JP2008045284A - 解体自在型柱部材の継手部 - Google Patents

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佳和 澤本
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Abstract

【課題】現場溶接と高力ボルトの使用が不可能な高強度鋼材を柱部材に使用する場合にも解体が自在な状態に継手部を完成させる。
【解決手段】2本の鋼管の柱部材1、1と、この両柱部材1、1間に介在する環状の接合部材2からなり、柱部材1の端部の外周と内周のいずれかに凸部1aが周方向に断続的に形成され、接合部材2の内周と外周のいずれかに柱部材1の凸部1aが周方向に嵌合し得る凹部2bが形成され、柱部材1の凸部1aが接合部材2の凹部2bに周方向に嵌合すると共に、材軸方向に互いに係合した状態で両柱部材1、1を接合する。
【選択図】図1

Description

本発明は建築・土木構造物において、現場で柱部材の継手部を構築した後の解体を可能にした解体自在型柱部材の継手部に関するものである。
鋼製部材を用いた柱部材の継手部を完成させるために、鋼製部材同士を現場で接合する場合、溶接接合と高力ボルト接合のいずれかが用いられる。但し、これまでの鋼材の2〜3倍の強度を有し、現在、開発途上にある高強度鋼材(特許文献1〜3参照)の使用を前提としたとき、溶接条件や溶接性能の面から現場での溶接は不可能とされている。
鋼材を溶接する際には溶接性能の低下を回避するために、予熱や後熱、入熱量の制限等、一定の溶接条件が与えられる。溶接条件は鋼材の強度が高くなる程、厳しくなるが、鋼材の強度は溶接性能にも影響し、強度が高くなる程、伸び変形能力が低下する関係で、溶接性能が低下することが知られている。
通常の鋼材(普通強度鋼材)を溶接する場合には、溶接姿勢の向き(下向き、横向き、立ち向き、上向き)の制約はないが、高強度鋼材の場合には下向きのみに限定される可能性があるため、柱部材に高強度鋼材を使用した場合、実質的に柱部材に対して溶接することができない。
一方、近年、環境負荷の低減や二酸化炭素の低減策の一環として、建設業界においてもリユース工法の積極的な普及が望まれており、この観点からすれば、現場での作業により柱・梁の接合部を完成させた後、解体、または解体と再構築が可能であることが要請される。従って、仮に高強度鋼材の現場での溶接が可能であるとしても、現場での溶接により接合部を完成させる作業はこの要請には適合しない。
高力ボルト接合は解体、再構築の要請には適合するが、少なくとも柱部材に高強度鋼材を用い、柱部材同士、または柱部材と梁部材同士を接合する場合には、高強度鋼材の強度を生かす上で、高力ボルト自体が高強度鋼材の強度に匹敵する強度を有することが必要である。
鋼材の高強度化は溶接性能のみならず、鋼材の曲げ加工性にも影響し、高強度鋼材では例えば冷間で曲げられる角度が制限され、通常の鋼材の場合に可能であった90度の曲げ加工をすること、すなわち角形鋼管を製作することが困難であることから、高強度鋼材で製作される鋼管は円形断面(円形鋼管)が多くを占めることになる。
例えば鋼管である柱部材同士を直接、ボルトにより接合する場合、両柱部材間に跨る筒状の接合用鋼管を柱部材に内接、もしくは外接させ、柱部材と接合部材にボルトを貫通させることにより柱部材同士を接合することが行われる(特許文献4参照)。
ここで、柱部材が高強度鋼材である場合、梁部材と接合用鋼管間での応力の伝達が行われるようにするには、両者を貫通するボルトが上記のように高強度鋼材の強度に匹敵する強度を有することが必要である。
ところが、高力ボルトに高強度鋼材からなる鋼管の強度に見合う強度を持たせることが現状ではできない、とされている。高力ボルトに高強度鋼材に見合う強度を持たせようとすれば、これまでのF10T級(1kN/mm)から2倍のF20T級(2kN/mm)の引張強度が必要になるが、開発まで4〜5年掛かることが見込まれている。
