JP2008046563A - 光学モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い位置決め精度でレンズを強固に固定できる光学モジュールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 レンズ部(14a)および取付部(14b)を有するレンズ部材(14)と、取付部でレンズ部材を保持する保持部材(11)とを有する光学モジュールである。取付部は、照射されたレーザー光を透過する被融着部(23)と、レンズ部の光軸方向の位置決め基準となる第1位置決め部(24)とを有する。保持部材は、取付部よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されているとともに、被融着部に対向して配置されてレーザー光により被融着部と融着する融着部(19)と、融着した状態で第1位置決め部と当接してレンズ部材を位置決めする第2位置決め部(20)とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明はカメラ等に組み込まれる光学モジュールについて、該光学モジュールの光学部材と保持部材との取付構造に関する。
カメラ等に組み込まれる焦点検出装置では、二次結像レンズの位置ずれがあると測距誤差が生じる。そのため、上記の焦点検出装置をはじめとする光学モジュールでは、保持部材にレンズを高い精度で位置決めして固定することが要求される。特に近年では、光学モジュールの組み立てにおいて、レーザー光による融着で保持部材にレンズを固定する手法が提案されている。例えば、特許文献1に上記の光学モジュールの構成の一例を示す。
特開2005−316045号公報
しかし、従来の技術では、レーザー融着で保持部材にレンズを単に固定しているにすぎない。そのため、レーザー光の照射量などの加工条件の設定によっては、融着後のレンズの位置決め精度が十分に確保できない点で改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の課題を解決するためのものである。本発明の目的は、高い位置決め精度でレンズを強固に固定できる光学モジュールおよびその製造方法を提供することである。
第1の発明は、レンズ部および取付部を有するレンズ部材と、取付部でレンズ部材を保持する保持部材とを有する光学モジュールである。取付部は、照射されたレーザー光を透過する被融着部と、レンズ部の光軸方向の位置決め基準となる第1位置決め部と、を有する。保持部材は、取付部よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されているとともに、被融着部に対向して配置されてレーザー光により被融着部と融着する融着部と、融着した状態で第1位置決め部と当接してレンズ部材を位置決めする第2位置決め部と、を有する。
第2の発明は、レンズ部および取付部を有するレンズ部材と、取付部でレンズ部材を保持する保持部材とを有する光学モジュールである。保持部材は、取付部よりもレーザー光の波長の透過率が高い材質で形成されているとともに、被融着部と、レンズ部の光軸方向の位置決め基準となる第2位置決め部と、を有する。取付部は、被融着部に対向して配置されてレーザー光により被融着部と融着する融着部と、融着した状態で第2位置決め部と当接してレンズ部材を位置決めする第1位置決め部と、を有する。
第3の発明は、第2の発明において、取付部は、保持部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されている。
第4の発明は、レンズ部を有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法である。この発明では、レンズ部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で保持部材を形成する。また、レンズ部材を保持部材に保持した状態で、保持部材に設けた融着部に向けてレーザー光をレンズ部材を介して照射することでレンズ部材および保持部材を融着する。そして、融着の際に、レンズ部材に設けた第1位置決め部と保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させてレンズ部材を保持部材に位置決めする。
第5の発明は、レンズ部を有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法である。この発明では、レンズ部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い被膜を保持部材に設けた融着部に形成する。また、レンズ部材を保持部材に保持した状態で、融着部に向けてレーザー光をレンズ部材を介して照射することでレンズ部材および保持部材を融着する。そして、融着の際に、レンズ部材に設けた第1位置決め部と保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させてレンズ部材を保持部材に位置決めする。
