JP2008045642A - 回転直線運動変換機構の製造方法及びその実施に使用する治具 - Google Patents

回転直線運動変換機構の製造方法及びその実施に使用する治具 Download PDF

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Mitsuharu Ishibashi
光治 石橋
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Abstract

【課題】遊星軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することのできる回転直線運動変換機構の製造方法を提供する。
【解決手段】この製造方法では、サンシャフト本体と各プラネタリシャフト本体とを含む一方でリングシャフト本体を含むことなく構成される集合体(ベースアッセンブリ)を組み立てる工程と、組み付け治具6によりベースアッセンブリを支持する工程と、組み付け治具6に取り付けられているベースアッセンブリとリングシャフト本体とを組み合わせることにより、リングシャフト本体とサンシャフト本体と各プラネタリシャフト本体とを含めて構成される集合体(シャフトアッセンブリ)を組み立てる工程とを含めて回転直線運動変換機構の組み立てを行う。
【選択図】図24

Description

本発明は、太陽軸及び円環軸の一方の回転運動を太陽軸及び円環軸の他方の直線運動に変換する回転直線運動変換機構の製造方法、及びその実施に使用する治具に関する。
回転直線運動変換機構としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
この回転直線運動変換機構は、内部に空間が設けられる円環軸と円環軸の内部に配置される太陽軸と太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸との組み合わせにより構成されている。また、円環軸の雌ねじ及び太陽軸の雄ねじと遊星軸の雄ねじとがそれぞれ噛み合わされている。こうした構造の回転直線運動変換機構においては、円環軸を回転運動させたとき、円環軸から伝達された力を通じて遊星軸が太陽軸のまわりで遊星運動することにより、太陽軸が直線運動するようになる。すなわち、円環軸の回転運動を太陽軸の直線運動に変換することが可能となっている。
特開平10−196757号公報
ところで、回転直線運動変換機構の製造過程においては、円環軸と太陽軸との間で遊星軸が基準姿勢(遊星軸の中心線が太陽軸の中心線に対して平行となる姿勢)に対して傾いた状態となることが本願発明者により確認されている。このように遊星軸が傾く理由は次のように考えられる。
回転直線運動変換機構においては、各構成要素のねじの条数が異なる値に設定されるため、円環軸の雌ねじ及び太陽軸の雄ねじと各遊星軸の雄ねじとが噛み合わされたときにこれらねじの間にバックラッシが形成される。また、このバックラッシの大きさは各ねじの条数の設定態様に応じて異なる。こうしたことから、回転直線運動変換機構の製造過程において、各構成要素の組み合わせにともない遊星軸に力が加えられたとき、遊星軸が上記バックラッシをうめる方向へ動かされることにより遊星軸が傾いた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることもある。
例えば、回転直線運動変換機構の製造に際して太陽軸と遊星軸とが組み合わされた集合体に対して円環軸を組み付ける場合、円環軸の雌ねじを遊星軸の雄ねじに噛み合わせるときに円環軸から遊星軸に力が加えられるため、上述のように遊星軸の傾きが生じるようになる。
回転直線運動変換機構において遊星軸が基準姿勢に対して傾いているとき、各構成要素のねじの噛み合いが不均一となるため、局部的にねじの摩耗が促進することにより寿命の低下をまねくようになる。また、各構成要素の間におけるフリクションが増大するため、回転運動から直線運動への変換効率の低下をまねくようにもなる。そこで、組み立て時における遊星軸の傾きを抑制することが望ましいが、いまのところこうした要求を満たすことのできる適当な提案はなされていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊星軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することのできる回転直線運動変換機構の製造方法及びその実施に使用する治具を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとして、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される回転直線運動変換機構について、次の各工程、すなわち「前記太陽軸と前記遊星軸とを含む一方で前記円環軸を含むことなく構成される集合体を第1集合体として、該第1集合体を組み立てる第1工程」と、「前記遊星軸の両端部とのはめ合わせにより該遊星軸を保持することのできる治具を基礎治具として、前記第1集合体を該基礎治具に取り付ける第2工程」と、「前記円環軸と前記太陽軸と前記遊星軸とを含めて構成される集合体を第2集合体として、前記基礎治具に取り付けられている前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることにより該第2集合体を組み立てる第3工程」とを含めて当該回転直線運動変換機構の製造を行うことを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、基礎治具により遊星軸が保持された状態で円環軸が第1集合体に組み付けられるため、遊星軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記基礎治具は、相対的な移動が許容される第1本体と第2本体とを含めて構成されることと、前記遊星軸の一方の端部を第1遊星端部とし、該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素として、該第1遊星支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記遊星軸の他方の端部を第2遊星端部とし、該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素として、該第2遊星支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることと、前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素を通じて前記遊星軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第1集合体の遊星軸の第1遊星端部と前記第1本体の第1遊星支持要素とをはめ合わせた後に、前記第2本体を前記第1本体に組み合わせるとともに前記第1集合体の遊星軸の第2遊星端部と前記第2本体の第2遊星支持要素とをはめ合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1遊星支持要素と第2遊星支持要素との関係が固定された状態で第1集合体の遊星軸の遊星ねじと円環軸の円環ねじとが噛み合わされるため、第2集合体の組み立てにともない遊星軸が傾けられることをより好適に抑制することができるようになる。
(3)請求項2に記載の発明は、請求項2に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第1本体は、前記第1集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2本体に前記円環軸を取り付けた後に前記第2遊星支持要素とともに前記円環軸を前記第1集合体内に挿入することを条件として行われるものであり、前記第3工程は、前記第1本体内において前記円環軸を前記第2遊星支持要素に対して回転させることにより前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業とが同時に行われるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記基礎治具は、前記太陽軸の一方の端部を第1太陽端部とし、該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素として、該第1太陽支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記太陽軸の他方の端部を第2太陽端部とし、該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素として、該第2太陽支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1太陽支持要素と前記第2太陽支持要素との関係が固定されることと、前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素を通じて前記太陽軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第1集合体の太陽軸の第1太陽端部と前記第1本体の第1太陽支持要素とをはめ合わせた後に、前記第2本体を前記第1本体に組み合わせるとともに前記第1集合体の太陽軸の第2太陽端部と前記第2本体の第2太陽支持要素とをはめ合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1太陽支持要素と第2太陽支持要素との関係が固定された状態で第1集合体及び第2集合体が組み立てられるため、太陽軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第1本体は、前記第1集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第1太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2遊星支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2本体に前記円環軸を取り付けた後に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素とともに前記円環軸を前記第1集合体内に挿入することを条件として行われるものであり、前記第3工程は、前記第1本体内において前記円環軸を前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素に対して回転させることにより前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、第2太陽支持要素を太陽軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業とが同時に行われるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第2本体は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となるとともに前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときの前記第1本体との関係を治具基準関係として、前記第2遊星支持要素が前記第1遊星支持要素と対向する状態で前記第1本体内に挿入されることにより前記第1本体との関係が該治具基準関係に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2遊星支持要素を前記第1遊星支持要素と対向させた状態で前記第2本体を前記第1本体内に挿入することを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1本体と第2本体との組み合わせを通じて治具基準関係を得るために、作業者は第1遊星支持要素と第2遊星支持要素とが対向していることだけを確認すればよいため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記基礎治具は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記遊星軸の中心線を前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素の中心線と整合させることができることと、前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記太陽軸の中心線と前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とを整合させることができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との相対的な回転位相を治具相対位相とし、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときの該治具相対位相を治具基準位相として、前記治具相対位相を該治具基準位相に設定した状態で前記第2本体を前記第1本体内に挿入することを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、太陽軸の中心線と遊星軸の中心線とが平行の関係となる状態で円環軸と遊星軸とが組み合わせられるため、回転直線運動変換機構における太陽軸と遊星軸との間のフリクションについて、その低減に貢献することができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記基礎治具は、前記治具相対位相が該治具基準位相に設定されているときにのみ前記第1本体及び前記第2本体に組み付けることのできる連結要素が備えられることを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2本体を前記第1本体内に挿入した後に前記連結要素により前記第1本体と前記第2本体とを連結することを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、治具相対位相が確実に治具基準位相に設定されるため、第2本体を第1集合体に取り付ける際に遊星軸が傾けられることを好適に抑制することができるようになる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記基礎治具は、前記連結要素を通じて前記第1本体と前記第2本体とが連結されることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることを条件として構成されるものであり、前記第3工程は、前記連結要素を通じて前記第1本体と前記第2本体とが連結された状態で前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1遊星支持要素及び第2遊星支持要素を通じて確実に遊星軸の姿勢が固定されるため、第2集合体の組み立てにともない遊星軸が傾けられることを好適に抑制することができるようになる。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれか一項に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が設けられる内側本体と、該内側本体に対する回転及び軸方向への移動が許容される外側本体との組み合わせにより構成されることと、該外側本体が前記円環軸を保持するための構造体として構成されることとを条件として構成されるものであり、前記第3工程は、前記外側本体を前記内側本体に対して回転及び移動させることにより前記円環軸と前記第1集合体とを組み合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業と、円環軸と第1集合体とを組み合わせるための準備にかかる作業(円環軸を回転させることにより第1集合体と組み合わせることができる状態を得るための作業)とが同時に行われるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項2〜10のいずれか一項に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第1本体は、前記第1集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置について、前記第1集合体の遊星軸の遊星ねじと前記円環軸の円環ねじとが十分に噛み合わされるときの位置を軸基準位置として、前記円環軸が前記第1集合体に組み合わされている際に前記円環軸の移動を規制することにより前記第1集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置を前記軸基準位置に設定する位置決め要素が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第3工程は、前記円環軸が前記位置決め要素に突き当てられるまで前記円環軸の円環ねじと前記第1集合体の遊星軸の遊星ねじとを噛み合わせることを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2集合体の組み立てに際して、作業者が第1集合体と円環軸との関係を確認しなくとも円環ねじと遊星ねじとが十分に噛み合わされた状態で第2集合体が組み立てられるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第1工程は、前記第1集合体の太陽軸と遊星軸とを束ねるための保持要素が取り付けられた状態で前記第1集合体を組み立てることを条件として行われることを要旨としている。
(13)請求項13に記載の発明は、請求項1〜12に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、当該回転直線運動変換機構は、前記円環軸に内歯車が設けられることと、前記太陽軸に外歯車が設けられることと、前記遊星軸に外歯車が設けられることと、前記円環軸の歯車を円環歯車とし、前記太陽軸の歯車を太陽歯車とし、前記遊星軸の歯車を遊星歯車として、前記円環歯車及び前記太陽歯車と前記遊星歯車とが噛み合わされることとを条件として構成されることを要旨としている。
(14)請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、当該回転直線運動変換機構は、前記円環歯車として第1円環歯車及び第2円環歯車が設けられることと、前記第1円環歯車が前記円環軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2円環歯車が前記円環軸の他方の端部に設けられることと、前記円環軸について前記円環ねじが設けられる円環軸本体と前記第1円環歯車及び前記第2円環歯車とが各別に形成されることと、前記太陽歯車として第1太陽歯車及び第2太陽歯車が設けられることと、前記第1太陽歯車が前記太陽軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2太陽歯車が前記太陽軸の他方の端部に設けられることと、前記遊星歯車として第1遊星歯車及び第2遊星歯車が設けられることと、前記第1遊星歯車が前記遊星軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2遊星歯車が前記遊星軸の他方の端部に設けられることと、前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされることと、前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされることと、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることとを条件として構成されることを要旨としている。
