JP2008045189A - 粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子 - Google Patents

粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2008045189A
JP2008045189A JP2006224123A JP2006224123A JP2008045189A JP 2008045189 A JP2008045189 A JP 2008045189A JP 2006224123 A JP2006224123 A JP 2006224123A JP 2006224123 A JP2006224123 A JP 2006224123A JP 2008045189 A JP2008045189 A JP 2008045189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
oxide film
film layer
particles according
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006224123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4906435B2 (ja
Inventor
Hideki Masuda
秀樹 益田
Takashi Yagishita
崇 柳下
Kazuyuki Nishio
和之 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
Kanagawa Academy of Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanagawa Academy of Science and Technology filed Critical Kanagawa Academy of Science and Technology
Priority to JP2006224123A priority Critical patent/JP4906435B2/ja
Publication of JP2008045189A publication Critical patent/JP2008045189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4906435B2 publication Critical patent/JP4906435B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】陽極酸化技術を微粒子の表面処理の分野に展開し、表面に多孔性酸化膜層を有するの微粒子や、緻密な表面酸化膜層を有する微粒子を、煩雑な工程を経ることなく高スループットで製造可能な方法と、その方法により製造された微粒子を提供する。
【解決手段】単離可能な金属粒子の集合体を電解液中で陽極酸化することにより粒子表面に酸化膜層を形成することを特徴とする粒子の製造方法、およびその方法により製造された粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、比較的小サイズの金属粒子から所望の表面形態を有する粒子を製造する方法とその方法により製造された粒子に関し、より詳しくは、陽極酸化処理を利用して表面に所望の多孔性の酸化膜層や緻密な(非多孔性の)酸化膜層を形成した粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子に関する。
アルミニウムやチタンなどのバルブ金属は、電解液中で陽極酸化を行うとその表面に酸化膜層が形成される。陽極酸化によって形成される酸化膜層は、作製条件にともない変化することが知られており、酸性もしくはアルカリ性電解液を用いた場合には多孔性の酸化膜層が形成され、中性電解液を用いた場合には緻密で均一な非多孔性の酸化膜層が形成される。
陽極酸化によって形成される多孔性の酸化膜層は、厚膜形成が可能であることから、基材表面に多孔性酸化膜層を形成すれば、例えば耐食性を付与することができる。このような陽極酸化技術は、通常、ミリメータースケール以上の構造体に適用されてきたが、微粒子の表面処理法として採用された例は見当たらない。
表面に多孔質構造を有する微粒子は、比表面積が大きいことから触媒、顔料をはじめ様々な応用が期待されている。これまでにも多孔性微粒子の作製に関しては様々な検討がなされてきているが、その多くは、ナノメートルから数十ナノメールオーダーのメソポアを有するゼオライト等からなる微粒子や、コロイドの結晶化により形成される多孔質な微粒子が主であった。しかしながら、これらの多孔質微粒子の製造法は、作製工程が煩雑であるうえ合成に長時間を要するため、工業的な応用が難しいといった問題点があった。多孔性粒子を簡便に作製するための手法として、ポリマー微粒子を鋳型に用いる方法が報告されている(例えば非特許文献1)。この手法によれば、ポリスチレン微粒子とシリカのナノ粒子の混合溶液を気相中に噴霧し溶媒を乾燥させて微粒子とし、その後高温条件下で加熱処理することでポリマー粒子のみ選択的に除去することが可能であることから、多孔性微粒子を得ることができる。しかしながら、これらの手法では、円柱状の細孔が表面に対して垂直方向に直行したホールアレー構造を有する多孔性微粒子を得ることは困難であり、また、得られた微粒子の細孔内への物質充填や、多孔性中空粒子を作製することは容易ではない。