以上のように、少なくとも柱部材に高強度鋼材を使用する場合に、解体が可能な状態に柱部材の継手部を現場で完成させる手法は未だ確立されていない。柱部材に鋼管を用いた場合の解体可能な継手部の構造が存在するに過ぎない(特許文献5、6参照)。
特開2002−88440号公報(段落0001、0051) 特開2004−285369号公報(段落0016) 特開2006−118007号公報(段落0001、0006) 特開2005−351412号公報(請求項1、段落0008〜0012、図1〜図8) 特開2003−056060号公報(請求項4、段落0019〜0020、図1) 特開2004−137787号公報(請求項1、2、段落0011〜0021、図3、図4)
特許文献5では上階側の柱部材と下階側の柱部材の間にフランジを有する仕口部鉄骨を配置し、そのフランジに各柱部材の端部に一体化しているプレートをボルトにより接合しているため、前記の通り、ボルトが高強度鋼材の強度に見合う強度を有しない現状では柱部材に高強度鋼材を使用した場合に対応することはできない。
特許文献6では上下の鋼管柱に跨る接合鋼管と、鋼管柱との間の空隙に鋼球を充填することにより上下の鋼管柱を接合しており、ボルトを使用することがないため、鋼管柱に高強度鋼材を用いた場合にも対応することができると考えられる。しかしながら、鋼球は閉鎖断面の鋼管柱の内周と接合鋼管との間に充填されることから、外部から密実に充填されたか否かを確認することができないため、接合の確実さに欠ける可能性がある。
本発明は上記背景より、柱部材に高強度鋼材を使用する場合にも解体が自在な状態に継手部を完成させることが可能な解体自在型柱部材の継手部を提案するものである。
請求項1に記載の解体自在型柱部材の継手部は、2本の鋼管の柱部材と、この両柱部材間に介在する環状の接合部材からなり、前記柱部材の端部の外周と内周のいずれかに凸部が周方向に断続的に形成され、前記接合部材の内周と外周のいずれかに前記柱部材の凸部が周方向に嵌合し得る凹部が形成され、前記柱部材の凸部が前記接合部材の凹部に周方向に嵌合すると共に、材軸方向に互いに係合した状態で前記両柱部材が接合されていることを構成要件とする。
本発明は少なくとも柱部材が主に高強度鋼材である場合を対象とするが、普通強度鋼材である場合も含む。高強度鋼材は現行の構造用鋼材(普通強度鋼材)の引張強度400N/mmの約2倍程度の800N/mm前後程度以上の引張強度を有する鋼材であり、1500N/mm前後程度までの引張強度を有する超高強度鋼材を含む。
請求項1では柱部材に凸部が周方向に断続的に形成され、接合部材に柱部材の凸部が周方向に嵌合し得る凹部が形成されることで、下側の柱部材に接合部材が装着された状態から、例えば上側の柱部材を接合部材上に落とし込み、上側の柱部材、もしくは接合部材を材軸回りに回転させることにより、接合部材への装着状態が得られる。接合部材は下側の柱部材に対しては柱部材上から落とし込まれることにより柱部材に装着される。
図1に示すように凸部1aが柱部材1の外周に形成される場合、接合部材2は柱部材1の外周に配置されるため、凹部2bは接合部材2の内周に形成される。図3に示すように凸部1aが柱部材1の内周に形成される場合、接合部材2は柱部材1の内周に配置されるため、凹部2bは接合部材2の外周に形成される。
図2−(a)に示すように接合部材2の凹部2b以外の部分は相対的に凸部2a、2cとなっており、(b)に示すように柱部材1の凸部1aは接合部材2の凹部2bに嵌合したとき、上下に位置する凸部2aと凸部2cに係止することにより材軸方向の移動に対して拘束される。ここで、2cは接合部材2の材軸方向中央部に、周方向に連続して形成された凸部を、2aは周方向に断続的に形成された凸部を指す。
