JP2008050702A - 繊維構造体およびそれからなるバグフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の繊維構造体は、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の有する優れた耐熱、耐薬品性を維持しつつ、熱収縮率を低減することにより、ろ過性能の低下を防ぐことのできるバグフィルター用に適した繊維構造体を提供するものである。
【解決手段】
本発明の繊維構造体は、300℃における乾熱収縮率が2%以下で単糸繊度0.1dtex以上、10dtex以下のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から主として構成される不織布を含み、目付が200g/m以上、1000g/m以下、タテヨコ平均強力が200N/50mm以上、2000N/50mm以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高温下で固体と気体を分離する、耐熱集塵装置に使用される耐熱性に優れた繊維構造体に関する。特に、石炭ボイラープラント、ゴミ焼却プラント、セメント焼成プラント、アスファルト製造プラントなどの、多量の粉塵を高温ガスから分離するための耐熱バグフィルターに関する。
ポリアリーレンスルフィド繊維は、耐熱性、耐薬品性に優れた繊維として、耐熱バグフィルター分野で広く用いられている。また、特許文献1〜4に示されるように、ポリアリーレンスルフィド繊維を酸化処理してポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を得ることや、PPSO繊維が耐熱バグフィルターに用いることができることも公知である。ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は耐薬品性に極めて優れた素材であり、特に燃焼ガスの塵埃をろ過する際のバグフィルターに使用される際には、メタアラミド繊維やポリイミド繊維に比較しても高い耐酸性、耐アルカリ性および耐蒸熱性を示し、各種液体ろ過フィルターに使用される際には、これら耐薬品性に加えて優れた耐有機溶剤性を示す。すなわちこれらの気体、液体環境下において、長時間強力を保持する性能を有する。耐熱性においてもメタアラミド繊維を凌駕し、ポリイミド繊維に匹敵する特性を有する。
ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維製バグフィルターに使用したところ、とくに高温の塵埃によっても溶融することはなかったものの、部分的に熱収縮によるろ過性能の低下、すなわちろ過圧損の上昇と捕集性能の低下が見られた。
特開昭63−182413号公報 特開平5−230760号公報 特開平6−81270号公報 特開2006−16585号公報
本発明は、かかる背景技術の問題点に鑑み、バグフィルターに要求される特性を全て高いレベルで満足するバグフィルター濾布およびバグフィルターを提供せんとするものである。
すなわち、本発明の繊維構造体は、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の有する優れた耐熱、耐薬品性を維持しつつ、熱収縮率を低減することにより、ろ過性能の低下を防ぐことのできるバグフィルター用に適した繊維構造体を提供するものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の繊維構造体は、300℃における乾熱収縮率が2%以下で単糸繊度0.1dtex以上、10dtex以下のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から主として構成される不織布を含み、目付が200g/m以上、1000g/m以下、タテヨコ平均強力が200N/50mm以上、2000N/50mm以下であることを特徴とするものである。また、本発明のバグフィルターは、かかる繊維構造体で構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、前記したように、バグフィルターに要求される特性を全て高いレベルで満足する繊維構造体を提供することができるので、石炭ボイラープラント、ゴミ焼却プラント、セメント焼成プラント、アスファルト製造プラントなどの、多量の粉塵を高温ガスから分離するために使用される集塵装置に好適な濾布を提供することができる。
本発明において、ポリアリーレンスルフィド酸化物とは、
一般式(1)
Figure 2008050702
(R''は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、分子間のR''同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。またR''はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'''はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかを表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)で示される繰り返し単位からなるポリマー、または、主要構造単位としての上記繰り返し単位と、上記繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下、好ましくは0.3モル以下の一般式(2)〜(8)
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
