JP2008046476A - 複写機トナー用フィルター - Google Patents

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【課題】トナーダスト保持容量が高く、ロングライフで、捕集効率が高く、さらに必要に応じて難燃性を備えた複写機トナー用フィルターを提供する。
【解決手段】繊維長さ1〜10mmで、分子構造に親水基を有しない熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層Aと、繊維長さ1〜10mmのポリエステル系熱接着性複合繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層Bより構成され、各層A,Bの繊維の一部または全部が熱溶融接着し一体化したエアレイド不織布よりなる複写機トナー用フィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、据付面積が少なく、ロングライフのエアーフィルターに関するもので、さらに詳しく言えば、難燃性があり、低圧損、高効率かつ経済的で長期間の使用に耐える複写機トナー用フィルターに関するものである。
近年、事務所などの空気環境は、タバコの分煙化、禁煙部屋の増加などで、きれいになってきている反面、事務所で使用される複写機からのトナーの流出が問題視される傾向にある。このため、複写機からの流出粒子への対策として、流出粒子の発生源であるトナーの流出防止用のフィルターとして各種の文献があるが、難燃性、低圧損、高効率、ロングライフおよびコストなどのすべての項目を満足するものはない。
特許文献1には、トナー微粒子の複写機からの流出を防ぐ目的で、延伸多孔質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜のフィルター材を使用しているが、延伸多孔質PTFE膜はトナーなどの微粒子を効率良く除去できる半面、非常に高価なフィルターであるという欠点を有している。
特許文献2には、エレクトレット不織布濾材とガラス繊維濾材からなる2層のトナー像の定着器のフィルターが開示されているが、ガラス繊維は濾材生産時の破砕ガラス繊維の飛散という環境問題があるので好ましくない。また、エレクトレット不織布濾材の開示はあるものの、その材質、難燃性などに関しては全く開示されていない。
特開2002−311711号公報 特開2002−18217号公報
本発明は、トナーダスト保持容量が高い、すなわちロングライフで、捕集効率が高く、さらに必要に応じて難燃性を備えた複写機トナー用フィルターを提供することを目的とする。
本発明は、繊維長さ1〜10mmで、分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層A(以下「A層」ともいう)と、繊維長さ1〜10mmのポリエステル系熱接着性複合繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層B(以下「B層」ともいう)より構成され、各層A,Bの繊維の一部または全部が熱溶融接着し一体化したエアレイド不織布よりなること特徴とする複写機トナー用フィルターに関する。
ここで、A層に使用される分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびこれらの変性体の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
また、A層およびB層を構成する繊維は、その一部または全てが、非ハロゲン系難燃剤を練り込んだ難燃性繊維であることが好ましい。
さらに、上記フィルターは、プリーツ加工され、その周辺部が該フィルターの枠体となる成形樹脂プレートと熱溶融接着していることが好ましい。
また、本発明では、上記エアレイド不織布の一部または全てがエレクトレット化されていることが好ましい。
さらに、成形樹脂プレートとの接着面は、B層側であることが好ましい。
上記成形樹脂プレートは、ABS樹脂であることが好ましい。
本発明の複写機トナー用フィルターは、繊維長さ1〜10mmで、分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層Aと、繊維長さ1〜10mmのポリエステル系熱接着性複合繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層Bより構成され、各層A,Bの繊維の一部または全部が熱溶融接着し一体化したエアレイド不織布よりなる複写機トナー用フィルターであるので、次に示す作用効果が期待できる。
すなわち、上記不織布を構成する合成繊維の多くが熱溶融接着しているため、繊維の自由度が少なくなり、硬さを有するため、プリーツ加工が可能になる。
