JP2011000026A - 植物栽培システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開示の植物栽培システム100は、植物3の生育を阻害する光の波長領域を除いた波長領域の光を植物3に照射する光照射手段4と、前記光の照射により活性化される光触媒粉体を含む防疫剤を植物3に付与する防疫剤付与手段2とを有する。
【選択図】図1
Description
よって、従来の農法では、天候の変動に大きく影響されるため、近年の地球温暖化に基づく世界的な異常気象(干ばつ、洪水)の頻発によって、農産物に甚大な被害を受けてしまい、食料が不足してしまうという問題がある。
また、食料自給率が先進国中で最低の40%程度である日本では、食料の安全性に関する関心の高まり、安全保障上の問題などから、食料自給率の向上が叫ばれ、日本国内における食料増産のニーズが高まっているが、従来の農法では、人為的要素が多いため、農村の過疎化、農家の高齢化、後継者不足などにより、栽培ノウハウを継承することができないという問題がある。
前記問題を解決するIT技術に基づく環境制御として、植物に照射する照射光の光量、照射時間、波長、照射熱量等の制御(例えば、特許文献1〜3参照)、植物の成長に関与するガス濃度の制御(例えば、特許文献4参照)、温度、湿度、水等のフィードバック制御が知られている。
しかしながら、前記環境制御により植物の生育が促進されて、茎、葉、根等の部位の表面積が大きくなったり、果実の糖度が上昇することなどにより、虫食いが発生したり、バクテリア、ウイルス、細菌、カビ類等の病原菌が侵入して病気が発生しやすくなるという新たな問題が発生している。斯かる問題にまで対応可能な植物栽培システムは、未だ提供されていないのが現状である。
前記知見は、所定波長領域の光を遮光すると、全体の光量は減少することとなるため、通常、植物の生育が阻害されるという予想に反するものである。
開示の植物栽培システムは、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。即ち、
開示の植物栽培システムは、植物の生育を阻害する光の波長領域を除いた波長領域の光を植物に照射する光照射手段と、前記光の照射により活性化される光触媒粉体を含む防疫剤を植物に付与する防疫剤付与手段とを有することを特徴とする。
前記植物栽培システムは、光照射手段と、防疫剤付与手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、ガス濃度検知手段、ガス濃度制御手段、温度検知手段、温度制御手段、湿度検知手段、湿度制御手段、監視手段、移動手段、その他の手段を有してもよい。
前記植物栽培システムの形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、密閉空間で自動制御する完全密封型などが好ましい。
前記光照射手段としては、植物の生育を阻害する光の波長領域を除いた光を植物に照射する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)遮光フィルター、(ii)発光ダイオード(LED)と紫外線ランプ(UVランプ)とを組み合わせた照射部などが挙げられる。
前記植物の生育を阻害する光の波長領域としては、植物の種類、植物の部位によって、それぞれ異なると考えられ、例えば、ホウレンソウの葉の生育を阻害する光の波長領域(600nm〜700nm)などが挙げられる。
前記遮光フィルターとしては、植物の生育を阻害する波長領域の光を遮光する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カラーフィルターなどが挙げられる。
前記遮光する光の波長領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する防疫剤の活性の大きさの観点から、可視光の波長領域が好ましい。
前記緑色フィルターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300nm付近の近紫外光の一部と520nm近辺および700nm以上の可視光領域の光を透過し、600nm〜700nmの波長領域の光を遮光するフィルターが好ましい。
前記黄色フィルターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300nm付近の近紫外光の一部と550nm以上の可視光領域の光を透過し、350nm〜500nmの波長領域の光を遮光するフィルターが好ましい。
前記赤色フィルターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、350nm付近の近紫外光の一部と650nm以上の可視光領域の光を透過し、200nm〜600nmの波長領域の光を遮光するフィルターが好ましい。
3μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましく、21μm〜25μmが特に好ましい。