(R''は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R''''は、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基を表し、分子間のRまたはR'同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。また、R''、R''''はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'''はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかを表し、nは0〜2のいずれかを表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)で示される繰り返し単位とからなる共重合体である。また、一般式(1)で示される繰り返し単位のうち、Xが0、1、2である構造単位中に占める、Xが1または2である構造単位の比率は、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは0.7以上である。
本発明における酸化反応処理過程で生じる架橋とは、ポリアリーレンスルフィド化合物を酸化反応処理する過程でポリマー分子間で橋架け構造を形成することを意味し、繰り返し単位の構造中に含まれる炭素原子、硫黄原子、酸素原子のいずれかから選ばれる原子どうしが結合して橋架け構造を形成することを意味する。また、この架橋化度は、該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の固体NMR分析により確認することができる。
本発明における、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維とは、上記ポリアリーレンスルフィド酸化物から構成される繊維である。繊維の長さ/太さの比は100以上であり、長繊維であっても構わない。繊維の太さは、単糸繊度0.1dtex以上、10dtex以下であることが必要である。0.1dtex未満の場合には、繊維構造体としたときの通気抵抗が高くなり過ぎ、効率の良いフィルターが得られない。また、10dtexを超える単糸繊度では捕集効率が低下してしまう。これらの目的のためには単糸繊度は0.5dtex以上、8dtex以下であることが好ましく、1dtex以上、6dtex以下であることがより好ましい。
ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の断面形状は特に限定されるものでは無く、通常の円形断面のみならず、△断面、Y字断面、□断面、十字断面、中空断面、C型断面、田型断面など、いかなる異形断面も採用できる。
本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の300℃における乾熱収縮率は2%以下であることが必要である。この値が2%を超えると、ポリアリーレンスルフィド酸化物製バグフィルターに使用した際に高温の塵埃によって熱収縮によるろ過性能の低下、すなわちろ過圧損の上昇と捕集性能の低下が見られることがある。本発明ではこの問題を解決するためには後述するような新規の製造方法を採用することによって、高温物の接触による形態変化を低減でき、長期間にわたって十分使用に耐えられるバグフィルターなどに適したものが得られる繊維構造物を見出した。
また、本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、示差走査熱量計(DSC)での測定において、融解熱量が10J/g以下であることが好ましく、融解ピークを実質的にもたないことがより好ましい。融解熱量を低くし、極限的には確認できない程度とすることにより、高温物との接触による繊維構造物の溶融劣化を防ぐことができ、ろ過性能の耐久性を向上させることができる。
本発明の繊維構造体は前述した単糸繊度の繊維からなる不織布を含むものである。不織布を含まないものであると、小さな粒径の塵埃を捕集する捕集効率が低下してしまう。
本発明の繊維構造体は、目付が200g/m以上、1000g/m以下である。バグフィルターとして使用した場合、捕集した塵埃を除去するために逆洗を行う。逆洗とは、捕集時とは逆方向に圧空パルスを掛け、捕集した塵埃をふるい落とす操作である。目付が200g/m未満の場合、塵埃の捕集容積が小さくなり頻繁に逆洗を掛けることになり、フィルター寿命を低下させてしまう。また、目付が1000g/mを超えると、不必要にフィルターが重くなり、また通気抵抗も高くなるため、設備上コストアップとなり不利である。
本発明の繊維構造体のタテヨコ平均強力は、200N/50mm以上、2000N/50mm以下である。200N/50mm未満の場合、逆洗による衝撃や、圧空パルス噴射後のリテーナへの衝突の衝撃により、繊維が劣化し捕集効率が悪化する。また、タテヨコ平均強力が2000N/50mmを超えると、不必要にフィルターが重くなり、また通気抵抗も高くなるため、設備上コストアップとなり不利である。
本発明の繊維構造体は、見掛け密度が0.25g/cm以上0.70g/cm以下であることが好ましい。見掛け密度を0.25g/cm以上とすることにより、摩耗に対する耐久性が向上すると共に、捕集効率が低下しにくい。また、見掛け密度を0.70g/cm以下とすることにより、過大な通気抵抗を必要とせずに塵埃を捕集することができる。
