以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄の変動表示を開始してから所定の変動時間が経過したときに図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
始動入賞口14の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:例えば「−」以外の「0」〜「9」の図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、ソレノイド21aによって開状態とされる第1特別可変入賞球装置20aと、ソレノイド21bによって開状態とされる第2特別可変入賞球装置20bとが設けられている。この実施の形態では、後述するように、大当り図柄として確変図柄が導出表示された場合には第1特別可変入賞球装置20aによって構成される第1大入賞口が開状態とされ、非確変図柄が導出表示された場合には第2特別可変入賞球装置20bによって構成される第2大入賞口が開状態とされる。なお、この実施の形態では、入賞領域は、第1大入賞口(第1の入賞領域)、第2大入賞口(第2の入賞領域)および始動入賞口14によって実現される。
なお、以下、第1大入賞口または第2大入賞口のいずれか、または包括的に表現する場合に、単に「大入賞口」とも表現する。また、第1特別可変入賞球装置20aまたは第2特別可変入賞球装置20bのいずれか、または包括的に表現する場合に、単に「特別可変入賞球装置」とも表現する。
また、この実施の形態では、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に異なる図柄を表示させる。例えば、確変大当りのときには特別図柄表示器8に「6」〜「9」の図柄を表示させるようにし、通常大当りのときには特別図柄表示器8に「0」〜「5」の図柄を表示させる。なお、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に同じ図柄を表示させるようにしてもよい。例えば、確変大当りまたは通常大当りのいずれの場合であっても、特別図柄表示器8に「0」〜「9」の図柄を表示させるようにしてもよい。第1特別可変入賞球装置20aは、開閉板を備え、第1大入賞口を形成する。第1大入賞口に入った遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第2特別可変入賞球装置20bは、開閉板を備え、第2大入賞口を形成する。第2大入賞口に入った遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。
また、特別図柄の表示結果としていわゆる突然確変大当り図柄や小当り図柄も導出表示する場合には、突然確変大当りのときと小当りのときとで特別図柄表示器8に同じ図柄(例えば、「8」「9」)を表示させるようにしてもよく、異なる図柄を表示させるようにしてもよい。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が進入しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、遊技状態が大当り遊技状態以外の通常状態のときと比較して遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する。特定遊技状態(大当り遊技状態)では、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置が開放される。なお、特別可変入賞球装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。なお、この実施の形態では、例えば、15ラウンドの大当りの場合には大当り遊技状態を15ラウンド継続させる。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(例えば「−」以外の「0」〜「9」の図柄)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態(例えば「222」や「777」など)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
可変表示装置9において左中右の奇数の飾り図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)が揃った状態(例えば「777」)で停止表示されたときは、大当り遊技状態に移行するとともに、大当り遊技状態の終了後に、大当りの判定を行う際に通常遊技状態よりも高い確率(割合)で大当りと判定する確変状態(確率変動状態のことをいい、高確率状態ともいう)に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。この実施の形態では、所定の移行条件が成立したときに遊技状態が確変状態に移行される。具体的には、内部的に確変とすることが決定され、上記のように飾り図柄の変動表示の終了時に停止図柄として確変図柄を停止表示したとき(左中右の奇数の図柄が揃った状態で停止表示したとき)、所定の移行条件が成立したとして確変状態に移行される。なお、遊技状態を突然確変大当り状態にも制御する場合には、突然確変大当り図柄を停止表示したとき(例えば、飾り図柄が「123」または「357」で停止表示したとき)にも、確変状態に移行されるようにしてもよい。
このように、「0」〜「9」の飾り図柄のうち、確変状態を生起させる奇数の飾り図柄のことを確変図柄といい、確変状態を生起させない偶数の飾り図柄のことを非確変図柄という。また、可変表示装置9において左中右の奇数の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の確変図柄(特別表示結果)が表示されるというように表現する。
この実施の形態では、確変大当りにすることが事前決定されているときに、高確率状態に移行するとともに、高ベース状態(時短状態)に移行するように制御する。その場合、高確率フラグとは別に高ベースフラグをセットし、高ベースフラグに基づいて変動時間を短縮させればよい。また、突然確変大当り状態にも制御される場合に突然確変大当りにすることが事前決定されているときには、高確率状態に移行するだけで高ベース状態には移行しないように制御するようにしてもよい。さらに、突然確変大当り以外の確変大当りにすることが事前決定されているときに、高確率状態に移行するだけで高ベース状態には移行しないように制御するようにしてもよい。なお、遊技状態を確変状態に移行する場合には、単に特別図柄や飾り図柄が大当り図柄となる確率を高めた高確率状態に移行するだけで、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態を変化させず、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態の変化は、高ベース状態(高ベースフラグがセットされた状態)に制御されていることにもとづいて実行するようにすればよい。
例えば、確変大当りである場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示装置8や可変表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。特別図柄時短状態では、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり(高ベース状態に移行し)大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、遊技機に搭載されている払出制御基板37、インタフェース基板66、中継基板77および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23aおよび第2カウントスイッチ23bからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1特別可変入賞球装置20aを開閉するソレノイド21a、および第2特別可変入賞球装置20bを開閉するソレノイド21bを基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ23b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ23bの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、第1大入賞口に入賞した遊技球が第1カウントスイッチ23aで検出される。よって、第1大入賞口に入賞した遊技球数は、第1カウントスイッチ23aによる検出数に相当する。また、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2カウントスイッチ23bで検出される。よって、第2大入賞口に入賞した遊技球数は、第2カウントスイッチ23bによる検出数に相当する。
基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む。なお、この実施の形態では、CPU56とは、基本回路53のうち、プログラムに従って動作する中央処理装置(ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを除いた部分)を指し、後述するメイン処理や割込処理(タイマ割込処理)を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは、基本回路53のうち、CPU56に加えて、ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを含む部分を指し、各基板(払出制御基板37や演出制御基板80)が搭載するマイクロコンピュータと各種データの送受信を行う。
この実施の形態では、ROM54、ワークメモリとしての記憶手段であるRAM55およびI/Oポート部57は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、基本回路53の入力ポートには、払出制御基板37を経由して、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、基本回路53の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御や、スピーカ(音出力装置)27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御等を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
図3は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態では、1つの制御基板(演出制御基板80)を用いて、可変表示装置9の表示制御や、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う場合を説明するが、複数の制御基板を用いて行ってもよい。例えば、演出制御に関して演出制御基板80に加えて、各ランプを制御するランプドライバ基板や、音出力装置を制御する音出力基板を設けてもよい。なお、この場合、演出制御手段は、演出制御用マイクロコンピュータ100に加えて、ランプドライバ基板および音出力基板に搭載される制御用マイクロコンピュータや制御回路によって実現される。また、この実施の形態では、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ352および音声合成用IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4および図5は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、電源断信号がオフ状態である場合に、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、後述する電源断処理(ステップS20参照)において、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理(電力供給停止時処理)が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って停電復旧中であることを報知することを指定する停電復旧指定コマンドをサブ基板(演出制御基板)に送信する処理を実行する(ステップS94)。そして、ステップS95に移行する。
なお、この実施の形態では、遊技状態復旧処理において、バックアップデータの設定処理を実行してから停電復旧指定コマンドを送信する場合を示したが、停電復旧指定コマンドを送信してからバックアップデータの設定処理を行うようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS9でパリティチェックのチェック結果が正常であれば、まずステップS93,S94の処理を実行してもよい。そして、ステップS94で停電復旧指定コマンドを送信してからステップS91,S92の処理を実行してステップS95に移行するようにしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
なお、この実施の形態では、初期化処理を実行してから初期化コマンドを送信する場合を示したが、初期化コマンドを送信してから初期化処理を行うようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS10でRAMクリア処理を行うと、まずステップS13,S14の処理を実行してもよい。そして、ステップS14で初期化コマンドを送信してからステップS11,S12の処理を実行してステップS95に移行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理を実行する(ステップS95)。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する主基板エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、表示図柄乱数更新処理(ステップS17)および初期値決定用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。
なお、表示図柄乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示図柄乱数として、例えば、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数が用いられる。また、表示図柄乱数更新処理とは、表示図柄乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、初期値決定用乱数更新処理とは、初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値決定用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS25,S26でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示図柄乱数や初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、遊技制御処理について説明する。図6は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23aおよび第2カウントスイッチ23b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートのオン/オフ状態にもとづいて、スイッチオンバッファがセットされる。
次いで、CPU56は、特別図柄表示器8や、普通図柄表示器10、状態表示灯などの各種表示器へのDG信号の出力やクリアを行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。次いで、CPU56は、第1大入賞口または第2大入賞口への異常入賞を検出したことを報知する異常入賞報知処理を実行する(ステップS23)。具体的には、後述する特別図柄プロセス処理において第1大入賞口または第2大入賞口を開放する前である(具体的には、後述するステップS300〜S303の処理の段階である)にもかかわらず、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bのオンを検出した場合に、第1大入賞口または第2大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。また、大当り中に第1大入賞口を開閉する期間(第2大入賞口の開閉は行われない期間)であるにもかかわらず第2カウントスイッチ23bのオンを検出した場合に、第2大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。また、大当り中に第2大入賞口を開閉する期間(第1大入賞口の開閉は行われない期間)であるにもかかわらず第1カウントスイッチ23aのオンを検出した場合に、第1大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(乱数更新処理:ステップS24)。また、CPU56は、初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値決定用乱数更新処理:ステップS25)。さらに、CPU56は、表示図柄乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示図柄乱数更新処理:ステップS26)。
乱数更新処理、初期値決定用乱数更新処理および表示図柄乱数更新処理を行うと、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS29)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。なお、後述するように、特別図柄プロセス処理において、特別図柄プロセスフラグは「0」〜「7」の値をとりうる。また、それらの値のうち特別図柄プロセスフラグの値が「4」〜「7」である場合に、大入賞口の開放制御を行う処理が実行される。そのため、情報出力処理において外部情報を出力するときに、大入賞口の開放制御に関する情報であるか否かを容易に判定して出力することができる。例えば、CPU56は、現在の特別図柄プロセスフラグの値が「4」以上であるか否かを確認し、「4」以上であれば、大入賞口の開放制御に関する情報であると判定して外部情報を出力する。なお、遊技状態を小当り状態にも制御する場合には、例えば、特別図柄プロセス処理において、特別図柄プロセスフラグは「0」〜「10」の値をとりうる。この場合、それらの値のうち特別図柄プロセスフラグの値が「8」〜「10」である場合に、小当りに関する処理が実行される。そのため、情報出力処理において外部情報を出力するときに、小当りに関する情報であるか否かを容易に判定して小当り情報として出力することができる。例えば、CPU56は、現在の特別図柄プロセスフラグの値が「8」以上であるか否かを確認し、「8」以上であれば、小当りに関する情報であると判定し小当り情報として出力する。
なお、「大入賞口の開放制御」とは、大当り中に、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを開状態にして第1大入賞口を開放したり、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを開状態にして第2大入賞口を開放したりすることである。また、この実施の形態では、「大入賞口の開放制御」には、大当り中のインターバル時間やエンディング演出の実行時間(後述するステップS304,S306,S308参照)において、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを閉状態にして第1大入賞口を閉鎖したり、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを閉状態にして第2大入賞口を閉鎖したりする制御も含まれる。この実施の形態では、大当り中において所定のラウンド時間(例えば29.5秒)継続して大入賞口を開放した後に所定のインターバル時間(例えば5秒)継続して大入賞口を閉鎖する動作を繰り返し行い、最後にエンディング演出の実行時間継続して大入賞口を閉鎖するように開放制御を行う場合を説明する。なお、このような開放制御の仕方に限られず、例えば、所定のラウンド時間の間に大入賞口を開放したり閉鎖したりを繰り返す間欠開放を行うように開放制御してもよい。
また、CPU56は、大入賞口スイッチ(第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ23b)等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ23b等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数コマンド等の払出指令コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:ソレノイド出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS34)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。
さらに、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS37)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)である場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯1の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。また、遊技状態が高ベース状態(例えば、時短状態)である場合には、高ベース状態であることを示す状態表示灯2の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。
この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことにもとづいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。なお、この実施の形態において、ステップS21〜S37の処理(ステップS30およびS32を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
その後、CPU56は、割込許可状態に設定し(ステップS38)、処理を終了する。
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図7は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(例えば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力した入力ポートの内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、各スイッチ14a,23a,23b,32aの検出信号を主基板31の入力ポート0を介して入力する。
図8は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0に入力されているデータを入力し(ステップS101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS102)。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS104,S105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0のデータを入力し(ステップS106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS108)。ステップS103〜S108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS111)、ステップS108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
次に、タイマ割込処理における異常入賞報知処理(ステップS23)を説明する。図9は、遊技制御処理におけるステップS23の異常入賞報知処理の処理例を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、後述する特別図柄プロセス処理において用いる特別図柄プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS121)。
特別図柄プロセスフラグは、遊技制御処理の進行状態を示すフラグである。特別図柄プロセスフラグは、後述する特別図柄プロセス処理の進行状態に応じて(具体的には、特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S307のいずれの処理の実行段階であるかに応じて)、その値が更新される。この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態に移行されている場合(具体的には、後述する大入賞口開放前処理(ステップS304)〜大当り終了処理(ステップS307)の実行段階である場合)には、特別図柄プロセスフラグには「4」〜「7」の値がセットされる。また、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていない場合(具体的には、後述する特別図柄通常処理(ステップS300)〜特別図柄停止処理(ステップS303)の実行段階にある場合)には、特別図柄プロセスフラグには「0」〜「3」の値がセットされる。
そして、この実施の形態では、ステップS121において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否かを確認することによって、遊技状態が大当り遊技状態であるか否か(具体的には、第1大入賞口または第2大入賞口の開閉期間であるか否か)を確認する。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていると判定する。また、特別図柄プロセスフラグの値が4より小さければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていないと判定する。
特別図柄プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でなければ(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でなければ)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS122)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチ処理(ステップS21参照)でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第1カウントスイッチ23aに対応するビットまたは第2カウントスイッチ23bに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。少なくともいずれかのビットが「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定し、いずれのビットも「0」であればオフ状態であると判定する。
そして、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを報知することを指定する異常入賞報知コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS123)。すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でない(第1大入賞口または第2大入賞口の開閉期間でない)にもかかわらず、第1大入賞口または第2大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを送信する。
特別図柄プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS124)。この実施の形態では、後述するように、特別図柄プロセス処理において、大当りにすると決定されると、大入賞口の開放パターンが決定される。例えば、事前に、または大当り遊技の進行段階に応じて(例えばラウンド毎に)、第1大入賞口を開放するか第2大入賞口を開放するかが決定される。第1大入賞口を開放すると決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技において第1大入賞口を開放することを示す第1開放フラグをセットする。また、第2大入賞口を開放すると決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技において第2大入賞口を開放することを示す第2開放フラグをセットする。
「大入賞口の開放パターン」とは、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかや、第1大入賞口と第2大入賞口とをどのような順番で開放するかを示すパターンである。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの種類(例えば、確変大当りや通常大当り、ラウンド数、賞球数、入賞カウント数または開放時間の異なる大当り)に応じて、第1大入賞口または第2大入賞口のいずれか一方を大当り中に開放する大入賞口として決定することによって、大入賞口の開放パターンを決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、あらかじめ記憶する大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)にもとづいて、大当り中に第1大入賞口と第2大入賞口とをどのような順番で開放するかを決定することによって、大入賞口の開放パターンを決定する。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放パターン設定用テーブルにもとづいて、大当り中に第1ラウンドから第5ラウンドまでは第1大入賞口を開放すると決定し、第6ラウンドから第15ラウンドまでは第2大入賞口を開放すると決定する。
第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS125)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチ処理(ステップS21参照)でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第2カウントスイッチ23bに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定し、「0」であればオフ状態であると判定する。
そして、第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(この場合、第2大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを指定する異常入賞報知コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS126)。すなわち、第1大入賞口を開放する期間であるにもかかわらず、第2大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを送信する。
第1開放フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS127)。第2開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオン状態であるか否かを判定する(ステップS128)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチ処理(ステップS21参照)でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第1カウントスイッチ23aに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオン状態であると判定し、「0」であればオフ状態であると判定する。
そして、第1カウントスイッチ23aがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(この場合、第1大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを指定する異常入賞報知コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS129)。すなわち、第2大入賞口を開放する期間であるにもかかわらず、第1大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを送信する。
なお、この実施の形態では、後述するように、確変大当りと決定した場合には第1大入賞口を開放するように事前決定し、通常大当りと決定した場合には第2大入賞口を開放するように事前決定する。したがって、ステップS124において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りと決定したことを示す確変大当りフラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、ステップS125に移行して、第2カウントスイッチ23bがオン状態であるか否かを確認するようにしてもよい。また、確変大当りフラグがセットされていなければ、ステップS128に移行して、第1カウントスイッチ23aがオン状態であるか否かを確認するようにしてもよい。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理において、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理(ステップS322)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。なお、ステップS321では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、具体的には、スイッチ処理のステップS111でセットしたスイッチオンバッファのうち、始動口スイッチ14aに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。また、始動口スイッチ通過処理では、始動入賞をカウントするための始動入賞記憶カウンタの値を更新して(具体的には1加算して)保留記憶数を更新するとともに、更新後の保留記憶数にもとづいて演出記憶情報指定コマンドを送信する処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は始動入賞記憶カウンタのカウント値により確認できる。また、始動入賞記憶カウンタのカウント値が0でなければ、遊技状態が確変状態であるか否か確認し、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示図柄乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信するために、変動パターンコマンドを変動パターンバッファにセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に移行するように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に応じた値(この例では0)に移行するように更新する。
この実施の形態では、大入賞口は、遊技者にとって有利な第1状態(開状態)と遊技者にとって不利な第2状態(閉状態)とのいずれかの状態に変化する。この実施の形態では、大当り遊技状態(確変大当り状態、通常大当り状態)に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を所定期間(例えば、29.5秒)第1状態に変化させることを所定回数(例えば15ラウンド)行うことにより終了するように制御する。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態として確変大当り状態または通常大当り状態に移行する場合を説明するが、いわゆる突然確変大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行う大当り)にも移行されるようにしてもよい。突然確変大当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を上記の所定期間よりも短い期間(例えば0.1秒)および上記の所定回数よりも少ない回数(例えば2回)の少なくともいずれかで第1状態に変化させることにより終了し、突然確変大当り遊技状態終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態よりも向上しかつ始動領域への遊技媒体の進入しやすさが通常状態と同一である第1高確率状態に制御する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り遊技状態終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が第1高確率状態と同一でありかつ第1高確率状態より始動領域への遊技媒体が進入しやすく設定された第2高確率状態に制御するようにしてもよい。なお、始動領域への遊技媒体が進入しやすく設定された状態とは、具体的には、始動入賞口14が開状態となる頻度が高められ遊技球が入賞しやすさが通常状態よりも向上した状態(高ベース状態)のことである。例えば、遊技状態を高確率状態に移行するとともに時短状態に移行することによって第2高確率状態に制御される。また、この実施の形態では、通常の確変大当り(突然確変大当り以外の15ラウンドの確変大当り)の大当り遊技状態終了後には、大当り遊技状態終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が第1高確率状態と同一でありかつ第1高確率状態より始動領域に遊技媒体が進入しやすく設定された第2高確率状態に制御される。
さらに、いわゆる小当り(発生前と発生後とで遊技状態の変化を生じさせず、大入賞口を短時間だけ開放させるとともに特別な演出を行う当り)にも移行されるようにしてもよい。小当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を上記の所定期間よりも短い期間(例えば0.1秒)および上記の所定回数よりも少ない回数(例えば2回)の少なくともいずれかで第1状態に変化させることにより終了し、小当り遊技状態終了後の遊技状態として小当り遊技状態開始直前の遊技状態が継続されるように制御する。なお、小当り遊技状態に移行した場合に、毎ラウンド大入賞口を開放するのでなく間欠的に大入賞口を開放するように制御してもよい。また、小当り遊技状態において、大入賞口を突然確変大当り遊技状態と同一期間(または、突然確変大当り遊技状態と同一期間かつ突然確変大当り遊技状態と同一の回数)で第1状態に変化させるように制御してもよい。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、第1大入賞口または第2大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御を行ったり、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを開状態にして第1大入賞口を開放する。または、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを開状態にして第2大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1308で特別図柄プロセスフラグをステップS304に応じた値に移行することによって、特定遊技状態移行手段を実現している。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口または第2大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、第1大入賞口の閉成条件が成立したときには、第1大入賞口を閉成する制御を行う。また、第2大入賞口の閉成条件が成立したときには、第2大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを閉状態にして第1大入賞口を閉成する。また、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを閉状態にして第2大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図11は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図12に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図12に示された極性と逆極性であってもよい。
図13は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド8000(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。
以下、はずれ指定コマンド、通常大当り指定コマンドおよび確変大当り指定コマンドを、表示結果コマンドということがある。
なお、大当りと決定したときに飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を一旦停止表示した後にいわゆる再抽選演出を実行するように制御する場合には、再抽選演出の実行の有無を特定可能な表示結果コマンドを用いるようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、再抽選演出を実行すると決定した場合には、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りとすることを指定するとともに、再抽選演出の実行を指定する表示結果コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、メイン処理において初期化処理を行ったときに、初期化処理が行われたことを報知することを指定する演出制御コマンド(初期化コマンド)である。また、コマンド9200(H)は、メイン処理において停電復旧処理が行われたときに、停電復旧中であることを報知することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)であり、コマンド9501(H)は、確変大当り後に遊技状態が高確率状態であるときに送信される演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。以下、9500(H),9501(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、可変表示装置9に表示する背景の種類を選択する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。また、コマンド9F55(H)は、メイン処理における乱数回路確認処理において乱数回路の異常発生を検出した場合に、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する演出制御コマンド(主基板エラー指定コマンド)である。
コマンドAXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、A000(H)は、通常大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(通常大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドA2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
A300(H)は、通常大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(通常大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。A301(H)は、確変大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(確変大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、各ラウンド中の第1大入賞口または第2大入賞口への入賞球数(第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bの入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。
コマンドC0XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(演出記憶情報指定コマンド)である。そのうち、コマンドC000(H)は、保留記憶数が0であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報0指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、保留記憶数が1であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報1指定コマンド)である。コマンドC002(H)は、保留記憶数が2であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報2指定コマンド)である。コマンドC003(H)は、保留記憶数が3であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報3指定コマンド)である。コマンドC004(H)は、保留記憶数が4であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報4指定コマンド)である。
コマンドFF00(H)は、第1大入賞口または第2大入賞口への遊技球の異常入賞の発生を報知することを指定する演出制御コマンド(異常入賞報知コマンド)である。また、コマンドFF02(H)は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合(すなわち、満タンスイッチがオン状態になった場合)に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF01(H)は、下皿の満タン状態が解除された場合(すなわち、満タンスイッチがオフ状態になった場合)に、満タンエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図13に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。なお、図13に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。
図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図14において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄および飾り図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄および飾り図柄の変動パターンとして、はずれにするか否か、大当りにするか否か、リーチにするか否か、リーチにする場合のリーチ態様、確変大当りとするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、これらの演出態様の違いに限らず、変動パターンは、例えば、突然確変大当りにするか否か、小当りにするか否かなどに応じて複数種類用意されてもよい。また、この実施の形態では、リーチ演出は、飾り図柄の変動表示を行う可変表示装置9を用いて行う。
EXTデータが「00(H)」〜「03(H)」である変動パターンは、はずれ変動時に用いられる変動パターンである。また、EXTデータが「04(H)」〜「08(H)」である変動パターンは、大当り変動時(確変大当りおよび通常大当りの両方を含む)に用いられる変動パターンである。このうち、EXTデータが「07(H)」である変動パターンは、確変大当りと事前決定された場合の大当り変動時に用いられる変動パターンである。また、EXTデータが「08(H)」である変動パターンは、通常大当りと事前決定された場合の大当り変動時に用いられる変動パターンである。また、EXTデータが「04(H)」〜「06(H)」である変動パターンは、確変大当りと決定された場合の大当り変動時と通常大当りと事前決定された場合の大当り変動時とで兼用に用いられる変動パターンである。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「リーチA」は、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチB」は、「リーチA」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC」は、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)について説明する。図15および図16は、特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS1501)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS1502)。具体的には、始動入賞記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
ステップS1502で保留記憶数が0である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デモ表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1503)。デモ表示フラグとは、客待ちデモンストレーションの演出が実行されていることを示すフラグである。セットされていれば、そのまま特別図柄通常処理を終了する。セットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デモ表示フラグをセットし(ステップS1504)、デモ表示コマンド(9F00(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1505)。
ステップS1502で保留記憶数が0でなければ、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(各判定用乱数や表示図柄乱数)を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS1506)、各保存領域の内容をシフトし(ステップS1507)、かつ、保留記憶数の値を1減らす(始動入賞記憶カウンタの値を1減らす)。すなわち、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行する。
なお、ステップS1507において始動入賞記憶カウンタの値が更新(RAMに設けられた所定の作業領域の値が更新)されたことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄コマンド制御処理(ステップS29)において、演出記憶情報指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、更新後の保留記憶数が0である場合には演出記憶情報0指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が1である場合には演出記憶情報1指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が2である場合には演出記憶情報2指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が3である場合には演出記憶情報3指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りとするか否かを判定する大当り判定処理(ステップS1508〜S1511)を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS1508)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS1509)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの判定に用いる大当り判定用乱数として、ソフトウェア乱数を用いてもよく、乱数回路が出力するハードウェア乱数を用いてもよい。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS1510のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをセットする(ステップS1511)。大当りフラグは、大当りとすることを決定したことを示すフラグである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄や大当りの種類を設定する特別図柄情報設定処理(ステップS1512〜S1522)を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1512)。大当りフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄を決定するとともに大当りの種類を決定するための大当り図柄設定用テーブルをロードする(ステップS1513)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄および大当りの種類を決定するための大当り図柄用乱数を読み出す(ステップS1514)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄設定用テーブルと大当り図柄用乱数とにもとづいて、特別図柄の停止図柄および大当りの種類を決定する(ステップS1515)。
図17は、大当り図柄設定用テーブルの例を示す説明図である。図17に示すように、大当り図柄設定用テーブルは、大当り図柄用乱数の乱数値と、特別図柄の停止図柄と、大当りの種類とを対応付けて含む。ステップS1515では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄用乱数の乱数値に応じて、図17に示す設定内容に従って、特別図柄の停止図柄を「0」〜「9」のいずれかに決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄用乱数の乱数値に応じて、図17に示す設定内容に従って、通常大当り、確変大当りのいずれかの大当りの種類を決定する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した大当りの種類が確変大当りであれば(ステップS1516のY)、確変大当りとすることを決定したことを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS1517)とともに、第1開放フラグをセットする(ステップS1518)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの種類が確変大当りである場合には、大当り中に第1大入賞口を開放することに事前決定し、第1開放フラグをセットする。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1519)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した大当りの種類が確変大当りでなければ(ステップS1516のN)、第2開放フラグをセットする(ステップS1520)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの種類が通常大当りである場合には、大当り中に第2大入賞口を開放することに事前決定し、第2開放フラグをセットする。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1521)。
なお、確変大当りフラグをセットするのみで、ステップS1518,S1520において第1開放フラグや第2開放フラグをセットしないようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技中において確変大当りがセットされているか否かを判断することによって、第1大入賞口の開放期間であるか第2大入賞口の開放期間であるかを判断してもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされていれば第1大入賞口の開放期間であると判定し、セットされていなければ第2大入賞口の開放期間であると判定してもよい。
ステップS1512で大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1522)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、背景表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1523)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否かを確認し、高確率フラグおよび高ベースフラグが両方ともセットされていれば、高確率状態背景指定コマンド(図13に示すコマンド9501(H))を送信する。また、高確率フラグおよび高ベースフラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンド(図13に示すコマンド9500(H))を送信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)を示す値に更新する(ステップS1524)。
以上の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りとするか否かを決定するとともに、大当りの種類(本例では、確変大当りであるか通常大当りであるか)に応じて、大入賞口の開放パターン(本例では、大当り中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するか)を事前決定する。
なお、この実施の形態では、確変大当りであるか否かを判断して第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定する場合を説明したが、大当りの種類として他のものを用いて、大入賞口の開放パターンとして、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定するようにしてもよい。例えば、ラウンド数の異なる複数種類の大当り遊技状態(例えば、15ラウンドの大当りと10ラウンドの大当り)に制御される場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の総ラウンド数に応じて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。例えば、ステップS1515で15ラウンドの大当りにすると決定した場合には第1大入賞口を開放することに決定し、10ラウンドの大当りにすると決定した場合には第2大入賞口を開放することに決定してもよい。
また、例えば、遊技状態がいわゆる突然確変大当り状態にも制御される場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の大当りと決定したか突然確変大当りと決定したかに応じて、大入賞口の開放パターンとして、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。例えば、ステップS1515で通常の大当りにすると決定した場合には第1大入賞口を開放することに決定し、突然確変大当りにすると決定した場合には第2大入賞口を開放することに決定してもよい。
また、例えば、遊技状態がいわゆる小当り状態にも制御される場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定したか小当りと決定したかに応じて、大入賞口の開放パターンとして、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。例えば、ステップS1515で大当りにすると決定した場合には第1大入賞口を開放することに決定し、小当りにすると決定した場合には第2大入賞口を開放することに決定してもよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口を開放するか第2大入賞口を開放するかそのものを大当りの種類として決定するものであってもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの種類として、第1大入賞口を開放する大当りと第2大入賞口を開放する大当りとを含む大当り図柄設定用テーブルを備えていてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1515において、その大当り図柄設定用テーブルを用いて、大当りの種類として、第1大入賞口を開放する大当りまたは第2大入賞口を開放する大当りのいずれかを決定するようにしてもよい。
また、例えば、上記に示した各決定方法のいずれか複数または全てを組み合わせて用いて、大入賞口の開放パターンとして、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。例えば、確変大当りにすると決定した場合には第1大入賞口を開放することに決定し、通常大当りにすると決定した場合には第2大入賞口を開放することに決定し、突然確変大当りにすると決定した場合には第2大入賞口を開放することに決定し、小当りにすると決定した場合には第2大入賞口を開放することに決定してもよい。
また、第1大入賞口を開放するか第2大入賞口を開放するかそのものを大当りの種類として決定する場合に、大当りの種類としての確変大当りや通常大当り、突然確変大当りを決定する処理と、大当りの種類としての第1大入賞口を開放する大当りまたは第2大入賞口を開放する大当りを決定する処理とを別々の処理で決定するようにしてもよい。例えば、ステップS1515において、まず、大当りの種類として、確変大当り、通常大当りまたは突然確変大当りのいずれにするかを決定し、その後、さらに別処理として第1大入賞口を開放する大当りとするか、第2大入賞口を開放する大当りとするかを決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口の開放パターンとして大当り中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれか一方を開放するように決定する場合を示すが、1つの大当り中に第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放するように制御してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放パターンを決定するための大入賞口開放パターン設定用テーブルをあらかじめ備えていてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理において、あらかじめ記憶する大入賞口開放パターン設定用テーブルと、大入賞口の開放パターンを決定するための開放パターン用乱数とにもとづいて、大当り中の大入賞口の開放パターンを事前決定するようにしてもよい。
図18は、大入賞口開放パターン設定用テーブルの例を示す説明図である。図18に示すように、大入賞口開放パターン設定用テーブルは、開放パターン用乱数の乱数値と、大入賞口の開放パターンとを対応付けて含む。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放パターン用乱数の乱数値に応じて、図18に示す設定内容に従って、大入賞口の開放パターンとして、第1開放パターンまたは第2開放パターンのいずれかに決定する。例えば、第1開放パターンと事前決定した場合には、図18に示すように、大当り中に第1ラウンドから第5ラウンドまでは第1大入賞口が開放され、第6ラウンドから第15ラウンドまでは第2大入賞口が開放されることになる。また、第2開放パターンと事前決定した場合には、大当り中に第1ラウンドから第12ラウンドまでは第1大入賞口が開放され、第13ラウンドから第15ラウンドまでは第2大入賞口が開放されることになる。なお、大入賞口の開放パターンは、1つの大当り中に開放される大入賞口を複数回切り替えて開放するように設定されていてもよい。
なお、図18に示した大入賞口開放パターン設定用テーブルは一例であって、例えば、3以上の開放パターンを含む大入賞口開放パターン設定用テーブルを用いて、大入賞口の開放パターンを事前決定するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと事前決定した場合に、あらかじめ定めた1種類の開放パターンを大入賞口の開放パターンとして用いるようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、複数種類の開放パターンを複数回数切り替えて用いるようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1開放パターンを用いて大入賞口の開放制御を行った後に、第2開放パターンを切り替えて用いて大入賞口の開放制御を行い、さらに再び第1開放パターンを切り替えて用いて大入賞口の開放制御を行ってもよい。
また、この実施の形態では、大当り中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特別図柄通常処理において事前決定する場合を示すが、特別図柄通常処理では事前決定を行わずに、大当り遊技の進行段階に応じて(例えばラウンド毎に)、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、あらかじめラウンドと開閉対象の大入賞口とを対応付けた対応テーブルを備え、後述する大入賞口開放前処理および大入賞口開放中処理において、対応テーブルに従って第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開閉するかを決定してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、対応テーブルの設定内容に従って、第1ラウンド〜第5ラウンドでは第1大入賞口を開閉し、第6ラウンド〜第10ラウンドでは第2大入賞口を開閉し、第11ラウンド〜第15ラウンドでは再び第1大入賞口を開閉する制御を行ってもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の切り替え条件が成立したことにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのうち開閉する方の大入賞口を切り替えるように制御してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デフォルトで第1開放フラグをセットするようにし、大当り中の第1ラウンドでは、まず第1大入賞口を開放するように制御する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1ラウンド中の第1大入賞口への遊技球の入賞数をカウントし、入賞数が所定値(例えば10)に達すると、所定の切り替え条件が成立したと判定して、第2開放フラグをセットする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2ラウンドを開始する際に、第2開放フラグをセットしたことにもとづいて、第2大入賞口を開放するように制御する(すなわち、開放する方の大入賞口を切り替える)。一方、入賞数が所定数(例えば10)に達しなかった場合には、所定の切り替え条件が成立しなかったと判断して、第2ラウンドを開始する際に、そのまま第1大入賞口を開放するように制御する(すなわち、開放する方の大入賞口の切り替えを行わない)。
また、第1大入賞口が開放されるラウンドと第2大入賞口が開放されるラウンドとで、ラウンドを終了させる条件となる入賞個数(後述するステップS426の所定数:最大入賞カウント数)を異ならせてもよい。また、第1大入賞口への入賞(第1カウントスイッチ23aのオン)にもとづく賞球個数と第2大入賞口への入賞(第2カウントスイッチ23bのオン)にもとづく賞球個数とを異ならせてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS1515において、大当り図柄設定用テーブルおよび大当り図柄用乱数を用いて大当りの種類を一括して決定する場合を説明したが、複数の大当りの種類を決定する場合には、別々の乱数を用いて大当りの種類を別々に決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変決定用乱数を用いて確変とするか否かを決定するとともに、確変決定用乱数とは別に突然確変決定用乱数を用いて突然確変とするか否かを決定してもよい。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS203)。
大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図14に示した大当りのときに選択される変動パターン(「04(H)」〜「08(H)」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図14に示したはずれのときに選択される変動パターン(「00(H)」〜「03(H)」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS204)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが可変表示装置9にて実行される飾り図柄の変動パターンと決定される。なお、確変大当りとすることが決定されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータが「04(H)」〜「07(H)」のいずれかの変動パターンを用いることに決定する。また、通常大当りとすることが決定されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータが「04(H)」〜「06(H)」,「08(H)」のいずれかの変動パターンを用いることに決定する。
なお、大当り中(または大当り後のエンディング中)に再抽選演出を行う場合であって、確変大当りと事前決定して大当り中などに再抽選演出(確変昇格演出)を行うときには、飾り図柄の変動停止時に停止図柄として非確変図柄が停止表示される。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常大当りと事前決定した場合と同様に、EXTデータが「04(H)」〜「06(H)」,「08(H)」のいずれかの変動パターンを用いることに決定する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定値を演出図柄変動パターンバッファにセットする(ステップS205)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS206)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS205で変動パターン指定値を演出図柄変動パターンバッファにセットし、ステップS206でコマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタにセットしたことにもとづいて、後述する演出図柄コマンド制御処理において、まず、コマンド送信テーブルの先頭アドレスに対応する演出図柄変動パターンバッファにセットされた変動パターン指定値にもとづいて変動パターンコマンドを送信する。そして、演出図柄コマンド制御処理において、コマンド送信テーブルを指すアドレスを1ずつ加算していくことによって、図27に示すコマンド送信テーブルに従って、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドの順に2ms毎にコマンド送信を行うことになる。なお、この実施の形態では、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドを2ms毎に送信することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100がコマンドの受信に失敗する事態を発生しにくくしている。すなわち、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドを同じタイミングで送信してしまうのではなく、所定時間(本例では2ms)ずつずらして送信することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100が全てのコマンドの受信を失敗してしまう事態を防止している。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS207)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS208)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、そのまま特別図柄変動処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS353)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS1301)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1302)。
大当りフラグがセットされていれば(ステップS1302のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1303)。なお、突然確変大当り状態にも制御される場合には、通常の大当り(15ラウンドの大当り)のときと突然確変大当り(2ラウンドの大当り)のときとで異なる表示時間をセットするように構成されてもよいし、同じ表示時間をセットするように構成されていてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1304)。確変大当りフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当り開始指定コマンド(第2ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1305)。そして、ステップS1307に移行する。
確変大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常大当り開始指定コマンド(第1ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1306)。そして、ステップS1307に移行する。
ステップS1307では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグおよび高ベースフラグをリセットする(ステップS1307)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS1308)。
ステップS1302で大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS1309)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、その値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当り時または通常大当り時における大入賞口の開放時間(ラウンド時間)を設定するための大入賞口開放時設定テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS403)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(ラウンド時間)をセットする(ステップS404)。この場合、ステップS403でセットしたポインタが指す大入賞口開放時設定テーブルのアドレスのラウンド時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。
なお、あらかじめ複数の異なる大入賞口開放時設定テーブル(例えば、開放態様(例えば、継続開放とするか間欠開放とするか)や、最大入賞カウント数、ラウンド時間の設定値が異なるテーブル)を備え、設定されている開放フラグの種類によって、異なる大入賞口開放時設定テーブルを選択してもよい。例えば、開放態様の異なる大当りや、最大入賞カウント数の異なる大当り、大入賞口のラウンド時間が異なる大当りに制御する場合に、第1開放フラグがセットされているか否かに応じて、異なる大入賞口開放時設定テーブルを選択してもよい。そして、第1開放フラグがセットされている場合には、第1の大入賞口開放時設定テーブルを選択して、選択した第1の大入賞口開放時設定テーブルにもとづいて開放態様や最大入賞カウント数、ラウンド時間を設定してもよい。また、第1開放フラグがセットされていない場合には、第2の大入賞口開放時設定テーブルを選択して、選択した第2の大入賞口開放時設定テーブルにもとづいて、第1大入賞口開放時設定テーブルを用いる場合とは異なる開放態様や最大入賞カウント数、ラウンド時間を設定してもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS405)。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値に1加算した値をXXとしてセットして、大入賞口開放中表示コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS406)。第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口(開閉板)を開放する制御を行う(ステップS407)。第1開放フラグがセットされていなければ(この場合、第2開放フラグがセットされていることになる)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口(開閉板)を開放する制御を行う(ステップS408)。
なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS407およびステップS408において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS33のソレノイド出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートから出力回路59に出力される。出力回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
なお、第1開放フラグや第2開放フラグをセットしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS406において、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていれば、ステップS407に移行して第1大入賞口を開放する制御を行い、セットされていなければ、ステップS408に移行して第2大入賞口を開放する制御を行ってもよい。
また、大入賞口の開放パターンとして第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特別図柄通常処理において事前決定するのではなく、大当り遊技の進行段階に応じて決定する場合には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマにラウンド時間をセットすると(ステップS404参照)と、まず、ラウンド数カウンタの値を1加算(後述するステップS409参照)してもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、加算後のラウンド数カウンタの値とあらかじめ備える対応テーブルの設定内容とにもとづいて、ラウンド毎に、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。なお、この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理において、第1大入賞口を開放することを決定した場合には第1開放フラグをセットする。また、第2大入賞口を開放することを決定した場合には第2開放フラグをセットする。
また、例えば、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、加算後のラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定してもよい。なお、この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理において、第1大入賞口を開放することを特定した場合には第1開放フラグをセットする。また、第2大入賞口を開放することを特定した場合には第2開放フラグをセットする。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS409)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する(ステップS410)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS421)。第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオンしたか否かを確認することにより、第1大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS422)。第1カウントスイッチ23aがオンしていれば(ステップS422のY)、ステップS424に移行する。第1カウントスイッチ23aがオンしていなければ(ステップS422のN)、ステップS427に移行する。
第1開放フラグがセットされていなければ(この場合、第2開放フラグがセットされていることになる)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオンしたか否かを確認することにより、第2大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS423)。第2カウントスイッチ23bがオンしていれば(ステップS423のY)、ステップS424に移行する。第2カウントスイッチ23bがオンしていなければ(ステップS423のN)、ステップS427に移行する。
なお、第1開放フラグや第2開放フラグをセットしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS421において、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認してもよい。そして、セットされていれば、ステップS422に移行して第1カウントスイッチ23aがオン状態であるか否かを確認し、セットされていなければ、ステップS423に移行して第2カウントスイッチ23bがオン状態であるか否かを確認してもよい。
ステップS424では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS424)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1加算後の入賞個数カウンタの値にもとづいて、カウント数指定コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS425)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、ステップS427に移行する。
ステップS427では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS428)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS428のN)、そのまま処理を終了する。
入賞個数カウンタの値が所定数に達している場合(ステップS426のY)または大入賞口制御タイマの値が0になっている場合(ステップS428のY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を開放した後の所定時間(開放後時間)を設定するための大入賞口開放後時設定テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS429)。なお、この実施の形態では、後述するように、開放後時間が大入賞口タイマにセットされて時間計測された後、大当り遊技の全ラウンドを終了していない場合には、さらに後述する大入賞口開放後処理において開放前時間が大入賞口タイマにセットされて時間計測される。したがって、この実施の形態では、開放後時間に開放前時間を加えた時間が、確変大当り時または通常大当り時におけるラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)となる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、所定の開放後時間をセットする(ステップS430)。この場合、ステップS429でセットしたポインタが指す大入賞口開放後時設定テーブルのアドレスの開放後時間(インターバル時間の一部)をセットする。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