(15)請求項15に記載の発明は、内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸及び前記太陽軸と前記遊星軸との間でねじ及び歯車の噛み合いを通じて力の伝達が行われることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記円環軸に設けられる歯車を円環歯車とし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記太陽軸に設けられる歯車を太陽歯車とし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとし、前記遊星軸に設けられる歯車を遊星歯車として、前記円環歯車として第1円環歯車及び第2円環歯車が設けられることと、前記第1円環歯車が前記円環軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2円環歯車が前記円環軸本体の他方の端部に設けられることと、前記円環軸について前記円環ねじが設けられる円環軸本体と前記第1円環歯車及び前記第2円環歯車とが各別に形成されることと、前記太陽歯車として第1太陽歯車及び第2太陽歯車が設けられることと、前記第1太陽歯車が前記太陽軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2太陽歯車が前記太陽軸の他方の端部に設けられることと、前記遊星歯車として第1遊星歯車及び第2遊星歯車が設けられることと、前記第1遊星歯車が前記遊星軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2遊星歯車が前記遊星軸の他方の端部に設けられることと、前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされることと、前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされることと、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、前記遊星軸において前記第1遊星歯車が設けられる側の端部を第1遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素とし、前記遊星軸において前記第2遊星歯車が設けられる側の端部を第2遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素とし、前記太陽軸において前記第1太陽歯車が設けられる側の端部を第1太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素とし、前記太陽軸において前記第2太陽歯車が設けられる側の端部を第2太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素とし、当該回転直線運動変換機構において前記太陽軸の中心線と前記遊星軸の中心線とが平行の関係となる組付状態を基準組付状態とし、該基準組付状態の前記遊星軸及び前記太陽軸に対応して前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が設けられる要素を第1本体とし、前記基準組付状態の前記遊星軸及び前記太陽軸に対応して前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が設けられる要素を内側本体とし、前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が前記円環軸内の空間に位置する状態で前記円環軸を保持することのできる要素を外側本体とし、該内側本体と該外側本体との組み合わせにより構成される要素を第2本体とし、該第1本体と該第2本体との組み合わせにより構成される治具を基礎治具として、次の各工程、すなわち「前記太陽軸と前記遊星軸と前記第1円環歯車とを含む一方で前記円環軸本体を含むことなく構成される集合体を第1集合体として、該第1集合体を組み立てる第1工程」と、「前記第1本体の第1遊星支持要素と前記第1集合体の第1遊星端部とをはめ合わせるとともに前記第1本体の第1太陽支持要素と前記第1集合体の第1太陽端部とをはめ合わせることにより前記第1集合体を前記第1本体に取り付ける第2工程」と、「前記第2本体の外側本体に前記円環軸本体を取り付ける第3工程」と、「前記第2本体の第2遊星支持要素と前記第1集合体の第2遊星端部とをはめ合わせるとともに前記第2本体の第2太陽支持要素と前記第2集合体の第2太陽端部とをはめ合わせることにより前記第1本体及び前記第2本体を通じて前記第1集合体を支持する第4工程」と、「前記円環軸本体と前記太陽軸と前記遊星軸とを含めて構成される集合体を第2集合体として、前記第1本体及び前記第2本体を通じて前記第1集合体を支持した状態において、前記内側本体に対する前記外側本体の回転及び軸方向への移動を通じて前記円環軸本体を前記第1集合体に組み付けることにより前記第2集合体を組み立てる第5工程」と、「前記第2集合体から前記第2本体を取り外した後に前記円環軸本体に前記第2円環歯車を組み付けることにより当該回転直線運動変換機構を組み立てる第6工程」とを含めて当該回転直線運動変換機構の製造を行うことを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、基礎治具により遊星軸が保持された状態で円環軸が第1集合体に組み付けられるため、遊星軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(16)請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記第1本体は、前記第2本体及び前記第1集合体を挿入することのできる空間が内部に設けられることを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となるとともに前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときの前記第1本体との関係を治具基準関係として、前記第2遊星支持要素が前記第1遊星支持要素と対向する状態で前記第1本体内に挿入されることにより前記第1本体との関係が該治具基準関係に設定されることを条件として構成されるものであり、前記基礎治具は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記遊星軸の中心線を前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素の中心線と整合させることができることと、前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記太陽軸の中心線と前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とを整合させることができることと、前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との相対的な回転位相を治具相対位相とし、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときの該治具相対位相を治具基準位相として、前記治具相対位相が該治具基準位相に設定されているときにのみ前記第1本体及び前記第2本体に組み付けることのできる連結要素が備えられることとを条件として構成されるものであり、前記連結要素は、前記第1本体と前記第2本体の内側本体とを連結することにより前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素との関係を固定することのできる要素として構成されるものであり、前記第4工程は、前記第1本体内に前記第2本体を挿入した後、前記第1本体と前記第2本体の内側本体とを前記連結要素により連結することを条件として行われるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、太陽軸の中心線と遊星軸の中心線とが平行の関係となる状態で第2集合体が組み立てられるため、回転直線運動変換機構における太陽軸と遊星軸との間のフリクションについて、その低減に貢献することができるようになる。
(17)請求項17に記載の発明は、内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとして、該円環ねじ及び該太陽ねじと該遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される運動変換機構を回転直線運動変換機構として、その組み立てに使用される治具において、相対的な移動が許容される第1本体と第2本体とを含めて構成されることと、前記遊星軸の一方の端部を第1遊星端部とし、該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素として、該第1遊星支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記遊星軸の他方の端部を第2遊星端部とし、該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素として、該第2遊星支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることと、前記太陽軸と前記遊星軸とを含む一方で前記円環軸を含むことなく構成される集合体を基礎集合体として、前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素を通じて該基礎集合体の遊星軸を支持した状態で前記基礎集合体と前記円環軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、遊星軸を保持した状態で円環軸と遊星軸とを組み合わせることが可能となるため、遊星軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(18)請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の治具において、前記第1本体は、前記基礎集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業とを同時に行うことが可能となるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(19)請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の治具において、前記太陽軸の一方の端部を第1太陽端部とし、該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素として、該第1太陽支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記太陽軸の他方の端部を第2太陽端部とし、該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素として、該第2太陽支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1太陽支持要素と前記第2太陽支持要素との関係が固定されることと、前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素を通じて前記太陽軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1太陽支持要素と第2太陽支持要素との関係が固定された状態で回転直線運動変換機構を組み立てることが可能となるため、太陽軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(20)請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の治具において、前記第1本体は、前記基礎集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第1太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2遊星支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、第2太陽支持要素を太陽軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業とを同時に行うことが可能となるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(21)請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の治具において、前記第2本体は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となるとともに前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときの前記第1本体との関係を治具基準関係として、前記第2遊星支持要素が前記第1遊星支持要素と対向する状態で前記第1本体内に挿入されることにより前記第1本体との関係が該治具基準関係に設定されることを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1本体と第2本体との組み合わせを通じて治具基準関係を得るために、作業者は第1遊星支持要素と第2遊星支持要素とが対向していることだけを確認すればよいため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(22)請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の治具において、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記遊星軸の中心線を前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素の中心線と整合させることができることと、前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記太陽軸の中心線と前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とを整合させることができることとを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、太陽軸の中心線と遊星軸の中心線とが平行の関係となる状態で円環軸と遊星軸とを組み合わせることが可能となるため、回転直線運動変換機構における太陽軸と遊星軸との間のフリクションについて、その低減に貢献することができるようになる。
(23)請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の治具において、前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との相対的な回転位相を治具相対位相とし、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときの該治具相対位相を治具基準位相として、前記治具相対位相が該治具基準位相に設定されているときにのみ前記第1本体及び前記第2本体に組み付けることのできる連結要素が備えられることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、治具相対位相が確実に治具基準位相に設定されるため、第2本体を基礎集合体に取り付ける際に遊星軸が傾けられることを好適に抑制することができるようになる。
(24)請求項24に記載の発明は、請求項23に記載の治具において、前記連結要素を通じて前記第1本体と前記第2本体とが連結されることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第1遊星支持要素及び第2遊星支持要素により確実に遊星軸の姿勢が固定されるため、第2集合体の組み立てにともない遊星軸が傾けられることを好適に抑制することができるようになる。
(25)請求項25に記載の発明は、請求項17〜24のいずれか一項に記載の治具において、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が設けられる内側本体と、該内側本体に対する回転及び軸方向への移動が許容される外側本体との組み合わせにより構成されることと、該外側本体が前記円環軸を保持するための構造体として構成されることとを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業と、円環軸と基礎集合体とを組み合わせるための準備にかかる作業(円環軸を回転させることにより基礎集合体と組み合わせることができる状態を得るための作業)とを同時に行うことが可能となるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(26)請求項26に記載の発明は、請求項17〜25のいずれか一項に記載の治具において、前記第1本体は、前記基礎集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置について、前記基礎集合体の遊星軸の遊星ねじと前記円環軸の円環ねじとが十分に噛み合わされるときの位置を軸基準位置として、前記円環軸が前記基礎集合体に組み合わされている際に前記円環軸の移動を規制することにより前記基礎集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置を前記軸基準位置に設定する位置決め要素が設けられることを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2集合体の組み立てに際して、作業者が基礎集合体と円環軸との関係を確認しなくとも円環ねじと遊星ねじとが十分に噛み合わされた状態で第2集合体が組み立てられるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(27)請求項27に記載の発明は、内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸及び前記太陽軸と前記遊星軸との間でねじ及び歯車の噛み合いを通じて力の伝達が行われることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記円環軸に設けられる歯車を円環歯車とし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記太陽軸に設けられる歯車を太陽歯車とし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとし、前記遊星軸に設けられる歯車を遊星歯車として、前記円環歯車として第1円環歯車及び第2円環歯車が設けられることと、前記第1円環歯車が前記円環軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2円環歯車が前記円環軸の他方の端部に設けられることと、前記円環軸について前記円環ねじが設けられる円環軸本体と前記第1円環歯車及び前記第2円環歯車とが各別に形成されることと、前記太陽歯車として第1太陽歯車及び第2太陽歯車が設けられることと、前記第1太陽歯車が前記太陽軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2太陽歯車が前記太陽軸の他方の端部に設けられることと、前記遊星歯車として第1遊星歯車及び第2遊星歯車が設けられることと、前記第1遊星歯車が前記遊星軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2遊星歯車が前記遊星軸の他方の端部に設けられることと、前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされることと、前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされることと、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される回転直線運動変換機構について、その製造に使用される治具において、前記遊星軸において前記第1遊星歯車が設けられる側の端部を第1遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素とし、前記遊星軸において前記第2遊星歯車が設けられる側の端部を第2遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素とし、前記太陽軸において前記第1太陽歯車が設けられる側の端部を第1太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素とし、前記太陽軸において前記第2太陽歯車が設けられる側の端部を第2太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素として、当該回転直線運動変換機構において前記太陽軸の中心線と前記遊星軸の中心線とが平行の関係となる組付状態を基準組付状態とし、該基準組付状態に対応して前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が設けられる要素を第1本体とし、前記基準組付状態に対応して前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が設けられる要素を内側本体とし、前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が前記円環軸内の空間に位置する状態で前記円環軸を保持することのできる要素を外側本体とし、該内側本体と該外側本体との組み合わせにより構成される要素を第2本体として、前記第1本体と前記第2本体との組み合わせにより構成されることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1遊星支持要素と第2遊星支持要素との関係と前記第1太陽支持要素と前記第2太陽支持要素との関係とが固定されることと、前記第1本体及び前記第2本体を通じて前記太陽軸及び前記遊星軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、遊星軸及び太陽軸を保持した状態で円環軸と太陽軸と遊星軸とを組み合わせることが可能となるため、遊星軸及び太陽軸が傾けられた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(28)請求項28に記載の発明は、請求項27に記載の治具において、前記第1本体は、前記太陽軸と前記遊星軸と前記第1円環歯車とを含む一方で前記円環軸本体を含むことなく構成される集合体を基礎集合体として、前記基礎集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第1太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2遊星支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであることを要旨としている。
