JP2008050348A - 植物の防疫剤、植物の防疫方法及び植物の防疫システム、並びに、植物及び植物の栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の植物の防疫剤は、リンを含有する又はアパタイト構造を含む光触媒粉体を少なくとも含むことを特徴とする。本発明の植物の防疫方法は、植物の防疫剤を、植物に付与することを特徴とする。本発明の植物の防疫システムは、監視手段と、付与手段と、を少なくとも含み、前記監視手段により、植物の病変を感知し、該病変した植物に対して、前記付与手段により防疫剤を付与することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
例えば、胡蝶蘭などのランの栽培においては、前記バクテリアなどの病原菌による疫病(例えば、軟腐病、フザリウムなど)を予防するため(図12及び図13に軟腐病に感染した胡蝶蘭の写真を示す。)、抗生剤として、例えば、カスガマイシンの銅水和剤などを散布する処置、また、病気が発生した株を即時廃棄することにより、病気の蔓延を予防する処置などがとられてきた。
しかし、前記ランの軟腐病やフザリウムなどの疫病の発生を防止するためには、高濃度の抗生剤の散布が必要であること、人体や環境に影響を及ぼすことが問題となっている。更に、このような処置をしても疫病の発生を完全には抑制できないこと、また、いったん発病すると、効果的な治療が困難で、発病した株を破棄するしかないこと、などの問題もある。これらの事情から、現実には防疫の様々な手段を講じてもなお、多い場合には10%程度の個体に病気が発生し、特に、ランなどの高価な植物の場合には、栽培農家にとっては大きな損失となっている。
しかし、これは、植物を栽培する土壌への病原菌の侵入や繁殖を防止するものであり、植物の茎葉などに付着した病原菌を分解し、気孔からの侵入を防止することはできない。
また、前記光触媒機能をもつ金属修飾アパタイトを農薬活性成分と併用した農薬組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、これは、土壌中の残留農薬量を低減させることを目的とするものであり、植物の茎葉などに付着した病原菌を分解し、気孔からの侵入を防止することはできない。
本発明の植物の防疫剤は、リンを含有する又はアパタイト構造を含む光触媒粉体を少なくとも含むことを特徴とする。また、本発明の植物は、本発明の前記植物の防疫剤を表面に有することを特徴とする。
該植物の防疫剤又は該植物においては、リンを含有する又はアパタイト構造を含む光触媒粉体が、前記植物に侵入しようとするバクテリア、ウイルス、細菌、カビ類などの病原菌と接触し、光触媒機能により、前記病原菌が分解除去され、これらの増殖を阻止乃至抑制できる。また、植物の表面で病原菌が分解除去されることにより、茎葉などに存在する気孔や根から、前記病原菌が植物体内に侵入するのも防ぐことができる。その結果、植物の栽培、特にビニールハウス等による集中的な栽培においても、前記病原菌による植物の発病を阻止乃至抑制することができる。更には、病気が発生した植物においても、本発明の前記防疫剤を付与することにより、植物に感染した病原菌が分解除去され、その増殖が阻止乃至抑制され、病気から回復させることができるとともに、他の株への感染などの病気の蔓延を阻止乃至抑制することができる。
また、前記防疫剤は、光エネルギーを利用した前記光触媒粉体による抗菌性を発揮させるものであるため、従来の抗菌剤に比べて人体への影響がなく、環境保全も実現できる。
光触媒として現在広く用いられているのは、酸化チタンであるが、酸化チタン光触媒を植物の防疫に用いる場合の問題としては、光触媒で発生した活性酸素が植物の害表面を損傷してしまうことである。酸化チタンが光励起して発生する活性酸素は、数mm以上拡散することが知られており、植物外表面を酸化し損傷する恐れがある。しかし、チタンアパタイトでは、光励起時に発生する活性酸素は、酸化チタンのように空気中を長距離拡散することがないことが発明者らの研究で明らかになっており、植物外表面を損傷することがない。また、アパタイトではりんを含むので、そのままでも植物の肥料成分ともなるためより好適である。
該植物の防疫方法又は該植物の栽培方法においては、リンを含有する又はアパタイト構造を含む光触媒粉体を少なくとも含む本発明の前記植物の防疫剤が、植物に付与され、植物の表面が光触媒粉体に被覆される。そのため、植物内部に侵入しようとするバクテリア、ウイルス、細菌、かび類などの病原菌が、前記光触媒粉体と接触することにより、簡便かつ効率的に分解除去される。その結果、ビニールハウス等による集中的な栽培においても、植物の発病が阻止乃至抑制され、また、発病を生じても、前記光触媒が病原菌の増殖を阻止至抑制して、病気から回復させることができるとともに、ビニールハウス内等での病気の蔓延を抑制することができる。
