JP2008049519A - 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線レーザーによる画像記録が可能で、且つ機上現像が可能な、耐刷性に優れた平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法を提供する。
【解決手段】親水化処理された基材上に下引き層と感熱画像形成層を有する平版印刷版原版であって、該下引き層が、供給される空気を0.1〜0.3μmの粒子を99%以上捕集する能力を有するフィルターを通した環境下で形成されることを特徴とする平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法に関し、特にコンピューター・トゥ・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法に関する。
印刷データのデジタル化に伴い、安価で取り扱いが容易でPS版と同等の印刷適性を有したCTPが求められている。特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であって、ダイレクトイメージング(DI)機能を備えた印刷機に適用可能であり、またPS版と同等の使い勝手を有する、汎用タイプのサーマルプロセスレスプレートへの要望が高まっている。
一般的に、サーマルプロセスレスプレートの画像形成に主として用いられるのは、近赤外〜赤外領域の波長を有するサーマルレーザー記録方式である。この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて、アブレーションタイプ、熱融着タイプ、相変化タイプ、及び重合/架橋タイプがある。この中で機上現像を行うタイプとしては、熱融着タイプ、重合/架橋タイプが挙げられる。
熱融着タイプは、親水性層もしくはアルミ砂目上に形成した感熱画像形成層に熱可塑性微粒子と水溶性の結合剤とを用いたものが(例えば、特許文献1参照。)挙げられる。アグファ社のThermoliteはこのタイプのプロセスレスプレートである。この方式であれば融着可能なエネルギーがあれば良く、アブレーションタイプ、相変化タイプと比べて、画像形成に必要なエネルギーは少なくて良く、高出力のレーザーを用いれば高速化も可能である。
重合/架橋タイプとしては、公知な方法が(例えば、特許文献2参照。)挙げられる。この方法であれば、アルミ基材の砂目を利用でき、感熱画像形成層は3次元架橋をするため、熱融着タイプに比べると、アルミ基材と感熱画像形成層との接着性も強固になる。
これらのCTP版材は、特別な薬剤による現像処理を行わない方式であり、感度や現像性を良くするためには画像層の膜厚を現像処理を行う方式の版材より薄くすることが必要になる。通常、基材と画像層の接着性を向上させるために下引き層を設置することが行われているが、基材と下引き層の接着強度が不十分だと、印刷時の耐刷性が劣化するという問題があった。
上記問題に対して、特定のポリマーを使用することで、耐刷性を向上させる技術が検討されているが(例えば、特許文献3、4参照。)、まだ十分ではなく、更なる改良が望まれていた。
特許第2938397号明細書 米国特許6,548,222号明細書 特表2004−526986号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特表2004−532746号公報 (特許請求の範囲、実施例)
本発明の目的は、赤外線レーザーによる画像記録が可能で、且つ機上現像が可能な、耐刷性に優れた平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.親水化処理された基材上に下引き層と感熱画像形成層を有する平版印刷版原版であって、該下引き層が、供給される空気を0.1〜0.3μmの粒子を99%以上捕集する能力を有するフィルターを通した環境下で形成されることを特徴とする平版印刷版原版。
2.前記1に記載の平版印刷版原版を、光源波長が700nm〜1100nmのレーザー光により画像露光し、その後、現像処理等の湿式処理を施さないことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
本発明により、赤外線レーザーによる画像記録が可能で、且つ機上現像が可能な、耐刷性に優れた平版印刷原版及び平版印刷版の作製方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。従来、塗布工程においては、エアーシャワー等のクリーン化対策が施されているが、それでも除去しきれない埃、塵等が存在していたと考えられる。そのために、下引き層を形成する際に基材上に存在するこれら埃等のために、赤外線レーザー照射後の画像形成部の基材と下引き層の接着強度が低下してしまっていたものと推定される。
本発明の高性能な捕集能力を有するフィルターを通した空気環境下で下引き層を塗布形成することで、基材上の埃、塵等が十分に除去されることで、赤外線レーザー照射後の画像形成部において所望の基材と下引き層の接着強度が得られることで、耐刷性が向上するものと推定している。
本発明の平版印刷版原版は、片面に粗面化処理を施したアルミニウム基材上に感熱画像形成層を塗設し、印刷機上で現像できる平版印刷版原版である。
本発明における印刷機上現像とは、通常のオフセット印刷機に露光済みの平版印刷版原版を取り付けて印刷を行った際、版面に与えられた湿し水と印刷インキの作用により平版印刷版原版の未露光領域の感熱画像形成層が印刷の初期に選択的に除去されることを意味している。
(アルミニウム基材)
本発明の基材としては、印刷版の基板として使用される公知のアルミニウム材料を使用することができる。基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