なお、あらかじめ複数の異なる大入賞口開放後時設定テーブル(例えば、開放後時間の設定値が異なるテーブル)を備え、設定されている開放フラグの種類によって、異なる大入賞口開放後時設定テーブルを選択してもよい。例えば、大入賞口のインターバル時間が異なる大当りに制御する場合に、第1開放フラグがセットされているか否かに応じて、異なる大入賞口開放後時設定テーブルを選択してもよい。そして、第1開放フラグがセットされている場合には、第1の大入賞口開放後時設定テーブルを選択して、選択した第1の大入賞口開放後時設定テーブルにもとづいて開放後時間を設定してもよい。また、第1開放フラグがセットされていない場合には、第2の大入賞口開放後時設定テーブルを選択して、選択した第2の大入賞口開放後時設定テーブルにもとづいて、第1大入賞口開放後時設定テーブルを用いる場合とは異なる開放後時間を設定してもよい。なお、最大入賞カウント数を大入賞口の開放後に設定する場合には、最大入賞カウント数の設定値が異なる複数の大入賞口開放後時設定テーブルを用いて、第1開放フラグがセットされているか否かにもとづいて、異なる最大入賞カウント数をセットするようにしてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS431)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS432)。第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口(開閉板)を閉鎖する制御を行う(ステップS433)。第1開放フラグがセットされていなければ(この場合、第2開放フラグがセットされていることになる)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口(開閉板)を閉鎖する制御を行う(ステップS434)。
なお、第1開放フラグや第2開放フラグをセットしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS432において、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認してもよい。そして、セットされていれば、ステップS433に移行して第1大入賞口を閉成し、セットされていなければ、ステップS434に移行して第2大入賞口を閉成してもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS435)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS306(大入賞口開放後処理)に応じた値に更新する(ステップS436)。
なお、大入賞口の開放パターンとして第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特別図柄通常処理において事前決定するのではなく、大当り遊技の進行段階に応じて決定する場合には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS421において、ラウンド数カウンタの値とあらかじめ備える対応テーブルの設定内容とにもとづいて、ラウンド毎に、第1カウントスイッチ23aと第2カウントスイッチ23bとのいずれのオン状態を確認するかを判断してもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS432において、ラウンド数カウンタの値とあらかじめ備える対応テーブルの設定内容とにもとづいて、ラウンド毎に、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを閉成するかを判断してもよい。また、例えば、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容とにもとづいて、第1カウントスイッチ23aと第2カウントスイッチ23bとのいずれのオン状態を確認するかや、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを閉成するかを特定してもよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デフォルトで第1開放フラグをセットするようにし、ステップS426において、入賞個数カウンタの値が所定値(例えば10)であると判定すると、ステップS429に移行するとともに、所定の切り替え条件が成立したと判定して、第2開放フラグをセットするようにしてもよい。そして、次のラウンドを開始する際に、第2開放フラグをセットしたことにもとづいて、第2大入賞口を開放するように制御してもよい(すなわち、開放する方の大入賞口を切り替えてもよい)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS441)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS442)、その値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、ラウンド数カウンタの値が15に達しているか否かを確認する(ステップS443)。
ステップS443でラウンド数カウンタの値が15に達していない場合(ステップS443のN)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を開放する前の所定時間(開放前時間)を設定するための大入賞口開放前時設定テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS444)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、所定の開放前時間をセットする(ステップS445)。この場合、ステップS444でセットしたポインタが指す大入賞口開放前時設定テーブルのアドレスの開放前時間(インターバル時間の一部)をセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS304(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新し(ステップS446)、処理を終了する。
なお、あらかじめ複数の異なる大入賞口開放前時設定テーブル(例えば、開放後時間の設定値が異なるテーブル)を備え、設定されている開放フラグの種類によって、異なる大入賞口開放前時設定テーブルを選択してもよい。例えば、大入賞口のインターバル時間が異なる大当りに制御する場合に、第1開放フラグがセットされているか否かに応じて、異なる大入賞口開放前時設定テーブルを選択してもよい。そして、第1開放フラグがセットされている場合には、第1の大入賞口開放前時設定テーブルを選択して、選択した第1の大入賞口開放前時設定テーブルにもとづいて開放前時間を設定してもよい。また、第1開放フラグがセットされていない場合には、第2の大入賞口開放前時設定テーブルを選択して、選択した第2の大入賞口開放前時設定テーブルにもとづいて、第1大入賞口開放前時設定テーブルを用いる場合とは異なる開放前時間を設定してもよい。なお、最大入賞カウント数を大入賞口の開放前に設定する場合には、最大入賞カウント数の設定値が異なる複数の大入賞口開放前時設定テーブルを用いて、第1開放フラグがセットされているか否かにもとづいて、異なる最大入賞カウント数をセットするようにしてもよい。
ステップS443でラウンド数カウンタの値が15であるときは(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS447)。セットされていれば、確変大当り終了指定コマンド(第2エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS448)。セットされていなければ、通常大当り終了指定コマンド(第1エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS449)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了を遊技者に報知する演出(エンディング演出)の実行時間(大当り終了時間)をセットし(ステップS450)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS451)。
図25は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS461)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS462)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS462のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS462のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS463)。確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS463のY)、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率フラグをセットする(ステップS464)とともに高ベース状態であることを示す高ベースフラグをセットする(ステップS465)。すなわち、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されると、大当り遊技終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態よりも向上した状態である高確率状態に移行されるとともに、始動入賞口14への遊技球の入賞のしやすさが通常状態よりも向上した状態である高ベース状態に移行される。確変大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS466に移行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットする(ステップS466)。そして、確変大当りフラグや第1開放フラグ、第2開放フラグがセットされている場合は、その確変大当りフラグや第1開放フラグ、第2開放フラグをリセットする(ステップS467)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値に更新する(ステップS468)。
図26は、演出図柄コマンド制御処理の処理例を示すフローチャートである。演出図柄コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、送信対象の演出制御コマンドがあるか否かを確認する(ステップS331)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すコマンド送信テーブルのアドレスに演出制御コマンドがセットされているか否かを判定する。なければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、そのまま処理を終了する。送信対象の演出制御コマンドがあれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのコマンドデータをロードする(ステップS332)。
図27は、コマンド送信テーブルの例を示す説明図である。図27に示すように、コマンド送信テーブルには、変動パターンコマンドのMODEデータ、変動パターンコマンドのEXTデータ、表示結果コマンドのMODEデータ、表示結果コマンドのEXTデータ、演出記憶情報コマンドのMODEデータ、演出記憶情報コマンドのEXTデータ、および終了コードの順にセットされる。従って、この実施の形態では、図27に示すコマンド送信テーブルに従って演出図柄コマンド制御処理が実行されることによって、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドの順にコマンド送信がなされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたコマンドデータ1を送信するコマンド送信処理を実行する(ステップS333)。ここでは、まず、図27に示すコマンド送信テーブルに従って、変動パターンコマンドのMODEデータが送信されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する(ステップS334)。従って、2バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すコマンド送信テーブルのアドレスのコマンドデータ2の内容をロードする(ステップS335)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレス(送信信号指示手段としてのポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS336)。
また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS337)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS338)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS339)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータをロードする(ステップS340)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたコマンドデータ2を送信するコマンド送信処理を実行する(ステップS341)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS342)、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する(ステップS343)。
この実施の形態では、変動パターン設定処理において、ステップS205で変動パターン指定値が演出図柄変動パターンバッファにセットされ、ステップS206でコマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタにセットされる。そして、演出図柄コマンド制御処理で、コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタにセットされていることにもとづいて、まず、コマンド送信テーブルの先頭アドレスに対応する演出図柄変動パターンバッファにセットされた変動パターン指定値により変動パターンコマンドが送信される。また、この実施の形態では、特別図柄通常処理において、ステップS1519,S1521,S1522で演出指定値が演出図柄情報バッファにセットされる。そして、演出図柄コマンド制御処理で、変動パターンコマンドを送信したことによってコマンド送信テーブルを指すアドレスが1ずつ加算され(ステップS334,S343参照)、変動パターンコマンドを送信した次のタイマ割込で、コマンド送信テーブルのアドレスに対応する演出図柄情報バッファにセットされた演出指定値により表示結果コマンドが送信される。また、この実施の形態では、特別図柄通常処理において、特別図柄の変動開始が可能であると判定されたときに(ステップS1501参照)、始動入賞記憶カウンタの値が1減算される(ステップS1507参照)。そして、演出図柄コマンド制御処理で、表示結果コマンドを送信したことによってコマンド送信テーブルを指すアドレスが1ずつ加算され(ステップS334,S343参照)、表示結果コマンドを送信した次のタイマ割込で、コマンド送信テーブルのアドレスに対応する始動入賞記憶カウンタの値により演出記憶情報コマンドが送信される。以上の処理によって、図27に示すコマンド送信テーブルに従って、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドの順に送信される。なお、この場合、前述したように、それぞれ各コマンドを送信する際に、コマンドの1バイト分を送信する毎に、取込信号(演出制御INT信号)が送信されることになる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エラー報知処理を行う(ステップS705)。エラー報知処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560で初期化処理や停電復旧処理が行われた場合に、初期化報知や停電復旧中報知を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560で乱数回路の異常が検出された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31の乱数回路エラーを報知する制御を行う。また、大入賞口への遊技球の異常入賞を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27やランプ25,28a,28b,28cを用いて、異常入賞が発生したことを報知する制御を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合に、スピーカ27を用いて所定の報知音を出力することにより、満タンエラーが発生したことを報知する制御を行う。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して、可変表示装置9の表示制御、スピーカ27を用いた音制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を実行する。さらに、可変表示装置9に表示する左中右の飾り図柄のはずれ図柄を決定するためのはずれ図柄決定用乱数や、可変表示装置9に表示する飾り図柄の大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図29および図30は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、INT割込で実行されるコマンド受信処理において、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。なお、コマンド受信個数カウンタの値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信したときに1加算される。また、読出ポインタの値は、コマンド受信バッファから受信コマンドが読み出されたときに1加算される。したがって、両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
なお、INT割込で実行されるコマンド受信処理で受信した演出制御コマンドをコマンド受信バッファに格納する際に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したコマンドがプログラム上存在する演出制御コマンドであるか否かを確認するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドの1バイト目のMODEデータが「80」や「8C」、「A0」などプログラム上存在するものであるか否かを確認し(図13参照)、プログラム上存在しないMODEデータであれば、データ化けなどの原因によって演出制御コマンドを正しく受信できなかったと判断して、受信コマンドを破棄してもよい。また、プログラム上存在するMODEデータであっても、2バイト目のEXTデータがそのMODEデータに対してプログラム上存在するものであるか否かを確認し(図13参照)、プログラム上存在しないEXTデータであれば、データ化けなどの原因によって演出制御コマンドを正しく受信できなかったと判断して、受信コマンドを破棄してもよい。この場合、受信コマンドはコマンド受信バッファに格納されず、コマンド解析処理において、演出制御コマンドを受信していないものとして処理される。
受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8008(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、RAMに記憶する表示結果をクリアする(ステップS1614)。この実施の形態では、後述するように、ステップS1618において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した表示結果コマンドに示される表示結果をRAMに記憶している。そして、飾り図柄の変動表示を実行した後、次の変動パターンコマンドを受信したときに、ステップS1614でRAMに記憶する表示結果がクリアされる。
上記のようにすることによって、次の飾り図柄の変動表示を実行する際に、前回の変動表示の実行の際に記憶した表示結果を確実にクリアすることができる。そのため、変動パターンコマンドは受信したが、表示結果コマンドを受信できなかったときに、前回の可変表示の際に記憶した表示結果にもとづいて誤った表示結果(前回の可変表示に対応する表示結果)を導出表示してしまう事態を防止することができる。例えば、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したあとに表示結果コマンドの受信に失敗した場合には、前回の変動で記憶した表示結果が残っていると、前回記憶した表示結果にもとづいて誤った表示結果を導出表示してしまうおそれがある。この実施の形態では、変動パターンコマンドを受信したタイミングで前回記憶した表示結果をクリアするので、前回記憶した表示結果にもとづいて誤った表示結果を導出表示するような事態を防止することができる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドに示される変動パターンをセーブする(ステップS1615)。具体的には、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信したことを示す変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1616)。
受信した演出制御コマンドが、表示結果コマンド(コマンド:8C00(H)〜8C02(H))であれば(ステップS1617)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した表示結果コマンドに示される表示結果をセーブする(ステップS1618)。具体的には、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける表示結果データ格納領域に格納する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信したことを示す表示結果受信フラグをセットする(ステップS1619)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H),A001(H))であれば(ステップS1620)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1621)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1622)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:A300(H),A301(H))であれば(ステップS1623)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS1624)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS1625)。
また、受信した演出制御コマンドが、初期化コマンド(コマンド9000(H))であれば(ステップS1626)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が行われたことを報知することを示す初期化フラグをセットする(ステップS1627)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が行われたことを報知する初期化報知の実行時間を計測するための初期化報知期間計測タイマをセットする(ステップS1628)。
また、受信した演出制御コマンドが、停電復旧指定の演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド9200(H))であれば(ステップS1629)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧中であることを報知することを示す停電復旧フラグをセットする(ステップS1630)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧中であることを報知する停電復旧報知の実行時間を計測するための停電復旧報知期間計測タイマをセットする(ステップS1631)。
また、受信した演出制御コマンドが、主基板エラー指定の演出制御コマンド(主基板エラー指定コマンド9F55(H))であれば(ステップS1632)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31の乱数回路エラーであることを報知することを示す主基板エラーフラグをセットする(ステップS1633)。
また、受信した演出制御コマンドが、異常入賞報知コマンド(コマンドFF00(H))であれば(ステップS1634)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口への遊技球の異常入賞が発生したことを示す異常入賞フラグをセットする(ステップS1635)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したことを報知する異常入賞報知の実行時間を計測するための異常入賞報知期間計測タイマをセットする(ステップS1636)。
また、受信した演出制御コマンドが、満タンエラー解除指定の演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンドFF01(H))であれば(ステップS1637)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった(満タンエラー)ことを報知することを示す満タンエラー報知フラグをリセットする(ステップS1638)。
また、受信した演出制御コマンドが、満タンエラー報知指定の演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンドFF02(H))であれば(ステップS1639)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった(満タンエラー)ことを報知することを示す満タンエラー報知フラグをセットする(ステップS1640)。
ステップS1612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS1641)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドが客待ちデモ表示コマンドである場合には、客待ちデモ表示コマンドを受信したことを示す客待ちデモ表示受信フラグをセットする。
図31は、メイン処理におけるエラー報知処理(ステップS705)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、初期化フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1651)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知処理を実行する(ステップS1652)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを報知するための所定の初期化報知画面を可変表示装置9に表示する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いて所定の効果音(例えば、ビープ音)を出力するとともに、各ランプ25,28a,28b,28cを消灯させる(すなわち、遊技中にはいずれかのランプが点灯または点滅されて何らかの演出が行われているのであるが、全て消灯することによって初期化処理が行われたことを遊技者に認識させる)。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の初期図柄を含む初期化報知画面を可変表示装置9に表示する。また、例えば、「初期化を行いました」などの文字列を含む初期化報知画面を可変表示装置9に表示するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知期間計測タイマを1減算する(ステップS1653)とともに、初期化報知期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1654)。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化フラグをリセットし(ステップS1655)、処理を終了する。タイムアウトしていなければ、初期化フラグをリセットすることなく、そのまま処理を終了する。
以上の処理が実行されることによって、初期化処理が実行された場合には、初期化報知期間計測タイマがタイムアウトするまで、所定期間(例えば30秒)にわたって初期化報知画面が表示され、初期化処理が実行されたことが報知される。
初期化フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1656)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧中であることを報知する停電復旧報知処理を実行する(ステップS1657)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧中であることを報知するための停電復旧画面を可変表示装置9に表示する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を消音させるとともに、各ランプ25,28a,28b,28cを消灯させる(すなわち、遊技中には音声を出力したりいずれかのランプが点灯または点滅された何らかの演出が行われているのであるが、消音および消灯することによって停電復旧中であることを遊技者に認識させる。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「停電復旧中!!」などの文字列を含む停電復旧画面を可変表示装置9に表示する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧報知期間計測タイマを1減算する(ステップS1658)とともに、停電復旧報知期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1659)。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧フラグをリセットし(ステップS1660)、処理を終了する。タイムアウトしていなければ、停電復旧フラグをリセットすることなく、そのまま処理を終了する。
以上の処理が実行されることによって、停電復旧処理が実行される場合には、停電復旧報知期間計測タイマがタイムアウトするまで、所定期間(例えば30秒)にわたって停電復旧画面が表示され、停電復旧中であることが報知される。
停電復旧フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1661)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31の乱数回路エラーが発生したことを報知する主基板エラー報知処理を実行する(ステップS1662)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31の乱数回路エラーが発生したことを報知するための主基板エラー報知画面を可変表示装置9に表示する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いて所定の効果音(例えば、ビープ音)を出力するとともに、所定のランプ(例えば、ランプ25,28a,28b,28cのいずれか、またはこれらの組合せ)を点灯(または点滅)させる。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「主基板エラー発生!!」などの文字列を含む主基板エラー報知画面を可変表示装置9に表示する。
以上の処理が実行されることによって、主基板31の乱数回路エラーが検出された場合には、主基板エラー報知画面が表示され、主基板31の乱数回路エラーが発生したことが報知される。
主基板エラーフラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1663)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いて所定の効果音(ビープ音)を出力する制御を行うとともに、所定のランプ(例えば、ランプ25,28a,28b,28cのいずれか、またはこれらの組合せ)を点滅させる制御を行うことによって、大入賞口への異常入賞が検出されたことを報知する(ステップS1664)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知期間計測タイマを1減算する(ステップS1665)とともに、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1666)。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667)、処理を終了する。タイムアウトしていなければ、異常入賞フラグをリセットすることなく、そのまま処理を終了する。
以上の処理が実行されることによって、大入賞口への遊技球の異常入賞が検出された場合には、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトするまで、所定期間(例えば30秒)にわたって所定の効果音が出力されるともに所定のランプが点滅され、異常入賞が発生したことが報知される。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1668)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いて所定の報知音を出力する制御を行うことによって、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態(満タンエラー)であることを報知する(ステップS1669)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、所定の報知音としてスピーカ27からビープ音を出力するように制御する。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27から「下皿が満タンです」などの音声を出力するように制御してもよい。
以上の処理が実行されることによって、下皿(余剰球受皿4)の満タン状態が検出された場合には、所定の報知音が出力され、満タンエラーが発生したことが報知される。
また、この実施の形態では、エラー報知処理において、ステップS1663〜S1667の異常入賞報知の処理を実行する前に、初期化フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS1651参照)、セットされていれば、異常入賞報知に優先して初期化報知の処理を実行する(ステップS1652参照)。したがって、大入賞口への遊技球の異常入賞を検出した場合であっても、確実に初期化報知を行うことができる。
また、以上の処理が実行されることによって、優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合には、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行う。また、優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合には優先度の低いエラーの報知を中断して優先度の高いエラーの報知を行う。そして、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を残時間のみ行うことになる。
なお、複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにしてもよい。そして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい。例えば、初期化処理が行われるとともに異常入賞が検出された場合、異常入賞報知に優先して初期化報知が実行される(ステップS1652参照)ことになるのであるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1653において初期化報知期間計測タイマを1減算するとともに、異常入賞報知期間計測タイマも1減算する。そして、初期化報知期間タイマがタイムアウトしたときに異常入賞報知期間計測タイマがまだタイムアウトしていなければ、残った報知時間のみ異常入賞を報知を実行するようにしてもよい。また、優先度の低い方のエラーの報知処理を全く行わないようにしてもよい。
図32は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で可変表示装置9における飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンド(8000(H)〜8008(H)のいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS1616参照)。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。
図33は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図33に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図34は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS1801)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS1802)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドがはずれ指定(図14に示すEXTデータが「00(H)」〜「03(H)」の変動パターン)であるか否かを確認する(ステップS1803)。はずれ指定であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれ図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1804)、はずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1805)。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納するとともに、飾り図柄の停止図柄を決定したことを示す図柄決定済フラグをセットする(ステップS1806)。
受信した変動パターンコマンドがはずれ指定でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り指定(図14に示すEXTデータが「08(H)」の変動パターン)であるか否かを確認する(ステップS1807)。通常大当り指定であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットする(ステップS1808)。また、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1809)。この実施の形態では、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブル(確変時大当り図柄決定用テーブル)と、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブル(通常時大当り図柄決定用テーブル)とが予め用意されている。確変時大当り図柄決定用テーブルには各確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また、通常時大当り図柄決定用テーブルには各非確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られている。
受信した変動パターンコマンドが通常大当り指定でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り指定(図14に示すEXTデータが「07(H)」の変動パターン)であるか否かを確認する(ステップS1810)。確変大当り指定であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットする(ステップS1811)。また、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして確変時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1812)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り図柄決定用乱数の値と、選択した図柄決定用テーブルとにもとづいて、大当りに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1813)。この場合、確変時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の奇数図柄で揃うように)を決定する。また、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の偶数図柄で揃うように)を決定する。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納するとともに、図柄決定済フラグをセットする(ステップS1814)。
なお、確変大当りや通常大当りにおける飾り図柄の停止図柄を、後述する飾り図柄変動中処理において、表示結果コマンドを受信したことにもとづいて決定するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り指定の表示結果コマンドを受信したことにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(左中右の飾り図柄が奇数で揃った状態)を決定してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り指定の表示結果コマンドを受信したことにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(左中右の飾り図柄が偶数で揃った状態)を決定してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれ指定の表示結果コマンドを受信したことにもとづいて、飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄を決定してもよい。