第6の発明は、レンズ部と融着部とを有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法である。この発明では、レンズ部材よりもレーザー光の波長の透過率が高い材質で保持部材を形成する。また、保持部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で融着部を形成する。さらに、レンズ部材を保持部材に保持した状態で、保持部材を介して融着部にレーザー光を照射することでレンズ部材および保持部材を融着する。そして、融着の際に、レンズ部材に設けた第1位置決め部と保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させてレンズ部材を保持部材に位置決めする。
第7の発明は、レンズ部と融着部とを有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法である。この発明では、レンズ部材よりもレーザー光の波長の透過率が高い材質で保持部材を形成する。また、レンズ部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い被膜を融着部に形成する。さらに、レンズ部材を保持部材に保持した状態で、保持部材を介して融着部にレーザー光を照射することでレンズ部材および保持部材を融着する。そして、融着の際に、レンズ部材に設けた第1位置決め部と保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させてレンズ部材を保持部材に位置決めする。
第8の発明は、第4から第7のいずれかの発明において、融着前にレンズ部材を保持部材に保持した状態では、レンズ部材および保持部材が融着部を介して接触するとともに、第1位置決め部および第2位置決め部が離間している。そして、融着の際に、融着部の融解によって第1位置決め部および第2位置決め部が当接する。
本発明の光学モジュールでは、一方の部材を透過して融着部に照射されたレーザー光によってレンズ部材と保持部材とを融着して強固に固定できる。また、融着状態の光学モジュールでは、第1位置決め部と第2位置決め部との当接によって、レンズ部の光軸方向の位置決めを高い精度で行うことができる。
(第1実施形態の説明)
図1から図7は本発明の光学モジュールの第1実施形態を示す図である。第1実施形態では、光学モジュールがカメラの焦点検出装置を構成する。
焦点検出装置は、レンズ保持部材11と、入射光の赤外線成分を除去する赤外カットフィルタ12と、絞りマスク13と、セパレータレンズ14と、光学センサパッケージ15と、折り返しミラー10とを備えている。
レンズ保持部材11は焦点検出装置の本体部分を構成する。このレンズ保持部材11には焦点検出装置の各構成部品が位置決めされて取り付けられる。
ここで、レンズ保持部材11は、後述のレーザー光の波長の吸収率がセパレータレンズ14よりも高い材質で形成されている。例えば、レンズ保持部材11は、光吸収性の高い充填材を分散させた熱可塑性樹脂(プラスチックなど)で成形される。光吸収性の高い充填材としては、例えば、カーボンブラック等の顔料系色素やアルミ等の金属粉などが該当する。また、レーザー光の波長の光をよく吸収する波長選択性の光吸収剤を上記の充填材に用いてもよい。例えば、紫外線レーザー(波長250nm〜350nm程度)で融着を行う場合には、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、高分子型紫外線吸収剤などを充填材に用いることができる。勿論、赤外線レーザーで融着を行う場合には、公知の赤外線吸収剤を充填材に用いてもよい。
図1においてレンズ保持部材11の上面側(入射側)および左下側(センサ取付側)には開口部が形成され、入射側の開口部には測距光束を分離して不要な光束を除去するための視野マスク16が取り付けられている。視野マスク16には、被写体からの光束を通過させるために矩形状の開口16aが複数形成されている。
また、図2(a)は図1の背面側からレンズ保持部材11を見た状態を示す図である。レンズ保持部材11のセンサ取付部分の背面には開口部が形成されている。そして、レンズ保持部材11の内部には、コンデンサレンズ(不図示)が入射側の上面部に組み込まれる。また、レンズ保持部材11の背面側の開口部は、コンデンサレンズの組み付け後に折り返しミラー10が取り付けられて塞がれる。この折り返しミラー10は、コンデンサレンズを透過した光束を反射させてセンサ取付側の開口部11aに導く役目を果たす。なお、レンズ保持部材11に折り返しミラー10を取り付けた状態を図2(b)に示す。
さらに、図3に示すようにセンサ取付側の開口部11aの周囲にはセパレータレンズ14の外形に対応する凹陥部11bが形成される。この凹陥部11bには組み立て順に、赤外カットフィルタ12、絞りマスク13およびセパレータレンズ14が配置される。そして、セパレータレンズ14の取り付け後に、レンズ保持部材11の凹陥部11bの位置には外側から光学センサパッケージ15が装着される。なお、レンズ保持部材11とセパレータレンズ14とはレーザー融着で固定される。
凹陥部11bにおいて、図3での奥行方向の底面には、赤外カットフィルタ12を嵌め込むための段付部11cが開口部11aの周囲に形成されている。また、凹陥部11bの底面には、セパレータレンズ14の挿入方向に突出する一組の軸部17,18と、融着部19と、位置決め基部20とが形成されている。