また、本発明に用いられるエアレイド不織布は、エレクトレット化されている場合、微粒子に対して低圧損で高効率のフィルターになる。
さらに、本発明に用いられるエアレイドA,B層は、それぞれ、1層または2層以上から構成できるので、密度勾配を有するエアレイド不織布を製造すれば、ロングライフのフィルターになり得る。
さらに、本発明のフィルターの片側は、B層であるポリエステル系熱接着性複合繊維層から構成されているので、該フィルターの枠体となるABS樹脂などの成形樹脂プレートに対しての接着性に優れる。
さらに、繊維の一部または全てに非ハロゲン系難燃剤を練り込んでも良く、この場合、難燃性があり、さらに高温で燃焼しても、ダイオキシンが発生しないフィルターになり得る。
さらに、本発明の使用繊維は、PTFEなどに比べて安価である。
エアレイド不織布
本発明に用いられるエアレイド不織布は、エアレイド不織布製造法によって形成する。すなわち、多孔質ネットコンベアー上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる繊維長1〜10mmの複合繊維を噴出しネットコンベアー下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベアー上にウェブ層Aを形成させ、次いで、同様に、ウェブ層Bを形成させる。この際、合成繊維の構成を変えた二層を順次噴出させ、積層ウェブを作製する。その後、熱オーブンによりA層およびB層の繊維の一部または全部を熱溶融接着して一体化させる。ここで、熱溶融接着としては、繊維間で融点が5℃以上異なれば、生産時に融着不良などのトラブルを生じ易いので、不織布を形成する繊維は、接着成分として同一材料の複合繊維が好ましい。例えば、A層として鞘/芯の成分がポリエチレン/ポリプロピレン系の複合繊維を使用した場合、B層のポリエステル系熱接着性複合繊維として、鞘の成分がポリエチレンの135℃の融点に近い変性ポリエチレン/ポリエステル系、またはポリエチレン/ポリエステル系の複合繊維を使用するのが好ましい。
このとき、好ましくは、上層側(流体流入側)より下層側(流体流出側)にかけて、太い繊維の層から細い繊維の層となるように順次積層し、この積層された繊維層を熱オーブンに搬入し、熱風で繊維間を結合し不織布として一体化させる。
繊維量、噴き出し条件、空気サクション条件、熱風条件などによって所定の密度、厚さに仕上げて本発明に用いられるエアレイド不織布を得ることができる。熱オーブンにより熱溶融接着する際の温度は、用いる分子構造に親水基を有しない熱可塑性ポリマーからなる複合繊維やポリエステル系熱接着性複合繊維の種類や、全体の目付により適宜選択されるが、通常、120〜200℃、さらに好ましくは130〜170℃である。
従来から知られている一般的な乾式不織布製造法、つまり短繊維のカーディング法、あるいは連続繊維のスパンボンド法などによる場合、層を構成する繊維はほぼ面状に配列していて、厚さ方向に配向させることは困難である。従って、本発明が意図するエアーフィルターに使用した場合、圧力損失が高いという欠点を有する。ニードルパンチやスパンレースのような機械的繊維交絡の方法を加えれば比較的に厚さ方向へ繊維を並び変えることができるものの、ニードルまたはスパンレースの水スジによる貫通孔が残るために微細なダストの捕捉作用に欠けるものとなってしまう。
これに対し、本発明のエアーフィルターに用いられる不織布は、短い繊維を使用したエアレイド不織布製造法によるものなので、繊維は厚さ方向に配列しやすく、かつ層間において異なる繊維径の繊維どうしの混じり合いも生じ、繊維層間の繊維径勾配は比較的連続傾斜になる。
従って、圧力損失が小さく、目詰まりも少なくなってライフ(ろ過可能時間)が長くなるうえ、圧損上昇が少ないという大きな特徴を有する。また、このような短繊維を原料繊維とするエアレイド不織布製造法によれば、極めて地合いの良好な、つまり均一性の良好なフィルターが得られるという大きな特徴を有する。均一性は、本発明が意図するエアーフィルターの用途において極めて重要であり、上記した既存の乾式不織布では得られ難い。
さらに、ニードルを使用していないので、ニードル跡による性能低下の問題も解消される。また、ケミカルバインダーを使用していないので、皮膜形成による圧力損失アップや捕集効率ダウンの弊害が無く、環境汚染の恐れもない。
本発明に使用する繊維は、A層、B層とも、繊維長1〜10mmである。10mmを超える繊維を使用すると、不織布としての均一性が得られ難いばかりか、生産性が低下し、好ましくない。一方、1mm未満では不織布の強度低下を生じるばかりか、脱落繊維が発生し易くなり好ましくない。好ましくは2〜7mm、さらに好ましくは3〜5mmである。