前記フィルターの厚みが、3μm未満であると、フィルム強度及び遮光効果が不足することがあり、100μmを超えると、光量が不足することがある。一方、前記フィルターの厚みが特に好ましい範囲内であると、フィルム強度と必要な波長光の光量を十分に確保しつつ成長阻害波長光を効果的に遮光できる点で有利である。
前記発光ダイオード(LED)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、青色LED470nm(東京理科器(株)製)、赤色LED660nm(東京理科器(株)製)などが挙げられる。
前記紫外線ランプ(UVランプ)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BLACKLIGHT 10W FL10BL−B(Panasonic製)などが挙げられる。
前記防疫剤付与手段としては、防疫剤を植物に付与する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状の防疫剤を植物に散布する散布手段、防疫剤における光触媒粉体を含む水分散体を植物に噴霧乃至散布する噴霧乃至散布手段などが挙げられる。これらの中でも、少量でも広面積で均一に付与でき、植物の表面の白色化を防止できる観点から、水分散体の噴霧手段が好ましい。
前記噴霧手段としては、具体的には、例えば、霧吹きのような簡単な器具を用いて噴霧するものであってもよいし、タンクやノズル、噴霧量の調整手段などを備えた噴霧器や噴霧装置により噴霧するものであってもよい。
前記防疫剤付与手段は、後述する監視手段により、植物の病変を感知したタイミングで、病気の治療目的で該病変した植物に対して、防疫剤を付与するものであってもよいし、病変した植物だけでなく、病気の発生を予防乃至抑制する目的で、健康な植物にも防疫剤を付与するものであってもよい。
前記防疫剤は、光触媒粉体を少なくとも含み、更に必要に応じて、水、アルコールなどの溶媒、リン化合物などの肥料、顔料、その他の成分を含む。
本明細書で言う「防疫」とは、植物の病気の発生を阻止乃至抑制することと、病気から回復させることを含む意味であり、前記防疫剤は、植物の病気の予防剤、抑制剤としての機能だけでなく、病気が発生した植物の回復剤、治療剤としての機能を有するものである。
前記防疫剤の形態としては、光触媒粉体を含む粉末状とし、該光触媒粉体を植物に噴霧乃至散布するものであってもよいが、植物への均一な付与が容易で、植物の表面の白色化をより防止できる観点から、前記光触媒粉体を水中に分散状態で含む水分散体とするのが好ましい。
前記水分散体からなる防疫剤の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、霧吹き、噴霧乃至散布器などにより、植物に噴霧乃至散布するのが好ましく、少量でも広面積で均一に付与することが可能となる。
例えば、イチゴ、メロン等の食用果実に防疫剤を噴霧乃至散布する場合、天井から全体噴霧乃至散布するのが好ましい。また、例えば、胡蝶蘭等の園芸植物の鉢植えに防疫剤を噴霧乃至散布する場合、該鉢植えを後述する移動手段に載せて、移動する鉢植えに対して各々噴霧乃至散布するのが好ましい。
前記水分散体中における、光触媒粉体を含む固形分含有量としては、30質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。該固形分含有量の下限値としては、0.01質量%が好ましい。前記固形分含有量が、30質量%を超えると、水分散体の粘度が高過ぎて、噴霧乃至散布が困難となることがあり、0.01質量%未満であると、光触媒による病原菌の分解除去機能が充分に得られないことがある。
特に、前記固形分含有量が1質量%以下の防疫剤では、優れた防疫効果を維持しつつ、光触媒粉体による植物の茎葉の表面の白色化を効果的に抑制することができ、外観的にもより優れたものとなる。
前記光触媒粉体としては、植物の生育を阻害する光の波長領域を除いた光の照射により活性化されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光触媒粉体の形態としては、バクテリア等の病原菌との接触効率に優れる観点から、粉体であれば、特に制限はなく、その形状、大きさ、比重等については適宜選択することができる。
また、前記光触媒粉体は、更に表面に凹凸を有する、例えば、イガグリ形状であるのが好ましい。
この場合、前記光触媒として機能する表面積が拡大し、前記病原菌との接触効率がより向上する。
前記光触媒粉体の大きさとしては、特に制限はなく、分解除去目的の病原菌の種類や大きさなどに対応して適宜選択することができるが、前記光触媒として機能する表面積が拡大し、病原菌との接触効率を向上させることができるとともに、植物の表面の白色化を効果的に抑制することができる点で、体積平均粒子径が100μm以下が好ましく、水中に分散させた水分散体としたときに、前記光触媒粉体が沈殿せず、分散状態を好適に維持できる点で、5μm以下であるのがより好ましい。また、前記体積平均粒径の下限値としては、一次粒子の大きさが一般には50nm程度であり、現状ではこれ以上小さな光触媒粉体の製造は困難である点で、50nm以上であるのが好ましい。
