JP2008042010A - 半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、電子装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない工程数で製造することができ、低電圧で高速に動作するTFTと、高電圧でも信頼性が確保できるTFTとを備える半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、電子装置を提供する。
【解決手段】絶縁基板上に、第一薄膜トランジスタと第二薄膜トランジスタとを備える半導体装置であって、上記第一薄膜トランジスタは、第一半導体層、第一絶縁膜、第二絶縁膜及び第一ゲート電極がこの順に積層された構造を有し、上記第二薄膜トランジスタは、第二半導体層、第二絶縁膜及び第二ゲート電極がこの順に積層された構造を有し、上記第一絶縁膜は、第二半導体層よりも薄い半導体装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、電子装置に関する。より詳しくは、薄膜トランジスタアレイ基板や、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置等のモノリシックディスプレイに好適に用いられる半導体装置に関するものである。
半導体装置が備える薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)は、アクティブマトリクス型表示装置における画素のスイッチング素子やドライバ回路、又は、密着型イメージセンサ(Contact Image Sensor;CIS)、更には、SRAM(Static Random Access Memories)等の大規模集積回路(Large Scale Interation;LSI)に応用されている。
一方、近年のモバイル用途の表示装置(ディスプレイ)は、低消費電力化、高機能化、高速動作化、高信頼性化、高精細化及び小型化の要求が増しており、このような要求を満たすディスプレイの開発が盛んに行われている。そして、このような課題に対しては、TFTの性能が重要となる。
ポリシリコン型TFTを用いる場合は、ポリシリコン型TFTの持つ自己整合構造、高移動度及びCMOS構造という特徴が、高開口率化、低消費電力化、高機能化、高精細化、小型化等というディスプレイとしての高付加価値な特徴を生み出すことができる。例えば、液晶表示装置において、高機能化、高精細化、小型化を実現する方法としては、周辺駆動回路を液晶パネルに集積、内在させる方法が挙げられる。しかしながら、液晶表示装置に必要な各種のTFTは担う役割がそれぞれ異なることから、矛盾する特性を有するTFTを同一基板上に形成することは困難であった。
例えば、画素回路の電源電圧は、画素TFTのしきい値電圧、液晶のしきい値電圧、階調表示に要する電圧、及び、液晶の駆動電圧を加算すると、少なくとも12〜25V程度に設定する必要がある。そのため、画素用TFTや周辺回路駆動用TFTにも、比較的高い電圧が印加されることになり、これらのTFTに劣化が生じやすい。また、周辺回路駆動用TFTの中でもドライバ回路等の信号処理回路は、1.5〜5V程度の低電圧で動作される回路であり、ディスプレイの高速動作性を満たすためには、ドライバTFTは、低電圧で高速な動作が行われる必要がある。そこで、低電圧で高速に動作するTFT、及び、高電圧でも信頼性が確保できるTFTを同一基板上に形成することが求められていた。
これに対しては、絶縁基板上の異なる平面領域に、ゲート絶縁膜の膜厚が相違する2種類の薄膜トランジスタが形成された薄膜半導体装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、スイッチング速度のアップが図られる。しかしながら、特許文献1の半導体装置では、同一基板上に絶縁膜の厚さの異なる2種のトランジスタが形成されるために、例えば、TFTの不純物領域を形成するためのドーピング工程や、コンタクト孔を形成するための工程は、膜厚の異なる領域に応じて、それぞれ別工程で行われていた。したがって、特許文献1の半導体装置の作製の際には、製造工程の数が多くなり、製造コストも多くかかっていたため、未だ改善の余地があった。
ゲート絶縁膜の厚さの異なる高耐圧のTFTと高駆動力のTFTとを形成しつつ、不純物のドーピングやコンタクト孔の形成の簡便化を図る方法としては、共に同じ膜厚を有する2層のゲート絶縁膜を通してドーパントを注入する工程を用いる半導体装置の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2の方法では、1層目のゲート絶縁膜を作製した後に高駆動力のTFTのゲート電極を作製し、その後2層目のゲート絶縁膜を作製した後に高耐圧のTFTのゲート電極を作製するので、ゲート電極の作成に2つの工程が必要となる。したがって、特許文献2の方法であっても、製造工程全体としては簡略化が不充分であり、未だ改善の余地があった。
特開平5−335573号公報 特開2003−332581号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、少ない工程数で製造することができ、低電圧で高速に動作するTFTと、高電圧でも信頼性が確保できるTFTとを備える半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、電子装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、低電圧で高速に動作するTFT(以下、低電圧TFTともいう。)と、高電圧でも信頼性が確保できるTFT(以下、高電圧TFTともいう。)とを同一基板上に有し、かつ少ない工程数で製造することができる半導体装置について種々検討したところ、ゲート絶縁膜の形成方法に着目した。そして、高電圧TFTの半導体層の一部から新たに絶縁膜を形成することにより、半導体層及び絶縁膜の膜厚を同時に調整することが可能となること、及び、その絶縁膜を低電圧TFTの半導体層よりも薄い膜厚で形成することで、高電圧TFT、低電圧TFTという性能の異なる複数のTFTを形成しつつ、不純物注入やコンタクト孔の形成を各TFTについて同一の工程で行うことができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、絶縁基板上に、第一薄膜トランジスタと第二薄膜トランジスタとを備える半導体装置であって、上記第一薄膜トランジスタは、第一半導体層、第一絶縁膜、第二絶縁膜及び第一ゲート電極がこの順に積層された構造を有し、上記第二薄膜トランジスタは、第二半導体層、第二絶縁膜及び第二ゲート電極がこの順に積層された構造を有し、上記第一絶縁膜は、第二半導体層よりも薄い半導体装置である。
