JP2008044381A - 多色印刷機におけるインキ膜厚制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各印刷ユニットの刷版を一斉に交換する場合、各印刷ユニットにおいて過不足なくインキリムービングを行うことができるようにし、損紙の発生を抑制する。
【解決手段】各印刷ユニットの刷版の一斉交換に際し、インキ・トラッピングを考慮に入れた値としてN1,N2,N3,N4(N4>N3>N2>N1)を、各印刷ユニットでのリムービング枚数として設定しておく。各印刷ユニット同時にインキリムービングを行い、1色目の印刷枚数NAがN1に達したら1色目胴抜きを行い、2色目の印刷枚数NBがN2に達したら2色目胴抜きを行い、3色目の印刷枚数NCがN3に達したら3色目胴抜きを行い、4色目の印刷枚数NDがN4に達したら4色目胴抜きを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】各印刷ユニットの刷版の一斉交換に際し、インキ・トラッピングを考慮に入れた値としてN1,N2,N3,N4(N4>N3>N2>N1)を、各印刷ユニットでのリムービング枚数として設定しておく。各印刷ユニット同時にインキリムービングを行い、1色目の印刷枚数NAがN1に達したら1色目胴抜きを行い、2色目の印刷枚数NBがN2に達したら2色目胴抜きを行い、3色目の印刷枚数NCがN3に達したら3色目胴抜きを行い、4色目の印刷枚数NDがN4に達したら4色目胴抜きを行う。
【選択図】 図1
Description
この発明は、インキツボ内のインキをインキ移しローラの呼び出し動作によりインキローラ群を介して刷版へ供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷部を複数備えた多色印刷機における刷版交換に際してのインキ膜厚制御方法に関するものである。
図8に多色印刷機における各印刷ユニット(印刷部)内のインキ供給装置の要部を示す。同図において、1はインキツボ、2はインキツボ1に蓄えられたインキ、3はインキツボローラ、4はインキツボローラ3の軸方向に複数並設して設けられたインキツボキー、5はインキ移しローラ、6はインキローラ群、6Aはインキローラ群6中のインキ着けローラ、7は刷版、8は版胴である。
このインキ供給装置は、インキツボキー4の開度調整によってインキツボ1内のインキ2をインキツボローラ3に供給し、このインキツボローラ3に供給されたインキをインキ移しローラ5の呼び出し動作によりインキローラ群6を介して刷版7へ供給し、この刷版7に供給されたインキを給送されてくる印刷用紙に印刷する。
刷版7を交換して新しい刷版7’とした場合、この新刷版7’の絵柄に応じた値にインキツボキー4の開度やインキツボローラ3の回転量などがプリセットされる。すなわち、インキツボキー4の開度やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値として、インキツボ1内のインキ2がインキローラ群6を介して新刷版7’へ供給される。この場合、本刷りの前に試刷りを行って、インキ供給量を調整し、満足すべき色調を得る。これにより、インキローラ群6には、所望のインキ膜厚分布(インキ膜厚さの勾配)が作られる。
しかしながら、従来のインキ供給装置では、刷版7を交換して新刷版7’とした場合、旧刷版7に対するインキ膜厚分布がインキローラ群6に残っている。この場合、旧刷版7に対するインキ膜厚分布を新刷版7’に対するインキ膜厚分布に徐々に変えて行かなければならず、満足すべき色調を得るまでにインキ供給量の調整と試刷りを過大に必要とし、「印刷前準備時間の増加」、「労働負荷の増大」、「印刷資材の浪費」、「生産効率の低下」、「コストアップ」等の問題が生じる。
そこで、本出願人は、満足すべき色調を得るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくすることを目的として、特許文献1に示された「インキ膜厚の制御方法」を提案した。このインキ膜厚の制御方法では、旧刷版7の新刷版7’への交換に際して、先ずインキリムービングを行う。すなわち、旧刷版7での本刷り作業の終了後、ディスプレイ(図示せず)上で、印刷ユニットを選択のうえ、インキリムービング機能を選択し、インキ移しローラ5の呼び出し動作をオフとしたうえ、旧刷版7を装着したままの状態で印刷機を運転し、所定枚数の印刷を行い、これによってインキローラ群6に上流から下流になるにしたがって薄くなる印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ma(図7(a)参照)を残す。すなわち、インキローラ群6に形成されているインキ膜厚分布から旧刷版7の絵柄に応じたインキ膜厚分布を除去し、刷版7の絵柄のない部分に対応するインキ膜厚分布Maを残す。