上記請求項に記載の発明によれば、第2遊星支持要素を遊星軸にはめ合わせる作業と、第2太陽支持要素を太陽軸にはめ合わせる作業と、円環軸を第1本体内に配置する作業とを同時に行うことができるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
本発明の実施形態について、図1〜図35を参照して説明する。以下では、本実施形態の製造方法を通じて組み立てられる回転直線運動変換機構の構造、同変換機構の動作態様、及び回転直線運動変換機構の製造方法の順に従って説明を行う。
〔1〕「回転直線運動変換機構の構造について」
図1及び図2を参照して、回転直線運動変換機構1の構造について説明する。
回転直線運動変換機構1は、内部に空間が設けられたリングシャフト2(円環軸)と、リングシャフト2の内部に配置されるサンシャフト3(太陽軸)と、リングシャフト2内においてサンシャフト3の周囲に配置される複数のプラネタリシャフト4(遊星軸)との組み合わせにより構成されている。また、サンシャフト3を支持するための要素として前面カラー11及び背面カラー12が設けられている。各プラネタリシャフト4は、サンシャフト3のまわりにおいて等間隔に配置されている。なお、本実施形態では9本のプラネタリシャフト4が備えられている構造の回転直線運動変換機構1を想定しているが、プラネタリシャフト4の配置数は適宜変更することができる。
回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2に設けられたねじ及びギアと各プラネタリシャフト4に設けられたねじ及びギアとの噛み合いにより、リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の一方の構成要素から他方の構成要素に力が伝達される。また、サンシャフト3に設けられたねじ及びギアと各プラネタリシャフト4に設けられたねじ及びギアとの噛み合いにより、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4の一方の構成要素から他方の構成要素に力が伝達される。
回転直線運動変換機構1は、こうした各構成要素の組み合わせに基づいて次のように動作する。すなわち、リングシャフト2及びサンシャフト3の一方の構成要素が回転運動するとき、同構成要素から伝達された力を通じて各プラネタリシャフト4がサンシャフト3のまわりで遊星運動する。これにより、各プラネタリシャフト4からリングシャフト2及びサンシャフト3の他方の構成要素に伝達された力を通じて同構成要素が各プラネタリシャフト4に対して軸方向へ移動する。
このように、回転直線運動変換機構1は、リングシャフト2及びサンシャフト3の一方の回転運動をリングシャフト2及びサンシャフト3の他方の直線運動に変換する運動変換機構として構成されている。なお、本実施形態においては、サンシャフト3の軸方向について、サンシャフト3がリングシャフト2から押し出される方向を前面方向FRとし、サンシャフト3がリングシャフト2内に引き込まれる方向を背面方向RRとしている。また、回転直線運動変換機構1の任意の位置を基準としたときに、この基準位置よりも前面方向FR側の範囲を前面側とし、同基準位置よりも背面方向RR側の範囲を背面側としている。
前面カラー11は、サンシャフト3を支持するためのすべり軸受11Aと、リングシャフト2の前面側の開口部をシールするためのOリング11Bとを有する要素として構成されている。また、リングシャフト2の前面側の開口部に固定されている。背面カラー12は、サンシャフト3を支持するためのすべり軸受12Aと、リングシャフト2の背面側の開口部をシールするためのOリング12Bとを有する要素として構成されている。また、リングシャフト2の背面側の開口部に固定されている。前面カラー11には、リングシャフト2の内部(リングシャフト2、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4のねじ及びギアが噛み合わされている箇所)に潤滑油を供給するための油孔11Hが複数設けられている。
各すべり軸受11A,12Aは、サンシャフト3の中心線をリングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の中心線に対して傾ける力がサンシャフト3に加えられた場合において、この力によりサンシャフト3のねじ及びギアと各プラネタリシャフト4のねじ及びギアとが干渉する前にサンシャフト3の傾きを規制するための要素として設けられている。すなわち、サンシャフト3に上記傾ける力が作用したとき、サンシャフト3のねじ及びギアと各プラネタリシャフト4のねじ及びギアとが干渉する前にサンシャフト3と各すべり軸受11A,12Aとが接触することにより、そうした力が回転直線運動変換機構1の内部に伝達されることが抑制されるようになる。
回転直線運動変換機構1においては、上述のようにサンシャフト3が前面カラー11及び背面カラー12を通じて支持されている一方で、各プラネタリシャフト4は前面カラー11及び背面カラー12のいずれによっても支持されていない。すなわち、サンシャフト3の径方向の位置がねじ及びギアの噛み合いと前面カラー11及び背面カラー12とにより拘束されている一方で、各プラネタリシャフト4の径方向の位置がねじ及びギアの噛み合いのみにより拘束されている。
〔2〕「リングシャフトの構造について」
図3及び図4を参照して、リングシャフト2の構造について説明する。なお、図3(A)はリングシャフト2の平面構造を、図3(B)はリングシャフト2の正面構造を示す。また、図4(A)は中心線に沿うリングシャフト2の断面構造を、図4(B)はリングシャフト2の一部を分解した状態の断面構造を示す。
リングシャフト2は、その本体となるリングシャフト本体21に雌ねじ(円環ねじ22)、前面リングギア23及び背面リングギア24が設けられた要素として構成されている。また、同一形状の平歯車が前面リングギア23及び背面リングギア24として設けられている。すなわち、前面リングギア23及び背面リングギア24の諸元(基準ピッチ円直径や歯数等)は、互いに等しい値に設定されている。
リングシャフト本体21(円環軸本体)は、円環ねじ22が形成された本体ねじ部21Aと、前面リングギア23が組み付けられる本体ギア部21Bと、背面リングギア24が組み付けられる本体ギア部21Cとを含めて構成されている。なお、リ
前面リングギア23は、リングシャフト本体21とは各別に形成されている。また、リングシャフト本体21に組み付けられたときに自身の中心線がリングシャフト本体21の中心線と整合するように構成されている。リングシャフト本体21に対する前面リングギア23の組み付け態様について、本実施形態では圧入により前面リングギア23をリングシャフト本体21に固定するようにしている。なお、圧入以外の方法により前面リングギア23をリングシャフト本体21に固定することもできる。
背面リングギア24は、リングシャフト本体21とは各別に形成されている。また、リングシャフト本体21に組み付けられたときに自身の中心線がリングシャフト本体21の中心線と整合するように構成されている。リングシャフト本体21に対する背面リングギア24の組み付け態様について、本実施形態では圧入により背面リングギア24をリングシャフト本体21に固定するようにしている。なお、圧入以外の方法により背面リングギア24をリングシャフト本体21に固定することもできる。
〔3〕「サンシャフトの構造について」
図5を参照して、サンシャフト3の構造について説明する。なお、図5(A)はサンシャフト3の平面構造を、図5(B)は中心線に沿うサンシャフト3の断面構造を示す。
サンシャフト3は、その本体となるサンシャフト本体31に雄ねじ(太陽ねじ32)、前面サンギア33及び背面サンギア34が設けられた要素として構成されている。また、同一形状の平歯車が前面サンギア33及び背面サンギア34として設けられている。すなわち、前面サンギア33及び背面サンギア34の諸元(基準ピッチ円直径や歯数等)は、互いに等しい値に設定されている。
サンシャフト本体31は、外周面に太陽ねじ32が形成された本体ねじ部31Aと、前面サンギア33が形成された本体ギア部31Bと、背面サンギア34が組み付けられる本体ギア部31Cとを含めて構成されている。また、サンシャフト本体31の前面側の端部(前面側端部31F)には、サンシャフト本体31を加工する際の基準として形成されたセンター穴(前面側基準穴31G)が設けられている。また、サンシャフト本体31の背面側の端部(背面側端部31R)には、サンシャフト本体31を加工する際の基準として形成されたセンター穴(背面側基準穴31S)が設けられている。前面側基準穴31G及び背面側基準穴31Sは、テーパ形状の部位を含む穴として形成されている。
背面サンギア34は、サンシャフト本体31とは各別に形成されている。また、サンシャフト本体31に組み付けられたときに自身の中心線がサンシャフト本体31の中心線と整合するように構成されている。サンシャフト本体31に対する背面サンギア34の組み付け態様について、本実施形態では圧入により背面サンギア34をサンシャフト本体31に固定するようにしている。なお、圧入以外の方法により背面サンギア34をサンシャフト本体31に固定することもできる。
〔4〕「プラネタリシャフトの構造について」
図6を参照して、プラネタリシャフト4の構造について説明する。なお、図6(A)はプラネタリシャフト4の平面構造を、図6(B)は中心線に沿うプラネタリシャフト4の断面構造を示す。
プラネタリシャフト4は、その本体となるプラネタリシャフト本体41に雄ねじ(遊星ねじ42)、前面プラネタリギア43及び背面プラネタリギア44が設けられた要素として構成されている。また、同一形状の平歯車が前面プラネタリギア43及び背面プラネタリギア44として設けられている。すなわち、前面プラネタリギア43及び背面プラネタリギア44の諸元(基準ピッチ円直径や歯数等)は、互いに等しい値に設定されている。
プラネタリシャフト本体41は、外周面に遊星ねじ42が形成された本体ねじ部41Aと、前面プラネタリギア43が形成された本体ギア部41Bと、背面プラネタリギア44が組み付けられる本体ギア部41Cとを含めて構成されている。また、プラネタリシャフト本体41の前面側の端部(前面側端部41F)には、回転直線運動変換機構1を組み立てる際にプラネタリシャフト本体41の中心を割り出すためのセンター穴(前面側基準穴41G)が設けられている。また、プラネタリシャフト本体41の背面側の端部(背面側端部41R)には、回転直線運動変換機構1を組み立てる際にプラネタリシャフト本体41の中心を割り出すためのセンター穴(前面側基準穴41G)が設けられている。前面側基準穴41G及び背面側基準穴41Sは、テーパ形状の部位を含む穴として形成されている。
背面プラネタリギア44は、プラネタリシャフト本体41とは各別に形成されている。また、プラネタリシャフト本体41の本体ギア部41Cが軸受孔44Hに挿入されることにより、プラネタリシャフト本体41に組み付けられる。また、一方の端面がプラネタリシャフト本体41と接触した状態でプラネタリシャフト本体41に組み付けられる。また、プラネタリシャフト本体41に組み付けられた状態において、自身の中心線がプラネタリシャフト本体41の中心線と整合するように構成されている。プラネタリシャフト本体41に対する背面プラネタリギア44の組み付け態様について、本実施形態では背面プラネタリギア44がプラネタリシャフト本体41に対して回転できるようにすきまばめを採用している。なお、プラネタリシャフト本体41と背面プラネタリギア44との相対的な回転を得るための組み付け態様として、すきまばめ以外の組み付け態様を採用することもできる。
〔5〕「各構成要素の関係について」
図7〜図10を参照して、回転直線運動変換機構1における各構成要素の関係について説明する。なお、図7はサンシャフト3の中心線に沿う回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。また、図8は図7のDA−DA線に沿う回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。また、図9は図7のDB−DB線に沿う回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。また、図10は図7のDC−DC線に沿う回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。
回転直線運動変換機構1においては、各構成要素の動作が次のように許容または制限されている。
(a)リングシャフト2について、リングシャフト本体21と前面リングギア23及び背面リングギア24との相対的な回転が不能にされている。また、リングシャフト本体21と前面カラー11及び背面カラー12との相対的な回転が不能にされている。
(b)サンシャフト3について、サンシャフト本体31と背面サンギア34との相対的な回転が不能にされている。
(c)プラネタリシャフト4について、プラネタリシャフト本体41と背面プラネタリギア44との相対的な回転が許容されている。
回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4とのねじ及びギアの噛み合いを通じて、これら各構成要素の間で次のように力の伝達が行われる。
リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4においては、リングシャフト本体21の円環ねじ22と各プラネタリシャフト本体41の遊星ねじ42とが噛み合わされる。また、リングシャフト本体21の前面リングギア23と各プラネタリシャフト本体41の前面プラネタリギア43とが噛み合わされる。また、リングシャフト本体21の背面リングギア24と各プラネタリシャフト本体41の背面プラネタリギア44とが噛み合わされる。これにより、リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の一方に回転運動が入力されたとき、円環ねじ22と遊星ねじ42との噛み合い、前面リングギア23と前面プラネタリギア43との噛み合い、及び背面リングギア24と背面プラネタリギア44との噛み合いを通じて、リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の他方に力が伝達される。
サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4においては、サンシャフト本体31の太陽ねじ32と各プラネタリシャフト本体41の遊星ねじ42とが噛み合わされる。また、サンシャフト本体31の前面サンギア33と各プラネタリシャフト本体41の前面プラネタリギア43とが噛み合わされる。また、サンシャフト本体31の背面サンギア34と各プラネタリシャフト本体41の背面プラネタリギア44とが噛み合わされる。これにより、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4の一方に回転運動が入力されたとき、太陽ねじ32と遊星ねじ42との噛み合い、前面サンギア33と前面プラネタリギア43との噛み合い、及び背面サンギア34と背面プラネタリギア44との噛み合いを通じて、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4の他方に力が伝達される。
このように、回転直線運動変換機構1は、リングシャフト2の円環ねじ22とサンシャフト3の太陽ねじ32と各プラネタリシャフト4の遊星ねじ42とにより構成される減速機構、前面リングギア23と前面サンギア33と各前面プラネタリギア43とにより構成される減速機構、及び背面リングギア24と背面サンギア34と各背面プラネタリギア44とにより構成される減速機構とを備えて構成されている。
〔6〕「回転直線運動変換機構の動作態様」
回転直線運動変換機構1においては、各ギアの歯数及び各ねじの条数の設定態様に基づいて、回転運動を直線運動に変換するための動作方式(運動変換方式)が決定される。すなわち、運動変換方式として、リングシャフト2の回転運動によりサンシャフト3を直線運動させる太陽軸変位方式と、サンシャフト3の回転運動によりリングシャフト2を直線運動させる円環軸変位方式とのいずれかを選択することができる。以下、各運動変換方式における回転直線運動変換機構1の動作態様について説明する。
(A)運動変換方式として太陽軸変位方式が採用されている場合においては、次のように回転運動から直線運動への変換が行われる。すなわち、リングシャフト2に回転運動が入力されたとき、前面リングギア23と各前面プラネタリギア43との噛み合い、背面リングギア24と各背面プラネタリギア44との噛み合い、及び円環ねじ22と各遊星ねじ42との噛み合いを通じて、リングシャフト2から各プラネタリシャフト4に力が伝達されることにより、各プラネタリシャフト4がサンシャフト3のまわりにおいて自転しつつ公転する。そして、このプラネタリシャフト4の遊星運動にともない、各前面プラネタリギア43と前面サンギア33との噛み合い、各背面プラネタリギア44と背面サンギア34との噛み合い、及び各遊星ねじ42と太陽ねじ32との噛み合いを通じて、各プラネタリシャフト4からサンシャフト3に力が伝達されることにより、サンシャフト3が軸方向へ変位する。
(B)運動変換方式として円環軸変位方式が採用されている場合においては、次のように回転運動から直線運動への変換が行われる。すなわち、サンシャフト3に回転運動が入力されたとき、前面サンギア33と各前面プラネタリギア43との噛み合い、背面サンギア34と各背面プラネタリギア44との噛み合い、及び太陽ねじ32と各遊星ねじ42との噛み合いを通じて、サンシャフト3から各プラネタリシャフト4に力が伝達されることにより、各プラネタリシャフト4がサンシャフト3のまわりにおいて自転しつつ公転する。そして、このプラネタリシャフト4の遊星運動にともない、各前面プラネタリギア43と前面リングギア23との噛み合い、各背面プラネタリギア44と背面リングギア24との噛み合い、及び各遊星ねじ42と円環ねじ22との噛み合いを通じて、各プラネタリシャフト4からリングシャフト2に力が伝達されることにより、リングシャフト2が軸方向へ変位する。
<回転直線運動変換機構の製造方法>
図11〜図35を参照して、回転直線運動変換機構1の製造方法、及びその実施に際して使用される治具について説明する。以下では、製造方法の概要、治具の構造、及び製造方法の詳細の順に従って説明を行う。
〔1〕「製造方法の概要について」
本実施形態の製造方法では、大まかには次の(A)〜(E)の工程を順番に行うことにより回転直線運動変換機構1を組み立てるようにしている。
