JP4829573B2 - 光学部材固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学部材を保持枠に固定するための光学部材固定方法に関する。
従来、光学部材を、該光学部材を保持する保持枠に固定するための光学部材固定方法としては、プラスチックの鏡筒内に、レンズを挿入した後、鏡筒の先端部の一片を熱かしめなどによってレンズの外周部を覆うように変形させることにより、鏡筒にレンズを固定する方法(以下、第1の方法という)が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、レンズ外周部とレンズ保持枠を、紫外線硬化型接着剤などにより固定する方法(以下、第2の方法という)が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開平11−174307号公報 特開平11−142708号公報
しかしながら、上記第1の方法においては、鏡筒の先端部がカシメ用治具により熱で溶かされ、レンズ外周先端部を覆うように変形される。このため、カシメに要する時間が長くなり、組立工数が増大し、コストアップを招く。また、カシメ治具により鏡筒の先端部を熱により溶かす際に、鏡筒の先端部およびレンズに対して押圧力が作用するので、組立後のレンズ位置精度を保証することは非常に難しい。
近年の小型化されたレンズ群は、偏芯や光軸に対する傾きが原因となって生じる性能のばらつきすなわち性能の劣化に対して非常に敏感である。従って、レンズの小型化が進められる状況下において、上記第1の方法は、高性能のズームレンズを量産することに適しない。
上記第2の方法においては、レンズとレンズ保持枠を組み込んだ後に紫外線硬化型接着剤をレンズ外周部などに塗布する際に、この接着剤が有効径内に入り込むことがある。この入り込んだ接着剤が紫外線照射により硬化すると、硬化した接着剤が組立後に周囲の部品と干渉し、これにより、作動不良、特に光学性能の悪化を招くことがある。また、紫外線硬化型接着剤が固化する際に、不均一な収縮が発生して、レンズが接着開始前のレンズ位置からずれて固定されることがある。これにより、光学性能が低下される場合がある。
本発明の目的は、光学部材を保持枠に対して瞬間的に高い精度で固定することができる光学部材固定方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、光学部材を、前記光学部材を保持する保持枠に固定するための光学部材固定方法であって、光が照射されることで発熱する特性と、発熱することで接着性が増加する特性を有する、液体状態の中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布するステップと、前記中間材が前記光学部材と前記保持枠との間に介在するように、前記光学部材を前記保持枠に組み込むステップと、前記光学部材を透過させて、前記中間材に光を照射するステップとを有し、前記保持枠には、前記光学部材が前記保持枠に組み込まれた際に前記光学部材の位置決めを行う位置決め部が突出するように形成されており前記中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布した状態で、前記光学部材を前記保持枠に組み込んだときに、前記中間材は前記位置決め部を避けた位置に塗布されるとともに、前記光学部材と前記中間材との間に隙間が生じる厚さになるように塗布され、前記光が照射された前記中間材は、前記隙間を埋めて前記光学部材と前記保持枠とのそれぞれに密着することを特徴とする光学部材固定方法を提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、光学部材を、光が照射されることで発熱する保持枠に固定するための光学部材固定方法であって、熱が与えられることで接着性が増加する特性を有する、液体状態の中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布するステップと、前記中間材が前記光学部材と前記保持枠との間に介在するように、前記光学部材を前記保持枠に組み込むステップと、前記光学部材および前記中間材を透過させて、前記保持枠に光を照射するステップとを有し、前記保持枠には、前記光学部材が前記保持枠に組み込まれた際に前記光学部材の位置決めを行う位置決め部が突出するように形成されており前記中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布した状態で、前記光学部材を前記保持枠に組み込んだときに、前記中間材は前記位置決め部を避けた位置に塗布されるとともに、前記光学部材と前記中間材との間に隙間が生じる厚さになるように塗布され、前記光が照射された前記中間材は、前記隙間を埋めて前記光学部材と前記保持枠とのそれぞれに密着することを特徴とする光学部材固定方法を提供する。