前記体積平均粒子径が、100μmを超えると、光触媒粉体の表面積をあまり多くすることができず、病原菌との接触性が低下したり、植物の表面が白色化することがある。なお、前記体積平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置などにより測定することができ、該粒度分布測定装置の例としては、島津製作所製のSALD−2100レーザ解析式流動分布測定装置などが好適に挙げられる。
前記光触媒粉体の比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、小さいほど好ましく、前記水分散体中で沈降することなく、浮遊して循環可能であるのが好ましい。
前記光触媒粉体の粒度分布(粒子径分布)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粒度分布がシャープである(狭くなる)程、前記光触媒粉体を前記水中に、均一に分散させることができる。
これらの光触媒粉体の中でも、光触媒活性を有するアパタイトと、紫外光吸収性金属原子とを少なくとも含んでなるものが好ましく、更に可視光吸収性金属原子を含んでなるものがより好ましい。前記紫外光吸収性金属原子を含んでいると、紫外光の照射条件下での使用に好適な点で有利であり、前記光触媒粉体が、前記可視光吸収性金属原子を更に含んでなる場合には、蛍光灯下等の日常使用条件下での使用に好適な点で有利である。
なお、前記光触媒粉体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Bは、リン原子(P)及び硫黄原子(S)のいずれかを表し、これらの中でも、生体親和性に優れる点で、リン原子(P)が好ましい。
Oは、酸素原子を表す。
Xは、水酸基(OH)、CO3、及びハロゲン原子のいずれかを表し、これらの中でも、前記Aの金属原子と共に金属酸化物型の光触媒性部分構造を形成可能な点で、水酸基(OH)が特に好ましい。
なお、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、などが挙げられる。
m、n、z、及びsは、整数を表し、例えば、電荷バランスが良好な点で、mは、8〜10が好ましく、nは、3〜4が好ましく、zは、5〜7が好ましく、sは、1〜4が好ましい。
前記アパタイトの含有量が、85mol%未満であると、前記光触媒粉体の光触媒活性が十分でないことがあり、97mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒粉体の前記病原菌(分解対象物)に対する吸着特性や光触媒活性などが低下することがある。
なお、前記アパタイトの前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の含有量が、5mol%未満であると、前記光触媒粉体の光触媒活性が十分でないことがあり、15mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒粉体の分解対象物に対する吸着特性や光触媒活性等が劣化することがある。
なお、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
このような光触媒性部分構造を有する前記アパタイトは、光触媒活性を有し、また、アパタイト構造部分が吸着特性に優れ、光触媒活性を有する公知の金属酸化物よりも、有害成分(分解対象物)に対する吸着特性に優れるため、前記病原菌の分解作用、抗菌作用、前記病原菌の増殖阻止乃至抑制作用、更には、防汚作用などにも優れる。
前記光触媒活性を有するアパタイトの市販品としては、例えば、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトでは、太平化学産業株式会社製の商品名「PCAP−100」などが好適に挙げられる。図2に、該「PCAP−100」の二次粒子の電子顕微鏡写真を示す。該写真によれば、ナノオーダーの微細な一次粒子が凝集して、球状の二次粒子が形成されている。
前記紫外光吸収性金属原子の含有量が、0.001mol%未満であると、前記光触媒粉体の紫外光の吸収能が十分でないことがあり、0.1mol%を超えてもそれに見合う効果が得られず、前記光触媒粉体の前記病原菌(分解対象物)に対する吸着性能が低下したり、可視光の吸収能が低下等してしまうことがある。
なお、前記紫外光吸収性金属原子の前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記可視光吸収性金属原子の含有量が、0.001mol%未満であると、前記光触媒粉体の可視光の吸収能が十分でないことがあり、1mol%を超えてもそれに見合う効果が得られず、前記光触媒粉体の前記病原菌(分解対象物)に対する吸着性能が低下等してしまうことがある。