また、粉末状の光触媒を付与するため、少量でも広面積で均一に植物に付与することができ、病原菌との接触効率に優れるとともに、表面の白色化をも抑制できる。
そのため、特に、胡蝶蘭などの高価な植物の栽培においては、病気の抑制及び回復が効果的に行えることから、過大な損失を免れることができ、また、白色化を防止できることにより商品価値をも維持して、生産効率を高めることができる。
該植物の防疫システムでは、前記監視手段により、植物の色合いを監視し、該色合いの変化などにより、植物の病変が感知される。前記付与手段により、前記感知手段により病変が感知された植物に対して、防疫剤が付与される。そのため、バクテリア、ウイルス、細菌、かび類などの病原菌により、発病した植物に対してのみ、防疫剤が付与され、該防疫剤の光触媒が、植物に感染した病原菌と接触することにより、病原菌が分解除去され、その増殖による病気の進行を阻止至抑制し、更には病気の治癒が可能となる。また、健康な植物に対しては防疫剤の付与を行なわないようにすれば、白色化が生じることがなく植物の外観にも優れ、また、防疫剤の経済的な使用が可能となり、人体や環境への影響もより効果的に抑制することができる。
本発明の植物の防疫剤は、リンを含有する又はアパタイト構造を含む光触媒粉体を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて、水、アルコールなどの溶媒、リン化合物などの肥料、顔料、その他の成分を含んでなる。また、本発明の植物は、前記植物の防疫剤を少なくとも表面に有する植物である。
本明細書で言う「防疫」とは、植物の病気の発生を阻止乃至抑制することと、病気から回復させることを含む意味であり、本発明の前記防疫剤は、植物の病気の予防剤、抑制剤としての機能だけでなく、病気が発生した植物の回復剤、治療剤としての機能を有するものである。
前記防疫剤の形態としては、光触媒粉体を含む粉末状とし、該光触媒粉体を植物に噴霧乃至散布するものであってもよいが、植物への均一な付与が容易で、白色化をより防止できる観点から、前記光触媒粉体を水中に分散状態で含む水分散体とするのが好ましい。
前記水分散体からなる防疫剤の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、霧吹き、噴霧乃至散布器などにより、植物に噴霧乃至散布するのが好ましく、少量でも広面積で均一に付与することが可能となる。
前記水分散体中における、光触媒粉体を含む固形分含有量としては、30質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。該固形分含有量の下限値としては、0.01質量%が好ましい。前記固形分含有量が、30質量%を超えると、水分散体の粘度が高過ぎて、噴霧乃至散布が困難となることがあり、0.01質量%未満であると、光触媒による病原菌の分解除去機能が充分に得られないことがある。
特に、前記固形分含有量が1質量%以下の防疫剤では、優れた防疫効果を維持しつつ、光触媒粉体による植物の茎葉の表面の白色化を効果的に抑制することができ、外観的にもより優れたものとなる。
前記光触媒粉体としては、光の照射により活性化されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光触媒粉体の形態としては、バクテリア等の病原菌との接触効率に優れる観点から、粉体であれば、特に制限はなく、その形状、大きさ、比重等については適宜選択することができる。
また、前記光触媒粉体は、更に表面に凹凸を有する、例えば、イガグリ形状であるのが好ましい。この場合、前記光触媒として機能する表面積が拡大し、前記病原菌との接触効率がより向上する。
前記光触媒粉体の大きさとしては、特に制限はなく、分解除去目的の病原菌の種類や大きさなどに対応して適宜選択することができるが、前記光触媒として機能する表面積が拡大し、病原菌との接触効率を向上させることができるとともに、植物の表面の白色化を効果的に抑制することができる点で、体積平均粒子径が100μm以下が好ましく、水中に分散させた水分散体としたときに、前記光触媒粉体が沈殿せず、分散状態を好適に維持できる点で、5μm以下であるのがより好ましい。また、前記体積平均粒径の下限値としては、一次粒子の大きさが一般には50nm程度であり、現状ではこれ以上小さな光触媒粉体の製造は困難である点で、50nm以上であるのが好ましい。
前記体積平均粒子径が、100μmを超えると、光触媒粉体の表面積をあまり多くすることができず、病原菌との接触性が低下したり、植物の表面が白色化することがある。なお、前記体積平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置などにより測定することができ、該粒度分布測定装置の例としては、島津製作所製のSALD−2100レーザ解析式流動分布測定装置などが好適に挙げられる。