本発明においては、第一絶縁膜と第二絶縁膜との積層膜が第一薄膜トランジスタ(以下、第一TFTともいう。)のゲート絶縁膜の機能を、第二絶縁膜が第二薄膜トランジスタ(以下、第二TFTともいう。)のゲート絶縁膜の機能を果たす。また、本発明の半導体装置は第一TFT、第二TFTのいずれも第二絶縁膜を有するので、第一TFTのゲート絶縁膜は、第二TFTのゲート絶縁膜よりも、第一絶縁膜分、膜厚が大きい。本発明では、同一基板上に、ゲート絶縁膜の厚さが異なる第一TFTと第二TFTとが設けられているので、1枚の基板で複数の機能を果たすことができる。例えば、第一TFTは、ゲート絶縁膜を厚く設定することで、高電圧に耐えることができ、かつオフリーク電流の発生を低減できる高電圧TFTとして用いることができる。一方、第二TFTは、ゲート絶縁膜を薄く設定することで、TFTの動作能力を向上させ、高速な回路を実現する低電圧TFTとして用いることができる。このような高電圧TFTは、例えば、画素駆動用のTFTとして用いることができる。また、低電圧TFTは、例えば、ロジック回路用のTFTとして用いることができる。
上記第一絶縁膜は、第二半導体層よりも薄い。こうすることで、不純物注入工程の際に、いずれの半導体層にも過不足なく不純物が注入することができるため、例えば、不純物注入により半導体層の結晶の全てが破壊されるというような事態を回避できる。半導体装置の製造工程においては、通常、注入した不純物を活性化させるためにアニール(熱処理)法が用いられるが、このとき、不純物の注入により、半導体層の結晶が一部破壊されたとしても、残った結晶を基に、アニールによって結晶性を回復させることができる。しかし、不純物が注入されることで半導体層の結晶が全て壊れてしまった場合、種となる結晶が存在しないため、結晶性の回復は起こらない。結晶性の回復が起こらなければ結晶が壊れてしまったままであり、抵抗が非常に高い領域となってしまうため、半導体装置の機能を果たすことができない。本発明の半導体装置は、結晶性の回復を充分に行うことができる構造になっているので、不純物注入を行う領域の深さを調整して複数回注入工程を行う必要がない。具体的には、不純物注入の工程を、ゲート絶縁膜の膜厚が異なるTFT1種あたり1工程減らすことができる。また、同様に配線接続のためのコンタクト孔の深さを調整する必要もなくなるので、コンタクト孔形成工程を、ゲート絶縁膜の膜厚が異なるTFT1種あたり1工程減らすことができる。
なお、本発明の半導体装置の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。また、第一TFTや第二TFTを、LDD(Lightly Doped Drain)構造や、GOLD(Gate Overlapped Lightly Doped Drain)構造とすることもでき、更に、フローティングゲート電極を有するTFTとすることもできる。
上記第一半導体層は、第二半導体層よりも薄いことが好ましい。第一半導体層は、第二半導体層とを同じ膜厚で同一工程で形成することで、製造工程が効率的となる。第一絶縁膜を第二半導体層よりも薄く形成する方法としては、第一半導体層から第一絶縁膜を形成する方法が挙げられる。これにより第一半導体層は、第二半導体層よりも薄く形成されることになる。
上記第一絶縁膜は、第一半導体層を構成する材料の酸化物からなることが好ましい。第一半導体層を第二半導体層よりも薄く形成する方法として、半導体層を形成する第一半導体層を酸化させ、それを絶縁膜として利用する方法が挙げられる。例えば、半導体層の材料にシリコンを用いれば、これを酸化させたシリコン酸化膜は絶縁膜の材料であるので、そのまま半導体層に積層された絶縁膜として用いることができる。本形態によれば、半導体層の膜厚の調整と、絶縁膜の膜厚の調整とを同時に行うことができ、製造工程が簡略化される。このような酸化方法としては、例えば、硝酸酸化法、プラズマ酸化法、高圧酸化法等が挙げられる。なお、第一半導体層から絶縁膜を形成する方法によれば、第一半導体層の膜厚はより薄く形成されることになるので、第一TFTにおいて、更に、オフリーク電流を低減することが可能となる。
本発明はまた、絶縁基板上に、第一半導体層、第一絶縁膜、第二絶縁膜及び第一ゲート電極がこの順に積層された構造を有する第一薄膜トランジスタと、第二半導体層、第二絶縁膜及び第二ゲート電極がこの順に積層された構造を有する第二薄膜トランジスタとを備える半導体装置の製造方法であって、上記製造方法は、第一絶縁膜を第一半導体層から形成する工程を含む半導体装置の製造方法でもある。
本発明の製造方法は、第一絶縁膜を第一半導体層から形成する工程を含む。第一半導体層から新たに第一絶縁膜を形成することで、半導体層の膜厚の調整と、絶縁膜の膜厚の調整とを同時に行うことができ、ゲート絶縁膜の膜厚が異なる2つのTFTを容易に形成することができる。またこのとき、上記製造方法は、第一絶縁膜を第一半導体層から形成することで第一絶縁膜を第二半導体層よりも薄く形成するものであることが好ましい。第一半導体層から第一絶縁膜を形成することで、第一半導体層と第二半導体層を同一工程で、同じ膜厚で形成したとしても、第一半導体層が第二半導体層よりも必然的に薄くなり、不純物注入及びコンタクト孔の深さをそれぞれ個別に調整することなく不純物の注入や、コンタクト孔の形成を容易に行うことができる。すなわち、本形態を用いることで、後工程で結晶性の回復を充分に行うことができるので、不純物注入を行う領域の深さを調整して複数回注入工程を行う必要がなく、不純物注入の工程を、ゲート絶縁膜の膜厚が異なるTFT1種あたり1工程減らすことができる。また同様に、配線接続のためのコンタクト孔の深さも調整する必要がなくなるので、コンタクト孔形成工程を、ゲート絶縁膜の膜厚が異なるTFT1種あたり1工程減らすことができる。そして、第一半導体層から第一絶縁膜を形成することで、第一半導体層の膜厚は、より薄く形成されることになり、更にオフリーク電流を低減することが可能となる。つまり、本発明の製造方法によれば、高電圧TFTと低電圧TFTとを同一基板上に形成する効果、半導体層の膜厚の調整と絶縁膜の膜厚の調整とを同時に行う効果、及び、オフリーク電流を更に低減させる効果の、3つの効果を同時に奏することができる。