なお、前記可視光吸収性金属原子の前記光触媒粉体における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記含有量の合計が、15mol%を超えてもそれに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
このような光触媒粉体は、前記植物に付着した前記病原菌(分解対象物)の吸着性能に優れ、また、前記光触媒粉体が前記紫外光吸収性金属原子も含む場合には、可視光のみならず紫外光をも吸収可能であり広帯域な光吸収性を示し、光の利用効率に優れ、各種光の照射条件下、例えば、太陽光照射条件下における用途に好適に使用可能である。そして、該光触媒粉体は、紫外光を長期間にわたって照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく優れた光触媒活性(光触媒能)を維持可能な点で有利である。
なお、前記光触媒粉体の同定・形態等の観察は、例えば、TEM、XRD、XPS、FT−IR等に行うことができる。
光触媒活性を有するアパタイトの一次粒子(単結晶)としては、10nm〜1μmの粒子径分布を有するのが好ましい。
このような粒子径の光触媒活性を有するアパタイトを、固形分含有量が30質量%以下となるよう、より好ましくは、1%質量%以下となるよう水中に分散させて防疫剤を調製するのが好ましい。なお、前記光触媒活性を有するアパタイト(前記光触媒粉体)の水中での固形分含有量の下限値としては、噴霧又は散布する対象である植物の葉等の表面に十分に付与乃至配置させることができ、十分な光触媒効果を得る観点からは、0.001質量%以上であるのが好ましい。
特に、1質量%以下に調製した防疫剤を、植物に噴霧乃至散布することにより、少量でも広面積で均一に付与することができ、光触媒粉体と病原菌との接触効率を向上させて、光触媒粉体による病原体の分解除去を効率的に行なうことができ、しかも、茎葉の表面などの白色化を抑制して、外観的にも優れたものとすることができる。
前記光触媒粉体以外のその他成分としては、前述のように、水、アルコールなどの溶媒、リン化合物などの肥料、顔料、などが挙げられる。
前記顔料は、付与対象の植物の色合いに応じて防疫剤を着色するために、必要に応じて防疫剤に添加することができる。このように着色された防疫剤では、多量に付与した場合でも、茎葉などの白色化の抑制効果が向上し、植物の外観低下を、より抑制することができる。
また、防疫剤における光触媒粉体が分解することにより二酸化炭素が発生し、該発生した二酸化炭素により植物の生育がより促進されて、例えば、葉、茎等が大きくなったり、果実の糖度が上昇したりすることがある。
前記ガス濃度検知手段としては、ガスの濃度を検知する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体ガス方式装置(フィガロ技研製)などが挙げられる。
前記濃度が検知されるガスとしては、エチレンガス、炭散ガス(二酸化炭素ガス)、オゾンガスなどが挙げられ、これらのガスは窒素ガス中に含まれていることが好ましい。
前記エチレンガスは、植物の生育を促進するが、熟成時には不要なガスである。
前記炭散ガス(二酸化炭素ガス)の濃度を調整することにより、果実の糖度を上昇させることができる。
前記オゾンガスは、アパタイトと共存することで水浄化乃至環境浄化するガスである。
前記ガス濃度制御手段としては、前記ガス濃度検知手段により検知されたガス濃度に基づいて、ガス濃度をフィードバック制御する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラズマ分解装置(PACT、インパクトワールド(株)製)などが挙げられる。
前記ガス濃度制御手段により、植物の熟成時で不要となったエチレンガスを酸化エチレンガスに変換したり、炭酸ガスの濃度制御(炭酸ガスの供給及び除去)したり、オゾンガスの濃度制御(オゾンガスの供給及び除去)したりすることができる。
前記温度検知手段としては、温度を検知する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、温度センサーなどが挙げられる。
前記温度制御手段としては、前記温度検知手段により検知された温度に基づいて、温度をフィードバック制御する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記湿度検知手段としては、湿度を検知する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿度センサーなどが挙げられる。