前記光触媒粉体の比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、小さいほど好ましく、前記水分散体中で沈降することなく、浮遊して循環可能であるのが好ましい。
前記光触媒粉体の粒度分布(粒子径分布)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粒度分布がシャープである(狭くなる)程、前記光触媒粉体を前記水中に、均一に分散させることができる。
これらの光触媒粉体の中でも、光触媒活性を有するアパタイトと、可視光吸収性金属原子とを少なくとも含んでなるものが好ましく、更に紫外光吸収性金属原子を含んでなるものがより好ましい。前記光触媒粉体が、前記可視光吸収性金属原子を含んでなる場合には、蛍光灯下等の日常使用条件下での使用に好適な点で有利であり、前記紫外光吸収性金属原子を更に含んでいると、太陽光等の紫外光を含む光の照射条件下での使用に好適な点で有利である。
なお、本発明においては、前記光触媒粉体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Bは、リン原子(P)及び硫黄原子(S)のいずれかを表し、これらの中でも、生体親和性に優れる点で、リン原子(P)が好ましい。なお、本発明の防疫剤に含まれるリンを含む光触媒粉体が、当該アパタイトである場合には、前記Bは、リン原子(P)となる。この場合も、Bが硫黄原子(S)であるアパタイトを併用してもよい。
Oは、酸素原子を表す。
Xは、水酸基(OH)、CO3、及びハロゲン原子のいずれかを表し、これらの中でも、前記Aの金属原子と共に金属酸化物型の光触媒性部分構造を形成可能な点で、水酸基(OH)が特に好ましい。なお、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、などが挙げられる。
m、n、z、及びsは、整数を表し、例えば、電荷バランスが良好な点で、mは、8〜10が好ましく、nは、3〜4が好ましく、zは、5〜7が好ましく、sは、1〜4が好ましい。
前記アパタイトの含有量が、85mol%未満であると、前記光触媒粉体の光触媒活性が十分でないことがあり、97mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒粉体の前記病原菌(分解対象物)に対する吸着特性や光触媒活性などが低下することがある。
なお、前記アパタイトの前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の含有量が、5mol%未満であると、前記光触媒粉体の光触媒活性が十分でないことがあり、15mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒粉体の分解対象物に対する吸着特性や光触媒活性等が劣化することがある。
なお、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
このような光触媒性部分構造を有する前記アパタイトは、光触媒活性を有し、また、アパタイト構造部分が吸着特性に優れ、光触媒活性を有する公知の金属酸化物よりも、有害成分(分解対象物)に対する吸着特性に優れるため、前記病原菌の分解作用、抗菌作用、前記病原菌の増殖阻止乃至抑制作用、更には、防汚作用などにも優れる。
前記光触媒活性を有するアパタイトの市販品としては、例えば、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトでは、太平化学産業株式会社製の商品名「PCAP−100」などが好適に挙げられる。図2に、該「PCAP−100」の二次粒子の電子顕微鏡写真を示す。該写真によれば、ナノオーダーの微細な一次粒子が凝集して、球状の二次粒子が形成されている。
前記可視光吸収性金属原子の含有量が、0.001mol%未満であると、前記光触媒粉体の可視光の吸収能が十分でないことがあり、1mol%を超えてもそれに見合う効果が得られず、前記光触媒粉体の前記病原菌(分解対象物)に対する吸着性能が低下等してしまうことがある。
なお、前記可視光吸収性金属原子の前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記紫外光吸収性金属原子の含有量が、0.001mol%未満であると、前記光触媒粉体の紫外光の吸収能が十分でないことがあり、0.1mol%を超えてもそれに見合う効果が得られず、前記光触媒粉体の前記病原菌(分解対象物)に対する吸着性能が低下したり、可視光の吸収能が低下等してしまうことがある。
なお、前記紫外光吸収性金属原子の前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記含有量の合計が、15mol%を超えてもそれに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