本発明のエアレイド不織布のA層を主として構成する分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる熱接着性複合繊維は、分子構造に親水性を有しない、すなわち非親水性で、好ましくはさらに耐化学薬品性、耐熱性、耐久性、強度、硬さなどの特性に優れる熱可塑性ポリマーからなる。ここで、分子構造に親水基を有しない熱可塑性ポリマーを使用する目的の一つは、帯電性の付与にある。すなわち、親水基を有さない熱可塑性ポリマーは、帯電しやすく、微粒子が静電気吸着で繊維の表面で長く高捕集が可能である効果を狙ったものである。
このような分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含ハロゲン系高分子および/またはこれらの変性体などが挙げられるが、コストパフォーマンスの観点から、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系が好ましい。ここで、変性体としては、融点、溶融時の粘度、他の繊維への接着力、エレクトレット効果などをコントロールする目的で、第3成分添加、共重合などの公知の手段が適用できる。
これらの非親水性熱可塑性合成ポリマーは、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
また、本発明のエアレイド不織布のA層を構成する分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる熱接着性複合繊維は、融点が異なる2以上の成分からなる複合構造の熱接着性短繊維を主成分とすることが好ましい。
この場合、好ましくは、上記の熱接着性短繊維としては、ポリプロピレンとポリエチレン、ポリプロピレンと変性ポリエチレン、またはポリプロピレンと変性ポリプロピレンからなり、サイドバイサイド型、または芯鞘型の複合短繊維である。この場合、変性体は異性体であっても良い。
A層における全繊維中に占める上記分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる熱接着性複合繊維の比率は、通常、30重量%以上、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%である。30重量%未満の場合、脱落繊維が発生し易く、フィルターとして適さなくなる。
上記A層には、分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる熱接着性複合繊維のほかに、必要に応じて種々の機能を持たせるため、難燃剤、防菌剤、撥水剤などが含まれていても良い。
この場合、上記分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーの混合割合は、目的に応じて、5重量%以上混合しても良い。5重量%未満であると、その効果が出ないし、コストが合えば、100重量%でも構わない
なお、上記A層を構成する繊維の単糸繊度は、通常、1.0〜10dtex、好ましくは1.5〜6.6dtexである。また、A層の目付は、通常、30〜200g/m、好ましくは100〜150g/mである。
一方、B層の作用効果は、トナーのケース材(フィルターの枠体)との接着性を狙うもので、ケース材との親和性が重要である。
エアレイド不織布のB層に使用されるポリエステル系熱接着性複合繊維とは、芯/鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維が好的である。この場合、芯成分あるいは繊維内部を構成するポリマーとしては、鞘より高融点であり、熱接着処理温度で変質しないポリマーが好ましい。このようなポリマーとしては、脂肪酸ジオール単位と、芳香族ジカルボン酸単位から主としてなるポリアルキレンアリレートが挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。後述するように、B層を構成するポリエステル系熱接着性複合繊維は、ABS樹脂などの成形樹脂との接着性に優れるが、このようなポリエステル系熱接着性複合繊維としては、芯鞘型複合繊維が好適である。例えば、芯部/鞘部が、PET/共重合PET、PET/PE,PET/PPなどが挙げられる。これらは、単独でも2種類以上の併用でもよく、必要に応じて共重合成分を含んでもよい。また、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で変性されてもよい。
上記B層には、ポリエステル系熱接着性複合繊維のほかに、必要に応じて種々の機能を持たせるため、難燃剤、防菌剤、撥水剤などが含まれていても良い。
