JP2021017715A - 縦管構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
液体に含まれる汚物等が縦管構造体内に滞留しているか否かを確認するために、縦管構造体に点検口蓋(点検窓)が設けられている。
しかしながら、点検口蓋が中心管材から径方向外側に突出していると、液体が点検口蓋に当たる。このため、縦管構造体内で液体が流れにくくなるという問題がある。
本発明の縦管構造体は、側壁に開口が形成され、径方向外側の表面に沿って液体が流れる中心管材と、前記中心管材における前記開口の周縁部から前記径方向内側に向かって延びる分岐管材と、前記分岐管材の前記径方向内側の端部に設けられ、前記分岐管材を開閉可能な点検窓と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、中心管材から径方向内側に向かって延びる分岐管材の径方向内側の端部に設けられた点検窓が、分岐管材を開閉可能である。点検窓が中心管材の径方向外側から離間した位置に設けられているため、点検窓が中心管材から径方向外側に突出するのを抑えることができる。
この発明によれば、分岐管材内の中心管材の径方向外側の表面から凹んだ部分が少なくなり、分岐管材内に液体が入り難くすることができる。
この発明によれば、中心管材の表面と軸状部材の表面との境界を液体が流れるときに、液体の流れが乱れるのを抑制することができる。
この発明によれば、中心管材の表面及び軸状部材の表面の一方から他方に沿って液体が流れるときに、液体の流れが乱れるのをさらに抑制することができる。
この発明によれば、分岐管材と軸状部材とを、両フランジを介して液体が漏れないように接続することができる。
図1に示すように、本実施形態の縦管構造体1は、地中Gに埋設された立坑90内に配置して用いられる。以下では、まず立坑90について説明する。
立坑90は、コンクリート等で形成され、軸線が上下方向に沿うように配置されている。例えば、立坑90の外径は数m程度である。立坑90は、具体的にはマンホール等であり、複数の管体が積み上げられて形成される組立式であっても、現場打ちのマンホールであってもよい。
第1中間スラブ93における貫通孔93aの周縁部には、手すり94がこの周縁部から立ち上がるように設けられている。立坑90の内周面における壁部材91と第1中間スラブ93との間の部分には、複数の第1ステップ95が固定されている。複数の第1ステップ95は、互いに間隔を空けて上下方向に並べて配置されている。
マンホール105の内周面には、昇降のための複数のステップ106が固定されている。マンホール105内の空間は、壁部材91の貫通孔91aに接続されている。マンホール105の上端部は、地上に達している。
立坑90の外側側壁90aにおける壁部材92よりも上方の部分、言い換えると立坑90の下端部には、外側開口90cが形成されている。外側開口90cは、外側開口90bよりも下方に形成されている。立坑90における外側開口90cの周縁部には、下流側水平管路102の端部が接続されている。
外側管材10及び中心管材20はそれぞれ管状に形成され、同軸に配置されている。以下では、外側管材10及び中心管材20の共通する軸線を軸線Oと言う。軸線Oに直交する方向を単に径方向といい、軸線O回りに周回する方向を単に周方向という。本実施形態では、外側管材10及び中心管材20の軸線Oに直交する断面形状は、それぞれ円形状である。
外側管材10は、コンクリートやFRP(Fiber Reinforced Plastics)等で形成されている。外側管材10は、軸線が上下方向に沿うように、立坑90内に配置されている。
外側管材10は、壁部材92上に配置されている。外側管材10の上端は、立坑90の外側開口90bの下端に達している。外側管材10と立坑90との間は、モルタル等の充填部材97により埋められている。充填部材97により立坑90に外側管材10が接続されることで、立坑90と縦管構造体1とが一体になっている。
図1及び図2に示すように、各短管21の内周面には、第2ステップ22が固定されている。図2に示すように、第2ステップ22は、一対の柱部材23と、複数の踏桟24と、固定部材25と、を備えている。