前記湿度制御手段としては、前記湿度検知手段により検知された湿度に基づいて、湿度をフィードバック制御する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記補助剤付与手段は、補助剤を付与する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記補助剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、栄養剤、殺虫剤(害虫駆除剤)、除草剤などが挙げられる。
前記栄養剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液肥((株)ハイポネクスジャパン)などが挙げられる。
前記殺虫剤(害虫駆除剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カダン(フマキラー(株)製)などが挙げられる。
前記除草剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリホサートなどが挙げられる。
前記監視手段としては、植物の色合いを監視することによって、植物の病変を感知する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種カメラ、色差センサーなどの各種センサーなどを用いることができる。
前記監視としては、例えば、健康体の植物の色あいを、コンピュータ等に記憶し、該色合いと、監視対象の植物の色合いとを比較して、その差によって病変を感知するのが好ましい。そして、このように植物の病変を感知したら、前記付与手段により、該病変した植物に対して、防疫剤を付与するのが好ましく、病変した植物の効率的な治療が可能となる。
前記移動手段としては、植物を移動する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベルトコンベアー、ローラコンベアー、ロボットアームなどが挙げられる。
前記移動手段により、例えば、植物を一個体ごとに順次監視手段に移動し、該監視手段による植物の病変を感知を行なう。次に、該監視手段により病変が感知された植物を、前記移動手段により前記付与手段に移動し、防疫剤を付与することにより、病変した植物への防疫剤の付与を、効率的に行なうことができる。また、このように、移動手段により植物を順次移動できるので、監視手段や付与手段を複数設置する必要がなく、防疫システムのコンパクト化や低コスト化が可能となる。
照射手段4は、太陽光が入射可能なハウスにおける太陽光の入射面Xに設置され、太陽光から植物3の生育を阻害する波長領域の光を遮光する遮光フィルター4aと、植物の生育を阻害する光の波長領域を除いた波長領域の光を照射する発光ダイオード(LED)と紫外光を照射する紫外線ランプ(UVランプ)とを組み合わせた照射部4bとを有する。
光照射手段4により照射された光には、植物3の生育を阻害する波長領域の光が含まれていないので、植物3の生育を促進することができる。
また、光照射手段4により照射された光により、植物3の表面に噴霧乃至散布された光触媒粉体が活性化し、植物3に付着したバクテリア、ウイルス、細菌、カビ類などの病原菌を、効率的に分解除去することができる。
また、開示の植物栽培システムによれば、完全密封型圃場で効率的且つ安定的に農作物を収穫することができ、発生する疫病について人体に無害な光触媒によって防除を実現することができる。
また、開示の植物栽培システムによれば、様々な農作物に最適な栽培条件環境を簡単に得ることができ、素人でも高品質な農作物を栽培することができる。結果として、農業分野への異業種の新規参入が促進され、食料の安全性確保と増産を実現できる。
葉の長さが3cm程度、茎の長さが5cm程度の約1gのホウレンソウの苗を5つ準備し、各ホウレンソウの苗(やまと種製)を、土(商品名:野菜用の土、みどり園製)10kgが入った縦0.5m、横0.3mの鉢植えカゴに植えた。その後、各鉢植えカゴの上面を赤色、緑色、黄色、青色のカラーフィルターで覆った。上面を赤色、緑色、黄色、青色のカラーフィルターで覆った鉢植えカゴを、それぞれサンプル1〜4とし、上面をカラーフィルターで覆わない鉢植えカゴをサンプル5とした(図3)。
その後、サンプル1〜5を、太陽光が照射され、風通しがよい場所に配置し、58日間経過後(580時間太陽光照射後)のホウレンソウの生育度合いを目視で観察し(図4A〜図4E、図5)、葉の長さ(m)と、葉及び茎の合計長さ(m)とを測定した。測定結果を表1に示す。
なお、図4A〜図4Eは、それぞれ、サンプル1〜5に対応する写真である。
−植物の防疫剤の調製−
光触媒粉体として、光触媒チタンアパタイト(光触媒活性を有するのに必要な金属としてチタンを有してなるアパタイト)を用いた。
該光触媒チタンアパタイトとして、図2に示すカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP;太平化学産業株式会社製、PCAP−100、体積平均粒径3μm〜8μmの白色粉体)を、水中に分散させて、固形分含有量が1質量%の防疫剤を調製した。