本発明によれば、光学部材を保持枠に対して瞬間的に高い精度で固定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る光学部材固定方法により固定されるレンズとレンズ保持枠とを示す斜視図である。図2(a)はレンズ保持枠の要部を示す斜視図、図2(b)はレンズ保持枠の固定部に中間材が塗布された状態を示す斜視図である。
本実施の形態においては、図1に示すように、中間材13により、レンズ(光学部材)11がレンズ保持枠12に固定される。レンズ11は、ガラス材または樹脂材製の凸レンズからなる。
レンズ保持枠12は、図2(a)に示すように、円筒状部材からなる。レンズ保持枠12の一端部12aは、レンズ11を受け入れ可能なように、レンズ11の外径寸法より僅かに大きい内径寸法を有する。この一端部12aは、レンズ保持枠12に対して、レンズ11を光軸方向と直交する方向へ位置決めするための位置決め部を構成する。レンズ保持枠12の内周面には、固定部15と、複数の位置決め部14とが設けられている。固定部15は、レンズ保持枠12の内周面から張り出す段部からなり、該段部は、レンズ11を固定するための部位を構成する。この固定部15には、図2(b)に示すように、タンポ印刷やディスペンサなどの印刷技術を用いて中間材13が均一に塗布される。ここでは、中間材13は、固定部15上の位置決め部14を除いた領域に塗布される。中間材13は、レンズ保持枠12への塗布時には液体状態であり、塗布後には固化する。
各位置決め部14は、レンズ保持枠12に対して、レンズ11の光軸方向への位置決めを行うための部位であり、互いに所定の間隔をおいてレンズ保持枠12の円周方向に沿って固定部15上に形成されている。ここで、図2(a)には、1つの位置決め部14のみが図示されているが、実際には、3つ以上の位置決め部14が設けられている。各位置決め部14は、固定部15に中間材13が塗布された状態において、この中間材13から上方へ数μm〜数十μm程度突出するような高さ(固定部15に対する高さ)に設定されている。また、各位置決め部14は、レンズ11がレンズ保持枠12に組み込まれた際に、レンズ11と点接触するような形状に構成されている。よって、各位置決め部14による、レンズ11のレンズ保持枠12に対する位置決め精度が、中間材13により損なわれることはなく、レンズ保持枠12に対するレンズ11の光軸方向への位置決めを高い精度で行うことができる。
中間材13は、熱を与えると接着力を増すような特性を有する。この中間材13は、具体的には、溶剤中に溶け込んだ熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマーなどから構成される。この中間材13を構成する熱可塑性ポリマーと溶剤を組み合わせたものとしては、市販の製品を用いることができる。例えば、このような市販の製品として、ポリアミドイミドとトルエン・エチルアルコール[1:1]混合溶剤がある。また、熱可塑性ポリイミドとN−メチル−2−ピロリドン、ポリアミドとトルエン・IPA[1:2]混合溶剤がある。
また、上述のポリアミドイミドを混合する溶剤のアルコール系としては、一価の脂肪族アルコールが使用される。一価の脂肪族アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコールなどである。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパンなどを用いることもできる。
また、このアルコール系溶剤に混合される溶剤として、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤などを用いることができる。ケトン系溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどである。エステル系溶剤は、酢酸メチル、酢酸エチル、セロソルブアセテートなどである。炭化水素系溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソなどである。エーテル系溶剤は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライムなどである。
また、上述の熱可塑性ポリマーと溶剤とを組み合わせたものに代えて、他の組み合せたものを、中間材13の構成材料として用いることもできる。例えば、ポリエーテルスルホンとN−メチル−2−ピロリドン、アセトン、酢酸メチル、塩化炭化水素系溶剤とを組み合わせたものを用いることができる。また、ポリメチルメタクリレートとMEK、MIBK、キシレンとを組み合わせたものを用いることができる。
また、中間材13を構成する材料として、熱硬化性ポリマーを溶剤に混合したものを用いることもできる。ここで、熱硬化性ポリマーとしては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、または共重合体と、光・熱開始剤とを混合したものなどがある。また、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、MEK、MIBKなどを用いることができる。