一対の柱部材23は、上下方向に沿ってそれぞれ延び、周方向に互いに間隔を空けて配置されている。複数の踏桟24は、一対の柱部材23をそれぞれ周方向に連結している。複数の踏桟24は、上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。固定部材25は、一対の柱部材23及び複数の踏桟24を短管21に固定している。
第2ステップ22は、短管21の内周面における周方向の一部分に寄せて配置されている。
複数の短管21のうち最も下方に配置される短管21(以下、短管21Aとも言う)には、梯子31が連結されている。梯子31の下端部は、壁部材92に達している。梯子31を使用しない時には、梯子31は短管21A内に収容可能であることが好ましい。
案内板30は、中心管材20の外周面及び外側管材10の内周面にそれぞれ固定されている。外側管材10、中心管材20、及び案内板30により、螺旋状の案内路C1が区画される。案内路C1は、案内板30、中心管材20(短管21)の径方向外側の表面21c、及び外側管材10の径方向内側の表面にそれぞれ沿う。下水(液体)Fは、案内路C1に沿って流れる。
縦管構造体1では、案内板30が上下方向に分離されず、一体になっている。
案内板30は、不連続に形成されていてもよい。すなわち、複数の案内板30が、互いに間隔を空けて螺旋状に並べて配置されていてもよい。
図3は、分岐管材35及び点検窓40を軸線O方向に見た横断面図である。図3に示すように、短管21の側壁21aには、内側開口(開口)21bが形成されている。内側開口21bは、側壁21aを径方向に貫通している。
分岐管材35は、管状に形成され、短管21(中心管材20)における内側開口21bの周縁部から径方向内側に向かって延びている。図3及び図4に示すように、分岐管材35の径方向内側の端部には、環状に形成された第1フランジ36が固定されている。第1フランジ36は、分岐管材35の端部から分岐管材35の径方向外側に向かって延びている。第1フランジ36は、分岐管材35の全周にわたって形成されている。第1フランジ36の径方向内側の外面は、平坦である。第1フランジ36には、第1フランジ36を貫通する貫通孔36aが形成されている。貫通孔36aは、第1フランジ36の軸線周りに複数形成されている。
この例では、短管21と分岐管材35との接続部分に、FRPで形成された積層体38が配置されている。積層体38は、短管21と分岐管材35との接続部分の径方向外側を覆う第1積層体38aと、短管21と分岐管材35との接続部分の径方向内側を覆う第2積層体38bと、を備えている。第1積層体38a及び第2積層体38bは、短管21と分岐管材35とを接続している。
軸状部材41は、径方向のうちの1つに沿う軸状に形成されている。軸状部材41は、分岐管材35内に配置されている。軸状部材41は、軸状部本体44と、軸状部本体44の外面を覆うカバー部材45と、を備えている。
軸状部本体44は、円柱状に形成されている。軸状部本体44の径方向外側の表面は、径方向外側に向かって凸となるように湾曲している。軸状部本体44は、合成木材であるエスロンネオランバーFFU(積水化学工業製)で形成されることが好ましい。軸状部本体44の径方向外側の表面には、大径穴(符号省略)が形成されている。大径穴は、軸状部本体44の軸線周りに複数形成されている。軸状部本体44には、各大径穴の底面から軸状部本体44の軸線方向に延びる小径穴(符号省略)が形成されている。小径穴の内径は、大径穴の内径よりも小さい。小径穴は、軸状部本体44の径方向内側の表面に達している。
カバー部材45の径方向外側の表面45aは、径方向外側に向かって凸となるように湾曲している。
第2フランジ42の外径、及び第1フランジ36の外径は、互いに同等である。図3及び図5に示すように、第2フランジ42には、第2フランジ42を貫通する貫通孔42aが形成されている。貫通孔42aは、第1フランジ36の貫通孔36aに対応して、第2フランジ42の軸線周りに複数形成されている。第2フランジ42の第1面は、第1フランジ36の径方向内側の表面に接触している。