上記第一絶縁膜を第一半導体層から形成する工程は、第一半導体層の表層部を酸化して行うことが好ましい。第一半導体層は、例えば、シリコンを材料として用いることができるが、シリコン層の表層部を酸化することで、絶縁膜の材料であるシリコン酸化膜をシリコン層上部に形成できる。本形態によれば、不純物注入工程やコンタクト孔形成工程のための半導体層の膜厚の調整を行いつつ、同時に新たに絶縁膜を形成することができる。このような酸化方法としては、例えば、硝酸酸化法、プラズマ酸化法、高圧酸化法等が挙げられる。
上記酸化は、硝酸酸化法により行われることが好ましい。硝酸酸化法によれば、絶縁膜を200℃以下で成膜できるので、基板に耐熱性の低い材料を用いることができる。また、ガラス基板を用いた場合においては、低温で形成することで基板の反りや収縮を抑えることができる。ここで、硝酸酸化法とは、表面に化学酸化膜を形成すべき基板を活性酸化種を含む酸化性溶液に浸漬することにより化学酸化膜を成長させる酸化膜形成方法をいう。
本発明はまた、上記半導体装置、又は、上記製造方法により作製された半導体装置を有する電子装置の発明でもある。このような電子装置によれば、容易な製造工程により、低電圧で高速に動作するTFTと、高電圧でも信頼性が確保できるTFTとを同一基板上に有する電子装置を得ることができる。電子装置としては、例えば、TFTアレイ基板や、液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置、特にモノリシック型の表示装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、TFTのドライブ能力を向上させ、高速な回路を実現する低電圧TFTと、高電圧に耐えることができ、かつオフリーク電流の発生を低減できる高電圧TFTとを同一基板上に有するものであり、これらの機能を同時に達成できるため利用性が高い。また、半導体層及びゲート絶縁膜の膜厚が調整されているので、不純物注入やコンタクト孔の形成を各領域で同時に行うことができ、製造工程の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
以下に実施形態を掲げ、図面を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。なお、本明細書中において、P型、N型とは、TFTの導電型を意味する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の半導体装置の断面模式図である。実施形態1の半導体装置は、第一TFT1と第二TFT2とを同一の絶縁基板4上に備える。第一TFT1は、第一半導体層5、第一絶縁膜7、第二絶縁膜8、及び、第一ゲート電極9がこの順に積層して構成されている。また、第一半導体層5には、チャネル領域5a及び低抵抗領域5bが形成されている。一方、第二TFT2は、第二半導体層6、第二絶縁膜8、及び、第二ゲート電極10がこの順に積層して構成されている。また、第二半導体層6には、チャネル領域6a及び低抵抗領域6bが形成されている。絶縁基板4としては、例えば、ガラス(石英)基板、プラスチック等の樹脂基板、絶縁性膜で被覆されたガラス基板等を用いることができる。また、第一、第二半導体層5、6は、多結晶シリコンが材料として好適に用いられる。第一、第二絶縁膜7、8は、シリコン酸化膜(SiO)やシリコン窒化膜(SiN)等を材料として用いることができるが、本発明では、第一絶縁膜7に、第一半導体層5を構成する材料の酸化物、すなわち、シリコン酸化膜(SiO)等を用いることが好ましい。ゲート電極8、9の材料としては、モリブデン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、チタン等の高融点金属、若しくは、これらのシリサイド、又は、これらの積層膜等を用いることができる。なお、実施形態1の半導体装置は、実施形態2の製造方法により、好適に製造することができる。
図1に示すように、第一TFT1のゲート絶縁膜は第一絶縁膜7と第二絶縁膜8との積層膜であり、第二TFT2のゲート絶縁膜は第二絶縁膜8であることから、第一TFT1と第二TFT2とではゲート絶縁膜の厚さが異なっており、そのため、これらのTFT1、2は異なる特性を有する。例えば、第一TFT1は、ゲート絶縁膜を厚く設定することで、高電圧に耐えることができ、かつオフリーク電流の発生を低減できる高電圧TFTとして用いることができる。また、第二TFT2は、ゲート絶縁膜を薄く設定することで、TFTのドライブ能力を向上させ、高速な回路を実現する低電圧TFTとして用いることができる。つまり、実施形態1によれば、これらの異なる特性を同時に奏する半導体装置が得られることになる。
また、図1に示すように、実施形態1の半導体装置の第一絶縁膜7は第二半導体層6よりも薄く、第一半導体層5は第二半導体層6よりも薄い。したがって、実施形態1の半導体装置の製造時の不純物注入工程では、不純物が注入される深さを、第一TFT1を作製する領域と第二TFT2を作製する領域とで同じとしたとしても、図1の矢印で示すように、各半導体層5、6に過不足なく不純物を注入することができる。すなわち、不純物注入工程が行われたときの第一半導体層5には、不純物の注入によって結晶が壊れた部位5cと結晶が残っている部位5dとが混在した領域ができる。また、第二半導体層6には、不純物の注入によって結晶が壊れた部位6cと結晶が残っている部位6dとが混在した領域ができる。結晶が一部でも残っていれば、後に行われる半導体層5、6のアニール工程により、半導体層5、6の結晶性の回復が行われるため、本実施形態によれば、半導体層5、6の中に低抵抗領域5b、6bをそれぞれ形成することができる。このように、実施形態1の半導体装置は、不純物注入工程の際に、注入の深さを個別に調整する必要がなく、同様にコンタクト孔の形成の際にも深さを個別に調整する必要がないので、各TFT1、2でこれらの製造工程を別工程とする必要がない。したがって、実施形態1の半導体装置によれば、製造工程を削減し、低コスト化を図ることができる。なお、実施形態1の半導体装置は、TFTアレイ基板や液晶表示装置等の表示装置に用いることで、製造工程を削減し、低コスト化を図ることができる電子装置が得られる。
(比較例1)
図2は、同一基板上に高電圧TFTと低電圧TFTとを有する半導体装置の、従来の構造を示す断面模式図である。比較例1の半導体装置は、第一TFT11と第二TFT12とを同一の絶縁基板14上に備える。第一TFT11は、第一半導体層15、第一絶縁膜17、第二絶縁膜18、及び、第一ゲート電極19がこの順に積層して構成されている。また、第一半導体層15には、チャネル領域15a及び低抵抗領域15bが形成されている。一方、第二TFT12は、第二半導体層16、第二絶縁膜18、及び、第二ゲート電極20がこの順に積層して構成されている。また、第二半導体層16には、チャネル領域16a及び低抵抗領域16bが形成されている。