アルミニウム板は、通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するためにアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。脱脂処理としては特にアルカリ水溶液による脱脂が好ましい。アルミニウム板は表面を粗面化したものを用いるのが普通である。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法等により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。この様にして粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1〜10g/m2が好ましい。1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
このような粗面化処理を行うことにより、アルミニウム基材と親水性層の接着性が向上し、耐刷性を上げることが出来る。
本発明のアルミニウム基材は、砂目上に親水性処理を施すことを特徴とする。好適に用いられる親水性化合物としては、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム、クエン酸、カルボキシメチルセルロース、キトサン、プルラン、アルギン酸、シュウ酸、フタル酸、ギ酸、フィチン酸、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、グリシン、ポリビニルホスホン酸、その他糖類化合物、及びこれらのナトリウム塩を挙げることができる。処理条件として、pHは7〜11が好ましく、温度は60〜100℃が好ましく、処理時間は5〜120秒が好ましい。これにより極短時間に少量の湿し水とインキにより飛躍的に機上現像性を向上させることが可能となる。
また、裏面のすべり性を制御する(例えば版胴表面との摩擦係数を低減させる)目的で、裏面コート層を設けた基材も好ましく使用することができる。
(下引き層)
本発明に係る下引き層は、供給される空気を0.1〜0.3μmの粒子を99%以上捕集する能力を有するフィルターを通した環境下にて形成される。このような捕集能力を有するフィルターとしては、例えば、HEPA(high efficiency particulate air)フィルター、ULPA(ultra low penetration air)を好適に用いることができる。また、このようにして形成された環境の空気清浄度クラスとしては、米国連邦規格FED−STD−209Eにおいて規定されたM5.15以下の雰囲気であることが好ましい。前記清浄度クラスとは、雰囲気下に存在する粒径0.5μm以上の浮遊粒子を基準とし、1m3当たりの該粒子数を10X個とした場合の、X値のことをいう。前記清浄度クラスは、メートル法を基準にしているので、クラスM(X)と表す。前記清浄度クラスは、フィートを基準とした値でも表すことができ(米国連邦規格FED−STD−209D)、M4.5は、1ft3当たりに粒径0.5μm以上の浮遊粒子数が1000個、即ちクラス1000、M5.5は1ft3当たりに粒径0.5μm以上の浮遊粒子数が10000個、即ちクラス10000、と換算される。(但し、1ftは、30.48cmである。)
前記清浄度クラスの測定方法としては、クリーンルーム専用の塵埃測定装置(米国ハイアック/ロイコ社製)を用いて、規定量(1立方フィート)吸引した空気中の粒子を半導体レーザーを使用し、サイズ別にカウントし、米国連邦規格に規定されている清浄度クラスで表す。
また、日本工業規格に照合する場合は、日本工業規格JIS B9920の空気清浄度がクラス4以上、好ましくはクラス3以上の環境である。日本工業規格JIS B9920は「クリーンルームの空気清浄度の評価方法」に関するものであり、浮遊粒子による空気清浄度の等級を規定するものである。クラスNで表され、対象となる粒径に対する上限濃度(空気1m3当たり粒子数)で空気清浄度を示している。クラス4は、空気1m3当たり0.5μmの粒子数が352以下、1μmの粒子数が83個以下である。尚、「クラスN以上」という表現は、少なくともクラスNの条件を満たしていることを意味する。
このような空気清浄度の環境を形成するには、上記のフィルターを採用することが最も好適であるが、「クリーンルーム環境の計画と設計」や「クリーンルーム環境の施工と維持管理」(共に、日本空気清浄協会編2000年発行)、「クリーンルームテクノロジー基礎講座」(日本空気清浄協会編1987年発行)、「クリーンルームハンドブック」(日本空気清浄協会編1989年発行)などに記載された技術を併用しても良い。
本発明の下引き層としては、具体的には、特開平10−282679号に記載されている付加重合可能なエチレン製二重結合を有しているシランカップリング剤、エチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
下引き層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、さらに好ましくは、3〜30mg/m2である。
(感熱画像形成層)
感熱画像形成層は、赤外線レーザーによる露光によって発生する熱により画像形成するものであり、熱により硬化可能な素材を含有することが好ましい。
本発明において、熱により硬化可能な素材としてはいかなるものも制限は無いが、特にブロック化されたイソシアネート化合物を好適に用いることができる。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート[ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)など];脂肪族ポリイソシアネート[1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)など];脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネートなど];芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)など];これらの変性物(ビューレット基、イソシアヌレート基、カルボジイミド基、オキサゾリジン基含有変性物など);およびこれらのポリイソシアネートと分子量50〜5,000の活性水素含有化合物からなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