このような光触媒粉体は、前記植物に付着した前記病原菌(分解対象物)の吸着性能に優れ、また、前記光触媒粉体が前記紫外光吸収性金属原子も含む場合には、可視光のみならず紫外光をも吸収可能であり広帯域な光吸収性を示し、光の利用効率に優れ、各種光の照射条件下、例えば、太陽光照射条件下における用途に好適に使用可能である。そして、該光触媒粉体は、可視光及び紫外光のいずれを照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく、長期間にわたって優れた光触媒活性を示し、特に紫外光を長期間にわたって照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく優れた光触媒活性(光触媒能)を維持可能な点で有利である。
なお、前記光触媒粉体の同定・形態等の観察は、例えば、TEM、XRD、XPS、FT−IR等に行うことができる。
光触媒活性を有するアパタイトの一次粒子(単結晶)としては、10nm〜1μmの粒子径分布を有するのが好ましい。
このような粒子径の光触媒活性を有するアパタイトを、固形分含有量が30質量%以下となるよう、より好ましくは、1%質量%以下となるよう水中に分散させて防疫剤を調製するのが好ましい。なお、前記光触媒活性を有するアパタイト(前記光触媒粉体)の水中での固形分含有量の下限値としては、噴霧又は散布する対象である植物の葉等の表面に十分に付与乃至配置させることができ、十分な光触媒効果を得る観点からは、0.001質量%以上であるのが好ましい。
特に、1質量%以下に調製した防疫剤を、植物に噴霧乃至散布することにより、少量でも広面積で均一に付与することができ、光触媒粉体と病原菌との接触効率を向上させて、光触媒粉体による病原体の分解除去を効率的に行なうことができ、しかも、茎葉の表面などの白色化を抑制して、外観的にも優れたものとすることができる。
前記置換の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光触媒活性を有するアパタイトとして、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトを用いた場合、該金属原子の少なくとも一部を、前記可視光吸収性金属原子等により置換させる態様、などが好適に挙げられる。この態様の場合には、前記可視光吸収性金属原子等が、前記アパタイトに脱落不能に保持される点で有利である。
なお、前記水溶液は、静置しておいてもよいが、攪拌した方が前記置換が効率的に行われる点で好ましい。なお、該攪拌は、公知の装置、手段を用いて行うことができ、例えば、マグネティックスターラーを用いてもよいし、攪拌装置を用いてもよい。これらの方法の中でも、簡便に操作可能な点で、浸漬法がより好ましい。
なお、前記光触媒活性を有するアパタイトを出発物質として用いる態様の場合には、予めNiがドープされているカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP)を、前記光触媒活性を有するアパタイトとして好適に使用することができる。
前記アパタイトの濃度が、0.3質量%未満であると、光触媒活性が低下することがあり、1.0質量%を超えても、それに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
前記可視光吸収性金属原子の濃度が、1×10−4M未満であると、可視光応答性が低下することがあり、1×10−3Mを超えても、それに見合う可視光応答性の向上効果が得られず、却って可視光応答性が低下することがある。
前記紫外光吸収性金属原子の濃度が、1×10−3M未満であると、紫外光に対する光触媒活性が低下することがあり、1×10−2Mを超えても、それに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って紫外光に対する活性が低下することがある。
該塩又は水和物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記可視光吸収性金属原子が、クロム(Cr)及びニッケル(Ni)である場合には、これらから選択される少なくとも1種を含む塩であるのが好ましく、塩化物や硫酸塩では光触媒活性を低下させることがあるため、硝酸塩やアンモニウム塩であるのが特に好ましい。
この場合、該液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水乃至水を主体にした液が好ましい。
なお、該液を収容する容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ラージスケールであれば混合器、攪拌器などが挙げられ、スモールスケールであればビーカーなどが好適に挙げられる。