比較例1の半導体装置もまた、第一TFT11と第二TFT12とでゲート絶縁膜の厚さが異なっているので、実施形態1の半導体装置と同様、低電圧TFT及び高電圧TFTの両方の特性を有する半導体装置となる。しかしながら、比較例1の半導体装置の製造時の不純物注入工程では、図2の矢印で示すように、不純物を注入する深さが、第一TFT11が作製される領域と第二TFT12が作製される領域とで異なるため、比較例1の半導体装置を作製するには、複数の工程に分けてドーピングを行う必要がある。仮にこれらの工程を同一工程とすると、第二半導体層16の低抵抗領域16bの結晶性が完全に壊れてしまい、後に行われる半導体層のアニール工程によっても結晶性の回復は行うことができない。また、コンタクト孔の形成についても同様のことが言え、複数の工程に分けてコンタクト孔の形成を行う必要がある。よって、比較例1の半導体装置では、製造工程が増加してしまい、コストが多くかかってしまう。
(実施形態2)
実施形態2は、本発明の半導体装置の製造方法の一例であり、実施形態2で作製される半導体装置は、同一基板上にP型低電圧TFT、N型低電圧TFT、N型高電圧GOLDTFT、P型高電圧TFT、及び、N型高電圧LDDTFTを有する。図3−1〜3−8は、実施形態2の半導体装置の製造方法を示すフロー図である。
<半導体層形成工程>
図3−1に示すように、基板106上のP型低電圧TFT領域101、N型低電圧TFT領域102、N型高電圧GOLDTFT領域103、P型高電圧TFT領域104、N型高電圧LDDTFT領域105に半導体層107を形成した。基板106としては、ガラス(石英)基板を用いたが、特に限定されるものではなく、絶縁性膜で被覆されたガラス基板等を用いることもできる。また、半導体層107の材料は、特に限定されるものではなく、非晶質シリコン、微結晶シリコン若しくは多結晶シリコン、又は、これらにゲルマニウム、ニッケル、リン、ボロン、ひ素等を加えたものであってもよい。本実施形態においては、多結晶シリコンの膜厚が70〜300nmとなるように、プラズマCVD法により非晶質シリコンを形成した後、レーザーアニール法で非晶質シリコンをアニールすることで多結晶シリコンを形成した。なお、本実施形態では、多結晶シリコンの膜厚は、80nmとなった。
<第二絶縁膜形成工程、閾値制御のための不純物注入工程>
次に、基板全面に、シリコン酸化膜(SiO膜)108(第二絶縁膜)及びシリコン窒化膜(SiN膜)111をこの順に形成し、レジスト110でマスキングして領域102、領域103及び領域105に、閾値(Vth)制御のための不純物109を注入した。本実施形態においてシリコン酸化膜(SiO膜)108はプラズマCVD法により、膜厚10〜50nmで形成し、シリコン窒化膜(SiN膜)111はプラズマCVD法により、膜厚5〜30nmで形成した。なお、上述の絶縁膜の形成方法は、特に限定されるものではなく、スパッタ法、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、LPCVD(Low Pressure CVD)法、リモートプラズマCVD法等によって形成することもできる。また、不純物109はイオンドーピング法により、ボロンを印加電圧30〜60(keV)、濃度1E12〜1E14(ion/cm)の条件で注入した。
<N型GOLDTFTの高抵抗領域の形成工程>
次に、図3−2に示すように、領域103にN型高抵抗領域113を形成するための不純物115を注入した。このとき、領域103のレジスト112下の半導体層107には不純物が注入されないのでチャネル領域114が形成される。不純物115はイオンドーピング法により、リンを印加電圧30〜60(keV)、濃度1E13〜1E15(ion/cm)の条件で注入した。
<第一絶縁膜形成工程>
次に、図3−3に示すように、領域103、領域104及び領域105のシリコン窒化膜(SiN膜)111をエッチングで除去し、領域101及び領域102にシリコン窒化膜(SiN膜)111aを形成した。次に、領域103、領域104及び領域105の半導体層107を酸化し、シリコン酸化膜(SiO膜)117(第一絶縁膜)及び半導体層107a(第一半導体層)を形成した。このとき、領域101及び領域102はシリコン窒化膜(SiN膜)111aで覆われているため半導体層(第二半導体層)107は酸化されない。本実施形態においては、溶液として沸点121℃の68%濃硝酸溶液を用いた硝酸酸化法により、半導体層107の表層部を17nm酸化することで51nmのシリコン酸化膜(SiO膜)117を形成した。なお、シリコン酸化膜(SiO膜)117の形成方法は、特に限定されるものではなく、高圧酸化法、プラズマ酸化法等によって形成することもできる。なお、このとき形成する第一絶縁膜117の厚さは、40〜270nmとすることが好ましい。本実施形態においては、第一絶縁膜117の膜厚が51nmであるのに対し、上述の第二半導体層107の膜厚は、80nmであるので、第一絶縁膜117は、第二半導体層107よりも薄い。また、第一半導体層107aの膜厚は63nmであり、第二半導体層107の膜厚は80nmであるので、第一半導体層107aは第二半導体層107よりも薄い。
なお、実施形態2においては、基板上に第二絶縁膜となるシリコン酸化膜(SiO膜)108を形成した後にシリコン窒化膜(SiN膜)111を形成し、その後第一絶縁膜となるシリコン酸化膜(SiO膜)117を形成したが、基板106上にまずシリコン窒化膜(SiN膜)を形成し、次に第一絶縁膜となるSiO膜を形成した後に、第二絶縁膜となるシリコン酸化膜(SiO膜)を形成してもよい。
<ゲート電極形成工程>
次に、図3−4に示すように、領域101及び領域102においてシリコン窒化膜(SiN膜)111aをドライエッチングで除去し、領域101〜105にそれぞれゲート電極118(第一ゲート電極、第二ゲート電極)をスパッタ法で形成した。ゲート電極118の材料としては、タングステンと窒化タンタルの積層の導電体を用いたが、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン等の高融点金属、若しくは、これらのシリサイド、又は、これらの積層膜等を用いることができる。なお、実施形態2では、ゲート電極118の構造をタングステンと窒化タンタルの積層体としているので、ドライエッチングを行っても、50nm以下のゲート絶縁膜上にゲート電極118の大きさを制御性よく残すことができ、TFT特性に影響を及ぼさない。