(A):サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを含む一方でリングシャフト本体21を含むことなく構成される集合体(ベースアッセンブリ51(図11))を組み立てる。本実施形態の製造方法では、サンシャフト本体31及び各プラネタリシャフト本体41にあわせて前面リングギア23、背面サンギア34及び各背面プラネタリギア44を含む一方でリングシャフト本体21を含むことなく構成される集合体をベースアッセンブリ51として組み立てるようにしている。すなわち、サンシャフト3と各プラネタリシャフト4と前面リングギア23とにより構成される集合体がベースアッセンブリ51として組み立てられる。また、前面リングギア23が保持要素としてベースアッセンブリ51に含まれている。
(B):組み立て治具6(図14)によりベースアッセンブリ51を支持する。
(C):組み立て治具6において、リングシャフト本体21とサンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを含む一方で背面プラネタリギア44を含むことなく構成される集合体(シャフトアッセンブリ52(図12))を組み立てる。本実施形態の製造方法では、リングシャフト本体21、サンシャフト本体31及び各プラネタリシャフト本体41にあわせて背面サンギア34及び各背面プラネタリギア44を含む一方で背面リングギア24を含むことなく構成される集合体をシャフトアッセンブリ52として組み立てるようにしている。すなわち、サンシャフト3と各プラネタリシャフト4とリングシャフト本体21と前面リングギア23とにより構成される集合体がシャフトアッセンブリ52として組み立てられる。
(D):リングシャフト2とサンシャフト3と各プラネタリシャフト4とを含む一方で前面カラー11及び背面カラー12を含むことなく構成される集合体(メインアッセンブリ53(図13))を組み立てる。
(E):シャフトアッセンブリ52に前面カラー11及び背面カラー12を組み付けて回転直線運動変換機構1を組み立てる。
ここで、ベースアッセンブリ51及びシャフトアッセンブリ52について、それぞれの組付状態を以下で示すように規定する。なお、本実施形態においては、ベースアッセンブリ51が第1集合体及び基礎集合体に相当する。また、シャフトアッセンブリ52が第2集合体に相当する。
ベースアッセンブリ51における各構成要素の組付状態ついて、各プラネタリシャフト本体41がサンシャフト本体31のまわりに等間隔に配置されるとともにサンシャフト本体31の中心線と各プラネタリシャフト本体41の中心線とが平行の関係となる組付状態を第1基準組付状態とする。また、シャフトアッセンブリ52における各構成要素の組付状態について、各プラネタリシャフト本体41がサンシャフト本体31のまわりに等間隔に配置されるとともにリングシャフト本体21及びサンシャフト本体31の中心線と各プラネタリシャフト本体41の中心線とが平行の関係となる組付状態を第2基準組付状態とする。また、第1基準組付状態及び第2基準組付状態におけるサンシャフト本体31及びプラネタリシャフト本体41の姿勢、すなわち互いの中心線が平行の関係となる姿勢を基準姿勢とする。
〔2〕「治具の構造について」
図14〜図16を参照して、回転直線運動変換機構1の組み立てに際して使用される治具(組み立て治具6)の大まかな構造について説明する。なお、図14は組み立て治具6の斜視構造を示す。また、図15は組み立て治具6の内部の斜視構造を示す。また、図16は各要素が組み合わされた状態の組み立て治具6の斜視構造を示す。
組み立て治具6は、内部の空間(組立室71A)にベースアッセンブリ51を配置するための第1治具7と、第1治具7との協働によりシャフトアッセンブリ52を組み立てるための第2治具8と、第1治具7と第2治具8とを連結するための第3治具9とを含めて構成されている。なお、本実施形態の組み立て治具6においては、第1治具7が第1本体に相当する。また、第2治具8が第2本体に相当する。また、第3治具9が連結要素に相当する。
第1治具7は、サンシャフト本体31の前面側端部31Fを支持するための第1太陽支持軸73(第1太陽支持要素)と、プラネタリシャフト本体41の前面側端部41Fを支持するための第1遊星支持軸74(第1遊星支持要素)とを有する治具として構成されている。第2治具8は、サンシャフト本体31の背面側端部31Rを支持するための第2太陽支持軸83(第2太陽支持要素)と、プラネタリシャフト本体41の背面側端部41Rを支持するための第2遊星支持軸84(第2遊星支持要素)とを有する治具として構成されている。第3治具9は、第1治具7(シリンダ71)にはめ合わされることにより第1治具7に固定される第1フレーム91と、ねじ93により第2治具8(内側治具81)に固定される第2フレーム92とを有する治具として構成されている。ねじ93は、第3治具9のねじ穴92Aを介して第2治具8のねじ穴81Cにねじ込まれる。第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83は、協働してサンシャフト本体31を支持することによりサンシャフト本体31の中心線と自身の中心線(第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83の中心線)とを整合させることのできる要素として設けられている。第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84は、協働してプラネタリシャフト本体41を支持することによりプラネタリシャフト本体41の中心線と自身の中心線(第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84の中心線)とを整合させることのできる要素として設けられている。
図17及び図18を参照して、第1治具7の詳細な構造について説明する。なお、図17(A)は図14のVA方向からみた第1治具7の平面構造を、図17(B)は図17(A)のDD−DD線に沿う第1治具7の断面構造を示す。また、図18(A)はサンシャフト本体31及び第1太陽支持軸73の断面構造を、図18(B)はプラネタリシャフト本体41及び第1遊星支持軸74の断面構造を示す。
第1治具7は、ベースアッセンブリ51を支持するためのシリンダ71と、第1太陽支持軸73及び第1遊星支持軸74を通じてベースアッセンブリ51を支持するためのアウタープレート72と、シリンダ71に対する軸方向についてのリングシャフト本体21の位置を規制するためのインナープレート75とを含めて構成されている。
シリンダ71は、ベースアッセンブリ51及び第2治具8を挿入するための第1開口部71Cと、アウタープレート72を取り付けるための第2開口部71Dとを有する要素として構成されている。また、第1開口部71Cには、第3治具9をはめ込むための治具穴71Bが設けられている。
アウタープレート72は、第1太陽支持軸73及び第1遊星支持軸74を組立室71A内に配置した状態でこれら支持軸73,74を保持するための要素として構成されている。また、自身の中心線と第1太陽支持軸73の中心線とが整合するように第1太陽支持軸73が設けられている。また、隣り合う第1遊星支持軸74の間隔が第1太陽支持軸73のまわりにおいて等間隔となるように各第1遊星支持軸74が設けられている。また、第1太陽支持軸73の中心線と各第1遊星支持軸74の中心線とが平行の関係となるようにこれら支持軸73,74が設けられている。すなわち、シャフトアッセンブリ52の第2基準組付状態に対応した状態で第1太陽支持軸73及び第1遊星支持軸74が設けられている。
第1太陽支持軸73は、軸方向からサンシャフト本体31にはめ合わせることのできる軸として構成されている。また、サンシャフト本体31の前面側基準穴31Gにはめ合わせることのできるテーパ形状の部位(テーパ部73A)を有する軸として構成されている。また、テーパ部73Aを含む先端側の内部には、サンシャフト本体31を吸着するための永久磁石73Bが設けられている。
各第1遊星支持軸74は、軸方向からプラネタリシャフト本体41にはめ合わせることのできる軸として構成されている。また、プラネタリシャフト本体41の前面側基準穴41Gにはめ合わせることのできるテーパ形状の部位(テーパ部74A)を有する軸として構成されている。また、テーパ部74Aを含む先端側の内部には、プラネタリシャフト本体41を吸着するための永久磁石74Bが設けられている。
インナープレート75は、シリンダ71に取り付けるための固定部75Aと、ベースアッセンブリ51の前面リングギア23を支持するための支持部75Bとを有する要素として構成されている。また、支持部75Bの内周側には、第1遊星支持軸74を配置するための空間が設けられている。
図19〜図21を参照して、第2治具8の詳細な構造について説明する。なお、図19(A)は図14のVA方向からみた第2治具8の平面構造を、図19(B)は図14のVB方向からみた同治具8の底面構造を示す。また、図20(A)は第2治具8の正面構造を、図20(B)は図19(A)のDE−DE線に沿う同治具8の断面構造を示す。また、図21(A)はサンシャフト本体31及び第2太陽支持軸83の断面構造を、図21(B)はプラネタリシャフト本体41及び第2遊星支持軸84の断面構造を示す。
第2治具8は、第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84を通じてベースアッセンブリ51を支持するための内側治具81(内側本体)と、内側治具81に対する回転を通じてリングシャフト本体21をベースアッセンブリ51に組み付けるための外側治具82(外側本体)とを含めて構成されている。また、外側治具82を内側治具81に対して軸方向へ移動させることと、外側治具82を内側治具81に対して回転させることとが許容されるように構成されている。すなわち、内側治具81の雄ねじ81Aと外側治具82の雌ねじ82Aとの噛み合わせを通じてこれら要素が組み合わされている。
内側治具81は、第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84を組立室71A内に配置した状態でこれら支持軸83,84を保持するための要素として構成されている。また、自身の中心線と第2太陽支持軸83の中心線とが整合するように第2太陽支持軸83が設けられている。また、隣り合う第2遊星支持軸84の間隔が第2太陽支持軸83のまわりにおいて等間隔となるように各第2遊星支持軸84が設けられている。また、第2太陽支持軸83の中心線と各第2遊星支持軸84の中心線とが平行の関係となるようにこれら支持軸83,84が設けられている。また、各支持軸83,84が設けられる端部とは反対側の端部には、第3治具9をはめ合わせるための治具溝81Bと、ねじ93をねじ込むためのねじ穴81Cとが形成されている。また、各支持軸83,84が設けられる端部とは反対側の端部において、その外周にはフランジ81Dが設けられている。
外側治具82は、リングシャフト本体21を保持した状態での内側治具81に対する回転を通じてリングシャフト本体21をベースアッセンブリ51に組み付けるための要素として構成されている。また、リングシャフト本体21の中心線と第2太陽支持軸83の中心線とが平行の関係となる状態でリングシャフト本体21を保持することのできる要素として構成されている。また、内側治具81の各支持軸83,84と対応する側の端部には、リングシャフト本体21をはめ合わせるための円環溝82Bが設けられている。また、円環溝82Bの底部には、リングシャフト本体21を吸着するための永久磁石82Cが設けられている。
第2太陽支持軸83は、軸方向からサンシャフト本体31にはめ合わせることのできる軸として構成されている。また、サンシャフト本体31の背面側基準穴31Sにはめ合わせることのできるテーパ形状の部位(テーパ部83A)を有する軸として構成されている。また、テーパ部83Aを含む先端側の内部には、サンシャフト本体31を吸着するための永久磁石83Bが設けられている。
各第2遊星支持軸84は、軸方向からプラネタリシャフト本体41にはめ合わせることのできる軸として構成されている。また、プラネタリシャフト本体41の背面側基準穴41Sにはめ合わせることのできるテーパ形状の部位(テーパ部84A)を有する軸として構成されている。また、テーパ部84Aを含む先端側の内部には、プラネタリシャフト本体41を吸着するための永久磁石84Bが設けられている。
ここで、内側治具81に対する軸方向についての外側治具82の位置(本体相対位相PA)について、外側治具82にリングシャフト本体21が取り付けられた状態において、第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84とともにリングシャフト本体21が第1治具7内に挿入されたときに、リングシャフト本体21がベースアッセンブリ51と干渉しない本体相対位置PAを本体基準位置PBとする。第2治具8においては、外側治具82が内側治具81のフランジ81Dに突き当てられることにより本体相対位置PAが本体基準位置PBに設定されるように構成されている。
図22〜図24を参照して、第1治具7、第2治具8及び第3治具9の関係について説明する。なお、図22は各治具が組み合わせられた状態の組み立て治具6の正面構造を示す。また、図23(A)は第3治具9が第1治具7及び第2治具8から取り除かれた状態において図14のVA方向からみた組み立て治具6の平面構造を、図23(B)は第3治具9が第1治具7及び第2治具8に取り付けられた状態において図14のVA方向からみた組み立て治具6の平面構造を示す。また、図24は図23(B)のDF−DF線に沿う組み立て治具6の断面構造を示す。
組み立て治具6においては、各治具7,8,9が組み合わされたとき、それらの関係が以下の(A)〜(D)のように設定される。なお、以降では、第1遊星支持軸74の中心線と第2遊星支持軸84の中心線とが平行の関係に設定されるとともに、第1太陽支持軸73の中心線と第2太陽支持軸83の中心線とが整合するときの第1治具7と第2治具8との関係を治具基準関係とする。また、組み立て治具6における第1治具7と第2治具8との相対的な回転位相(治具相対位相PC)について、第1遊星支持軸74の中心線と第2遊星支持軸84の中心線とが整合するときの治具相対位相PCを治具基準位相PDとする。
(A)第2治具8の第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84が第1治具7に挿入されているとき、シリンダ71と外側治具82との接触により第1治具7と第2治具8とが治具基準関係に保持される。すなわち、第2治具8は、第1太陽支持軸73及び第1遊星支持軸74と第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84とが対向する状態で第1治具7に挿入されることにより、治具基準関係が得られるように構成されている。
(B)内側治具81と外側治具82とが組み合わされている状態においては、本体相対位置PAにかかわらず内側治具81と外側治具82との接触及び外側治具82とシリンダ71との接触により、第1遊星支持軸74の中心線と第2遊星支持軸84の中心線とが平行の関係に保持される。また、第1太陽支持軸73の中心線と第2太陽支持軸83の中心線とが整合する関係に保持される。
(C)第3治具9の第1フレーム91が第1治具7のシリンダ71にはめ合わされるとともに第2フレーム92が第2治具8の内側治具81にはめ合わされているとき、治具相対位相PCが基準回転位相PXに設定される。すなわち、第3治具9は、治具相対位相PCが基準回転位相PXに設定されているときにのみ、シリンダ71と内側治具81とを連結することができるように構成されている。また、治具相対位相PCが基準回転位相PXに設定されているときにのみ、第3治具9をシリンダ71及び内側治具81に取り付けることができるように、シリンダ71の治具穴71Bと第1遊星支持軸74との関係と内側治具81の治具溝81Bと第2遊星支持軸84との関係とが設定されている。
(D)第3治具9の第1フレーム91が第1治具7のシリンダ71にはめ合わされるとともに第2フレーム92が第2治具8の内側治具81にはめ合わされているとき、シリンダ71と内側治具81との関係(シリンダ71に対する内側治具81の位置、回転位相及び姿勢)が固定される。すなわち、第3治具9を通じて第1治具7と第2治具8とが組み合わされることにより、第1太陽支持軸73と第2太陽支持軸83との関係、及び第1遊星支持軸74と第2遊星支持軸84との関係が固定される。
組み立て治具6においては、こうした構成が採用されていることにより、第3治具9を通じて第1治具7と第2治具8とが連結されているとき、第1太陽支持軸73の中心線と第2太陽支持軸83の中心線とが整合するとともに、対応する第1遊星支持軸74の中心線と第2遊星支持軸84の中心線とが整合する。従って、第1治具7及び第2治具8を通じてベースアッセンブリ51を支持することにより、ベースアッセンブリ51の組付状態を第1基準組付状態に保持することが可能となる。また、第3治具9を通じて第1治具7と第2治具8とが連結されているとき、シリンダ71と内側治具81との関係が固定されるため、ベースアッセンブリ51にリングシャフト本体21が組み付けられる際にもベースアッセンブリ51の第1基準組付状態を確保することが可能となる。従って、第1治具7及び第2治具8を通じてベースアッセンブリ51を支持した状態でベースアッセンブリ51にリングシャフト本体21を組み付けることにより、第2基準組付状態のシャフトアッセンブリ52を組み立てることが可能となる。
〔3〕「製造方法の詳細について」
図25〜図35を参照して、回転直線運動変換機構1の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法においては、以下に示す工程A〜工程Kを含めて回転直線運動変換機構1の製造が行われる。
[工程A(図25)]リングシャフト本体21、サンシャフト本体31、各プラネタリシャフト本体41、前面リングギア23、背面リングギア24、背面サンギア34及び各背面プラネタリギア44を洗浄する。
[工程B(図26)]ベースアッセンブリ51を組み立てる。具体的には、次の(a)〜(d)の作業を通じて、サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41と前面リングギア23と背面サンギア34と各背面プラネタリギア44とを組み合わせることにより、ベースアッセンブリ51を組み立てることができる。
(a):サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを組み合わせる。
(b):上記(a)にて組み立てたアッセンブリの各前面プラネタリギア43と前面リングギア23とを噛み合わせる。
(c):上記(b)にて組み立てたアッセンブリのサンシャフト本体31に背面サンギア34を組み付ける。また、これにあわせて背面サンギア34をサンシャフト本体31に圧入する。
(d):上記(c)にて組み立てたアッセンブリの各プラネタリシャフト本体41に背面プラネタリギア44を組み付ける。
[工程C(図27)]シリンダ71の中心線が鉛直方向に沿う状態、かつシリンダ71の第1開口部71Cが第2開口部71Dよりも鉛直方向の上方に位置する状態で第1治具7を作業台100上に配置する。
[工程D(図28)]ベースアッセンブリ51を第1治具7に取り付ける。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、サンシャフト本体31に第1太陽支持軸73をはめ合わせるとともにプラネタリシャフト本体41に第1遊星支持軸74をはめ合わせることにより、ベースアッセンブリ51を第1治具7に取り付けることができる。
(a):第1太陽支持軸73の中心線とサンシャフト本体31の中心線とが整合するとともに、対応する第1遊星支持軸74の中心線とプラネタリシャフト4の中心線とが整合するように第1治具7とベースアッセンブリ51との関係を設定する。
(b):上記(a)の作業を通じて設定された第1治具7との関係を保持した状態でベースアッセンブリ51を軸方向へ移動させることにより、サンシャフト本体31の前面側基準穴31Gに第1太陽支持軸73のテーパ部73Aをはめ合わせるとともに、各プラネタリシャフト本体41の前面側基準穴41Gに第1遊星支持軸74のテーパ部74Aをはめ合わせる。
ベースアッセンブリ51が第1治具7に取り付けられたとき、サンシャフト本体31及び各プラネタリシャフト本体41と各支持軸73,74とのはめ合わせにより、第1治具7に対するベースアッセンブリ51の姿勢が一定の姿勢に保持される。また、前面リングギア23がインナープレート75を通じて支持されることにより、前面リングギア23と各前面プラネタリギア43とが噛み合わされた状態に保持される。また、前面リングギア23と各前面プラネタリギア43との噛み合わせにより、サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とが束ねられた状態に保持される。また、サンシャフト本体31が第1太陽支持軸73の永久磁石73Bに吸着されるとともに各プラネタリシャフト本体41が対応する第1遊星支持軸74の永久磁石74Bに吸着されることにより、第1治具7に対するベースアッセンブリ51の姿勢がより確実に一定の姿勢に保持される。
