JP2008045305A - 下水道用縦管の点検口蓋構造 - Google Patents

下水道用縦管の点検口蓋構造 Download PDF

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敏行 石保
Goro Minami
吾郎 南
Toshihide Nonaka
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Abstract

【課題】下水道用縦管の管本体に点検口サドルを固定バンドを介して固定するに際して、固定バンドに弛みが発生したとしても、点検口蓋の脱落を確実に防止する。
【解決手段】下水の流入部から底部にわたってマンホール内に配設された下水道用縦管における管本体21(31,41)の点検口に点検口蓋7の点検口サドル8が固定バンド10を介して取り付けられた下水道用縦管の点検口蓋構造において、管本体21(31,41)および点検口サドル8にそれぞれ固定バンド10の挿通部11が設けられ、固定バンド10が管本体21(31,41)の挿通部11および点検口サドル8の挿通部11に挿通されて締結される。
【選択図】図1

Description

この発明は、下水道用縦管の点検口蓋構造に関するものである。
従来より、マンホール内を自然流下する下水によってマンホールの内部が損傷するのを防止するため、マンホール内において、下水の流入部からマンホールの底部にわたって下水道用縦管を配設し、下水を下水道用縦管を経てマンホール底部の下水本管へと流出させることが行われている。
下水道用縦管1は、図3に示すように、上方から順に接続された上部案内路2、中間案内路3、下部案内路4から構成され、上部案内路2の上端部に形成された流入口に流入分岐サドル5が接続され、この流入分岐サドル5に、マンホールMの周壁を貫通して内部に導入された下水流入管D1が接続され、また、下部案内路4の下端部に形成された流出口に流出口サドル6が接続され、この流出口サドル6の流出口がマンホールMの底部に設けられた下水本管Dに対向するように配設されている。
ここで、上部案内路2は、管本体21と、管本体21の軸芯に設けられた空気パイプ22と、管本体21の内周面と空気パイプ22の外周面にわたって固定された螺旋板23と、から構成され、管本体21の内周面、空気パイプ22の外周面および螺旋板23によって螺旋状案内路が形成されている。一方、中間案内路3は、管本体31のみから構成され、空気パイプや螺旋板は設けられていない。また、下部案内路4は、管本体41と、管本体41の内周面に固定された螺旋板42と、から構成され、管本体41および螺旋板42によって螺旋状案内路が形成されている。この場合、螺旋板42は、中心部に上下方向に貫通する穴が設けられるように、リボン状に形成されている。
このように構成された下水道用縦管1に下水流入管D1から下水が流入すると、上部案内路2において、下水は、管本体21、空気パイプ22および螺旋板23によって形成される螺旋状案内路に沿って流れ、螺旋状の旋回流となって流下する。上部案内路2を通過した下水は、中間案内路3において、旋回流を維持したまま管本体31の内周面に沿って流下する。さらに、中間案内路3を通過した下水は、下部案内路4において、管本体41および螺旋板42によって形成される螺旋状案内路に沿って流れ、螺旋状の旋回流となって流下し、流出口サドル6の流出口を経て下水本管Dに排水される。
一方、下水道用縦管1においては、保守点検のため、管本体21(31,41)に形成された点検口21a(31a,41a)に点検口蓋7が設けられている。この点検口蓋7は、図4に示すように、点検口サドル8および該点検口サドル8にボルトナットを介して着脱自在に締結された蓋体9から構成されている。そして、点検口サドル8は、管本体21(31,41)に形成された点検口21a(31a,41a)に一致する大きさの開口81aが形成されるとともに、内周面が管本体21(31,41)の外周面の曲率半径に一致する曲率半径に形成されたサドル部81と、サドル部81の開口81aの周縁に沿って立設された周壁部82と、周壁部82の端縁に固定されたフランジ部83と、から構成されている。また、蓋体9は、点検口サドル8のフランジ部83の外周縁に対応する大きさに形成されている。
