JP2008049852A - 車両用シートのハイト機構 - Google Patents

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友久 久保田
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Abstract

【課題】衝突時の慣性を利用してリヤリンクをロックする構成では、衝突時の慣性の大きさに左右され、リヤリンクを安定的にロックすることが難しい。
【解決手段】駆動レバーの非操作時では、ねじりばねが係合ピン33cを押圧することにより、ロック手段30の係合部材33はラック32に噛合され、ラックを介してブレーキユニットと逆側のリヤリンクはロック手段で常にロックされる。下方向に駆動レバーを操作すると、駆動レバーに先端の連結されたワイヤに牽引されて駆動レバーの遊びストロークΔSの範囲でカム部材35がX方向にスライドし、そのカム面35a’に係合ピン33cが押されて、係合部材33が時計方向に揺動してラッチ32との噛合が外れ、リヤリンクが揺動可能となる。遊びストロークΔSを越えて駆動レバーをなおも操作すれば、その操作に対応してリヤリンクが揺動する。
【選択図】図10

Description

本発明は、シートの高さ調整を可能とする車両用シートのハイト機構、特に、後方衝突時(背後からの衝突時)における安全性を高めた車両用シートのハイト機構に関する。
自動車などのシート(車両用シート)に装着されるハイト機構(シートリフター機構ともいう)は、シートの高さ調整を可能に、フロント、リヤのハイトリンクを車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその前後に左右に一対ずつ揺動可能に配置して構成されている。駆動レバーや、下方へのハイトリンクの揺動を規制するブレーキユニットなどを有する駆動手段によって、例えば、リヤのハイトリンク(リヤリンク)を揺動させ、リヤリンクの揺動角度に応じて、シートの高さを調整可能となっている。ここで、フロントのハイトリンク(フロントリンク)はリヤリンクに追従して揺動可能となっている。
フロント、リヤのハイトリンクが、シートライザー、シートフレーム間でその前後に左右に一対ずつ配置されているのに対して、ブレーキユニットは左右のいずれか一方(駆動手段のある側)にのみ配置されているにすぎない。そのため、ブレーキユニットは左右いずれか一方のハイトリンクの揺動を規制する、いわゆる片効きとなり、ブレーキユニットの作用しない他方のハイトリンクは揺動自在なフリー状態となる。
ここで、他の車両が当該車両の後方から衝突すると(後方衝突が発生すると)、ドライバーなどの車両シート着座者の慣性移動によって、車両後方への過大な加重(衝撃加重)がシートに作用する。この衝撃荷重がシートを支持するハイト機構に作用すると、ブレーキユニットが片効きであるため、ハイトリンクを変形させハイト機構をねじりながら沈み込ませて着座者に頚部傷害を生じさせるおそれがある。
最近では、衝突時の着座者の安全確保の要求レベルが引き上げられており、衝撃荷重によっても変形しない剛性がハイトリンク、特にリヤリンクに要求され、ハイトリンクの肉厚を厚くしその剛性を強化してハイト機構の沈み込みを抑制することで、衝撃荷重に対応している。しかし、ハイトリンクの肉厚の増加は、ハイト機構の重量やコストの増加を招くため、好ましくない。
たとえば、特開2004−210030号公報には、衝突時にリヤリンクをロックするロック手段を備えたハイト機構が記載されている。このリヤリンクのロック手段は、リヤリンクに形成した挿通孔の内周に係合溝(係合歯)を設け、係合溝に係合可能な係合フック(係合つめ)をシートフレームに揺動可能に設け、係合フックの回転軸と同軸に感知アームをシートベルトの緊張によって揺動するように設けている。
このロック手段は、ブレーキユニットと逆側に配置され、通常の状態では、係合フックは係合溝に係合せず、リヤリンクはアンロックとされる。しかし、後方衝突によってシートベルトが緊張して、緊張による変位を感知アームが感知すると、感知アームが回転軸の回りで揺動して、係合フックが係合溝に係合する。係合フックが係合溝に係合して感知アームが突張ることによってリヤリンクがロックされ、逆側でブレーキユニットがリヤリンクを制動しているから、両効きの状態となり、左右のリヤリンクの変形を妨げてハイト機構のねじれながらの沈み込みが抑制される。
特開2004−210030号公報
衝突時の慣性を利用してブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロックして、リヤリンクの変形を妨げてハイト機構の沈み込みを抑制する特開2004−210030号公報の構成では、衝突時の慣性の大きさに左右され、リヤリンクを安定的にロックすることが難しい。
本発明は、慣性に依存することなく、ブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロック可能な車両用シートのハイト機構の提供を目的としている。
本発明では、駆動レバーの非操作時にはブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロック手段で常にロックし、下方向の操作時にケーブルを牽引する駆動レバーに遊びを設け、駆動レバーの遊びストロークにおいてロック手段によるリヤリンクのロックを解除する構成としている。
すなわち、請求項1の本発明においては、シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において;下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし;駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち;駆動レバーの非操作時に駆動手段のブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時にその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備えていることを特徴としている。