ファレノプシス軟腐病菌(Erwinia chrysanthemi)に対する抗菌効果の確認試験を以下のようにして行った。即ち、前記ファレノプシス軟腐病菌の濃度が104個である培養液を、白金線を用いて寒天培地(チタンアパタイト無添加のものと、0.06質量%添加したものと、2種類用意した)上の5箇所に接種した。これに対し、赤色、緑色、黄色、青色の各カラーフィルターを透過した太陽光を3時間照射後、更に28℃で48時間培養後、前記ファレノプシス軟腐病菌の増殖を、コロニー生成の有無により評価したところ、各カラーフィルターを透過した太陽光を照射したサンプルのうち青色フィルターが最も高い抗菌効果を確認した。その結果を図11及び図12に示した。
この防疫効果試験の結果からも明らかなように、植物の防疫剤としての前記チタンアパタイトが無添加ものの場合には、太陽光中に含まる紫外光量を照射した後においても、前記ファレノプシス軟腐病菌は死滅せず、増殖してしまったのに対し、植物の防疫剤としての前記チタンアパタイトが添加されたものの場合には、前記ファレノプシス軟腐病菌は死滅し、増殖することがなく、極めて良好な抗菌効果を示した。
−植物の防疫剤の調製−
実験例2と同様にして、固形分含有量が1質量%の防疫剤を調製した。
1)耕種概要:作物名;ファレノプシス(Phalaenopsis、胡蝶蘭)
なお、作物の生育ステージは生育期であった。
2)区制・面積:1区8株、3連制とした。なお、対照実験として、病原菌を接種しない無接種区を用意し、この場合は反復なしで1区8株とした。
3)病原菌:ファレノプシス軟腐病菌(Erwinia chrysanthemi)
前記で調製した光触媒チタンアパタイトを含む防疫剤を、防疫剤付与手段としてのシャワーを用いて、前記ファレノプシスの茎葉に十分量付着するように、11.25ml/株の割合で噴霧した。
接種源としてファレノプシス軟腐病菌(Erwinia chrysanthemi)の菌株を用いた。供試菌株をNA培地に塗布し、27.5℃、暗黒下条件で培養した。培養3日後に、滅菌水で約1×108CFU(OD660=0.09)に希釈して菌液を調製し、該菌液をファレノプシスの茎葉に噴霧接種し、平均温度24.5℃、平均湿度70%の多湿条件下で静置した。また、感染を促すため、病原菌摂取から1日後に、株当たり葉面3ヵ所をマークし、滅菌した虫針(5本1組)で軽く数回付傷した。
前記ファレノプシス(葉の長さ0.3(m)、茎の長さ0.5(m))に光照射した後、ファレノプシスの生育度合いを目視で観察し、葉の長さ(m)と、茎の長さ(m)を測定した。
その結果を表2に示した。
病原菌接種を行なってから21日後に、それぞれ付傷した箇所を対象に、病斑の発病程度を肉眼観察し、下記のようにして6段階で評価し、発病度を以下の計算式に従って算出した。なお、株によって、また傷口によって発病状態にばらつきがあったが、平均的な評価とした。
0(高):発病を認めない。
1(高):僅かに褐変が認められる。
2(中):褐変の拡大が認められる。
3(中):病斑(褐変)が拡大し、病斑の融合が認められる。
4(低):病斑が拡大し、水浸状の大型病斑が認められる。
5(低):葉身の大部分に、水浸状の大型病斑が認められる。
発病度=Σ(病班の発病程度×その数)/(調査箇所数×5)×100
なお、上記計算式は、病班の発病程度が1のもの×その数と、病班の発病程度が2のもの×その数と、病班の発病程度が3のもの×その数と、病班の発病程度が4のもの×その数と、病班の発病程度が5のもの×その数との合計を、調査箇所数×5で割った値を100倍した値を意味する。
その結果を表2に示した。
なお、実施例1では、病気の発生が良好に抑制され、殆どの株の発病度が低い値であったが、株によって若干高い数値のものもあった。これは、防疫剤を噴霧乃至散布した際に、多少の噴霧乃至散布ムラがあり、光触媒が充分に付着していない箇所があったため、病斑を生じたと思われる。防疫剤が充分に噴霧乃至散布された箇所については、防除性ありの評価が得られ、実用上問題がない。
次に、本発明の植物の防疫剤の水分散体中での分散性を、以下のようにして確認した。即ち、前記防疫剤(チタンアパタイト)の体積平均粒子径が、それぞれ5μm、10μm、20μm、40μmのもの0.5gを、50mlの水中に分散させて水分散体を調整した。その結果、前記防疫剤(チタンアパタイト)の体積平均粒子径が5μm以下である場合には、分散直後のみならず10分後においても沈殿し難く、分散性に優れていた(図12及び図13参照)。
380nm〜560nmの波長領域の近紫外〜可視光を遮光する遮光フィルター(赤色のカラーフィルター)を透過した太陽光を照射する代わりに、380nm〜460nmの波長領域の近紫外〜可視光を遮光する遮光フィルター(黄色のカラーフィルター)を透過した太陽光を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、防疫剤付与、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