本実施の形態においては、ポリアミドイミドを、トルエンとエチルアルコール[1:1]の混合溶液に混合した中間材13が用いられている。また、中間材13におけるポリアミドイミドの分量は、例えば約25重量%としている。
また、本実施の形態においては、中間材13にレーザ光吸収特性を与えるために、中間材13には、カーボンブラック、染料や顔料などの所定の着色材が混入されている。これにより、中間材13に対してレーザ光を照射すると、中間材13は、レーザ光を吸収し、発熱する。この場合、レンズ保持枠12をレーザ光吸収部材から構成する必要はない。また、このような中間材13を用いることによって、接着箇所の選択の自由度が増し、また接着時間の短縮を図ることができる。また、中間材13は、撮影光線以外の周辺部などからの反射有害光線を遮断する機能を有する光学絞り機能として作用することもできる。また、中間材13の接着力を増す際の熱源として中間材13自体が作用するので、レンズ保持枠12を熱変形させることがない。その結果、レンズ11とレンズ保持枠12とを瞬間的に高い位置精度で固定することができる。
次に、レンズ11とレンジ保持枠12との固定方法について図3を参照しながら説明する。図3はレンズがレンズ保持枠に組み込まれた状態を示す斜視図である。
レンズ11とレンジ保持枠12とを固定する際には、中間材13が予め塗布されたレンズ保持枠12が用いられる。まず、図3に示すように、中間材13が塗布されたレンズ保持枠12の一端部12aに、レンズ11が組み込まれる。そして、位置決め調整工具(図示せず)により、レンズ11のレンズ保持枠12に対する位置決め調整が行われる。このとき、押圧装置(図示せず)により、レンズ11は、レンズ保持枠12に対して光軸方向へ押圧された状態にある。
次いで、レーザ照射装置(図示せず)から近赤外光の波長を有する複数本のレーザ光16がレンズ11へ向けて照射される。各レーザ光16は、レンズ11を透過して、中間材13へ達する。中間材13は、上述したように、近赤外光を吸収する特性を有するので、レーザ光16を吸収し、発熱する。この中間材13自身の発熱により、中間材13は、溶融、熱膨張しながら、レンズ11とレンズ保持枠12とのそれぞれに密着する。この段階で、レーザ照射は完了する。
レーザ照射が完了すると、中間材13のレンズ11との接触部およびレンズ保持枠12との接触部(固定部15)は、それぞれ、瞬時に冷却されて、凝固し、収縮する。これにより、中間材13が接着剤として作用し、レンジ保持枠12の固定部15に、レンズ11の固定部15と対向する部位が固着されることになる。そして、上記押圧装置によるレンズ11とレンズ保持枠12との押圧が解除される。この押圧解除後においても、中間材13の接着力により、常にレンズ11とレンズ保持枠12とは互いに強固に固着されている状態にある。
このようにして、レンズ11は、レンズ保持枠12に対して、両者の間に遊びが生じることなく、高い精度で位置決めされ、固着される。さらに、レンズ11がレンジ保持枠12に固着されている状態において、レンズ11またはレンズ保持枠12に対して強い衝撃力が加えられた場合は、中間材13が弾性変形し、衝撃力を吸収する。これにより、レンズ11は、外部から受ける衝撃力から保護され、この衝撃力によりレンズ11が破壊されることを未然に防止することができる。
本実施の形態において、レンズ保持枠12に対するレンズ11の光軸方向への位置決めは、レンズ11と各位置決め部14との点接触により規定されるが、これに限定されるものではない。例えば、位置決め部14を、レンズ11に対して線接触または面接触するような形状に構成してもよい。
また、中間材13は塗布時には液体状態にあることから、様々な形状のパターンでレンズ保持枠12の固定部15に対して塗布することが可能である。また、中間材13を小面積部分や入り組んだ個所などにも塗布することができる。
また、本実施の形態においては、レンズ保持枠12に対して中間材13が塗布されるが、これに代えて、中間材13をレンズ11に塗布するようにしてもよいし、レンズ11とレンズ保持枠12のそれぞれに塗布するようにしてもよい。ここで、中間材13をレンズ11に塗布する場合について図4を参照しながら説明する。図4は中間材13が塗布されたレンズ11とレンズ保持枠12とを示す斜視図である。
中間材13がレンズ11に塗布される場合、図4に示すように、中間材13は、レンズ11の固定部15と対向する部位に塗布される。中間材13は、塗布時には液体状態であるが、所定時間経過後には固化する。そして、塗布された中間材13が固化した後にレンズ11がレンズ保持枠12の一端部12aに組み込まれることになる。よって、レンズ11が組み込まれる際に、重力により、中間材13が流動することはない。また、レンズ11がレンズ保持枠12に組み込まれた状態(固定前)で、レンズ11(またはレンズ保持枠12)を動かしたとしても、中間材13がレンズ11の表面上に流れ込むことなどはない。また、レンズ11およびレンズ保持枠12を光軸方向と重力方向とが一致するように保持した状態で、レンズ11とレンズ保持枠12との固定作業を行う必要がなく、様々な姿勢でレンズ11とレンズ保持枠12との固定作業を行うことができる。