次に、刷版7を新刷版7’に交換した状態で、ディスプレイ上でプレインキング2機能を選択し、プレインキング2動作を行わせる。このプレインキング2では、インキツボキー4の開度やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値にプリセットしたうえ、印刷機を運転し、インキ移しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に残されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに新刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図7(b)参照)を重畳する。
そして、このインキ膜厚分布MaへのMbの重畳後、所定枚数の試刷りを行い、その試刷りされた印刷物について濃度チェックを行う。この濃度チェックにおいて、満足すべき色調であれば、「インキリムービング+プレインキング2」によるインキ膜厚の制御を終了し、本刷りへ移行する。満足すべき色調でなければ、プレインキング(+)あるいはプレインキング(−)によってインキ膜厚分布を微調整し、再度試刷りを行う。
しかしながら、この方法では今まで、各印刷ユニットのうちの複数の印刷ユニットの刷版を一斉に交換する場合、印刷機を運転し、給紙部から搬送されてくる印刷用紙に対し刷版を交換する各印刷ユニットにおいて同じ枚数の印刷(インキリムービング)を行っていた。このため、インキ・トラッピング(先刷りインキの上に後刷りインキが重なっていく状態)の関係で、上流の印刷ユニットはインキが少なくなり過ぎ、逆に、下流の印刷ユニットはインキが減らないという状況が生じ、次のジョブのインキ膜厚分布がうまく作れず、損紙が多く発生してしまうという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、各印刷ユニットのうちの複数の印刷ユニットの刷版を一斉に交換する場合、刷版を交換する各印刷ユニットにおいて過不足なくインキリムービングを行うことのできる多色印刷機のインキ膜厚制御方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)は、上述した多色印刷機において、各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、刷版を交換する各印刷部で印刷される印刷用紙の枚数を各印刷部毎に設定するとともに、刷版を交換する各印刷部のインキ移しローラの呼び出し動作をオフとしたうえ、刷版を交換する各印刷部に交換前の刷版を装着したまま胴入れ状態で印刷機を運転し、刷版を交換する各印刷部において搬送されてくる印刷用紙に対し設定された枚数の印刷を行い、設定された印刷用紙の枚数の少ない刷版を交換する印刷部順に胴抜きを行って当該印刷部での印刷を順次停止し、これによって刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを残すようにしたものである。
第2発明(請求項2に係る発明)は、上述した多色印刷機において、各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、刷版を交換する各印刷部で印刷される印刷用紙の枚数を各印刷部毎に設定するとともに、刷版を交換する各印刷部のインキ移しローラの呼び出し動作をオフとしたうえ、設定された印刷用紙の枚数の多い刷版を交換する印刷部順に胴入れを行って当該印刷部での印刷を順次開始し、刷版を交換する各印刷部において搬送されてくる印刷用紙に対し設定された枚数の印刷を行った後、刷版を交換する印刷部の全てにおいて同時に胴抜きを行って当該印刷部での印刷を停止し、これによって刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを残すようにしたものである。
この発明(第1、第2発明)によれば、各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、インキ・トラッピングを考慮に入れ、刷版を交換する各印刷部でのインキリムービングに際する印刷用紙の枚数を刷版を交換する各印刷部毎に適当な値として設定することにより、刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを過不足なく残すことができる。
第2発明(請求項2に係る発明)は、上述した多色印刷機において、各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、刷版を交換する各印刷部で印刷される印刷用紙の枚数を各印刷部毎に設定するとともに、刷版を交換する各印刷部のインキ移しローラの呼び出し動作をオフとしたうえ、設定された印刷用紙の枚数の多い刷版を交換する印刷部順に胴入れを行って当該印刷部での印刷を順次開始し、刷版を交換する各印刷部において搬送されてくる印刷用紙に対し設定された枚数の印刷を行った後、刷版を交換する印刷部の全てにおいて同時に胴抜きを行って当該印刷部での印刷を停止し、これによって刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを残すようにしたものである。