380nm〜560nmの波長領域の近紫外〜可視光を遮光する遮光フィルター(赤色のカラーフィルター)を透過した太陽光を照射する代わりに、380nm〜460nmの波長領域の近紫外〜可視光及び600〜680nmの可視光を遮光する遮光フィルター(緑色のカラーフィルター)を透過した太陽光を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、防疫剤付与、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
380nm〜560nmの波長領域の近紫外〜可視光を遮光する遮光フィルター(赤色のカラーフィルター)を透過した太陽光を照射する代わりに、600nm〜700nmの波長領域の可視光を遮光する遮光フィルター(青色のカラーフィルター)を透過した太陽光を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、防疫剤付与、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
実施例1において、380nm〜560nmの波長領域の近紫外〜可視光を遮光する遮光フィルターを透過した太陽光を照射する代わりに、200nm〜390nmの波長領域の紫外光を遮光する遮光フィルターを透過した太陽光を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、防疫剤付与、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
実施例1において、防疫剤を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
実施例1において、遮光フィルターを透過していない太陽光をそのまま照射したこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、防疫剤付与、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
実施例1において、防疫剤を付与せず、遮光フィルターを透過していない太陽光をそのまま照射したこと以外は、実施例1と同様にして、光照射、病原菌接種、生育促進効果の評価、発病抑制効果の評価を行った。
その結果を表2に示した。
−防疫効果試験(病気からの回復試験)−
ランの栽培農場にて、軟腐病が発生して廃棄されたファレノプシス株を譲り受け、これに対して前記実施例1で調製した防疫剤(1質量%濃度のカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト)を、前記株の病変部だけでなく全体に満遍なく噴霧した。図14に、防疫剤を噴霧した直後の葉の表面の写真を示す。前記1質量%濃度の防疫剤を噴霧したところ、外観を大きく損なうような葉の白色化は見られなかった。そして、噴霧の結果、病気の進行が止まり、図15に示すように、1年後には新葉と新花芽が出て、新しい花が咲いた。したがって、本発明の防疫剤は、病気から回復させる機能をも有することが判った。
図16に、防疫剤を噴霧した直後の葉の気孔付近の写真を示す。葉の表面は勿論、気孔の周囲にも光触媒粉体が付着していることから、感染した病原菌の分解除去だけでなく、気孔からの病原菌の侵入をも阻止乃至抑制して、病気からの回復が可能となったと推測される。
(付記1) 植物の生育を阻害する光の波長領域を除いた波長領域の光を植物に照射する光照射手段と、前記光の照射により活性化される光触媒粉体を含む防疫剤を植物に付与する防疫剤付与手段とを有することを特徴とする植物栽培システム。
(付記2) 光照射手段が、植物の生育を阻害する波長領域の光を遮光する遮光フィルターを有する付記1に記載の植物栽培システム。
(付記3) 遮光フィルターが、太陽光から植物の生育を阻害する波長領域の光を遮光する付記1から2のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記4) 遮光フィルターが、太陽光が入射可能なハウスにおける太陽光の入射面に設置された付記1から3のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記5) 植物の生育を阻害する光の波長領域が、600nm〜700nmである付記1から4のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記6) 防疫剤が、光触媒粉体を水中に分散状態で含む水分散体である付記1から5のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記7) 光触媒粉体の体積平均粒径が50nm以上5μm以下である付記1から6のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記8) 防疫剤付与手段が、光触媒粉体を分散させた水分散体を、植物に噴霧乃至散布する付記1から7のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記9) ガスの濃度を検知するガス濃度検知手段と、該ガス濃度検知手段により検知されたガス濃度に基づいて、ガス濃度を制御するガス濃度制御手段と、を更に有する付記1から8のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記10) ガス濃度制御手段が、窒素ガス中に含まれているガスの濃度を制御する付記9に記載の植物栽培システム。