ステップS1810で確変大当り指定でもなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS1815に移行する。すなわち、この場合、確変大当りと通常大当りとで兼用に用いられる変動パターン(図14に示すEXTデータが「04(H)」〜「06(H)」の変動パターン)を指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信した場合であるので、変動パターンコマンドだけでは、大当りの種類が確変大当りであるか通常大当りであるかを特定できない。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を決定することなく、そのままステップS1815に移行する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り図柄の停止図柄として所定の図柄の組合せ(例えば、非確変図柄)を仮に決定するようにしてもよい。そして、表示結果コマンドを受信したときに、表示結果コマンドの指定内容にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定しなおし、RAMにおける飾り図柄格納領域に上書きして格納するようにしてもよい。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値(この例では1)に変更する(ステップS1815)。
図35は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、高確率状態背景指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS821)。受信していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する飾り図柄の変動パターンに応じて、確変用のプロセスデータを選択する(ステップS822)。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出を実行する場合には、予告演出を含むプロセスデータを選択する。受信していなければ(すなわち、通常状態背景指定コマンドを受信した場合)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する飾り図柄の変動パターンに応じて、通常用のプロセスデータを選択する(ステップS823)。
この実施の形態では、飾り図柄の変動パターンに応じたプロセスデータとして、遊技状態が確変状態に移行されているときに用いる確変用のプロセスデータと、遊技状態が確変状態以外の状態(本例では通常状態)であるときに用いる通常用のプロセスデータとが用いられる。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変用のプロセスデータまたは通常用のプロセスデータを選択することによって、遊技状態が確変状態であるときと確変状態以外のときとで、異なる背景色(例えば、確変状態のときは「赤」、確変状態以外のときは「青」)を表示して飾り図柄の可変表示を実行する。なお、遊技状態を突然確変大当り状態や小当り状態にも制御する場合には、遊技状態が突然確変大当り後および小当り後にも通常用のプロセスデータを選択することによって、突然確変大当り後の第1高確率状態であることを認識されにくくするようにしてもよい。また、確変用のプロセスデータと通常用のプロセスデータとに加えて、突然確変大当り用のプロセスデータを用いるようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変状態背景指定コマンド(突然確変大当り後および小当り後に送信される背景指定コマンド)を受信した場合には、突然確変大当り用のプロセスデータを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセスデータ1におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS825)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS826)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示は開始されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS826において、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ352に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理の実行中である場合には、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理を優先して実行し、飾り図柄の可変表示を開始しないように制御する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS824参照)と、初期化フラグや停電復旧フラグ、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する。そして、セットされていれば、そのままステップS828に移行し、ステップS825〜S827の処理を実行しないように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS825において、異常入賞フラグとともに満タンエラー報知フラグがセットされているか否かも確認してもよい。そして、セットされていればステップS826に移行し、セットされていなければステップS827に移行するようにしてもよい。すなわち、満タンエラーの報知中である場合には、可変表示装置9を用いて飾り図柄の可変表示を開始しつつ満タンエラー報知を継続してもよい。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートするとともに、表示結果コマンドの受信時間を計測するための表示結果受信時間計測タイマをスタートする(ステップS828)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1615でセーブしたEXTデータから特定される変動時間を変動時間タイマにセットする。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、表示結果受信時間計測タイマがタイムアップするまでに表示結果コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信できなかった場合には、表示結果コマンドの受信に失敗したものと判断する。なお、ステップS828において、表示結果受信時間計測タイマには、例えば、飾り図柄の変動を開始してから高速変動になるまでの時間(例えば2秒)がセットされる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値(この例では2)に更新する(ステップS829)。
図36および図37は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄決定済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1830)。セットされていれば、ステップS1842に移行する。なお、変動パターンコマンドではずれ指定、確変大当り指定または通常大当り指定がされていた場合には、変動パターンコマンド受信待ち処理において既に飾り図柄の停止図柄が決定され図柄決定済フラグがセットされている(ステップS1806,S1814参照)ので、そのままステップS1842に移行する。変動パターンコマンドで確変大当り/通常大当りが指定されていた場合(すなわち、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信した場合)には、図柄決定済フラグがセットされていないので、ステップS1831に移行する。
図柄決定済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1831)。セットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信時間計測タイマの値を1減算する(ステップS1832)とともに、表示結果受信時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1833)。タイムアウトしていなければ、そのままステップS1842に移行する。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できなかったことを示す表示結果不受信フラグをセットし(ステップS1834)、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1839)。すなわち、変動パターンコマンドを受信した後、所定期間(例えば、飾り図柄の変動を開始してから高速変動に達するまでの時間)を経過しても表示結果コマンドを受信していない場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できなかったと判断する。
ステップS1831で表示結果受信フラグがセットされておらず表示結果受信時間計測タイマもタイムアップした場合とは、確変大当り/通常大当り指定の変動パターンコマンドを受信したものの表示結果コマンドを受信できなかった場合である。そのため、少なくとも確変大当りまたは通常大当りのいずれかであることが分かっている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択することによって、後述するステップS1840で飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定するように制御する。
表示結果受信フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドが通常大当り(非確変大当り)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド:8C01(H))であるか否かを確認する(ステップS1835)。通常大当り指定であれば、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS1836)、ステップS1839に移行する。
通常大当り指定でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドとして確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド:8C02(H))を受信した場合であるので、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1837)、ステップS1838に移行する。
ステップS1838では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして確変時大当り図柄決定用テーブルを選択する。また、ステップS1839では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り図柄決定用乱数の値と、選択した図柄決定用テーブルとにもとづいて、大当りに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1840)。この場合、確変時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の奇数図柄で揃うように)を決定する。また、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の偶数図柄で揃うように)を決定する。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納するとともに、図柄決定済フラグをセットする(ステップS1841)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS1842)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値(この例では3)に更新する(ステップS1851)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の変動時間が経過したことにもとづいて飾り図柄変動停止処理に移行し、飾り図柄の可変表示を停止して停止図柄を導出表示する。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、所定の変動時間が経過したと判断し、飾り図柄変動停止処理に移行する。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS1843)、変動時間タイマを1減算する(ステップS1844)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1845)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS1846)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が実行されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS1846において、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS1847)。具体的には、ステップS1847において、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御が実行されることによって、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示が実行されることになる。なお、ステップS1846またはステップS1847において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できなかったときには、可変表示装置9の表示画面の一部(例えば、表示画面の端の部分)にエラー表示(例えば、「エラー」などの文字や「?」などの記号)を表示するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果不受信フラグがセットされていれば、可変表示装置9の表示画面の一部にエラー表示をしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理の実行中である場合には、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理を優先して実行し、飾り図柄の可変表示を行わないように制御する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマを1減算する(ステップS1844参照)と、初期化フラグや停電復旧フラグ、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する。そして、セットされていれば、そのままステップS1848に移行し、ステップS1845〜S1847の処理を実行しないように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1845において、異常入賞フラグとともに満タンエラー報知フラグがセットされているか否かも確認してもよい。そして、セットされていればステップS1846に移行し、セットされていなければステップS1847に移行するようにしてもよい。すなわち、満タンエラーの報知中である場合には、可変表示装置9を用いて飾り図柄の可変表示を実行しつつ満タンエラー報知を継続してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1848)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1849)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1850)。
図38は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1870)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1877に移行する。この実施の形態では、後述するように、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS1876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS1878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS1870で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS1872の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS1877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り表示図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS1872)。
そして、ステップS1872で大当り表示図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS1873のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットし(ステップS1874)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値(この例では0)に更新する(ステップS1875)。
ステップS1872で大当り図柄を表示する場合には(ステップS1873のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS1876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS1877)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドを受信したか否かを確認する。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS1877のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS1878)、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1879)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1880)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値(この例では4)に設定する(ステップS1881)。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS900)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS900のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS901)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS902)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS903)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS903において、可変表示装置9において大当り表示を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS904)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理の実行中である場合には、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理を優先して実行し、大当り表示の演出(ファンファーレ演出)を行わないように制御する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算する(ステップS901参照)と、初期化フラグや停電復旧フラグ、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する。そして、セットされていれば、そのままステップS905に移行し、ステップS902〜S904の処理を実行しないように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS902において、異常入賞フラグとともに満タンエラー報知フラグがセットされているか否かも確認してもよい。そして、セットされていればステップS903に移行し、セットされていなければステップS904に移行するようにしてもよい。すなわち、満タンエラーの報知中である場合には、可変表示装置9を用いて大当り表示を行いつつ満タンエラー報知を継続してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS907)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS900のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS908)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS909)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS910)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS911)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値(この例では5)に設定する(ステップS912)。
図40は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1902)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータn(表示制御実行データn)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS1904)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS1904において、可変表示装置9においてラウンド中表示を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1905)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、ステップS1904,S1905において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したカウント数指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において入賞カウント数(そのラウンドにおける大入賞口への入賞数)を表示する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理の実行中である場合には、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理を優先して実行し、ラウンド中演出を行わないように制御する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算する(ステップS1902参照)と、初期化フラグや停電復旧フラグ、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する。そして、セットされていれば、そのままステップS1906に移行し、ステップS1903〜S1905の処理を実行しないように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1903において、異常入賞フラグとともに満タンエラー報知フラグがセットされているか否かも確認してもよい。そして、セットされていればステップS1904に移行し、セットされていなければステップS1905に移行するようにしてもよい。すなわち、満タンエラーの報知中である場合には、可変表示装置9を用いてラウンド中表示を行いつつ満タンエラー報知を継続してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1906)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1907)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1908)。
ステップS1901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1909)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1910)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1911)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1912)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値(この例では6)に設定する(ステップS1913)。
図41は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1970)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS1970のN)、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1971のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1972)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1973)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS1974)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS1974において、可変表示装置9においてインターバル表示を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1975)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理の実行中である場合には、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理を優先して実行し、インターバル演出を行わないように制御する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算する(ステップS1972参照)と、初期化フラグや停電復旧フラグ、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する。そして、セットされていれば、そのままステップS1976に移行し、ステップS1973〜S1975の処理を実行しないように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1973において、異常入賞フラグとともに満タンエラー報知フラグがセットされているか否かも確認してもよい。そして、セットされていればステップS1974に移行し、セットされていなければステップS1975に移行するようにしてもよい。すなわち、満タンエラーの報知中である場合には、可変表示装置9を用いてインターバル表示を行いつつ満タンエラー報知を継続してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1976)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1977)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1978)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1971のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS1979)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1980)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1981)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1982)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値(この例では5)に設定する(ステップS1983)。
ステップS1970においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS1970のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560からエンディングコマンドを受信したときである。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したエンディングコマンドに応じてエンディング演出を選択する(ステップS1984)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングフラグをリセットし(ステップS1985)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1986)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1987)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値(この例では7)に設定する(ステップS1988)。
図42は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算するとともに(ステップS971)、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS973)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS974)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS975)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において大当りが終了することを表示したり、可変表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示させ、キャラクタのセリフとして「またね!」などの文章を表示させることによって、大当りが終了することを報知する演出が実行されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS975において、可変表示装置9においてエンディング表示(大当り終了表示)を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)を制御する処理を実行する(ステップS976)。例えば、大当りが終了することを表示したり、可変表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示させ、キャラクタのセリフとして「またね!」などの文章を表示させることによって、大当りが終了することを報知する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理の実行中である場合には、初期化報知処理や停電復旧報知処理、主基板エラー報知処理を優先して実行し、エンディング演出を行わないように制御する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算する(ステップS973参照)と、初期化フラグや停電復旧フラグ、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する。そして、セットされていれば、そのままステップS977に移行し、ステップS974〜S976の処理を実行しないように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS974において、異常入賞フラグとともに満タンエラー報知フラグがセットされているか否かも確認してもよい。そして、セットされていればステップS975に移行し、セットされていなければステップS976に移行するようにしてもよい。すなわち、満タンエラーの報知中である場合には、可変表示装置9を用いてエンディング表示を行いつつ満タンエラー報知を継続してもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS977)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS978)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS979)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS972のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグや確変大当り演出フラグ等の所定のフラグをリセットし(ステップS980)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値(この例では0)に設定する(ステップS981)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1大入賞口または第2大入賞口への遊技球の異常入賞を検出するタイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100による演出の実行タイミングについて説明する。
図43は、第1大入賞口または第2大入賞口への遊技球の異常入賞を検出するタイミングおよび演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図43に示す例では、特別図柄および飾り図柄の可変表示の表示結果として大当り図柄を導出表示するとともに、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を説明する。すなわち、図43に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理において、大当りにすると決定する(ステップS1509参照)とともに、大当りの種類として確変大当りと決定する(ステップS1515参照)。そして、確変大当りと決定したことにもとづいて第1大入賞口を開閉すると事前決定し、第1開放フラグをセットする(ステップS1516,S1518参照)。
なお、図43に示す例では、大入賞口の開放パターンとして大当り中に第1大入賞口を開放すると事前決定する場合を示すが、大当り遊技の進行段階に応じて(例えばラウンド毎に)、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、あらかじめラウンドと開閉対象の大入賞口とを対応付けた対応テーブルを備え、ラウンド毎に、対応テーブルに従って第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開閉するかを決定してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、対応テーブルの設定内容に従って、第1ラウンド〜第5ラウンドでは第1大入賞口を開閉し、第6ラウンド〜第10ラウンドでは第2大入賞口を開閉し、第11ラウンド〜第15ラウンドでは再び第1大入賞口を開閉する制御を行ってもよい。また、例えば、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、加算後のラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の切り替え条件が成立したことにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのうち開閉する方の大入賞口を切り替えるように制御してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デフォルトで第1開放フラグをセットするようにし、大当り中の第1ラウンドでは、まず第1大入賞口を開放するように制御する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1ラウンド中の第1大入賞口への遊技球の入賞数をカウントし、入賞数が所定値(例えば10)に達すると、所定の切り替え条件が成立したと判定して、第2開放フラグをセットする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2ラウンドを開始する際に、第2開放フラグをセットしたことにもとづいて、第2大入賞口を開放するように制御する(すなわち、開放する方の大入賞口を切り替える)。一方、入賞数が所定数(例えば10)に達しなかった場合には、所定の切り替え条件が成立しなかったと判断して、第2ラウンドを開始する際に、そのまま第1大入賞口を開放するように制御する(すなわち、開放する方の大入賞口の切り替えを行わない)。
大当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグをセットしたことにもとづいて、各ラウンドにおいて第1大入賞口を開閉する制御を行う(ステップS407,S433参照)。また、第1大入賞口の開放中に第1大入賞口スイッチ(第1カウントスイッチ23a)のオン状態を検出すると(ステップS422参照)、入賞個数カウンタを1加算する(ステップS424参照)とともに、カウント数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS425参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技に移行すると、ファンファーレコマンドを受信したことにもとづいて、ファンファーレ演出(大当り表示および大当り表示対応の音/ランプ出力)を行う(ステップS1877,S1879,S903,S904参照)。そして、大当り遊技中において、第1大入賞口の開放中にはラウンド中演出を行い(ステップS1904,S1905参照)、第1大入賞口の閉成中にはインターバル演出を行う(ステップS1974,S1975参照)。
なお、ラウンド中にカウント数指定コマンドをした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したカウント数指定コマンドにもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数を表示する(ステップS1904,S1905参照)。図43に示すA点では第1ラウンドにおいて最初に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞数「1」を指定するカウント数指定コマンドを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したカウント数指定コマンドで指定される入賞数「1」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「1」を表示する。また、図43に示すB点では第1ラウンドにおいて2番目に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞数「2」を指定するカウント数指定コマンドを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したカウント数指定コマンドで指定される入賞数「2」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「2」を表示する。さらに、図43に示すC点では最終ラウンドにおいて最初に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞数「1」を指定するカウント数指定コマンドを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したカウント数指定コマンドで指定される入賞数「1」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「1」を表示する。
一方、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているにもかかわらず、大当り中に第2大入賞口スイッチ(第2カウントスイッチ23b)のオン状態を検出すると(ステップS124,S125参照)、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS126参照)。すなわち、第1大入賞口を開放する(第2大入賞口の開放は行わない)と決定された場合であるにもかかわらず、第2大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、第2大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知コマンドを受信すると(ステップS1634参照)、異常入賞フラグをセットする(ステップ1635参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図43に示すように、スピーカ27を用いて所定の効果音を出力し、所定のランプを点滅させることによって、異常入賞が発生したことを異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトするまで所定期間(例えば30秒)報知する(ステップS1663〜S1667参照)。この場合、大当り遊技中に異常入賞報知コマンドを受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図43に示すように、可変表示装置9において大当り遊技中の演出表示(大当り表示やラウンド中表示、インターバル表示、エンディング表示)を行うとともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に異常入賞報知を開始し、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトする前に、大当り遊技を終了するとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合には、図43に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS825,S826,S1845,S1846参照)とともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続して行う(ステップS1663〜S1667参照)。そして、飾り図柄の変動開始後に異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトすると、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667参照)、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を終了する。そして、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示に加えて、変動表示に対応する音を出力しランプの点灯表示を行う(ステップS827,S1847参照)。