一組の軸部17,18は開口部11aを隔てて左右に配置される。図中左側に位置する一方の軸部17は円形断面であって、図中右側に位置する他方の軸部18は軸部17と同形状の軸本体の上下2箇所に突起部が形成されている。軸部18の各突起部は基端側から軸方向に沿ってそれぞれ延長し、各突起部の頂面は軸部幅方向に沿った水平面をなしている。
融着部19および位置決め基部20はいずれも凹陥部11bの底面に形成されている。融着部19は各軸部17,18の周辺に間隔をおいて配置されている。一方、位置決め基部20はセパレータレンズ14の上辺部近傍に2つ、下辺部近傍に2つ配置されている。
融着部19およびレンズ位置決め基部20はセパレータレンズ14の挿入方向に突出した円筒状の台座であって、その先端部は凹陥部11bの底面と平行な平坦面をなしている。なお、位置決め基部20の高さ(凹陥部底面からの突出量)は融着部19の高さよりもわずかに低く設定されている。
絞りマスク13には、折り返しミラー10からの光束を通過させる円形状の開口13aが中央部に複数形成されている。また、絞りマスク13は融着部19および位置決め基部20と干渉する箇所は切り欠かれており、その両側部には軸部17,18との対応位置に挿通孔13bがそれぞれ形成されている。焦点検出装置の組立時には各挿通孔13bに軸部17,18がそれぞれ挿入される。
セパレータレンズ14は透光性の熱可塑性樹脂(プラスチック等)で形成され、測距光束や後述のレーザー光が透過できるようになっている。セパレータレンズ14は、1対のレンズを複数組配置して構成されたレンズ部14aと、レンズ部14aの外周部に形成される取付部14bとを有している。なお、レンズ部14aは絞りマスク13を通過した測距光束をセンサ上に結像させる役目を果たす。
取付部14bには、レンズ部14aを隔てて軸部17,18の対応位置に位置決め穴21,22がそれぞれ形成されている。各位置決め穴21,22はレンズ部14aの光軸方向に沿って開口されている。そして、図中左側に位置する一方の位置決め穴21は円形に形成され、図中右側に位置する他方の位置決め穴22はセパレータレンズ14の幅方向に延長する長穴に形成されている。この一方の位置決め穴21は一方の軸部17と嵌合し、レンズ部14aの光軸方向に垂直な面の並進方向移動を規定する。また、他方の位置決め穴22は突起部を有する他方の軸部18と嵌合し、レンズ部14aの光軸方向に垂直な面の回転方向移動を規定する。
取付部14bの一面には融着部19との対応位置にレンズ側被融着部23が形成され、位置決め基部20の対応位置にレンズ側位置決め基部24がそれぞれ形成されている。レンズ側被融着部23およびレンズ側位置決め基部24は、レンズ部14aの光軸方向に突出した円筒状の台座であって、その先端部はレンズ部14aの光軸と垂直な平坦面をなしている。また、レンズ側位置決め基部24の高さ(取付部14bの一面からの突出量)はレンズ側被融着部23の高さよりもわずかに低く設定されている。
また、取付部14bの他面では、位置決め穴21,22およびレンズ側被融着部23の裏側部分が矩形状に切り欠かれてくぼんでいる。そのため、レンズ側被融着部23の光軸方向厚さは、レンズ側位置決め基部24の光軸方向厚さよりも薄くなっている。
ここで、レンズ保持部材11とセパレータレンズ14とのレーザー融着の工程を図6および図7を参照しつつ説明する。
図6はレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との融着前の状態を示す縦断面図である。図6では、レンズ保持部材11の凹陥部11bに一面側を向けたセパレータレンズ14が取り付けられており、この取付状態では融着部19の先端とレンズ側被融着部23の先端とが互いに接触している。一方、位置決め基部20およびレンズ側位置決め基部24の先端は、それぞれ間隔Lをおいて対向した状態となる。
融着時には、セパレータレンズ14の他面側(レンズ保持部材11との反対側)からレンズ側被融着部23に対してレーザー光を照射する。レーザー光はレンズ側被融着部23を透過し、レーザー光の波長の吸収率が高くなるレンズ保持部材11との界面部分(レンズ側被融着部23および融着部19の先端面)を融解する。これによりレンズ保持部材11とセパレータレンズ14とが融着される。ここで、融着部19は、セパレータレンズ14よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されている。したがって、融着部19に照射されたレーザー光は効率よく熱に変換されるので、融着時のレーザー光の照射量が少なくても融着部19は効率的に融解する。
なお、融着時には融着部19とレンズ側被融着部23との接合箇所が溶解した樹脂で太径となる。しかし、第1実施形態では融着部19およびレンズ側被融着部23は軸部17,18や位置決め基部20,24から間隔をおいて配置されているため、融着時に部材間の干渉が生じることはない。
一方、上記の融解によってレンズ保持部材11とセパレータレンズ14とが間隔Lだけ接近し、位置決め基部20の先端とレンズ側位置決め基部24の先端とが互いに接触する。したがって、図7に示す融着後の状態では、位置決め基部20およびレンズ側位置決め基部24によってレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との相対距離が規定される。