前述の如く、材料表面に多孔質構造を形成する手法として、バルブ金属の陽極酸化法が知られている。陽極酸化により形成される表面酸化膜層の細孔サイズは陽極酸化条件を変更することにより制御可能である。バルブ金属の陽極酸化によって形成される代表的な多孔質構造材料である陽極酸化ポーラスアルミナでは、適切な条件下で陽極酸化を行うことにより細孔が規則的に配列したホールアレー構造を得ることもできる(非特許文献2)。このため、バルブ金属微粒子の陽極酸化が可能になれば、例えば、表面に円柱状の細孔が配列した多孔性微粒子を得ることが可能となると考えられる。しかしながら、通常、金属表面には絶縁性の酸化皮膜が形成されており、電解液中で各微粒子に通電し陽極酸化を行うことは困難であると考えられているためか、バルブ微粒子を陽極酸化することで多孔性微粒子を作製する手法は未だ報告されていない。
一方、前述の如く、陽極酸化技術を採用すれば、材料表面に緻密で均一な非多孔性の酸化膜層を形成することもできる。従来、このような陽極酸化技術は、サッシ等の建材やめがねフレーム等の表面処理に用いられてきた。中性電解液を用いた陽極酸化によって形成される緻密な酸化膜は高屈折率を有していることから、基材表面に酸化膜の薄膜層を形成すれば、光の干渉により基材を着色することもできる。このとき、形成される酸化膜層の厚さは、陽極酸化の電圧で制御することが可能であることから、所望の色に着色した試料を作製することが可能である。このような着色方法は、有機色素等を用いた手法とは異なり、光の干渉効果によるものなので、試料表面に形成された酸化膜が溶解または磨耗することで厚さが変化しなければ変色、退色が起こらない利点がある。
また、例えば薄い鱗片状のアルミフレークは自動車や携帯電話のメタリック塗装に顔料として用いられているが、もしアルミフレーク表面の陽極酸化が可能になれば、粒子表面に緻密な酸化膜層を形成することが可能となり、上記のような光の干渉効果に基づく着色を行うことが可能となると考えられる。各粒子にこのような処理を行うことができれば、有機色素を併用することなく、金属光沢を有する所望の着色を行うことが可能となると考えられる。しかし、このような陽極酸化技術もまた、通常、ミリメータースケール以上の構造体に適用されてきただけで、微粒子の表面処理法として採用された報告例は見当たらない。
Science,292, 1612(2001) H. Masuda and K. Fukuda, Science, 268,1466 (1995)
上述の如く、従来の多孔性微粒子の合成方法では、実験操作が煩雑であることに加え、合成に長時間を要するという問題点があった。また、既存の手法では、円柱状の細孔が試料表面に対して直行したホールアレー構造を有する多孔性微粒子の作製が難しく、形成された微粒子細孔内への物質充填や、中空化は困難であった。また、微粒子の表面に陽極酸化技術を採用して緻密な酸化膜層を形成できれば、様々な利点が考えられ、その用途展開も拡大されると考えられるが、従来、このような技術思想の着想がなく、ましてや実際に行われた報告例も見当たらない。
そこで本発明の課題は、様々な利点が期待できる陽極酸化技術を微粒子の表面処理の分野に新たに展開し、サイズの均一な細孔が試料表面に対して直行したホールアレー構造を有する多孔性微粒子や、光干渉効果の期待できる緻密な表面酸化膜層を有する微粒子等を、煩雑な工程を経ることなく高スループットで製造可能な方法と、その方法により製造された微粒子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る粒子の製造方法は、単離可能な金属粒子の集合体を電解液中で陽極酸化することにより粒子表面に酸化膜層を形成することを特徴とする方法からなる。つまり、単離可能な金属粒子を集合体の形態として粒子同士を接触させ、その状態で電解液中での陽極酸化を施すことにより、各粒子の表面に酸化膜層を形成する方法である。所定の陽極酸化処理を行うだけで目標とする粒子表面の酸化膜層を形成することができ、極めて容易にかつ確実に、表面酸化膜層を有する微粒子が得られることになる。
粒子表面に形成される酸化膜層は、陽極酸化の条件により、多孔性酸化膜層とすることもできるし、非多孔性酸化膜層(つまり、緻密な酸化膜層)とすることもできる。得られる粒子の用途に応じて選択すればよい。
また、使用する単離可能な金属粒子は、使用前の状態として表面に酸化皮膜が形成されてしまっていることが多いので、陽極酸化に際しては、金属粒子表面に存在していた酸化皮膜を予め溶解除去した後、該金属粒子の集合体を電解液中で陽極酸化することが好ましい。予め酸化皮膜を除去することにより、金属粒子の素材同士が確実に接触できるようになり、金属粒子の集合体において陽極酸化に必要な導通状態が確実に現出されて、所定の陽極酸化処理が確実に行われるようになる。