本発明の繊維構造体は不織布を含む物であることは前述の通りであるが、全てが不織布からなるものであっても、不織布と織編物から構成されているものであってもよい。すなわち、バグフィルター向けの繊維構造体などには、捕集効率の向上との強力の向上という二つの特性が要求される。捕集効率の向上には、織編物では織り目や編み目の部分に大きな空隙が形成されるために、不織布が好適に用いられる。しかし強力の面では、不織布のみではやや小さいため、コストおよび設計上可能であれば、織編物を組みあわせることが好ましく採用される。織編物と不織布の組合せの方法は、不織布/織編物/不織布の3層構造としても良いし、不織布/織編物の2層構造としても差し支えない。かかる製造方法としては、繊維絡合前の不織布と織編物とを積層しておいて、ニードルパンチやウォータージェットパンチなどにより、不織布の絡合と織編物との一体化を達成する製造方法が好ましい。このように、繊維構造体を構成するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維不織布に、織編物を挿入することにより、高強力の繊維構造体を得ることができる。なお、織編物を組みあわせる場合には、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維はもちろんのこと、他の素材による繊維からなる織編物を用いることもできる。例えば、フッ素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維などが好ましく用いられる。フッ素繊維は有機繊維ではあるが極めて耐熱性が高い繊維であり、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維は無機繊維であって、やはり極めて耐熱性の高い繊維である。これらの耐熱性の高い繊維を織編物として用いることにより、より高温下に暴露されるプラントのバグフィルターとして使用された場合においても、さらに耐熱性が高く、高温下でも破断の生じにくいバグフィルターを得ることができる。
本発明の不織布はポリアリーレンスルフィド酸化物繊維100%で構成することもできるが、ガラス繊維、シリカ繊維、フッ素繊維、炭素繊維、ポリアリーレンスルフィド繊維から選ばれる少なくとも1種からなる異種繊維との混綿不織布であってもよい。すなわち、これらの異種繊維との混綿とすることにより、摩耗などの機械的強度の向上したバグフィルター濾布を提供することができる。
以下に、本発明の繊維構造体の製造方法について記載する。
ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を得る方法としては、ポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を酸化処理して得られる。
ここで言うポリアリーレンスルフィド化合物とは、下記一般式(9)
Figure 2008050702
(Rは、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基の少なくともいずれか1つを表す。)で示される繰り返し単位を主要構成単位とするホモポリマー、または、上記繰り返し単位と、上記繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下、好ましくは0.3モル以下の一般式(10)〜(16)
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
Figure 2008050702
(Rは、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R'は、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基を表す。)で示される繰り返し単位とからなる共重合体からなる固体物品である。
中でも置換基RおよびR'は、水素または炭素数1〜4の脂肪族置換基が好ましく、具体例としては水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、これらの中でもより好ましいのは、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基であり、特に好ましいのは、メチル基である。
かかるポリアリーレンスルフィド化合物の具体例としては、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−トリレンスルフィド、ポリ−p−クロロフェニレンスルフィド、ポリ−p−フルオロフェニレンスルフィドなどが挙げられ、中でも好ましいのは、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−トリレンスルフィドであり、さらに好ましいのは、ポリ−p−フェニレンスルフィドである。
ポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維は、上記ポリアリーレンスルフィド化合物を溶融紡糸、延伸、熱処理して得る。溶融紡糸は、紡糸温度290〜350℃、紡糸速度400〜3000m/分であることが好ましい。また延伸、熱処理は、紡糸に引き続いて行ってもよく、紡糸した後に一旦、キャンに収納、または巻き取った後に、延伸熱処理工程に通すこともできる。延伸は、溶融紡糸された繊維の物性に応じて、延伸倍率1.5〜7倍の1段または多段で延伸し、引き続いて最高温度150〜270℃で熱処理する。このポリアリーレンスルフィド繊維は、強度1.5〜6cN/dtex、破断伸度10〜60%、弾性率20〜70cN/dtexとすることが好ましい。また、結晶化度30%以上かつ重量平均分子量30000(Mw)以上の物性を有するものであることが好ましく、さらに結晶化度は50%以上であるものであることがより好ましい。また、重量平均分子量は40000(Mw)以上であることがより好ましい。結晶化度を30%以上で重量平均分子量を40000以上のポリアリーレンスルフィド繊維を使用することにより、酸化反応処理においてもその結晶性や分子量を大きく損なわず、その結果生成するポリアリーレンスルフィド酸化物の物性面に関して良好な結果を与える。