前記温度としては、特に制限はなく、材料の種類や量比等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、例えば、通常、0℃〜100℃程度であり、室温(20℃〜30℃)が好ましい。前記時間としては、特に制限はなく、材料の種類や量比に応じて異なり、一概に規定することはできないが、通常、10秒〜30分間程度であり、1〜10分間がより好ましい。前記圧力としては、特に制限はなく、材料の種類や量比等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、通常、大気圧であるが好ましい。
なお、前記光触媒粉体における、前記光触媒活性を有するのに必要な金属、前記可視光吸収性金属原子等の量は、これらの添加量(M)、あるいは前記条件を適宜調整することにより、所望に制御することができる。
前記焼成の温度が、600℃未満であると、光触媒活性が最大とならないことがあり、800℃を超えると、分解が生ずることがある。
前記焼成を行うことにより、前記可視光吸収性金属原子等をドープした、前記光吸収活性を有するアパタイトの結晶性を高めることができ、前記光触媒粉体における光触媒能(吸着特性、光触媒活性などを含む)をより高めることができる。
前記光触媒粉体以外のその他成分としては、前述のように、水、アルコールなどの溶媒、リン化合物などの肥料、顔料、などが挙げられる。
前記顔料は、付与対象の植物の色合いに応じて防疫剤を着色するために、必要に応じて防疫剤に添加することができる。このように着色された防疫剤では、多量に付与した場合でも、茎葉などの白色化の抑制効果が向上し、植物の外観低下を、より抑制することができる。
なお、前記植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ランなどが好適に挙げられ、胡蝶蘭などが特に好適に挙げられる。
本発明の植物の防疫方法は、本発明の前記植物の防疫剤を、植物に付与すること(以下、付与工程と称することがある)を含み、更に必要に応じて、監視工程、移動工程、紫外光照射工程、その他工程を含んでなる。
本発明の植物の防疫システムは、監視手段、付与手段を少なくとも有し、前記監視手段により植物の病変を感知し、該病変した植物に対して、前記付与手段により防疫剤を付与する。
また、前記植物の防疫システムは、更に必要に応じて、移動手段、紫外光照射手段、その他の手段を有してもよい。
前記監視工程は、前記監視手段により好適に行うことができ、前記付与工程は、前記付与手段により好適に行うことができ、前記移動工程は、前記移動手段により好適に行うことができ、前記紫外光照射工程は、前記紫外光照射手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。このため、本発明の植物の防疫方法は、本発明の前記植物の防疫システムにより好適に実施することができ、本発明の前記植物の防疫システムを実施すると、本発明の前記植物の防疫方法を実施することになる。
なお、本発明の植物の栽培方法は、公知の植物の栽培方法における工程の少なくとも一部に、前記植物の防疫システムを用いて本発明の前記植物の防疫剤を前記植物の表面に付与させる工程を含むか、前記植物の防疫方法を行う工程を含むことにより、好適に実施することができる。本発明の植物の栽培方法においては、これらの工程以外の工程については、公知の方法に従って行うことができ、その説明は省略することとする。
以下、本発明の植物の防疫システムについて詳細に説明すると共に、その説明を通じて本発明の前記植物の防疫方法及び植物の栽培方法の内容をも明らかにする。
前記付与手段は、本発明の前記植物の防疫剤を、植物に付与する機能を有する。
前記付与工程は、本発明の前記植物の防疫剤を、植物に付与する工程である。
前記付与工程は、前記付与手段により好適に行うことができる。
前記付与手段としては、前記植物の防疫剤において説明したように、粉末状の防疫剤を植物に散布する散布手段であってもよいし、光触媒粉体を含む水分散体を植物に噴霧する噴霧手段であってもよい。これらの中でも、少量でも広面積で均一に付与でき、白色化を防止できる観点から、水分散体の噴霧手段が好ましい。
前記噴霧手段としては、具体的には、例えば、霧吹きのような簡単な器具を用いて噴霧するものであってもよいし、タンクやノズル、噴霧量の調整手段などを備えた噴霧器や噴霧装置により噴霧するものであってもよい。
前記付与手段は、前記監視手段により、植物の病変を感知したタイミングで、病気の治療目的で該病変した植物に対して、防疫剤を付与するものであってもよいし、病変した植物だけでなく、病気の発生を予防乃至抑制する目的で、健康な植物にも防疫剤を付与するものであってもよい。