この発明(第1、第2発明)によれば、各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、インキ・トラッピングを考慮に入れ、刷版を交換する各印刷部でのインキリムービングに際する印刷用紙の枚数を刷版を交換する各印刷部毎に適当な値として設定することにより、刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを過不足なく残すことができる。
本発明によれば、各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、インキ・トラッピングを考慮に入れ、刷版を交換する各印刷部でのインキリムービングに際する印刷用紙の枚数を印刷部毎に適当な値として設定することにより、刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを過不足なく残すことができ、これによって次のジョブのインキ膜厚分布を精度よく作ることが可能となり、損紙の発生を抑制することができるようになる。
以下、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。図2は本発明を適用してなる4色枚葉輪転印刷機(4色印刷機)を示す図である。同図において、11−1〜11−4は各色の印刷ユニットであり、この印刷ユニット11−1〜11−4内に図8に示したインキ供給装置が各個に設けられている。
また、この4色印刷機には、排紙部12の近くに図3に示すような操作デスク(PQC)13が付設されている。この操作デスク13は、そのデスク上面を操作盤13−1とし、この操作盤13−1に操作部13−2および表示部13−3が設けられている。また、操作デスク13のデスク上面には、試刷りシステム(この例では、パソコン)14が載置されている。なお、この実施の形態では、図示してはいないが操作デスク13内に制御装置が設置されており、この制御装置と合わせて試刷りシステム14が構成されている。
操作盤13−1には、磁気カード15(図4(a)参照)やフロッピィディスク16(図4(b)参照)などの記録媒体が挿入セットされる差込口(図示せず)が設けられている。この実施の形態では、記録媒体に、刷版の絵柄面積情報に基づいて作成された本刷りデータ(印刷データ)を記録させておく。すなわち、対応する刷版毎に、その刷版が用いられる印刷ユニット、その印刷ユニットにおけるインキツボキーの開度、インキツボローラの回転量などの設定値データを本刷りデータとして記録させておく。
試刷りシステム14には、インキローラ群6の各ローラ上に最適なインキの膜厚を形成するための機能として、「プレインキング1」,「インキリムービング」,「プレインキング2」,「プレインキング(+)」,「プレインキング(−)」や「試刷」機能が搭載されている。これらの機能は、図示せぬメニュー画面に表示され、そのメニュー画面上の選択キーをタッチすることにより選択することができる。
図5に試刷りシステム14の要部構成を示す。同図において、14−1はCPU、14−2はRAM、14−3はROM、14−4,14−5はインターフェイスである。CPU14−1は、インターフェイス14−4,14−5を介して与えられる各種入力情報を得て、ROM14−3に格納されたプログラムに従い、RAM14−2にアクセスしながら、各種処理動作を行う。CPU14−1での各種処理情報は、インターフェイス14−4,14−5を介して各種装置へ出力される。
この4色印刷機において、印刷ユニット11−1〜11−4の刷版7−1〜7−4の一斉交換に際して、インキローラ群6−1〜6−4へのインキ膜厚分布の形成は次のようにして行われる。
試刷りシステム14の電源を入れると、そのディスプレイ上に、メニュー画面が出現する。このメニュー画面には選択し得る機能として「プレインキング1」,「プレインキング2」,「プレインキング(+)」,「プレインキング(−)」,「インキリムービング」,「試刷」が表示される。また、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」が表示される。
ここで、本刷り作業の終了後、印刷ユニット11−1〜11−4について、旧刷版7−1〜7−4から新刷版7−1’〜7−4’への一斉交換を行うものとする。この場合、オペレータは、前もって、試刷りシステム14のメニュー画面において、印刷ユニット11−1〜11−4でのインキリムービングに際する印刷用紙の枚数(リムービング枚数)を、インキ・トラッピングを考慮に入れ、印刷ユニット11−1〜11−4毎に適当な値として設定しておく。