請求項2の本発明においては、シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において;下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし;駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち;駆動レバーの非操作時に駆動手段のブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時でその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備え、ロック手段はブレーキユニットと逆側のリヤリンクと連動可能に連結されてリヤリンクの動きを規制する規制部材と;駆動レバーの非操作時には規制部材に噛合して規制部材をロックし、ケーブルを牽引方向しない駆動レバーの操作時には規制部材の動きを許容する揺動可能な係合部材と;規制部材との噛合方向に係合部材を揺動させる付勢力を係合部材に付与する付勢部材と;を備え;駆動レバーの遊びストロークにおけるケーブルの牽引によって、付勢部材の付勢力に抗した方向に係合部材を揺動しラックとの噛合を外して規制部材とのロックを解除することを特徴としている。
請求項3の本発明においては、規制部材は、ブレーキユニットと逆側のリヤリンクに連結されたラチェット歯付のラックとされ;係合部材はラックに噛合するつめ部を有し;ロック手段は、その一端にケーブル末端が牽引可能に連結され、駆動レバーの遊びストロークにおけるケーブルの牽引によるスライドによって、付勢部材の付勢力に抗した方向に係合部材を揺動させてラックとの噛合を解除するカム部材をさらに備えている。
請求項6の本発明においては、セクタギヤがブレーキユニットと逆側でリヤシャフトに固定されるとともに、ピニオンがセクタギヤに噛合され;規制部材は、ピニオンと同軸に設けられたつめ車とされ;係合部材は、つめ車に噛合するつめ部を有してケーブル末端に連結されている。
本発明では、駆動レバーの非操作時、ブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロック手段で常にロックしているため、慣性に依存せず、リヤリンクを安定的にロックできる。
シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において;下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし;駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち;駆動レバーの非操作時に駆動手段のブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時にその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備えて構成される。
以下図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例(実施例1)に係る車両用シートのハイト機構の概略平面図、図2は車両用シートのハイト機構の概略正面図、図3は図1の矢視A−Aから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図、図4は図1の矢視B−Bから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図をそれぞれ示す。
図1、図2に示すように、ハイト機構10は、シートフレーム12、シートライザー14間に介在されたフロント、リヤの一対のハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)16F、16Rによってシートフレーム上のシート13を昇降可能に支持するように構成されている。なお、この実施例では、アッパーレール、ロアレールの組み合わせからなるシートスライド装置をシートライザー14としているが、これに限定されない。
ハイト機構のフロントリンク16F、リヤリンク16Rは、シートフレーム12、シートライザー14間で左右にそれぞれ配置され、左右のフロントリンク16R−1、16R−2がフロントの連結シャフト(フロントシャフト)18Fの端にそれぞれ固定されて左右一体化されるとともに、左右のリヤリンク16R−1、16R−2もリヤの連結シャフト(リヤシャフト)18Rに固定されて左右一体化されている。そして、フロントリンク16F、リヤリンク16Rは、シートフレーム12、シートライザー(シートスライド装置)14に、その上下端をそれぞれ連結、枢支することにより、シート13をシートライザーに対して昇降可能に支持している。
なお、リヤリンク16R−1は、セクターカバー19(図1参照)で被覆されているが、内部構造を図示するために、図3ではセクターカバーは除かれている。
図1に加えて、図3に示すように、ハイト機構10は駆動手段20を左右いずれかに備え、実施例では、シート13の右サイドに駆動手段が配置され、リヤリンク16R−1を揺動させ、リヤリンクの揺動角度に応じてシート13の高さを調整、設定している。図2、図3に示すように、駆動手段20は、駆動レバー22と、リヤリンク16R−1の揺動を規制するブレーキユニット24と、駆動レバーに加えられた動力をリヤリンクに伝達するためのピニオン26およびセクターギヤ28とを有して形成されている。ピニオン26は駆動レバー22と同軸で一体的に回動可能に設けられ、セクターギヤ28はリヤシャフト18Rに固定されて一体化されている。
駆動レバー22を操作すれば、その出力が駆動レバーと同軸のピニオン26を回動させ、ピニオンに噛合するセクターギヤ28をリヤシャフト18Rとともに回動させる。左右のリヤリンク16R−1、16R−2がリヤシャフト18Rを介して一体化されているため、リヤシャフトの回動に伴って、左右のリヤリンクがその揺動軸17の回りで揺動し、その揺動に追従して左右のフロントリンク16F−1、16F−2も揺動されることにより、シート13がシートフレーム12とともに昇降される。
上記のようなハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)16F、16R、駆動手段20を備えたハイト機構の基本構成自体は、たとえば、特開2001−088589号公報記載のように公知であり、その基本構成自体は本発明の要旨でないため、その基本構成の詳細な説明は省略する。
