JPWO2018174002A1 - エレクトレット濾材およびフィルター - Google Patents

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裕輔 日高
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Abstract

本発明のエレクトレット濾材は、厚みが0.1〜1.0mmの補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層されている。

Description

本発明は建物内に外気を入れる際、あるいは建物内空気を循環させながら空気調和を行う際等に使用されるフィルターや、自動車、列車等の車両用や、家庭用、業務用の空気清浄機等に用いられるフィルター用途に好適な濾材等に関するものである。
従来、建物内や、自動車、列車等の車両室内等の人が生活する空間内の粒子状物質を除去するフィルターには、ガラス繊維濾紙や合成繊維からなる不織布が濾材として一般に使用されている。特に最近は、合成繊維からなるエレクトレット化された不織布(エレクトレット不織布)と強度付与および粉塵保持の役目を果たす補強層とを積層し、濾過面積を大きくするためプリーツ形状にしたものが使用されている。
エレクトレット不織布に使用される不織布としては、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等があり、単層であるいは複数を積層して用いられる。ここで、不織布における粒子捕集効率は、一般に、目付量、繊維径等により調整が可能である。
ここで、単層構造で目付量を増やすと、高密度化により圧力損失が増大する。また、目詰まりにより粉塵保持量が低下する。また高厚み化により濾材が折れにくくなり、プリーツ加工性が低下するばかりか、プリーツの頂点にて濾材同士が密着し、エレクトレットによる微細塵除去機能やダストの粉塵特性が低下する。
一方で、積層構造としては、例えば、特許文献1には摩擦帯電不織布と補強用ネットの積層体、特許文献2には摩擦帯電不織布と嵩高繊維シートについて記載されている。
日本国特許公報「特許4882985号」 日本国公開特許公報「特開2016−49469号」 日本国公開特許公報「特開2005−296825号」
しかしながら、特許文献1に記載の積層体は、摩擦帯電不織布(丸断面短繊維からなるエレクトレット層)が補強用ネットの片側にしか存在しないため、特に目付量を上げた場合において、高厚み化によってプリーツ加工性の低下やフィルターの圧力損失の増大等を招く恐れがある。また特許文献2に記載の積層体は、嵩高繊維シートの厚みが大きいため、濾材全体の厚みが増大し、フィルターの圧力損失の増大等を引き起こす恐れがある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、その目的は、フィルターにした際、圧力損失が低く、粉塵保持量に優れ、更には高い効率で粒子状物質を除去できる濾材、およびそれを用いたフィルターを提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す構成により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。本発明は以下のとおりである。
(1)厚みが0.1〜1.0mmの補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層されたエレクトレット濾材。
(2)前記補強材は繊維径0.04〜0.4mm、見開き1mm2以上100mm2未満のネットである(1)に記載のエレクトレット濾材。
(3)前記補強材が熱融着成分を有する(1)〜(2)に記載のエレクトレット濾材。
(4)(1)〜(3)のいずれか1つに記載の濾材にプリーツ加工を施したフィルター。
本発明のエレクトレット濾材は、上記構成により、補強材の両面に摩擦帯電不織布を備えているため、補強材の片側のみに同じ目付量の摩擦帯電不織布を設けた場合と比べ、プリーツ頂点において摩擦帯電不織布層同士の密着面積が小さくなる。そのため、有効に使用できる面積が増大し、フィルターの圧力損失の低減、粉塵保持量の増加、粒子捕集効率の高性能化が可能となる。よって、本発明は、フィルターにした際の圧力損失が低く、粉塵保持量に優れ、更には高い効率で粒子状物質を除去できる濾材、およびそれを用いた高性能なフィルターを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の濾材は、補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層されたエレクトレット濾材である。補強材の片側のみに同じ目付量の摩擦帯電不織布を設けた場合と比べ、プリーツ頂点において摩擦帯電不織布同士の密着面積が小さくなるため、有効に使用できる面積が増大し、フィルターの圧力損失の低減、粉塵保持量の増加、粒子捕集効率の高性能化が可能となる。
本実施形態において、補強材の厚みは、0.1mm以上1.0mm以下が好ましい。厚みが0.1mmよりも薄い場合、剛性が低くなるため、フィルター形状を保ち難くなる。また、厚みが1.0mmよりも厚い場合、フィルターとした際の圧力損失が高くなり、好ましくない。
補強材としては、補強ネット、サーマルボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンボンド不織布等が挙げられるが、中でも補強ネットが好ましい。補強ネットは、圧力損失が低く、補強効果も優れるのに加え、ネットの縦糸と横糸の間の空間に摩擦帯電不織布が入り込みやすく、濾材全体の厚みを薄くすることができる。これにより、濾材をフィルターにした際の圧力損失を低くすることが可能となる。また、本実施形態では、補強材の片側でなく、両側に摩擦帯電不織布層があるため、補強ネットと接触する面積が大きいため、摩擦帯電不織布の繊維がより補強ネット内に入り込みやすい。