得られたポリアリーレンスルフィド繊維は酸化反応に供せられる。酸化反応に用いる反応液体としては、水、酢酸および硫酸が混合された液体が好ましく、その混合組成比は水が5〜20重量%、酢酸が60〜90重量%、硫酸が5〜20重量%が好ましい。このような反応液体、組成比とすることにより、300℃における乾熱収縮率を低減させることができる。また、酸化剤としては過酸化水素が好ましく、前記反応液体に過酸化水素が存在することにより、液中で平衡過酢酸を生成し、硫酸が存在することにより、ポリアリーレンスルフィド繊維の酸化が促進する。過酸化水素の酸化反応液体中の濃度は0.1〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜8重量%である。この範囲の濃度において良好な反応結果を与え、かつ安全性の高いプロセスが構築できる。また、300℃における乾熱収縮率と安全性とをさらに向上させるためには、硫酸を反応液中に逐次添加する方法が好ましい。
さらに反応温度は50℃以下とすることが、300℃における乾熱収縮率を低減させることができるために好ましい。また、反応温度は反応を短時間化させるためには10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
ポリアリーレンスルフィド繊維を酸化反応に供した場合、スルフィド結合がスルホキシド結合、スルホン結合へと進むスルホン化反応と、アリーレン基同士が架橋構造を生成する架橋反応の二つの反応が同時に起こる。本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、300℃、あるいはそれ以上の高温における乾熱収縮率の低いことが大きな特徴であるが、そのためには架橋構造の生成を促進させポリアリーレンスルフィド酸化物分子鎖の熱振動を抑制することが必要である。本発明では、驚くべきことに、本来高いエネルギーを必要とする架橋構造の生成のために、従来のような過酢酸を用いたり、60℃以上の高温条件を採用せず、逆に上記したような穏和な酸化反応条件を採用することが、より有効であることを見出したのである。また、穏和であり過ぎると逆に架橋反応が進みにくく、酸化剤として過ホウ酸ナトリウムのような無機塩過酸化物のみでは十分な架橋構造を作ることができない。
その機構は明確ではないが、本発明のような穏和な酸化条件においては、反応初期にはスルホン化反応が優先して起こるものの、ほぼスルホン化反応が終了した後にも架橋構造が生成されておらず、分子鎖が運動しやすい状態を維持できるために効率的な架橋反応が起こるのではないかと思われる。さらに、スルフィド結合に比較してスルホン結合の方が、アリール基のラジカル化が起こりやすく架橋反応がより起こりやすいのではないかと思われる。
このような現象が起こり本発明の目的が達成できる前提であれば、酸化処理液として少量の任意の有機酸あるいは有機酸無水物を含むこと、あるいは酸化剤として少量の任意の無機塩過酸化物を含むことを妨げるものではない。
酸化反応処理を行うための処理方式に特に制限はないが、バッチ式または連続式、あるいはそれらを組み合わせたものでも採用でき、また1段式プロセスまたは多段式プロセスのいずれでも採用できる。
ここで、バッチ式とは、任意の反応容器内にポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維および酸化剤の含まれる液体を投入し、任意の濃度、温度、時間で酸化反応処理した後、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維または液体を取り出す処理方式を意味し、連続式とは、ポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維または酸化剤の含まれる液体を任意の流速を持たせて反応容器内を流通させて酸化反応処理する方式を意味する。連続式においては、任意の形態で固定化したポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維に対して、酸化剤の含まれる液体を流通または循環させて酸化反応処理する方法、あるいは、酸化剤の含まれる液体を任意の反応容器内に投入し、そこへポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を連続的に流通または循環させて酸化反応処理する方法のいずれも採用できる。
また、多段式プロセスとは、バッチ式または連続式を採用した酸化反応処理の単位工程が、複数または段階的に構築されたプロセスを意味する。具体的には、酸化反応処理を複数回に分け、各処理を行う際に、酸化反応処理を行うための酸化剤を含む液体を新たに調製し、続く酸化反応処理を行う方法が例示される。かかる方法は酸化反応を促進できる点で好ましく、具体的には酸化反応処理時間の短縮や、より低い温度での反応が可能となる点で好ましく用いられる。特に、ポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維の形態や見かけ体積などの影響で、それが十分浸漬するよう液体で希釈したり、あるいは安全性確保のために濃度を下げたりすることにより生じ得る酸化反応処理時間の延長を抑制したり、過度の温度上昇を不要にし得る点でこの多段式プロセスが好ましく、これを採用することにより、酸化反応時間の延長や温度上昇を被ることなくかつ安全性を確保した上でプロセス構築ができる。
酸化処理した後には、中和処理や水洗処理を行うことが望ましい。
さらに、酸化反応処理におけるポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維と酸化剤の含まれる液体との接触方法は、酸化剤の含まれる液体中にポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を浸漬する方法、任意の形態で固定化したポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維に酸化剤の含まれる液体を散布または噴霧する方法のいずれも採用できる。