実施例では、ハイト機構10は、ロック手段30を備えており、このロック手段は駆動手段のブレーキユニット24と逆側(実施例では左サイド;図1の下側)に設けられ、リヤリンク16R−2を間接的にロックするように構成されている。後述するように、ロック手段30は、駆動レバー22の非操作時に左サイドのリヤリンク16R−2を拘束してロックし、駆動レバーの下方への操作時にリヤリンクの拘束を開放(アンロック)する構成となっている。
図5はロック手段30を示し、図5(A)はロック手段の平面図、図5(B)はロック手段の正面図、図6は図5(A)の矢視C−Cから見たロック手段の正面図、図7はロック手段の分解斜視図を示す。
図4〜図7に示すように、ロック手段30は、ケース31、規制部材32、係合部材33、支持部材34、カム部材35、付勢部材36を有して構成されている。
ケース31は、平板状のベース31−1と、ベースにたとえばボルト止めされるカバー31−2とからなり、長手方向に伸びた膨出部31−2aが絞り加工などによってカバーに形成され、長手方向のその一端31−2a1は開口している。規制部材32は、リヤリンク16R−2に連結されて、リヤリンクの動きを規制するものであり、実施例では、ラチェット歯付のラックとなっている。このラック(規制部材)32は、スライド可能にカバーの膨出部31−2aに収納され、開口端31−2a1から伸びたラックの端部が回動軸32b(図4参照)によってリヤリンク16R−2に連結、軸支されている。また、開口端31−2a1と逆側でケース31の端は、リンク19に回動軸19aによって連結、軸支され、このリンクはフロントシャフト18Fに固定されている(図4参照)。
図6からよくわかるように、カバーの膨出部31−2aはその中間部で幅広に形成され、この幅広部に係合部材33がラック32に対向して収納されている。係合部材33は、ラック下面のラチェット歯32aと噛合可能なつめ部33aを持ち、揺動軸33bによってベース31−1に揺動可能に取付けられている。また、係合部材33は係合ピン33cを持ち、係合ピンはカバー膨出部の挿通孔31−2bを介して突出し、挿通孔は揺動軸33bの回りでの係合部材33の揺動を許容するように円弧形状の長孔に形成されている。
挿通孔31−2bと同一形状の挿通孔34aを持つ断面略コ形状の支持部材34がカバー31−2の外面にたとえば溶着されて、カム部材35を保持している。カム部材35はカム孔35aを持つ、たとえば板状とされ、カム孔の右縁の幅広部の左上にカム面35a’が設けられている。また、カム部材35は段付形状とされ、カム部材の太幅部(右半部)をスライド可能に支持する第1の矩形の支持孔34b1が支持部材34の右腕部に、細幅部(左半部)のスライドを許し、太幅部(右半部)の挿通を禁じる第2の矩形の支持孔34b2が左腕部にそれぞれ形成されている。そして、後述するように、第2の矩形の支持孔34b2の形成された支持部材の左腕部は、カム部材の段部35bの当接するストッパとして機能し、それによって、図5(B)のX方向(ケーブルの牽引方向)でカム部材が位置決めされる。
付勢部材36は、係合部材のつめ部33aをラチェット歯付のラック32に噛合させるように、ラックの方向に揺動させる付勢力F1を係合部材33に付与するものであり、たとえば、ねじりばねとされる。
図7に示すように、保持軸31−1aがベース31−1に取付けられ、この保持軸は、カバー31−2、支持部材34に形成された挿通孔31−2d、34cを挿通して伸びている。そして、図5(B)に示すように、ねじりばね(付勢部材)36がその端を係合ピン33c、支持部材の右腕部にそれぞれ係止させて保持軸31−1aに巻装されている。
この構成では、ねじりばね36の付勢力F1によって係合ピン33cがカム孔の上縁(側端)に押圧されて、カム部材35を押し上げるため、カム部材が支持部材の支持孔34b1、34b2の上縁に押圧され、カム部材と挿通孔の上縁と間にガタ(隙間)が存在しない。
ケーブル23が駆動レバー22から伸び、ケーブルの末端はカム部材35の右端に連結されている(図1、図4、図5参照)。
図5に示すように、ケーブル23の牽引力に抗した付勢力F2をカム部材35に付与するように、付勢部材36とは別の付勢部材38が設けられている。たとえば、付勢部材38は引張ばねとされ、引張ばねはその端をカバーの折曲片31−2c、カム部材35の左端の係止孔35cにそれぞれ係止して架設されている。
このように、カム部材35の右端にケーブル23を連結させるとともに、引張ばね38をカバー、カム部材の左端の間に架設することにより、引張ばねの付勢力F2によってカム部材の段部35bを支持部材の左腕部に押圧させて牽引方向(図5のX方向)でのカム部材の位置が規制され、位置決めされる。なお、参照符号23a’はケーブル23を支持する支持片を示す。
図8、図9は本体カバーを除いた駆動レバーの主要部の分解斜視図、概略平面図をそれぞれ示す。実施例では、制御板を駆動レバーの本体に内蔵させることにより、駆動レバーの下方向の操作時のストロークの初期の遊びが設定されている。
すなわち、2つの長孔22aが180度離反して駆動レバーの円形形状の本体22−1に形成され、円形形状の制御板40が駆動レバーの本体の上に配置されている。そして、連結部材、たとえば、2つの段付ボルト42が、制御板40に形成された挿通孔40aと、駆動レバーの本体の長孔22aを挿通してブレーキユニット24(図2参照)のねじ孔(図示しない)に螺着されている。段付ボルト42は、ねじの切られていないその大径軸部42aをレバーの本体の長孔22aに挿通し、ボルトヘットの下面で制御板を回動不能に固定している。なお、長孔22aは円弧形状に形成されている。
取付け片22bが駆動レバーの本体22−1に、取付け片40bが制御板40にそれぞれ2つずつ設けられ、付勢手段、たとえば、2つの引張ばね44が、その端を取付け片22b、40bに係止して、制御板、駆動レバーの本体に架設されている。
レバーの本体22−1に設けられたケーブルの保持片23a’は、図8に示すように、U字形状の係止孔23a’−1を持ち、先端に係止部23bの付着されたケーブル23は、この係止孔に離脱不能に上から係止されている。そのため、図9において、駆動レバー22の時計方向の回動(揺動)によってケーブル23は牽引されるが、駆動レバーの反時計方向の回動に対してケーブルはなんら反応せず、牽引されない。
