JP4923353B2 - エレクトレット濾材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体中の微粒子の捕捉に用いられる高捕集効率かつ低圧力損失であるエレクトレット濾材に関し、繊維の毛羽立ちや脱落、層間剥離がなく、かつ剛性と易プリーツ性を有するエレクトレット濾材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
特開平7−251015号公報にはエレクトレット化スプリット繊維と熱融着性繊維で構成され、繊維脱落や毛羽立ちがないエレクトレットフィルターが開示されている。同公報では、エレクトレット化スプリット繊維単独で開綿や梳綿すると静電気的トラブルが多く発生し、製造されるフィルターの濾過性能がばらついたり、性能の低いフィルターしか得られない問題点が指摘されている。これを解決するためにエレクトレット化スプリット繊維と油剤付着量が0.01〜5重量%である熱融着性繊維を混合してウェブとし、熱融着させたフィルターとする方法が開示されている。この方法では操業性やフィルター性能の点から熱融着性繊維の油剤付着量を0.01〜5重量%の範囲内に制御する必要がある。また剛性やプリーツ加工性を発現するためには熱融着性繊維の混合割合をある程度大きくする必要があり、高捕集効率とするためにはウェブ全体の目付を大きくする必要がある。
【0003】
特開平8−117526号公報には熱融着性繊維層とエレクトレット化スプリット繊維層を、表面を熱融着性繊維層にして交互に積層し、厚さ方向で機械的交絡により層を超えて繊維絡合した融着部を有するフィルターが開示され、スプリット繊維の毛羽立ちや層間剥離のないエレクトレットフィルターが得られることが記載されている。この公報ではフィルターの剛性とハンドリング性向上、易プリーツ化のために補強材を積層することが開示されているが、この補強材は熱融着性繊維層のうちの一層である。またこの公報ではエレクトレット化スプリット繊維層の作製方法が明確に記載されていない。
【0004】
特開平8−281029号公報にはエレクトレット繊維と熱融着性繊維で融着結合したウェブの表裏両面に網状ネットを積層し一体化した、繊維脱落がなく腰の強いエアコン用フィルターが開示されている。しかしながら腰の強いフィルターを得るためには、熱融着性繊維の混率を大きくし、かつ繊度や目付の大きい網状シートを使用する必要があり、エアコン用フィルター以外の用途には捕集効率が必ずしも満足できるレベルではなかったり、あるいはフィルター厚さが大きくなったりするという問題があった。
【0005】
また特表平7−504121号公報、特表2000−504992号公報には、ニードルパンチ加工によってフィブリル化エレクトレット繊維の繊維状ウェブと支持体スクリムとを接合する方法が記載されている。この方法ではウェブの目付、圧力損失および捕集効率の改良された均一なエレクトレット繊維ウェブフィルターが得られると記載されている。しかしながら、フィブリル化エレクトレット繊維の毛羽立ちや繊維脱落については何ら記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、高捕集効率かつ低圧力損失であり、繊維の毛羽立ちや脱落、層間剥離がなく、また剛性と易プリーツ性を有するエレクトレット濾材およびその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも3層以上の繊維層からなるエレクトレット濾材であって、最外層が熱融着性繊維層と不織布、内層の少なくとも1層がエレクトレット化スプリット繊維の短繊維ウェブ層からなり、最外層の熱融着性繊維層が機械的交絡により層を超えて反対側の不織布にまで到達して絡合した融着部を有することを特徴とするエレクトレット濾材である。
【0008】
また本発明の好ましい実施態様は、前記エレクトレット濾材において、内層としてさらにネットを積層したことを特徴とするエレクトレット濾材である。
【0009】
また本発明は、上記エレクトレット濾材を製造するための方法であって、開綿、梳綿して形成した熱融着性繊維ウェブを最表面、不織布を最裏面とし、開綿、梳綿して形成したエレクトレット化スプリット繊維ウェブが内層となるように積層し、これをニードルパンチ加工して繊維絡合させ、次いで加熱処理して融着させることを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法である。
【0010】
また本発明の好ましい実施態様は、前記エレクトレット濾材を製造するための方法において、内層としてさらにネットを積層したことを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法である。
【0011】