また、酸化処理の時期は、不織布形状とされる前のポリアリーレンスルフィド繊維の状態、または不織布とした後に酸化処理してポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなる繊維構造体とすることができる。
ポリアリーレンスルフィド繊維にしてもポリアリーレンスルフィド酸化物繊維にしても、不織布の製造方法としては、捲縮の付与された短繊維を、カーディングして繊維を分繊かつ繊維方向を揃え、クロスラッパーで積層してウェブとし、該ウェブを交絡あるいは一体化させて不織布とすることができる。交絡の方法としては、ニードルを打って交絡させるニードルパンチ方法や、水流を与えて交絡させるウォータージェットパンチ製法などが、好ましく用いられる。あるいは一体化の方法としては、熱プレスや熱エンボスプレスによって、部分的に押し固めて一体化する方法なども用いられる。この、熱プレスや熱エンボスによる方法においては、あらかじめ熱軟化する繊維を少量混綿しておく方法も好ましく用いられる。混綿する繊維の具体的な例としては、ポリ四フッ化エチレン繊維やポリアリーレンスルフィド繊維やメタアラミド繊維などが挙げられる。
本発明のバグフィルターは上述したポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなる繊維構造体を縫製して得ることが好ましいが、ポリアリーレンスルフィド繊維からなる繊維構造体を縫製したバグフィルターを得た後に、これを酸化処理する方法を採用することもできる。縫製方法としては、縫い糸を用いた文字通りの縫製が好ましい。ただし、縫い糸には注意を有し、少なくとも耐熱性の良好な縫い糸を用いる必要があり、m−アラミド繊維からなる縫い糸、ポリアリーレンスルフィド繊維からなる縫い糸、ポリイミド繊維からなる縫い糸などを用いることが出来るが、好ましくは、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなる縫い糸やポリ四フッ化エチレン繊維からなる縫い糸が用いられる。
また、縫い糸を用いない場合の縫製方法として、超音波や電気的高周波や熱板による溶融縫製、いわゆるウェルダーも好ましく用いられる。ただし、ウェルダー縫製をする場合には、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は融点を有しないので、融点を有する繊維を混綿するなどの工夫が必要であることは言うまでもない。
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。なお、本実施例、比較例においては、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維をPPSO繊維、ポリアリーレンスルフィド繊維をPPS繊維と略して記載する。
[測定方法]
(1)示差走査熱量(DSC)(融解熱量)
示差走査熱量測定装置(RDC220(セイコー・インスツルメンツ))を用い、窒素雰囲気下、窒素流量20mL/分とし、不織布から繊維を抜き取ったサンプル量5mgを秤量し、温度プログラム:30℃から340℃まで10℃/分で昇温後、2分間ホールドし、340℃から30℃まで10℃/分で降温後、2分間ホールドした後、30℃から500℃まで10℃/分で昇温した時のDSCカーブより、融解熱量を測定した。
(2)300℃における乾熱収縮率
JIS L 1015:1992にしたがって、つかみ間距離25mmの試料を作成し、300℃の乾燥機中にて30分間つり下げ、乾熱収縮率を求め、試験回数を30回とし、その平均値を求めた。
(3)目付
JIS L 1906:2000 5.2に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(4)不織布の見掛け密度
(不織布の厚さ)
JIS L 1906:2000で準用するJIS L 1096:1999に準じて、試料の幅1m当たり10か所について、厚さ測定機を用いて、直径22mmの加圧子による2kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(見掛け密度)
上記で得た目付および厚さから、次式によって見掛け密度(g/cm)を求めた。
=S/(1000×t)
ここに、A:見掛け密度(g/cm
:目付(g/m
t:厚さ(mm)
(5)タテヨコ平均強力
5cm幅、30cm長さのサンプルを用意し、試験片の幅は50mm、チャック間距離は200mm、引張速度は200mm/分の定速引張として室温雰囲気下で引張試験を行った。
実施例1
300℃における見掛け粘度370Pa・sのPPS(一般式(9)でR=Hを基本骨格とするポリマー)を、紡糸温度330℃。、引き取り速度450m/分で溶融紡糸し、90℃の加熱ロールを用いて4.0倍延伸し、200℃の熱板を用い熱処理し、84dtex24フィラメント(単糸繊度3.5dtex)の繊維とし、この繊維を200本合糸して、押し込み捲縮を付与し、繊維長51mmにカットし、PPS原綿を得た。この原綿を、カード、クロスラッパー、ニードルパンチの各工程を経て、目付500g/m、見掛け密度0.45g/cmの幅60cmの不織布とし、この不織布4kgを、酢酸22kg(関東化学社製)および34.5%過酸化水素水7.4kg(関東化学社製)の混合液体中に浸漬させて40℃に加熱し、続いて95%硫酸2kg(関東化学社製)を30分かけて全量滴下し、その後、約2時間反応を行い、PPSO繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度4.6dtex、300℃における乾熱収縮率が1.5%、DSCの測定において融点をもたないものであり、一般式(1)でR''=H、m=0を基本骨格とし、部分的にm=1(すなわち架橋構造を有する)と推定されるポリマーであった。また、本繊維構造体は目付650g/m、タテヨコ平均強力1120N/50mm、見掛け密度0.45g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。
