JP2008044974A - 着色水性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた粘度安定性と強靱性の着色被膜を兼備する着色水性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)と、樹脂表面処理顔料(B)と、水性媒体(C)とを含有してなる着色水性樹脂組成物において、前記樹脂表面処理顔料(B)が、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを全単量体100部とした際に0.5〜15部含有する単量体混合物を重合させた、酸価60〜90、水酸基価95〜115、ガラス転移温度30〜70℃で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体またはその塩で表面処理された顔料であることを特徴とする着色水性樹脂組成物。
【効果】優れた粘度安定性と強靱性を兼備させることが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた組成物の粘度安定性を有し、かつ優れた強靭性を有する着色被膜が得られる着色水性樹脂組成物に関する。
着色水性樹脂組成物は、代表的には、水性インキや水性塗料等の用途に用いられている。これらの用途では、カーボンブラックや酸化チタン等の無機顔料や銅フタロシアニンやジメチルキナクリドン等の有機顔料と、バインダーである水溶性樹脂や水分散性樹脂とを水性媒体中で混練分散し、着色水性樹脂組成物が調製されてきた。
しかしながら、近年、被膜形成までの履歴によらず、着色水性樹脂組成物の高い安定性が要求される様になり、前記した着色水性樹脂組成物では対応しきれなくなっている。具体的には、常態でより長期間に亘り粘度が安定であることや、熱負荷の履歴があっても粘度が安定であることが求められている。
この様な要求を満たすためには、バインダーを含有する水性媒体中における顔料粒子の分散安定性を高めることが必要である。これらの観点から改良された着色水性樹脂組成物としては、例えば、予め顔料粒子を親水性のアクリル重合体の様な樹脂で表面処理して得られた樹脂表面処理顔料を、バインダーを含有する水性媒体に分散させたものがある(特許文献1及び2参照)。前記親水性アクリル重合体としては、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合体が知られている。そして樹脂表面処理顔料の製造方法として、特許文献1には転相乳化法が、一方、特許文献2には酸析法が記載されている。
特開平3−221137号公報 特開平9−313600号公報
しかしながら、樹脂表面処理顔料のバインダーを含有する水性媒体中での粘度安定性は、顔料粒子に表面処理された樹脂の性質に大きく依存するというのが実情であり、優れた組成物の粘度安定性と優れた強靭性の着色被膜を兼備する着色水性樹脂組成物は未だ知られていない。本発明は、優れた組成物の粘度安定性と優れた強靭性の着色被膜を兼備する着色水性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、各種単量体組成の重合体を合成し、それら用いて樹脂表面処理顔料を得て、それをバインダーを含有する水性媒体に分散させて着色樹脂組成物を調製して、組成物自体の安定性と着色被膜特性について評価を行ったところ、特定の重合体で表面処理された顔料を用いると、前記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)と、樹脂表面処理顔料(B)と、水性媒体(C)とを含有してなる着色水性樹脂組成物において、前記樹脂表面処理顔料(B)が、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを全単量体100部とした際に0.5〜15部を含有する単量体混合物を重合させた、酸価60〜90、水酸基価95〜115、ガラス転移温度30〜70℃で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体またはその塩で表面処理された顔料であることを特徴とする着色水性樹脂組成物を提供する。
本発明の着色水性樹脂組成物は、樹脂表面処理顔料(B)が、特定のベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体またはその塩で表面処理された顔料なので、優れた組成物の粘度安定性と優れた強靭性の着色被膜を兼備させることが出来るという格別顕著な効果を奏する。
本発明における水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)は、着色水性樹脂組成物において、樹脂表面処理顔料(B)と共に用いられ、着色被膜のバインダー成分を構成するものである。
この様な樹脂(A)としては、例えば、ポリビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系の樹脂が挙げられる。ポリビニル系としては(メタ)アクリル酸とスチレンや各種(メタ)アクリル酸エステルの様なその他の共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体とを必須成分として重合した共重合体が、ポリウレタン系としてはジオールとジイソシアネートとジメチロールアルカン酸とを必須成分して付加させた付加重合体が、ポリエステル系としてはジカルボン酸とジオールと、スルホン酸基含有化合物又は3価以上のポリカルボン酸を必須成分として重縮合させた重縮合体がある。