引張ばね44の付勢力によって、長孔の時計方向側の縁22a−1が段付ボルト(連結ボルト)の大径軸部42aに押圧された状態で駆動レバー22は待機する。そして、駆動レバー22が下方向に操作されて、図9に一点鎖線に示すように押し下げられると、駆動レバーはケーブル23を直ちに牽引する。しかし、段付ボルトの大径軸部40aが基板の長孔22aの他方の縁(反時計方向の縁)22a−2に押圧、当接するまで駆動レバーはブレーキユニットと無関係に回動し、大径軸部が長孔の端22a−2に当接すると、ブレーキユニットを伴なって回動する。つまり、駆動レバー22が下方向に操作されても、段付ボルトの大径軸部42aが長孔の反時計方向の端22a−2に当接するまで、ブレーキユニットに対して駆動レバーは空転し、大径軸部が長孔の反時計方向の縁22a−2に当接するまでの駆動レバーのストロークは遊びとなる。
このように、駆動レバー22は、ブレーキユニット24に対して大径軸部42aと長孔22aとの隙間相当分の遊びを持ち、この遊びだけ回動(揺動)してからブレーキユニットを作動させる。
逆に、図9に二点鎖線で示すように、上方向に駆動レバー22が操作されると、引張ばね44の付勢力によって段付ボルトの大径軸部42aが長孔の時計方向の端22a−1に既に当接しているため、駆動レバーに遊びはなく、駆動レバーはブレーキユニットを伴なって直ちに回動し、駆動手段の出力がハイトリンク16Rに伝達される。
このように、駆動レバー22は、その下方向の操作においてのみ、遊びを有して構成されている。
図10(A)(B)(C)はケーブルの牽引前後におけるロック手段の概略正面図であり、(A)は牽引前、(B)は牽引直後、(C)は単位ストロークの牽引を示す。なお、係合部材とカム部材との関係を示すために、カム部材を想像線(一点鎖線)で加えている。
ロック手段30の動きについて、図10(A)(B)(C)および図5(B)を参照しながら以下に説明する。
図5(B)に示すように、駆動レバー22を操作しない通常時には、引張ばね38の付勢力F2によってカム部材の段部35bが支持部材の第2の支持孔24b2の上縁に押圧されて、カム部材35は支持部材34に保持されている。また、カム部材35のこの初期位置では、ねじりばね36の付勢力F1によって係合ピン33cをカム孔35aの上縁(側端)に押圧して、支持部材の第1、第2の支持孔24b1、24b2の上縁とカム部材の上縁との間のギャップ(隙間)を皆無としている。そして、ねじりばね38の付勢力F1が係止ピン33cに付加されることにより、係合部材33がラック32の方向に押圧され、そのつめ部33aがラックに噛合されている
上記のように、係合ピン33cはカム孔35aの上縁でかつ右縁に押圧され、係合部材のつめ部33aがラック32に噛合されて、係合部材33がラックをロックしている。
ラチェット歯付ラック32、つめ部33aを持つ係合部材33の組合せにおいては当然ながら、ワンウェーロックとなる。たとえば、図6において、−X方向(ケースからのラックの引出し方向)でラック32は係合部材33によってロックされる。しかし、X方向(ケースへのラックの押し込み方向)では、ラック32は係合部材33によって拘束されず、スライド自在となり、X方向でアンロックとなる。
ここで、図4からわかるように、後方衝突時には、リヤリンク16R−2は反時計方向に揺動しようとし、ラック32をケース31から引出そうとする力がリヤリンクからラックに伝達される。しかし、上記のように、係合部材のつめ部33aがラック32に噛合されて、係合部材33はラックをその引出し方向でロック(固定)しているから、リヤリンク16R−2は反時計方向に揺動できない。すなわち、ロック手段30がラック(規制部材)32を介してリヤリンク16R−2をロックしているため、後方衝突時におけるリヤリンク16R−2の揺動が阻止される。
このように、駆動レバー22を操作しない通常の状態(駆動レバーの非操作時)では、後方衝突時の揺動方向である反時計方向でのリヤリンク16R−2の揺動を禁止するように、ロック手段30がラック32を介してリヤリンク16R−2を常にロックしている。そのため、慣性に依存せず、リヤリンク16R−2を安定的にロックできる。
ロック手段30によるリヤリンク16R−2のロックが常態であり、他方の側においてもブレーキユニット24によってリヤリンク16R−1を制動しているため、ハイト機構10は両効きの状態となり、後方衝突時の衝撃に対して変形しやすいフリーのリヤリンクが存在しない。そのため、後方衝突が生じて衝撃荷重がハイト機構10に作用しても、衝撃荷重をハイト機構の両側で受け、後方衝突時においてもリヤリンクの変形が確実に妨げられてハイト機構のねじれながらの沈み込みを抑制でき、ハイト機構の沈み込みによる着座者の頚部傷害を防止できる。
また、後方衝突が生じて衝撃荷重がハイト機構10に作用しても、衝撃荷重をハイト機構の両側で受けているため、衝撃荷重に抗する過度の剛性がハイトリンク、特にリヤリンクに要求されず、リヤリンクなどの肉厚の増加によるハイトリンク、つまりはハイト機構の重量やコストの増加が避けられる。
駆動レバー22を下方に操作すれば、ケーブル23が直ちに牽引され、その牽引力がロック手段のカム部材35に伝達される。図10(A)(B)(C)はケーブルの牽引前後におけるロック手段の概略正面図を示し、(A)は牽引前、(B)は牽引直後、(C)は単位ストロークの牽引を示す。
上記のように、カム部材35は、引張ばね38の付勢力F2の加えられた状態でX方向にスライド可能で、かつ、ねじりばね36の付勢力によって、係止ピン33がカム孔35aの上縁に押圧されることにより、支持孔34b1、34b2の上縁に押し付けられてY方向にガタなく、支持部材34に保持されている(図5、図6参照)。
そのため、駆動レバー22を下方に操作してケーブル23を牽引してカム部材35がX方向に引かれると、図10(A)(B)に示すように、引張ばねの付勢力に抗してカム部材は反Y方向(−Y方向)に逃げることなくX方向にスライドして、カム孔のカム面35a’が係合ピン33cを押圧する。すると、係合ピン33cは、カム面35a’に押されて下方に押し出され、係合部材33はその揺動軸33bの回りで時計方向に揺動されて、係合部材のつめ部33aがラック32から離反して外れ、ラックは係合部材による噛合、拘束から開放される。
つまり、牽引前後での係合ピン33cの中心をO1、O2とすれば、中心O1、O2のX方向での距離ΔSだけカム部材35によって係合ピンがX方向に移動する間に、係合部材が時計方向に揺動して、図10(B)に示すように、ラック32は係合部材33の噛合、拘束から開放されて、スライド可能となる。ラック32が係合部材33の拘束から開放されれば(アンロックとなれば)、ラックに連結されてその揺動の規制されていたリヤハイト16R−2は規制から開放されて揺動可能になる。