比較例1
実施例1において、酸化液として過酢酸の酢酸溶液(9%濃度)を用い、30℃で2週間処理した。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度4.3dtex、300℃における乾熱収縮率が2.8%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付620g/m、タテヨコ平均強力1110N/50mm、見掛け密度0.43g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後に不織布表面にまだらに収縮ムラがあり、圧力損失の若干の低下と、捕集効率の低下が見られた。
実施例2
紡糸温度を310℃、紡糸速度を4500m/分とし、67dtex24フィラメント(単糸繊度2.5dtex)の繊維とした以外は実施例1と同様にして、PPSO繊維からなる繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度4.6dtex、300℃における乾熱収縮率が1.7%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付650g/m、タテヨコ平均強力850N/50mm、見掛け密度0.45g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。
比較例2
実施例2において、酸化液として過酢酸の酢酸溶液(20%濃度)を用い、40℃で1時間処理した以外は実施例2と同様にしてPPSO繊維からなる繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度4.2dtex、300℃における乾熱収縮率が2.9%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付620g/m、タテヨコ平均強力870N/50mm、見掛け密度0.43g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後に不織布表面にまだらに収縮ムラがあり、圧力損失の若干の低下と、捕集効率の低下が見られた。
実施例3
東レ(株)製「トルコン」2.2dtex×51mmのPPS原綿を用いた以外は実施例1と同様にして、PPSO繊維からなる繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が1.4%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付660g/m、タテヨコ平均強力1090N/50mm、見掛け密度0.45g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。
比較例3
酸化条件を60℃とした以外は実施例3と同様にしてPPSO繊維からなる繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が2.5%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付670g/m、タテヨコ平均強力1230N/50mm、見掛け密度0.43g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後に不織布表面にまだらに収縮ムラがあり、圧力損失の若干の低下と、捕集効率の低下が見られた。
実施例4
実施例3のPPS原綿4kgを、40℃に維持された実施例1の酸化液体に浸漬し、続いて95%硫酸2kg(関東化学社製)を30分かけて全量滴下し、その後、約2時間反応を行い、PPSO繊維を得た。この原綿を、カード、クロスラッパー、ニードルパンチの各工程を経て、目付650g/m、見掛け密度0.45g/cmの幅60cmのPPSO不織布からなる繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が1.5%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は、タテヨコ平均強力1060N/50mm、見掛け密度0.45g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。
比較例4
酸化条件を60℃とした以外は実施例4と同様にしてPPSO繊維からなる繊維構造体を得た。単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が2.5%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付650g/m、タテヨコ平均強力1040N/50mm、見掛け密度0.45g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後に不織布表面にまだらに収縮ムラがあり、圧力損失の若干の低下と、捕集効率の低下が見られた。
実施例5