この樹脂(A)は、水溶性であるか水分散性であり、着色水性樹脂組成物中の水性媒体(C)が除去され乾燥された際には、樹脂表面処理顔料(B)と一体化し、タックフリーの乾燥着色被膜が形成される。よって、この樹脂(A)としては、樹脂表面処理顔料(B)における樹脂成分と親和性の高いものであるほど、水性媒体(c)中においては、より優れた分散安定性が得られやすく、また乾燥着色被膜中においてはミクロ相分離が起こり難いので好ましい。
一方、樹脂表面処理顔料(B)は、主に樹脂(A)に基づく被膜を着色するものであり、樹脂により表面処理された顔料が用いられる。
顔料(B)を構成する顔料は、特に限定されるものではなく、従来公知のものがいずれも使用できる。具体的には、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料等の有機顔料が挙げられる。
これらは、粉体として用いても、ウェットケーキとしても、あるいは水性スラリーとして用いても構わない。
本発明は、顔料(B)を構成する樹脂が、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを全単量体100部とした際に0.5〜15部を含有する単量体混合物を重合させた、酸価60〜90、水酸基価95〜115、ガラス転移温度30〜70℃で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体またはその塩であることを特徴とする。
本発明における、顔料(B)を構成する樹脂は、前記した酸価、水酸基価及びガラス転移温度を満たす様に、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルとその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを必須成分とし、質量換算で全単量体を100部とした際に、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステル0.5〜15部含有する単量体混合物を共重合させれば得ることが出来る。
ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステル反応率は、実質的に100%であるため、仕込み質量がそのまま重合単位の含有量となる。こうして、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位と、その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の重合単位とを必須成分として含有する共重合体となる。
本発明においては、この樹脂のベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位部分が、主に顔料の表面処理に寄与する。特に有機顔料表面は、本来疎水性を有しているため、この樹脂中のベンゼン基を含有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位は、疎水性成分として有機顔料表面との相互作用、特にπ−πスタッキングを効果的に働かせることが出来る。従って、全単量体中のベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの割合が高くなりすぎた場合、顔料表面に吸着した樹脂が、顔料粒子間の凝集を防ぐ十分な空間を得るための自由度が得られず、好ましくない。一方で、全単量体中のベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの割合が低くなりすぎた場合、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルによる前記した効果は期待出来なくなる。
よって本発明では、質量換算で全単量体を100部とした際に、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを0.5〜15部含有することが好ましく、1〜5部含有することがより好ましい。
樹脂表面処理顔料(B)に対して、水分散性等を付与するには、後記する塩基性化合物と共に、表面処理をする樹脂として酸価を有する樹脂を用いる様にすれば良い。本発明において、表面処理をする樹脂は、酸価60〜90KOHmg/gである。酸価が90を越えると、親水性が高くなりすぎるため調製された塗料から形成される塗膜の耐水性が著しく低下する傾向にあり、また、酸価が60よりも低いと、顔料の分散安定性及び水性化時の水への分散安定性が損なわれ、結果として塗膜の透明性が損なわれる傾向にあるので、いずれにしても好ましくない。