係合部材33が時計方向に揺動して、その歯部35aがラックから外れてラックの拘束を開放した状態では、係合ピン33cはカム面35a’から離反してカム孔35a内に位置している。それ以後の駆動レバー22の操作でケーブル23がさらに牽引されれば、カム面35a’に押されて下方に押し出された係合ピン33cをカム孔35aに収納したまま、係合ピン33cにカム孔の左端が当接するまでX方向にスライドする。つまり、ガイド孔35bの左端に当接する係合ピン33cの中心をO3とすれば、O3とO2との距離S1だけ、ラック32を開放した状態でケーブル23がさらに牽引され、駆動レバー22の単位ストロークは、ΔS+S1となる。
このように、駆動レバー22を下方向に操作しケーブル23を牽引してストロークΔSに相当する距離だけカム部材35がスライドする間に、ラック32は係合部材33の噛合、拘束から開放される。そして、ストロークΔSを越えたストロークS1において、ラック32は常にアンロックで、リヤハイト16R−2が揺動自在となる。従って、ストロークΔSを越えたストロークS1での駆動レバー22の操作によって生じた駆動手段20の出力によって左右のリヤハイト16Rが揺動され、リヤハイトの揺動に追従して左右のフロントリンク16Fも揺動されることにより、シート13がシートフレーム12とともに下降される。
上記のように、段付ボルトの大径軸部42aが長孔の反時計方向の端22a−2に当接するまで、ブレーキユニットに対して駆動レバーは空転しており、大径軸部が長孔の反時計方向の端22a−2に当接するまでの駆動レバーのストロークが遊びストロークΔSに相当する。いいかえれば、段付ボルトの大径軸部42aと長孔22aとの隙間が遊びストロークΔSとなる。そして、駆動レバー22の下方への操作のストロークの初期において遊びΔSを設け、遊びストロークΔSにおいてロック手段30によるラック32のロックをまず外してラックの拘束を解除してスライド自在とし、遊びストロークΔSを越えた駆動レバーのストロークS1において、駆動レバーの出力が左右のリヤハイト16Rに伝達される構成としている。
下方向での駆動レバー22の初期のストロークに設定した遊びにおいて、ロック手段30によるラック32のロックが確実に外され、ラックをスライド自在としてから、駆動レバーの出力が左右のリヤハイト16Rに伝達する構成であるため、下方向での駆動レバーの操作において、シート13をシートフレーム12とともに円滑に下降できる。
ねじりばね36の付勢力によって図10(B)のY方向でガタなくカム部材35が支持されているため、−Y方向に逃げることなく、カム部材35は支持部材35上をX方向にスライドする。そのため、スライド直後にカム面35a’が係止ピン33cを押して係合部材33を揺動させて、ラック32との噛合をストロークΔS(遊び)の間で確実に外すことができる。
上方向の駆動レバー22の操作においては、上記のように、駆動レバーを上方に操作しても(引き上げても)、ケーブル23は牽引されない。そして、駆動レバー22を引き上げれば、駆動レバーの操作によって生じた駆動手段20の出力がリヤシャフト18Rを介して左右のリヤハイト16Rに直ちに伝達され、駆動手段のブレーキユニット24と逆側のリヤハイト16R−2はフレーム12とともにシート13を上昇させようとしてラック32をケース31内に押し込む方向に押圧する。ここで、ロック手段の係合部材33によるラック32のロックはワンウェーロックであり、ラックを押し込む方向においては、係合部材はラックを拘束せず、ラックはスライド自在となっている。そのため、ラック32に連結されたリヤハイト16R−2は、駆動レバー22の操作に対応してラックを押し込みながら直ちに揺動し、シート13をシートフレーム12とともに上昇させる。
このように、下方への駆動レバー22の操作においては、駆動レバー22の遊びを利用してロック手段30によるラック32のロックを解除してから、リヤハイト16R−2が揺動し、上方への駆動レバーの操作においては、リヤハイトが直ちに揺動して、シート13をシートフレーム12とともに下降または上昇させている。
次に、図11〜図15を参照しながら、本発明の別実施例(実施例2)に係る車両用シートのハイト機構について詳細に説明する。ここで、実施例1の構成部材と同じ機能でほぼ同じ構成の実施例2の対応する構成部材には同じ参照番号を付してその説明を省略する。また、機能が同じで構成の異なる実施例2の構成部材には上記実施例1の対応する構成部材に100を加えた参照番号を付して示す。以下に、上記実施例1と異なる実施例2の構成を主として説明する。
図11は本発明の別実施例(実施例2)に係る車両用シートのハイト機構の概略平面図、図12は車両用シートのハイト機構の概略正面図、図13は図11の矢視D−Dから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図をそれぞれ示す。
図11〜図13からわかるように、ロック手段130が、駆動手段のブレーキユニット24の逆側(シートの左側)に配置されており、実施例1と同様に、このロック手段は、駆動レバーを操作しない通常時においては、リヤリンク16R−2をロックし、下方への駆動レバーの操作における遊びストロークにおいてロックを解除するように構成されている。
しかし、このロック手段130においては、規制部材としてラック32の代わりにつめ車(アイドルギヤ)が使用され、このつめ車は、リヤリンク16R−2に噛合するピニオンと同軸に設けられており、この点で実施例1のロック手段30と相違する。
図14(A)はロック手段の要部の概略正面図、図14(B)はケースカバーを除去したロック手段の要部の概略正面図をそれぞれ示す。
図14(A)(B)に示すように、ロック手段130は、ケース131、規制部材132、係合部材33、付勢部材136、ピニオン26、セクタギヤ28を備えている。
ケース131は、平板状のベース131−1と、ベースに係止される中空の略円柱状のカバー131−2とからなる。略円柱状のケースカバー131−2は、隔離した壁部131−2aを三方向に持ち、1つまたは2つの係止部が壁部から突出し、一方向(図14(B)の右側)は開口されている。他方、ケースベース131−1は、三方向に1つまたは2つの係止孔131−1aを持ち、この係止孔にケースカバー壁部の係止部が係止されてケースが組み立てられる。