金属粒子を陽極酸化のために必要な集合体の形態とするためには、単に、陽極酸化に用いる微粒子集合体をフィルター上にトラップしたり、所定の容器中に所定の形態にて充填するだけでも可能であるが、より確実に陽極酸化用の集合体形態とするためには、金属粒子の集合体を加圧して金属粒子同士を直接接触させた後、電解液中で陽極酸化することが望ましい。例えば、金属粒子集合体に棒状の電極を押し込むなど荷重を加え微粒子同士をこすり合わせることができる。この方法では、金属粒子同士を直接接触させることができるとともに、金属粒子表面に形成されていた酸化皮膜を破壊し金属粒子同士を直接密着させることが可能となる。このように、陽極酸化を行う際に、各金属微粒子を固定するために粒子集合体に荷重を加え、金属粒子同士の接触を維持した状態で電解液に浸漬し通電することにより、陽極酸化をより安定に進行させることができる。このとき、粒子と同じ金属からなる電極で粒子に荷重を加えて陽極酸化を行えば、陽極酸化の際に電極が溶解することなくさらに安定に陽極酸化を行うことができる。
陽極酸化後には、表面に酸化膜層が形成された粒子を容易に単離することができる。上記のように陽極酸化により表面に酸化膜層が形成された粒子は、単に接触しているだけであるため、例えば洗浄後に、溶液中に容易に分散させることが可能である。また、分散した溶液中より濾過等の手法により粒子の回収を行えば、粒子を単離した状態で容易に得ることもできる。
また、本発明においては、表面に酸化膜層が形成された粒子の内部の金属部分を選択的に溶解除去することにより、表面の酸化膜層からなる中空状の粒子を形成することができる。すなわち、本発明に係る方法では、金属粒子同士を接触させて陽極酸化を行なうことで粒子表面に酸化膜層を形成するため、粒子同士が接触していた部分には、酸化膜層が形成されず粒子の地金が露出している。そのため、例えば、陽極酸化後の粒子を、その地金金属部分のみを選択的に溶解可能なエッチャントに浸漬すれば、酸化膜層のシェル構造を有する中空粒子を得ることが可能となる。
本発明において使用する金属粒子の形状としては特に限定されず、球状の金属粒子の他にも、球状以外の異形粒子や不定形の金属粒子を用いることができ、さらには、薄片状(鱗片状やフレーク状とも呼ばれる。)の金属粒子を用いることもできる。最終的に得られる粒子の用途を考慮して、使用金属粒子の形状を決めればよい。
また、本発明において使用する金属粒子のサイズとしては、本発明が所望の微粒子を得ることを目的としていることから、サイズ100μm以下の金属粒子を用いることが好ましく、サイズ20μm以下の金属粒子を用いることがより好ましい。さらに、サイズ5μm以下の金属粒子を用いることもできる。粒子サイズの下限値は特に限定しないが、入手の面から、つまり現状の市販品で通常入手可能な粒子サイズの下限値は1μm程度である。但し、特注すれば1μm未満のサイズの粒子を得ることが可能であり、所定形状の粒子を実質的に均一に製造できる可能性の面からは、現実的には0.1μm程度の粒子サイズが下限値と考えられる。
さらに、金属粒子を構成する金属の種類も、陽極酸化の対象となる金属であれば特に限定されず、いわゆるバルブ金属粒子を好適に用いることができる。バルブ金属としては、Al、Ti、Ta、Nb、Mg、Zn等を使用でき、中でも、陽極酸化の制御の容易性等の面から、金属粒子の材質がアルミニウム、チタンのいずれかであることが好ましい。
本発明における陽極酸化の条件としては、例えば、金属粒子の材質がアルミニウムである場合、次のような条件を採用できる。シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜40Vにおいて陽極酸化する、あるいは、硫酸を電解液として用い、化成電圧10V〜30Vにおいて陽極酸化する、あるいは、リン酸を電解液として用い、化成電圧180V〜200Vにおいて陽極酸化する。このような条件は、とくに粒子表面に多孔性酸化膜層を形成する場合に好適な条件である。
このような陽極酸化を行う場合には、例えば、定電圧で陽極酸化を施した後、一旦酸化膜層を溶解除去し、再び同一条件下で陽極酸化を施すこともできる。このような手法を採用すれば、最初の陽極酸化で粒子表面に細孔の開始点(例えば、窪み)を形成することができ、一旦酸化膜層を溶解除去したときには、粒子表面に比較的規則的に配列された細孔の開始点を残すことが可能になる。そして、再び同一条件下で陽極酸化を施すことにより、予め形成されていた開始点を起点に陽極酸化による細孔を形成していくことができ、最終的に、規則的に配列された細孔あるいは孔が均一に分布された、多孔性酸化膜層を形成することが可能になる。
さらに、硫酸を電解浴として用い、化成電圧50V〜300Vで陽極酸化を行うことで、表面に形成された酸化膜層がチューブアレー構造(つまり、表面に対し垂直方向に直行する細孔が規則配列された構造)を有する粒子を形成することが可能である。
これらの規則的に配列された細孔あるいは孔が均一に分布された多孔性酸化膜層、あるいは上記チューブアレー構造の酸化膜層が形成された粒子は、とくにアルミニウム粒子を用いた場合に容易に得ることができ、多孔性アルミナ層やアルミナチューブアレーが表面に形成された多孔性微粒子を得ることができる。このような陽極酸化後の多孔性微粒子の集合体を、電析浴中に浸漬後電解することにより細孔内へ所望の金属を充填することも可能である。細孔内へ物質充填を行った微粒子の単離を行えば、複合粒子を得ることもできる。
また、本発明においては、上記のように形成された粒子に、物質、とくに粒子構成材料以外の物質、例えば、他の金属や、高分子物質等を充填して複合粒子とすることも可能である。例えば、前述の如く粒子表面に形成された多孔性酸化膜層の細孔内に物質を充填することにより、あるいは、前述の如く中空状に形成された粒子の中空部内に物質を充填することにより、さらには、これらを両方ともに行うことにより、複合粒子を形成することが可能である。
本発明は、上記のような本発明に係る方法により製造された粒子も提供する。