また、本実施の形態においては、レーザ光の照射により中間材13を発熱させることにより、中間材13の接着力を増すようにしているが、これに代えて、レンズ保持枠12を、近赤外光を吸収して発熱する部材として構成することもできる。この場合、レーザ光が中間材13を介してレンズ保持枠12に照射されることになる。これにより、レンズ保持枠12は発熱し、中間材13を加熱する。加熱された中間材13は、接着性を増し、レンズ11とレンズ保持枠12とを固着する。また、中間材13を近赤外光吸収材とする必要がないため、中間材13を構成するための材料を幅広い範囲から選択することが可能となる。
レンズ保持枠12は、基材となる所定の樹脂に、レーザ光吸収部材となるカーボンブラック、染料や顔料などの所定の着色材が混入されている熱可塑性樹脂材からなる。上記着色材が混入されていることにより、レンジ保持枠12には、近赤外光レーザを吸収する性質が顕著に現れることになる。上記基材となる所定の樹脂としては、例えば、ナイロン6(PA6)やナイロン66(PA66)などのポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン−アクリロニトリル共重合体が用いられる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ABS、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PPSなどが用いられる。このような熱可塑性樹脂材のうち、特にポリカーボネートが、レンズ保持枠12を構成する材料として適する。
また、これらの熱可塑性樹脂材がガラス繊維、カーボン繊維などで強化された材料を、レンズ保持枠12を構成する材料として用いてもよい。また、上記以外の成分、例えば、ガラス、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機または有機物からなるフィラー、帯電防止剤、対候安定剤、ワックスなどの慣用の添加物のうち、1種以上を、本発明の目的を損なわない範囲で樹脂に含有させることができる。
また、レンズ保持枠12に用いられる熱可塑性樹脂を着色する着色材としては、例えば、補助剤として用いられるグラファイトなどの炭素系材料、複合酸化物系顔料などの無機系着色料などがある。また、上記着色材としてレーザ光に対して、十分な吸収性を示すものであれば、有機系着色材を用いてもよい。このような着色材としては、例えば、銅フタロジアニン系顔料などがある。
また、熱可塑性樹脂は、照射されるレーザ光に対して5%以下の透過率を有することが好ましい。熱可塑性樹脂の透過率が5%を超えて大きくなると、照射されたレーザ光が透過することにより、樹脂材に吸収されるレーザ光のエネルギーが減少するとともに、レーザ光のエネルギーのロスが生じるようになるためである。
また、レンズ保持枠12の材質としては、上記のものに限定されることなく、加熱源としてのレーザ光を透過させずに吸収し得るものであればよい。
このように、レンズ保持枠12を、中間材13を加熱するための加熱源として用いた場合、レンズ保持枠12がレーザ光の加熱により熱変形することが懸念される。しかしながら、本実施の形態においては、レーザ照射による加熱が局所的な加熱であるため、レンズ保持枠12を変形させることはなく、レンズ11の取り付け精度に対して悪影響を与えることはない。
また、本実施の形態においては、中間材13がレンズ保持枠12またはレンズ11のいずれか一方に塗布されているが、中間材13をレンズ保持枠12、レンズ11のそれぞれに塗布するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、レーザ光の照射は複数本による多点同時照射を行う形態を説明した。しかしながら、レーザの照射方法は、これに限定されることなく、レーザ光を走査して照射する方法や、リング状のレーザ光を照射するなど、他の方法を用いたとしても、同様の効果を奏することができる。