<N型LDDTFTの高抵抗領域の形成工程>
次に、領域105にN型高抵抗領域119を形成するための不純物121を基板全体に注入した。各領域101〜105のゲート電極118下の半導体層107、107aには不純物が注入されないのでチャネル領域120が形成される。また、半導体層107、107aのうち、ゲート電極118下以外の領域では、高抵抗領域119が形成される。不純物121はイオンドーピング法により、リンを印加電圧30〜60(keV)、濃度1E13〜1E15(ion/cm)の条件で注入した。
<N型低抵抗領域の形成工程>
次に、図3−5に示すように、領域102、領域103及び領域105にN型低抵抗領域を形成するための不純物124を注入した。このとき、領域105には、LDD構造とするために、ゲート電極118よりも広い範囲のレジスト140を設けた。各領域のゲート電極118下の半導体層107、107aには不純物124が注入されないので、領域102のゲート電極118下においてはチャネル領域126が形成され、領域103及び領域105のゲート電極118下においては、チャネル領域126及び高抵抗領域125が形成される。不純物124は、領域103及び領域105の半導体層107に注入されるように、イオンドーピング法により、リンを印加電圧30〜80(keV)、濃度1E15〜1E16(ion/cm)の条件で注入した。不純物124が注入されることで、半導体層107、107aのうちゲート電極118下以外の領域では、上層に、結晶が壊れた半導体層122が形成され、下層に、少なくとも結晶が一部分残っている半導体層123が形成される。
<P型低抵抗領域の形成工程>
次に、図3−6に示すように、領域101、領域104にP型低抵抗領域を形成するための不純物130を注入した。ゲート電極118下の半導体層107、107aには不純物130が注入されないのでチャネル領域129が形成される。不純物130は、領域102及び領域104の半導体層107、107aに注入されるように、イオンドーピング法により、ボロンを印加電圧30〜80(keV)、濃度1E15〜1E16(ion/cm)の条件で注入した。不純物130が注入されることで、半導体層107、107aのうちゲート電極118下以外の部位では、上層に結晶が壊れた半導体層127が形成され、下層に少なくとも結晶が一部分残っている半導体層128が形成される。
<層間絶縁膜形成工程、アニール工程>
次に、図3−7に示すように、層間絶縁膜131を成膜し、その後、不純物109、115、121、124、130を活性化させるためにアニール(熱処理)を行った。不純物124、130が注入されて結晶が壊れた半導体層122、127は、下層に、少なくとも結晶が一部分残っている半導体層123、128が存在しているので、アニールを行うことで結晶性が回復し、P型低抵抗領域132及びN型低抵抗領域133が形成される。アニールの方法は、本実施形態においては、ランプアニール法を用いたが、特に限定されず、炉アニール法、レーザーアニール法、自己活性法等を用いることもできる。
<コンタクト孔形成工程、配線形成工程>
次に、図3−8に示すように、ドライエッチングにより、各領域101〜105にチャネル横のソース/ドレイン領域とコンタクトをとるためのコンタクト孔134を、同一工程で形成した。領域101及び領域102は、シリコン酸化膜(SiO膜)117(第一絶縁膜)が形成されていない分、領域103、領域104及び領域105に比べて基板106からの積層膜の膜厚が薄いが、領域101及び領域102の半導体層107(第二半導体層)の膜厚が、シリコン酸化膜(SiO膜)117(第一絶縁膜)の膜厚よりも厚いので、コンタクト孔134を各領域で同じ深さで、かつ基板との界面まで到達することなく形成することができる。コンタクト孔134の形成後、その中に配線135を形成した。
このように、実施形態2の方法では、硝酸酸化法を用いて半導体層から絶縁膜を形成することで絶縁膜の膜厚を調整しつつ、低電圧TFT、高電圧TFTという性能の異なる複数のTFT領域を形成している。本形態によれば、不純物注入やコンタクト孔の形成をそれぞれ一度に形成することができるため、製造工程が大幅に簡略化できており、低コスト化を図ることができる。
(比較例2)
比較例2は、同一基板上に低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の、従来の製造方法の一例である。比較例2で作製される半導体装置は、同一基板上にP型低電圧TFT、N型低電圧TFT、N型高電圧GOLDTFT、P型高電圧TFT、N型高電圧LDDTFTを有する。図4−1〜4−11は、比較例2の半導体装置の製造方法を示すフロー図である。
<半導体層形成工程、絶縁膜形成工程>
まず、図4−1に示すように、基板206上のP型低電圧TFT領域201、N型低電圧TFT領域202、N型高電圧GOLDTFT領域203、P型高電圧TFT領域204及びN型高電圧LDDTFT領域205に、半導体層207を形成し、その上層にシリコン酸化膜(SiO膜)208及びシリコン窒化膜(SiN膜)211をこの順に形成した。その後、レジスト210でマスキングして領域202、領域203及び205に、閾値(Vth)制御のための不純物209を注入した。
<絶縁膜形成工程>
次に、図4−2に示すように、領域201及び領域202のシリコン窒化膜(SiN膜)211をエッチングで除去し、領域203、領域204及び領域205にSiN膜211aを形成した。
<N型GOLDTFTの高抵抗領域の形成工程>
次に、図4−3に示すように、領域203にN型高抵抗領域213を形成するための不純物215を注入した。領域203のレジスト212下の半導体層207には不純物215が注入されないのでチャネル領域214が形成される。
<ゲート電極形成工程>
次に、図4−4に示すように、領域201〜205にゲート電極218を形成した。領域203のゲート電極218の範囲は、GOLD構造とするために、上述のレジスト212の範囲よりも広く作製した。次に、領域205にN型高抵抗領域219を形成するための不純物220を、基板全体に注入した。このとき各領域201〜205のゲート電極218下の半導体層207には不純物220が注入されないのでチャネル領域217が形成される。
<N型低抵抗領域の形成工程>