本発明に係る粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子によれば、種々の用途展開が期待できる、表面に多孔性酸化膜層や緻密な非多孔性酸化膜層が形成された比較的小サイズの粒子を、煩雑な工程を経ることなく高スループットで、容易に製造することができる。また、陽極酸化条件を適切に制御することで、規則配列されたチューブアレー構造の酸化膜層が形成された粒子や、所望の膜厚で優れた光干渉効果を有する酸化膜層が形成された粒子なども得ることができ、さらには、酸化膜層のシェル構造を有する中空粒子や、酸化膜層の細孔や粒子中空部内に別の材料を充填した複合粒子などを得ることも可能になる。
以下に、本発明に係る粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る粒子の製造方法、とくに多孔性微粒子の製造方法を示している。バルブ金属微粒子としてのアルミニウム微粒子(Al微粒子)1を、例えば片側がフィルターメンブレンとなっている容器に入れ、場合によっては加圧して、粒子同士が互いに接触した形態の集合体2を形成し、各粒子間に導通を確保する。導通を確保した試料を所定の電解液中に浸漬し、所定の電圧を印加することにより陽極酸化を行う。これにより、粒子表面に多孔性の酸化膜層(例えば、アルミナナノホールアレー3の構造を有する層)を形成した多孔性微粒子4が形成される。陽極酸化後の多孔性微粒子4は、例えば溶液中に分散させることにより単離を行うことができる。
図2には、複合微粒子の製造方法の一例を示す模式図を示す。上記同様に形成された陽極酸化後の、表面にポーラスアルミナ層11を有し内部がAlの地金12からなる微粒子13の集合体をめっき液中に浸漬し、交流電解することにより、細孔内へ所望の金属14を充填する。このように電析により物質充填を行った微粒子集合体は、溶液中に分酸させ単離を行うことで複合微粒子15を得ることができる。
図3には、中空多孔性微粒子の製造方法の一例を示す模式図を示す。陽極酸化後の表面にアルミナナノホールアレー21の構造を有し内部がAlの地金22からなる微粒子の集合体23から微粒子24を単離し、地金部分のみを選択的に溶解可能なエッチャントに浸漬することにより中空多孔性微粒子25を得ることができる。
このように、本発明によれば、サブミクロン〜数百μmスケールの多孔性微粒子を簡便に作製することができ、要求に応じて、複合微粒子や中空多孔性微粒子を得ることも可能である。
以下、実施例により更に本発明を詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
実施例1(Al微粒子の陽極酸化による多孔性微粒子の作製)
純度99.99%のアルミニウム微粒子を、酸化クロム−リン酸水溶液(酸化クロム:1.8wt%、リン酸:6wt%)を用い、表面の酸化皮膜を溶解除去した。Al微粒子が分散した酸化クロム−リン酸水溶液をフィルターで濾過し、蒸留水を用いて洗浄した。フィルター上にトラップした微粒子にAl製の丸棒を押し付けて微粒子を固定し、0.3Mシュウ酸水溶液中、浴温17℃において直流40Vの条件下で15分間陽極酸化を行った。陽極酸化後の試料は、蒸留水を用いて洗浄した後乾燥させた。図4に、Al微粒子の陽極酸化により作製された多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図を示す。
実施例2(中空多孔性微粒子の作製)
実施例1と同様の方法で作製した単離前の多孔性微粒子集合体を、蒸留水で洗浄した後、ヨウ素を飽和させたメタノール溶液中に浸漬し、地金アルミニウムを溶解除去した。地金溶解後の中空粒子は、アセトンで洗浄を行い回収した。図5に、フィルター上にトラップした中空多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図を示す。
実施例3(チューブアレーを表面に有する多孔性微粒子)
実施例1と同様の方法でフィルター上にトラップしたAl微粒子を、0.3M硫酸酸水溶液中、浴温17℃において直流100Vの条件下で1分間陽極酸化を行った。これにより、表面にアルミナチューブアレーを有する多孔性微粒子を得た。図6に、フィルター上にトラップしたチューブアレーを表面に有する多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図を示す。
実施例4(チタン微粒子の陽極酸化)
純度99.9%のチタン微粒子を、フィルター上にトラップし、Ti製の丸棒を押し付けて固定し、0.03Mシュウ酸水溶液中、浴温-2℃において直流50Vの条件下で5分間陽極酸化を行った。陽極酸化後の試料は、蒸留水を用いて洗浄した後乾燥させた。図7に,Ti微粒子の陽極酸化により作製された多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図を示す。
本発明に係る粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子は、多孔質表面が要求される触媒、顔料、メタリック塗装などに用いられるフレーク状顔料など、様々な分野に適用できる。