(付記11) ガス濃度制御手段が、炭酸ガスの濃度を制御する付記9から10のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記12) ガス濃度制御手段が、エチレンガスの濃度を制御する付記9から11のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記13) ガス濃度制御手段が、エチレンガスを酸化エチレンガスに変換してエチレンガス濃度を制御する付記12に記載の植物栽培システム。
(付記14) ガス濃度制御手段が、オゾンガスの濃度を制御する付記9から13のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記15) 植物の色合いを監視する監視手段を更に有し、前記監視手段が、植物の病変を感知し、該病変した植物に対して、付与手段が防疫剤を付与する付記1から14のいずれかに記載の植物栽培システム。
(付記16) 監視手段が、予め記憶した植物の色合いと、監視対象の植物の色合いとの差により、病変を検出する付記15に記載の植物栽培システム。
2 防疫剤付与手段
3 植物
4 光照射手段
4a 遮光フィルター
4b 照射部
5 ガスタンク
6 ガス濃度制御手段
7 温度乃至湿度制御手段
8 補助剤付与手段
100 植物栽培システム
X 入射面
Claims (16)
- 植物の生育を阻害する光の波長領域を除いた波長領域の光を植物に照射する光照射手段と、前記光の照射により活性化される光触媒粉体を含む防疫剤を植物に付与する防疫剤付与手段とを有することを特徴とする植物栽培システム。
- 光照射手段が、植物の生育を阻害する波長領域の光を遮光する遮光フィルターを有する請求項1に記載の植物栽培システム。
- 遮光フィルターが、太陽光から植物の生育を阻害する波長領域の光を遮光する請求項1から2のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 遮光フィルターが、太陽光が入射可能なハウスにおける太陽光の入射面に設置された請求項1から3のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 植物の生育を阻害する光の波長領域が、600nm〜700nmである請求項1から4のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 防疫剤が、光触媒粉体を水中に分散状態で含む水分散体である請求項1から5のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 光触媒粉体の体積平均粒径が50nm以上5μm以下である請求項1から6のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 防疫剤付与手段が、光触媒粉体を分散させた水分散体を、植物に噴霧乃至散布する請求項1から7のいずれかに記載の植物栽培システム。
- ガスの濃度を検知するガス濃度検知手段と、該ガス濃度検知手段により検知されたガス濃度に基づいて、ガス濃度を制御するガス濃度制御手段と、を更に有する請求項1から8のいずれかに記載の植物栽培システム。
- ガス濃度制御手段が、窒素ガス中に含まれているガスの濃度を制御する請求項9に記載の植物栽培システム。
- ガス濃度制御手段が、炭酸ガスの濃度を制御する請求項9から10のいずれかに記載の植物栽培システム。
- ガス濃度制御手段が、エチレンガスの濃度を制御する請求項9から11のいずれかに記載の植物栽培システム。
- ガス濃度制御手段が、エチレンガスを酸化エチレンガスに変換してエチレンガス濃度を制御する請求項12に記載の植物栽培システム。
- ガス濃度制御手段が、オゾンガスの濃度を制御する請求項9から13のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 植物の色合いを監視する監視手段を更に有し、前記監視手段が、植物の病変を感知し、該病変した植物に対して、付与手段が防疫剤を付与する請求項1から14のいずれかに記載の植物栽培システム。
- 監視手段が、予め記憶した植物の色合いと、監視対象の植物の色合いとの差により、病変を検出する請求項15に記載の植物栽培システム。
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