光学センサパッケージ15には、セパレータレンズ14と相対する面にラインセンサが複数組配置されている(ラインセンサの図示は省略する)。組立後の焦点検出装置では、光学センサパッケージ15がセパレータレンズ14で分割された2つの像を検出する。なお、この2像間の間隔に基づいて、図示しないCPUが公知の演算式によるデフォーカス量(合焦位置からのズレ量)の演算を行う。
以下、第1実施形態の焦点検出装置の効果を説明する。
第1実施形態では、レンズ保持部材11とセパレータレンズ14とがレーザー融着で強固に固定されるので、融着後においてレンズ部14aのがたつきによる光学性能の低下を防止できる。また、融着状態では位置決め基部20とレンズ側位置決め基部24とによってレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との相対距離が規定されるので、レンズ部14bの光軸方向の位置決めが高い精度で行われる。
第1実施形態では、融着部19はセパレータレンズ14よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されているので、融着時のレーザー光の照射量が比較的に少なくても融着部19は効率的に融解する。すなわち、第1実施形態では融着作業でのレーザー光の照射量を抑制できるので、レンズ保持部材11およびセパレータレンズ14の熱変形や、レンズ保持部材11に生じる変色を最小限に抑制できる。しかも、第1実施形態ではレンズ側被融着部23の光軸方向厚さが薄く設定されているため、融着時のレーザー光の照射量をより一層少なくすることができる。
第1実施形態では、セパレータレンズ14の他面側からレンズ側被融着部23にレーザー光をピンポイントに照射して融着するので、容易に融着作業を行うことができる。また、融着作業のためにレンズ保持部材11およびセパレータレンズ14の形状やレイアウトに大きな制約が生じることもない。しかも、第1実施形態では固定に接着剤を用いないので、レンズ部14aの光学面が接着剤で汚れることもない。
(第2実施形態の説明)
図8は第2実施形態におけるレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との融着前の状態を示す縦断面図である。なお、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と共通の構成には同一符号を付して重複説明を省略する。
第2実施形態は第1実施形態の変形例であって、融着部19の表面にレーザー光吸収膜25が形成されている。このレーザー光吸収膜25は、セパレータレンズ14よりもレーザー光の波長の吸収率が高い特性を有している。第2実施形態では、光吸収性の高い充填材を溶媒に分散させた塗料を融着部19に塗布することでレーザー光吸収膜25を形成している。
ここで、光吸収性の高い充填材としては、例えば、カーボンブラック等の顔料系色素やアルミ等の金属粉などが該当する。また、レーザー光に対応する波長の光をよく吸収する波長選択性の光吸収剤を上記の充填材に用いてもよい。例えば、紫外線レーザー(波長250nm〜350nm程度)で融着を行う場合には、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、高分子型紫外線吸収剤などを充填材に用いることができる。勿論、赤外線レーザーで融着を行う場合には、公知の赤外線吸収剤を充填材に用いてもよい。
上記の第2実施形態の構成によっても、第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に第2実施形態の構成によれば、レーザー光吸収膜25によってレーザー光の吸収の効率を上げることができるので、レンズ保持部材11の材質の選択の幅が広がって光学モジュールの設計の自由度が高くなる。
(第3実施形態の説明)
図9は第3実施形態におけるレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との融着前の状態を示す縦断面図である。第3実施形態では、レンズ保持部材11を介してセパレータレンズ14にレーザー光を照射することでレーザー融着を行う。
第3実施形態のレンズ保持部材11は、セパレータレンズ14の取付部14bよりもレーザー光の波長の透過性の高い部材で生成されている。例えば、レンズ保持部材11は公知のレーザー光透過性組成物で生成される。なお、レーザー光透過性組成物の一例として、特開2005−290372号公報に開示された樹脂などが挙げられる。上記公報には、溶融温度が160℃〜210℃の未着色の動的架橋型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーと、800〜1200nmのレーザー光を透過する造塩体着色剤とを混合して調製されたレーザー光透過性組成物が開示されている。勿論、第3実施形態では、紫外線を透過する特性を有する着色剤を混合したレーザー光透過性組成物を用いてもよい。
また、第3実施形態のレンズ保持部材11は第1実施形態と同一の形状に形成されている。なお、第3実施形態では、第1実施形態で融着部(19)となる円筒形の台座が被融着部19aとして機能する。