このような点検口蓋7を下水道用縦管1における管本体21(31,41)に形成された点検口21a(31a,41a)に取り付けるには、図5に示すように、管本体21(31,41)の点検口21a(31a,41a)に点検口サドル8におけるサドル部81の開口81aを合わせ、サドル部81および管本体21(31,41)にステンレス鋼板製の固定バンド10を巻き回して締結し、管本体21(31,41)に点検口サドル8を固定した後、蓋体9を点検口サドル8のフランジ部83に配置し、図示しないボルトナットを介してフランジ部83に着脱自在に固定するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−146892号公報
ところで、管本体21(31,41)に対する点検口サドル8の固定は、図5に示したように、管本体21(31,41)および点検口サドル8のサドル部81にわたって固定バンド10を巻き回した後、固定バンド10を締め付けることによって行っている。この場合、固定バンド10を管本体21(31,41)に対して鉛直状態で巻き回すこと、すなわち、固定バンド10の内面全体を管本体21(31,41)の外周面に接触した状態で巻き回すことは困難である。特に、管本体21(31,41)の外径が大きくなると、この傾向が顕著となる。したがって、このような点検口サドル8の固定状態において、下水の流入に伴う振動によって固定バンド10に弛みが発生したり、マンホールM内部の温度上昇による線膨張によって固定バンド10に弛みが発生し、固定バンド10の弛みが一定以上に大きくなった場合には、管本体21(31,41)に対して点検口蓋7が固定バンド10とともに脱落するおそれがある。点検口蓋7が脱落すると、点検口21a(31a,41a)が開口し、開口された点検口21a(31a,41a)を通して下水がマンホールM底部に流下し、マンホールMを損傷させることになる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、下水道用縦管の管本体に点検口サドルを固定バンドを介して固定するに際して、固定バンドに弛みが発生したとしても、点検口蓋の脱落を確実に防止することのできる下水道用縦管の点検口蓋構造を提供するものである。
本発明は、下水の流入部から底部にわたってマンホール内に配設された下水道用縦管における管本体の点検口に点検口蓋の点検口サドルが固定バンドを介して取り付けられた下水道用縦管の点検口蓋構造において、前記管本体および点検口サドルにそれぞれ固定バンドの挿通部が少なくとも1個設けられ、固定バンドが管本体の挿通部および点検口サドルの挿通部に挿通されて締結されることを特徴とするものである。
本発明によれば、下水道用縦管における管本体に形成された点検口に点検口サドルのサドル部の開口を合わせ、固定バンドをサドル部の挿通部および管本体の挿通部に順に挿通してサドル部および管本体にわたって巻き回した後、固定バンドを締め付けることにより、管本体に点検口サドルを固定する。次いで、蓋体を点検口サドルのフランジ部に配置し、ボルトナットを介してフランジ部に固定する。
この結果、管本体に点検口サドル、すなわち、点検口蓋をサドル部の挿通部および管本体の挿通部に挿通された固定バンドによって支持することができ、仮に、下水の流入による振動や、マンホールの温度変化に伴う線膨張などによって固定バンドに弛みが発生したとしても、管本体から点検口蓋7が脱落するのを確実に防止することができる。
この場合、挿通部としては、管本体および点検口サドルがFRPによって成形されている場合は、樹脂を含浸させた強化基材を必要枚数積層してFRP製品を成形する、所謂ハンドレイアップ法によって簡単に成形することができ、好ましい。
本発明によれば、下水道用縦管の管本体に点検口サドルを固定する締結バンドに弛みが発生したとしても、点検口サドルの脱落を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、本発明の下水道用縦管の点検口構造の一実施形態が示されている。