すなわち、1つの印刷ユニットで単独にインキリムービングを行う場合、リムービング枚数は理論通りの一定の値N(インキ、ブランケット等の要因により変わる)となる。しかし、複数の印刷ユニットで同時にインキリムービングを行う場合、インキ・トラッピングの差により、各印刷ユニットでリムービング枚数に差が出る。
そこで、本実施の形態では、旧刷版7−1〜7−4から新刷版7−1’〜7−4’への一斉交換に際し、インキ・トラッピングを考慮に入れた値としてN1,N2,N3,N4(N4>N3>N2>N1)を、印刷ユニット11−1,11−2,11−3,11−4でのリムービング枚数として設定しておく。このリムービング枚数N1,N2,N3,N4はRAM14−2中に格納される。
本刷り作業の終了後、オペレータは、新刷版7−1’〜7−4’の印刷データが書き込まれている磁気カード15やフロッピィディスク16等の記録媒体を操作盤13−1の差込口にセットし、新規印刷データの入力を行う。この入力された新刷版7−1’〜7−4’の印刷データは、試刷りシステム14へ転送され、インターフェイス14−4を介してRAM14−2に記憶される。
〔インキリムービング(胴抜きタイミング制御方式)〕
オペレータは、試刷りシステム14のメニュー画面において、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」を選択のうえ、「インキリムービング」を選択する。すなわち、印刷ユニット11−1〜11−4に対し、インキリムービング動作の開始を指示する(図1に示すステップ101)。
オペレータは、試刷りシステム14のメニュー画面において、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」を選択のうえ、「インキリムービング」を選択する。すなわち、印刷ユニット11−1〜11−4に対し、インキリムービング動作の開始を指示する(図1に示すステップ101)。
この時、印刷ユニット11−1〜11−4におけるインキローラ群6−1〜6−4には、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに対し、刷版7−1〜7−4の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mbが重畳されている。
インキリムービング動作の開始が指示されると、試刷りシステム14のCPU14−1は、RAM14−2中からリムービング枚数N1,N2,N3,N4を読み出す(ステップ102)。そして、CPU14−1は、印刷ユニット11−1〜11−4のインキ移しローラ5−1〜5−4の呼び出し動作をオフとしたうえ、旧刷版7−1〜7−4を装着したままの状態で、給紙枚数をN4として印刷機を運転する(ステップ103)。この場合、印刷ユニット11−1〜11−4は、胴入れ状態となっているものとする。
これにより、印刷ユニット11−1〜11−4において、給紙部から搬送されてくる印刷用紙に対して印刷が行われる。この間、インキ移しローラ5−1〜5−4の呼び出し動作を停止したままの状態で印刷が行われるため、インキツボ1−1〜1−4内のインキ2−1〜2−4はインキローラ群6−1〜6−4には一切供給されない。
印刷ユニット11−1における印刷枚数NAがN1に達すると(ステップ104)、CPU14−1は、印刷ユニット11−1へ胴抜きする旨の指示を与える(ステップ105)。これにより、印刷ユニット11−1において胴抜きが行われ、印刷ユニット11−1での印刷が中断され、印刷ユニット11−1を空通過した印刷用紙が印刷ユニット11−2へ送られるようになる。ここで、印刷ユニット11−1のインキローラ群6−1で保有されているインキは、印刷枚数N1の印刷によって、刷版7−1の絵柄部のみが印刷によって消費される。この結果、インキローラ群6−1でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
印刷ユニット11−2における印刷枚数NBがN2に達すると(ステップ106)、CPU14−1は、印刷ユニット11−2へ胴抜きする旨の指示を与える(ステップ107)。これにより、印刷ユニット11−2において胴抜きが行われ、印刷ユニット11−2での印刷が中断され、印刷ユニット11−1,11−2を空通過した印刷用紙が印刷ユニット11−3へ送られるようになる。ここで、印刷ユニット11−2のインキローラ群6−2で保有されているインキは、印刷枚数N2の印刷によって、刷版7−2の絵柄部のみが印刷によって消費される。この結果、インキローラ群6−2でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