この場合、ポリエステル系熱接着性複合繊維の混合割合は、目的に応じて、5重量%以上混合しても良い。5重量%未満であると、その効果が出ないし、コストが合えば、100重量%でも構わない。
なお、上記B層を構成する繊維の単糸繊度は、通常、1.0〜10dtex、好ましくは1.5〜6.6dtexである。また、B層の目付は、通常、20〜50g/m、好ましくは20〜30g/mである。
さらに、上記A層およびB層よりなるエアレイド不織布は、空気流出側の最下層を細い繊維層とし、空気流入側の上層に向かって順次太い繊維層になるように密度勾配を持たせて積層したものが好ましい。
ただし、B層は、前述したようにケース材(フィルターの枠体)との接着性をアップし、フィルター機能はさほど重要でないので、必ずしも上層より細くする必要はない。
さらに、A層およびB層より構成されるエアレイド不織布は、二層以上でもよく、この場合、A層は少なくとの2層以上、B層は少なくとも1層以上である。また、上記エアレイド不織布全体では、厚さが0.5〜2.0mm、好ましくは1.0〜1.5mm、目付が80〜200g/m、好ましくは100〜150g/mである。
次に、A層およびB層を構成する繊維に練り込まれることのある非ハロゲン系の難燃剤としては、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリエチルホスフェート(TEP)、クレジルフェニルホスフェート(CCP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物、HALSなどがあるが、非ハロゲンで実質的に難燃効果を発揮するものであれば、これらに限定されるものではない。これらの難燃剤は単独、あるいは組み合わせて使用することができる。難燃効果は、フィルターが燃焼したとき、繊維の表面が溶融し、中の難燃剤が揮散して難燃性を挙げることが期待できるものである。
これらの非ハロゲン系の難燃剤を繊維に練り込む目的は、エレクトレット加工時に、従来の難燃剤を浸漬またはスプレー方式で繊維の表面に付着させたフィルターは、エレクトレット加工の効果が十分出ないためである。
コスト的な観点から、A層またはB層に難燃剤を全ての層に練り込む必要はなく、その場合、非難燃性の混紡率はA層およびB層全体の20重量%以内にすれば、UL燃焼試験でのHF−2のレベルが維持することができる。
さらに、本発明のフィルターは、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で抗菌、撥水性、その他の機能を有する繊維などを含んでいても良い。
本発明のフィルターは、プリーツ加工したのち、複写機トナー用濾過機器に組み込むため、該フィルターを、該フィルターの枠体となる樹脂プレートとインサート射出成形法により一体成形される。このときのインサート射出成形では、成形時の溶融樹脂との熱接着性が求められる場合がある。成形樹脂がポリオレフィンでない場合、特にABS樹脂の場合には、B層を構成するポリエステル系熱接着性複合繊維が該ABS樹脂に対して高接着性が得られるので好適である。この場合、接触面、つまり片面にのみ上記ポリエステル系熱接着性複合繊維を適用するのが良い。
本発明のプリーツ加工は、レシプロまたは、ロータリープリーツ機械で、5mm高さ以上のヒダを形成させた後、100℃以下、好ましくは60〜90℃に加熱した熱板上に送り込み、プリーツの形成のクセ付けを行うものである。
次いで、プリーツ加工品を横型射出樹脂成形機に挿入し、プリーツ品の周辺を樹脂で覆いプリーツ複写機トナー用フィルターを得る。
以上の本発明に用いられるエアレイド不織布は、好ましくはエレクトレット加工を施すことにより、本発明のエアーフィルターとして用いられる。
ここで、エレクトレット加工とは、例えば特開昭61−186568号公報に開示されている加工方法であり、公知の種々のエレクトレット化の方法、例えば、熱エレクトレット法、エレクトロエレクトレット法、ラジオエレクトレット法、メカノエレクトレット法などを適用することによって、シートなどを荷電状態にする加工方法である。
エレクトレット加工する際には、用いられるエアレイド不織布を構成している繊維に付着している表面油剤などを除去するために、例えば50〜100℃の熱水で、5数秒〜10数分程度洗浄したのち、熱接着性短繊維を構成するポリマーの融点未満の温度、例えば80〜140℃で数十秒〜数十分程度乾燥処理することが好ましい。油剤などの除去には、そのほかウォータージェット処理してもよい。