図43に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口を開放する大当りと決定した場合に、第2大入賞口への遊技球の入賞を検出すると、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知コマンドを受信すると、異常入賞報知を実行する。また、飾り図柄の変動表示が開始された場合であっても、飾り図柄の変動表示を実行しつつ、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100による演出の実行タイミングについて説明する。
図44は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミング及び演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図44は、大当り(本例では確変大当り)と決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100が全て正常に受信できた場合を示す。また、図44に示す例では、確変大当りと決定したことにもとづいて、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を示す。
図44に示すように、始動入賞があると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、保留記憶数を1加算し演出記憶情報指定コマンドを送信する(ステップS322参照)。そして、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、大当り判定の判定結果、および通常大当りか確変大当りか等(確変大当りになるかどうか等)の決定結果に応じた表示結果コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。この場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、背景表示指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
具体的には、大当り判定の判定結果が「はずれ」のときは、表示結果コマンドとして、はずれ指定コマンドが送信される。大当り判定の判定結果が「大当り」である場合には、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であるときは、通常大当り指定コマンドが送信される。通常大当りか確変大当りかの決定結果が「確変大当り」である場合には、確変大当り指定コマンドが送信される。また、突然確変大当り状態や小当り状態にも制御される場合において、突然確変大当りとすると決定したときには、突然確変大当り指定コマンドが送信される。また、小当りとすると決定したときには、小当り指定コマンドが送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれと決定された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りと決定された場合であって、確変大当り指定の変動パターンコマンドまたは通常大当り指定の変動パターンコマンドを受信したときには、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りと決定された場合であって、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの表示結果コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄として、確変図柄または非確変図柄を決定する。
そして、変動パターン設定処理(ステップS301)において、所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。上述したように、可変表示装置9における飾り図柄の変動は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動と同期している。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄変動処理(ステップS302)において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の制御を行う(ステップS301〜S303)。特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄停止処理(ステップS303)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動が停止される。また、大当り判定における判定結果が大当りであるときは、ファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて15ラウンドの大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間(大当り図柄を停止表示してから大当りの第1ラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。大当り表示時間が経過すると、15ラウンドの大当りを開始するときは、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における可変表示装置9の表示状態が指定される。また、ソレノイド21aが駆動されて第1大入賞口が開放される。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他のキャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放中処理(ステップS305)において、15ラウンド用のラウンド時間の計測を開始する。また、第1カウントスイッチ23aのオンを検出する毎に入賞個数カウンタの値を+1することにより第1大入賞口への入賞球数をカウントする。
ラウンド時間が経過したとき、または入賞個数が所定数になったときは、ソレノイド21aが駆動されて第1大入賞口が閉鎖される。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが終了する。このとき、ラウンド数が15ではないので、大入賞口開放後表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放後処理(ステップS306)および大入賞口開放前処理(ステップS304)において、インターバル時間(ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。インターバル時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、ソレノイド21aが駆動されて第1大入賞口が開放される。
以上のような大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理および大入賞口開放後処理は、15ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。
大入賞口開放後処理において、ラウンド数カウンタの値が15になったときは、エンディングコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!!」)や、確変状態に移行することを示す文字(「確変!!」)などを表示したり、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)の計測を開始する。大当り終了時間が経過すると、所定のフラグ(大当りフラグ、確変大当りフラグ)のセット/リセットの処理が行われる。そして、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
次に、大当りと決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドのうち、表示結果コマンドを受信できなかった場合の演出制御コマンドの送信タイミングを説明する。図45は、表示結果コマンドを受信できなかった場合の演出制御コマンドの送信タイミング及び演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図45に示す例では、確変大当りと決定したことにもとづいて、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を示す。
図45に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から確変大当り/通常大当り指定の変動パターンコマンドを受信したものの、表示結果コマンドを受信できなかったものとする(ステップS1831〜S1834参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果不受信フラグをセットする(ステップS1834参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドによって少なくとも大当りであることは認識できるので、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択して飾り図柄の停止図柄(非確変図柄)を決定する(ステップS1839,S1840参照)。そして、通常大当りの飾り図柄の停止図柄(非確変図柄)を可変表示装置9に導出表示する(ステップS1872参照)。
以上のように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1可変入賞装置20aを開閉しているときに、第2カウントスイッチ23bから第2入賞検出信号を入力すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生した異常入賞を検出する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞を検出すると、異常入賞を検出したことを示す異常入賞報知コマンドを演出制御コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知コマンドを受信すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、複数の大入賞口を備えた遊技機において、開放対象の大入賞口以外の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御処理の進行状態を示す特別図柄プロセスフラグの値に従って、遊技制御処理を実行し、遊技制御処理の進行状態に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を設定する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した開閉パターンにかかわらず、特別図柄プロセスフラグに共通の値を設定する。そのため、特別図柄プロセス処理において2つの可変入賞装置20a,20bを開閉する処理を共通の処理として行うことができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態を大当り遊技状態に移行されているときに、第1開閉フラグがセットされているか否かを判定し、第1開閉フラグがセットされていると判定したときに第2カウントスイッチ23bから第2入賞検出信号を入力すると、異常入賞を検出する。そのため、簡便な処理によっていずれの可変入賞装置20a,20bを開閉すると決定されているかを判定して、異常入賞検出を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り/通常大当りを指定する変動パターンコマンドは受信したが、表示結果コマンドを受信できなかったときには、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する。そのように構成することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、飾り図柄の変動表示の表示結果を遊技者に認識させることができ、遊技者に必要以上に不利益を与えることを防止できる。
例えば、大当りと決定されたにもかかわらず表示結果コマンドを受信できなかったために可変表示装置9に何ら表示結果を導出表示しないのであれば、遊技者は、飾り図柄の変動表示の表示結果を認識することができない。そのため、大当りであったにもからわらず、大当りであることに気づくのが遅れ、大当り遊技状態で本来得られるはずの利益を遊技者が十分に得られないおそれがある。従来の遊技機では、例えば特開2000−317092号公報に記載されているように、遊技制御手段は、左中右の飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドをそれぞれ別々に演出制御手段に送信する。そのため、演出制御手段は、左中右の飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドのうちの1つでも受信できなかった場合には、表示結果を特定することができず、初期出目の図柄を表示することができるにすぎない。そのため、大当り遊技状態で本来得られるはずの利益を遊技者が十分に得られないおそれがある。この実施の形態では、確変大当り/通常大当りを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、少なくとも大当りであることは認識できるのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できずに確変大当りであるか通常大当りであるかを認識できない場合であっても、非確変図柄を導出表示する。そのようにすることによって、遊技者に対して少なくとも大当りであることを認識させることができ、遊技者に必要以上に不利益を与えることを防止できる。
また、この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄を示すコマンドを図柄ごとに別々に送信するのではなく、変動表示の表示結果(大当りやはずれ)を示す1つの表示結果コマンドを送信する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1つの表示結果コマンドにもとづいて大当りであるか否かや、確変大当りであるか否かを判断することができる。そのため、遊技制御手段が送信すべきコマンド数を削減することができ、遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
図46は、表示結果コマンドを受信できなかったときの演出制御手段の動作例を説明するための説明図である。図46において、×印は、該当コマンドを受信できなかったことを示す。○印は、該当コマンドを受信できたことを示す。
図46に示すように、はずれ指定の変動パターンコマンドは受信したが、表示結果コマンドを受信できなかった場合には、飾り図柄の変動を開始し、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄を導出表示する。通常大当り指定の変動パターンコマンドは受信したが、表示結果コマンドを受信できなかった場合には、飾り図柄の変動を開始し、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する。確変大当り指定の変動パターンコマンドは受信したが、表示結果コマンドを受信できなかった場合には、飾り図柄の変動を開始し、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として確変図柄を導出表示する。
確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信し、かつ通常大当り指定の表示結果コマンドを受信した場合には、飾り図柄の変動を開始し、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する。確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信し、かつ確変大当り指定の表示結果コマンドを受信した場合には、飾り図柄の変動を開始し、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として確変図柄を導出表示する。
確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドは受信したが、表示結果コマンドを受信できなかった場合には、飾り図柄の変動を開始し、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する。すなわち、少なくとも大当りであることは特定できるので、非確変図柄を導出表示する。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドによって特定される変動時間が経過したか否かを判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間が経過したと判定したときに、表示結果を可変表示装置9に導出表示する。そのため、変動時間が経過したときに、飾り図柄の変動表示を停止させるために飾り図柄の変動表示の表示結果を確定させるための確定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する必要をなくすことができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知に優先して初期化報知を実行する。そのため、大入賞口への遊技球の異常入賞を検出した場合であっても、確実に初期化報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、、異常入賞が検出されたときに異常入賞報知コマンドを受信したことにもとづいて異常報知を開始する。そのため、異常入賞が発生したときに直ちに異常報知を行うことができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を実行しているときであっても、所定期間(例えば30秒)を経過するまで異常報知を継続する。そのため、異常報知を開始した後に直ちに飾り図柄の可変表示が開始される場合であっても、大入賞口への遊技球の異常入賞が発生したことを確実に報知することができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技中に異常入賞報知コマンドを受信した場合に、大当り中の表示処理を行いながら異常入賞報知を行う場合を説明したが、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始するようにしてもよい。図47は、大当り遊技中に異常入賞報知コマンドを受信した場合に、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始する場合のエラー報知処理を示すフローチャートである。
図47において、ステップS1651〜S1663の処理は、図31に示したそれらの処理と同様である。ステップS1663で異常入賞フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理において用いる演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS1663A)
演出制御プロセスフラグは、演出制御処理(演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに応じて、演出用の電気部品である可変表示装置9やスピーカ27、ランプ25,28a,28b,28cを制御する処理)の進行状態を示すフラグである。演出制御プロセスフラグは、前述したように、演出制御プロセス処理の進行状態に応じて(具体的には、演出制御プロセス処理におけるステップS800〜S807のいずれの処理の実行段階であるかに応じて)、その値が更新される。この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態に移行されている場合(具体的には、大当り表示処理(ステップS804)〜大当り終了演出処理(ステップS807)の実行段階である場合)には、演出制御プロセスフラグには「4」〜「7」の値がセットされる。また、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていない場合(具体的には、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)〜飾り図柄変動停止処理(ステップS803)の実行段階である場合)には、演出制御プロセスフラグには「0」〜「3」の値がセットされる。
そして、ステップS1663Aにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるか否かを確認することによって、遊技状態が大当り遊技状態であるか否か(具体的には、ファンファーレ演出や、ラウンド中演出、インターバル演出、エンディング演出を実行している期間であるか否か)を確認する。すなわち、演出制御プロセスフラグの値が4以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていると判定する。また、演出制御プロセスフラグの値が4より小さければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていないと判定する。
演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でなければ(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でなければ)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1664に移行し、図31と同様の処理に従って異常入賞報知を実行する。演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態であれば)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1664〜S1667を実行せずに、ステップS1668に移行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が検出され異常入賞報知コマンドを受信した場合であっても、大当り中には異常入賞報知の処理を実行しないように制御する。そして、大当り遊技状態を終了し演出制御プロセスフラグの値として所定値より小さい値が設定されると、ステップS1663AでNと判定し、異常入賞報知を開始する。
なお、図47において、ステップS1664〜S1669の処理は、図31で示したそれらの処理と同様である。
図48は、大当り遊技中に異常入賞報知コマンドを受信した場合に、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始する場合の異常入賞を検出するタイミングおよび演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図48に示す例では、図43で示した例と同様に、特別図柄および飾り図柄の可変表示の表示結果として大当り図柄を導出表示するとともに、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を説明する。
図48に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知コマンドを受信し異常入賞フラグをセットしたとしても、大当り遊技中であれば異常入賞報知を実行しないように制御する(ステップS1663AのY参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図48に示すように、大当り遊技を終了し、演出制御プロセスフラグの値として「0」(変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値)をセットする(ステップS981参照)と、異常入賞報知を開始する(ステップS1663AのN、ステップS1664参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知の開始後、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトする前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合には、図48に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS825,S826,S1845,S1846参照)とともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続して行う(ステップS1663〜S1667参照)。そして、飾り図柄の変動開始後に異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトすると、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667参照)、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を終了する。そして、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示に加えて、変動表示に対応する音を出力しランプの点灯表示を行う(ステップS827,S1847参照)。
以上のように、図47および図48に示したように構成すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が検出され異常入賞報知コマンドを受信すると、大当り遊技状態が終了したのちに、異常報知を開始する。そのため、大当り遊技状態に対応する演出を行った上で異常報知を行うことができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示が実行されているときであっても、所定期間(例えば30秒)を経過するまで異常報知を継続する。そのため、異常報知を開始した後に直ちに飾り図柄の可変表示が開始される場合であっても、大入賞口への遊技球の異常入賞が発生したことを確実に報知することができる。
なお、図47および図48に示した例では、大当り遊技中におけるステップS902,S903,S1903,S1904,S1973,S1974,S974,S975の処理は不要となる。すなわち、図47および図48に示した例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされている場合であっても、可変表示装置9だけでなく、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cも用いた大当り中の演出(ファンファーレ演出やラウンド中演出、インターバル演出、エンディング演出)を行うことになる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態でないときに入賞検出指定コマンドを1回受信したことにもとづいて異常入賞報知を行う場合を説明したが、遊技状態が大当り遊技状態でないときに所定期間内に入賞検出指定コマンドを複数回(例えば2回)受信したことにもとづいて異常入賞報知を行うようにしてもよい。そのようにすれば、例えば、データ化けしたコマンドを受信した場合など、異常入賞が発生していないにもかかわらず異常入賞報知が行われてしまう事態を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウントスイッチのオン状態を複数回検出したとき(例えば、ステップS122,S125,S128でカウントスイッチのオン状態を2回検出したとき)に、異常入賞報知コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からコマンドを1回受信したことにもとづいて異常入賞報知を実行するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズによってカウントスイッチがオン状態であると判定された場合や、大当り中に大入賞口内に進入した遊技球が引っかかって大当り終了後にカウントスイッチによって検出された場合など、異常入賞が発生していないにもかかわらず異常入賞報知が行われてしまう事態を軽減することができる。
また、この実施の形態では、確変大当り/通常大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したあとに表示結果コマンドを受信できなかった場合には、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する場合を説明したが、非確変図柄を導出表示したあとに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したファンファーレコマンドやエンディングコマンドにもとづいて確変大当りであるか通常大当りであるかを判定するようにしてもよい。そして、例えば、確変大当り指定のファンファーレコマンドまたは確変大当り指定のエンディングコマンドにもとづいて、確変大当りであると判定したときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中またはエンディングにおいて確変報知を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、当りの種類にかかわらず、演出制御プロセス処理において共通の処理を実行する場合を説明したが、当りの種類に応じて異なる処理を実行するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、当りの種類が15ラウンドの大当りであるか、突然確変大当りであるか、小当りであるかに応じて、演出制御プロセス処理においてそれぞれ異なる処理を実行してもよい。ただし、この場合、いずれの当りの種類に対応する処理を実行する場合であっても、演出制御プロセスフラグには所定値(4)以上の値が設定されるものとする。
なお、この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態でないときにカウントスイッチからの検出信号を入力したか否かを判断することによって異常入賞の有無を検出する場合を説明したが、異常入賞の有無を検出するためには大入賞口の開放中の入賞であるか否かを確認すればよい。そのため、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放期間のみ所定のフラグをセットしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、大入賞口開放前処理を開始するときに所定のフラグをセットし、大入賞口開放後処理を終了してから所定期間(大入賞口の閉鎖直前に入賞した遊技球がカウントスイッチで検出されるまでの期間)経過したときに所定のフラグをリセットする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、その所定のフラグがセットされていないときにカウントスイッチの検出信号を入力すると、異常入賞が発生したと判定してもよい。なお、この場合、第1大入賞口を開放する場合と第2大入賞口を開放する場合とで別のフラグ(第1開放フラグと第2開放フラグ)をセットするようにし、例えば、第1開放フラグをセットしているときに第2カウントスイッチ23bの検出信号を入力した場合には、異常入賞と判定して異常入賞報知を行うようにしてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、第1開放フラグまたは第2開放フラグのいずれがセットされているかを確認することによって、大当り遊技中に第1大入賞口または第2大入賞口のいずれかを開閉する場合を示したが、第1開放フラグや第2開放フラグを用いずに、第1大入賞口を開閉する場合と第2大入賞口を開閉する場合とで特別図柄プロセス処理において別々の処理を実行するようにしてもよい。以下、第1大入賞口を開閉する場合と第2大入賞口を開閉する場合とで特別図柄プロセス処理において別々の処理を実行する第2の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図49は、第2の実施の形態における異常入賞報知処理(ステップS23)の処理例を示すフローチャートである。図49において、ステップS121〜S123の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
特別図柄プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否かを確認する(ステップS124B)。この実施の形態では、第1大入賞口を開放する大当りである場合(具体的には、後述する第1大入賞口開放前処理(ステップS304)〜第1大当り終了処理(ステップS307)の実行段階である場合)には、特別図柄プロセスフラグには「4」〜「7」の値がセットされる。また、第2大入賞口を開放する大当りである場合(具体的には、後述する第2大入賞口開放前処理(ステップS308)〜第2大当り終了処理(ステップS311)の実行段階である場合)には、特別図柄プロセスフラグには「8」〜「B」の値がセットされる。
そして、この実施の形態では、ステップS124Bにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否かを確認することによって、第1大入賞口を開放する大当りであるか第2大入賞口を開放する大当りであるかを確認する。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大入賞口を開放する大当りであると判定する。また、特別図柄プロセスフラグの値が8より小さければ(すなわち、「4」〜「7」のいずれかの値であれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口を開放する大当りであると判定する。
特別図柄プロセスフラグの値が8より小さければ(すなわち、第1大入賞口を開放する大当りであれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS125B)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチ処理(ステップS21参照)でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第2カウントスイッチ23bに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定し、「0」であればオフ状態であると判定する。
そして、第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(この場合、第2大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを指定する異常入賞報知コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS126B)。すなわち、第1大入賞口を開放する期間であるにもかかわらず、第2大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを送信する。
特別図柄プロセスフラグの値が8以上であれば(すなわち、第2大入賞口を開放する大当りであれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオン状態であるか否かを判定する(ステップS128B)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチ処理(ステップS21参照)でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第1カウントスイッチ23aに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオン状態であると判定し、「0」であればオフ状態であると判定する。
そして、第1カウントスイッチ23aがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(この場合、第1大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを指定する異常入賞報知コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS129B)。すなわち、第2大入賞口を開放する期間であるにもかかわらず、第1大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知コマンドを送信する。
図50は、第2の実施の形態における特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。図50において、ステップS321,S322の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は始動入賞記憶カウンタのカウント値により確認できる。また、始動入賞記憶カウンタのカウント値が0でなければ、遊技状態が確変状態であるか否か確認し、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示図柄乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信するために、変動パターンコマンドを変動パターンバッファにセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に移行するように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるとともに、15ラウンドの大当りを行う場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に移行するように更新する。また、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるとともに、10ラウンドの大当りを行う場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に移行するように更新する。また、特別図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合には、内部状態をステップS300に応じた値(この例では0)に移行するように更新する。
この実施の形態では、大当りとすると決定された場合に15ラウンドの大当りと10ラウンドの大当りとの2種類の大当り遊技状態に移行される場合がある。この実施の形態では、15ラウンドの大当りと決定された場合には、ステップS304〜S307の処理が実行され、大当り中に第1大入賞口を開閉する制御が行われる。一方、10ラウンドの大当りと決定された場合には、ステップS308〜S311の処理が実行され、大当り中に第2大入賞口を開閉する制御が行われる。
なお、15ラウンドの大当りと10ラウンドの大当りとの2種類の大当り遊技状態に移行される場合に限らず、例えば、最大入賞カウント数の異なる2種類の大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、例えば、ラウンド中に大入賞口に遊技球が10個入賞したら大入賞口を閉成するように制御する大当り(10カウント大当りともいう)と、5個入賞したら大入賞口を閉成するように制御する大当り(5カウント大当りともいう)とのいずれかの大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。そして、例えば、10カウント大当りと決定された場合には、ステップS304〜S307の処理を実行して、大当り中に第1大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。また、例えば、5カウント大当りと決定された場合には、ステップS308〜S311の処理を実行して、大当り中に第2大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、大入賞口の開放時間の異なる2種類の大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、例えば、大入賞口を29.5秒開放する大当りと決定された場合には、ステップS304〜S307の処理を実行して、大当り中に第1大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。また、例えば、大入賞口を10秒開放する大当りと決定された場合には、ステップS308〜S311の処理を実行して、大当り中に第2大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、遊技状態がいわゆる突然確変大当り状態にも制御される場合には、例えば、通常の大当りと決定された場合には、ステップS304〜S307の処理を実行して、大当り中に第1大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。また、例えば、突然確変大当りと決定された場合には、ステップS308〜S311の処理を実行して、大当り中に第2大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、遊技状態がいわゆる小当り状態にも制御される場合には、例えば、大当りと決定された場合には、ステップS304〜S307の処理を実行して、大当り中に第1大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。また、例えば、小当りと決定された場合には、ステップS308〜S311の処理を実行して、大当り中に第2大入賞口を開閉する制御を行うようにしてもよい。