また本発明の好ましい実施態様は、前記エレクトレット濾材を製造するための方法において、30〜100mmの短繊維に切断したエレクトレット化スプリット繊維を、相対湿度50%以上の雰囲気下で開綿、梳綿してエレクトレット化スプリット繊維層を形成することを含むエレクトレット濾材の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のエレクトレット濾材に用いられる熱融着性繊維とは、加熱によって溶融する成分を含んだ繊維をいう。熱融着成分としてはポリエチレン、変性ポリエチレン、共重合ポリエステル、共重合ナイロン、エチレン酢酸ビニル共重合体などがある。これらの繊維は単一の融着成分から成っていてもよいが、多成分から成っていてもよい。これらの熱融着繊維は通常の溶融紡糸によりえられる。多成分から成る熱融着性繊維としては、シースコア構造やサイドバイサイド構造がある。例えば、シースコア構造でシース材料にコア材料よりも低融点融着成分を用いて、両成分の融点の中間の温度で処理すると、シース部分だけが溶融しコアの繊維はそのままの形状で保持される。本発明で用いられる熱融着性繊維の繊度は1〜100デニール、好ましくは3〜50デニール、最も好ましくは5〜30デニールである。この繊度以下であれば十分に加熱時に融着が起こらず、形態保持が困難である。また逆にこの繊度以上であれは、融着部分が大きくなり圧力損失に不利になる。
【0013】
上記の熱融着性繊維は通常の方法により開綿、梳綿されて熱融着性繊維ウェブに形成される。その目付は5〜30g/m2、好ましくは5〜20g/m2である。この目付けの範囲が圧力損失にとっては最適範囲である。
【0014】
本発明におけるエレクトレット化スプリット繊維は以下のように製造することができる。原料樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−3−メチル−1−ブテンなどが挙げられるが好ましくはポリプロピレンである。これらの樹脂から溶融押し出しによりキャストフィルムを作製し、次いで5〜10倍に一軸延伸して延伸フィルムを得る。その後これを荷電工程にてエレクトレット化し、次いで開繊カッターで微細に割繊してエレクトレット化スプリット繊維を得ることができる。具体的なエレクトレット化の方法にはコロナ放電による荷電、電子線照射による荷電、高電界下における荷電などが挙げられる。スプリット繊維の幅の好ましい範囲は40〜100μmであり、厚さは3〜50μmが好適である。幅、厚みともこの範囲を超えると嵩が大きくなりすぎたり、電荷が低くなりすぎてエレクトレット効果と圧力損失が両立しない。
【0015】
上記のエレクトレット化スプリット繊維は、まず繊維長30〜100mmの長さに切断され、その後開綿、梳綿工程によりエレクトレット化スプリット繊維層ウェブに形成される。従来、エレクトレット化スプリット繊維を単独で開綿や梳綿において積層する操作では、静電気力によって梳綿機出口部やレイヤー振り落とし部にエレクトレット化スプリット繊維が付着するというトラブルが発生し、極めて生産性が悪かった。しかしながら本発明者らは開綿、梳綿工程雰囲気の相対湿度を50%以上、好ましくは60%以上に制御することにより、前記のような静電気的トラブルが解消でき、かつスプリット繊維自体のエレクトレット性には悪影響を及ぼさないことを見出した。本発明におけるエレクトレット化スプリット繊維層の目付は5〜100g/m2、好ましくは10〜50g/m2である。
【0016】
本発明のエレクトレット濾材の最外層を構成する不織布の種類は特に限定しない。乾式不織布、湿式不織布の何れでもよい。またエレクトレットでも非エレクトレットの何れでもよい。繊度や目付は特に限定するものではなく、許容される圧力損失と剛性との兼ね合いによって適宜選択することができる。また必要に応じて脱臭機能や抗菌機能を有する不織布であっても差し支えない。
【0017】
本発明におけるネットは合成繊維、無機繊維、金属繊維の何れでもよい。繊度は10〜1500デニール、目開きは1mm2以上、好ましくは9mm2以上である。繊度、目開きがこの範囲であれば補強効果は十分であり、また圧力損失に対しても有利である。このようにネットで補強することによりプリーツ加工などした時、形態保持に優れた効果を発揮する。
【0018】
本発明のエレクトレット濾材は次のようにして製造される。不織布を最下層、熱融着性繊維層を最上層とし、その間に少なくとも1層のエレクトレット化スプリット繊維層、および必要に応じてさらにネットを挟んで積層する。エレクトレット化スプリット繊維層とネットの順序は特に限定されない。なお他の繊維層、例えば別の熱融着性繊維層やエレクトレット化スプリット繊維層、不織布、ネット等を内側の層としてさらに積層しても差し支えない。この積層体をニードルパンチ加工により最外層の熱融着性繊維層が機械的交絡により層を超えて反対側の最外層の不織布にまで到達させて絡合させる。仮に最外層が不織布がなく目開きの大きいネットのみであると、熱融着性繊維とネットの交絡点の数が少ないため接着強度が十分ではない。最外層の不織布があることで熱融着性繊維と不織布の交絡による接着強度が十分なものとなる。ニードルパンチ加工のパンチ密度は10〜500パンチ/cm2、好ましくは20〜200パンチ/cm2である。
【0019】