ピニオン26、セクタギヤ28は、駆動手段20の構成部品であるピニオン、セクターギヤをそのまま転用したものであり、その構成は駆動手段20におけるものと差異はない。つまり、セクタギヤ28が、リヤシャフト18Rに固定され(図13参照)、リヤシャフトを介してリヤリンク16R−2と一体化されている。ピニオン26がセクタギヤ28に噛合し、ピニオンの回動軸26aはシートライザー14に取付けられている。図14(A)からわかるように、ピニオン26は、ケースカバー頂面の挿通孔131−2bから突出して、セクタギヤ28とケース131の外部で噛合している。
規制部材としてのつめ車(ラチェットホイール、アイドルギヤ)132は、ケース131の内部で回動軸26aに固定され、ピニオン26と同軸に設けられている。すなわち、回動軸26aを介して、つめ車132、ピニオン26は一体化されている。
そして、ケース131の内部でその開口側(図14(A)の右側)に、係合部材33が揺動軸33bの回りで揺動可能に配置され、付勢部材136、たとえば、板ばねによってそのつめ部33aがつめ車に噛合する方向に付勢されている。板ばね136は、ケースカバーの壁部131−2aを利用して配置され、その一端は壁部の端に係止されるとともに、他端が揺動軸33bから十分に離反した位置で係合部材の側端に係止されている。そのため、係合部材33は、板ばね136によって揺動軸33bの回りで反時計方向に付勢されて、つめ部33aをつめ車132に噛合させている。なお、係合部材の揺動軸33bは、ケースベース131−1に取付けられている。また、係合ピン33cが係合部材33に設けられ、ケーブル23の末端が係合ピンに連結されている。係合部材33は、実施例1の係合部材をそのまま利用できる。
このように、セクタギヤ28がピニオン26と噛合され、ピニオンと同軸のつめ車132は係合部材33に噛合されている。ここで、係合部材33によるつめ車132の噛合がワンウェーロックであることはいうまでもなく、係合部材は、つめ車との噛合状態において、一方向(図14(B)の時計方向)でのつめ車のその回動を禁じてロックするが、他方向(反時計方向)でのつめ車の回転を許容している。
図15(A)(B)は、ケースを除去した、ケーブルの牽引前後におけるロック手段の概略平面図を示し、(A)は牽引前、(B)は牽引直後を示す。
ロック手段130の動きについて、図15(A)(B)を参照しながら以下に説明する。
図15(A)に示すように、駆動レバー22を操作しない通常時(駆動レバーの非操作時)では、板ばね(付勢部材)136の付勢力によって、つめ部33aをつめ車132と噛合させる方向に係合部材33は揺動され、つめ部がつめ車に噛合している。
後方衝突時には、衝撃荷重によってリヤリンク16R−2は反時計方向に揺動しようとし、リヤシャフト18を介してリヤリンクと一体化されたセクタギヤ28は矢視のように反時計方向に回動しようとする。
ここで、上記のように、セクタギヤ28がピニオン26と噛合し、ピニオンと同軸で一体化されたつめ車132が係合部材33に噛合しており、セクタギヤとは逆につめ車は時計方向に回動しようとする。しかし、つめ車132に噛合する係合部材33は時計方向でのつめ車の回動を許さないから、つめ車は回動できず、つめ車が回動しなければ、セクタギヤは回動できず、リヤリンク16R−2も反時計方向に揺動できない。
つまり、駆動レバー22を操作しない通常時では、後方衝突時の揺動方向である反時計方向でのリヤリンク16R−2の揺動を禁止するように、係合部材133がつめ車132に噛合されて拘束し、ロック手段130がリヤリンク16R−2を常にロックしている。そして、他方の側においてもブレーキユニット24によってリヤリンク16R−1を制動している。
そのため、実施例1と同じ効果が実施例2の構成においても得られる。すなわち、駆動レバー22を操作しない通常の状態では、後方衝突時の揺動方向である反時計方向でのリヤリンク16R−2の揺動を禁止するように、ロック手段30がラック32を介してリヤリンク16R−2を常にロックしている。そのため、慣性に依存することなく、リヤリンク16R−2が安定的にロックされる。
ロック手段30によるリヤリンク16R−2のロックが常態であり、他方の側においてもブレーキユニット24によってリヤリンク16R−1を制動しているため、ハイト機構10は両効きの状態となり、後方衝突時の衝撃に対して変形しやすいフリーのリヤリンクが存在しない。そのため、後方衝突が生じて衝撃荷重がハイト機構10に作用しても、衝撃荷重をハイト機構の両側で受け、後方衝突時においてもリヤリンクの変形が確実に妨げられてハイト機構のねじれながらの沈み込みを抑制でき、ハイト機構の沈み込みによる着座者の頚部傷害を防止できる。
また、後方衝突が生じて衝撃荷重がハイト機構10に作用しても、衝撃荷重をハイト機構の両側で受けているため、衝撃荷重に抗する過度の剛性がハイトリンク、特にリヤリンクに要求されず、リヤリンクなどの肉厚の増加によるハイトリンク、つまりはハイト機構の重量やコストの増加が避けられる。
駆動レバー22を下方に操作すれば、ケーブル23が牽引され、ケーブル末端に連結された係合部材33は、図15(B)に示すように、板ばね136の付勢力に抗して揺動軸33bの回りで時計方向に揺動される。そして、この揺動によって、係合部材のつめ部33aとつめ車132との噛合が外れ、つめ車は係合部材33による噛合、拘束から開放される。ここで、つめ車132の噛合、拘束を解除する係合部材33の揺動は、上記の駆動レバーの遊びストロークΔSにおいて生じることはいうまでもない。そして、遊びストロークΔSを越えた駆動レバー22の下向きの操作においては、駆動レバーの操作によって生じた駆動手段20の出力が左右のリヤハイト16Rに伝達されて左右のリヤハイトが揺動し、リヤハイトの揺動に追従して左右のフロントリンク16Fも揺動されて、シート13がシートフレーム12とともに下降される。
つまり、下方への駆動レバー22の操作においては、まず、つめ車132、係合部材33の噛合、拘束を開放してロック手段130によるつめ車のロックを解除してから、ハイト機構10が作動しており、ハイト機構の動作は駆動レバーの遊びストロークΔSだけ遅延して生じている。