[工程E(図29)]リングシャフト本体21を第2治具8に取り付ける。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、リングシャフト本体21を第2治具8に取り付けることができる。
(a):第2治具8の本体相対位置PAを本体基準位置PBに設定する。
(b):リングシャフト本体21を外側治具82の円環溝82Bにはめ合わせる。
リングシャフト本体21が第2治具8に取り付けられたとき、リングシャフト本体21の中心線と第2太陽支持軸83の中心線とが整合した状態に保持される。また、リングシャフト本体21が外側治具82の永久磁石82Cに吸着されることにより、第2治具8に対するリングシャフト本体21の姿勢が一定の姿勢に保持される。
[工程F(図30)]第3治具9を第2治具8に取り付ける。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、第3治具9を第2治具8に取り付けることができる。
(a):第3治具9の第2フレーム92を第2治具8の内側治具81の治具溝81Bにはめ合わせる。
(b):ねじ93により第2フレーム92を内側治具81に締結する。
[工程G(図31)]第2治具8及び第3治具9を第1治具7に取り付ける。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、第2治具8及び第3治具9を第1治具7に取り付けることができる。
(a):第3治具9の第1フレーム91をシリンダ71の治具穴71Bにはめ込む。
(b):上記(a)の作業にあわせて、第2太陽支持軸83をサンシャフト本体31にはめ合わせるとともに、各第2遊星支持軸84を対応するプラネタリシャフト本体41にはめ合わせる。すなわち、サンシャフト本体31の背面側基準穴31Sに第2太陽支持軸83のテーパ部83Aにはめ合わせるとともに、各プラネタリシャフト本体41の背面側基準穴41Sに第2遊星支持軸84のテーパ部84Aをはめ合わせる。このとき、第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84とともにリングシャフト本体21がシリンダ71内に配置される。
第2治具8がベースアッセンブリ51に取り付けられているとき、サンシャフト本体31と各太陽支持軸73,83とのはめ合わせ、及びプラネタリシャフト本体41と各遊星支持軸74,84とのはめ合わせにより、ベースアッセンブリ51の組付状態が第1基準組付状態に保持される。また、サンシャフト本体31が第1太陽支持軸73の永久磁石73B及び第2太陽支持軸83の永久磁石83Bに吸着されるとともに、各プラネタリシャフト本体41が第1遊星支持軸74の永久磁石74B及び第2遊星支持軸84の永久磁石84Bに吸着されることにより、ベースアッセンブリ51の組付状態がより確実に第1基準組付状態に保持される。
[工程H(図32)]シャフトアッセンブリ52を組み立てる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、リングシャフト本体21をベースアッセンブリ51に組み付けることにより、シャフトアッセンブリ52を組み立てることができる。
(a):内側治具81に対する外側治具82の回転を通じて、リングシャフト本体21の円環ねじ22と各プラネタリシャフト本体41の遊星ねじ42とを噛み合わせる。
(b):リングシャフト本体21がインナープレート75に突き当てられるまで外側治具82を回転させる。また、これにあわせて前面リングギア23をリングシャフト本体21に圧入する。
シャフトアッセンブリ52が組み立てられるとき、円環ねじ22と遊星ねじ42との噛み合わせともない各プラネタリシャフト本体41に対してねじり力が加えられるものの、第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84を通じて各プラネタリシャフト本体41が支持されているため各プラネタリシャフト本体41の姿勢がリングシャフト本体21を組み付ける前の姿勢に保持される。また、第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83を通じてサンシャフト本体31が支持されているため、各プラネタリシャフト本体41にあわせてサンシャフト本体31の姿勢もリングシャフト本体21を組み付ける前の姿勢に保持される。これにより、第2基準組付状態のシャフトアッセンブリ52が組み立てられる。
[工程I(図33)]第2治具8及び第3治具9を第1治具7から取り外す。
[工程J(図34)]メインアッセンブリ53を組み立てる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、シャフトアッセンブリ52と背面リングギア24とを組み合わせることによりメインアッセンブリ53を組み立てることができる。
(a):シャフトアッセンブリ52の各背面プラネタリギア44と背面リングギア24とを噛み合わせる。
(b):上記(a)の作業にあわせて背面リングギア24をリングシャフト本体21に圧入する。
[工程K(図35)]回転直線運動変換機構1を組み立てる。具体的には、メインアッセンブリ53と前面カラー11及び背面カラー12とを組み合わせることにより、回転直線運動変換機構1の組み立てることができる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、本実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法及びその実施に使用する治具によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4のねじの条数が異なる値に設定されるため、円環ねじ22及び太陽ねじ32と各遊星ねじ42とが噛み合わされたときにこれらねじの間にバックラッシが形成される。また、このバックラッシの大きさは各ねじの条数の設定態様に応じて異なる。こうしたことから、回転直線運動変換機構1の組み立て過程において各構成要素の組み合わせにともないプラネタリシャフト本体41に力が加えられたとき、プラネタリシャフト本体41が上記バックラッシをうめる方向へ動かされることにより、プラネタリシャフト本体41が基準姿勢に対して傾いた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることもある。従って、サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを組み合わせた後にリングシャフト本体21を各プラネタリシャフト本体41に組み付ける場合には、次のようにプラネタリシャフト本体41の傾きが生じる。すなわち、リングシャフト本体21の円環ねじ22を各プラネタリシャフト本体41の遊星ねじ42に噛み合わせるとき、リングシャフト本体21から各プラネタリシャフト本体41にねじり力が加えられることによりプラネタリシャフト本体41が上記バックラッシをうめる方向へ動かされるため、プラネタリシャフト本体41の傾きが生じるようになる。この点、本実施形態の製造方法では、組み立て治具6により各プラネタリシャフト本体41を支持した状態でシャフトアッセンブリ52を組み立てるようにしているため、リングシャフト本体21をベースアッセンブリ51に組み付ける際に各プラネタリシャフト本体41の姿勢が一定の姿勢に保持されるようになる。これにより、プラネタリシャフト4が傾いた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(2)回転直線運動変換機構1においては、プラネタリシャフト4が基準姿勢に対して傾いているとき、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間においてねじの噛み合いが不均一になるため、局部的にねじの摩耗が促進することにより寿命の低下をまねくようになる。また、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間におけるフリクションが増大するため、回転運動から直線運動への変換効率の低下をまねくようにもなる。この点、本実施形態の製造方法によれば、回転直線運動変換機構1の組み立てにともなうプラネタリシャフト4の傾きが抑制されるため、回転直線運動変換機構1の寿命の向上及び回転運動から直線運動への変換効率の向上を図ることができるようになる。
(3)本実施形態の組み立て治具6は、治具相対位相PCが治具基準位相PDに設定されているときにのみ、第3治具9を第1治具7のシリンダ71及び第2治具8の内側治具81に取り付けることができるように構成されている。これにより、治具相対位相PCが確実に治具基準位相PDに設定されるため、第2治具8をベースアッセンブリ51に取り付ける際に各プラネタリシャフト本体41が傾けられることを好適に抑制することができるようになる。また、第3治具9を通じてシリンダ71と内側治具81との関係が固定されるため、第2治具8がベースアッセンブリ51に取り付けられた後に治具相対位相PCが治具基準位相PDからずれることを抑制することができるようになる。また、第2治具8をベースアッセンブリ51に取り付ける際、作業者が第1遊星支持軸74と第2遊星支持軸84との関係を直接的に確認する必要がないため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(4)本実施形態の組み立て治具6は、第3治具9を通じてシリンダ71と内側治具81との関係が固定された状態で、すなわち第1遊星支持軸74と第2遊星支持軸84との関係が固定された状態でリングシャフト本体21とベースアッセンブリ51とを組み合わせることができるように構成されている。これにより、シャフトアッセンブリ52の組み立てにともない各プラネタリシャフト本体41が傾けられることをより確実に抑制することができるようになる。また、第2基準組付状態のシャフトアッセンブリ52を組み立てることが可能となるため、回転直線運動変換機構1の寿命の向上及び回転運動から直線運動への変換効率の向上を図ることができるようになる。
(5)本実施形態の組み立て治具6は、第1太陽支持軸73と第2太陽支持軸83とを通じてサンシャフト本体31を支持した状態でシャフトアッセンブリ52を組み立てることができるように構成されている。これにより、サンシャフト本体31が基準姿勢に対して傾けられた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(6)本実施形態の組み立て治具6は、第3治具9を通じてシリンダ71と内側治具81との関係が固定された状態で、すなわち第1太陽支持軸73と第2太陽支持軸83との関係が固定された状態でリングシャフト本体21とベースアッセンブリ51とを組み合わせることができるように構成されている。これにより、第2基準組付状態のシャフトアッセンブリ52をより確実に組み立てることが可能となるため、回転直線運動変換機構1の寿命の向上及び回転運動から直線運動への変換効率の向上についてより好適に貢献することができるようになる。
(7)本実施形態の組み立て治具6は、第1太陽支持軸73及び第1遊星支持軸74と第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84とが対向する状態で第2治具8が第1治具7に挿入されることにより治具基準関係が得られるように構成されている。これにより、第1治具7と第2治具8との組み合わせを通じて治具基準関係を得るために、作業者は第1太陽支持軸73及び第1遊星支持軸74と第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84とが対向していることだけを確認すればよいため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(8)本実施形態の組み立て治具6は、第2治具8について、リングシャフト本体21内の空間に第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84が位置するとともにリングシャフト本体21の中心線と各支持軸83,84の中心線とが平行の関係となる状態でリングシャフト本体21を保持することができるように構成されている。これにより、第2太陽支持軸83をサンシャフト本体31にはめ合わせる作業と、第2遊星支持軸84をプラネタリシャフト本体41にはめ合わせる作業と、リングシャフト本体21をシリンダ71内に配置する作業とを同時に行うことが可能となるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(9)本実施形態の組み立て治具6は、第2太陽支持軸83及び第2遊星支持軸84が設けられる内側治具81と、この内側治具81に対する回転及び軸方向への移動が許容される外側治具82との組み合わせにより第2治具8が構成されている。これにより、第2太陽支持軸83をサンシャフト本体31にはめ合わせる作業と、第2遊星支持軸84をプラネタリシャフト本体41にはめ合わせる作業と、リングシャフト本体21をシリンダ71内に配置する作業と、リングシャフト本体21とベースアッセンブリ51とを組み合わせるための準備にかかる作業(リングシャフト本体21を回転させることによりベースアセンブリ51と組み合わせることができる状態を得るための作業)とを同時に行うことが可能となるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(10)本実施形態の組み立て治具6では、シリンダ71に対する軸方向についてのリングシャフト本体21の移動を規制するためのインナープレート75を設けるようにしている。これにより、シャフトアッセンブリ52の組み立てに際して、作業者がベースアッセンブリ51とリングシャフト本体21との関係を直接的に確認しなくとも、リングシャフト本体21の円環ねじ22と各プラネタリシャフト本体41の遊星ねじ42とが十分に噛み合わされた状態でシャフトアッセンブリ52が組み立てられるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(11)本実施形態の組み立て治具6では、第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84にそれぞれ永久磁石74B,84Bを設けるようにしている。これにより、第1治具7及び第2治具8を通じて各プラネタリシャフト本体41の姿勢がより確実に固定されるため、プラネタリシャフト本体41が傾けられた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることをより好適に抑制することができるようになる。
(12)本実施形態の組み立て治具6では、第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83にそれぞれ永久磁石73B,83Bを設けるようにしている。これにより、第1治具7及び第2治具8を通じてサンシャフト本体31の姿勢がより確実に固定されるため、サンシャフト本体31が傾けられた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることをより好適に抑制することができるようになる。
(13)本実施形態の組み立て治具6では、外側治具82を操作することによりリングシャフト本体21をベースアッセンブリ51に組み付けることができるように構成している。これにより、シャフトアッセンブリ52の組み立てに際して作業者が組立室71A内に配置されているリングシャフト本体21を直接的に回転させる必要がないため、作業性の向上を図ることができるようになる。
(14)回転直線運動変換機構1の組み立て時におけるプラネタリシャフト4の傾きを抑制するために、例えば、サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とにより構成される集合体(ベースアッセンブリ51)について、各プラネタリシャフト本体41の両端にリテーナを取り付けることにより各プラネタリシャフト本体41の姿勢を保持することも考えられる。ちなみに、特許文献1にはリテーナを有する構造の回転直線運動変換機構が開示されているため、その製造に際してもリテーナによりプラネタリシャフトの姿勢が拘束されると考えられる。しかし、こうした製造方法においては、ベースアッセンブリ51に対するリングシャフト本体21のねじ込みにともない一方のリテーナと他方のリテーナとの相対的な回転位相がずれることもあるため、プラネタリシャフト4の傾きが十分に抑制されるとは言い難い。そこで、そうした位相のずれを抑制するために複数の軸を通じて2つのリテーナを互いに連結することも考えられるが、この場合には各プラネタリシャフト本体41の間にリテーナを連結する軸が配置されるため、回転直線運動変換機構1の構造によっては必要とされる数の軸を各リテーナに取り付けることができないこともある。すなわち、プラネタリシャフト4の傾きを十分に抑制することが困難となる。これに対して、本実施形態の製造方法では、第1治具7及び第2治具8を通じて軸方向の両端側から各プラネタリシャフト本体41を支持するようにしているため、上述したリテーナを使用する製造方法とは異なり、回転直線運動変換機構1に配置されるプラネタリシャフト4の配置個数にかかわらず各プラネタリシャフト4の傾きを抑制することが可能となる。従って、回転直線運動変換機構1のより多様な構造に対応してその組み立て時におけるプラネタリシャフト4の傾きを抑制することができるようになる。
(15)上記リテーナを通じて各プラネタリシャフト本体41を保持する製造方法においては、各プラネタリシャフト本体41に背面プラネタリギア44が組み付けられた状態ではリテーナにより各プラネタリシャフト本体41を保持することができないため、背面プラネタリギア44の組み付けはシャフトアッセンブリ52を組み立てた後に行う必要がある。これに対して、本実施形態の組み立て治具6は、第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83をそれぞれ軸方向からサンシャフト本体31にはめ合わせるとともに、第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84をそれぞれ軸方向からプラネタリシャフト本体41にはめ合わせることができるように構成されている。これにより、各プラネタリシャフト本体41に背面プラネタリギア44が組み付けられた状態においても第1治具7及び第2治具8を通じて各プラネタリシャフト本体41を支持することが可能となるため、回転直線運動変換機構1の組み立て手順としてより多様な手順を採用することについて貢献することができるようになる。
<実施形態の変更例>
上記実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記実施形態においては、サンシャフト本体31の前面側端部31Fに前面側基準穴31Gが設けられるとともに、この基準穴31Gにはめ合わせることのできるテーパ部73Aが第1太陽支持軸73に設けられる構成を採用したが、これら前面側基準穴31Gとテーパ部73Aとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、前面側基準穴31Gに相当するテーパ形状の穴を第1太陽支持軸73に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる部位(テーパ部73Aに相当する部位)をサンシャフト本体31の前面側端部31Fに設けることもできる。
・上記実施形態においては、サンシャフト本体31の背面側端部31Rに背面側基準穴31Sが設けられるとともに、この基準穴31Sにはめ合わせることのできるテーパ部83Aが第2太陽支持軸83に設けられる構成を採用したが、これら背面側基準穴31Sとテーパ部83Aとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、背面側基準穴31Sに相当するテーパ形状の穴を第2太陽支持軸83に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる部位(テーパ部83Aに相当する部位)をサンシャフト本体31の背面側端部31Rに設けることもできる。
・上記実施形態においては、プラネタリシャフト本体41の前面側端部41Fに前面側基準穴41Gが設けられるとともに、この基準穴41Gにはめ合わせることのできるテーパ部74Aが第1遊星支持軸74に設けられる構成を採用したが、これら前面側基準穴41Gとテーパ部74Aとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、前面側基準穴41Gに相当するテーパ形状の穴を第1遊星支持軸74に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる部位(テーパ部74Aに相当する部位)をプラネタリシャフト本体41の前面側端部41Fに設けることもできる。