第1大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、第1大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御を行ったり、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを開状態にして第1大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1308bで特別図柄プロセスフラグをステップS304に応じた値に移行し、ステップS1308cで特別図柄プロセスフラグをステップS308に応じた値に移行することによって、特定遊技状態移行手段を実現している。
第1大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、第1大入賞口の閉成条件が成立したときには、第1大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを閉状態にして第1大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
第1大入賞口開放後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、第2大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御を行ったり、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを開状態にして第2大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、ステップS1308bで特別図柄プロセスフラグをステップS304に応じた値に移行し、ステップS1308cで特別図柄プロセスフラグをステップS308に応じた値に移行することによって、特定遊技状態移行手段を実現している。
第2大入賞口開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第2大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、第2大入賞口の閉成条件が成立したときには、第2大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを閉状態にして第2大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって第2大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に応じた値(この例ではA)に更新する。
第2大入賞口開放後処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値がAであるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS311に応じた値(この例ではB)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値がBであるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図51は、第2の実施の形態における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、特別図柄通常処理におけるステップS1501〜S1511の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様であるため、図51では記載省略している。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理における特別図柄情報設定処理(ステップS1512〜S1522)の実行を開始すると、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1512)。大当りフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄を決定するとともに大当りの種類を決定するための大当り図柄設定用テーブルをロードする(ステップS1513B)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄および大当りの種類を決定するための大当り図柄用乱数を読み出す(ステップS1514)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄設定用テーブルと大当り図柄用乱数とにもとづいて、特別図柄の停止図柄および大当りの種類を決定する(ステップS1515B)。
図52は、第2の実施の形態における大当り図柄設定用テーブルの例を示す説明図である。図52に示すように、大当り図柄設定用テーブルは、大当り図柄用乱数の乱数値と、特別図柄の停止図柄と、大当りの種類とを対応付けて含む。ステップS1515Bでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄用乱数の乱数値に応じて、図52に示す設定内容に従って、特別図柄の停止図柄を「0」〜「9」のいずれかに決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄用乱数の乱数値に応じて、図52に示す設定内容に従って、15ラウンドの通常大当り、10ラウンドの通常大当り、15ラウンドの確変大当り、または10ラウンドの確変大当りのいずれかの大当りの種類を決定する。
図51において、ステップS1516〜S1521の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ただし、図51に示すように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグや第2開放フラグをセットする処理は行わない(図16のステップS1518,S1520参照)。
ステップS1519,S1521で演出指定値を演出図柄情報バッファにセットすると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した大当りの種類が15ラウンドの大当り(15ラウンドの通常大当り、または15ラウンドの確変大当り)であるか否かを確認する(ステップS1521a)。15ラウンドの大当りであれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンドの大当りであることを示す15ラウンド大当りフラグをセットし(ステップS1521b)、ステップS1523に移行する。15ラウンドの大当りでなければ(すなわち、10ラウンドの大当りであれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、そのままステップS1523に移行する。
なお、ステップS1523,S1524の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図53は、第2の実施の形態における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。図53において、ステップS1301〜S1307の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
確変フラグおよび高ベースフラグをリセットすると(ステップS1307参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1308a)。セットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に更新する(ステップS1308b)。すなわち、この実施の形態では、15ラウンドの大当りである場合には、ステップS304以降の第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理が行われ、大当り中に第1大入賞口が開閉されることになる。
15ラウンド大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する(ステップS1308c)。すなわち、この実施の形態では、10ラウンドの大当りである場合には、ステップS308以降の第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理が行われ、大当り中に第2大入賞口が開閉されることになる。
ステップS1302で大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する(ステップS1309)。
図54は、第2の実施の形態における第1大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。図54に示す第1大入賞口開放前処理において、ステップS401〜S404の処理は、第1の実施の形態における大入賞口開放前処理で示したそれらの処理と同様である。
大入賞口制御タイマにラウンド時間をセットする(ステップS404参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS405)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口(開閉板)を開放する制御を行う(ステップS407a)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS409)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305(第1大入賞口開放中処理)に応じた値(この例では5)に更新する(ステップS410a)。
図55は、第2の実施の形態における第1大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1カウントスイッチ23aがオンしたか否かを確認することにより、第1大入賞口への遊技球の入賞があったか否かを確認する(ステップS422a)。第1カウントスイッチ23aがオンしていれば(ステップS422aのY)、ステップS424に移行する。第1カウントスイッチ23aがオンしていなければ(ステップS422aのN)、ステップS427に移行する。
なお、図55において、ステップS424〜S430の処理は、第1の実施の形態における大入賞口開放中処理で示したそれらの処理と同様である。
大入賞口制御タイマに開放後時間をセットする(ステップS430参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS431)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口(開閉板)を閉鎖する制御を行う(ステップS433a)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS435)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS306(第1大入賞口開放後処理)に応じた値(この例では6)に更新する(ステップS436a)。
図56は、第2の実施の形態における第1大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS441)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS442)、その値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、ラウンド数カウンタの値が15に達しているか否かを確認する(ステップS443)。
ステップS443でラウンド数カウンタの値が15に達していない場合(ステップS443のN)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を開放する前の所定時間(開放前時間)を設定するための大入賞口開放前時設定テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS444)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、所定の開放前時間をセットする(ステップS445)。この場合、ステップS444でセットしたポインタが指す大入賞口開放前時設定テーブルのアドレスの開放前時間(インターバル時間の一部)をセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS304(第1大入賞口開放前処理)に応じた値(この例では4)に更新し(ステップS446a)、処理を終了する。
ステップS443でラウンド数カウンタの値が15であるときは(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS447)。セットされていれば、確変大当り終了指定コマンド(第2エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS448)。セットされていなければ、通常大当り終了指定コマンド(第1エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS449)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了を遊技者に報知する演出(エンディング演出)の実行時間(大当り終了時間)をセットし(ステップS450)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(第1大当り終了処理)に応じた値(この例では7)に更新する(ステップS451a)。
図57は、第2の実施の形態における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。図57に示す第1大当り終了処理において、ステップS461〜S466の処理は、第1の実施の形態における大当り終了処理で示したそれらの処理と同様である。
大当りフラグをリセットする(ステップS466参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグや15ラウンド大当りフラグがセットされている場合には、その確変大当りフラグや15ラウンド大当りフラグをリセットする(ステップS467a)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値(この例では0)に更新する(ステップS468)。
図58は、第2の実施の形態における第2大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。図58に示す第2大入賞口開放前処理において、ステップS401〜S404の処理は、第1の実施の形態における大入賞口開放前処理で示したそれらの処理と同様である。
大入賞口制御タイマにラウンド時間をセットする(ステップS404参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS405)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口(開閉板)を開放する制御を行う(ステップS407b)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS409)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309(第2大入賞口開放中処理)に応じた値(この例では9)に更新する(ステップS410b)。
図59は、第2の実施の形態における第2大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。第2大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2カウントスイッチ23bがオンしたか否かを確認することにより、第2大入賞口への遊技球の入賞があったか否かを確認する(ステップS422b)。第2カウントスイッチ23bがオンしていれば(ステップS422bのY)、ステップS424に移行する。第2カウントスイッチ23bがオンしていなければ(ステップS422bのN)、ステップS427に移行する。
なお、図59において、ステップS424〜S430の処理は、第1の実施の形態における大入賞口開放中処理で示したそれらの処理と同様である。
大入賞口制御タイマに開放後時間をセットする(ステップS430参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS431)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口(開閉板)を閉鎖する制御を行う(ステップS433b)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS435)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS310(第2大入賞口開放後処理)に応じた値(この例ではA)に更新する(ステップS436b)。
図60は、第2の実施の形態における第2大入賞口開放後処理(ステップS310)を示すフローチャートである。第2大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS441)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS442)、その値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、ラウンド数カウンタの値が10に達しているか否かを確認する(ステップS443b)。
ステップS443bでラウンド数カウンタの値が10に達していない場合(ステップS443bのN)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を開放する前の所定時間(開放前時間)を設定するための大入賞口開放前時設定テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS444)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、所定の開放前時間をセットする(ステップS445)。この場合、ステップS444でセットしたポインタが指す大入賞口開放前時設定テーブルのアドレスの開放前時間(インターバル時間の一部)をセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS308(第2大入賞口開放前処理)に応じた値(この例では8)に更新し(ステップS446b)、処理を終了する。
ステップS443bでラウンド数カウンタの値が10であるときは(ステップS443bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS447)。セットされていれば、確変大当り終了指定コマンド(第2エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS448)。セットされていなければ、通常大当り終了指定コマンド(第1エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS449)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了を遊技者に報知する演出(エンディング演出)の実行時間(大当り終了時間)をセットし(ステップS450)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS311(第2大当り終了処理)に応じた値(この例ではB)に更新する(ステップS451b)。
図61は、第2の実施の形態における第2大当り終了処理(ステップS311)を示すフローチャートである。図61に示す第2大当り終了処理において、ステップS461〜S466の処理は、第1の実施の形態における大当り終了処理で示したそれらの処理と同様である。
大当りフラグをリセットする(ステップS466参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされている場合には、その確変大当りフラグをリセットする(ステップS467b)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値(この例では0)に更新する(ステップS468)。
以上のように、この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1可変入賞装置20aを開閉しているときに、第2カウントスイッチ23aから第2入賞検出信号を入力すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生した異常入賞を検出する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞を検出すると、異常入賞を検出したことを示す異常入賞報知コマンドを演出制御コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知コマンドを受信すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、複数の大入賞口を備えた遊技機において、開放対象の大入賞口以外の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて第1可変入賞装置20aを開閉するか第2可変入賞装置20bを開閉するかを判定し、第1可変入賞装置20aを開閉すると判定したときに第2カウントスイッチ20bから第2入賞検出信号を入力すると、異常入賞を検出する。そのため、簡便な処理によっていずれの可変入賞装置20a,20bを開閉すると決定されているかを判定して、異常入賞検出を行うことができる。
なお、この実施の形態では、大当りの種類(本例では、15ラウンド大当りであるか、10ラウンド大当りであるか)にもとづいて、大当り中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを事前決定する場合を示したが、第1の実施の形態と同様に、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定してもよく、大当り遊技の進行段階に応じていずれの大入賞口を開放するかを決定するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、第1大入賞口開放後処理において、ラウンド数カウンタの値が15でなかった場合には(ステップS443参照)、ラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容(またはあらかじめ備える対応テーブルの設定内容)とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定(または決定)してもよい。そして、第1大入賞口を開放すると特定(または決定)した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に応じた値(この例では4)に更新し、第2大入賞口を開放すると特定(または決定)した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を第2大入賞口開放前処理に応じた値(この例では8)に更新してもよい。また、例えば、第2大入賞口開放後処理において、ラウンド数カウンタの値が10でなかった場合には(ステップS443b参照)、ラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容(またはあらかじめ備える対応テーブルの設定内容)とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定(または決定)してもよい。そして、第1大入賞口を開放すると特定(または決定)した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に応じた値(この例では4)に更新し、第2大入賞口を開放すると特定(または決定)した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を第2大入賞口開放前処理に応じた値(この例では8)に更新してもよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、演出制御基板80を用いて全ての演出手段(可変表示装置9、音出力装置(スピーカ)27および各ランプ25,28a,28b,28c)を制御する場合を説明したが、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御してもよい。以下、音出力装置27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御基板と、可変表示装置9を制御する図柄制御基板とを備えた第3の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる部分について説明する。
図62は、第3の実施の形態における中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの回路構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、可変表示装置9の表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。また、この実施の形態では、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄制御用マイクロコンピュータ100aによって実現される。また、電気部品制御手段は、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bによって実現される。
音/ランプ制御基板80bは、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。
さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとランプドライバ352および音声合成用IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
図柄制御基板80aは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。図柄制御基板80aにおいて、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御用基板80bから受信した(音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから転送された)演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が図柄制御基板80aに搭載されている。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、音/ランプ制御基板80bにおいて、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を音/ランプ制御基板80bの内部に向かう方向にしか通過させない(音/ランプ制御基板80bの内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を音/ランプ制御基板80bに向かう方向にしか通過させない(音/ランプ制御基板80bから中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図62には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31からの演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信する。ただし、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンドとして異常入賞報知コマンドを受信した場合には、図柄制御基板80aへの転送は行わない。なお、異常入賞発生時に可変表示装置9において異常入賞報知画面を表示する報知も行う場合には、異常入賞報知コマンドを図柄制御基板80aに転送してもよい。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンドとして異常入賞報知コマンドを受信すると、受信した異常入賞報知コマンドにもとづいて、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを用いて異常入賞報知を行う。
次に、図62に示す音/ランプ制御手段(音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b)の動作を説明する。図63は、音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理を開始する。メイン処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS881)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込フラグの監視(ステップS882)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのフラグをクリアし(ステップS883)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
タイマ割込は例えば33ms毎にかかる。すなわち、音/ランプ制御処理は、例えば33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な音/ランプ制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で音/ランプ制御処理を実行してもよい。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS884)。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、エラー報知処理を行う(ステップS885)。エラー報知処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560で初期化処理や停電復旧処理が行われた場合に、初期化報知や停電復旧中報知を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560で乱数回路の異常が検出された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31の乱数回路エラーを報知する制御を行う。また、大入賞口への遊技球の異常入賞を検出した場合には、スピーカ27やランプ25,28a,28b,28cを用いて、異常入賞が発生したことを報知する制御を行う。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合に、スピーカ27を用いて所定の報知音を出力することにより、満タンエラーが発生したことを報知する制御を行う。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音/ランプ制御プロセス処理を行う(ステップS886)。音/ランプ制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(音/ランプ制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して、スピーカ27の出力処理および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を実行する。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データ(例えば、変動パターンコマンドに示される変動パターンに対応する音番号データ)を出力する。そして、音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、プロセスデータ中に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ制御を行う。
なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、エラー報知処理(ステップS885参照)において初期化報知や異常入賞報知などのエラー報知中である場合には、ステップS886の音/ランプ制御プロセス処理においてスピーカ27による音出力処理や各ランプ25,28a,28b,28cの表示処理を行わないように制御する。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、満タンエラー報知を実行する場合など音のみを用いたエラー報知を行っている場合には、ステップS886の音/ランプ制御プロセス処理においてスピーカ27による音出力処理のみを行わないように制御してもよい。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS887)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から受信した演出制御コマンドを図柄制御基板80aに送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS888)。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドをそのまま転送するのではなく、受信した演出制御コマンドに加工を施して図柄制御基板80bに転送してもよい。その後、ステップS882のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
この実施の形態では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、コマンド解析処理(ステップS884参照)において、図29および図30に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理と同様の処理に従って、初期化コマンドや停電復旧指定コマンド、主基板エラー指定コマンドを受信したことにもとづいて、それぞれ初期化フラグ、停電復旧フラグ、主基板エラーフラグをセットする。また、異常入賞報知コマンドを受信したことにもとづいて異常入賞フラグをセットする。また、満タンエラー報知指定コマンドを受信したことにもとづいて満タンエラー報知フラグをセットする。
図64は、第3の実施の形態における音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが実行するエラー報知処理(ステップS885)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、初期化フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1651)。セットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知処理を実行する(ステップS1652C)。具体的には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、スピーカ27を用いて所定の効果音(例えば、ビープ音)を出力するとともに、各ランプ25,28a,28b,28cを消灯させる(すなわち、遊技中にはいずれかのランプが点灯または点滅されて何らかの演出が行われているのであるが、全て消灯することによって初期化処理が行われたことを遊技者に認識させる)。なお、初期化報知処理が実行される場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100a側でも所定のエラー報知処理が実行され、初期化処理が実行されたことを報知するための初期化報知画面が可変表示装置9に表示される。
図64において、ステップS1653〜S1655の処理は、第1の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するエラー報知処理におけるそれらの処理と同様である。
初期化フラグがセットされていなければ、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、停電復旧フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1656)。セットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、停電復旧中であることを報知する停電復旧報知処理を実行する(ステップS1657C)。具体的には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、スピーカ27を消音させるとともに、各ランプ25,28a,28b,28cを消灯させる。(すなわち、遊技中には音声を出力したりいずれかのランプが点灯または点滅された何らかの演出が行われているのであるが、消音および消灯することによって停電復旧中であることを遊技者に認識させる。なお、停電復旧報知処理が実行される場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100a側でも所定のエラー報知処理が実行され、停電復旧中であることを報知するための停電復旧画面が可変表示装置9に表示される。
図64において、ステップS1658〜S1660の処理は、第1の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するエラー報知処理におけるそれらの処理と同様である。
停電復旧フラグがセットされていなければ、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1661)。セットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31の乱数回路エラーが発生したことを報知する主基板エラー報知処理を実行する(ステップS1662C)。具体的には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、スピーカ27を用いて所定の効果音(例えば、ビープ音)を出力するとともに、所定のランプ(例えば、ランプ25,28a,28b,28cのいずれか、またはこれらの組合せ)を点灯(または点滅)させる。なお、主基板エラー報知処理が実行される場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100a側でも所定のエラー報知処理が実行され、主基板31の乱数回路エラーが発生したことを報知するための主基板エラー報知画面が可変表示装置9に表示される。
図64において、ステップS1663〜S1669の処理は、第1の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するエラー報知処理におけるそれらの処理と同様である。すなわち、異常入賞フラグがセットされている場合には、ステップS1663〜S1667の処理が実行されることによって、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常入賞報知が実行される。また、満タンエラー報知フラグがセットされている場合には、ステップS1668,S1669の処理が実行されることによって、スピーカ27を用いた満タンエラー報知が実行される。
以上のように、この実施の形態によれば、第1の実施の形態または第2実施の形態と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1可変入賞装置20aを開閉しているときに、第2カウントスイッチ23aから第2入賞検出信号を入力すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生した異常入賞を検出する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞を検出すると、異常入賞を検出したことを示す異常入賞報知コマンドを演出制御コマンドとして音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知コマンドを受信すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、複数の大入賞口を備えた遊技機において、開放対象の大入賞口以外の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても異常報知を行うことができる。
なお、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、音/ランプ制御基板80bに搭載された音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを図柄制御基板80aに搭載された図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送する場合を説明したが、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが、最初に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに転送するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、遊技機が図柄制御基板80aと音/ランプ制御基板80bとを備える場合を説明したが、他の種類の制御基板を複数備えるものであってもよい。例えば、遊技機は、可変表示装置9とスピーカ27とを制御する図柄/音制御基板と、各ランプ25,28a,28b,28cを制御するランプ制御基板とを備えていてもよい。この場合、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄/音制御基板が搭載する図柄/音制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、電気部品制御手段は、各ランプを制御するランプ制御基板が搭載するランプ制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、例えば、遊技機は、可変表示装置9と各ランプ25,28a,28b,28cとを制御する図柄/ランプ制御基板と、スピーカ27を制御する音制御基板とを備えていてもよい。この場合、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄/ランプ制御基板が搭載する図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、電気部品制御手段は、スピーカを制御する音制御基板が搭載する音制御用マイクロコンピュータによって実現される。
実施の形態4.