次に、図4−5に示すように、領域203及び領域205にN型低抵抗領域を形成するための不純物224を注入した。なお、領域205には、LDD構造とするために、ゲート電極218よりも範囲が広いレジスト227を設けた。このとき、ゲート電極218下及びレジスト227下の半導体層207には不純物224が注入されないので、領域203及び領域205には、チャネル領域226及び高抵抗領域225が形成される。また、不純物224が注入された半導体層207の上層は不純物224注入のために結晶が壊れたN型低抵抗領域222が形成され、下層は不純物224が注入されているが結晶が一部残っているN型低抵抗領域221が形成される。
次に、図4−6に示すように、領域202にN型低抵抗領域を形成するための不純物228を注入した。このとき不純物228が注入された半導体層207の上層は不純物228注入のために結晶が壊れたN型低抵抗領域222が形成され、下層は不純物228が注入されているが結晶が一部残っているN型低抵抗領域221が形成される。また、領域202にチャネル領域226が形成される。
<P型低抵抗領域の形成工程>
次に、図4−7に示すように、領域204にP型低抵抗領域を形成するために不純物234を注入した。このとき不純物234が注入された半導体層207の上層は不純物234注入のために結晶が壊れたP型低抵抗領域232が形成され、下層は不純物234が注入されているが結晶が一部残っているP型低抵抗領域231が形成される。また、領域204にチャネル領域230が形成される。
次に、図4−8に示すように、領域201にP型低抵抗領域を形成するために不純物238を注入した。このとき不純物238が注入された半導体層207の上層は不純物238注入のために結晶が壊れたP型低抵抗領域232が形成され、下層は不純物238が注入されているが結晶が一部残っているP型低抵抗領域231が形成される。また、領域201にチャネル領域230が形成される。
<層間絶縁膜形成工程、アニール工程>
次に、図4−9に示すように、層間絶縁膜239を形成し、その後、半導体層207に注入した不純物209、215、220、224、228、234、238の活性化のためにアニールを行った。これにより、結晶が壊れた低抵抗領域222、232では、結晶が残っている低抵抗領域221、231があることで結晶性が回復し、領域201及び領域204にP型低抵抗領域240が形成され、領域202、領域203及び領域205にN型低抵抗領域241が形成される。
<コンタクト孔形成工程、配線形成工程>
次に、図4−10に示すように、配線接続のためのコンタクト孔242を領域203、領域204及び領域205に形成した。
次に、図4−11に示すように、配線接続のためのコンタクト孔243を領域201及び領域202に形成し、コンタクト孔242、243に配線244を形成した。
このように、比較例2の方法では、低電圧TFT及び高電圧TFTの低抵抗領域を同時に形成しようとすると、低電圧TFTの低抵抗領域の結晶性が完全に壊れてしまうため、複数の工程に分けてドーピングを行っている。また、コンタクト孔の形成に関しても、低電圧TFTと高電圧TFTとで同時に形成すると、低電圧TFTの半導体層を突き抜けてコンタクト孔が形成されてしまうため、複数の工程に分けてコンタクト孔を形成している。従って、実施形態2と比べ、低抵抗領域の形成にパターニングが2回、コンタクト孔の形成にパターニングが1回余分に製造工程が必要であり、製造コストも高くなってしまう。
(実施形態3)
図5は、実施形態3の半導体装置の断面模式図である。実施形態3の半導体装置は、同一の絶縁基板304上に、低電圧TFT(第二TFT)301と、高電圧GOLDTFT(第一TFT)302と、高電圧LDDTFT(第一TFT)303とを備える。第一半導体層305、第二半導体層306、第一絶縁膜307、第二絶縁膜308、第一ゲート電極309及び第二ゲート電極310の基本的な構成は実施形態1と同様であるが、3種のTFTが同一基板304上に形成されている点、及び、高電圧GOLDTFT302及び高電圧LDDTFT303が構成されている点で実施形態1と異なる。高電圧GOLDTFT302には、第一半導体層305にチャネル領域、高抵抗領域及び低抵抗領域が設けられており、高抵抗領域はゲート電極下に設けられている。高電圧LDDTFT303には、第一半導体層305にチャネル領域、高抵抗領域及び低抵抗領域が設けられており、高抵抗領域はオフセット領域に設けられている。
第一絶縁膜307は、第二半導体層306よりも薄く、第一半導体層305は、第二半導体層306よりも薄い。したがって、実施形態3の半導体装置もまた、実施形態1の半導体装置と同様に、高速駆動及び高耐圧の両方の特性を有する。また、不純物の注入の際に注入する深さをそれぞれ個別に調整する必要がなく、コンタクト孔の形成の際にも同様に深さを調整する必要がないので、各領域でこれらの製造工程を別工程とする必要がなく、製造工程を簡略化できる。更に、実施形態3ではLDDTFT303の特性により、オフ電流の発生を抑制することができる。また、GOLDTFT302の特性により、ホットキャリアによるトランジスタ特性の劣化を抑制することができる。このような低電圧TFT301はロジックTFTとして、高電圧GOLDTFT302及び高電圧LDDTFT303は画素TFTとして好適に用いることができる。
(実施形態4)
図6は、実施形態4の半導体装置の断面模式図である。実施形態4の半導体装置は、同一の絶縁基板404上に、低電圧LDDTFT401と、高電圧GOLDTFT402と、高電圧LDDTFT403とを備える。第一半導体層405、第二半導体層406、第一絶縁膜407、第二絶縁膜408、第一ゲート電極409及び第二ゲート電極410の基本的な構成は実施形態1と同様であるが、3種のTFTが同一基板404上に形成されている点、及び、低電圧LDDTFT401、高電圧GOLDTFT402及び高電圧LDDTFT403を構成している点で実施形態1と異なる。高電圧GOLDTFT402には、第一半導体層405にチャネル領域、高抵抗領域及び低抵抗領域が設けられており、高抵抗領域はゲート電極下に設けられている。また、低電圧LDDTFT401及び高電圧LDDTFT403には、第一半導体層405にチャネル領域、高抵抗領域及び低抵抗領域が設けられており、高抵抗領域はオフセット領域に設けられている。
第一絶縁膜407は、第二半導体層406よりも薄く、第一半導体層405は、第二半導体層406よりも薄い。したがって、実施形態4の半導体装置もまた、実施形態1の半導体装置と同様に、高速駆動及び高耐圧の両方の特性を有し、製造工程が簡略化できる構造となっている。また、実施形態3と同様、LDDTFT401、403及びGOLDTFT402が形成されているので、オフ電流の発生の抑制及びホットキャリアによるトランジスタ特性の劣化の抑制を図ることができる。このような低電圧LDDTFT401はロジックTFTとして、高電圧GOLDTFT402及び高電圧LDDTFT403は画素TFTとして好適に用いることができる。