上側の柱部材1が接合部材2上から落とし込まれたときには、柱部材1の凸部1aと接合部材2の凸部2a、2cは例えば図2−(a)、または(c)に示すような関係になる。図2は下側の柱部材1に装着されている接合部材2上から上側の柱部材1を落とし込んだ状況を柱部材1と接合部材2の展開図として表している。図2は図1における接合部材2の内周面、または図3における接合部材2の外周面を展開した様子を示している。
図2−(a)は接合部材2の凸部2cが上下の柱部材1、1の凸部1a、1a間に挟まれる形になる場合、(c)は上下の柱部材1、1の凸部1a、1aが互いに密着する形になる場合を示している。(c)は(a)における材軸方向中央部の凸部2cがない場合である。
図2では接合部材2の凸部2aと柱部材1の凸部1aを共に、周方向に4箇所形成した場合を示しているが、凸部2a、1aの周方向の形成数は任意であり、上下の柱部材1、1が接合されたときに柱部材1、1間で引張力と圧縮力の伝達が行われるように凸部1aと凸部2a、2cが互いに係止する形になればよい。凸部1aと凸部2aは複数個形成される場合、周方向に均等に配列する。柱部材1に4箇所の凸部1aを形成した場合、柱部材1、もしくは接合部材2は材軸回りに45°回転させられることにより凸部1aが凹部2bに嵌合し、更に45°、または逆回りに45°回転させられることにより凸部1aが凹部2bから離脱する。
図2−(a)の場合、接合部材2の凸部2a、2cは柱部材1を接合部材2に対して回転させることができるよう、材軸方向には柱部材1の凸部1aの高さに対応した間隔を隔てて配列し、周方向に連続した凸部2c以外の凸部2aは柱部材1が接合部材2上から落とし込めるよう、周方向には柱部材1の凸部1aの幅に対応した間隔を隔てて配列する。図2−(c)の場合は(a)における材軸方向中央部の凸部2cがないため、材軸方向には2個分の凸部1aの高さに対応した間隔を隔てる。
図2−(a)の場合、下側の柱部材1の凸部1aは接合部材2の材軸方向中央部の凸部2cに上向きに係止している。上側の柱部材1は接合部材2上から落とし込まれ、凸部1aが接合部材2の凸部2cに下向きに係止して停止する。この状態で、柱部材1、または接合部材2が材軸回りに回転させられることで、(b)に示すように柱部材1の凸部1aが接合部材2の凹部2bに嵌合して凸部2a、2cに挟まれ、材軸方向に係止した状態になる。
図2−(c)の場合は、下側の柱部材1が接合部材2に上向きに係止する状態にならないため、接合部材2が下側の柱部材1の回りに配置され、保持された状態で、上側の柱部材1が接合部材2に対して落とし込まれることになる。上側の柱部材1の下端が下側の柱部材1の上端に接触したときに(c)に示す状態となる。この状態から接合部材2が材軸回りに回転させられることで、(d)に示すように上下の柱部材1、1の凸部1a、1aが互いに接触したまま、接合部材2の凹部2bに嵌合して凸部2a、2cに挟まれ、材軸方向に係止した状態になる。柱部材1は(b)、(d)に示す状態で接合部材2に上下の移動に対して拘束され、接合された状態になる。
柱部材1の凸部1aの周方向の幅は接合部材2の凹部2bの幅以下の大きさで、凸部1aの高さは凹部2bの高さ以下の大きさとなるため、凸部1aが凹部2bに嵌合したときに、凸部1aと凹部2bとの間に空隙ができる可能性がある。この空隙の存在により柱部材1が接合部材2に対して移動する(ずれる)可能性がある場合には、空隙にフィラーや楔を打ち込む等により隙間を埋め、柱部材1を接合部材2に拘束することが行われる。
上下の柱部材同士の接合が接合部材の材軸回りの回転によって行われ、ボルトや溶接が使用されないことから、柱部材同士の接合状態からは、接合部材を接合時と逆向きに、または同一向きに回転させた後、材軸方向に移動させることで、柱部材同士を分離させ、更に柱部材と接合部材を解体することが可能である。
請求項2に記載の発明は請求項1において、半径方向に互いに接触する柱部材の凸部と接合部材の凹部のいずれかの板厚が、柱部材と接合部材が相対的に周方向に回転して嵌合するときに、嵌合前の状態から嵌合状態へかけて次第に大きくなることを構成要件とする。