また、本実施の形態においては、凸レンズであるレンズ11とレンズ保持枠12の固定を行ったが、レンズの形状はこれに限定されることはなく、凸レンズや他の形状のレンズであっても本実施の形態と同様の効果を得られることはいうまでもない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図5および図6を参照しながら説明する。図5(a)は本発明の第2の実施の形態に係る光学部材固定方法により固定されるレンズと中間材が塗布されているレンズ保持枠とを示す斜視図である。図5(b)は図5(a)のレンズが組み込まれているレンズ保持枠に塗布されている中間材に対するレーザ光の照射状態を示す斜視図である。図6は本発明の第2の実施の形態において中間材が塗布されているレンズとレンズ保持枠とを示す斜視図である。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、中間材がレンズ保持枠の内周面に塗布されている点で異なる。具体的には、図5(a)に示すように、レンズ保持枠22の一端部22aが、レンズ保持枠22に対して、レンズ21の光軸方向と直交する方向への位置決めを行うための部位を構成する。レンズ保持枠22の一端部22aの内周面には、中間材23が塗布される。また、レンズ保持枠22の内周面には、該内周面から張り出す段部25が設けられている。段部25には、レンズ保持枠22に対してレンズ21の光軸方向への位置決めを行うための複数の位置決め部24が形成されている。ここで、レンズ21、レンズ保持枠22、中間材23は、それぞれ、上記第1の実施の形態と同様の材料から構成されている。
レンズ21とレンズ保持枠22とを固定する際には、図5(b)に示すように、まず、中間材23が予め塗布されたレンズ保持枠22の一端部22aに対して、レンズ21が組み込まれる。そして、位置決め調整工具により、レンズ21のレンズ保持枠22に対する位置決め調整が行われる。このとき、押圧装置により、レンズ21は、レンズ保持枠22に対して、光軸方向へ押圧されている。
次いで、レーザ照射装置(図示せず)から近赤外光の波長を有する複数本のレーザ光26が、レンズ21を介して中間材23に達するように、レンズ21に対して、所定の照射角で、照射される。中間材23は、レーザ光26を吸収し、発熱する特性を有する。この中間材23の発熱により、中間材23は、溶融、熱膨張しながら、レンズ21とレンズ保持枠22とのそれぞれに密着する。この段階で、レーザ照射は完了する。
レーザ照射が完了すると、中間材23のレンズ21との接触部およびレンズ保持枠22との接触部は、それぞれ、瞬時に冷却されて、凝固し、収縮する。これにより、中間材23が接着剤として作用し、中間材23を介して、レンズ21とレンズ保持枠22とは、固着される。そして、上記押圧装置によるレンズ21とレンズ保持枠22との押圧が解除される。
このようにして、レンズ21は、レンズ保持枠22に対して、両者の間に遊びが生じることなく、高い精度で位置決めされ、固着される。
本実施の形態においては、中間材23がレンズ保持枠22の一端部22aの内周面に塗布されているが、これに代えて、例えば図6に示すように、レンズ21の外周縁部に中間材23を塗布するようにしてもよい。この場合、レンズ21と、レンズ保持枠22の一端部22aの内周面とが固着されることになる。また、レンジ保持枠22には、上記第1の実施の形態における位置決め部14と同様の複数の位置決め部24が設けられている。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図7および図8を参照しながら説明する。図7は本発明の第3の実施の形態に係る光学部材固定方法により固定される第1のレンズと第2のレンズとを示す斜視図である。図8は図7の第1のレンズに塗布されている中間材に対するレーザ光の照射状態を示す斜視図である。
本実施の形態においては、図7に示すように、凸レンズである第1のレンズ31と、凹レンズである第2のレンズ32とが重ね合わされて固定される。ここで、第1のレンズ31の第2のレンズ32との対向面には、中間材33が、タンポ印刷やディスペンサなどの印刷技術を用いて、所定の幅を有するリング形状を形成するように、第1のレンズ31の縁部に沿って塗布されている。この中間材33は、上記第1の実施の形態の中間材13と同様の材料から構成される。よって、中間材33は、熱が与えられると、接着力が増す特性、近赤外光を吸収して発熱する特性、および、可視光線を遮光する特性を有する。また、中間材33は、上記可視光線を遮断する特性により、撮影光線以外の周辺部などからの反射有害光線を遮断する光学絞り機能として作用する。中間材33は、レンズ31の塗布時には液体状態にあり、所定時間経過後には固化する。よって、中間材33は、第1のレンズ31と第2のレンズ32とを組み込む際には、固体状態にある。
次に、第1のレンズ31と第2のレンズ32とを固定する手順について説明する。
まず、図8に示すように、中間材33が塗布された第1のレンズ31と第2のレンズ32とがそれぞれ重ね合わされる。そして、押圧装置(図示せず)により、第1のレンズ31と第2のレンズ32とは、中間材33が第2のレンズ32に密着させた状態で固定される。このとき、第1のレンズ31は、第2のレンズ32に対して、位置決め工具により、それぞれの光軸が同軸上になるように位置決めされる。