(実施形態5)
図7は、実施形態5の半導体装置を示す。図7(a)は、実施形態5の半導体装置の断面模式図である。実施形態5の半導体装置は、同一の絶縁基板504上に、低電圧LDDTFT501と、高電圧LDDTFT502と、低電圧LDDTFT503とを備える。第一半導体層505、第二半導体層506、第一絶縁膜507、第二絶縁膜508、第一ゲート電極509及び第二ゲート電極510の基本的な構成は実施形態1と同様であるが、3種のTFTが同一基板504上に形成されている点、及び、低電圧LDDTFT501及び503高電圧LDDTFT502を構成している点で実施形態1と異なる。また、高電圧LDDTFT502にフローティングゲート電極511が形成されている点も、実施形態1と異なる。
高電圧LDDTFT502の第一半導体層505には、低抵抗領域505a、高抵抗領域505b、チャネル領域505cが形成されている。第一絶縁膜507は、第二半導体層505よりも薄く、第一半導体層505は、第二半導体層506よりも薄い。したがって、実施形態4の半導体装置もまた、実施形態1の半導体装置と同様に、高速駆動及び高耐圧の両方の特性を有し、製造工程が簡略化できる構造となっている。また、実施形態3と同様、LDDTFT領域501、502、503が形成されているので、オフ電流の発生を抑制することができる。更に、フローティングゲート電極を有するTFT502が形成されているので、これをメモリ素子として用いることができる。フローティングゲート電極の材料には、上述のゲート電極と同様の材料を用いることができる。このような低電圧LDDTFT領域501、503はロジックTFTとして、高電圧LDDTFTは画素TFTとして好適に用いることができる。
図7(b)は、実施形態5の半導体装置の高電圧LDDTFT502領域における奥行き方向を示した断面模式図である。高電圧LDDTFT502は、絶縁基板504から、第一半導体層505、第一絶縁膜507、フローティングゲート電極511、第二絶縁膜508及び第一ゲート電極509がこの順に積層して形成されている。図7(b)に示すように、第一半導体層505と第一ゲート電極509とは重畳していない。これにより、第一半導体層505をLDD構造とすることができる。
図7(c)は、実施形態5の半導体装置の、高電圧LDDTFT502領域の上方向からの平面模式図である。図7(c)に示すように、第一半導体層505と第一ゲート電極509とは重畳していないが、第一半導体層505とフローティングゲート電極511とは重畳している。フローティングゲート電極511はチャネル領域505cと重畳しており、上方向からは第一半導体層505のうち、低抵抗領域505a及び高抵抗領域505bが確認できる。
(実施形態6)
図8は、実施形態6の半導体装置の断面模式図である。実施形態6の半導体装置は、同一の絶縁基板604上に、低電圧LDDTFT601と、高電圧LDDTFT602と、高電圧GOLDTFT603とを備える。第一半導体層605、第二半導体層606、第一絶縁膜607、第二絶縁膜608、第一ゲート電極609及び第二ゲート電極610の基本的な構成は実施形態1と同様であるが、3種のTFTが同一基板604上に形成されている点、及び、低電圧LDDTFT601、高電圧LDDTFT602及び高電圧GOLDTFT603を構成している点で実施形態1と異なる。また、高電圧LDDTFT602にフローティングゲート電極611が形成されている点も、実施形態1と異なる。高電圧GOLDTFT603には、第一半導体層605にチャネル領域、高抵抗領域及び低抵抗領域が形成され、高抵抗領域はゲート電極下に設けられている。また、低電圧LDDTFT601及び高電圧LDDTFT602には、第一半導体層605にチャネル領域、高抵抗領域及び低抵抗領域が形成され、高抵抗領域はオフセット領域に設けられている。
第一絶縁膜607は、第二半導体層606よりも薄く、第一半導体層605は、第二半導体層606よりも薄い。したがって、実施形態4の半導体装置もまた、実施形態1の半導体装置と同様に、高速駆動及び高耐圧の両方の特性を有し、製造工程が簡略化できる構造となっている。また、実施形態6ではGOLDTFT603及びLDDTFT601、602が形成されているので、実施形態3と同様、オフ電流の発生の抑制及びホットキャリアによるトランジスタ特性の劣化の抑制を図ることができる。更に、フローティングゲート電極を有するTFT602も形成されているので、実施形態5と同様、これをメモリ素子として用いることができる。このような低電圧LDDTFT601はロジックTFTとして、高電圧LDDTFT603は画素TFTとして好適に用いることができる。
本発明の半導体装置の基本構造を示す断面模式図である。 高電圧TFTと低電圧TFTとを有する従来の半導体装置の断面模式図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、閾値制御のための不純物注入の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、N型GOLDTFTの高抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、絶縁膜の形成の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、ゲート電極の形成及びN型LDDTFTの高抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、N型TFTの低抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、P型TFTの低抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、層間絶縁膜の形成の工程を示す。 