量を特定する。
(1)貼着装置1を用いて、バランスウエイトBをリム内周面Wrへ貼着する工程は次の通りである。先ず、ホイールWにタイヤTを組み込んだ組込体の回転アンバランスをバランス測定機で測定する。その回転アンバランスを解消するために必要なバランスウエイトBの貼着位置と貼着重量を特定する。
次に、貼着装置1の弧状表面142aに、その貼着重量分のウエイトBgを有するバランスウエイトBを磁着させる。このバランスウエイトBから、その反対面側にある両面テープBtの剥離紙を?がす。この状態の貼着装置1を、ハブ内面Whが上方に向けた組込体内(ホイールW内)へ移動させる。そしてハブ内面Whの中央にあるセンター穴Wcへ貼着装置1のボス112を嵌挿し、載置面111をハブ内面Whへ密着させる。このとき、上述したリム内周面Wrの貼着位置にバランスウエイトBが対面するように、貼着装置1の位置を合わせる。
この後、作業者はハンドル12を把持しつつ、切替弁を切り替えて、エアシリンダーへ圧縮空気を導入する。そうすると、空圧によって駆動ロッド13がセンター穴Wc側からリム内周面Wr側へ押し出される。これに伴い、中空弧状弾性体14の弧状部142が両面テープBtを介してウエイトBgをリム内周面Wrへ押圧する。こうしてウエイトBgはリム内周面Wrに沿って貼着される。
(2)この貼着作業時、リム内周面Wrの曲率や傾斜が弧状部142と異なっていても、またウエイトBgが長くても短くても、弧状部142が弾性的に撓むことにより、バランスウエイトBは何ら問題なくリム内周面Wrへ貼着される。この様子を図2A〜図2C、図3Aおよび図3Bに示した。
先ず、図2Aに示すように、リム内周面Wrの曲率半径が弧状部142の曲率半径と同程度なら、弧状部142は、バランスウエイトB全体をリム内周面Wrへ均一的な加圧力で押圧する(図中の矢印参照)。
次に、図2Bに示すように、ホイールW2のリム内周面Wr2の曲率半径が弧状部142の曲率半径よりも大きい場合、駆動ロッド13により押された弧状部142は、当初、その中央部分でバランスウエイトBを押圧し、その両端部分ではバランスウエイトBをあまり押圧していない。つまり、弧状部142による加圧力は、その中央付近では十分であるが、両側では不十分になっている(図中の矢印参照)。
しかし、図2Cに示すように、駆動ロッド13により押された弧状部142は、次第に、その中央部分が変形許容域Atへ撓むようになり、その両端部分がリム内周面Wr2へ沿うようになる。その結果、弧状部142の両端部分でも、バランスウエイトBはリム内周面Wr2へ十分に加圧されるようになる(図中の矢印参照)。
こうしてリム内周面Wr2の曲率半径が弧状部142の曲率半径より大きい場合でも、バランスウエイトBは、最終的に、リム内周面Wr2へ十分な加圧力で均一的に押圧される。従って本実施例の貼着装置1によれば、ホイールのリム径を問わず、バランスウエイトBを確実に貼着することができる。
このような事情は、リム内周面Wrが上下方向に傾斜したテーパー面であっても同様である。例えば図3Aに示すように、当接前は、弧状部142とリム内周面Wrとの間にできる隙間が上部と下部で異なっている。ところが、弧状部142が駆動ロッド13により押されると、弧状部142は上下方向にも撓み、バランスウエイトB(図略)はリム内周面Wrへ上下方向でも均一的に加圧されるようになる。
Claims (2)
- ウエイトと貼着テープとからなる貼着式バランスウエイトをホイールのリム内周面に貼着するバランスウエイト貼着装置であって、
前記ホイールのハブ内面に載置され得る載置部と該載置部から突出し該ホイールのセンター穴に嵌挿され得る支軸部とを有する筐体と、
該筐体に設けられた把持体と、
該筐体内に収容され該ホイールのセンター穴から該ホイールのリム内周面に向けて可動し得る可動体と、
該可動体を駆動する駆動手段と、
該可動体の先端側に設けられた支持体と、
該支持体により支持された両端部間を弧状に架橋し該ホイールのリム内周面に沿って可撓な弧状帯と、
を備えることを特徴とするバランスウエイト貼着装置。 - 前記支持体および前記弧状帯は、中空弧状弾性体からなる請求項1に記載のバランスウエイト貼着装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140513 |