エレクトレット加工の具体的な一例としての条件は、ポリオレフィン系エアレイド不織布の場合、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは90℃〜110℃程度の加熱ローラー上にて、−30〜−5KVあるいは+5〜+30KV、さらに好ましくは−30〜−5KV程度の直流電圧を印加し、次に冷却ロール上にてさらに−30〜−5KVあるいは+5〜+30KV、さらに好ましくは−30〜−5KV程度の直流電圧を印加する方法などが挙げられる。生活空間に存在する微少塵埃の多くはプラス帯電しているものが比較的に多いので、印加電圧はマイナスとする方が好ましい。
以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
B層−1として鞘部がポリエチレンで、芯部がポリエステルからなる芯鞘型複合繊維(ポリエステル系熱接着複合繊維)である、チッソ(株)製、ETCタイプ(ポリエチレンとポリエステルの重量比率=50:50、繊度2.2dtex、繊維長5mm)からなるウェブを20g/mとなるようにエアレイド法でネット上に形成し、A層−1としてB層−1の上に鞘部がポリエチレンで、芯部がポリプロピレンからなる芯鞘型複合繊維(分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる熱接着性複合繊維)である、チッソ(株)製、ESC難燃タイプ(ポリエチレンとポリプロピレンの重量比率=50:50、繊度1.7dtex、繊維太さは約15μm、繊維長3mm、窒素・リン系難燃剤練り込み)からなるウェブを70g/mとなるようにエアレイド法で形成し(A層−1)、更にその上に、同社製、ESCタイプ(ポリエチレンとポリプロピレンの重量比率=50:50、繊度3.3dtex、繊維太さは約21μm、繊維長3mm窒素・リン系難燃剤練り込み)からなるウェブを50g/mとなるようにエアレイド法により形成し(A層−2)、積層ウェブを作成した。
次に、このウェブに135℃の熱風を吹き付け、該繊維間を熱融着させ、厚さ1.47mm、目付140g/mのエアレイド不織布を作成した。このエアレイド不織布を温度100℃に加熱してから−15Kvの直流電流を1秒間針電極で流してエレクトレット加工し、本発明の実施例1の複写機トナー用フィルターを得た。
本発明の実施例1のフィルター特性の試験結果を表1に示す。
実施例1の複写機トナー用フィルターを30mm高さでプリーツ加工100mmW×100mmLのABSケースにフィルターをウエルダー溶着して14山のプリーツ複写機トナー用フィルターが得られた。
実施例2
実施例1のA層−2の目付を30g/mに変えた以外は、実施例1の手順で実施例2の複写機トナー用フィルターを得た。本発明の実施例2のフィルター特性の試験結果を表1に示す。
実施例2の複写機トナー用フィルターを30mm高さでプリーツ加工100mmW×100mmLのABSケースにフィルターをウエルダー溶着して16山のプリーツ複写機トナー用フィルターが得られた。
実施例3
実施例3として、B層の芯部ポリエステル/鞘部変性ポリエステル(PET/PET)の帝人(株)製の複合PET繊維(繊度:2.2dt、繊維長:3mm、鞘部融点150℃)30g/mをB−2として紡出し、さらにその上に実施例1で使用したA層−1で難燃剤を含んでいない1.7dtを100g/m、A層−2で難燃剤を含んでいない3.3dtを30g/m紡出して、実施例1と同様の手順で実施例3を作成し、その結果を表1に示す。
比較例1
比較例1として、実施例1のA層−1を90g/m、A層−2を50g/mとし、さらにB層のないものを比較例1としその他は実施例1の手順で作成した。比較例1の試験結果を表1に示す。
本発明のフィルター生地性能およびJISダスト8種を使用したときの本発明のフィルター特性は、下記のとおりである。
フィルター生地性能
通気性:KES法
ABS接着強力:10N/25mm以上
難燃性:HF−2以上
フィルター特性
ダスト圧損:60Pa以下
DHC:300g/m以上
ダスト捕集効率:99.5%以上
試験条件:
1)通気性:KES法
2)圧損:15L/min、90mmφでの圧損
3)捕集効率:パーティクルカウンターで0.3〜5μm大気塵の15L/min、90mmφでの捕集効率
4)ABS接着強力試験方法
旭化成製射出グレード#190のABS樹脂を、25mm×10mmの試料の上に230℃で射出押し出しフィルターと接着させた後、フィルターとABSプレートとの剥離強力を測定した。
5)難燃性:UL95
6)ダスト圧損:風速50cm/secでの初期圧損
7)DHC;風速50cm/secでJIS8種を投下し抵抗上昇値が300Pa時に到達した際のDHC
8)ダスト捕集効率 抵抗上昇値が300Pa時に到達するまでの捕集効率
Figure 2008046476
表1に示す難燃規準はUL94のプラスチック材料の燃焼性試験に準じ規準で下記のとおりである(試料数は5枚)。