図1−(e)に示すように柱部材1の凸部1aと接合部材2の凹部2bのいずれかの板厚が嵌合前の状態から嵌合状態へかけて次第に大きくなっていれば、柱部材1の回転によって凸部1aを凹部2bに嵌合させるときに、柱部材1と接合部材2間に半径方向の圧力を発生させ、両者の密着性を高めることが可能である。凸部1aの板厚と凹部2bの板厚の関係は、凸部1aの表面と凹部2bの表面のいずれかが、柱部材1と接合部材2が相対的に周方向に回転して嵌合するときに、嵌合前の状態から嵌合状態へかけて次第に接近する形状をしている、と言い換えることもできる。
この場合、柱部材1と接合部材2の相対的な回転に伴い、凸部1aが凹部2bに嵌合しようとするとき、凸部1aの凹部2b側の表面と凹部2bの凸部1a側の表面との間に柱部材1の半径方向の圧力が発生する。この圧力は回転に伴って次第に大きくなるため、嵌合状態で柱部材1と接合部材2との間に高い圧力を与えることが可能になり、上下の柱部材1、1の一体性が強まることになる。
また図1−(f)に示すように材軸方向に互いに接触する柱部材1の凸部1aの上面、もしくは下面と、接合部材2の凸部2aの下面、もしくは上面に傾斜を付けることにより柱部材1の回転による嵌合時に柱部材1と接合部材2との間に材軸方向の圧力を発生させ、材軸方向の密着性を上げることが可能である。傾斜は接合部材2の凸部2aに対して柱部材1の凸部1aが移動するときに、凸部1aの前方側から後方側へかけて凸部2a側へ接近する向きに付けられる。
この場合、柱部材1と接合部材2の相対的な回転に伴い、柱部材1の凸部1aの上面、もしくは下面と、接合部材2の凸部2aの下面、もしくは上面に、その面に垂直な方向の圧力が発生し、その材軸方向の成分が柱部材1と接合部材2を互いに密着させるように作用するため、材軸方向の密着性が向上することになる。各柱部材1と接合部材2の密着性が向上することで、接合部材2を挟んだ柱部材1、1間には互いに引き寄せようとする力が働いた状態になる。
柱部材1と接合部材2間に半径方向の圧力を発生させることは、請求項3に記載のように接合部材がその周方向の少なくとも一部において分離し、その分離した部分の間隔が調整可能であることによっても実現される。この場合、柱部材に外接、もしくは内接し得る接合部材の少なくとも一部が周方向に不連続となることにより分離し、その不連続部分にボルトやピン等が挿通することにより分離部分の間隔が調整される。
接合部材が柱部材に外接、もしくは内接した状態で、不連続部分の間隔が調整されることで、接合部材の内径を縮小、または外径を拡大することができるため、接合部材が柱部材に接触した状態で、両者を半径方向に密着させることが可能である。接合部材が柱部材に外接する場合には、接合部材の柱部材への装着後、接合部材の内径を縮小させることにより接合部材が柱部材に密着する。接合部材が柱部材に内接する場合には、接合部材の外径を拡大させることにより接合部材が柱部材に密着する。
柱部材端部に凸部が周方向に断続的に形成され、接合部材に柱部材の凸部が周方向に嵌合し得る凹部が形成されることで、下側の柱部材に接合部材が装着された状態から、上側の柱部材を接合部材上に落とし込み、上側の柱部材を材軸回りに回転させるのみにより柱部材の接合部材への装着状態を得ることができる。このため、柱部材同士の接合状態から柱部材と接合部材を容易に解体することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は2本の鋼管の柱部材1、1と、この両柱部材1、1間に介在する環状の接合部材2からなり、柱部材1の端部の外周と内周のいずれかに凸部1aが周方向に断続的に形成され、接合部材2の内周と外周のいずれかに柱部材1の凸部1aが周方向に嵌合し得る凹部2bが形成され、柱部材1の凸部1aが接合部材2の凹部2bに周方向に嵌合すると共に、材軸方向に互いに係合した状態で両柱部材1、1が接合されている解体自在型柱部材の継手部の構成例を示す。