本実施形態において補強ネットの材質は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。補強ネットを構成する繊維としては、単一成分の樹脂からなるものでも複数成分からなるものでもあってもよいが、低融点樹脂と高融点樹脂とを含むサイドバイサイド構造やシースコア構造からなる複合繊維であることが好ましい。上記補強ネットを構成する繊維の熱融着成分である低融点樹脂の存在により、両側の摩擦帯電不織布を熱で接着すると同時に、補強ネット内に入り込んだ繊維を固着し、濾材の厚みを維持することができる。
シースコア構造からなる複合繊維の樹脂の組み合わせとしては、例えば、熱融着成分であるシース成分をポリエチレンや低融点ポリプロピレンとし、コア成分をポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートとする組み合わせ等が考えられる。
補強ネットの繊維径は0.04〜0.4mmが好ましい。また、補強ネットの目開きは1mm2以上100mm2以下が好ましく、9mm2以上50mm2以下がより好ましい。繊維径および目開きがこの範囲であれば、補強効果は十分であり、また圧力損失に対しても有利である。
補強材と摩擦帯電不織布の積層方法は、接着樹脂による方法、熱可塑性樹脂を用いた熱処理、超音波を用いた方法が挙げられるが、加熱ロール等で濾材の両側からプレスする方法が好ましい。摩擦帯電不織布が補強材の両側に存在するため、両側からプレスした方が摩擦帯電不織布の繊維がより補強ネット内に入り込みやすいからである。
摩擦帯電不織布は、ポリエステル系繊維を少なくとも20質量%とポリオレフィン系繊維を少なくとも30質量%含んでなり、該摩擦帯電不織布中にリン原子および/またはイオウ原子が300ppm以上含有されていることが好ましい。これらリン原子および/またはイオウ原子は、ホスフィン酸化合物及び/またはスルホン酸化合物としてポリエステル分子鎖と共重合して存在していることが好ましい。このような摩擦帯電不織布は、例えば特許文献3に開示されているような公知の方法にて作成することができ、難燃性と濾過性能に優れている。
摩擦帯電不織布に用いられるポリオレフィン系繊維にはリン系添加剤やイオウ系添加剤が含まれてもよい。リン系添加剤としてはトリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェイト、ビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスフェイトなどが挙げられる。またイオウ系添加剤としては3,3’−チオジプロピオン酸ジラウリル、3,3’−チオジプロピオン酸ジミリスチルなどが挙げられる。前記添加剤含有ポリオレフィン系繊維とポリエステル系繊維からなる濾材は、添加剤を含んでいないポリオレフィン系繊維とポリエステル系繊維からなる濾材と比較して高い捕集効率を示す。捕集効率が高いほど、少ない目付量で要求を満足できるため、同じ捕集効率のエレクット化メルトブロー不織布やスパンボンド不織布と比べて圧力損失を下げることができる。
本実施形態では、摩擦帯電不織布に用いられるポリエステル系繊維には、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、芳香族ポリエステルを用いることができる。またポリエステル分子鎖には、ホスフィン酸化物及び/またはスルホン酸化合物が共重合されていることが好ましい。前記共重合ポリエステルとポリオレフィン系繊維からなる濾材は、標準ポリエステルとポリオレフィン系繊維からなる濾材と比較して帯電レベルが高く、また難燃性にも優れている。
本実施形態の摩擦帯電不織布の繊維径は10〜20μmが好ましい。かかる範囲であれば低圧力損失であり、かつ微細塵を十分に除去できる。混合割合は30:70〜70:30が好ましい。かかる範囲であれば有効に荷電することができる。
本実施形態の摩擦帯電不織布の繊維の断面は、特に限定されず、円形、三角形、矩形、異形など何れでもよいが、より好ましくは円形断面である。円形断面であると、繊維同士の接触面積が少なく、有効繊維表面積の減少を引き起こし難い。なお、繊維断面の形状は真円に限らず楕円形などでもよい。また、摩擦帯電不織布の繊維長は、摩擦帯電不織布を製造する際の繊維のシート化手段にもよるが、10〜100mmが好ましく、より好ましくは30〜80mmである。かかる範囲であれば、該繊維のカーディングにおいて、より均一なウェブを作製することができるからである。
繊維のシート化手段は特に限定しないが、上記で説明した繊維を混繊してカーディングによりウェブを作製し、それらをニードルパンチやウォーターパンチ等で交絡させるのが好ましい。このような交絡であると、不織布の厚み方向に繊維が配向するため、メルトブロー不織布やスパンボンド不織布に比べて、厚み方向全体で粉塵を保持することができ、超音波接合に伴う粉塵目詰まりによる粉塵保持量の低下を抑制することができる。ニードルパンチやウォーターパンチ等の絡合手段は必ずしも単独である必要は無く、組み合わせて利用してもよい。組み合わせることで、繊維間の絡合が強くなり剥離強度が向上する。なお、ウォーターパンチを実施する場合は、液体の接触による電荷の消失を防ぐために、摩擦帯電工程の前に実施するのが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。もちろん、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更することも可能である。そして、それら適宜変更したものも本発明の技術的範囲に含まれる。
まず、後述の実施例および比較例により作成した濾材の特性の測定方法について説明する。
(圧力損失)
フィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が60cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材の上流と下流との静圧差を差圧計にて読み取り、圧力損失(Pa)を測定した。
(粒子捕集効率)
フィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が25cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材の上流と下流とにおける0.3〜0.5μm粒子の個数濃度をパーティクルカウンターにて計測し、次式にて粒子捕集効率を算出した。