樹脂を前記した様な数値範囲の酸価とするには、その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸を併用する様にすれば良い。本発明においては、アクリル酸とメタアクリル酸との両方を包含して(メタ)アクリル酸と呼ぶものとする。これは(メタ)アクリル酸エステル等における(メタ)アクリル酸についても同様である。(メタ)アクリル酸は、電気的中性状態とアニオン状態の共存範囲を広く制御できるだけでなく、入手がしやすく、低価格であり好ましい。
この樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸の少なくとも一方の重合単位が含まれていれば良いが、必要に応じて、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノブチルの如きイタコン酸モノアルキル類、イタコン酸モノブチルの如きイタコン酸モノアルキル類等を併用することも出来る。
また、この樹脂は、着色被膜の強靱性を確保するために充分な分子量を有することが好ましく、重量平均分子量で20,000〜60,000であることが好ましい。この重量平均分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。重量平均分子量が20,000よりも低いと被膜の耐水性及び耐溶剤性が著しく低下するばかりでなく、被膜が脆くなる傾向にあるので好ましくない。また重量平均分子量が60,000を越えると分散対象の粘度が高くなるために生産性が極端に悪化する。
また顔料の表面処理に用いられる前記した様な樹脂は、ガラス転移温度が30〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲であると、最終塗膜の硬度と耐溶剤性とのバランスが良好となる。
顔料の表面処理に用いられる前記した様な樹脂は、ガラス転移温度の調整やより強靭性に優れた被膜を形成させるための架橋点を含ませる観点から、更に、その他の共重合可能な単量体を共重合させた多元共重合体であることが好ましい。その他の共重合可能な単量体としては、公知慣用のモノエチレン性不飽和単量体がいずれも挙げられる。
この様な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等を挙げることができる。その他には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、前記以外のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの様な(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを挙げることが出来る。
顔料の表面処理に用いられる前記した様な樹脂は、前記した数値範囲の水酸基価を有する。この樹脂は、水酸基に基づく水酸基価(KOHmg/g)95〜115の範囲である。水酸基価が115を越えると、親水性が高くなり過ぎるため、被膜の耐水性が低下する。一方、水酸基価が95より低いと、水性化時の水への分散安定性が損なわれる。ここで、水酸基価とは、樹脂固形分1gを中和するのに必要な氷酢酸と等モル数のKOHのmg量を表す。また、樹脂中に含有されている水酸基は、例えば、焼付け時に塗料中の硬化剤と反応して、より強靭な塗膜を形成することが出来る。
本発明において、顔料を表面処理する樹脂には、樹脂壁の耐溶剤性や耐久性などの特性を一層向上させるため、或いは、被膜の強靭性を高めるためには、樹脂表面処理顔料(B)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が、一部自己架橋された共重合体であることが好ましい。この様な共重合体は、その中にグリシジル基の如き反応性活性基を結合させることにより得ることが出来る。こうすることによって、顔料表面処理時又は表面処理後、或いは被膜形成時にこの反応活性基を利用して顔料の表面処理に関与するこの樹脂自体の分子量を増加させることが出来るので好ましい。
前記した様な反応性活性基を含有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2,3−エポキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3−エポキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3−エポキシブチル等のグリシジル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
顔料を表面処理する樹脂を得る方法は、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合など公知の各種重合方法が利用できる。重合開始剤としては、公知の過酸化物やアゾ系化合物が、分子量の調整には公知の連鎖移動剤を使用出来る。
尚、顔料を表面処理するための樹脂である、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを全単量体100部とした際に0.5〜15部を含有する単量体混合物を重合させた、酸価70〜90、水酸基価95〜115、ガラス転移温度30〜70℃で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体は、その塩であっても良い。酸価を有する共重合体は、塩基性化合物にて中和することで共重合体の塩とすることが出来る。