次いでこの積層体を加熱処理すると、熱融着性繊維はエレクトレット化スプリット繊維や不織布と融着一体化し、毛羽立ちが抑制される。毛羽立ちを抑制するためには、エレクトレット化スプリット繊維層よりも外側に熱融着繊維層が存在していることが重要である。ここで加熱処理の温度は使用する熱融着性繊維の融点によって決められるが、ポリエチレン系なら130℃程度、共重合ポリエステルなら120℃程度がよい。これらの温度で短時間に加熱処理するとエレクトレット化スプリット繊維のエレクトレット性の低下は極めて小さく、捕集効率の低下はほとんど問題にならない。このようにパンチ密度の調整、加熱処理をすることにより、内層の中に柱状の融着部分を生じ、より一層接着強度が増すとともに繊維の脱落もなくなり、毛羽立ちも制御でき、できた濾材の屈曲強度も向上し、プリーツ加工なと゜がより容易になる。
【0020】
本発明のエレクトレット濾材を用いて空気清浄フィルターを作製する場合、さらに別の脱臭シートや抗菌シートを貼り合わせてもよい。この場合、熱融着繊維層側あるいは不織布側の何れの側に貼り合わせてもよい。
【0021】
実施例
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 まず、本実施例で得たエレクトレット濾材の試験方法を以下に記す。
【0022】
(大気塵粒子除去性能)
直径47mmの円板状エレクトレット濾材試料を濾過面積12.5cm2のステンレス性フィルターホルダーに装着した。このフィルターホルダーには濾材の上流側と下流側にサンプリング管が取りつけられており、空気をサンプリングしてパーティクルカウンターKC−01(RION製)で粒子個数濃度が測定できるようにした。フィルターホルダーの下流側に真空ポンプを接続し、濾材に通過風速10cm/秒で空気を導入しつつ濾材の上流側の0.3μmの粒子個数濃度(Cin)と下流側の0.3μmの粒子個数濃度(Cout)を計測し、(Cin−Cout)/Cin×100(%)により粒子捕集効率を求めた。
【0023】
(圧力損失)
直径47mmの円板状エレクトレット濾材試料を濾過面積12.5cm2のステンレス製フィルタホルダーに装着し、その下流側にブロワーを接続し、濾材に空気を導入しつつ、その上流側と下流側の圧力損失をマノスターゲージにより測定した。通過風速は10cm/秒とした。
【0024】
(繊維脱落性)
20cm角のエレクトレット濾材試料を黒色紙の上に置き、これに重さ100gの20cm角の板を10cmの高さから3回繰り返して落下させた後、試料下面に脱落した繊維の本数を数えた。1つの実施例(比較例)について3つの試料片で評価し、脱落本数の平均値を四捨五入して算出した。
【0025】
(毛羽立ち)
10cm角のエレクトレット濾材試料を2つ折りにしてその折り目の頂点に2mmを超える繊維の毛羽が存在する場合を毛羽立ちあり、2mmを超える繊維の毛羽が存在しない場合を毛羽立ちなしと判定した。
【0026】
(実施例1)
融点が110℃である共重合ポリエステル系熱融着性繊維(8デニール、油剤付着量7重量%)を開綿、梳綿して目付10g/m2の熱融着性繊維層ウェブ(A)を作製した。また厚さ8μm、平均幅80μmのポリプロピレン製エレクトレット化スプリット繊維を75mm長さの短繊維状に切断し、相対湿度65%雰囲気下で開綿、梳綿して目付30g/m2のエレクトレット化スプリット繊維層ウェブ(B)を作製した。これらと、繊度4デニール、目付80g/m2のポリエステル系スパンボンド不織布(C)を、上から(A)、(B)、(C)の順番で積層した。この積層体を40パンチ/cm2でニードルパンチ加工して繊維を交絡させ、次いで120℃の熱風オーブン中を通過させて熱融着させ、実施例1のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0027】
(実施例2)
実施例1と同様の熱融着性繊維層ウェブ(A)、およびエレクトレット化スプリット繊維層ウェブ(B)を作製した。繊維径0.3mm、目付30g/m2、目開き25mm2のポリオレフィン系ネット(D)、および繊度4デニール、目付15g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布(E)をそれぞれ準備し、上から(A)、(B)、(D)、(E)の順番で積層した。この積層体を20パンチ/cm2でニードルパンチ加工して繊維を交絡させ、次いで120℃の熱風オーブン中を通過させて熱融着させ、実施例2のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0028】
(実施例3)
実施例1および実施例2で作製したエレクトレット濾材試料について、レシプロ式プリーツ加工機を用いてプリーツ加工性テストを実施したところ、何れも加工性良好であった。プリーツ高さ20mm、ピッチ8mmのフィルターを作製し耐風圧試験を行ったところ、何れもフィルタ間口風速3m/秒においてもプリーツ形状の座屈はみられなかった。
【0029】
(比較例1)
実施例2と同様の熱融着性繊維とエレクトレット化スプリット繊維を重量比1/3で開綿、梳綿により均一混合し、目付40g/m2の繊維層ウェブを得た。このウェブを上にし、実施例2と同様のポリオレフィン系ネット(D)、スパンボンド不織布(E)の順番で積層した。次いで実施例2と同様のニードルパンチ加工、熱処理を行って比較例1のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0030】