一方、第3実施形態のセパレータレンズ14は、レンズ保持部材11よりもレーザー光の波長の吸収性が高い部材で生成されている。例えば、セパレータレンズ14は、レーザー光の波長の光をよく吸収するとともに、可視光の波長を透過させる波長選択性の光吸収剤を充填材として分散した熱可塑性樹脂(プラスチックなど)で成形される。例えば、紫外線レーザー(波長250nm〜350nm)で融着を行う場合には、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、高分子型紫外線吸収剤などを充填材に用いることができる。勿論、赤外線レーザーで融着を行う場合には、公知の赤外線吸収剤を充填材に用いてもよい。
また、第3実施形態のセパレータレンズ14は第1実施形態と同一の形状に形成されている。なお、第3実施形態では、第1実施形態でレンズ側被融着部(23)となる円筒形の台座がレンズ側融着部23aとして機能する。
ここで、第3実施形態での光学モジュールの組み立て工程を簡単に説明する。第3実施形態では、レンズ保持部材11に折り返しミラー10を取り付ける前に、赤外カットフィルタ12、絞りマスク13およびセパレータレンズ14をレンズ保持部材11に取り付ける。
そして、レンズ保持部材11の背面側の開口からセパレータレンズ14へレーザー光を照射する。このとき、レーザー光はレンズ保持部材11を透過するとともに、レーザー光の吸収効率の高いセパレータレンズ14のレンズ側融着部23aを溶解させる。これにより、これによりレンズ保持部材11とセパレータレンズ14とが融着される。また、第3実施形態においても、融着後には位置決め基部20の先端とレンズ側位置決め基部24の先端とが互いに接触する。そのため、位置決め基部20およびレンズ側位置決め基部24によってレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との相対距離が規定される。
その後、コンデンサレンズを内部に組み込んだ状態でレンズ保持部材11に折り返しミラー10を取り付け、光学センサパッケージ15を取り付けて光学モジュールが完成する。上記の第3実施形態の構成によっても、第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態の説明)
図10は第4実施形態におけるレンズ保持部材11とセパレータレンズ14との融着前の状態を示す縦断面図である。第4実施形態は第3実施形態の変形例であって、レンズ側融着部23aの表面にレーザー光吸収膜25が形成されている。このレーザー光吸収膜25は、レンズ保持部材11よりもレーザー光の波長の吸収率が高い特性を有している。なお、レーザー光吸収膜25の構成は第2実施形態と共通するので重複説明は省略する。
上記の第4実施形態の構成によっても、第3実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に第4実施形態の構成によれば、レーザー光吸収膜25によってレーザー光の吸収の効率を上げることができるので、セパレータレンズ14の材質の選択の幅が広がって光学モジュールの設計の自由度が高くなる。
(実施形態の補足事項)
(1)本発明の光学モジュールは焦点検出装置のセパレータレンズとレンズ保持部材との位置決めに限定されることなく、一般的な光学部材の位置決め固定の場合に広く適用することができる。
(2)上記実施形態において、融着の際にレーザー光を照射する部材に凸レンズ、プリズム、フレネルレンズなどの集光光学素子を形成しておいてもよい。この場合には、融着する部分にレーザー光が収束するため、レーザー光の照射量をより一層抑制することができる。
(3)上記実施形態において、レンズ部14aの光学面とレンズ側被融着部23の平坦面およびその裏面とを除き、セパレータレンズ14の表面に研磨やブラスト処理等による粗面化処理や塗装などの着色処理を施すようにしてもよい。この場合には、セパレータレンズ14の粗面部分では乱反射や迷光の発生を抑制することができる。
光学モジュールの1実施形態を示す分解斜視図 (a)図1の背面側からレンズ保持部材を見た状態を示す図、(b)レンズ保持部材に折り返しミラーを取り付けた状態を示す図 レンズ保持部材におけるセンサ取付側の開口部付近の拡大図 第1実施形態におけるセパレータレンズの取付状態を示す正面図 図4のA−A断面図 第1実施形態におけるレンズ保持部材とセパレータレンズとの融着前の状態を示す縦断面図 レンズ保持部材とセパレータレンズとの融着状態を示す縦断面図 第2実施形態におけるレンズ保持部材とセパレータレンズとの融着前の状態を示す縦断面図 第3実施形態におけるレンズ保持部材とセパレータレンズとの融着前の状態を示す縦断面図 第4実施形態におけるレンズ保持部材とセパレータレンズとの融着前の状態を示す縦断面図
符号の説明
11…レンズ保持部材、14…セパレータレンズ、14a…レンズ部、14b…取付部、19…融着部、19a…被融着部、20…位置決め基部、23…レンズ側被融着部、23a…レンズ側融着部、24…レンズ側位置決め基部、25…レーザー光吸収膜

Claims (8)

  1. レンズ部および取付部を有するレンズ部材と、前記取付部で前記レンズ部材を保持する保持部材とを有する光学モジュールであって、
    前記取付部は、照射されたレーザー光を透過する被融着部と、前記レンズ部の光軸方向の位置決め基準となる第1位置決め部と、を有し、