本発明の一実施態様に係る多孔性微粒子の製造方法を示す模式図である。 本発明の別の実施態様に係る複合微粒子の製造方法を示す模式図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る中空多孔性微粒子の製造方法を示す模式図である。 実施例1で得られた多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図である。 実施例2で得られた中空多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図である。 実施例3で得られた表面にアルミナチューブアレーを有する多孔性微粒子を電子顕微鏡により観察した図である。 実施例4で得られた多孔性チタン微粒子を電子顕微鏡により観察した図である。
符号の説明
1 アルミニウム微粒子
2 微粒子の集合体
3 アルミナナノホールアレー
4 多孔性微粒子
11 ポーラスアルミナ層
12 Alの地金
13 微粒子
14 細孔内へ充填された金属
15 複合微粒子
21 アルミナナノホールアレー
22 Alの地金
23 微粒子の集合体
24 微粒子
25 中空多孔性微粒子

Claims (24)

  1. 単離可能な金属粒子の集合体を電解液中で陽極酸化することにより粒子表面に酸化膜層を形成することを特徴とする粒子の製造方法。
  2. 粒子表面に多孔性酸化膜層を形成する、請求項1に記載の粒子の製造方法。
  3. 粒子表面に非多孔性酸化膜層を形成する、請求項1に記載の粒子の製造方法。
  4. 金属粒子表面に存在していた酸化皮膜を予め溶解除去した後、該金属粒子の集合体を電解液中で陽極酸化する、請求項1〜3のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  5. 金属粒子の集合体を加圧して金属粒子同士を直接接触させた後、電解液中で陽極酸化する、請求項1〜4のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  6. 陽極酸化後、表面に酸化膜層が形成された粒子を単離する、請求項1〜5のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  7. 表面に酸化膜層が形成された粒子の内部の金属部分を選択的に溶解除去することにより、表面の酸化膜層からなる中空状の粒子を形成する、請求項1〜6のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  8. 球状の金属粒子を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  9. 不定形の金属粒子を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  10. 薄片状の金属粒子を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  11. サイズ100μm以下の金属粒子を用いる、請求項1〜10のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  12. サイズ20μm以下の金属粒子を用いる、請求項11に記載の粒子の製造方法。
  13. サイズ5μm以下の金属粒子を用いる、請求項12に記載の粒子の製造方法。
  14. バルブ金属粒子を用いる、請求項1〜13のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  15. 金属粒子の材質がアルミニウムである、請求項14に記載の粒子の製造方法。
  16. 金属粒子の材質がチタンである、請求項14に記載の粒子の製造方法。
  17. シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜40Vにおいて陽極酸化する、請求項1〜15のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  18. 硫酸を電解液として用い、化成電圧10V〜30Vにおいて陽極酸化する、請求項1〜15のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  19. リン酸を電解液として用い、化成電圧180V〜200Vにおいて陽極酸化する、請求項1〜15のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  20. 定電圧で陽極酸化を施した後、一旦酸化膜層を溶解除去し、再び同一条件下で陽極酸化を施す、請求項17〜19のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  21. 硫酸を電解浴として用い、化成電圧50V〜300Vで陽極酸化を行うことで、表面に形成された酸化膜層がチューブアレー構造を有する粒子を形成する、請求項1〜15のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  22. 粒子表面に形成された多孔性酸化膜層の細孔内に物質を充填する、請求項1、2、4〜21に記載の粒子の製造方法。
  23. 中空状に形成された粒子の中空部内に物質を充填する、請求項7〜21に記載の粒子の製造方法。
  24. 請求項1〜23のいずれかに記載の方法によって製造された粒子。