印刷ユニット11−3における印刷枚数NCがN3に達すると(ステップ108)、CPU14−1は、印刷ユニット11−3へ胴抜きする旨の指示を与える(ステップ109)。これにより、印刷ユニット11−3において胴抜きが行われ、印刷ユニット11−3での印刷が中断され、印刷ユニット11−1,11−2,11−3を空通過した印刷用紙が印刷ユニット11−4へ送られるようになる。ここで、印刷ユニット11−3のインキローラ群6−3で保有されているインキは、印刷枚数N3の印刷によって、刷版7−3の絵柄部のみが印刷によって消費される。この結果、インキローラ群6−3でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
印刷ユニット11−4における印刷枚数NDがN4に達すると(ステップ110)、CPU14−1は、印刷ユニット11−4へ胴抜きする旨の指示を与える(ステップ111)。これにより、印刷ユニット11−4において胴抜きが行われ、印刷ユニット11−4での印刷が中断される。ここで、印刷ユニット11−4のインキローラ群6−4で保有されているインキは、印刷枚数N4の印刷によって、刷版7−4の絵柄部のみが印刷によって消費される。この結果、インキローラ群6−4でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
この後、CPU14−1は、印刷機の運転を停止する(ステップ112)。
この後、CPU14−1は、印刷機の運転を停止する(ステップ112)。
〔プレインキング2〕
次に、オペレータは、旧刷版7−1〜7−4を新刷版7−1’〜7−4’に交換した状態で、試刷りシステム14のメニュー画面において、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」を選択のうえ、「プレインキング2」を選択する。すなわち、印刷ユニット11−1〜11−4に対し、プレインキング2動作の開始を指示する。
次に、オペレータは、旧刷版7−1〜7−4を新刷版7−1’〜7−4’に交換した状態で、試刷りシステム14のメニュー画面において、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」を選択のうえ、「プレインキング2」を選択する。すなわち、印刷ユニット11−1〜11−4に対し、プレインキング2動作の開始を指示する。
このプレインキング2動作において、CPU14−1は、印刷ユニット11−1〜11−4におけるインキツボキー4−1〜4−4の開度やインキツボローラ3−1〜3−4の回転量などを新刷版7−1’〜7−4’の絵柄に応じた値にプリセットしたうえ、印刷機を運転し、インキ移しローラ5−1〜5−4を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6−1〜6−4に残されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに新刷版7−1’〜7−4’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mbを重畳する。
この場合、印刷ユニット11−1〜11−4のインキローラ群6−1〜6−4には、先のインキリムービングによって、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残されているので、プレインキング2によって次のジョブのインキ膜厚分布が精度よく作られ、損紙の発生が抑制される。
〔インキリムービング(胴入れタイミング制御方式)〕
なお、上述においては、インキリムービングに際して、印刷ユニット11−1〜11−4における胴抜きタイミングを制御するようにしたが、胴入れタイミングを制御するようにしてもよい。図6にこの場合のフローチャートを示す。
なお、上述においては、インキリムービングに際して、印刷ユニット11−1〜11−4における胴抜きタイミングを制御するようにしたが、胴入れタイミングを制御するようにしてもよい。図6にこの場合のフローチャートを示す。
オペレータは、試刷りシステム14のメニュー画面において、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」を選択のうえ、「インキリムービング」を選択する。すなわち、印刷ユニット11−1〜11−4に対し、インキリムービング動作の開始を指示する(図6に示すステップ601)。
この時、印刷ユニット11−1〜11−4におけるインキローラ群6−1〜6−4には、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに対し、刷版7−1〜7−4の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mbが重畳されている。
インキリムービング動作の開始が指示されると、試刷りシステム14のCPU14−1は、RAM14−2中からリムービング枚数N1,N2,N3,N4を読み出す(ステップ602)。そして、CPU14−1は、印刷ユニット11−1〜11−4のインキ移しローラ5−1〜5−4の呼び出し動作をオフとしたうえ、旧刷版7−1〜7−4を装着したままの状態で、給紙枚数をN4として印刷機を運転する(ステップ603)。この場合、印刷ユニット11−1〜11−4は、胴抜き状態となっているものとする。