図1は柱部材1の外周に凸部1aを形成し、柱部材1の外周に接合部材2を配置した場合を示す。この場合、凹部2bは接合部材2の内周に形成される。接合部材2の内周に凹部2bが形成されることに伴い、凹部2b以外の部分には凸部2a、2cが形成される。凸部1aは柱部材1の本体10である鋼管に鋼板等の鋼材の片が溶接されることにより形成され、凸部2a、2cも接合部材2の本体20である鋼管に鋼材の片が溶接されることにより形成される。柱部材1と接合部材2に高強度鋼材の鋼管を使用した場合、溶接は工場で行われる。
図1はまた、接合部材2の材軸方向中央部に、周方向に連続する凸部2cを形成し、この凸部2cを挟んで柱部材1、1の端部を対向させ、柱部材1の端部を接合部材2の凸部2cに密着させた場合を示す。図面では柱部材1本体10の端面と凸部1aの端面を揃えているが、必ずしもその必要はない。図1−(a)における接合部材2の材軸方向中央部の凸部2cがない場合の、柱部材1と接合部材2の関係は図1−(d)のようになり、上下の柱部材1、1の端部が凸部1aと共に互いに密着し、両凸部1a、1aを接合部材2の凸部2a、2aが挟む形になる。
図1−(a)に示す接合部材2の内周面の展開図を図2−(a)に、図1−(d)に示す接合部材2の内周面の展開図を図2−(c)に示す。図2−(a)、(c)中、ハッチングを入れた部分は柱部材1の凸部1aを示す。
図1−(a)の場合、接合部材2の材軸方向中央部に形成された凸部2cの上下の端面から柱部材1の凸部1aの高さに相当する距離を隔てて凸部2aが周方向に断続的に形成される。周方向に間隔を隔てる凸部2a、2a間の距離は凸部1aの幅に相当する。接合部材2の凹部2bは材軸方向には凸部2cと凸部2a間に形成され、周方向には隣接する凸部2a、2a間に形成され、凸部2cと凸部2a間の凹部2bと凸部2a、2a間の凹部2bは連続する。
図1−(d)の場合の接合部材2は(a)における凸部2cが不在になった形になるため、凸部2aのみが材軸方向と周方向に間隔を隔てて形成される。材軸方向に間隔を隔てる凸部2a、2a間は凸部1aの高さの2倍分の距離を隔て、周方向に間隔を隔てる凸部2a、2a間は凸部1aの幅に相当する距離を隔てる。凹部2bは材軸方向の凸部2a、2a間、及び周方向の凸部2a、2a間に形成され、連続する。図2−(a)と(c)のいずれの場合も凹部2bは接合部材2の材軸方向の端部に連続し、接合部材2の端部は凹部2bにおいて開放する。
図1−(a)は下側の柱部材1上に接合部材2が載置され、その上に上側の柱部材1が載置された状態を示している。この状態では図2−(a)に示すように下側の柱部材1の凸部1aが接合部材2の凸部2cの下面に係止し、上側の柱部材1の凸部1aが凸部2cの上面に係止している。図1−(b)は(a)の接合部材2を通る水平断面を示している。接合部材2は例えば下側の柱部材1上から落とし込まれることにより凹部2b内に凸部1aが挿入され、凸部1aが凸部2cに係止して停止する。上側の柱部材1も同様に接合部材2上から落とし込まれることにより凹部2b内に凸部1aが挿入され、凸部1aが凸部2cに係止して停止する。
図1−(a)、図2−(a)の状態からは、柱部材1、または接合部材2を材軸回りのいずれかの向きに回転させることで、図1−(c)、図2−(b)に示すように凸部1aが接合部材2の凸部2a、2cに挟まれ、凹部2bに周方向に嵌合した状態になる。凸部1aが凹部2bに周方向に嵌合したときに、柱部材1が材軸方向の移動に対して接合部材2に拘束されるため、柱部材1、1同士が接合された状態になる。
下側の柱部材1に対する接合部材2の装着と、接合部材2に対する上側の柱部材1の装着の便宜より凸部1aの周面と凹部2bの周面との間、または凸部1aの上下面と凸部2a、2cの上下面との間には僅かなクリアランスが確保されるが、このクリアランスの存在による接合状態におけるがたつきを防止する上では、クリアランスにフィラーや楔を打ち込むことが行われる。フィラーや楔の打ち込みは例えば柱部材1や接合部材2の回転前にフィラー等を予めクリアランスに挿入しておき、そのまま柱部材1や接合部材2を回転させることにより行われる。