JP2006224123A 2006-08-21 2006-08-21 粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子 Expired - Fee Related JP4906435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224123A JP4906435B2 (ja) 2006-08-21 2006-08-21 粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224123A JP4906435B2 (ja) 2006-08-21 2006-08-21 粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008045189A true JP2008045189A (ja) 2008-02-28
JP4906435B2 JP4906435B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=39179212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006224123A Expired - Fee Related JP4906435B2 (ja) 2006-08-21 2006-08-21 粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4906435B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012162770A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 多孔性微粒子およびその製造方法
JP2013204130A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Asahi Kasei Chemicals Corp 電解セル及び電解槽
KR101804893B1 (ko) 2015-11-16 2017-12-05 주식회사 건백 알루미나를 함유하는 합성 단섬유 및 이의 제조 방법
KR101804894B1 (ko) 2015-11-16 2017-12-05 주식회사 건백 코어-시스형 알루미나 함유 합성 단섬유 및 이의 제조 방법
CN113166948A (zh) * 2018-12-04 2021-07-23 Ppg工业俄亥俄公司 经处理颗粒及基底

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5582794A (en) * 1978-12-20 1980-06-21 Fujikura Ltd Anodic oxidation method for aluminum powder
JPS5941489A (ja) * 1982-08-31 1984-03-07 C Uyemura & Co Ltd 粉粒体への電気めつき方法
JP2005232487A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 陽極酸化ポーラスアルミナおよびその製造方法
JP2006509108A (ja) * 2002-12-05 2006-03-16 サーフェクト テクノロジーズ インク. 電気化学プロセス及び装置によるサブミクロン及びナノサイズ粒子のカプセル化
JP2006213992A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 陽極酸化ポーラスアルミナおよびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5582794A (en) * 1978-12-20 1980-06-21 Fujikura Ltd Anodic oxidation method for aluminum powder
JPS5941489A (ja) * 1982-08-31 1984-03-07 C Uyemura & Co Ltd 粉粒体への電気めつき方法
JP2006509108A (ja) * 2002-12-05 2006-03-16 サーフェクト テクノロジーズ インク. 電気化学プロセス及び装置によるサブミクロン及びナノサイズ粒子のカプセル化
JP2005232487A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 陽極酸化ポーラスアルミナおよびその製造方法
JP2006213992A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 陽極酸化ポーラスアルミナおよびその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012162770A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 多孔性微粒子およびその製造方法
JP2013204130A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Asahi Kasei Chemicals Corp 電解セル及び電解槽
KR101804893B1 (ko) 2015-11-16 2017-12-05 주식회사 건백 알루미나를 함유하는 합성 단섬유 및 이의 제조 방법
KR101804894B1 (ko) 2015-11-16 2017-12-05 주식회사 건백 코어-시스형 알루미나 함유 합성 단섬유 및 이의 제조 방법