上記に示した各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞の発生の有無を判定して異常入賞報知コマンドを送信する場合を示したが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。以下、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞の発生の有無を判定する第4の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態〜第3の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態〜第3の実施の形態と異なる部分について説明する。
図65は、第4の実施の形態におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。図65において、ステップS20〜S22およびステップS24〜S38の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。この実施の形態では、ステップS22の表示制御処理を実行したのちに、異常入賞報知処理(図6のステップS23参照)を行うことなく、そのままステップS24のの乱数更新処理に移行する点で、第1の実施の形態と異なる。すなわち、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞の発生の有無を判定する処理を行わない。
図66は、第4の実施の形態におけるスイッチ処理(ステップS20)の処理例を示すフローチャートである。図66において、ステップS101〜S112の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS112参照)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオン状態であるか否かを判定する(ステップS113D)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS111でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第1カウントスイッチ23aに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1カウントスイッチ23aがオン状態であると判定し、「0」であればオフ状態であると判定する。そして、第1カウントスイッチ23aがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口への遊技球の入賞を検出したことを指定する第1入賞検出指定コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS114D)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS115D)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS111でセットしたスイッチオンバッファの各ビットのうち、第2カウントスイッチ23bに対応するビットが「1」になっているか否かを確認する。「1」になっていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定し、「0」であればオフ状態であると判定する。そして、第2カウントスイッチ23bがオン状態であると判定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大入賞口への遊技球の入賞を検出したことを指定する第2入賞検出指定コマンドを演出制御基板80(具体的には、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信する(ステップS116D)。
図67は、第4の実施の形態における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、図67に示すように、演出制御コマンドとして図13に示したカウント数指定コマンド(コマンドA4XX(H))および異常入賞報知コマンド(コマンドFF00(H))を用いない点で、第1の実施の形態と異なる。また、図13で示した演出制御コマンドに加えて、第1開放指定コマンド、第2開放指定コマンド、第1入賞検出指定コマンドおよび第2入賞検出指定コマンドを用いる点で、第1の実施の形態と異なる。
コマンドA500(H)は、大当り中に第1大入賞口を開放することを指定する演出制御コマンド(第1開放指定コマンド)である。また、コマンドA501(H)は、大当り中に第2大入賞口を開放することを指定する演出制御コマンド(第2開放指定コマンド)である。
コマンドFF03(H)は、第1大入賞口への遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(第1入賞検出指定コマンド)である。また、コマンドFF04(H)は、第2大入賞口への遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(第2入賞検出指定コマンド)である。
図68は、第4の実施の形態における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。図68において、ステップS1301〜S1303の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
大入賞口制御タイマに大当り表示時間をセットすると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1303a)。第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1303b)。第1開放フラグがセットされていなければ(この場合、第2開放フラグがセットされていることになる)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2開放指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1303c)。そして、ステップS1304に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り開始前であれば、第1開放指定コマンドまたは第2開放指定コマンドを他のタイミングで送信してもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)において、演出記憶情報コマンドを送信した次のタイマ割込のタイミングで、第1開放指定コマンドまたは第2開放指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信してもよい。
図68において、ステップS1304〜S1309の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
なお、第1大入賞口と第2大入賞口とのうち大当り中に開閉する方の大入賞口がラウンド毎に切り替わる場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放指定コマンドまたは第2開放指定コマンドをラウンド毎に送信するようにしてもよい。この場合、例えば、大当り遊技の進行段階に応じて決定する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、大入賞口開放前処理において、ラウンド数カウンタの値とあらかじめ備える対応テーブルの設定内容とにもとづいて、ラウンド毎に、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。そして、第1大入賞口を開放することを決定した場合には第1開放フラグをセットし、第2大入賞口を開放することを決定した場合には第2開放フラグをセットしてもよい。また、例えば、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、加算後のラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定してもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理において、第1大入賞口を開放することを特定した場合には第1開放フラグをセットし、第2大入賞口を開放することを特定した場合には第2開放フラグをセットしてもよい。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理において、大入賞口開放中表示コマンドを送信する(ステップS405参照)とともに、第1開放フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば第1開放指定コマンドを送信する。また、セットされてなければ第2開放指定コマンドを送信する。
また、大当り中に開閉する方の大入賞口がラウンド毎に切り替わる場合に、第1ラウンド開始時に第1開放指定コマンドまたは第2開放指定コマンドを送信した後、開放する方の大入賞口が切り替わるラウンドの開始時にのみ第1開放指定コマンドまたは第2開放指定コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、第1ラウンド〜第5ラウンドには第1大入賞口を開放し、第6ラウンド〜第10ランドには第2大入賞口を開放し、第11ラウンド〜第15ラウンドには第1大入賞口を開放する場合には、第1ラウンドで第1開放指定コマンドを送信した後、第6ラウンドで第2開放指定コマンドを送信し、第11ラウンドで第1開放指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図69は、第4の実施の形態における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。図69において、ステップS421〜S424およびステップS426〜S436の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS424参照)と、カウント数指定コマンドの送信処理(図23に示すステップS425参照)を行うことなく、そのままステップS426に移行する。
図70〜図72は、第4の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。図70において、ステップS1611〜S1625の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが、第1開放指定の演出制御コマンド(第1開放指定コマンド:A500(H))であれば(ステップS1625a)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中に第1大入賞口の開放が指定されたことを示す第1開放指定フラグをセットする(ステップS1625b)。
また、受信した演出制御コマンドが、第2開放指定の演出制御コマンド(第2開放指定コマンド:A501(H))であれば(ステップS1625c)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中に第2大入賞口の開放が指定されたことを示す第2開放指定フラグをセットする(ステップS1625d)。
図71において、ステップS1626〜S1633の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
また、受信した演出制御コマンドが、第1入賞検出指定の演出制御コマンド(第1入賞検出指定コマンドFF03(H))であれば(ステップS1634a)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理において用いる演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS1634b)。
演出制御プロセスフラグは、演出制御プロセス処理の進行状態に応じて(具体的には、演出制御プロセス処理におけるステップS800〜S807のいずれの処理の実行段階であるかに応じて)、その値が更新される。この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態に移行されている場合(具体的には、大当り表示処理(ステップS804)〜大当り終了演出処理(ステップS807)の実行段階である場合)には、演出制御プロセスフラグには「4」〜「7」の値がセットされる。また、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていない場合(具体的には、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)〜飾り図柄変動停止処理(ステップS803)の実行段階である場合)には、演出制御プロセスフラグには「0」〜「3」の値がセットされる。
そして、この実施の形態では、ステップS1634bにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるか否かを確認することによって、遊技状態が大当り遊技状態であるか否か(具体的には、ファンファーレ演出や、ラウンド中演出、インターバル演出、エンディング演出を実行している期間であるか否か)を確認する。すなわち、演出制御プロセスフラグの値が4以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていると判定する。また、演出制御プロセスフラグの値が4より小さければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていないと判定する。
演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でなければ(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でなければ)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口(この場合、第1大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを示す異常入賞フラグをセットする(ステップS1635a)。すなわち、第1大入賞口に遊技球が入賞するのは、本来、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、大当り遊技中の各ラウンド中において第1大入賞口が開状態となっているときのはずであるから、遊技状態が大当り遊技状態でないときには第1大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でない(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でない)にもかかわらず、第1入賞検出指定コマンドを受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、ステップS1634a,S1634bの処理において、まず第1入賞検出指定コマンドの受信判定を行ってから演出制御プロセスフラグの値を確認する処理を実行する場合を説明したが、それらの処理を実行する順番は逆でもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上であるか否かを確認する。次いで、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上でなければ、第1入賞検出指定コマンドを受信したか否かを確認する。そして、第1入賞検出指定コマンドを受信していれば、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞フラグをセットしてもよい。
演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態であれば)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2開放指定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1634c)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1635aに移行し、異常入賞フラグをセットする。すなわち、第2開放指定フラグがセットされているということは、大当り中に第2大入賞口を開放することが指定されている場合であるから、第1大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2開放指定コマンドを受信したにもかかわらず、第1入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して、異常入賞フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、第1入賞検出指定コマンドを受信したことを確認した後に、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上であった場合に第2開放指定フラグがセットされているか否かを確認する場合を示すが、ステップS1634cの第2開放指定フラグがセットされているか否かを確認した後に、ステップS1634aの第1入賞検出指定コマンドを受信したか否かを確認する処理を行うようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上であるか否かを確認し(ステップS1634b参照)、所定値以上であれば、第2開放指定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1634c)。そして、セットされていれば、第1入賞検出指定コマンドを受信したか否かを確認し(ステップS1634a参照)、受信していれば、異常入賞が発生したと判断して異常入賞フラグをセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したことを報知する異常入賞報知の実行時間を計測するための異常入賞報知期間計測タイマをセットする(ステップS1636a)。
ステップS1634cで第2開放指定フラグがセットされていなかった場合(すなわち、第1開放指定フラグがセットされていた場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口(この場合、第1大入賞口)への遊技球の入賞を検出したことを示す入賞検出フラグをセットする(ステップS1636b)。
また、受信した演出制御コマンドが、第2入賞検出指定の演出制御コマンド(第2入賞検出指定コマンドFF04(H))であれば(ステップS1634d)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理において用いる演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS1634e)。
演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でなければ(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でなければ)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口(この場合、第2大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを示す異常入賞フラグをセットする(ステップS1635b)。すなわち、第2大入賞口に遊技球が入賞するのは、本来、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、大当り遊技中の各ラウンド中において第2大入賞口が開状態となっているときのはずであるから、遊技状態が大当り遊技状態でないときには第2大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でない(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でない)にもかかわらず、第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、ステップS1634d,S1634eの処理において、まず第2入賞検出指定コマンドの受信判定を行ってから演出制御プロセスフラグの値を確認する処理を実行する場合を説明したが、それらの処理を実行する順番は逆でもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上であるか否かを確認する。次いで、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上でなければ、第2入賞検出指定コマンドを受信したか否かを確認する。そして、第2入賞検出指定コマンドを受信していれば、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞フラグをセットしてもよい。
演出制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態であれば)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1開放指定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1634f)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1635bに移行し、異常入賞フラグをセットする。すなわち、第1開放指定フラグがセットされているということは、大当り中に第1大入賞口を開放することが指定されている場合であるから、第2大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1開放指定コマンドを受信したにもかかわらず、第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して、異常入賞フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、第2入賞検出指定コマンドを受信したことを確認した後に、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上であった場合に第1開放指定フラグがセットされているか否かを確認する場合を示すが、ステップS1634fの第1開放指定フラグがセットされているか否かを確認した後に、ステップS1634dの第2入賞検出指定コマンドを受信したか否かを確認する処理を行うようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御プロセスフラグの値が所定値以上であるか否かを確認し(ステップS1634e参照)、所定値以上であれば、第1開放指定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1634f)。そして、セットされていれば、第2入賞検出指定コマンドを受信したか否かを確認し(ステップS1634d参照)、受信していれば、異常入賞が発生したと判断して異常入賞フラグをセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したことを報知する異常入賞報知の実行時間を計測するための異常入賞報知期間計測タイマをセットする(ステップS1636c)。
ステップS1634fで第1開放指定フラグがセットされていなかった場合(すなわち、第2開放指定フラグがセットされていた場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口(この場合、第2大入賞口)への遊技球の入賞を検出したことを示す入賞検出フラグをセットする(ステップS1636d)。
なお、図72において、ステップS1637〜S1641の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上の処理が実行されることによって、大当り遊技状態以外のときに大入賞口への入賞が検出された場合や、第1大入賞口を開放する大当りであるにもかかわらず第2大入賞口への入賞が検出された場合、第2大入賞口を開放する大当りであるにもかかわらず第1大入賞口への入賞が検出された場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100によって異常入賞が発生したと判定され、異常入賞フラグがセットされる。そして、第1の実施の形態と同様の処理に従って、エラー報知処理で異常入賞報知が実行される。
図73は、第4の実施の形態におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901a)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞数カウンタの値を1加算する(ステップS1901b)。入賞数カウンタとは、大当り遊技中のラウンド中に大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)に遊技球が入賞した数をカウントするためのカウンタである。すなわち、入賞検出フラグがセットされているということは、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合であるので、入賞数カウンタの値を1加算する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞検出フラグをリセットする(ステップS1901c)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1902)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータn(表示制御実行データn)に従って可変表示装置9の制御を実行する(ステップS1904D)。すなわち、この場合、異常入賞を検出したことにもとづいて、エラー報知処理(ステップS705参照)において所定の効果音の出力処理および所定のランプの点滅処理が行われている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各種ランプやスピーカ27の制御は行わず、可変表示装置9の制御のみを行う。具体的には、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行されるものの、各種ランプやスピーカ27を用いた異常入賞の報知処理は継続されることになる。なお、ステップS1904Dにおいて、可変表示装置9においてラウンド中表示を行うとともに、可変表示装置9の表示画面の一部に、異常入賞が発生した旨を表示するようにしてもよい。また、ステップS1904Dにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞数カウンタの値にもとづいて、可変表示装置9において入賞カウント数(そのラウンドにおける大入賞口への入賞数)を表示する。なお、突然確変大当りである場合には、可変表示装置9において入賞カウント数を表示しなくてもよい。
異常入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1905D)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、ステップS1905Dにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞数カウンタの値にもとづいて、可変表示装置9において入賞カウント数(そのラウンドにおける大入賞口への入賞数)を表示する。なお、突然確変大当りである場合には、可変表示装置9において入賞カウント数を表示しなくてもよい。
図73において、ステップS1906〜S1908の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS1901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1909)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグおよび入賞数カウンタをリセットし(ステップS1910D)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1911)。なお、ステップS1911〜S1913の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図74は、第4の実施の形態における第1大入賞口または第2大入賞口への遊技球の異常入賞を検出するタイミングおよび演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図74に示す例では、特別図柄および飾り図柄の可変表示の表示結果として大当り図柄を導出表示するとともに、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を説明する。
なお、図74に示す例では、大当り中に第1大入賞口を開放すると事前決定する場合を示すが、事前決定を行わずに、大当り遊技の進行段階に応じて(例えばラウンド毎に)、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、あらかじめラウンドと開閉対象の大入賞口とを対応付けた対応テーブルを備え、ラウンド毎に、対応テーブルに従って第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開閉するかを決定してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、対応テーブルの設定内容に従って、第1ラウンド〜第5ラウンドでは第1大入賞口を開閉し、第6ラウンド〜第10ラウンドでは第2大入賞口を開閉し、第11ラウンド〜第15ラウンドでは再び第1大入賞口を開閉する制御を行ってもよい。また、例えば、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、加算後のラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の切り替え条件が成立したことにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのうち開閉する方の大入賞口を切り替えるように制御してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デフォルトで第1開放フラグをセットするようにし、大当り中の第1ラウンドでは、まず第1大入賞口を開放するように制御する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1ラウンド中の第1大入賞口への遊技球の入賞数をカウントし、入賞数が所定値(例えば10)に達すると、所定の切り替え条件が成立したと判定して、第2開放フラグをセットする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2ラウンドを開始する際に、第2開放フラグをセットしたことにもとづいて、第2大入賞口を開放するように制御する(すなわち、開放する方の大入賞口を切り替える)。一方、入賞数が所定数(例えば10)に達しなかった場合には、所定の切り替え条件が成立しなかったと判断して、第2ラウンドを開始する際に、そのまま第1大入賞口を開放するように制御する(すなわち、開放する方の大入賞口の切り替えを行わない)。
大当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグをセットしたことにもとづいて、各ラウンドにおいて第1大入賞口を開閉する制御を行う(ステップS407,S433参照)。また、第1大入賞口スイッチ(第1カウントスイッチ23a)のオン状態を検出すると(ステップS113D参照)、第1入賞検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS114D参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560から、第1大入賞口を開放することを指定する第1開放指定コマンドとともに、ファンファーレコマンドを受信する。なお、いずれの大入賞口を開放するかをラウンド毎に切り替える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド毎に第1開放指定コマンドを受信する。また、いずれの大入賞口を開放するかをラウンド毎に切り替える場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放パターンを特定可能な演出制御コマンド(開放パターン特定コマンド)を1回だけ送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、開放パターン特定コマンドおよび大入賞口開放中表示コマンドにもとづいて、いずれの大入賞口が開放されるかを特定してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドを受信したことにもとづいて、ファンファーレ演出(大当り表示および大当り表示対応の音/ランプ出力)を行う(ステップS1877,S1879,S903,S904参照)。そして、大当り遊技中において、第1大入賞口の開放中にはラウンド中演出を行い(ステップS1904D,S1905D参照)、第1大入賞口の閉成中にはインターバル演出を行う(ステップS1974,S1975参照)。
なお、ラウンド中に第1入賞検出指定コマンドをした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値をカウントする(ステップS1901b参照)。そして、入賞数カウンタの値にもとづいて、可変表示装置9に入賞カウント数を表示する(ステップS1904D,S1905D参照)。図74に示すA点では第1ラウンドにおいて最初に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値を「1」に更新する。そして、入賞数カウンタの値「1」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「1」を表示する。また、図74に示すB点では第1ラウンドにおいて2番目に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値を「2」に更新する。そして、入賞数カウンタの値「2」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「2」を表示する。さらに、図74に示すC点では最終ラウンドにおいて最初に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値を「1」に更新する。そして、入賞数カウンタの値「1」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「1」を表示する。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1開放指定コマンドを受信したにもかかわらず、第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して異常入賞フラグをセットする(ステップS1634d,S1634f,S1635b参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図74に示すように、スピーカ27を用いて所定の効果音を出力し、所定のランプを点滅させることによって、異常入賞が発生したことを異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトするまで所定期間(例えば30秒)報知する(ステップS1663〜S1667参照)。この場合、大当り遊技中に異常入賞報知を開始した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図74に示すように、可変表示装置9において大当り遊技中の演出表示(大当り表示やラウンド中表示、インターバル表示、エンディング表示)を行うとともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に異常入賞報知を開始し、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトする前に、大当り遊技を終了するとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合には、図74に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS825,S826,S1845,S1846参照)とともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続して行う(ステップS1663〜S1667参照)。そして、飾り図柄の変動開始後に異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトすると、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667参照)、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を終了する。そして、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示に加えて、変動表示に対応する音を出力しランプの点灯表示を行う(ステップS827,S1847参照)。
図74に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1大入賞口を開放する大当りである場合に、第2入賞検出指定コマンドを受信すると、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知を実行する。また、飾り図柄の変動表示が開始された場合であっても、飾り図柄の変動表示を実行しつつ、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続する。
以上のように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1可変入賞装置20aが開閉されているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2入賞検出指定コマンドを受信すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生した異常入賞を検出する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞を検出すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、複数の大入賞口を備えた遊技機において、開放対象の大入賞口以外の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からファンファーレコマンドを受信するとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した第1開放指定コマンドにより第1可変入賞装置20aの開閉を特定したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2入賞検出指定コマンドを受信すると、異常入賞を検出する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの可変入賞装置20a,20bを開閉すると決定されているかを確実に判定して、異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されているときに、入賞数カウンタを用いて計数した入賞検出指定コマンドの受信回数を、大入賞口への遊技球の入賞回数(入賞カウント数)として表示する。そのため、入賞検出指定コマンドに、大入賞口への遊技球の入賞を検出したことと、大入賞口への遊技球の入賞回数の表示の更新を指定することとの2つの意味をもたせることができる。従って、大入賞口への遊技球の入賞回数の表示の更新を指定する演出制御コマンド(例えば、大当り遊技中の各ラウンド中における10カウント表示を指定するコマンド)を遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する必要をなくすことができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンド数を削減することができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技中に異常入賞が発生したと判定した場合に、大当り中の表示処理を行いながら異常入賞報知を行う場合を説明したが、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始するようにしてもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図47に示したエラー報知処理と同様の処理を実行することによって、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始するようにすればよい。
図75は、第4の実施の形態において大当り遊技中に異常入賞が発生したと判定した場合に、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始する場合の異常入賞を検出するタイミングおよび演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図75に示す例では、図74で示した例と同様に、特別図柄および飾り図柄の可変表示の表示結果として大当り図柄を導出表示するとともに、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を説明する。
図75に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したと判定し異常入賞フラグをセットしたとしても、大当り遊技中であれば異常入賞報知を実行しないように制御する(ステップS1663AのY参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図75に示すように、大当り遊技を終了し、演出制御プロセスフラグの値として「0」(変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値)をセットする(ステップS981参照)と、異常入賞報知を開始する(ステップS1663AのN、ステップS1664参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知の開始後、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトする前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合には、図75に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS825,S826,S1845,S1846参照)とともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続して行う(ステップS1663〜S1667参照)。そして、飾り図柄の変動開始後に異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトすると、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667参照)、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を終了する。そして、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示に加えて、変動表示に対応する音を出力しランプの点灯表示を行う(ステップS827,S1847参照)。
以上のように、図75に示したように構成すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が検出され異常入賞報知コマンドを受信すると、大当り遊技状態が終了したのちに、異常報知を開始する。そのため、大当り遊技状態に対応する演出を行った上で異常報知を行うことができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示が実行されているときであっても、所定期間(例えば30秒)を経過するまで異常報知を継続する。そのため、異常報知を開始した後に直ちに飾り図柄の可変表示が開始される場合であっても、大入賞口への遊技球の異常入賞が発生したことを確実に報知することができる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態でないときに入賞検出指定コマンドを受信したか否かを判断することによって異常入賞の有無を検出する場合を説明したが、異常入賞の有無を検出するためには大入賞口の開放中の入賞であるか否かを確認すればよい。そのため、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口の開放期間のみ所定のフラグをセットしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、大入賞口開放表示コマンドを受信したときに所定のフラグをセットし、大入賞口開放後表示コマンドを受信してから所定期間(大入賞口の閉鎖直前に入賞した遊技球がカウントスイッチ23で検出されるまでの期間)経過したときに所定のフラグをリセットする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、その所定のフラグがセットされていないときに入賞検出指定コマンドを受信すると、異常入賞が発生したと判定してもよい。なお、この場合、第1大入賞口を開放する場合と第2大入賞口を開放する場合とで別のフラグ(第1開放フラグと第2開放フラグ)をセットするようにし、例えば、第1開放フラグをセットしているときに第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞と判定して異常入賞報知を行うようにしてもよい。
実施の形態5.