また、特開平10−72520に記載のポリイソシアネート化合物も好ましく用いることができる。
(ブロック化剤)
イソシアネート基のブロック剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール系ブロック剤、フェノール、クレゾールなどのフェノール系ブロック剤、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトキシム、メチルイソブチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムなどのオキシム系ブロック剤、アセトアニリド、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどの酸アミド系ブロック剤、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチルなどの活性メチレン系ブロック剤、ブチルメルカプタンなどのメルカプタン系ブロック剤、コハン酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素などの尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸系ブロック剤、ジフェニルアミン、アニリン等のアミン系ブロック剤、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのイミン系ブロック剤などが挙げられる。これらの中では特にオキシム系ブロック剤を用いることが好ましい。
ブロック化剤の含有量としては、ブロック剤中の活性水素基がイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して1.0〜1.1当量となるように含有させることが好ましいが、後述するポリオール等の活性水素基を有する添加剤と併用する場合は、ブロック剤と活性水素基を有するその他の添加剤とを合計した活性水素基が、イソシアネート基に対して1.0〜1.1当量となるように含有させることが好ましい。1.0未満では未反応のイソシアネート基が残存し、また、1.1を超えるとブロック剤等が過剰となるため好ましくない。
ブロック剤の解離温度としては、80〜200℃であることが好ましく、80〜160℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがより好ましい。
(ポリオール)
本発明においては、イソシアネート化合物は、ポリオールを含有する、イソシアネート化合物のポリオール付加物となっていることが好ましい態様である。ポリオールを含有させることにより、ブロック化イソシアネート化合物の保存安定性を向上させることができる。また、加熱して画像を形成した際の画像強度が向上し、耐刷性が向上する。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコール、これらの多価アルコールあるいはポリアミンにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを、あるいは両者を付加重合して得られるポリエーテルポリオール類、ポリテトラメチレンエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、さらに上記多価アルコールとたとえばアジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸などの多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、アクリルポリオール類、ヒマシ油、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールにビニルモノマーをグラフトして得られるポリマーポリオール類、エポキシ変性ポリオール類などが挙げられる。これらの中では、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトールなど分子量50〜5000のポリオールを好ましく使用することができ、特に分子量50〜500程度の低分子量ポリオールをより好ましく使用できる。
ポリオールの好ましい含有量としては、ポリオール中の水酸基がイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して0.1〜0.9当量となるような範囲であり、この範囲において特にブロック化イソシアネート化合物の保存安定性が向上する。
(ブロック化方法)
イソシアネート化合物のブロック化方法としては、例えば、イソシアネート化合物を無水の条件下、不活性ガス雰囲気下で40〜120℃程度に加温し、攪拌しながらブロック剤を所定量滴下して混合し、攪拌を続けながら数時間かけて反応させるという方法が挙げられる。この際、何らかの溶媒を用いることもできる。また、公知の触媒、例えば、有機金属化合物、第3級アミン、金属塩等を用いることもできる。
有機金属触媒としては、たとえば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレートなどのスズ系触媒、2−エチルヘキサン酸鉛などの鉛系触媒などが、第3級アミンとしては、たとえばトリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロ(2,2,2)−オクタンなどが、金属塩触媒としては、たとえば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸鉛酸化リチウムなどが挙げられる。これらの触媒の使用量は、ポリイソシアネート組成物100質量部に対し、通常0.001〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