他方、上方への駆動レバーの操作においては、ロック手段130は機能しない。つまり、駆動レバー22を上方に操作すれば、駆動手段20の出力がロック手段のリヤシャフト18Fを介してセクタギヤ28を時計方向に、セクタギヤと噛合するピニオン26と同軸のつめ車132を反時計方向にそれぞれ回動させようとする。ここで、係合部材33によるつめ車132のロックはワンウェーロックであり、反時計方向でのつめ車の回動は拘束されないから、つめ車は反時計方向に、セクタギヤ28は時計方向にそれぞれ回動し、左右のリヤハイト16R−1、16R−2が、直ちに揺動して、シート13をシートフレーム12とともに上昇させる。
このように、上方への駆動レバー22の操作においては、駆動レバーの操作に直ちに反応してハイト機構10が作動する。
実施例2の構成では、実施例1におけるカム部材や支持部材に相当する部材が省略され、ケーブル末端を回動軸33bから離反した位置で係合部材33に連結するだけで、ケーブルの牽引に応じて係合部材を揺動して、つめ車との噛合を解除でき、構成が簡単化される。また、駆動手段の構成部品であるピニオン、セクターギヤがロック手段130の構成部材として兼用され、シートの左右において部品の共通化が可能となり、部品点数は現実的には増加しない。そして、ピニオンと同軸につめ車132を設け、つめ車に噛合可能な係合部材33を板ばね136の付勢力のもとで揺動可能に設けるだけでロック手段130が得られる。したがって、ロック手段130が、少ない部品点数のもとで、構成的に簡単小型化され、容易にユニット化できる。
上記のように、本発明では、ブレーキユニット24と逆側のリヤリンク16R−2を常にロックしており、ロック手段によるリヤリンクのロックは衝突時の慣性の大きさに左右されず、リヤリンクが安定的にロックされる。
上記実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で上記以外の変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
たとえば、連結部材42は、制御板40を固定しながら、駆動レバー22、ブレーキユニット24を連動可能に連結するものであれば足り、段付ねじに限定されない。また、長孔22aの配置は一例であり、180度離反して2つ配置することなく、長孔を1つとしてもよい。
付勢部材44は、上方向に駆動レバーを回動させる付勢力を駆動レバーに付加するものであれば足り、引張ばねに限定せず、板ばね、圧縮ばねなども利用できる。また、他の付勢部材36、38、136として、ねじりばね、引張ばね、板ばねを使用しているが、所定の方向の付勢力を生じるものであれば足り、図示のものに限定されない。
本発明の一実施例(実施例1)に係る車両用シートのハイト機構の概略平面図を示す。 車両用シートのハイト機構の概略正面図を示す。 図1の矢視A−Aから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図を示す。 図1の矢視B−Bから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図を示す。 ロック手段を示し、(A)はロック手段の平面図、(B)はロック手段の正面図をそれぞれ示す。 図5(A)の矢視C−Cから見たロック手段の正面図を示す。 ロック手段の分解斜視図を示す。 本体カバーを除いた駆動レバーの主要部の分解斜視図を示す。 本体カバーを除いた駆動レバーの主要部の概略平面図を示す。 (A)(B)(C)はケーブルの牽引前後におけるロック手段の概略正面図であり、(A)は牽引前、(B)は牽引直後、(C)は単位ストロークの牽引を示す。 本発明の別実施例(実施例2)に係る車両用シートのハイト機構の概略平面図を示す。 車両用シートのハイト機構の概略正面図を示す。 図11の矢視D−Dから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図を示す。 (A)はロック手段の要部の概略正面図、(B)はケースカバーを除去したロック手段の要部の概略正面図をそれぞれ示す。 (A)(B)は、ケースを除去した、ケーブルの牽引前後におけるロック手段の概略平面図を示し、(A)は牽引前、(B)は牽引直後を示す。
符号の説明
10 ハイト機構
12 シートフレーム
13 シート
14 シートライザー
16F、16R ハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)
18F、18R フロント、リヤの連結シャフト
20 駆動手段
22 駆動レバー
22a 長孔
22a1、22a2 長孔の縁
24 ブレーキユニット
26 ピニオン
28 セクタギヤ
30、130 ロック手段
32 規制部材(ラック、つめ車)
33 係合部材
33a つめ部
34 支持部材
35 カム部材
35a カム孔
35a’ カム面
36、136 付勢部材(ねじりばね、板ばね)
38 付勢部材(引張ばね)
40 制御板
42 連結部材(段付ボルト)
42a 大径軸部
44 付勢部材(引張ばね)
ΔS 駆動レバーの遊び
S1 駆動レバーの遊びを越えたストローク(単位ストローク=ΔS+S1)

Claims (10)

  1. シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において、
    下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし、
    駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち、
    駆動レバーの非操作時に駆動手段のブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時にその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備えていることを特徴とする車両用シートのハイト機構。
  2. シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において、
    下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし、
    駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち、