フィラー等の打ち込みに代え、図1−(e)に示すように半径方向に互いに接触する柱部材1の凸部1aと接合部材2の凹部2bのいずれかの板厚を、柱部材1と接合部材2が相対的に周方向に回転して嵌合するときに、嵌合前の状態から嵌合状態へかけて次第に大きくすることによっても接合状態におけるがたつきを防止することができる。
前記の通り、凸部1aと凸部2a、2cは鋼管に鋼材片が溶接されることにより形成されることから、板厚を変化させる加工を施す上では、凸部1aとなる鋼材片の板厚に変化を与えておくことが合理的である。但し、周方向に隣接する凸部2a、2a間を通じて凸部1aを落とし込む作業が阻害されないようにする上では、図1−(e)に示すように凸部1aが嵌合する位置における凹部2bの板厚を変化させることが適切である。
この場合、周方向に隣接する凸部2a、2a間の凹部2bを通じて挿入された凸部1aは柱部材1や接合部材2の回転に伴い、板厚が変化した凹部2bによって内周側へ押圧され、凸部1aが凹部2bに嵌合した接合状態では接合部材2と柱部材1が半径方向に圧力を及ぼし合うことになる。接合部材2は半径方向外周側へ圧力を受け、柱部材1は半径方向内周側へ圧力を受ける。同様のことは図3の場合にも可能である。
図1−(f)は柱部材1と接合部材2の接合状態で、両者間に材軸方向に圧力を及ぼし合った状態になるように、互いに接触する凸部1aの上面、もしくは下面と凸部2aの下面、もしくは上面に傾斜を付けた場合の例を示す。凸部1aの傾斜は柱部材1や接合部材2が回転して凸部1aが凸部2aと凸部2cの間に挿入されようとするときに、回転の前方側から後方側へかけて凸部1aの高さが次第に大きくなる向きに付けられる。
図3は凸部1aを柱部材1の内周に形成し、接合部材2を柱部材1の内周に配置した場合の柱部材1、1の接合例を示す。接合部材2の凸部2aと凹部2bは接合部材2本体20の外周に形成される。図3でも接合部材2の材軸方向中央部に周方向に連続する凸部2cを形成しているため、接合部材2の外周面を展開すれば、図2−(a)に示すようになる。
柱部材1、もしくは接合部材2の回転により柱部材1の凸部1aが接合部材2の凹部2bに嵌合することは図1の場合と同じであり、柱部材1、1同士の接合の要領も図1の場合と同様である。図3中、接合部材2の凸部2cにおける破線はそれより外周側の部分がない場合があることを意味している。
図3において凸部2cにおける破線より外周側の部分がない場合、図2−(a)における帯状に連続する凸部2cが断続的に形成され、材軸方向には凸部2cと凸部2aが3段に配列し、周方向には3段の凸部2c、2aが等間隔に配列した形になる。このため、柱部材1の解体時に接合部材2を回転させ、凸部2cを下側の柱部材1の凸部1a、1a間に位置させたときに、接合部材2を下側の柱部材1内に降下、または落下させることができる。従って図3では接合部材2の回転のみによって両柱部材1、1を分離させることができるため、図1の場合のように解体時に上側の柱部材1を接合部材2に対して上昇させる必要がなく、解体作業が単純化される利点がある。
図1、図3の場合、柱部材1、1同士の接合後、柱部材1内にはコンクリートやモルタル等を充填することもある。また柱部材1の建て方時の吊り込みと位置調整のために、必要により柱部材1の外周には建て方用リブ4が突設される。この建て方用リブ4は建て方用以外の用途がない場合、柱部材1、1同士の溶接後に除去される。
図4−(a)〜(c)は図1に示す、柱部材1に外接する接合部材2の周方向の少なくとも一部を分離させ、その分離した部分の間隔を調整可能にした接合部材2を示す。分離部分の間隔の調整は環状の接合部材2の周方向の一部を切り離すと共に、その部分にフランジ2d、2dを形成し、このフランジ2d、2d間に挿通させたボルト3の螺合長さを調整することにより行われる。図4−(a)、(b)は接合部材2の一箇所を切り離した場合、(c)は二箇所を切り離した場合である。