・上記実施形態においては、プラネタリシャフト本体41の背面側端部41Rに背面側基準穴41Sが設けられるとともに、この基準穴41Sにはめ合わせることのできるテーパ部84Aが第2遊星支持軸84に設けられる構成を採用したが、これら背面側基準穴41Sとテーパ部84Aとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、背面側基準穴41Sに相当するテーパ形状の穴を第2遊星支持軸84に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる部位(テーパ部84Aに相当する部位)をプラネタリシャフト本体41の背面側端部41Rに設けることもできる。
・上記実施形態においては、第1太陽支持軸73の先端にテーパ部73Aが設けられる構成を採用したが、第1太陽支持軸73の構成を次のように変更することもできる。すなわち、図36(A)に示すように、サンシャフト本体31の前面側基準穴31Gにはめ合わせることのできる球状の部位(球状部73C)を第1太陽支持軸73の先端に設けることもできる。要するに、前面側基準穴31Gにはめ合わせられたときに第2太陽支持軸83との協働によりサンシャフト本体31の中心線と第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83の中心線とを整合させることのできる構成であれば、第1太陽支持軸73の構成は適宜変更することができる。
・また、上記変更例において、サンシャフト本体31を吸着するための永久磁石73Dを球状部73Cの内部に設けることもできる。
・また、上記各変更例において、前面側基準穴31Gと球状部73Cとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、前面側基準穴31Gに相当するテーパ形状の穴を第1太陽支持軸73に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる球状の部位をサンシャフト本体31の前面側端部31Fに設けることもできる。
・上記実施形態においては、第1遊星支持軸74の先端にテーパ部74Aが設けられる構成を採用したが、第1遊星支持軸74の構成を次のように変更することもできる。すなわち、図36(B)に示すように、プラネタリシャフト本体41の前面側基準穴41Gにはめ合わせることのできる球状の部位(球状部74C)を第1遊星支持軸74の先端に設けることもできる。要するに、前面側基準穴41Gにはめ合わせられたときに第2遊星支持軸84との協働によりプラネタリシャフト本体41の中心線と第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84の中心線とを整合させることのできる構成であれば、第1遊星支持軸74の構成は適宜変更することができる。
・また、上記変更例において、プラネタリシャフト本体41を吸着するための永久磁石74Dを球状部74Cの内部に設けることもできる。
・また、上記各変更例において、前面側基準穴41Gと球状部74Cとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、前面側基準穴41Gに相当するテーパ形状の穴を第1遊星支持軸74に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる球状の部位をプラネタリシャフト本体41の前面側端部41Fに設けることもできる。
・上記実施形態においては、第2太陽支持軸83の先端にテーパ部83Aが設けられる構成を採用したが、第2太陽支持軸83の構成を次のように変更することもできる。すなわち、図37(A)に示すように、サンシャフト本体31の背面側基準穴31Sにはめ合わせることのできる球状の部位(球状部83C)を第2太陽支持軸83の先端に設けることもできる。要するに、背面側基準穴31Sにはめ合わせられたときに第1太陽支持軸73との協働によりサンシャフト本体31の中心線と第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83の中心線とを整合させることのできる構成であれば、第2太陽支持軸83の構成は適宜変更することができる。
・また、上記変更例において、サンシャフト本体31を吸着するための永久磁石83Dを球状部83Cの内部に設けることもできる。
・また、上記各変更例において、背面側基準穴31Sと球状部83Cとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、背面側基準穴31Sに相当するテーパ形状の穴を第2太陽支持軸83に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる球状の部位をサンシャフト本体31の背面側端部31Rに設けることもできる。
・上記実施形態においては、第2遊星支持軸84の先端にテーパ部84Aが設けられる構成を採用したが、第2遊星支持軸84の構成を次のように変更することもできる。すなわち、図37(B)に示すように、プラネタリシャフト本体41の背面側基準穴41Sにはめ合わせることのできる球状の部位(球状部84C)を第2遊星支持軸84の先端に設けることもできる。要するに、背面側基準穴41Sにはめ合わせられたときに第1遊星支持軸74との協働によりプラネタリシャフト本体41の中心線と第1遊星支持軸74及び第2遊星支持軸84の中心線とを整合させることのできる構成であれば、第2遊星支持軸84の構成は適宜変更することができる。
・また、上記変更例において、プラネタリシャフト本体41を吸着するための永久磁石84Dを球状部84Cの内部に設けることもできる。
・また、上記各変更例において、背面側基準穴41Sと球状部84Cとの関係を反対に設定することもできる。すなわち、背面側基準穴41Sに相当するテーパ形状の穴を第2遊星支持軸84に設けるとともに、この穴にはめ合わせることのできる球状の部位をプラネタリシャフト本体41の背面側端部41Rに設けることもできる。
・上記実施形態では、第1太陽支持軸73及び第2太陽支持軸83を含めて組み立て治具6を構成したが、これら支持軸73,83を省略して組み立て治具6を構成することもできる。
・上記実施形態では、サンシャフト本体31にセンター穴として前面側基準穴31G及び背面側基準穴31Sが形成される構成を想定したが、こうしたセンター穴がサンシャフト本体31の製造に際して形成されない場合には前面側基準穴31G及び背面側基準穴31Sに相当する穴を後加工によりサンシャフト本体31に形成することができる。
・上記実施形態では、プラネタリシャフト本体41に前面側基準穴41G及び背面側基準穴41Sが後加工で形成される構成を想定したが、プラネタリシャフト本体41の製造に際してセンター穴が形成される場合にはこのセンター穴を各基準穴として採用することができる。
・上記実施形態では、ベースアッセンブリ51の組み立てに際して、前面リングギア23、背面サンギア34及び各背面プラネタリギア44の順に各ギアをアッセンブリに組み付ける手順を採用したが、ベースアッセンブリ51の組み立て手順は実施形態にて例示した手順に限られず適宜変更することができる。
・上記実施形態では、サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41と前面リングギア23と背面サンギア34と各背面プラネタリギア44とを含めて構成される集合体をベースアッセンブリ51として組み立てる製造方法を採用したが、サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを含む一方でリングシャフト本体21を含むことなく構成される集合体であれば適宜の集合体をベースアッセンブリ51として組み立てることができる。
・上記実施形態では、リングシャフト本体21とサンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41と背面サンギア34と各背面プラネタリギア44とを含めて構成される集合体をシャフトアッセンブリ52として組み立てる方法を採用したが、リングシャフト本体21とサンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを含む一方で背面リングギア24を含むことなく構成される集合体であれば適宜の集合体をシャフトアッセンブリ52として組み立てることができる。
・上記実施形態では、シャフトアッセンブリ52を組み立てた後に背面リングギア24をリングシャフト本体21に組み付ける方法を採用したが、背面リングギア24を組み付けるための手順は、例えば次のように変更することもできる。すなわち、第2治具8をベースアッセンブリ51に取り付ける前に、圧入しなくとも挿入される範囲で背面リングギア24をシャフト本体21に挿入し、シャフトアッセンブリ52が組み立てられた後に背面リングギア24をリングシャフト本体21に圧入することもできる。なお、この場合には、仮挿入された背面リングギア24と第2治具8とが干渉しないように第2治具8の構造に変更が加えられる。
・上記実施形態では、内側治具81に対する外側治具82の回転を通じてリングシャフト本体21をベースアッセンブリ51に組み付ける方法を採用したが、シャフトアッセンブリ52を組み立てるための方法を例えば次のように変更することもできる。すなわち、第1治具7のシリンダ71にリングシャフト本体21を回転させるための窓を設けるとともに、シリンダ71の外側から組立室71Aのリングシャフト本体21を回転させることによりシャフトアッセンブリ52を組み立てることもできる。この場合、第2治具8にはリングシャフト本体21を回転させてベースアッセンブリ51に組み付けるための機能が必要とされないため、すなわち内側治具81と外側治具82とを各別の構造体として構成する必要がないため、第2治具8の構造を簡略化することができるようになる。
・上記実施形態では、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間でねじ及びギアの噛み合いを通じて力の伝達が行われる構造の回転直線運動変換機構1を想定したが、本発明を適用することのできる回転直線運動変換機構はこうした構造の運動変換機構に限られるものではない。要するに、円環ねじ及び太陽ねじと遊星ねじとの噛み合わせを通じて、リングシャフト及びサンシャフトの一方の回転運動を他方の直線運動に変換することのできる構造の回転直線運動変換機構であればいずれの運動変換機構に対しても上記実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することができる。
(その他の技術的思想)
本発明に関連するその他の技術的思想を以下に示す。
(1)請求項17〜28のいずれか一項に記載の治具において、前記遊星軸は、前記第1遊星端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第1遊星支持要素は、前記第1遊星端部の穴にはめ合わせることのできるテーパ形状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(2)請求項17〜28のいずれか一項に記載の治具において、前記遊星軸は、前記第1遊星端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第1遊星支持要素は、前記第1遊星端部の穴にはめ合わせることのできる球状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(3)請求項17〜28のいずれか一項に記載の治具において、前記遊星軸は、前記第1遊星端部の形状がテーパ形状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第1遊星支持要素は、前記第1遊星端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(4)請求項17〜28のいずれか一項に記載の治具において、前記遊星軸は、前記第1遊星端部の形状が球状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第1遊星支持要素は、前記第1遊星端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(5)請求項17〜28のいずれか一項またその他の技術的思想における(1)〜(4)のいずれか一つに記載の治具において、前記遊星軸は、前記第2遊星端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第2遊星支持要素は、前記第2遊星端部の穴にはめ合わせることのできるテーパ形状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(6)請求項17〜28のいずれか一項またその他の技術的思想における(1)〜(4)のいずれか一つに記載の治具において、前記遊星軸は、前記第2遊星端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第2遊星支持要素は、前記第2遊星端部の穴にはめ合わせることのできる球状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(7)請求項17〜28のいずれか一項またその他の技術的思想における(1)〜(4)のいずれか一つに記載の治具において、前記遊星軸は、前記第2遊星端部の形状がテーパ形状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第2遊星支持要素は、前記第2遊星端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(8)請求項17〜28のいずれか一項またその他の技術的思想における(1)〜(4)のいずれか一つに記載の治具において、前記遊星軸は、前記第2遊星端部の形状が球状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第2遊星支持要素は、前記第2遊星端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(9)請求項17〜28のいずれか一項またその他の技術的思想における(1)〜(8)のいずれか一つに記載の治具において、前記太陽軸の一方の端部を第1太陽端部とし、該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素として、該第1太陽支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記太陽軸の他方の端部を第2太陽端部とし、該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素として、該第2太陽支持要素が前記第2本体に設けられることとを条件として構成されることを特徴とする治具。
(10)その他の技術的思想における(9)に記載の治具において、前記太陽軸は、前記第1太陽端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第1太陽支持要素は、前記第1太陽端部の穴にはめ合わせることのできるテーパ形状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(11)その他の技術的思想における(9)に記載の治具において、前記太陽軸は、前記第1太陽端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第1太陽支持要素は、前記第1太陽端部の穴にはめ合わせることのできる球状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(12)その他の技術的思想における(9)に記載の治具において、前記太陽軸は、前記第1太陽端部の形状がテーパ形状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第1太陽支持要素は、前記第1太陽端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(13)その他の技術的思想における(9)に記載の治具において、前記太陽軸は、前記第1太陽端部の形状が球状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第1太陽支持要素は、前記第1太陽端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(14)その他の技術的思想における(9)〜(13)のいずれか一つに記載の治具において、前記太陽軸は、前記第2太陽端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第2太陽支持要素は、前記第2太陽端部の穴にはめ合わせることのできるテーパ形状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(15)その他の技術的思想における(9)〜(13)のいずれか一つに記載の治具において、前記太陽軸は、前記第2太陽端部にテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第2太陽支持要素は、前記第2太陽端部の穴にはめ合わせることのできる球状の部位が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(16)その他の技術的思想における(9)〜(13)のいずれか一つに記載の治具において、前記太陽軸は、前記第2太陽端部の形状がテーパ形状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第2太陽支持要素は、前記第2太陽端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
(17)その他の技術的思想における(9)〜(13)のいずれか一つに記載の治具において、前記太陽軸は、前記第2太陽端部の形状が球状に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第2太陽支持要素は、前記第2太陽端部をはめ合わせることのできるテーパ形状の穴が設けられることを条件として構成されるものであることを特徴とする治具。