    前記保持部材は、前記取付部よりも前記レーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されているとともに、前記被融着部に対向して配置されて前記レーザー光により前記被融着部と融着する融着部と、前記融着した状態で前記第1位置決め部と当接して前記レンズ部材を位置決めする第2位置決め部と、を有することを特徴とする光学モジュール。
  2. レンズ部および取付部を有するレンズ部材と、前記取付部で前記レンズ部材を保持する保持部材とを有する光学モジュールであって、
    前記保持部材は、前記取付部よりも前記レーザー光の波長の透過率が高い材質で形成されているとともに、被融着部と、前記レンズ部の光軸方向の位置決め基準となる第2位置決め部と、を有し、
    前記取付部は、前記被融着部に対向して配置されて前記レーザー光により前記被融着部と融着する融着部と、前記融着した状態で前記第2位置決め部と当接して前記レンズ部材を位置決めする第1位置決め部と、を有することを特徴とする光学モジュール。
  3. 請求項2に記載の光学モジュールにおいて、
    前記取付部は、前記保持部材よりも前記レーザー光の波長の吸収率が高い材質で形成されていることを特徴とする光学モジュール。
  4. レンズ部を有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法であって、
    前記レンズ部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い材質で前記保持部材を形成し、
    前記レンズ部材を前記保持部材に保持した状態で、前記保持部材に設けた融着部に向けて前記レーザー光を前記レンズ部材を介して照射することで前記レンズ部材および前記保持部材を融着し、
    前記融着の際に、前記レンズ部材に設けた第1位置決め部と前記保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させて前記レンズ部材を前記保持部材に位置決めすることを特徴とする光学モジュールの製造方法。
  5. レンズ部を有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法であって、
    前記レンズ部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い被膜を前記保持部材に設けた融着部に形成し、
    前記レンズ部材を前記保持部材に保持した状態で、前記融着部に向けて前記レーザー光を前記レンズ部材を介して照射することで前記レンズ部材および前記保持部材を融着し、
    前記融着の際に、前記レンズ部材に設けた第1位置決め部と前記保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させて前記レンズ部材を前記保持部材に位置決めすることを特徴とする光学モジュールの製造方法。
  6. レンズ部と融着部とを有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法であって、
    前記レンズ部材よりもレーザー光の波長の透過率が高い材質で前記保持部材を形成し、
    前記保持部材よりも前記レーザー光の波長の吸収率が高い材質で前記融着部を形成し、
    前記レンズ部材を前記保持部材に保持した状態で、前記保持部材を介して前記融着部に前記レーザー光を照射することで前記レンズ部材および前記保持部材を融着し、
    前記融着の際に、前記レンズ部材に設けた第1位置決め部と前記保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させて前記レンズ部材を前記保持部材に位置決めすることを特徴とする光学モジュールの製造方法。
  7. レンズ部と融着部とを有するレンズ部材を、保持部材に保持する光学モジュールの製造方法であって、
    前記レンズ部材よりもレーザー光の波長の透過率が高い材質で前記保持部材を形成し、
    前記レンズ部材よりもレーザー光の波長の吸収率が高い被膜を前記融着部に形成し、
    前記レンズ部材を前記保持部材に保持した状態で、前記保持部材を介して前記融着部に前記レーザー光を照射することで前記レンズ部材および前記保持部材を融着し、
    前記融着の際に、前記レンズ部材に設けた第1位置決め部と前記保持部材に設けた第2位置決め部とを当接させて前記レンズ部材を前記保持部材に位置決めすることを特徴とする光学モジュールの製造方法。
  8. 請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の光学モジュールの製造方法において、
    前記融着前に前記レンズ部材を前記保持部材に保持した状態では、前記レンズ部材および前記保持部材が前記融着部を介して接触するとともに、前記第1位置決め部および前記第2位置決め部が離間しており、
    前記融着の際に、前記融着部の融解によって第1位置決め部および前記第2位置決め部が当接することを特徴とする光学モジュールの製造方法。
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