印刷機運転開始後、CPU14−1は、印刷ユニット11−4へ胴入れする旨の指示を与える(ステップ604)。これにより、印刷ユニット11−1〜11−3が胴抜き状態、印刷ユニット11−4が胴入れ状態となり、印刷ユニット11−1,11−2,11−3を空通過して送られてくる印刷用紙に対し、印刷ユニット11−4での印刷が開始されるようになる。
印刷ユニット11−3における印刷用紙の通過枚数NCが「N4−N3」に達すると(NC=N4−N3:ステップ605)、CPU14−1は、印刷ユニット11−3へ胴入れする旨の指示を与える(ステップ606)。これにより、印刷ユニット11−3において胴入れが行われ、印刷ユニット11−1,11−2を空通過して送られてくる印刷用紙に対し、印刷ユニット11−3での印刷が開始されるようになる。
印刷ユニット11−2における印刷用紙の通過枚数NBが「N4−N2」に達すると(NB=N4−N2:ステップ607)、CPU14−1は、印刷ユニット11−2へ胴入れする旨の指示を与える(ステップ608)。これにより、印刷ユニット11−2において胴入れが行われ、印刷ユニット11−1を空通過して送られてくる印刷用紙に対し、印刷ユニット11−2での印刷が開始されるようになる。
印刷ユニット11−1における印刷用紙の通過枚数NAが「N4−N1」に達すると(NA=N4−N1:ステップ609)、CPU14−1は、印刷ユニット11−1へ胴入れする旨の指示を与える(ステップ610)。これにより、印刷ユニット11−1において胴入れが行われ、給紙部から送られてくる印刷用紙に対し、印刷ユニット11−1での印刷が開始されるようになる。
そして、CPU14−1は、印刷ユニット11−4での印刷枚数NAがN4に達すると(ND=N4:ステップ611)、印刷ユニット11−1〜11−4へ胴抜きする旨の指示を与えると共に、印刷機の運転を停止する(ステップ612)。
ここで、印刷ユニット11−1では、インキ移しローラ5−1の呼び出し動作を停止したままの状態で、「(N4−N1)+1」枚目の通過印刷用紙からN4枚目まで、すなわちN1枚の印刷用紙に対して印刷が行われる。この結果、インキローラ群6−1でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
また、印刷ユニット11−2では、インキ移しローラ5−2の呼び出し動作を停止したままの状態で、「(N4−N2)+1」枚目の通過印刷用紙からN4枚目まで、すなわちN2枚の印刷用紙に対して印刷が行われる。この結果、インキローラ群6−2でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
また、印刷ユニット11−3では、インキ移しローラ5−3の呼び出し動作を停止したままの状態で、「(N4−N3)+1」枚目の通過印刷用紙からN4枚目まで、すなわちN3枚の印刷用紙に対して印刷が行われる。この結果、インキローラ群6−3でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
また、印刷ユニット11−4では、インキ移しローラ5−4の呼び出し動作を停止したままの状態で、1枚目の通過印刷用紙からN4枚目まで、すなわちN4枚の印刷用紙に対して印刷が行われる。この結果、インキローラ群6−4でのインキの履歴が解消され、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maが過不足なく残される。
〔参考例1:インキリムービング(インキ着けローラの着脱タイミング制御方式)〕
上述においては、インキリムービングに際して、印刷ユニット11−1〜11−4における胴入れタイミングや胴抜きタイミングを制御するようにしたが、印刷ユニット11−1〜11−4のインキ着けローラ6A1〜6A4の刷版7−1〜7−4に対する着けタイミングや脱タイミングを、図6や図1のフローチャートの胴入れタイミングや胴抜きタイミングと同じタイミングになるように制御するようにすることも考えられる。
上述においては、インキリムービングに際して、印刷ユニット11−1〜11−4における胴入れタイミングや胴抜きタイミングを制御するようにしたが、印刷ユニット11−1〜11−4のインキ着けローラ6A1〜6A4の刷版7−1〜7−4に対する着けタイミングや脱タイミングを、図6や図1のフローチャートの胴入れタイミングや胴抜きタイミングと同じタイミングになるように制御するようにすることも考えられる。
また、上述においては、4色全ての印刷ユニットで刷版を交換する場合の適用例として説明したが、4色のうち、2色や3色の印刷ユニットにおいて刷版を交換する場合にも、同様にして適用可能であることは言うまでもない。