本発明の半導体装置の製造方法を示すフロー図であり、コンタクト孔及び配線の形成の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、閾値制御のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、絶縁膜の形成の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、N型GOLDTFTの高抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、ゲート電極の形成及びN型LDDTFTの高抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、N型TFTの低抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、N型TFTの低抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、P型TFTの低抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、P型TFTの低抵抗領域形成のための不純物注入の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、層間絶縁膜の形成の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、コンタクト孔の形成の工程を示す。 低電圧TFTと高電圧TFTとを有する半導体装置の従来の製造方法を示すフロー図であり、コンタクト孔及び配線の形成の工程を示す。 本発明の半導体装置の一例を示す断面模式図であり、通常のTFT、LDDTFT及びGOLDTFTを有する。 本発明の半導体装置の一例を示す断面模式図であり、LDDTFT及びGOLDTFTを有する。 本発明の半導体装置の一例を示した模式図であり、LDDTFT及びフローティングゲート電極を備えるLDDTFTを有する。(a)は正面方向から見た断面模式図を、(b)は奥行き方向に見た断面模式図を、(c)は、上方向からの平面模式図を示す。 本発明の半導体装置の一例を示す断面模式図であり、LDDTFT、GOLDTFT及びフローティングゲート電極を備えるLDDTFTを有する。
符号の説明
1、11:第一TFT
2、12:第二TFT
4、14、106、206、304、404、504、604:基板
5、15、305、405、505、605:第一半導体層
5a、6a、15a、16a、505c:チャネル領域
5b、6b、15b、16b、505b:低抵抗領域
6、16、306、406、506、606:第二半導体層
7、17、307、407、507、607:第一絶縁膜
8、18、308、408、508、608:第二絶縁膜
9、19、309、409、509、609:第一ゲート電極
10、20、310、410、510、610:第二ゲート電極
101、201:P型低電圧TFT(領域)
102、202:N型低電圧TFT(領域)
103、203:N型高電圧GOLDTFT(領域)
104、204:P型高電圧TFT(領域)
105、205:N型高電圧LDDTFT(領域)
107、107a、207:半導体層
108、208:シリコン酸化膜(SiO膜)(第二絶縁膜)
109、115、121、124、130、209、215、220、224、228、234、238:不純物
110、112、140、210、212、227:レジスト
111、111a、116、116a:シリコン窒化膜(SiN膜)
113、125、213、225:N型高抵抗領域
114、120、126、129、214、217、226、230:チャネル領域
117:シリコン酸化膜(SiO膜)(第一絶縁膜)
118、218:ゲート電極
119、133、219、241:N型低抵抗領域
122、222:N型TFTの低抵抗領域のうち結晶が壊れた部位
123、221:N型TFTの低抵抗領域のうち結晶が残っている部位
127、232:P型TFTの低抵抗領域のうち結晶が壊れた部位
128、231:P型TFTの低抵抗領域のうち結晶が残っている部位
131、239:層間絶縁膜
132、240:P型低抵抗領域
134、242、243:コンタクト孔
135、244:配線
301:低電圧TFT
302、402、603:高電圧GOLDTFT
303、403:高電圧LDDTFT
401、501、503、601:低電圧LDDTFT
502、602:低電圧LDDTFT(フローティングゲート電極を有する)
505a:高抵抗領域
511、611:フローティングゲート電極

Claims (8)

  1. 絶縁基板上に、第一薄膜トランジスタと第二薄膜トランジスタとを備える半導体装置であって、
    該第一薄膜トランジスタは、第一半導体層、第一絶縁膜、第二絶縁膜及び第一ゲート電極がこの順に積層された構造を有し、
    該第二薄膜トランジスタは、第二半導体層、第二絶縁膜及び第二ゲート電極がこの順に積層された構造を有し、
    該第一絶縁膜は、第二半導体層よりも薄い
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第一半導体層は、第二半導体層よりも薄いことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第一絶縁膜は、第一半導体層を構成する材料の酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 絶縁基板上に、第一半導体層、第一絶縁膜、第二絶縁膜及び第一ゲート電極がこの順に積層された構造を有する第一薄膜トランジスタと、第二半導体層、第二絶縁膜及び第二ゲート電極がこの順に積層された構造を有する第二薄膜トランジスタとを備える半導体装置の製造方法であって、
    該製造方法は、第一絶縁膜を第一半導体層から形成する工程を含む
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 前記製造方法は、第一絶縁膜を第一半導体層から形成することで第一絶縁膜を第二半導体層よりも薄く形成するものであることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第一絶縁膜を第一半導体層から形成する工程は、第一半導体層の表層部を酸化して行うことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記酸化は、硝酸酸化法により行われることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1記載の半導体装置、又は、請求項4記載の半導体装置の製造方法により作製された半導体装置を有することを特徴とする電子装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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