この塩基性化合物としては、公知慣用のものが挙げられるが、例えば、アンモニア、アミン、アルカリ金属の水酸化物や炭酸塩などの塩基性化合物が挙げられ、特にアミンが好適である。当該アミンとしては、第1級、第2級又は第3級のアルキルアミン、第1級、第2級又は第3級のアルカノールアミン、及びシクロアルキルアミンなどが使用できる。
こうして準備された顔料、樹脂、必要に応じて塩基性化合物からは、樹脂表面処理顔料(B)を調整することが出来る。ここで、顔料と樹脂との割合は、特に制限されるものではないが、質量換算で顔料100部に対して、樹脂の不揮発分を30〜60部とするのが好ましい。この範囲であると、樹脂と顔料との割合が適当であり被膜の強靭性に悪影響を及ぼし難く、分散自体も安定に行いやすく分散粒子径も適当で、しかも後記する各種用途の組成物の調製時の配合設計上の自由度を大きくもたせることが出来るので好ましい。
塩基性化合物は、樹脂中に含有されるカルボキシル基の少なくとも一部をイオン化された形態(カルボン酸塩、またはカルボキシラート基という)とし、水溶性化するために用いる。
一方で、樹脂中に含有されるカルボキシル基の塩基性化合物による中和率は、水性媒体中における樹脂の親水性と疎水性のバランスに重要な役割を果たし、そのバランスにより、顔料と樹脂との相互作用の強弱を調整出来る。本発明において、用いた樹脂の酸価絶対値の30〜100%を中和するのに必要な量の塩基性化合物を用いることが好ましい。中和率が前記した範囲であると、樹脂の親水性と疎水性のバランスが好適となり、水性媒体中における分散安定性に係る性能を、容易に満足しやすくなる。
樹脂表面処理顔料(B)は、例えば、顔料と、前記した特定の樹脂とを必須成分として混合することで調製することが出来る。顔料の表面処理の方法は、具体的には、例えば、以下(1)〜(3)の様な方法がある。顔料表面には、それに最初に接した樹脂が選択的に吸着されるので、一旦、顔料に吸着した樹脂は、後に別種の樹脂が隣接して共存しても容易にはそれと置換されない。しかしながら、顔料と樹脂との相互作用をより高め、優れた分散安定性や優れた強靭性の顔料表面処理を行うなら、従来技術として挙げた特開平3−221137号公報や、特開平9−313600号公報を参考にして、転相乳化法(2)や酸析法(3)を採用することが好ましい。
(1)前記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体と顔料とを、塩基性化合物の存在下、水性媒体中で混合分散させる方法。
(2)前記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の有機溶剤溶液と顔料との混合物を混合分散し、塩基性化合物の存在下、水と混合して転相乳化を行い水性顔料分散体を得て、脱溶剤する方法(いわゆる転相乳化法。)。
(3)前記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の有機溶剤溶液と顔料と塩基性化合物と水とを混合分散して水性顔料懸濁液を得て、(この懸濁液から必要に応じて脱溶剤してからそこに)酸性化合物を加えて濾過を行い、フィルター上の残留物(濾残)を洗浄した後、このウエットケーキと塩基性化合物とを水性媒体中に再分散させる方法(いわゆる酸析法。)。
尚、上記した顔料を表面処理するための樹脂としては、有機溶剤中において溶液重合を行った樹脂溶液を用いる様にすれば、前記した好適な方法においては、表面処理に当たり樹脂と有機溶剤とを別途混合する手間が省けるので好ましい。
上記した(3)の方法における酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸の如き無機酸類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸類などが使用できるが、排水中の有機物が少なくすることが出来、かつ、酸析効果も大きい塩酸、硫酸が好ましい。酸析時のpHは3〜6の範囲が好ましいが、顔料によっては酸によって分解されるものもあり、このような顔料の場合には、pH4〜7の範囲で酸析することが好ましい。
上記した方法において使用される有機溶剤は、特に制限されないが、上記した共重合体を溶解する能力が高いものが好ましく、蒸気圧が水より高く、脱溶剤し易いもの、更に、水と混和性のあるものが特に好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが特に好ましい。水との混和性は低いが、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−プロピルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、塩化メチレンなども併用することは出来る。
本発明において、水性媒体とは、水のみ又は水と水溶性有機溶剤とからなり質量換算で60%以上の水を含有する液媒体を意味するものとする。上記した表面処理を行うに当たっては、工程途中において、水と有機溶剤とがよく併用される。この際の有機溶剤は、質量換算で水に対して10〜25%とすることが好ましい。このような割合に調製した水性媒体中、塩基性化合物で中和された前記樹脂は、膨潤状態を示し、樹脂間の相互作用が増大され、顔料を微細に分散するための最適な粘度を発現させ易い。
また、このような系においては、膨潤した樹脂が顔料表面を包み込み、効果的な顔料への表面処理が容易となる。用いる有機溶剤の量が少なすぎると、顔料への濡れが不充分となったり、分散に供する混合物の粘度が低くなりすぎたりするため分散効果が小さく、顔料粒子径を充分に小さくするのに手間がかかる。一方、有機溶剤の量が多すぎると、分散に供する混合物の粘度は高くなり、顔料を微細に分散できるものの、顔料と樹脂との親和性及び前記樹脂と水との親水性のバランスが保持し難く、顔料への前記樹脂の表面処理は不充分となり、分散安定性は悪化しやすくなる。
しかしながら、本発明の着色水性樹脂組成物中に含まれる水性媒体は、水のみであること好ましい。
上記した様な方法により、水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)を含まない、樹脂表面処理顔料(B)と、水性媒体(C)とを含有してなる着色水性組成物において、前記樹脂表面処理顔料(B)が、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを全単量体100部とした際に0.5〜15部を含有する単量体混合物を重合させた、酸価60〜90、水酸基価95〜115、ガラス転移温度30〜70℃で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体またはその塩で表面処理された顔料であることを特徴とする着色水性組成物が容易に得られる。
また、上記した様な方法により、水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)を含まない着色水性組成物を得るためには、顔料と樹脂と塩基性化合物と有機溶剤と水とを含有する混合物は、質量換算で不揮発分が2〜50%となる様にすることが好ましい。
不揮発分がこれより小さいと分散時に好適な粘度が発現され難く、分散効果が小さく、顔料粒子径を充分に小さくし難い。また、不揮発分がこれより大きいと混合物の粘度が極端に高くなりやすく、効率良く分散を行い難く、やはり顔料粒子径を充分に小さくし難い。
即ち、分散時に顔料と樹脂との相互作用が効果的に働く状態、かつ顔料を微細に分散するための適切な粘弾性を発現させ、さらに、高粘度状態でも生産性高く、充分な分散効果を発揮しやすい条件を選択することが好ましい。
上記した様にして得られる、樹脂表面処理顔料(B)が水性媒体(C)中に分散した着色水性組成物としては、樹脂表面処理顔料(B)が体積平均粒子径が50〜200nmの範囲にあるものが、被膜の透明性や耐光性に優れており、製造も容易であることから好ましい。
また、この着色水性組成物に存在する顔料を表面処理していない樹脂(水性媒体中におけるフリーの樹脂)は、不揮発分の質量換算で、前記樹脂の総量の30%未満であることが、分散が安定であり長期放置においても樹脂表面処理顔料(B)の粒子径の増大が小さく、沈降を引き起こすことも少ないのでより好ましい。
上記の様な方法により、特に凝集の激しい有機顔料においても生産性高く、樹脂表面処理顔料(B)が水性媒体(C)中に微細に分散安定化した着色水性組成物を製造することができる。こうして得られた着色水性組成物は、それ自体が極めて優れた透明性の被膜を形成する。
樹脂表面処理顔料(B)が水性媒体(C)中に分散した着色水性組成物と、冒頭に記載した水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)とを混合することで、本発明の着色水性樹脂組成物を得ることが出来る。水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)は、質量換算で樹脂表面処理顔料(B)100部に対して、不揮発分2〜50部となる様に調製することが好ましい。
本発明の着色水性樹脂組成物は、公知慣用の印刷インキ、塗料、レジスト等の各種用途に用いることが出来る。
例えば、本発明の着色水性樹脂組成物は、公知慣用の水性ベースインキに添加混合して水性インキとする際に、ベースの塗膜の透明性を損ねることなく水性インキを調製することが出来る。このときYMC(イエロー・マゼンタ・シアン)の各色の有機顔料を用いることにより、対応するYMC色を有する着色水性樹脂組成物からなる水性インキを調製することが出来る。こうして得られたYMCの三原色の水性インキは、その2種以上を適宜組み合わせることでフルカラーの着色被膜を得ることも可能である。さらに必要であれば、中間色の着色水性樹脂組成物と併用して被膜を形成することも出来る。
また本発明の着色水性樹脂組成物は、必要に応じて公知慣用の水性塗料用ベースと併用することで、スチール、アルミニウム、鉄等の金属、木材、ポリオレフィン、PET等のプラスチックの各種基材の被覆に使用することが出来る。本発明の着色水性樹脂組成物では、そこに含有される樹脂表面処理顔料(B)が、顔料と樹脂との相互作用が従来よりも高く、顔料が前記樹脂で表面処理されている様な状態であるため、金属粉を中心とした無機顔料が併用される場合や被覆対象の基材が金属である場合等における、樹脂表面処理顔料(B)中の顔料と金属との相互作用が起こりにくく、それによる各種劣化が発現しないか又は発現を遅延させることが可能である。
以下、合成例、実施例等を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、すべて質量基準である。共重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算値である。
<合成例1>(ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの特定共重合体の合成)
滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置及び還流冷却管を備えた3リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(MEK)960部仕込み、窒素シール下に、攪拌しながら液温を80℃まで昇温し、同温度に達したところで、メチルメタクリレートの390部、2−エチルヘキシルメタクリレートの250部、ベンジルメタクリレートの11部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの272部、メタクリル酸の134部、グリシジルメタクリレートの33部、tert-ブチルパーオキシ−オクトエート110部およびメチルエチルケトン220部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後も同温度に10時間保持して、反応を続行せしめた。この共重合体は、全単量体を100部とした際ベンジルメタクリレートは1.0部相当を含有していた。
かくして、不揮発分50.1%で、ガードナー粘度がT〜U、固形分酸価(計算値)が実測80mgKOH/g、固形分水酸基価(計算値)が108mgKOH/g、重量平均分子量29,000なる、目的とする共重合体のMEK溶液が得られた。
<比較合成例1>(従来のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の合成)
合成例1と同様にして、仕込み質量比で、スチレン/メタクリル酸n−ブチル/アクリルn−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸2,3−エポキシプロピル=20.0/22.7/22.4/15.0/16.9/3.0となる様にして、不揮発分が48.2%、酸価110、水酸基価65、数平均分子量32,800のスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体を含有する共重合体のMEK溶液を得た。
<比較合成例2>(低分子量スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の合成)
比較合成例1における重合開始剤の使用量を増して、同様の仕込み質量比であるが、不揮発分が49.2%、酸価110、水酸基価65、数平均分子量14,000のスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体を含有する共重合体のMEK溶液を得た。
〔調製例1〕
合成例1で得られた共重合体のMEK溶液69.4部と、N,N−ジメチルエタノールアミンの50%水溶液4部とイオン交換水67.2部を仕込み、混合攪拌し、計算酸価を基準として共重合体のカルボキシル基を45%中和すると共に、共重合体を水中に溶解させ、共重合体の25%水溶液を作製した。
次いで、PERRINDO(登録商標) Maroon 179 R6436 229−6436(大日本インキ化学工業株式会社製ペリレン顔料:C.I.Pigment Red 179)15部、前記共重合体の25%水溶液30部、イオン交換水105部および平均直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を容積250mlのプラスチック製容器に入れ、(株)東洋精機製作所製PAINT SHAKERで4時間分散した。分散終了後ジルコニアビーズを分離し、ペリレン顔料を10%含有する着色水性組成物Aを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩が吸着したペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が分散されていた。
〔調製例2〕
ガラス製蒸留装置に、この着色水性組成物Aを入れ、さらにイオン交換水を加えて不揮発分を8%に調整した後、加熱し、共重合体中のグリシジル基の架橋を行うと共にメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去した。室温まで放冷後、攪拌しながら2%塩酸を滴下してpHを4.5に調整後、濾過、水洗し、ウェットケーキを得た。
得られたグリシジル基の架橋部位を含有する共重合体で被覆されたペリレン顔料の粒子からなるウェットケーキ300部にN,N−ジメチルエタノールアミンの50%水溶液を加え、分散体のpHを8.6に調整して、再分散し、顔料分が10%の着色水性組成物Bを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩で被覆されたペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が安定分散されていた。
〔調製例3〕
計算酸価を基準として共重合体のカルボキシル基を70%中和する様にした以外は上記調製例1と同様にして、共重合体の25%水溶液を作製した。
調製例1における共重合体の25%水溶液に代えて、同量の上記共重合体の25%水溶液を用いる以外は、調製例1と同様にしてペリレン顔料を10%含有する着色水性組成物Cを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩が吸着したペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が分散されていた。
〔調製例4〕
着色水性組成物Aに代えて、同量の着色水性組成物Cを用いる以外は、調製例2と同様にして、ウェットケーキを得た。このグリシジル基の架橋部位を含有する共重合体で被覆されたペリレン顔料の粒子からなるウェットケーキを、やはり調製例2と同様にして調整して、再分散し、顔料分が10%の着色水性組成物Dを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩で被覆されたペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が安定分散されていた。
〔調製例5〕
比較合成例1で得られた共重合体溶液72.6部とN,N−ジメチルエタノールアミンの50%水溶液8.57部とイオン交換水58.8部を仕込み、混合攪拌し、計算酸価を基準として共重合体のカルボキシル基を45%中和すると共に、共重合体を水中に溶解させ、共重合体の25%水溶液を作製した。
調製例1における共重合体の25%水溶液に代えて、同量の上記共重合体の25%水溶液を用いる以外は、調製例1と同様にしてペリレン顔料を10%含有する着色水性組成物Eを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩が吸着したペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が含有されていた。
〔調製例6〕
着色水性組成物Aに代えて、同量の着色水性組成物Eを用いる以外は、調製例2と同様にして、ウェットケーキを得た。このグリシジル基の架橋部位を含有する共重合体で被覆されたペリレン顔料の粒子からなるウェットケーキを、やはり調製例2と同様にして調整して、再分散し、顔料分が10%の着色水性組成物Fを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩で被覆されたペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が含有されていた。
〔調製例7〕
比較合成例2で得られた共重合体溶液71.1部とN,N−ジメチルエタノールアミンの50%水溶液8.57部とイオン交換水60.3部を仕込み、混合攪拌し、計算酸価を基準として共重合体のカルボキシル基を70%中和すると共に、共重合体を水中に溶解させ、共重合体の25%水溶液を作製した。
調製例1における共重合体の25%水溶液に代えて、同量の上記共重合体の25%水溶液を用いる以外は、調製例1と同様にしてペリレン顔料を10%含有する着色水性組成物Gを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩が吸着したペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が含有されていた。
〔調製例8〕
着色水性組成物Aに代えて、同量の着色水性組成物Gを用いる以外は、調製例2と同様にして、ウェットケーキを得た。このグリシジル基の架橋部位を含有する共重合体で被覆されたペリレン顔料の粒子からなるウェットケーキを、やはり調製例2と同様にして調整して、再分散し、顔料分が10%の着色水性組成物Hを得た。この着色水性組成物には、共重合体のアミン塩で被覆されたペリレン顔料からなる樹脂表面処理顔料が含有されていた。
〔調製例9〕
PERRINDO(登録商標) Maroon 179 R6436 229−6436 15部、N,N−ジメチルエタノールアミンの50%水溶液0.72部、イオン交換水134.2部だけを用いて、調製例1と同様にして、ペリレン顔料を10%含有する着色水性組成物Iを得た。この着色水性組成物には、共重合体もそのアミン塩も含まないペリレン顔料が含有されていた。
〔調製例10〕
ガラス製蒸留装置にこの着色水性組成物Iを入れ、さらにイオン交換水を加えて不揮発分を8%に調整した後、加熱し、水の一部を留去した。室温まで放冷後、攪拌しながら2%塩酸を滴下してpHを4.5に調整後、濾過、水洗し、ウェットケーキを得た。
ペリレン顔料の粒子からなるウェットケーキ300部にN,N−ジメチルエタノールアミンの50%水溶液を加え、分散体のpHを8.6に調整して、再分散し、顔料分が10%の着色水性樹脂組成物Jを得た。この着色水性組成物には、共重合体もそのアミン塩も含まないペリレン顔料が含有されていた。
米国サンケミカル(Sun Chemical)社製水性建材グラビアインキ用ワニス(これは水分散性樹脂として、水分散性アクリル系樹脂を含有する)20部、着色水性組成物A50部、直径1.4〜2.0mmのガラスビーズ55gを容積100mlのプラスチック容器に入れ、(株)東洋精機製作所製PAINT SHAKERで2時間分散し、本発明における着色水性樹脂組成物に当たる、顔料分7%の建材用水性グラビアインキAを作製した。
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Bを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキBを作製した。
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Cを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキCを作製した。
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Dを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキDを作製した。
〔比較例1〕
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Eを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキEを作製した。
〔比較例2〕
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Fを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキFを作製した。
〔比較例3〕
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Gを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキGを作製した。
〔比較例4〕
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Hを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキHを作製した。
〔比較例5〕
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Iを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキIを作製した。
〔比較例6〕
着色水性組成物Aに代えて同量の着色水性組成物Jを用いる以外は実施例1と同様にして建材用水性グラビアインキJを作製した。
建材用水性グラビアインキ評価
(被膜の強靭性)
着色被膜の強靭性として、着色被膜の耐水性を評価した。まず、実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた各インキをNo.6バーコーターを用いてチタンコート紙上に展色した。20℃以上で24時間以上乾燥させた展色物を60℃の脱イオン水に10分間浸漬させ、インキのにじみ具合を目視判定で1〜5(5段階)に分類した。
判定基準
1:にじみ大 → 5:変化無し(にじみ無し)
(粘度変化)
また製造直後のインキおよび50℃で10日間保存したインキの各粘度を、東機産業(株)製R−500型粘度計で測定し、その粘度変化率を求めた。
表1
Figure 2008044974
表1の結果より、本発明の着色水性樹脂組成物は、顔料表面への吸着効果が従来より優れた特定の共重合体を顔料表面への表面処理に用いた樹脂表面処理顔料を含有しているので、従来の共重合体から得られた樹脂表面処理顔料を含有する着色水性樹脂組成物に比べて、水性媒体中に分散させたときの顔料の安定性が高く、結果として優れた着色水性樹脂組成物の粘度安定性を有し、かつ優れた着色被膜の耐水性に代表される強靭性を有する着色被膜が得られることが明らかである。



Claims (3)

  1. 水溶性樹脂または水分散性樹脂(A)と、樹脂表面処理顔料(B)と、水性媒体(C)とを含有してなる着色水性樹脂組成物において、前記樹脂表面処理顔料(B)が、ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルを全単量体100部とした際に0.5〜15部を含有する単量体混合物を重合させた、酸価60〜90、水酸基価95〜115、ガラス転移温度30〜70℃で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体またはその塩で表面処理された顔料であることを特徴とする着色水性樹脂組成物。
  2. 前記ベンゼン環を含有する(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸ベンジルである請求項1記載の着色水性樹脂組成物。
  3. 前記重合体が、一部自己架橋された重合体である請求項1または2記載の着色水性樹脂組成物。



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