本発明にかかる回転直線運動変換機構の製造方法を具体化した実施形態について、同運動変換機構の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、その内部構造を示す斜視図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するリングシャフトについて、その平面構造を示す平面図。(B)同リングシャフトについて、その正面構造を示す正面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するリングシャフトについて、その中心線に沿う断面構造を示す断面図。(B)同リングシャフトについて、その一部を分解した状態の断面構造を示す断面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するサンシャフトについて、その平面構造を示す平面図。(B)同サンシャフトについて、その中心線に沿う断面構造を示す断面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するプラネタリシャフトについて、その平面構造を示す平面図。(B)同プラネタリシャフトについて、その中心線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、その中心線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、図7のDA−DA線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、図7のDB−DB線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、図7のDC−DC線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の組み立て過程において組み立てられるベースアッセンブリについて、その断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の組み立て過程において組み立てられるシャフトアッセンブリについて、その断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の組み立て過程において組み立てられるメインアッセンブリについて、その断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具について、その斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具について、その斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具について、その斜視構造を示す斜視図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具の第1治具について、図14のVA方向からみた平面構造を示す平面図。(B)同第1治具について、図17(A)のDD−DD線に沿う断面構造を示す断面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具の第1治具について、第1太陽支持軸とサンシャフト本体との関係を示す断面図。(B)同第1治具について、第1遊星支持軸とプラネタリシャフト本体との関係を示す断面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具の第2治具について、図14のVA方向からみた平面構造を示す平面図。(B)同第2治具について、図14のVB方向からみた底面構造を示す底面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具の第2治具について、その正面構造を示す正面図。(B)同第2治具について、図19(A)のDE−DE線に沿う断面構造を示す断面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具の第2治具について、第2太陽支持軸とサンシャフト本体との関係を示す断面図。(B)同第2治具について、第2遊星支持軸とプラネタリシャフト本体との関係を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具について、その正面構造を示す正面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具について、第3治具が第1治具及び第2治具から取り除かれた状態において図14のVA方向からみた平面構造を示す平面図。(B)同組み立て治具について、第3治具が第1治具及び第2治具に取り付けられた状態において図14のVA方向からみた平面構造を示す平面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される組み立て治具について、図23(B)のDF−DF線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Aにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Bにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Cにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Dにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Eにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Fにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Gにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Hにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Iにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Jにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Kにおける作業態様を示す工程図。 (A)その他の実施形態における組み立て治具の第1治具について、第1太陽支持軸とサンシャフト本体との関係を示す断面図。(B)同第1治具について、第1遊星支持軸とプラネタリシャフト本体との関係を示す断面図。 (A)その他の実施形態における組み立て治具の第2治具について、第2太陽支持軸とサンシャフト本体との関係を示す断面図。(B)同第2治具について、第2遊星支持軸とプラネタリシャフト本体との関係を示す断面図。
符号の説明
1…回転直線運動変換機構、11…前面カラー、11A…すべり軸受、11B…Oリング、11H…油孔、12…背面カラー、12A…すべり軸受、12B…Oリング、2…リングシャフト、21…リングシャフト本体、21A…本体ねじ部、21B…本体ギア部、21C…本体ギア部、22…円環ねじ、23…前面リングギア、24…背面リングギア、3…サンシャフト、31…サンシャフト本体、31A…本体ねじ部、31B…本体ギア部、31C…本体ギア部、31F…前面側端部、31G…前面側基準穴、31R…背面側端部、31S…背面側基準穴、32…太陽ねじ、33…前面サンギア、34…背面サンギア、4…プラネタリシャフト、41…プラネタリシャフト本体、41A…本体ねじ部、41B…本体ギア部、41C…本体ギア部、41F…前面側端部、41G…前面側基準穴、41R…背面側端部、41S…背面側基準穴、42…遊星ねじ、43…前面プラネタリギア、44…背面プラネタリギア、44H…軸受孔、51…ベースアッセンブリ、52…シャフトアッセンブリ、53…メインアッセンブリ、6…組み立て治具、7…第1治具、71…シリンダ、71A…組立室、71B…治具穴、71C…第1開口部、71D…第2開口部、72…アウタープレート、73…第1太陽支持軸、73A…テーパ部、73B…永久磁石、73C…球状部、73D…永久磁石、74…第1遊星支持軸、74A…テーパ部、74B…永久磁石、74C…球状部、74D…永久磁石、75…インナープレート、75A…固定部、75B…支持部、8…第2治具、81…内側治具、81A…雄ねじ、81B…治具溝、81C…ねじ穴、81D…フランジ、82…外側治具、82A…雌ねじ、82B…円環溝、82C…永久磁石、83…第2太陽支持軸、83A…テーパ部、83B…永久磁石、83C…球状部、83D…永久磁石、84…第2遊星支持軸、84A…テーパ部、84B…永久磁石、84C…球状部、84D…永久磁石、9…第3治具、91…第1フレーム、92…第2フレーム、92A…ねじ穴、93…ねじ、100…作業台。

Claims (28)

  1. 内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとして、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される回転直線運動変換機構について、次の各工程を含めてその製造を行う
    「前記太陽軸と前記遊星軸とを含む一方で前記円環軸を含むことなく構成される集合体を第1集合体として、該第1集合体を組み立てる第1工程」
    「前記遊星軸の両端部とのはめ合わせにより該遊星軸を保持することのできる治具を基礎治具として、前記第1集合体を該基礎治具に取り付ける第2工程」
    「前記円環軸と前記太陽軸と前記遊星軸とを含めて構成される集合体を第2集合体として、前記基礎治具に取り付けられている前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることにより該第2集合体を組み立てる第3工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  2. 請求項1に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記基礎治具は、相対的な移動が許容される第1本体と第2本体とを含めて構成されることと、前記遊星軸の一方の端部を第1遊星端部とし、該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素として、該第1遊星支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記遊星軸の他方の端部を第2遊星端部とし、該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素として、該第2遊星支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることと、前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素を通じて前記遊星軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第1集合体の遊星軸の第1遊星端部と前記第1本体の第1遊星支持要素とをはめ合わせた後に、前記第2本体を前記第1本体に組み合わせるとともに前記第1集合体の遊星軸の第2遊星端部と前記第2本体の第2遊星支持要素とをはめ合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  3. 請求項2に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第1本体は、前記第1集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2本体に前記円環軸を取り付けた後に前記第2遊星支持要素とともに前記円環軸を前記第1集合体内に挿入することを条件として行われるものであり、前記第3工程は、前記第1本体内において前記円環軸を前記第2遊星支持要素に対して回転させることにより前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  4. 請求項2または3に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記基礎治具は、前記太陽軸の一方の端部を第1太陽端部とし、該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素として、該第1太陽支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記太陽軸の他方の端部を第2太陽端部とし、該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素として、該第2太陽支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1太陽支持要素と前記第2太陽支持要素との関係が固定されることと、前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素を通じて前記太陽軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第1集合体の太陽軸の第1太陽端部と前記第1本体の第1太陽支持要素とをはめ合わせた後に、前記第2本体を前記第1本体に組み合わせるとともに前記第1集合体の太陽軸の第2太陽端部と前記第2本体の第2太陽支持要素とをはめ合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  5. 請求項4に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第1本体は、前記第1集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第1太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2遊星支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2本体に前記円環軸を取り付けた後に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素とともに前記円環軸を前記第1集合体内に挿入することを条件として行われるものであり、前記第3工程は、前記第1本体内において前記円環軸を前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素に対して回転させることにより前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  6. 請求項5に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第2本体は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となるとともに前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときの前記第1本体との関係を治具基準関係として、前記第2遊星支持要素が前記第1遊星支持要素と対向する状態で前記第1本体内に挿入されることにより前記第1本体との関係が該治具基準関係に設定されることを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2遊星支持要素を前記第1遊星支持要素と対向させた状態で前記第2本体を前記第1本体内に挿入することを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  7. 請求項6に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記基礎治具は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記遊星軸の中心線を前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素の中心線と整合させることができることと、前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記太陽軸の中心線と前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とを整合させることができることとを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との相対的な回転位相を治具相対位相とし、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときの該治具相対位相を治具基準位相として、前記治具相対位相を該治具基準位相に設定した状態で前記第2本体を前記第1本体内に挿入することを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  8. 請求項7に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記基礎治具は、前記治具相対位相が該治具基準位相に設定されているときにのみ前記第1本体及び前記第2本体に組み付けることのできる連結要素が備えられることを条件として構成されるものであり、前記第2工程は、前記第2本体を前記第1本体内に挿入した後に前記連結要素により前記第1本体と前記第2本体とを連結することを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  9. 請求項8に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記基礎治具は、前記連結要素を通じて前記第1本体と前記第2本体とが連結されることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることを条件として構成されるものであり、前記第3工程は、前記連結要素を通じて前記第1本体と前記第2本体とが連結された状態で前記第1集合体と前記円環軸とを組み合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  10. 請求項2〜9のいずれか一項に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が設けられる内側本体と、該内側本体に対する回転及び軸方向への移動が許容される外側本体との組み合わせにより構成されることと、該外側本体が前記円環軸を保持するための構造体として構成されることとを条件として構成されるものであり、前記第3工程は、前記外側本体を前記内側本体に対して回転及び移動させることにより前記円環軸と前記第1集合体とを組み合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  11. 請求項2〜10のいずれか一項に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第1本体は、前記第1集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置について、前記第1集合体の遊星軸の遊星ねじと前記円環軸の円環ねじとが十分に噛み合わされるときの位置を軸基準位置として、前記円環軸が前記第1集合体に組み合わされている際に前記円環軸の移動を規制することにより前記第1集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置を前記軸基準位置に設定する位置決め要素が設けられることを条件として構成されるものであり、前記第3工程は、前記円環軸が前記位置決め要素に突き当てられるまで前記円環軸の円環ねじと前記第1集合体の遊星軸の遊星ねじとを噛み合わせることを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第1工程は、前記第1集合体の太陽軸と遊星軸とを束ねるための保持要素が取り付けられた状態で前記第1集合体を組み立てることを条件として行われる
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  13. 請求項1〜12に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    当該回転直線運動変換機構は、前記円環軸に内歯車が設けられることと、前記太陽軸に外歯車が設けられることと、前記遊星軸に外歯車が設けられることと、前記円環軸の歯車を円環歯車とし、前記太陽軸の歯車を太陽歯車とし、前記遊星軸の歯車を遊星歯車として、前記円環歯車及び前記太陽歯車と前記遊星歯車とが噛み合わされることとを条件として構成される
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  14. 請求項13に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    当該回転直線運動変換機構は、前記円環歯車として第1円環歯車及び第2円環歯車が設けられることと、前記第1円環歯車が前記円環軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2円環歯車が前記円環軸の他方の端部に設けられることと、前記円環軸について前記円環ねじが設けられる円環軸本体と前記第1円環歯車及び前記第2円環歯車とが各別に形成されることと、前記太陽歯車として第1太陽歯車及び第2太陽歯車が設けられることと、前記第1太陽歯車が前記太陽軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2太陽歯車が前記太陽軸の他方の端部に設けられることと、前記遊星歯車として第1遊星歯車及び第2遊星歯車が設けられることと、前記第1遊星歯車が前記遊星軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2遊星歯車が前記遊星軸の他方の端部に設けられることと、前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされることと、前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされることと、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることとを条件として構成される