なお、前述した下水道用縦管1および点検口蓋7については、同一の部材に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この点検口蓋構造は、点検口蓋7を構成する点検口サドル8のサドル部81の、周壁部82を挟む上下にそれぞれ固定バンド10を挿通可能な1個の挿通部11が設けられるとともに、点検口サドル8のサドル部81に設けられた上下の挿通部11に対応して、管本体21(31,41)の外周面に上下に間隔をおいてそれぞれ固定バンド10を挿通可能な複数個の挿通部11を設けて構成されている。
ここで、各挿通部11は、管本体21(31,41)および点検口サドル8がFRPによって形成されていることに対応して、FRPによって成形されている。具体的には、図2に示すように、管本体21(31,41)および点検口サドル8のサドル部81における挿通部11の形成位置において、固定バンド10の断面形状よりも若干大きな断面形状を有するとともに、離型性に優れたシリコンゴムなどからなる弾性体12を配置し、その上から樹脂を含浸させたガラスマットなどの強化基材を必要な数枚積層した後、樹脂の硬化を待って一体化された複数枚の強化基材から弾性体12を引き抜くことにより、含浸樹脂が硬化した複数枚の強化基材によって固定バンド10が挿通可能な空間を有する挿通部11を形成することができる。
ここで、固定バンド10を介して点検口蓋7の重量が挿通部11に作用することを考慮して、点検口蓋7の重量を支持することができるように、挿通部11の個数や強化基材の積層枚数を設定すればよい。
また、弾性体12の引き抜き方向に抜け勾配を形成すると、弾性体12を容易に引き抜くことができるため、好ましい。
したがって、点検口蓋7を下水道用縦管1における管本体21(31,41)に形成された点検口21a(31a,41a)に取り付けるには、管本体21(31,41)の点検口21a(31a,41a)に点検口サドル8におけるサドル部81の開口81aを合わせ、サドル部81の挿通部11および管本体21(31,41)の挿通部11に固定バンド10を順に挿通して巻き回した後、固定バンド10を締め付けて管本体21(31,41)に点検口サドル8を固定する。次いで、蓋体9を点検口サドル8のフランジ部83に配置し、ボルトナットを介してフランジ部83に固定する。
この結果、サドル部81の挿通部11および管本体21(31,41)の挿通部11に固定バンド10が挿通されていることにより、管本体21(31,41)に点検口サドル8、すなわち、点検口蓋7を固定バンド10および挿通部11によって支持することができ、仮に、下水の流入による振動や、マンホールMの温度変化に伴う線膨張などによって固定バンド10に弛みが発生したとしても、管本体21(31,41)から点検口蓋7が脱落するのを確実に防止することができる。
なお、前述した実施形態においては、管本体21(31,41)および点検口サドル8をFRPにて成形したことに対応して、樹脂を含浸した複数枚の強化基材を積層してFRP製の挿通部11を形成した場合を説明したが、このようなハンドレイアップ法によるFRP製の挿通部11の成形に代えて接着や融着を利用して挿通部を形成してもよい。例えば、管本体21(31,41)および点検口サドル8の材質が塩化ビニル樹脂などの一般的な樹脂であれば、これらを融着や接着することによって挿通部11を形成してもよい。
本発明の下水道用縦管の点検口蓋構造の一実施形態を示す側面図である。 挿通部の形成要領を説明する斜視図である。 下水道用縦管を説明する概略図である。 点検口サドルおよび蓋体からなる点検口蓋を示す正面図、側面図および平面図である。 従来の下水道用縦管の点検口蓋構造を一部破断して示す側面図である。
符号の説明
1 下水道用縦管
2 上部案内路
3 中間案内路
4 下部案内路
21,31,41 管本体
21a,31a,41a 点検口
7 点検口蓋
8 点検口サドル
81 サドル部
9 蓋体
10 固定バンド
11 挿通部

Claims (1)

  1. 下水の流入部から底部にわたってマンホール内に配設された下水道用縦管における管本体の点検口に点検口蓋の点検口サドルが固定バンドを介して取り付けられた下水道用縦管の点検口蓋構造において、前記管本体および点検口サドルにそれぞれ固定バンドの挿通部が少なくとも1個設けられ、固定バンドが管本体の挿通部および点検口サドルの挿通部に挿通されて締結されることを特徴とする下水道用縦管の点検口蓋構造。
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