    駆動レバーの非操作時に駆動手段のブレーキユニットと逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時でその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備え、ロック手段は
    ブレーキユニットと逆側のリヤリンクと連動可能に連結されてリヤリンクの動きを規制する規制部材と、
    駆動レバーの非操作時には規制部材に噛合して規制部材をロックし、ケーブルを牽引方向しない駆動レバーの操作時には規制部材の動きを許容する揺動可能な係合部材と、
    規制部材との噛合方向に係合部材を揺動させる付勢力を係合部材に付与する付勢部材と、
    を備え、
    駆動レバーの遊びストロークにおけるケーブルの牽引によって、付勢部材の付勢力に抗した方向に係合部材を揺動し規制部材との噛合を外して規制部材のロックを解除することを特徴とする車両用シートのハイト機構。
  3. 規制部材は、ブレーキユニットと逆側のリヤリンクに連結されたラチェット歯付のラックとされ、
    係合部材はラックに噛合するつめ部を有し、
    ロック手段は、その一端にケーブル末端が牽引可能に連結され、駆動レバーの遊びストロークにおけるケーブルの牽引によるスライドによって、付勢部材の付勢力に抗した方向に係合部材を揺動させてラックとの噛合を解除するカム部材をさらに備えている請求項2記載の車両用シートのハイト機構。
  4. カム部材はカム孔を持ち、
    係合部材はカム孔に挿通された係止ピンを持ち、
    付勢部材は、係止ピンを介して規制部材との噛合方向に係合部材を揺動させる付勢力を係合部材に付与することにより、係止ピンをカム孔の端に当接させている請求項3記載の車両用シートのハイト機構。
  5. ロック手段は、カム部材をスライド可能に支持する支持孔付の一対の支持腕を持つ支持部材と、ケーブルの牽引方向と逆方向にカム部材を付勢するためのカム部材用付勢部材とをさらに備え、
    カム部材は段付形状に形成され、その段部を支持部材の一対の支持腕のいずれかに当接させてカム部材を牽引方向で位置決めしている請求項4記載の車両用シートのハイト機構。
  6. セクタギヤがブレーキユニットと逆側でリヤシャフトに固定されるとともに、ピニオンがセクタギヤに噛合され、
    規制部材は、ピニオンと同軸に設けられたつめ車とされ、
    係合部材は、つめ車に噛合するつめ部を有してケーブル末端に連結されている請求項2記載の車両用シートのハイト機構。
  7. ケーブルの先端を牽引方向でのみ連動可能に駆動レバーの本体に連結し、
    ケーブル牽引方向でのケーブルのストロークの初期において駆動レバーの操作に遊びを生じる制御板を駆動レバーの本体に設けている請求項1〜6記載の車両用シートのハイト機構。
  8. 駆動レバーとブレーキユニットとを連動可能に連結する連結部材が、制御板を駆動レバーの本体に固定して、駆動レバーの本体に形成した長孔を介して伸び、
    駆動レバーの牽引方向での長孔の一縁を連結部材に押圧、当接する付勢力を駆動レバー用付勢部材によって制御板に付加し、
    牽引方向とは逆側の長孔の縁が連結部材に当接するまでの駆動レバーのストロークを遊びとした請求項7記載の車両用シートのハイト機構。
  9. シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において、
    下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし、
    駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち、
    駆動レバーの非操作時に駆動手段と逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時でその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備え、ロック手段は
    ブレーキユニットと逆側のリヤリンクに連結されてリヤリンクの動きを規制するラチェット歯付ラックと、
    ラックに噛合するつめ部を有し、駆動レバーの非操作時にはラックに噛合してラックをロックし、ケーブルを牽引方向しない駆動レバーの操作時にはラックの動きを規制しない揺動可能な係合部材と、
    ケーブル末端に牽引可能に連結され、係合部材の揺動を制御するカム部材と、
    ラックとの噛合方向に係合部材を揺動させる付勢力を係合部材に付与する付勢部材と、
    を備え、
    カム部材は、駆動レバーの遊びストロークにおけるケーブルの牽引によって、付勢部材の付勢力に抗した方向に係合部材を揺動しラックとの噛合を外してラックのロックを解除することを特徴とする車両用シートのハイト機構。
  10. シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、そのうちのリヤリンクに対する駆動手段の駆動レバーの操作のもとで、シートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において、
    下方向での駆動レバーの操作時に牽引されるケーブルを駆動レバーから伸ばし、
    駆動レバーは、ケーブルを牽引するストロークの初期に駆動手段の出力を伴なわない遊びを持ち、
    駆動レバーの非操作時に駆動手段と逆側のリヤリンクをロックし、ケーブルの牽引方向での駆動レバーの操作時でその遊びストローク中にリヤリンクのロックを解除するロック手段をブレーキユニットと逆側に備え、ロック手段は
    ブレーキユニットと逆側でリヤの連結リンクに固定されたセクタギヤに噛合するピニオンと同軸に設けたつめ車と、
    つめ車に噛合するつめ部を有し、駆動レバーの非操作時にはつめ車に噛合してつめ車をロックし、ケーブルを牽引方向しない駆動レバーの操作時にはつめ車の動きを規制しない揺動可能な係合部材と、
    ラックとの噛合方向に係合部材を揺動させる付勢力を係合部材に付与する付勢部材と、
    を備え、
    ケーブル末端を係合部材に連結し、駆動レバーの遊びストロークにおけるケーブルの牽引によって、付勢部材の付勢力に抗した方向に係合部材を揺動しつめ車との噛合を外してつめ車のロックを解除することを特徴とする車両用シートのハイト機構。
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