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  15. 内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸及び前記太陽軸と前記遊星軸との間でねじ及び歯車の噛み合いを通じて力の伝達が行われることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記円環軸に設けられる歯車を円環歯車とし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記太陽軸に設けられる歯車を太陽歯車とし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとし、前記遊星軸に設けられる歯車を遊星歯車として、前記円環歯車として第1円環歯車及び第2円環歯車が設けられることと、前記第1円環歯車が前記円環軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2円環歯車が前記円環軸本体の他方の端部に設けられることと、前記円環軸について前記円環ねじが設けられる円環軸本体と前記第1円環歯車及び前記第2円環歯車とが各別に形成されることと、前記太陽歯車として第1太陽歯車及び第2太陽歯車が設けられることと、前記第1太陽歯車が前記太陽軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2太陽歯車が前記太陽軸の他方の端部に設けられることと、前記遊星歯車として第1遊星歯車及び第2遊星歯車が設けられることと、前記第1遊星歯車が前記遊星軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2遊星歯車が前記遊星軸の他方の端部に設けられることと、前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされることと、前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされることと、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記遊星軸において前記第1遊星歯車が設けられる側の端部を第1遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素とし、前記遊星軸において前記第2遊星歯車が設けられる側の端部を第2遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素とし、前記太陽軸において前記第1太陽歯車が設けられる側の端部を第1太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素とし、前記太陽軸において前記第2太陽歯車が設けられる側の端部を第2太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素とし、当該回転直線運動変換機構において前記太陽軸の中心線と前記遊星軸の中心線とが平行の関係となる組付状態を基準組付状態とし、該基準組付状態の前記遊星軸及び前記太陽軸に対応して前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が設けられる要素を第1本体とし、前記基準組付状態の前記遊星軸及び前記太陽軸に対応して前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が設けられる要素を内側本体とし、前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が前記円環軸内の空間に位置する状態で前記円環軸を保持することのできる要素を外側本体とし、該内側本体と該外側本体との組み合わせにより構成される要素を第2本体とし、該第1本体と該第2本体との組み合わせにより構成される治具を基礎治具として、次の各工程を含めて当該回転直線運動変換機構の組み立てを行う
    「前記太陽軸と前記遊星軸と前記第1円環歯車とを含む一方で前記円環軸本体を含むことなく構成される集合体を第1集合体として、該第1集合体を組み立てる第1工程」
    「前記第1本体の第1遊星支持要素と前記第1集合体の第1遊星端部とをはめ合わせるとともに前記第1本体の第1太陽支持要素と前記第1集合体の第1太陽端部とをはめ合わせることにより前記第1集合体を前記第1本体に取り付ける第2工程」
    「前記第2本体の外側本体に前記円環軸本体を取り付ける第3工程」
    「前記第2本体の第2遊星支持要素と前記第1集合体の第2遊星端部とをはめ合わせるとともに前記第2本体の第2太陽支持要素と前記第2集合体の第2太陽端部とをはめ合わせることにより前記第1本体及び前記第2本体を通じて前記第1集合体を支持する第4工程」
    「前記円環軸本体と前記太陽軸と前記遊星軸とを含めて構成される集合体を第2集合体として、前記第1本体及び前記第2本体を通じて前記第1集合体を支持した状態において、前記内側本体に対する前記外側本体の回転及び軸方向への移動を通じて前記円環軸本体を前記第1集合体に組み付けることにより前記第2集合体を組み立てる第5工程」
    「前記第2集合体から前記第2本体を取り外した後に前記円環軸本体に前記第2円環歯車を組み付けることにより当該回転直線運動変換機構を組み立てる第6工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  16. 請求項15に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記第1本体は、前記第2本体及び前記第1集合体を挿入することのできる空間が内部に設けられることを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となるとともに前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときの前記第1本体との関係を治具基準関係として、前記第2遊星支持要素が前記第1遊星支持要素と対向する状態で前記第1本体内に挿入されることにより前記第1本体との関係が該治具基準関係に設定されることを条件として構成されるものであり、前記基礎治具は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記遊星軸の中心線を前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素の中心線と整合させることができることと、前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記太陽軸の中心線と前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とを整合させることができることと、前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との相対的な回転位相を治具相対位相とし、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときの該治具相対位相を治具基準位相として、前記治具相対位相が該治具基準位相に設定されているときにのみ前記第1本体及び前記第2本体に組み付けることのできる連結要素が備えられることとを条件として構成されるものであり、前記連結要素は、前記第1本体と前記第2本体の内側本体とを連結することにより前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素との関係を固定することのできる要素として構成されるものであり、前記第4工程は、前記第1本体内に前記第2本体を挿入した後、前記第1本体と前記第2本体の内側本体とを前記連結要素により連結することを条件として行われるものである
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  17. 内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとして、該円環ねじ及び該太陽ねじと該遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される運動変換機構を回転直線運動変換機構として、その組み立てに使用される治具において、
    相対的な移動が許容される第1本体と第2本体とを含めて構成されることと、前記遊星軸の一方の端部を第1遊星端部とし、該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素として、該第1遊星支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記遊星軸の他方の端部を第2遊星端部とし、該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素として、該第2遊星支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定されることと、前記太陽軸と前記遊星軸とを含む一方で前記円環軸を含むことなく構成される集合体を基礎集合体として、前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素を通じて該基礎集合体の遊星軸を支持した状態で前記基礎集合体と前記円環軸とを組み合わせることができることとを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  18. 請求項17に記載の治具において、
    前記第1本体は、前記基礎集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものである
    ことを特徴とする治具。
  19. 請求項18に記載の治具において、
    前記太陽軸の一方の端部を第1太陽端部とし、該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素として、該第1太陽支持要素が前記第1本体に設けられることと、前記太陽軸の他方の端部を第2太陽端部とし、該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素として、該第2太陽支持要素が前記第2本体に設けられることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1太陽支持要素と前記第2太陽支持要素との関係が固定されることと、前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素を通じて前記太陽軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  20. 請求項19に記載の治具において、
    前記第1本体は、前記基礎集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第1太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2遊星支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものである
    ことを特徴とする治具。
  21. 請求項20に記載の治具において、
    前記第2本体は、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが平行の関係となるとともに前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときの前記第1本体との関係を治具基準関係として、前記第2遊星支持要素が前記第1遊星支持要素と対向する状態で前記第1本体内に挿入されることにより前記第1本体との関係が該治具基準関係に設定されることを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  22. 請求項21に記載の治具において、
    前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記遊星軸の中心線を前記第1遊星支持要素及び前記第2遊星支持要素の中心線と整合させることができることと、前記第1太陽支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが整合するときにこれら支持要素の協働により前記太陽軸の中心線と前記第1太陽支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とを整合させることができることとを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  23. 請求項22に記載の治具において、
    前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との相対的な回転位相を治具相対位相とし、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第2遊星支持要素の中心線とが整合するときの該治具相対位相を治具基準位相として、前記治具相対位相が該治具基準位相に設定されているときにのみ前記第1本体及び前記第2本体に組み付けることのできる連結要素が備えられる
    ことを特徴とする治具。
  24. 請求項23に記載の治具において、
    前記連結要素を通じて前記第1本体と前記第2本体とが連結されることにより前記第1遊星支持要素と前記第2遊星支持要素との関係が固定される
    ことを特徴とする治具。
  25. 請求項17〜24のいずれか一項に記載の治具において、
    前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が設けられる内側本体と、該内側本体に対する回転及び軸方向への移動が許容される外側本体との組み合わせにより構成されることと、該外側本体が前記円環軸を保持するための構造体として構成されることとを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  26. 請求項17〜25のいずれか一項に記載の治具において、
    前記第1本体は、前記基礎集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置について、前記基礎集合体の遊星軸の遊星ねじと前記円環軸の円環ねじとが十分に噛み合わされるときの位置を軸基準位置として、前記円環軸が前記基礎集合体に組み合わされている際に前記円環軸の移動を規制することにより前記基礎集合体に対する軸方向についての前記円環軸の位置を前記軸基準位置に設定する位置決め要素が設けられることを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  27. 内部に空間が設けられる円環軸と、該円環軸内に配置される太陽軸と、前記円環軸内において該太陽軸の周囲に配置される遊星軸とが備えられることと、前記円環軸及び前記太陽軸と前記遊星軸との間でねじ及び歯車の噛み合いを通じて力の伝達が行われることと、前記円環軸に設けられる雌ねじを円環ねじとし、前記円環軸に設けられる歯車を円環歯車とし、前記太陽軸に設けられる雄ねじを太陽ねじとし、前記太陽軸に設けられる歯車を太陽歯車とし、前記遊星軸に設けられる雄ねじを遊星ねじとし、前記遊星軸に設けられる歯車を遊星歯車として、前記円環歯車として第1円環歯車及び第2円環歯車が設けられることと、前記第1円環歯車が前記円環軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2円環歯車が前記円環軸の他方の端部に設けられることと、前記円環軸について前記円環ねじが設けられる円環軸本体と前記第1円環歯車及び前記第2円環歯車とが各別に形成されることと、前記太陽歯車として第1太陽歯車及び第2太陽歯車が設けられることと、前記第1太陽歯車が前記太陽軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2太陽歯車が前記太陽軸の他方の端部に設けられることと、前記遊星歯車として第1遊星歯車及び第2遊星歯車が設けられることと、前記第1遊星歯車が前記遊星軸の一方の端部に設けられるとともに前記第2遊星歯車が前記遊星軸の他方の端部に設けられることと、前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされることと、前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされることと、前記円環ねじ及び前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合わされることと、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方の直線運動が得られることとを条件として構成される回転直線運動変換機構について、その製造に使用される治具において、
    前記遊星軸において前記第1遊星歯車が設けられる側の端部を第1遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第1遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第1遊星支持要素とし、前記遊星軸において前記第2遊星歯車が設けられる側の端部を第2遊星端部とし、前記遊星軸の軸方向から該第2遊星端部とはめ合わせることのできる要素を第2遊星支持要素とし、前記太陽軸において前記第1太陽歯車が設けられる側の端部を第1太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第1太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第1太陽支持要素とし、前記太陽軸において前記第2太陽歯車が設けられる側の端部を第2太陽端部とし、前記太陽軸の軸方向から該第2太陽端部とはめ合わせることのできる要素を第2太陽支持要素とし、当該回転直線運動変換機構において前記太陽軸の中心線と前記遊星軸の中心線とが平行の関係となる組付状態を基準組付状態とし、該基準組付状態に対応して前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が設けられる要素を第1本体とし、前記基準組付状態に対応して前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が設けられる要素を内側本体とし、前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が前記円環軸内の空間に位置する状態で前記円環軸を保持することのできる要素を外側本体とし、該内側本体と該外側本体との組み合わせにより構成される要素を第2本体として、
    前記第1本体と前記第2本体との組み合わせにより構成されることと、前記第1本体と前記第2本体とが組み合わせられることにより前記第1遊星支持要素と第2遊星支持要素との関係と前記第1太陽支持要素と前記第2太陽支持要素との関係とが固定されることと、前記第1本体及び前記第2本体を通じて前記太陽軸及び前記遊星軸を支持した状態で前記円環軸と前記遊星軸とを組み合わせることができることとを条件として構成される
    ことを特徴とする治具。
  28. 請求項27に記載の治具において、
    前記第1本体は、前記太陽軸と前記遊星軸と前記第1円環歯車とを含む一方で前記円環軸本体を含むことなく構成される集合体を基礎集合体として、前記基礎集合体及び前記第2本体を挿入することのできる空間が内部に設けられることと、該空間に前記第1遊星支持要素及び前記第1太陽支持要素が配置されることと、前記第1遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第1遊星支持要素の中心線と前記第1太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることとを条件として構成されるものであり、前記第2本体は、前記第2遊星支持要素が軸方向から前記遊星軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2太陽支持要素が軸方向から前記太陽軸にはめ合わせることのできる軸として構成されることと、前記第2遊星支持要素の中心線と前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係に設定されることと、前記円環軸内の空間に前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素が位置するとともに前記円環軸の中心線と前記第2遊星支持要素及び前記第2太陽支持要素の中心線とが平行の関係となる状態で前記円環軸を保持することができることとを条件として構成されるものである
    ことを特徴とする治具。
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