第2フランジ42における第1面とは反対側の第2面には、大径穴(符号省略)が形成されている。大径穴は、軸状部本体44の大径穴に対応して、第2フランジ42の軸線周りに複数形成されている。第2フランジ42には、各大径穴の底面から第2フランジ42の軸線方向に延びる小径穴(不図示)が形成されている。小径穴の内径は、第2フランジ42の大径穴の内径よりも小さい。小径穴は、第2フランジ42の第1面に達している。
なお、第1フランジ36と第2フランジ42との間に、止水用のシール部材を配置してもよい。
図3において、軸状部材41の表面45aは、第1積層体38aの表面38a1に重なる。すなわち、軸状部材41の表面45aの曲率(曲率半径)、及び第1積層体38aの表面38a1の曲率(曲率半径)は、互いに同等である。
一方で、第1ボルト52と第1ナット37との嵌め合わせを解除し、第2フランジ42の貫通孔42a及び第1フランジ36の貫通孔36aから第1ボルト52を引き抜く。これにより、第1フランジ36から第2フランジ42が離脱され、分岐管材35は塞がれずに開いた状態になる。こうして、点検窓40は、分岐管材35を開閉可能である。
点検窓40は、軸線Oを挟んで、第2ステップ22とは反対側に配置されていることが好ましい。なお、点検窓40は、軸線Oに直交する平面上で、第2ステップ22と軸線Oとを結ぶ第1基準線に対して、点検窓40と軸線Oとを結ぶ第2基準線が90度をなす位置に配置されていてもよい。
第1フランジ36と第2フランジ42とがヒンジ等を介して接続され、分岐管材35から点検窓40が取り外されることなく、分岐管材35に対して点検窓40が開閉可能であってもよい。
冶具60は、互いに対向するように配置された一対の側板61と、一対の側板61の端部同士を接続する天板62と、を備えている。一対の側板61は、互いの厚さ方向に対向するように配置されている。一対の側板61間の距離は、第2ステップ22の踏桟24の幅と同等である。一対の側板61及び天板62は、下方に向かって開口するU字状に形成されている。
一対の側板61の一方には、一対の支持棒63が固定されている。各支持棒63は、水平面に沿って延びる棒状に形成された小径部63aと、小径部63aの第1端部に設けられた大径部63bと、を備えている。大径部63bの外径は、小径部63aの外径よりも大きく、点検窓40の貫通孔42aの内径よりも小さい。小径部63aの長さは、第2フランジ42の厚さよりも長い。小径部63aの第2端部は、一対の側板61の一方における他方とは反対側の外面に固定されている。
下水Fは上流側水平管路101から縦管構造体1の外側管材10内に流入する。外側管材10内に流入した下水Fは、案内路C1を螺旋状に流れ落ちる。この際に、下水Fに作用する遠心力により、下水Fは主に外側管材10の径方向内側の表面近くを流れる。下水Fは、案内路C1を流れる際に案内板30との摩擦等により運動エネルギーを減少させ、外側管材10の下端部に達する。外側管材10の下端部に達した下水Fは、下流側水平管路102に排出される。
一方で、外側管材10内の空気は軸線Oの近くに集められ、中心管材20内を通って上方に流れる。
このように下水Fが案内路C1を流れ落ちる際に、下水F中の汚物が案内路C1に滞留する場合がある。案内路C1を螺旋状に流れる下水Fが滞留した汚物を流す案内路C1の掃流性能により、ある程度の汚物は流れる。しかし、一部の汚物は案内路C1に滞留した状態で残る。この場合、この汚物を除去する等のメンテナンスが必要になる。
第1ナット37から第1ボルト52を取外し、取手47を握って分岐管材35から点検窓40を径方向内側に引き抜く。分岐管材35から取外した点検窓40の貫通孔42aに冶具60の一対の支持棒63を挿入して、第2ステップ22に点検窓40を掛ける。点検窓40の第2フランジ42が支持棒63の大径部63bに係止するため、意図することなく支持棒63から点検窓40が落ちにくい。
作業者Pの目視、又はカメラを用いて、案内路C1内を確認する。必要に応じて、分岐管材35を通して、案内路C1内の汚物を除去する。
作業者Pは、中心管材20、立坑90、及びマンホール105内を上り、地上に出る。