PPS原綿として「トルコン」1.0dtex−51mmを用い、酸化反応の温度を30℃、時間を1時間とした以外は、実施例3と同様にしてPPSO繊維からなる繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度1.3dtex、300℃における乾熱収縮率が1.6%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付670g/m、タテヨコ平均強力1020N/50mm、見掛け密度0.45g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。
実施例6
実施例4のPPS原綿を用いて、通常の方法に従って、カード、スライバー、粗紡、精紡の各工程を経て、20番手のPPSO紡績糸を得た。得られたPPSO紡績糸を用いて、通常の織布工程を経て、目の粗い目付130g/mの平織りのPPSO織布を得た。さらに実施例4で得られたPPSO原綿を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSO不織布を得た。これらを用い、PPSO不織布/PPSO織布/PPSO不織布の順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付530g/m、見掛け密度0.40g/cmの不織布を得た。本繊維構造体の不織布を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が1.5%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は、タテヨコ平均強力970N/50mm、見掛け密度0.49g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。
比較例5
目付150g/m、見掛け密度0.45g/cmの繊維構造体とした以外は実施例3と同様にしてPPSO繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が1.4%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は、タテヨコ平均強力210N/50mmであった。本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、リテーナー接触部を中心に摩耗が大きいものであった。
実施例7
目付660g/m、見掛け密度0.20g/cmの繊維構造体とした以外は実施例3と同様にしてPPSO繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が1.4%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は、タテヨコ平均強力560N/50mmであった。本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、リテーナー接触部にのみももけが部分的に見られ、実施例3より摩耗性にやや劣るものであった。
実施例8
酸化条件を20℃、硫酸滴下後の処理時間を24時間とした以外は実施例3と同様にしてPPSO繊維構造体を得た。本繊維構造体を構成するPPSO繊維は、単糸繊度3.0dtex、300℃における乾熱収縮率が1.3%、DSCの測定において融点をもたないものであり、本繊維構造体は目付660g/m、タテヨコ平均強力1140N/50mm、見掛け密度0.44g/cmであった。また、本繊維構造体を、石炭ボイラー用のバグフィルターとして使用したところ、6ヶ月の使用後も不織布表面の形態変化はなく、圧力損失、捕集効率も問題のないものであった。

Claims (5)

  1. 300℃における乾熱収縮率が2%以下で単糸繊度0.1dtex以上、10dtex以下のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から主として構成される不織布を含み、目付が200g/m以上、1000g/m以下、タテヨコ平均強力が200N/50mm以上、2000N/50mm以下であることを特徴とする繊維構造体。
  2. 見掛け密度が0.25g/cm以上0.70g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
  3. 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなるポリマーで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維構造体。
    Figure 2008050702
    (R''は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、分子間のR''同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。またR''はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'''はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかを表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)
  4. 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、示差走査熱量計(DSC)の測定において融解ピークを実質的にもたないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維構造体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維構造体で構成されていることを特徴とするバグフィルター。
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