*1)HF−1:炎を遠ざけた後の残炎が試料の4/5枚が2秒以内、または1/5枚が10秒以内で燃焼破損した長さが60mm以内で、かつ炎の滴下により下にある脱脂綿に着火しないこと。
*2)HF−2:HF−1と同様であるが、炎の滴下により下にある脱脂綿は着火しても良い。
*3)HBF:40mm/分以内の燃焼速度であり、125mmの標線表示以内に燃焼が終わること。
表1にABS成形樹脂プレートとフィルター材の剥離強力の関係を示す。
本発明の実施例1および2のB層は芯がレギュラーポリエステル繊維で、鞘部がポリエチレン繊維のため、エアレイド法による生産時に鞘部の一部溶融し、A層の鞘部のポリエチレン繊維の溶融部と接着してA−B層間接着が強くなり、さらにB層の鞘部が溶融した後の芯部のポリエステル部とABS樹脂との接着性が、比較例1よりも強くなり、全体としての剥離強力、すなわち接着強力が高くなっていると推定される。
表1の比較例1は、分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる熱接着性複合繊維とABS成形樹脂プレートとの剥離強力、すなわち接着強力が殆どないことを示し、実施例3は芯がレギュラーポリエステル繊維、鞘が低融点の変性ポリエステル繊維でABS成形樹脂プレートとの接着性が良いものの、A層に難燃剤を含んでいないので、難燃区分がHBFの判定となるが、使用用途によっては、このHBFの難燃区分でも使用できる。
ただし、実施例3については、鞘が低融点の変性ポリエステル繊維からなるものの150℃と融点がポリエチレンの135℃融点に比べ15℃と高い。そのため、製造時の熱オーブン温度をポリエチレンの135℃融点近くでセットした場合、繊維層間での十分な接着強力が得られず、層間剥離や繊維脱落が起こる可能性がある。逆に、製造時の熱オーブン温度を変性ポリエステル繊維の150℃融点近くにセットした場合は、ポリエチレン層にて収縮によるクラック(ひび割れ)が発生する可能性がある。
表1より、本発明の実施例1および実施例2は、本発明の目的とするフィルター特性の目標値を満足するものである。難燃性能も非難燃性繊維からなる実施例1のB層繊維の比率が20/140=14.3%、実施例2のB層繊維の比率が20/118=17.0%、で、UL規格のHF−2のレベルであるが、実施例3では、B層繊維の非難燃繊維比率が30/167=18.0%高くなったため、難燃レベルはHBFとなった。比較例1のように全ての層に難燃剤を練り込んだ繊維層にした場合は、HF−1の規格を満足するものである。
しかし、比較例1は、本発明品のB層の変性ポリエステル繊維層を除去したもので、ABS樹脂との接着強力が低いが、トナーケースとしてポリポロピレンなどのオレフィン系の樹脂に代えた場合は接着強力がアップし、使用上問題はない。
本発明の複写機トナー用フィルターは、複写機トナー用フィルターの用途にのみならず、マスクのほか、ビルなどの室内の空調フィルター、自動車キャビンフィルター、燃料電池のインテークフィルターなどの用途にも有用である。
図1は本発明の複写機トナー用フィルターの断面構成図である。
符号の説明
1:A層−2
2:A層−1
3:B層

Claims (7)

  1. 繊維長さ1〜10mmで、分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層Aと、繊維長さ1〜10mmのポリエステル系熱接着性複合繊維を主体とし、エアレイド法で形成されたウェブ層Bより構成され、各層A,Bの繊維の一部または全部が熱溶融接着し一体化したエアレイド不織布よりなること特徴とする複写機トナー用フィルター。
  2. 分子構造に親水基を有さない熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびこれらの変性体の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の複写機トナー用フィルター。
  3. ウェブ層Aおよびウェブ層Bを構成する繊維の一部または全てが非ハロゲン系難燃剤を練り込んだ難燃性繊維である請求項1または2記載の複写機トナー用フィルター。
  4. フィルターがプリーツ加工され、その周辺部が該フィルターの枠体となる成形樹脂プレートと熱溶融接着している請求項1〜3いずれかに記載の複写機トナー用フィルター。
  5. エアレイド不織布の一部または全てがエレクトレット化されている請求項1〜4いずれかに記載の複写機トナー用フィルター。
  6. 成形樹脂プレートとの接着面が、ウェブ層B側である請求項4または5記載の複写機トナー用フィルター。
  7. 成形樹脂プレートがABS樹脂である、請求項4〜6いずれかに記載の複写機トナー用フィルター。
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