ブロック化イソシアネート化合物がポリオールを含有する態様の場合は、先にイソシアネート化合物とポリオールとを反応させた後に、残ったイソシアネート基とブロック剤とを反応させてもよく、また、先にイソシアネート化合物とブロック剤とを反応させた後に、残ったイソシアネート基とポリオールとを反応させてもよい。
(水分散物の製造)
上述のようにして得られたブロック化イソシアネート化合物は、例えば、界面活性剤と水とを加えて、ホモジナイザ等を用いて強力に混合攪拌することで水分散物とすることができる。
界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等のノニオン系界面活性剤、あるいはラウリルベタイン、ステアリルベタインの塩などのアルキルベタイン型の塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸型の両界面活性剤などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中ではノニオン界面活性剤が好ましい。
ブロック化イソシアネート化合物水分散物の固形分としては、10〜80質量%であることが好ましい。界面活性剤の添加量としては、水分散物の固形分中の0.01〜20質量%であることが好ましい。
イソシアネート化合物のブロック化反応等に有機溶媒を用いた場合には、水分散物としてから有機溶媒を除去することもできる。
本発明は熱溶融性微粒子や熱融着性微粒子を含有してもよい。熱溶融性微粒子や熱融着性微粒子は、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインキ着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10,000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、平版印刷版原版の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の質量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
又、熱融着性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱融着性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱融着性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱融着性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱融着性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
また、感熱画像形成層は層状粘土鉱物粒子を含有することができる。該層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が1μm未満であり、平均アスペクト比が50以上であることが好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲より大きくなると、塗膜に不均一性が生じて、局所的に強度が弱くなる場合がある。又、アスペクト比が上記範囲以下である場合、添加量に対する平板状の粒子数が少なくなり、増粘性が不十分となり、粒子物の沈降を抑制する効果が低減する。層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作製した後、塗布液に添加することが好ましい。
また、感熱画像形成層には後述の光熱変換素材を含有させてもよい。さらに感熱画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
感熱画像形成層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
本発明の感熱画像層に用いられる光熱変換素材としては下記のような素材を挙げることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。カーボンとしては特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。グラファイトとしては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
前者としては、黒色酸化鉄や二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。
後者としては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換素材のうち黒色酸化鉄や二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
黒色酸化鉄(Fe34)としては、平均粒子径0.01〜1μmであり、針状比(長軸径/短軸径)が1〜1.5の範囲の粒子であることが好ましく、実質的に球状(針状比1)であるか、もしくは、八面体形状(針状比約1.4)を有していることが好ましい。
このような黒色酸化鉄粒子としては、例えば、チタン工業社製のTAROXシリーズが挙げられる。球状粒子としては、BL−100(粒径0.2〜0.6μm)、BL−500(粒径0.3〜1.0μm)等を好ましく用いることができる。また、八面体形状粒子としては、ABL−203(粒径0.4〜0.5μm)、ABL−204(粒径0.3〜0.4μm)、ABL−205(粒径0.2〜0.3μm)、ABL−207(粒径0.2μm)等を好ましく用いることができる。
さらに、これらの粒子表面をSiO2等の無機物でコーティングした粒子も好ましく用いることができ、そのような粒子としては、SiO2でコーティングされた球状粒子:BL−200(粒径0.2〜0.3μm)、八面体形状粒子:ABL−207A(粒径0.2μm)が挙げられる。