(比較例2)
実施例2においてスパンボンド不織布(E)を使用せずに(A)、(B)、(D)の順番で積層し、実施例2と同様のニードルパンチ加工、熱処理を行って比較例2のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0031】
(比較例3)
実施例2において熱融着性繊維層ウェブ(A)を使用せずに(B)、(D)、(E)の順番で積層し、実施例2と同様のニードルパンチ加工、熱処理を行って比較例3のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0032】
(比較例4)
実施例2と同様の積層体を20パンチ/cm2でニードルパンチ加工して繊維を交絡させ、熱融着をさせずに比較例4のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0033】
(比較例5)
実施例2と同様の積層体をニードルパンチ加工せずに、120℃の熱風オーブン中を通過させて熱融着させ、比較例5のエレクトレット濾材試料を作製した。
【0034】
第1表に実施例1〜2および比較例1〜5の粒子捕集効率、圧力損失、繊維脱落、毛羽立ち、層間剥離を評価した結果を示した。
【0035】
【表1】
Figure 0004923353
【0036】
実施例1〜2のエレクトレット濾材では何れも毛羽立ち、繊維脱落、層間剥離がみられない。またいずれもプリーツ性良好で高風速下における耐風圧性(剛性)も良好であった。なお、実施例1では剛性確保のため目付80g/m2のポリエステル系スパンボンド不織布を使用しており若干圧損が高くなっている。これに対して実施例2ではポリオレフィン系ネットで剛性を付与し、目付15g/m2のスパンボンド不織布を使用することにより低圧損化を実現している。
【0037】
比較例1は熱融着性繊維とエレクトレット化スプリット繊維を均一混合し、かつ熱融着性繊維の量が少ないため毛羽立ちおよび繊維脱落がみられた。また実施例と同量のエレクトレット化スプリット繊維を使用しているにも関わらず捕集効率が低い。これは熱融着性繊維の油剤がエレクトレットに対して悪さをしているためである。
比較例2ではネットと繊維層ウェブの接着が十分ではなく部分的に剥離しているところがあった。不織布を使用せず目開きの大きいネットのみであると、熱融着性繊維とネットの交絡点の数が少なく接着強度が十分ではないためである。
比較例3では熱融着性繊維による融着がないため、エレクトレット化スプリット
繊維の毛羽立ちと繊維脱落が多く認められた。
比較例4は熱融着処理を実施していないため、繊維の毛羽立ちと繊維脱落が多く認められた。
比較例5はニードルパンチ加工を実施していないため、繊維脱落と層間剥離が認められた。
【0038】
(比較例6)
厚さ8μm、平均幅80μmのポリプロピレン製エレクトレット化スプリット繊維を75mm長さの短繊維状にカットし、相対湿度30%雰囲気下で開綿、梳綿を試みた。しかしながらエレクトレット化スプリット繊維の梳綿機出口部やレイヤー振り落とし部への付着が激しく、連続した繊維層ウェブを得ることができなかった。
【0039】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明のエレクトレット濾材は最外層が熱融着性繊維層と不織布、内層の少なくとも1層がエレクトレット化スプリット繊維の短繊維ウェブ層であり、最外層の熱融着性繊維層が機械的交絡により層を超えて反対側の不織布にまで到達して絡合した融着部を有することにより、毛羽立ちや繊維脱落、層間剥離を防止するものである。したがって従来技術に比べてエレクトレット化スプリット繊維に対する熱融着性繊維層の使用量を極めて少なくすることができ、圧力損失を低減することができる。またエレクトレット化スプリット繊維と熱融着性繊維を均一混合しないので、熱融着性繊維に付着している油剤によるエレクトレット低下の懸念がない。

Claims (2)

  1. 開綿、梳綿して形成した熱融着性繊維層ウェブを最表面、不織布を最裏面とし、30〜100mmの短繊維に切断したエレクトレット化スプリット繊維を、相対湿度50%以上の雰囲気下で開綿、梳綿して形成したエレクトレット化スプリット繊維層ウェブが内層となるように積層し、これらをニードルパンチ加工して繊維絡合させ、次いで加熱処理して融着させることにより、最表面の熱融着性繊維層が機械的交絡により層を越えて最裏面の不織布まで到達するよう絡合し、加熱処理により熱融着性繊維がエレクトレット化スプリット繊維や最裏面の不織布と融着部を形成させることを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
  2. 内層としてネットをさらに積層したことを特徴とする請求項1に記載のエレクトレット濾材の製造方法。
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