粒子捕集効率(%)={1−(下流側濃度/上流側濃度)}×100
(JIS15種粉塵供給量)
フィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が60cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材上流側から、JIS15種粉塵を0.5g/mの濃度にて負荷し、通気抵抗が初期から150Pa上昇するまで粉塵を負荷した。この時の試験時間中に投入した粉塵供給量を計測し、粉塵供給量(g)とした。
〔実施例1〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付80g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付15g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(PK−103、三井化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体2つと補強材であるポリプロピレンネット(目付50g/m、厚み0.7mm)と用いて、2つの積層体のそれぞれのネット複合濾材にてポリプロピレンネットを挟むように積層した。つまり、スパンボンド不織布+混繊ウェブ+ポリプロピレンネット+混繊ウェブ+スパンボンド不織布の順に積層した積層物を得た。この積層順は、後段の実施例2〜5も同様である。
上記積層物に、針密度31本/cmにてニードルパンチ処理をすることで摩擦帯電と交絡を同時に行い、更に130℃の加熱ロールにて両側からプレスし、全目付240g/mのネット複合濾材(エレクトレット濾材)を得た。摩擦帯電によりポリプロピレンネット両側の混繊ウェブが摩擦帯電不織布となった。
ここで、ネット複合濾材において、補強材は積層されニードルパンチされた状態であるため、単体のときよりも厚みは小さくなることがある。
上記ネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔実施例2〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付45g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付15g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(PK−103、三井化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体を2つ用いてそれぞれの混繊ウェブがポリプロピレンネット(目付50g/m、厚み0.7mm)の両側にくるように積層し、針密度31本/cmにてニードルパンチ処理をすることで摩擦帯電と交絡を同時に行い、更に130℃の加熱ロールにて両側からプレスし、全目付170g/mのネット複合濾材(エレクトレット濾材)を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔実施例3〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付15g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付15g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(PK−103、三井化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体を2つ用いてそれぞれの混繊ウェブがポリプロピレンネット(目付50g/m、厚み0.7mm)の両側にくるように積層し、針密度31本/cmにてニードルパンチ処理をすることで摩擦帯電と交絡を同時に行い、更に130℃の加熱ロールにて両側からプレスし、全目付110g/mのネット複合濾材(エレクトレット濾材)を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔実施例4〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付45g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付15g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(PK−103、三井化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体を2つ用いてそれぞれの混繊ウェブが補強材であるポリエステル系サーマルボンド不織布(目付65g/m、厚み0.3mm)の両側にくるように積層し、針密度31本/cmにてニードルパンチ処理をすることで摩擦帯電と交絡を同時に行い、更に130℃の加熱ロールにて両側からプレスし、全目付185g/mのネット複合濾材(エレクトレット濾材)を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔実施例5〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付45g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付15g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(PK−103、三井化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体を2つ用いてそれぞれの混繊ウェブがポリエステル系スパンボンド不織布(目付50g/m、厚み0.2mm)の両側にくるように積層し、針密度31本/cmにてニードルパンチ処理をすることで摩擦帯電と交絡を同時に行い、更に130℃の加熱ロールにて両側からプレスし、全目付170g/mのネット複合濾材(エレクトレット濾材)を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔比較例1〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付90g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付30g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(6630−1A、シンワ化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。