1(1−1〜1−4)…インキツボ、2(2−1〜2−4)…インキ、3(3−1〜3−4)…インキツボローラ、4(4−1〜4−4)…インキツボキー、5(5−1〜5−4)…インキ移しローラ、6(6−1〜6−4)…インキローラ群、6A(6A1〜6A4)…インキ着けローラ、7(7−1〜7−4)…刷版(旧刷版)、7’(7−1’〜7−4’)…刷版(新刷版)、8(8−1〜8−4)…版胴、11(11−1〜11−4)…印刷ユニット、13…操作デスク、14…試刷りシステム、14−1…CPU、14−2…RAM、14−3…ROM、14−4,14−5…インターフェイス。
Claims (2)
- インキツボ内のインキをインキ移しローラの呼び出し動作によりインキローラ群を介して刷版へ供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷部を複数備えた多色印刷機において、
前記各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、
前記刷版を交換する各印刷部で印刷される印刷用紙の枚数を各印刷部毎に設定するとともに、
前記刷版を交換する各印刷部のインキ移しローラの呼び出し動作をオフとしたうえ、
前記刷版を交換する各印刷部に交換前の刷版を装着したまま胴入れ状態で印刷機を運転し、
前記刷版を交換する各印刷部において搬送されてくる印刷用紙に対し前記設定された枚数の印刷を行い、
前記設定された印刷用紙の枚数の少ない前記刷版を交換する印刷部順に胴抜きを行って当該印刷部での印刷を順次停止し、
これによって前記刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを残すようにした
ことを特徴とする多色印刷機におけるインキ膜厚制御方法。 - インキツボ内のインキをインキ移しローラの呼び出し動作によりインキローラ群を介して刷版へ供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷部を複数備えた多色印刷機において、
前記各印刷部のうちの複数の印刷部の刷版の交換に際して、
前記刷版を交換する各印刷部で印刷される印刷用紙の枚数を各印刷部毎に設定するとともに、
前記刷版を交換する各印刷部のインキ移しローラの呼び出し動作をオフとしたうえ、
前記設定された印刷用紙の枚数の多い前記刷版を交換する印刷部順に胴入れを行って当該印刷部での印刷を順次開始し、
前記刷版を交換する各印刷部において搬送されてくる印刷用紙に対し前記設定された枚数の印刷を行った後、
前記刷版を交換する印刷部の全てにおいて同時に胴抜きを行って当該印刷部での印刷を停止し、
これによって前記刷版を交換する各印刷部のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキを残すようにした
ことを特徴とする多色印刷機におけるインキ膜厚制御方法。
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JP2007258646A JP2008044381A (ja) | 2007-10-02 | 2007-10-02 | 多色印刷機におけるインキ膜厚制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007258646A JP2008044381A (ja) | 2007-10-02 | 2007-10-02 | 多色印刷機におけるインキ膜厚制御方法 |
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Family Applications (1)
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Citations (3)
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JPH0429847A (ja) * | 1990-05-28 | 1992-01-31 | Komori Corp | 多色印刷機の制御装置 |
JPH0732585A (ja) * | 1993-05-12 | 1995-02-03 | Murakami Shikisai Gijutsu Kenkyusho:Kk | 印刷物の色調制御方法 |
JPH1016193A (ja) * | 1996-06-27 | 1998-01-20 | Komori Corp | インキ膜厚の制御方法 |
-
2007
- 2007-10-02 JP JP2007258646A patent/JP2008044381A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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