第1のレンズ31が第2のレンズ32に対して位置決めされた状態で、レーザ照射装置から複数本のレーザ光36が照射される。各レーザ光36は、第1のレンズ31を経て、中間材33に到達する。中間材33は、レーザ光36を吸収し、発熱する。そして、この熱により、中間材33は、接着力を増し、この接着力により、第1のレンズ31と第2のレンズ32とは、固着される。レーザ光36が所定時間照射されると、レーザ光36の照射は、終了する。
本実施の形態においては、第2のレンズ32側から第2のレンズ32を介して中間材33に対してレーザ照射を行うようにしているが、第1のレンズ31側から第1のレンズ31を介して中間材33に対してレーザ照射を行うようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る光学部材固定方法により固定されるレンズとレンズ保持枠とを示す斜視図である。 (a)はレンズ保持枠の要部を示す斜視図、(b)はレンズ保持枠の固定部に中間材が塗布された状態を示す斜視図である。 レンズがレンズ保持枠に挿入された状態を示す斜視図である。 は中間材13が塗布されたレンズ11とレンズ保持枠12とを示す斜視図である。 (a)は本発明の第2の実施の形態に係る光学部材固定方法により固定されるレンズと中間材が塗布されているレンズ保持枠とを示す斜視図、(b)は図5(a)のレンズが組み込まれているレンズ保持枠に塗布されている中間材に対するレーザ光の照射状態を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態において中間材が塗布されているレンズとレンズ保持枠とを示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学部材固定方法により固定される第1のレンズと第2のレンズとを示す斜視図である。 図7の第1のレンズに塗布されている中間材に対するレーザ光の照射状態を示す斜視図である。
符号の説明
11,21,31,32 レンズ
12,22 レンズ保持枠
12a,22a 一端部
13,23,33 中間材
14,24 位置決め部
15 固定部
16,26,36 レーザ光

Claims (4)

  1. 光学部材を、前記光学部材を保持する保持枠に固定するための光学部材固定方法であって、
    光が照射されることで発熱する特性と、発熱することで接着性が増加する特性を有する、液体状態の中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布するステップと、
    前記中間材が前記光学部材と前記保持枠との間に介在するように、前記光学部材を前記保持枠に組み込むステップと、
    前記光学部材を透過させて、前記中間材に光を照射するステップとを有し、
    前記保持枠には、前記光学部材が前記保持枠に組み込まれた際に前記光学部材の位置決めを行う位置決め部が突出するように形成されており
    前記中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布した状態で、前記光学部材を前記保持枠に組み込んだときに、前記中間材は前記位置決め部を避けた位置に塗布されるとともに、前記光学部材と前記中間材との間に隙間が生じる厚さになるように塗布され、
    前記光が照射された前記中間材は、前記隙間を埋めて前記光学部材と前記保持枠とのそれぞれに密着することを特徴とする光学部材固定方法。
  2. 前記中間材に照射される光は赤外成分を含むレーザ光であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材固定方法。
  3. 光学部材を、光が照射されることで発熱する保持枠に固定するための光学部材固定方法であって、
    熱が与えられることで接着性が増加する特性を有する、液体状態の中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布するステップと、
    前記中間材が前記光学部材と前記保持枠との間に介在するように、前記光学部材を前記保持枠に組み込むステップと、
    前記光学部材および前記中間材を透過させて、前記保持枠に光を照射するステップとを有し、
    前記保持枠には、前記光学部材が前記保持枠に組み込まれた際に前記光学部材の位置決めを行う位置決め部が突出するように形成されており
    前記中間材を前記光学部材と前記保持枠のうち少なくとも一方に塗布した状態で、前記光学部材を前記保持枠に組み込んだときに、前記中間材は前記位置決め部を避けた位置に塗布されるとともに、前記光学部材と前記中間材との間に隙間が生じる厚さになるように塗布され、
    前記光が照射された前記保持枠は発熱し、前記中間材は前記発熱した保持枠から熱が与えられ、前記隙間を埋めて前記光学部材と前記保持枠とのそれぞれに密着することを特徴とする光学部材固定方法。
  4. 前記保持枠に照射される光は赤外成分を含むレーザ光であることを特徴とする請求項3に記載の光学部材固定方法。
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