黒色複合金属酸化物としては、具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの中で、本発明においては色素を用いることが好ましい。
本発明における感熱画像形成層塗布液は、pHが7以下であることが好ましい。含有する素材によってpHが7を超えるときは通常用いられる酸により、pHを7以下にすることができる。この条件により、塗布液を安定化させることが出来、アルミニウム基材に塗設したときにムラにならず、印刷品質を向上させることが出来る。
(保護層)
感熱画像形成層の上層として保護層を設けることもできる。保護層に用いる素材としては、前述の水溶性樹脂、水分散性樹脂を好ましく用いることができる。
また、特開2002−019318号や特開2002−086948号に記載されている親水性オーバーコート層も好ましく用いることができる。
保護層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
(機上現像方法および印刷方法)
本発明の平版印刷版原版の好ましい態様である、赤外線レーザーによる平版印刷版原版の感熱画像形成層は、赤外線レーザー露光部が親油性の画像部となり、未露光部が除去されて親水性の非画像部となる。未露光部の除去は、水洗によっても可能であるが、印刷機上で湿し水及び/又はインキを用いて除去する、いわゆる機上現像することが好ましい。
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
試料101の作製
(アルミニウム基材B−1)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は12回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を40C/dm2とし、合計で480C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に5秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が1.2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗した。その後、親水性処理条件として、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩の0.1%水溶液に90℃、30秒間浸漬した。
(1)下引き層の形成
上記支持体上に、下記組成の下引き層塗布液(1)を液量7.5ml/m2となるバーを用いて塗布した後、80℃、10秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量10mg/m2の下塗り層を形成した。尚、下引き層形成時の空気清浄度はM5.15であった。
(下引き層塗布液)
下記の化合物A 0.72g
メタノール 135g
水 15g
Figure 2008049519
(感熱画像形成層の作製)
(塗布液P)
ブロック化ポリイソシアネート化合物:
WB−700(三井武田ケミカル社製、NV=44質量%) 20.2質量部
ポリアクリル酸:HL−415(日本触媒社製、NV=20質量%) 2.5質量部
光熱変換色素:
ADS830AT(American Dye Source社製)のエタノール溶液、1質量% 60.0質量部
純水 17.3質量部
上記の感熱画像形成層をワイヤーバーを用いて、下引き層の上に塗布を行い、乾燥し、その後エイジング処理を行い、印刷版試料101を得た。
感熱画像形成層:乾燥付き量1.50g/m2、乾燥条件55℃/3分
エイジング条件:40℃/24時間
下引き層形成時の空気清浄度を表1の記載の様に変化させる以外は試料101と全く同様にして試料102〜106を得た。
得られた各平版印刷版原版試料101〜106の耐刷性を以下のように評価した。
(赤外線レーザー露光による画像形成)
平版印刷版原版を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径が約20μmのレーザービームを用い、露光エネルギーを300mJ/cm2として、2400dpi((ドット・パー・インチ、1インチは25.4mmとする))、175線で画像を形成した。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。
(印刷方法)
印刷機として、三菱重工業(株)製DAIYA1F−1を用いて、コート紙に、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インキ(東洋インキ社製TKハイユニティ紅)を使用して印刷を行った。平版印刷版原版は露光後そのままの状態で版胴に取り付け、PS版と同じ刷り出しシークエンスを用いて印刷した。
耐刷性
3%網点画像が欠け始めた時点の印刷枚数を耐刷性の指標とした。100,000枚以上耐刷性のあるものが合格とした。以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2008049519
表1の結果から明らかなように、本発明の印刷版試料の101、102、104、105は100,000枚以上の耐刷性を有し、良好な耐刷性能を有することが判る。

Claims (2)

  1. 親水化処理された基材上に下引き層と感熱画像形成層を有する平版印刷版原版であって、該下引き層が、供給される空気を0.1〜0.3μmの粒子を99%以上捕集する能力を有するフィルターを通した環境下で形成されることを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 請求項1に記載の平版印刷版原版を、光源波長が700nm〜1100nmのレーザー光により画像露光し、その後、現像処理等の湿式処理を施さないことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
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