ポリプロピレン系スパンボンド不織布(目付15g/m)、ポリプロピレンネット(目付50g/m、厚み0.7mm)、前記積層体の順番になるように、かつ、ポリプロピレンネットと積層体の混繊ウェブが接するようにして積層物を得た。この積層物に針密度31本/cmにてニードルパンチ処理をすることで摩擦帯電と交絡を同時に行い、更に130℃の加熱ロールにて両側からプレスし、全目付185g/mのネット複合濾材を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔比較例2〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付90g/mの混繊ウェブを作製した。この混繊ウェブに目付30g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(6630−1A、シンワ化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体と補強材としてポリエステル系サーマルボンド不織布(目付65g/m、厚み0.3mm)とを、積層体の混繊ウェブとポリエステル系サーマルボンド不織布とが接するようにして、ホットメルト樹脂により接着させ、全目付185g/mのネット複合濾材を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
〔比較例3〕
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付90g/mの混繊ウェブを作製し、これに目付30g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(6630−1A、シンワ化学株式会社製)を積層後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体を作成した。当該積層体と補強材としてポリエステル系スパンボンド不織布(目付50g/m、厚み0.2mm)とを、積層体の混繊ウェブとポリエステル系スパンボンド不織布とが接するようにして、ホットメルト樹脂により接着させ、全目付170g/mのネット複合濾材を得た。このネット複合濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ8mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
上記実施例1〜5および比較例1〜3にて作成したフィルターについて、特性に関する各種測定を行った。その結果を表1に示す。
表1から、補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層された実施例2および5は、全目付が同じ(170g/m)、混繊ウェブ目付が同じ(50g/m)で、補強材の片側に摩擦帯電不織布が積層され比較例3よりも、低い圧力損失かつ高い粒子捕集効率であることがわかる。また、補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層された実施例4は、全目付量が同じ(185g/m)であり、補強材の両面に不織布が積層されており、そのうち片側にのみ摩擦帯電不織布が積層されている比較例1よりも、低い圧力損失かつ高い粒子捕集効率であることがわかる。また、実施例4は、全目付量が同じ(185g/m)であり、混繊ウェブ目付が同じ(65g/m)で、補強材の片側にのみ摩擦帯電不織布が積層されている比較例2よりも、低い圧力損失かつ高い粒子捕集効率であることがわかる。
ここで、表1にて実施例1の圧力損失が各比較例の圧力損失よりも高くなっているが、これは、実施例1の全目付が各比較例よりも大きいためである。全目付を同じにすると、実施例1が比較例よりも圧力損失が低くなることは、上記考察より理解される。同様に、実施例3の粒子捕集効率が各比較例の粒子捕集効率よりも悪くなっているが、これは実施例3の全目付が少ないからである。全目付けを同じにすると、実施例3が比較例よりも粒子捕集効率が高くなることは、上記考察より理解される。
上記実施例および比較例から、厚みが0.1〜1.0mmの補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層されている本発明の濾材は、圧力損失や粉塵保持量に優れ、高い効率で粒子状物質を除去できる、ことがわかる。
本発明のエレクトレット濾材は、圧力損失や粉塵保持量に優れた濾材であるため、性能低下を抑制して長時間使用可能であり、特に、フィルター分野での有用性は高い。

Claims (4)

  1. 厚みが0.1〜1.0mmの補強材の両面に摩擦帯電不織布が積層されていることを特徴とするエレクトレット濾材。
  2. 前記補強材は、繊維径0.04mm以上0.4mm以下、かつ、見開き1mm2以上100mm2以下のネットであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレット濾材。
  3. 前記補強ネットは熱融着成分を有することを特徴とする請求項1〜2に記載のエレクトレット濾材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトレット濾材にプリーツ加工を施したことを特徴とするフィルター。
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