第4の実施の形態では、具体的な演出内容を指定する演出制御コマンド(例えば、ファンファーレコマンドや大入賞口開放中表示コマンド、エンディングコマンド)とは別に、第1大入賞口または第2大入賞口のうちのいずれを開放するかを指定する専用の演出制御コマンド(第1開放指定コマンド、第2開放指定コマンド)を送信する場合を説明したが、専用の演出制御コマンドを用いずにいずれの大入賞口を開放するかを指定するようにしてもよい。以下、専用の演出制御コマンドを用いずにいずれの大入賞口を開放するかを指定する第5の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態〜第4の実施の形態と異なる部分について説明する。
図76は、第5の実施の形態における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、図76に示すように、演出制御コマンドとして図67に示した第1開放指定コマンド(コマンドA500(H))および第2開放指定コマンド(コマンドA501(H))を用いない点で、第4の実施の形態と異なる、また、図67で示したファンファーレコマンドA000(H)〜A001(H)に代えて、ファンファーレコマンドA000(H)〜A003(H)を用いる点で、第4の実施の形態と異なる。
コマンドA000(H)は、大当り中に第1大入賞口を開放することを指定するとともに、通常大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、大当り中に第1大入賞口を開放することを指定するとともに、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、大当り中に第2大入賞口を開放することを指定するとともに、通常大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第3ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、大当り中に第2大入賞口を開放することを指定するとともに、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第4ファンファーレ指定コマンド)である。
図77は、第5の実施の形態における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。図77において、ステップS1301〜S1303の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
大入賞口制御タイマに大当り表示時間をセットすると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1304)。確変大当りフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1304a)。第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口の開放を指定するとともに確変大当りを指定する第2ファンファーレコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1305a)。第1開放フラグがセットされていなければ(この場合、第2開放フラグがセットされていることになる)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大入賞口の開放を指定するとともに確変大当りを指定する第4ファンファーレコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1305b)。そして、ステップS1307に移行する。
確変大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1304b)。第1開放フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口の開放を指定するとともに通常大当りを指定する第1ファンファーレコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1306a)。第1開放フラグがセットされていなければ(この場合、第2開放フラグがセットされていることになる)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大入賞口の開放を指定するとともに通常大当りを指定する第3ファンファーレコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1306b)。そして、ステップS1307に移行する。
なお、ファンファーレコマンドに限らず、大当り開始前に送信するコマンドであれば、第1大入賞口の開放であるか第2大入賞口の開放であるかを指定する他の演出制御コマンドを送信してもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口の開放であるか第2大入賞口の開放であるかを指定する変動パターンコマンドや表示結果コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
図77において、ステップS1307〜S1309の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
なお、第1大入賞口と第2大入賞口とのうち大当り中に開閉する方の大入賞口がラウンド毎に切り替わる場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド中の表示を指定するとともに、いずれの大入賞口を開放するかを指定する大入賞口開放中表示コマンドを、ラウンド毎に送信するようにしてもよい。この場合、例えば、大当り遊技の進行段階に応じて決定する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、大入賞口開放前処理において、ラウンド数カウンタの値とあらかじめ備える対応テーブルの設定内容とにもとづいて、ラウンド毎に、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを決定してもよい。そして、第1大入賞口を開放することを決定した場合には第1開放フラグをセットし、第2大入賞口を開放することを決定した場合には第2開放フラグをセットしてもよい。また、例えば、第1大入賞口と第2大入賞口とを切り替えて開放することを事前決定している場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、加算後のラウンド数カウンタの値と、あらかじめ大入賞口開放パターン設定用テーブル(図18参照)を用いて事前決定した開放パターンの内容とにもとづいて、第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれを開放するかを特定してもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理において、第1大入賞口を開放することを特定した場合には第1開放フラグをセットし、第2大入賞口を開放することを特定した場合には第2開放フラグをセットしてもよい。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理において、大入賞口開放中表示コマンドを送信する(ステップS405参照)際に、第1開放フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、ラウンド中の表示を指定するとともに第1大入賞口を開放することを指定する第1大入賞口開放中表示コマンドを送信する。また、セットされてなければ、ラウンド中の表示を指定するとともに第2大入賞口を開放することを指定する第2大入賞口開放中表示コマンドを送信する。
図78は、第5の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、コマンド解析処理のステップS1626〜S1641の処理は、第4の実施の形態で示したそれらの処理と同様であるため、図78では記載省略している。図78において、ステップS1611〜S1619の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが、第1ファンファーレコマンドまたは第2ファンファーレコマンド(コマンドA000(H),A001(H))であれば(ステップS1620a)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1621a)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1622a)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1開放指定フラグをセットする(ステップS1622c)。
受信した演出制御コマンドが、第3ファンファーレコマンドまたは第4ファンファーレコマンド(コマンドA002(H),A003(H))であれば(ステップS1620b)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1621b)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1622b)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2開放指定フラグをセットする(ステップS1622d)。
なお、図78において、ステップS1623〜S1625の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したファンファーレコマンドにもとづいて、第1大入賞口又は第2大入賞口のうちのいずれを開放すると指定されているかを判断し、第1開放指定フラグまたは第2開放指定フラグをセットする。また、セットした第1開放指定フラグまたは第2開放指定フラグにもとづいて、ステップS1634a〜S1636dの処理で、異常入賞が発生したか否かを判定し、異常入賞が発生したと判定すると異常入賞フラグをセットすることになる。そして、異常入賞フラグをセットしたことにもとづいて、エラー報知処理において異常入賞報知が実行されることになる。
図79は、第5の実施の形態における第1大入賞口または第2大入賞口への遊技球の異常入賞を検出するタイミングおよび演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図79に示す例では、特別図柄および飾り図柄の可変表示の表示結果として大当り図柄を導出表示するとともに、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を説明する。
大当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1開放フラグをセットしたことにもとづいて、各ラウンドにおいて第1大入賞口を開閉する制御を行う(ステップS407,S433参照)。また、第1大入賞口スイッチ(第1カウントスイッチ23a)のオン状態を検出すると(ステップS113D参照)、第1入賞検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS114D参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560から、第1大入賞口を開放することを指定するとともに大当り遊技の開始を指定するファンファーレコマンド(第1ファンファーレコマンドまたは第2ファンファーレコマンド)を受信する。なお、いずれの大入賞口を開放するかをラウンド毎に切り替える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド毎に第1大入賞口を開放することを指定するとともにラウンド中の表示を指定する第1大入賞口開放中表示コマンドを受信することになる。また、いずれの大入賞口を開放するかをラウンド毎に切り替える場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放パターンを特定可能なファンファーレコマンドを1回だけ送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドおよび大入賞口開放中表示コマンドにもとづいて、いずれの大入賞口が開放されるかを特定してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドを受信したことにもとづいて、ファンファーレ演出(大当り表示および大当り表示対応の音/ランプ出力)を行う(ステップS1877,S1879,S903,S904参照)。そして、大当り遊技中において、第1大入賞口の開放中にはラウンド中演出を行い(ステップS1904D,S1905D参照)、第1大入賞口の閉成中にはインターバル演出を行う(ステップS1974,S1975参照)。
なお、ラウンド中に第1入賞検出指定コマンドをした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値をカウントする(ステップS1901b参照)。そして、入賞数カウンタの値にもとづいて、可変表示装置9に入賞カウント数を表示する(ステップS1904D,S1905D参照)。図79に示すA点では第1ラウンドにおいて最初に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値を「1」に更新する。そして、入賞数カウンタの値「1」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「1」を表示する。また、図79に示すB点では第1ラウンドにおいて2番目に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値を「2」に更新する。そして、入賞数カウンタの値「2」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「2」を表示する。さらに、図79に示すC点では最終ラウンドにおいて最初に第1大入賞口への入賞が検出された場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第1入賞検出指定コマンドにもとづいて、入賞数カウンタの値を「1」に更新する。そして、入賞数カウンタの値「1」にもとづいて可変表示装置9に入賞カウント数「1」を表示する。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1ファンファーレコマンドまたは第2ファンファーレコマンドを受信したにもかかわらず、第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して異常入賞フラグをセットする(ステップS1634d,S1634f,S1635b参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図79に示すように、スピーカ27を用いて所定の効果音を出力し、所定のランプを点滅させることによって、異常入賞が発生したことを異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトするまで所定期間(例えば30秒)報知する(ステップS1663〜S1667参照)。この場合、大当り遊技中に異常入賞報知を開始した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図79に示すように、可変表示装置9において大当り遊技中の演出表示(大当り表示やラウンド中表示、インターバル表示、エンディング表示)を行うとともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に異常入賞報知を開始し、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトする前に、大当り遊技を終了するとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合には、図79に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS825,S826,S1845,S1846参照)とともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続して行う(ステップS1663〜S1667参照)。そして、飾り図柄の変動開始後に異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトすると、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667参照)、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を終了する。そして、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示に加えて、変動表示に対応する音を出力しランプの点灯表示を行う(ステップS827,S1847参照)。
図79に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1大入賞口を開放する大当りである場合に、第2入賞検出指定コマンドを受信すると、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞報知を実行する。また、飾り図柄の変動表示が開始された場合であっても、飾り図柄の変動表示を実行しつつ、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続する。
以上のように、この実施の形態によれば、第4の実施の形態と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1可変入賞装置20aが開閉されているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2入賞検出指定コマンドを受信すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生した異常入賞を検出する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞を検出すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、複数の大入賞口を備えた遊技機において、開放対象の大入賞口以外の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したファンファーレコマンド(または大入賞口開放中表示コマンド)により第1可変入賞装置20aの開閉を特定したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2入賞検出指定コマンドを受信すると、異常入賞を検出する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの可変入賞装置20a,20bを開閉すると決定されているかを確実に判定して、異常報知を行うことができる。また、ファンファーレコマンド(または大入賞口開放中表示コマンド)に、いずれの可変入賞装置20a,20bを開閉すると決定されているかと、大当り遊技状態に対応して演出用の電気部品(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ25,20a,28b,28c)を制御させることとの2つの意味をもたせることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンド数を削減することができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技中に異常入賞が発生したと判定した場合に、大当り中の表示処理を行いながら異常入賞報知を行う場合を説明したが、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始するようにしてもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図47に示したエラー報知処理と同様の処理を実行することによって、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始するようにすればよい。
図80は、第5の実施の形態において大当り遊技中に異常入賞が発生したと判定した場合に、大当り遊技を終了してから異常入賞報知を開始する場合の異常入賞を検出するタイミングおよび演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図80に示す例では、図79で示した例と同様に、特別図柄および飾り図柄の可変表示の表示結果として大当り図柄を導出表示するとともに、大当り中に第1大入賞口を開閉すると決定された場合を説明する。
図80に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したと判定し異常入賞フラグをセットしたとしても、大当り遊技中であれば異常入賞報知を実行しないように制御する(ステップS1663AのY参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図80に示すように、大当り遊技を終了し、演出制御プロセスフラグの値として「0」(変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値)をセットする(ステップS981参照)と、異常入賞報知を開始する(ステップS1663AのN、ステップS1664参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知の開始後、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトする前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合には、図80に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS825,S826,S1845,S1846参照)とともに、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を継続して行う(ステップS1663〜S1667参照)。そして、飾り図柄の変動開始後に異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトすると、異常入賞フラグをリセットし(ステップS1667参照)、スピーカ27および各ランプを用いた異常入賞報知を終了する。そして、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示に加えて、変動表示に対応する音を出力しランプの点灯表示を行う(ステップS827,S1847参照)。
以上のように、図80に示したように構成すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が検出され異常入賞報知コマンドを受信すると、大当り遊技状態が終了したのちに、異常報知を開始する。そのため、大当り遊技状態に対応する演出を行った上で異常報知を行うことができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示が実行されているときであっても、所定期間(例えば30秒)を経過するまで異常報知を継続する。そのため、異常報知を開始した後に直ちに飾り図柄の可変表示が開始される場合であっても、大入賞口への遊技球の異常入賞が発生したことを確実に報知することができる。
実施の形態6.
第4の実施の形態および第5の実施の形態では、演出制御基板80を用いて全ての演出手段(可変表示装置9、音出力装置(スピーカ)27および各ランプ25,28a,28b,28c)を制御する場合を説明したが、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御してもよい。以下、音出力装置27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御基板と、可変表示装置9を制御する図柄制御基板とを備えた第6の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第4の実施の形態および第5の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第4の実施の形態および第5の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、遊技機は、図62で示した中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aと同様の回路構成を備える。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、可変表示装置9の表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。また、この実施の形態では、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄制御用マイクロコンピュータ100aによって実現される。また、電気部品制御手段は、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bによって実現される。
図81および図82は、第6の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、コマンド解析処理のステップS1611〜S1625dの処理は、第4の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するそれらの処理と同様であるため、図81および図82では記載省略している。また、図81において、ステップS1626〜S1633の処理は、第4の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するそれらの処理と同様である
受信した演出制御コマンドが、第1入賞検出指定の演出制御コマンド(第1入賞検出指定コマンドFF03(H))であれば(ステップS1634a)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音/ランプ制御プロセス処理において用いる音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS1634g)。
この実施の形態では、ステップS1634gにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音/ランプ制御プロセスフラグの値が4以上であるか否かを確認することによって、遊技状態が大当り遊技状態であるか否か(具体的には、ファンファーレ演出や、ラウンド中演出、インターバル演出、エンディング演出を実行している期間であるか否か)を確認する。すなわち、音/ランプ制御プロセスフラグの値が4以上であれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていると判定する。また、音/ランプ制御プロセスフラグの値が4より小さければ、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技状態が大当り遊技状態に移行されていないと判定する。
音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でなければ(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でなければ)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、大入賞口(この場合、第1大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを示す異常入賞フラグをセットする(ステップS1635a)。すなわち、第1大入賞口に遊技球が入賞するのは、本来、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、大当り遊技中の各ラウンド中において第1大入賞口が開状態となっているときのはずであるから、遊技状態が大当り遊技状態でないときには第1大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でない(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でない)にもかかわらず、第1入賞検出指定コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞フラグをセットする。
音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態であれば)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2開放指定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1634c)。セットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1635aに移行し、異常入賞フラグをセットする。すなわち、第2開放指定フラグがセットされているということは、大当り中に第2大入賞口を開放することが指定されている場合であるから、第1大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100は、第2開放指定コマンドを受信したにもかかわらず、第1入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して、異常入賞フラグをセットする。
そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞が発生したことを報知する異常入賞報知の実行時間を計測するための異常入賞報知期間計測タイマをセットする(ステップS1636a)。
ステップS1634cで第2開放指定フラグがセットされていなかった場合(すなわち、第1開放指定フラグがセットされていた場合)には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100は、第1入賞検出指定コマンドをそのまま図柄制御基板80aに転送する処理を実行する(ステップS1636e)。具体的には、ステップS1636eにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、RAMの演出制御コマンドの設定用の領域に所定値を設定する。そして、コマンド制御処理(ステップS888参照)において、RAMの領域に設定されている設定値に従って、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)によって、実際に演出制御コマンドが図柄制御基板80aに送信される。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した第1入賞検出指定コマンドをそのまま送信するのではなく、受信した第1入賞検出指定コマンドに加工を施して図柄制御基板80aに送信してもよい。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ラウンド中の入賞数をカウントし(第4の実施の形態で示したステップS1901a〜S1901c参照)、カウント数にもとづいて入賞数を特定可能な第1入賞検出指定コマンドを作成して送信してもよい。また、例えば、入賞数に対応する第1入賞検出指定コマンドをあらかじめ複数用意しておき、カウント数に対応する第1入賞検出指定コマンドを送信してもよい。
また、受信した演出制御コマンドが、第2入賞検出指定の演出制御コマンド(第2入賞検出指定コマンドFF04(H))であれば(ステップS1634d)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音/ランプ制御プロセス処理において用いる音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS1634h)。
音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でなければ(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でなければ)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、大入賞口(この場合、第2大入賞口)への遊技球の異常入賞が発生したことを示す異常入賞フラグをセットする(ステップS1635b)。すなわち、第2大入賞口に遊技球が入賞するのは、本来、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、大当り遊技中の各ラウンド中において第2大入賞口が開状態となっているときのはずであるから、遊技状態が大当り遊技状態でないときには第2大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上でない(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態でない)にもかかわらず、第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞が発生したと判定し、異常入賞フラグをセットする。
音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値(例えば4)以上であれば(すなわち、遊技状態が大当り遊技状態であれば)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1開放指定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1634f)。セットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1635bに移行し、異常入賞フラグをセットする。すなわち、第1開放指定フラグがセットされているということは、大当り中に第1大入賞口を開放することが指定されている場合であるから、第2大入賞口への遊技球の入賞は検出されないはずである。したがって、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1開放指定コマンドを受信したにもかかわらず、第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して、異常入賞フラグをセットする。
そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞が発生したことを報知する異常入賞報知の実行時間を計測するための異常入賞報知期間計測タイマをセットする(ステップS1636c)。
ステップS1634fで第1開放指定フラグがセットされていなかった場合(すなわち、第2開放指定フラグがセットされていた場合)には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2入賞検出指定コマンドをそのまま図柄制御基板80aに転送する処理を実行する(ステップS1636f)。具体的には、ステップS1636fにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、RAMの演出制御コマンドの設定用の領域に所定値を設定する。そして、コマンド制御処理(ステップS888参照)において、RAMの領域に設定されている設定値に従って、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)によって、実際に演出制御コマンドが図柄制御基板80aに送信される。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した第2入賞検出指定コマンドをそのまま送信するのではなく、受信した第2入賞検出指定コマンドに加工を施して図柄制御基板80aに送信してもよい。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ラウンド中の入賞数をカウントし(第4の実施の形態で示したステップS1901a〜S1901c参照)、カウント数にもとづいて入賞数を特定可能な第2入賞検出指定コマンドを作成して送信してもよい。また、例えば、入賞数に対応する第2入賞検出指定コマンドをあらかじめ複数用意しておき、カウント数に対応する第2入賞検出指定コマンドを送信してもよい。
なお、図82において、ステップS1637〜S1641の処理は、第4の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するそれらの処理と同様である。
以上の処理が実行されることによって、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1開放指定コマンドを受信すると第1開放指定フラグをセットする。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2開放指定コマンドを受信すると第2開放指定フラグをセットする。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、コマンド解析処理において、第2開放指定フラグがセットされているにもかかわらず第1入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して異常入賞フラグをセットする(ステップS1634a,S1634c,S1635a参照)。また、第1開放指定フラグがセットされているにもかかわらず第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して異常入賞フラグをセットする(ステップS1634d,S1634f,S1635b参照)。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、図64と同様の処理に従ってエラー報知処理を実行し、異常入賞フラグがセットされている場合には、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常入賞報知を実行する(ステップS1663〜S1667参照)。
または、いずれの大入賞口を開放するかをラウンド毎に切り替える場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、図78に示した演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理と同様の処理に従ってコマンド解析処理を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1ファンファーレコマンドまたは第2ファンファーレコマンド(または第1大入賞口開放中表示コマンド)を受信すると第1開放指定フラグをセットする。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第3ファンファーレコマンドまたは第4ファンファーレコマンド(または第2大入賞口開放中表示コマンド)を受信すると第2開放指定フラグをセットする。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、コマンド解析処理において、第2開放指定フラグがセットされているにもかかわらず第1入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して異常入賞フラグをセットする(ステップS1634a,S1634c,S1635a参照)。また、第1開放指定フラグがセットされているにもかかわらず第2入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞が発生したと判定して異常入賞フラグをセットする(ステップS1634d,S1634f,S1635b参照)。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、図64と同様の処理に従ってエラー報知処理を実行し、異常入賞フラグがセットされている場合には、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常入賞報知を実行する(ステップS1663〜S1667参照)。
以上のように、この実施の形態によれば、第4の実施の形態または第5の実施の形態で示した演出制御用マイクロコンピュータ100と同様に、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1可変入賞装置20aが開閉されているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2入賞検出指定コマンドを受信すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生した異常入賞を検出する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞を検出すると、大入賞口への遊技球の入賞状態に異常が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、複数の大入賞口を備えた遊技機において、開放対象の大入賞口以外の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、音/ランプ制御プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が発生したか否かを判定し、異常入賞が発生したと判定した場合には異常入賞報知を実行する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞が発生していない(音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値以上である)と判定したときのみ第1入賞検出指定コマンドまたは第2入賞検出指定コマンドを図柄制御基板80aに転送する。したがって、異常入賞が発生した(音/ランプ制御プロセスフラグの値が所定値以上でない)と判定したときに、第1入賞検出指定コマンドまたは第2入賞検出指定コマンドを図柄制御基板80aに転送する手間を省くことができ、コマンド送信の制御負担を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを用いて異常入賞を報知する場合を説明したが、可変表示装置9に所定のエラー報知画面を表示することのみによって報知するようにしてもよい。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、エラー報知処理において異常入賞報知を行わないように制御し、異常入賞を検出したことにもとづいて、異常入賞を報知することを指定する異常入賞報知コマンドを図柄制御基板80aに送信するようにしてもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した異常入賞報知コマンドにもとづいて、可変表示装置9を用いて異常入賞報知を行うようにしてもよい。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、異常入賞の検出処理を行わずに入賞検出指定コマンドをそのまま図柄制御基板80aに転送するようにしてもよい。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した入賞検出指定コマンドにもとづいて異常入賞の発生の有無を判定し、異常入賞が発生したと判定すると、可変表示装置9を用いて異常入賞報知を行ってもよい。
なお、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、音/ランプ制御基板80bに搭載された音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを図柄制御基板80aに搭載された図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送する場合を説明したが、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが、最初に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに転送するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、遊技機が図柄制御基板80aと音/ランプ制御基板80bとを備える場合を説明したが、他の種類の制御基板を複数備えるものであってもよい。例えば、遊技機は、可変表示装置9とスピーカ27とを制御する図柄/音制御基板と、各ランプ25,28a,28b,28cを制御するランプ制御基板とを備えていてもよい。この場合、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄/音制御基板が搭載する図柄/音制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、電気部品制御手段は、各ランプを制御するランプ制御基板が搭載するランプ制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、例えば、遊技機は、可変表示装置9と各ランプ25,28a,28b,28cとを制御する図柄/ランプ制御基板と、スピーカ27を制御する音制御基板とを備えていてもよい。この場合、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄/ランプ制御基板が搭載する図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、電気部品制御手段は、スピーカを制御する音制御基板が搭載する音制御用マイクロコンピュータによって実現される。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。