図4に示す接合部材2は柱部材1に外接することから、上側の柱部材1の接合部材2への装着後、ボルト3の締め付けによって接合部材2から柱部材1に半径方向内周側へ圧力を与え、接合部材2と柱部材1との密着性を高めることになる。
図5−(a)、(b)は図3に示す、柱部材1に内接する接合部材2の周方向の少なくとも一部を分離させ、その分離した部分の間隔を調整可能にした接合部材2を示す。分離部分の間隔の調整は図4の場合と同じである。
図5に示す接合部材2は柱部材1に内接することから、予めボルト3を締め付けて対向するフランジ2d、2d間の間隔を小さくし、接合部材2の外径を小さくした状態で柱部材1内に挿入される。その後、柱部材1の凸部1aを接合部材2の凹部2bに嵌合させた状態で、ボルト3の締結を解除する、もしくは緩めることにより接合部材2の外径が拡大し、柱部材1に半径方向外周側へ圧力を与え、接合部材2と柱部材1の密着性を高めることになる。
(a)は柱部材に外接する接合部材を用いて柱部材同士を接合した様子を示した縦断面図、(b)は柱部材の凸部が接合部材の凹部に嵌合する前の様子を示した水平断面図、(c)は柱部材の凸部が接合部材の凹部に嵌合したときの様子を示した水平断面図、(d)は(a)に示す接合部材の中央部の凸部がない場合の柱部材同士の接合状態を示した縦断面図、(e)は接合部材の肉厚を変化させた場合の嵌合時の様子を示した平面図、(f)は柱部材の凸部の上面に傾斜を付けた場合の嵌合時の様子を示した立面図である。 (a)は図1に示す接合部材の凹部に柱部材の凸部が嵌合する前の様子を示した内周面の展開図、(b)は(a)に示す凹部に凸部が嵌合したときの様子を示した展開図、(c)は図1に示す接合部材の材軸方向中央部の凸部がない場合の嵌合前の様子を示した展開図、(d)は(c)に示す凹部に凸部が嵌合したときの様子を示した展開図である。 (a)は柱部材に内接する接合部材を用いて柱部材同士を接合した様子を示した縦断面図、(b)は柱部材の凸部が接合部材の凹部に嵌合する前の様子を示した水平断面図である。 (a)は図1に示す接合部材の周方向の一箇所を分離させた場合を示した平面図、(b)は(a)の立面図、(c)は二箇所を分離させた場合を示した平面図である。 (a)は図3に示す接合部材の周方向の一箇所を分離させた場合を示した平面図、(b)は(a)の立面図である。
符号の説明
1………柱部材
10……本体
1a……凸部
2………接合部材
20……本体
2a……凸部
2b……凹部
2c……凸部
2d……フランジ
3………ボルト
4………建て方用リブ

Claims (3)

  1. 2本の鋼管の柱部材と、この両柱部材間に介在する環状の接合部材からなり、前記柱部材の端部の外周と内周のいずれかに凸部が周方向に断続的に形成され、前記接合部材の内周と外周のいずれかに前記柱部材の凸部が周方向に嵌合し得る凹部が形成され、前記柱部材の凸部が前記接合部材の凹部に周方向に嵌合すると共に、材軸方向に互いに係合した状態で前記両柱部材が接合されていることを特徴とする解体自在型柱部材の継手部。
  2. 半径方向に互いに接触する前記凸部と前記凹部のいずれかの板厚が、前記柱部材と前記接合部材が相対的に周方向に回転して嵌合するときに、嵌合前の状態から嵌合状態へかけて次第に大きくなることを特徴とする請求項1に記載の解体自在型柱部材の継手部。
  3. 前記接合部材はその周方向の少なくとも一部において分離し、その分離した部分の間隔が調整可能であることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の解体自在型柱部材の継手部。

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