CN113166948A (zh) * 2018-12-04 2021-07-23 Ppg工业俄亥俄公司 经处理颗粒及基底
JP2022511031A (ja) * 2018-12-04 2022-01-28 ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド 処理された粒子および基材

Also Published As

Publication number Publication date
JP4906435B2 (ja) 2012-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lee The anodization of aluminum for nanotechnology applications
TWI564437B (zh) 非金屬塗覆物及其生產方法
Kikuchi et al. Self-ordering behavior of anodic porous alumina via selenic acid anodizing
Kikuchi et al. Fabrication of anodic porous alumina by squaric acid anodizing
JP4906435B2 (ja) 粒子の製造方法およびその方法により製造された粒子
Voon et al. Effect of Temperature of Oxalic Acid on the Fabrication of Porous Anodic Alumina from Al‐Mn Alloys
Nagaura et al. Fabrication of ordered Ni nanocones using a porous anodic alumina template
JP2007247015A (ja) 微細構造体の製造方法および微細構造体
Miyamoto et al. Rapid electrochemical separation of anodic porous alumina films from aluminum surfaces using a highly safe sodium chloride–ethylene glycol solution
Voigt et al. Facile fabrication of nanostructured alumina membranes
JP2012162769A (ja) 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法並びにその方法により製造された陽極酸化ポーラスアルミナ
Zaraska et al. Synthesis of nanoporous anodic alumina by anodic oxidation of low purity aluminum substrates
JP2010215930A (ja) 金多孔質膜の製造方法および金多孔質膜
Sankar et al. Synthesis and characterization of cadmium selenide nanostructures on porous aluminum oxide templates by high frequency alternating current electrolysis
JP2010156005A (ja) 金属ナノ構造体アレーの製造方法および複合材料の製造方法
Kongvarhodom et al. Anodic aluminum oxide film fabricated with galvanostatic anodization for non-electrolytic dyeing
Brzózka et al. Recent trends in synthesis of nanoporous anodic aluminum oxides
JP5837307B2 (ja) 多孔性微粒子の製造方法
KR20030075227A (ko) 금속 나노 막대 제조용 다공성 알루미나 및 그의 제조방법
Jagminas et al. Anodizing of aluminum under the burning conditions
JPH02254192A (ja) 多孔性材料の作製方法
Nemes et al. Porous anodic alumina films obtained by two step anodization
El-Said Shehata et al. New Trends in Anodizing and Electrolytic Coloring of Metals
Yuferov et al. Defects of porous self-structured anodic alumina oxide on industrial aluminum grades
Boominatha Sellarajan et al. Synthesis of highly ordered nanoporous anodic aluminium oxide templates and template-based nanomaterials

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees