JP3061926B2 - アニオン形水性顔料分散液 - Google Patents

アニオン形水性顔料分散液

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JP3061926B2
JP3061926B2 JP4059584A JP5958492A JP3061926B2 JP 3061926 B2 JP3061926 B2 JP 3061926B2 JP 4059584 A JP4059584 A JP 4059584A JP 5958492 A JP5958492 A JP 5958492A JP 3061926 B2 JP3061926 B2 JP 3061926B2
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稔 角田
浩美 原川
裕 井上
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】有機溶剤型塗料は塗装及び乾燥の
際に、該塗料中の有機溶剤が大気中に揮発されるため環
境汚染及び安全性の面から、近年、社会的に大きな問題
となってきている。このために塗料工業分野において、
有機溶剤形塗料に代わって各種の水性塗料が開発されて
きている。
【0002】
【従来の技術及びその課題】通常、水性塗料には用途に
応じて着色顔料や体質顔料などが配合され、そして顔料
配合時には、一般に顔料を予め顔料分散剤で分散させた
顔料ペーストが使用される。
【0003】該顔料分散剤は製造時での顔料の難分散
性、貯蔵中の顔料の凝集・沈降、それから生じる塗膜の
光沢低下、色分れ、浮き、塗膜性能などが低下するとい
った欠陥を防止するために配合される。
【0004】該分散剤として、顔料に対する分散性、塗
料貯蔵安定性などの面から、水性塗料で使用される基体
樹脂の一部を有機溶剤に溶解した樹脂溶液が一般に使用
されている。このために水性塗料中に有機溶剤が含まれ
るようになり、環境汚染及び安全性の面から問題となっ
ている。
【0005】また、有機溶剤を使用しない顔料分散剤と
してエチレン性不飽和含窒素単量体、エチレン性不飽和
カルボン酸及びC8 〜C24モノアルコールの(メタ)ア
クリル酸エステル単量体との共重合体の水溶性化物を水
性顔料分散液として用いることが特開昭60−9236
0号公報に記載される。
【0006】しかしながら、該水性顔料分散液では各種
顔料に対する分散性が不十分なために、分散液安定性が
劣り、かつこのものを用いて得られる最終塗膜の表面光
沢が劣るといった欠点が残されているのが実情である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、特に、
ポリオキシアルキレングリコール又はその誘導体で変性
されたビニル単量体を従来の単量体成分と共重合反応さ
せて得られる共重合体を水性顔料分散液用樹脂として用
いたものが、前記した問題点を全て解決できるものであ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】 即ち、本発明は顔料及びアニオン形水性
分散剤を含むアニオン形水性顔料分散液において、該分
散剤がカルボキシル基含有ビニル系単量体(a)、1分
子中に1〜3個の含窒素原子を含む単環又は多環の複素
環がビニル基に結合した不飽和単量体もしくはそのマク
ロモノマー(b)、ポリオキシアルキレングリコール又
はそのモノエーテル誘導体変性ビニル系単量体(c)
(以下、変性ビニル系単量体(c)と略す。)及びC8
以上のアルキル基を有するビニル系単量体(d)を必須
単量体成分とする共重合体を塩基性化合物で中和してな
る中和物を水中に分散させて得られる水性化物であるこ
とを特徴とするアニオン形水性顔料分散液に関する。
【0009】以下、本発明分散液について述べる。本発
明分散液で用いる分散剤成分である共重合体はカルボキ
シル基含有ビニル系単量体(a)、塩基性基含有ビニル
系単量体(b)、変性ビニル系単量体(c)、長鎖ビニ
ル系単量体(d)及び必要に応じて他のビニル系単量体
(e)を共重合させてなる共重合体である。
【0011】カルボキシル基含有ビニル系単量体
(a):本発明において用いられるカルボキシル基含有
ビニル系単量体(a)は、カルボキシル基が結合する炭
素原子とそれに隣接する炭素原子との間にラジカル重合
性の二重結合を有する型の不飽和脂肪族モノ−又はポリ
カルボン酸で、炭素原子を3〜8個含有し且つカルボキ
シル基を1又は2個有するもの及びカルボキシル基がア
ルキレン結合を介して(メタ)アクリロイル基に結合し
たものなどが包含される。
【0012】かかるα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−
カルボキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げら
れ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合わせて使
用することができる。
【0013】塩基性基含有ビニル系単量体(b):本発
明において用いられる塩基性基含有ビニル系単量体
(b)は、1分子中に1個または複数個の塩基性窒素原
子と1つのエチレン性不飽和結合を含有する単量体が包
含され、代表的なものとしては、含窒素複素環を有する
不飽和単量体及び(メタ)アクリル酸の含窒素誘導体が
挙げられる。以下、これらの単量体について具体的に説
明する。
【0014】〔1〕含窒素複素環を有する不飽和単量体
としては、1〜3個、好ましくは1又は2個の環窒素原
子を含む単環又は多環の複素環がビニル基に結合した単
量体が包含され、特に下記に示す単量体を挙げることが
できる。 (I)ビニルピロリドン類:例えば、1−ビニル−2−
ピロリドン、1−ビニル−3−ピロリドンなど。 (II)ビニルピリジン類:例えば、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリ
ジン、5−エチル−2−ビニルピリジンなど。 (III) ビニルイミダゾール類:例えば、1−ビニルイミ
ダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾールなど。 (IV)ビニルカルバゾール類:例えば、N−ビニルカル
バゾールなど。 (V)ビニルキノリン類:例えば、2−ビニルキノリン
など。 (VI)ビニルビペリジン類:例えば、3−ビニルピペリ
ジン、N−メチル−3−ビニルピペリジンなど。 (VII)ビニルモルホリン類:例えば、N−(メタ)アク
リロイルモルホリンなど。 (VIII)ビニルピロリジン類:例えば、N−(メタ)アク
リロイルピロリジンなど。
【0015】〔2〕(メタ)アクリル酸の含窒素誘導体
には、(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分に置
換もしくは未置換のアミノ基を含むもの及び(メタ)ア
クリル酸のアミド及びアクリルニトリルなどが包含され
る。具体的にはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸第3ブチルアミノエチル、(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
メトキシ(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メ
タ)アクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N
−プロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0016】〔3〕上記〔1〕及び〔2〕のマクロモノ
マー 上記〔1〕〜〔3〕のものは1種もしくは2種以上組合
わせて使用できる。上記した中でも特にビニルピロリド
ン類が好ましい。
【0017】変性ビニル系単量体(c):本発明におい
て用いられる変性ビニル系単量体(c)は1分子中に1
個以上のエーテル結合と1個のエチレン性不飽和結合を
含有する単量体が包含され、特に、下記一般式(1)又
は(2)
【0018】
【化1】
【0019】(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示
し、R2 はC1 〜C18のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基又はアラルキル基を示し、nは2又は3
の整数、mは2〜50個の整数、pは1〜50個の整数
を示す。)で表わされるものが好ましい。
【0020】かかる変性ビニル系単量体(c)として
は、例えば、ジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コール(メタ)アクリレート、ポリエチレンポリプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレ
ン(メタ)アクリレート、エトキシエチレン(メタ)ア
クリレート、ブトキシエチレン(メタ)アクリレート、
ヘキシルオキシエチレン(メタ)アクリレート、エトキ
シプロピレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチレ
ン(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレン(メタ)
アクリレート、ドデシルオキシジエチレン(メタ)アク
リレート、フェノキシジプロピレン(メタ)アクリレー
ト、ベンジルオキシジエチレン(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。これらのものは1種もしくは2種以上
組合わせて使用できる。
【0021】上記した中でもm又はpが5〜30個のポ
リエチレン及び/又はポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート及びそのメチルエーテルが各種顔料分
散性、分散液貯蔵安定性、最終塗膜の表面光沢が高いこ
となどの利点をもつことからこのものを用いることが望
ましい。
【0022】長鎖ビニル系単量体(d):本発明におい
て用いられる長鎖ビニル系単量体(d)は、1分子中に
8 以上のアルキル基とエチレン性不飽和結合を含有す
る単量体が包含され、C9 〜C25モノカルボン酸のビニ
ルエステル及びC8 〜C24モノアルコールの(メタ)ア
クリル酸エステルが含まれる。上記ビニルエステルとし
ては、例えばビニル2−エチルヘキサネート、ビニルラ
ウリネート、ベオバモノマー(シェルケミカル社製)、
ビニルステアレート等が挙げられる。また、(メタ)ア
クリル酸エステルとしては例えば2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。こ
れらのものは1種もしくは2種以上組合わせて使用でき
る。
【0023】他のビニル系単量体(e):更に、上記単
量体(a)〜(d)以外にもその他のビニル系単量体
(e)が必要に応じて適宜使用することができる。
【0024】かかる他のビニル系単量体(e)として
は、例えば (メタ)アクリル酸のエステル:例えば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸のC1 〜C7 アルキル又はシクロアルキ
ルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート、アセト
アセトキシアルキル(メタ)アクリレート:(メタ)ア
クリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メ
タ)アクリル酸のC2 〜C18アルコキシアルキルエステ
ル;アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル
酸のC2 〜C8 アルケニルエステル;ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸のC2 〜C7 ヒドロ
キシアルキルエステル、アリルオキシ(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸のC3 〜C18アルケニルオ
キシアルキルエステル。
【0025】ビニル芳香族化合物:例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロ
スチレン。 ポリオレフィン系化合物:例えば、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン。 その他:メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、
ビニルプロピオネート、ビニルピバレートなど。 これらの単量体は1種もしくは2種以上組合わせて使用
できる。
【0026】本発明に従えば、上記単量体(a)〜
(d)及び必要に応じて単量体(e)を共重合させる。
該共重合は、それ自体公知の方法例えば不活性有機溶媒
(更に、好ましくは水と混和性のあるセロソルブ系、ア
ルコール系、カルビトール系、グライム系、セロソルブ
アセテート系などの溶剤)中で重合触媒(例えばパーオ
キサイド系、アゾ系、ジアゾ系などの化合物)の存在下
で、通常、約40〜約180℃で約4〜12時間反応を
続けることにより行なわれる。
【0027】共重合体を構成する該単量体(a)〜
(e)の配合割合は下記の割合で配合できる。
【0028】カルボキシル基含有ビニル系単量体
(a):約2〜20重量部、好ましくは約3〜10重量
部の範囲が望ましい。割合が約2重量部を下回ると貯蔵
安定性、顔料分散性が低下し、一方約20重量部を上回
ると顔料分散性、塗膜性能(耐水性など)が低下するの
で好ましくない。
【0029】塩基性基含有ビニル系単量体(b):約1
〜30重量部、好ましくは約5〜25重量部の範囲が望
ましい。割合が約1重量部を下回ると顔料分散性が低下
し、一方、約30重量部を上回ると貯蔵安定性、顔料分
散性、塗膜硬化性、塗膜性能(耐水性など)などが低下
するので好ましくない。
【0030】変性ビニル系単量体(c):約4〜30重
量部、好ましくは約5〜20重量部の範囲が望ましい。
割合が約4重量部を下回ると貯蔵安定性、顔料分散性が
低下し、一方、約30重量部を上回ると塗膜硬度、塗膜
性能(耐水性など)が低下するので好ましくない。
【0031】長鎖ビニル系単量体(d):約4〜40重
量部、好ましくは約5〜30重量部の範囲が望ましい。
割合が約4重量部を下回ると顔料分散性が低下し、一
方、約30重量部を上回ると塗膜硬度が低下するので好
ましくない。
【0032】その他ビニル系単量体(e):約80重量
部以下、好ましくは約30〜75重量部の範囲が望まし
い。
【0033】上記分散剤成分である共重合体は、約50
0〜200,000、好ましくは約1,000〜10
0,000の範囲の平均分子量をもつことが望ましい。
【0034】また、上記共重合体中に水酸基を導入した
ものも使用できる。該水酸基を有する共重合体を、例え
ば、水酸基を利用して硬化塗膜を形成する塗料(アミノ
又はブロックポリイソシアネート硬化形樹脂水性塗料な
ど)と組合わせて用いると、塗膜の該樹脂成分が硬化す
る際に、顔料分散剤成分の共重合体も同時に硬化がおこ
なわれ、塗膜性能(耐水性、耐候性、耐加工性など)が
さらに向上するといった利点がある。
【0035】該共重合体中に水酸基を導入する方法とし
ては、水酸基含有ビニル系単量体(例えば前記一般式
(1)のもの及び前記(メタ)アクリル酸のC2 〜C7
ヒドロキシアルキルエステルなど)を単量体成分として
用いることによりおこなえる。該水酸基は、水酸基当量
で約20〜200、好ましくは約30〜180の範囲が
望ましい。
【0036】かくの如くして生成せしめられる共重合体
はそのまま又は溶媒を留去した後、水性化される。この
水性化は、常法により、例えば該共重合体中に存在する
カルボキシル基を従来公知の塩基性化合物で中和処理す
ることにより行なうことができる。用いうる塩基性化合
物としては例えば、アンモニア、アミン、アルカリ金属
の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩等が
挙げられる。該アミンとしては第1級、第2級又は第3
級のアルキルアミン;第1級、第2級又は第3級のアル
カノールアミン;およびシクロアルキルアミン等が使用
できる。また、アルカリ金属の水酸化物としては水酸化
カリウム、水酸化ナトリウムなど;アルカリ金属の炭酸
塩及び重炭酸塩としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウムなどが使用できる。これら塩基性
化合物の中では、特にアミンが好適である。
【0037】該中和処理は、前記の如くして得られた共
重合体又はその溶液に、上記中和剤又はその水溶液を加
えて常法により容易に行なうことができる。中和剤の使
用量は、一般に、共重合体中のカルボキシル基に対し
0.1〜2.0当量、好ましくは0.3〜1.0当量で
ある。
【0038】このようにして得られる水性化重合体は、
顔料、分散剤で構成される水性顔料分散液における分散
剤として使用される。
【0039】上記水性化重合体からなる分散剤の使用量
は、顔料100重量部当り一般に約1〜2,000重量
部、好ましくは約1〜1,000重量部とすることがで
きる。この範囲の上限を超えるときは水性顔料分散液の
着色力と粘度のバランスが不均衡となる傾向がみられ、
一方、下限を外れると顔料の分散安定性が低下しやす
い。
【0040】また、本発明の水性顔料分散液に使用され
る顔料は、この種の顔料分散液において通常使用されて
いる無機及び有機顔料であることができ、例えば無機顔
料としては、(1)酸化物系(亜鉛華、二酸化チタン、
ベンガラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒等);
(2)水酸化物系(アルミナホワイト、黄色酸化鉄
等);(3)硫化物、セレン化物系(硫化亜鉛、朱、カ
ドミウムエロー、カドミウムレッド等);(4)フェロ
シアン化物系(紺青等);(5)クロム酸塩系(黄鉛、
ジンククロメート、モリブデンレッド等);(6)硫酸
塩系(沈降性硫酸バリウム等);(7)炭酸塩系(沈降
性炭酸カルシウム等);(8)硅酸塩系(含水硅酸塩、
クレー、群青等);(9)燐酸塩系(マンガンバイオレ
ット等);(10)炭素系(カーボンブラック等);
(11)金属粉系(アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛
末等)等が挙げられ、また有機顔料としては、(1)ニ
トロソ顔料系(ナフトールグリーンB等);(2)ニト
ロ顔料系(ナフトールエローS等);(3)アゾ顔料系
(リソールレッド、レーキレッドC、ファストエロー、
ナフトールレッド、レッド等);(4)染付レーキ顔料
系(アルカリブルーレーキ、ローダミンレーキ等);
(5)フタロシアニン顔料系(フタロシアニンンブル
ー、ファストスカイブルー等);(6)縮合多環顔料系
(ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジン
バイオレット、イソインドリノンエロー等)などが包含
される。
【0041】本発明の水性顔料分散液中における前記顔
料の含有量は特に技術的な制限がないが、一般には該分
散液の重量を基準にして約2〜90重量%である。
【0042】本発明の水性顔料分散液の調製は適当な分
散装置中で上記の各成分を一緒に混合することによって
行なうことができ、用いることのできる分散装置として
は、通常塗料工業において使用されているボールミル、
ロールミル、ホモミキサー、サンドグラインダー、シェ
ーカー、アトライターなどが挙げられている。
【0043】本発明の水性顔料分散液には、更に必要に
応じて、従来公知の界面活性剤や保護コロイドを加える
ことも可能である。
【0044】しかし、本発明の水性顔料分散液は、硬化
もしくは未硬化形水性塗料および水性インキに用いられ
るアルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ系樹脂、ウレ
タン系樹脂、マレイン化ポリブタジエン樹脂等の従来か
ら公知の水溶性樹脂、水分散性樹脂、エマルジョン等と
の混和性がよく、これらの樹脂による制限が全くなく、
いずれの樹脂からなる水性塗料の着色にも広く使用する
ことができる。
【0045】本発明の水性顔料分散液の水性塗料に対す
る配合割合は、該分散液中の顔料の種類や最終塗料に要
求される着色の程度等に依存し広い範囲で変えることが
できるが、一般には、前述の水性塗料の樹脂分100重
量部当り、顔料分散液は2〜1,000重量部の範囲で
配合することができる。
【0046】
【作用及び発明の効果】本発明において、従来、水性顔
料分散液で用いる共重合体は、前記、従来技術で述べた
いわゆる不飽和カルボン酸に由来する酸性基及び含窒素
単量体に由来する塩基性基を導入し、かつC8 〜C24
ノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来する
疎水性基及び親水性基(該酸性基又は塩基性基)を導入
することによって性質(顔料表面が酸性、塩基性のも
の、顔料無機系又は有機系のものなど)の異なった各種
顔料に対して分散性の改善を計ったものであるが、この
ものは疎水性基を強くすると水溶解性が低下し、このた
めに共重合体凝集による沈降物が多くなったり、一方、
親水性を強くすると、顔料に吸着した共重合体が貯蔵中
に顔料から分離し顔料凝集による沈降物が多くなったり
して、両者のバランスを取ることは困難であったが、本
発明で用いる共重合体は特にポリオキシアルキレングリ
コール又はそのモノエーテル誘導体で変性されたビニル
単量体を単量体成分として用いることから、このものに
より共重合体に適度な親水性が付与され、その結果とし
て顔料分散性及び顔料分散液の貯蔵安定性が向上したと
推察される。
【0047】
【実施例】次に実施例により本発明を詳しく説明する。
実施例中、部及び%は重量基準である。
【0048】分散液1製造例 n−ブチルセロソルブ100部を反応容器に入れ、加熱
して120℃にした。次に以下に示す割合の混合物を、
この溶液に約2時間かけて滴下した。反応は窒素注入下
で行なった。
【0049】 2−エチルヘキシルメタクリレート 20部 N−ビニルピロリドン 15部 アクリル酸 6部
【0050】
【化2】
【0051】 ブレンマーAE−350*1 10部 メチルメタクリレート 10部 スチレン 16部 アゾビスイソブチロニトリル 2部 (*1:日本油脂(株)社製、商標名、ポリエチレング
リコールモノアクリレート、重量平均分子量約380)
【0052】反応温度を120℃に保ち、反応溶液をか
きまぜながら、上記の混合物を滴下した。滴下終了1時
間後にアゾビスイソブチロニトリル2.5部を反応溶液
に加え、さらに2時間後、アゾビスイソブチロニトリル
2.5部を反応溶液に加え、その後2時間120℃に保
ったまま反応を行なった。加熱残分50%、共重合体酸
価46の共重合体溶液が得られた。さらに、この共重合
体をトリエタノールアミンで中和し(1.0当量中
和)、水を加えて加熱残分15%の水溶液からなる分散
液を得た。
【0053】分散液2製造例 分散液1において共重合体で用いたモノマー成分ブレン
マーAE−350をメチルメタクリレートに全量置き替
えた以外は分散液1と同様の配合及び方法で分散液2を
得た。
【0054】
【実施例及び比較例】上記製造例で得た分散液及び顔料
を表1に記載した配合(固形分、部)で混合し水を加
え、シェーカー分散機を用いてチタン白30分間、その
他は2時間分散をおこなって顔料分散液を得た。該顔料
分散液の性状を表1に示した。
【0055】次に、クリヤー塗料(アスカベーク、関西
ペイント(株)社製、商標名、水性焼付塗料“アクリル
メラミン硬化形”)に顔料分散液を表1に記載した配合
(固形分、部)で混合したのち、ガラス板にバーコータ
ーで乾燥膜厚40μm 程度になるように塗装し続いて1
40℃で20分間加熱し着色塗膜を得た。該塗膜の表面
光沢を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】(*1)顔料 A:チタン白 R−602(テイカ(株)社製、商標
名) B:カーボン MA−100B(三菱化成工業(株)、
商標名) C:シアニングリーンT−K(東洋インキ製造(株)、
商標名) D:フタロシアニンブルー5240K(大日精化工業
(株)、商標名)
【0058】(*2)性状 粒度:JISK 5400 A法に基づいておこなっ
た。 貯蔵性:40℃−2週間放置後の分散液状態を初期のも
のと比較して沈降、分離などの有無を観察した。 混色安定性:実施例1及び2(比較例1及び2)で用い
た顔料分散液をそれぞれ顔料濃度が1容量%になるまで
脱イオン水で希釈し、次に顔料A/Bが8/2(容量
比)になるように混合したのち、このものを試験管に入
れ、室温で2日間静置したのち色分かれ状態を観察し
た。
【0059】(*3)塗膜表面光沢:60度鏡面反射率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/02 C09C 3/10 C09D 17/00 C09D 139/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料及びアニオン形水性分散剤を含むア
    ニオン形水性顔料分散液において、該分散剤がカルボキ
    シル基含有ビニル系単量体(a)、1分子中に1〜3個
    の含窒素原子を含む単環又は多環の複素環がビニル基に
    結合した不飽和単量体もしくはそのマクロモノマー
    (b)、ポリオキシアルキレングリコール又はそのモノ
    エーテル誘導体変性ビニル系単量体(c)及びC8以上
    のアルキル基を有するビニル系単量体(d)を必須単量
    体成分とする共重合体を塩基性化合物で中和してなる中
    和物を水中に分散させて得られる水性化物であることを
    特徴とするアニオン形水性顔料分散液。
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