点検窓40は軸状部材41を備えている。このため、分岐管材35内の中心管材20の径方向外側の表面から凹んだ部分が少なくなり、分岐管材35内に下水Fが入り難くすることができる。さらに、下水F中の汚物が分岐管材35内で引っ掛かるのを抑え、案内路C1の掃流性能が阻害されるのを抑制することができる。
点検窓40が中心管材20から径方向外側に突出しないため、下水F中の汚物が点検窓40に当たって点検窓40が破損することを防止できる。下水F中の汚物が点検窓40に引っ掛かるのが抑制できるため、点検窓40を開けたときに作業者Pの視界が遮られる虞がない。
軸線O方向に見たときに、軸状部材41の表面45aは中心管材20の表面38a1に重なる。従って、中心管材20の表面38a1及び軸状部材41の表面45aの一方から他方に沿って下水Fが流れるときに、下水Fの流れが乱れるのをさらに抑制することができる。さらに、下水F中の汚物が軸状部材41の表面45aに引っ掛かるのを抑え、案内路C1の掃流性能が阻害されるのを抑制することができる。
例えば、前記実施形態では、分岐管材35と点検窓40とを、蝶番で接続してもよい。この場合、分岐管材35に対して点検窓40が蝶番を中心に回転移動することで、分岐管材35に対して点検窓40が開閉可能になる。例えば、フランジ36,42の一部を円弧状等の形状に切欠き、その切り欠いた部分に蝶番を取付けることが好ましい。
点検窓40の一部を透明な材料で形成してもよい。例えば、カバー部材45及び第2フランジ42の少なくとも一部を、樹脂等の透明な材料で形成する。透明な材料で形成した部分は、点検窓40を径方向等に貫通することが好ましい。これにより、分岐管材35に点検窓40を装着した状態で、中心管材20内の作業者Pが、透明な材料で形成した部分を通して案内路C1内を、目視により観察することができる。
軸状部材41の表面45aは、中心管材20の表面38a1と面一でなくてもよい。軸状部材41の表面45aは、平坦等でもよい。
縦管構造体1が分岐管材35を備えず、点検窓は短管21の内側開口21bに直接装着されてもよい。
外側管材10及び中心管材20の軸線Oに直交する断面形状は、それぞれ円形状に限定されず、だ円形状や、矩形状等でもよい。
縦管構造体1が外側管材10、フランジ36,42を備えなくてもよい。
外側管材10、中心管材20A、及び案内板70により、螺旋状の第1案内路C6が区画される。外側管材10内における案内板70と案内板71との間の部分に、円柱状の第2案内路C7が区画される。外側管材10、中心管材20B、及び案内板71により、螺旋状の第3案内路C8が区画される。
なお、縦管構造体の外側管材10等が分割される数は3に限定されず、2でもよいし、4以上でもよい。
本変形例の縦管構造体2では、分岐管材35及び点検窓40は中心管材20Aに設けられている。なお、分岐管材35及び点検窓40は中心管材20Bに設けられていてもよい。
20,20A,20B 中心管材
21a 側壁
21b 内側開口(開口)
21c,38a1,45a 表面
35 分岐管材
36 第1フランジ
40 点検窓
41 軸状部材
42 第2フランジ
Claims (5)
- 側壁に開口が形成され、径方向外側の表面に沿って液体が流れる中心管材と、
前記中心管材における前記開口の周縁部から前記径方向内側に向かって延びる分岐管材と、
前記分岐管材の前記径方向内側の端部に設けられ、前記分岐管材を開閉可能な点検窓と、
を備える縦管構造体。 - 前記点検窓は、前記分岐管材内に配置される軸状部材を有する請求項1に記載の縦管構造体。
- 前記軸状部材の前記径方向外側の表面は、前記中心管材の前記表面と面一である請求項2に記載の縦管構造体。
- 前記中心管材の軸線方向に見たときに、前記軸状部材の前記表面は前記中心管材の前記表面に重なる請求項2又は3に記載の縦管構造体。
- 前記分岐管材の前記径方向内側の端部に設けられた第1フランジを備え、
前記点検窓は、前記軸状部材の前記径方向内側の端部に設けられ、前記第1フランジに接合された第2フランジを有する請求項2から4のいずれか一項に記載の縦管構造体。
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