前記監視手段は、植物の色合いを監視することによって、植物の病変を感知する機能を有する。
前記監視工程は、植物の色合いを監視することによって、植物の病変を感知する工程である。
前記監視工程は、前記監視手段により好適に行うことができる。
前記監視手段としては、植物の病変を感知できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種カメラ、色差センサーなどの各種センサーなどを用いることができる。
前記監視としては、例えば、健康体の植物の色あいを、コンピュータ等に記憶し、該色合いと、監視対象の植物の色合いとを比較して、その差によって病変を感知するのが好ましい。そして、このように植物の病変を感知したら、前記付与手段により、該病変した植物に対して、防疫剤を付与するのが好ましく、病変した植物の効率的な治療が可能となる。
前記移動手段は、植物を移動する機能を有する。
前記移動工程は、植物を移動する工程である。
前記移動工程は、前記移動手段により好適に行うことができる。
前記移動手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベルトコンベアー、ローラコンベアー、ロボットアームなどが挙げられる。
前記移動手段により、例えば、植物を一個体ごとに順次監視手段に移動し、該監視手段による植物の病変を感知を行なう。次に、該監視手段により病変が感知された植物を、前記移動手段により前記付与手段に移動し、防疫剤を付与することにより、病変した植物への防疫剤の付与を、効率的に行なうことができる。また、このように、移動手段により植物を順次移動できるので、監視手段や付与手段を複数設置する必要がなく、防疫システムのコンパクト化や低コスト化が可能となる。
前記紫外光照射手段は、植物に付与された防疫剤に対して、紫外光を照射する機能を有する。
前記紫外光照射工程は、植物に付与された防疫剤に対して、紫外光を照射する工程である。
前記紫外光照射工程は、前記紫外光照射手段により、好適に行なうことができる。
前記紫外光照射手段は、光触媒粉体が、紫外光吸収性金属原子を含む場合などに用いるのが好適で、光触媒を効果的に活性化させることができる。
前記紫外光照射手段としては、紫外光を照射可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、太陽光であってもよいし、紫外線ランプ(UVランプ)などであってもよい。
−植物の防疫剤の調製−
光触媒粉体として、光触媒チタンアパタイト(光触媒活性を有するのに必要な金属としてチタンを有してなるアパタイト)を用いた。
該光触媒チタンアパタイトとして、図2に示すカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP;太平化学産業株式会社製、PCAP−100、体積平均粒径3〜8μmの白色粉体)を、水中に分散させて、固形分含有量が1質量%の防疫剤を調製した。
ファレノプシス軟腐病菌(Erwinia chrysanthemi)に対する抗菌効果の確認試験を以下のようにして行った。即ち、前記ファレノプシス軟腐病菌の濃度が104個である培養液を、白金線を用いて寒天培地(チタンアパタイト無添加のものと、0.06質量%添加したものと、2種類用意した)上の5箇所に接種した。これに対し、1mW/cm2のUV光を3時間照射後、更に28℃で48時間培養後、前記ファレノプシス軟腐病菌の増殖を、コロニー生成の有無により評価し、抗菌効果を確認した。その結果を図3及び図4に示した。
この防疫効果試験1の結果からも明らかなように、本発明の植物の防疫剤としての前記チタンアパタイトが無添加ものの場合には、太陽光中に含まる紫外線量を照射した後においても、前記ファレノプシス軟腐病菌は死滅せず、増殖してしまったのに対し、本発明の植物の防疫剤としての前記チタンアパタイトが添加されたものの場合には、前記ファレノプシス軟腐病菌は死滅し、増殖することがなく、極めて良好な抗菌効果を示した。
1)耕種概要:作物名;ファレノプシス(Phalaenopsis、胡蝶蘭)
2)区制・面積:1区8株、3連制とした。なお、対照実験として、病原菌を接種しない無接種区を用意し、この場合は反復なしで1区8株とした。
3)病原菌:ファレノプシス軟腐病菌(Erwinia chrysanthemi)
<防疫剤による処理>
前記で調製した光触媒チタンアパタイトを含む本発明の防疫剤を、市販の霧吹きを用いて、前記ファレノプシスの茎葉に十分量付着するように、11.25ml/株の割合で噴霧した。なお、試験時の作物の生育ステージは生育期であった。
<病原菌接種>
接種源としてファレノプシス軟腐病菌(Erwinia chrysanthemi)の菌株を用いた。供試菌株をNA培地に塗布し、27.5℃、暗黒下条件で培養した。培養3日後に、滅菌水で約1×108CFU(OD660=0.09)に希釈して菌液を調製し、該菌液をファレノプシスの茎葉に噴霧接種し、平均温度24.5℃、平均湿度70%の多湿条件下で静置した(図5及び図6参照)。また、感染を促すため、病原菌摂取から1日後に、株当たり葉面3ヵ所をマークし、滅菌した虫針(5本1組)で軽く数回付傷した。
病原菌接種を行なってから21日後に、それぞれ付傷した箇所を対象に、病斑の発病程度を肉眼観察し、下記のようにして6段階で評価し、発病度を以下の計算式に従って算出した。なお、株によって、また傷口によって発病状態にばらつきがあったが、平均的な評価とした。
0:発病を認めない。
1:僅かに褐変が認められる。
2:褐変の拡大が認められる。
3:病斑(褐変)が拡大し、病斑の融合が認められる。
4:病斑が拡大し、水浸状の大型病斑が認められる。
5:葉身の大部分に、水浸状の大型病斑が認められる。
発病度=Σ(病班の発病程度×その数)/(調査箇所数×5)×100
なお、上記計算式は、病班の発病程度が1のもの×その数と、病班の発病程度が2のもの×その数と、病班の発病程度が3のもの×その数と、病班の発病程度が4のもの×その数と、病班の発病程度が5のもの×その数との合計を、調査箇所数×5で割った値を100倍した値を意味する。
その結果を表1に示した。
なお、防疫効果試験2では、病気の発生が良好に抑制され、殆どの株の発病度が低い値であったが、株によって若干高い数値のものもあった。これは、防疫剤を噴霧乃至散布した際に、多少の噴霧乃至散布ムラがあり、光触媒が充分に付着していない箇所があったため、病斑を生じたと思われる。防疫剤が充分に噴霧乃至散布された箇所については、防除性ありの評価が得られ、実用上問題がない。
次に、本発明の植物の防疫剤の水分散体中での分散性を、以下のようにして確認した。即ち、前記防疫剤(チタンアパタイト)の体積平均粒子径が、それぞれ5μm、10μm、20μm、40μmのもの0.5gを、50mlの水中に分散させて水分散体を調整した。その結果、前記防疫剤(チタンアパタイト)の体積平均粒子径が5μm以下である場合には、分散直後のみならず10分後においても沈殿し難く、分散性に優れていた(図7及び図8参照)。
実施例1の防疫効果試験2において、防疫剤を付与しなかったこと以外は、実施例1の防疫効果試験2と同様にして、病原菌接種を行い、21日後の発病程度を観察し、発病抑制効果の評価を行なった。その結果を表1に示した。
実施例1において、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを含む防疫剤の代わりに、カスガマイシン・銅水和液を1,000倍に希釈した従来の防疫剤(濃度0.1質量%で、通常の使用形態である)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、病原菌接種を行い、21日後の発病程度を観察し、発病抑制効果の評価を行なった。結果を表1に示す。
これに対して、防疫剤を何ら付与しない比較例1、及び、カスガマイシン銅水和剤を付与した比較例2では、発病を抑制できないことが判った。
したがって、リンを含む光触媒粉体を含む本発明の植物の防疫剤は、植物の病気の原因となるバクテリア、ウイルス、細菌、カビなどの病原菌を効率的に分解除去し、病気の阻止乃至抑制効果に優れることが認められた。
なお、カスガマイシン銅水和剤は、抗生剤であるため、0.01質量%濃度であっても、このままでは土壌汚染などを生じる問題があるが、本発明のカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを含む防疫剤では、人体や環境にも問題のない使用が可能である。
−防疫効果試験2(病気からの回復試験)−
ランの栽培農場にて、軟腐病が発生して廃棄されたファレノプシス株を譲り受け、これに対して前記実施例1で調製した防疫剤(1質量%濃度のカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト)を、前記株の病変部だけでなく全体に満遍なく噴霧した。図9に、防疫剤を噴霧した直後の葉の表面の写真を示す。前記1質量%濃度の防疫剤を噴霧したところ、外観を大きく損なうような葉の白色化は見られなかった。そして、噴霧の結果、病気の進行が止まり、図10に示すように、1年後には新葉と新花芽が出て、新しい花が咲いた。したがって、本発明の防疫剤は、病気から回復させる機能をも有することが判った。
図11に、防疫剤を噴霧した直後の葉の気孔付近の写真を示す。葉の表面は勿論、気孔の周囲にも光触媒粉体が付着していることから、感染した病原菌の分解除去だけでなく、気孔からの病原菌の侵入をも阻止乃至抑制して、病気からの回復が可能となったと推測される。
(付記1) リンを含有する光触媒粉体を少なくとも含むことを特徴とする植物の防疫剤。
(付記2) アパタイト構造を含む光触媒粉体を少なくとも含むことを特徴とする植物の防疫剤。
(付記3) 前記光触媒粉体を水中に分散状態で含む水分散体である付記1から2のいずれかに記載の植物の防疫剤。
(付記4) 植物に噴霧又は散布されて使用される付記3に記載の植物の防疫剤。
(付記5) 前記光触媒粉体の体積平均粒径が50nm以上5μm以下である付記1から4のいずれかに記載の植物の防疫剤。
(付記6) 前記水分散体中の固形分含有量が、0.001質量%以上30質量%以下である付記3から5のいずれかに記載の植物の防疫剤。
(付記7) 前記水分散体中の固形分含有量が、0.001質量%以上1質量%以下である付記3から5のいずれかに記載の植物の防疫剤。
(付記8) 前記光触媒粉体がアパタイトであり、該アパタイトが、光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有し、該金属原子が、チタン(Ti)である付記1から7のいずれかに記載の植物の防疫剤。
(付記9) 前記光触媒粉体がアパタイトであり、該アパタイトが、カルシウムハイドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2である付記1から7のいずれかに記載の植物の防疫剤。
(付記10) 付記1から9のいずれかに記載の植物の防疫剤を少なくとも表面に有することを特徴する植物。
(付記11) 付記1から9のいずれかに記載の植物の防疫剤を、植物に付与することを特徴とする植物の防疫方法。
(付記12) 前記光触媒粉体を分散させた水分散体を、植物に噴霧乃至散布する付記11に記載の植物の防疫方法。
(付記13) 前記水分散体中の固形分含有量が、30質量%以下である付記12に記載の植物の防疫方法。
(付記14) 前記水分散体中の固形分含有量が、1質量%以下である付記12に記載の植物の防疫方法。
(付記15) 植物の色合いを監視する監視手段と、付記1から9のいずれかに記載の植物の防疫剤を植物に付与する付与手段と、を少なくとも含み、前記監視手段により、植物の病変を感知し、該病変した植物に対して、前記付与手段により防疫剤を付与することを特徴とする植物の防疫システム。
(付記16) 前記付与手段が、前記光触媒粉体を分散させた水分散体を、植物に噴霧又は散布する噴霧又は散布手段である付記15に記載の植物の防疫システム。
(付記17) 前記監視手段が、移動手段により順次移動される植物の色合いを監視する付記15から16のいずれかに記載の植物の防疫システム。
(付記18) 前記監視手段が、予め記憶した植物の色合いと、監視対象の植物の色合いとの差により、病変を検出する付記15から17のいずれかに記載の植物の防疫システム。
(付記19) 紫外光照射手段を、更に有する付記15から18のいずれかに記載の植物の防疫システム。
(付記20) 付記1から9のいずれかに記載の植物の防疫剤を、植物に付与することを少なくとも含むことを特徴とする植物の栽培方法。
本発明の植物の防疫方法及び植物の防疫システムは、本発明の前記植物の防疫剤を植物に付与することにより、植物の疫病の原因となるバクテリア、ウイルス、細菌、カビ類などの病原菌を、簡便かつ効率的に分解除去し、該病原菌による植物の病気を効果的に抑制及び回復させることができる。
2 植物
3 載置台
4 広角カメラ及び色差センサー(監視手段)
5 UVランプ(紫外光照射手段)
6 ガラス窓
Claims (9)
- リンを含有する光触媒粉体を少なくとも含むことを特徴とする植物の防疫剤。
- アパタイト構造を含む光触媒粉体を少なくとも含むことを特徴とする植物の防疫剤。
- 前記光触媒粉体を水中に分散状態で含有する水分散体である請求項1から2のいずれかに記載の植物の防疫剤。
- 植物に対し噴霧又は散布されて使用される請求項1から3のいずれかに記載の植物の防疫剤。
- 前記光触媒粉体の体積平均粒径が50nm以上5μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の植物の防疫剤。
- 請求項1から5のいずれかに記載の植物の防疫剤を少なくとも表面に有することを特徴する植物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の植物の防疫剤を、植物に付与することを特徴とする植物の防疫方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の植物の防疫剤を、植物に付与することを少なくとも含むことを特徴とする植物の栽培方法。
- 植物の色合いを監視する監視手段と、請求項1から3のいずれかに記載の植物の防疫剤を植物に付与する付与手段と、を少なくとも含み、前記監視手段により、植物の病変を感知し、該病変した植物に対して、前記付与手段により防疫剤を付与することを特徴とする植物の防疫システム。
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