JP2008041721A - リアクトル用コア - Google Patents

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晴久 豊田
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伸一郎 山本
Yasushi Mochida
恭志 餅田
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【課題】組立作業性に優れるリアクトル用コアを提供する。
【解決手段】リアクトル用コア1は、コイルCの内周側に配置される円柱状の内側コア2、コイルCの外周側に配置される円筒状の外側コア3、コイルCの両端面に配置される円板状の端部コア4を組み合わせて構成される。外側コア3の周縁部及び端部コア4の周縁部には、互いに嵌合し合う係合部(凹凸部3c,4c)を具える。外側コア3と端部コア4とを接合する際、凹凸部3c,4cを嵌め合わせることで、簡単に位置合わせを行うことができ、組立作業性に優れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内側コア、外側コア、及び端部コアを具えるリアクトル用コアに関するものである。特に、組立作業性に優れるリアクトル用コアに関する。
従来より、磁性材料からなるコアの外周に巻回巻線からなるコイルを配置したコイル部品、例えば、チョークコイルやトランス、リアクトルなどが知られている。上記コアは、複数の分割片を組み合わせて一体にする構成のものが知られており、例えば、特許文献1に記載されるO形コアは、一対のC形コアと複数のI形コアとを分割片とし、これらを組み合わせて構成する。特許文献2に記載されるE-Eコアは、一対のE形コアを分割片とし、これらを組み合わせて構成する。その他、E形コアとI形コアとを組み合わせたE-Iコア、断面がE字状のコアを一対組み合わせた、いわゆるポット型コアと呼ばれるコアがある。ポット型コアは、コイルの全周を覆うように配置される。これらのコアは、フェライトコアに代表される焼結体(特許文献2)、複数の鋼板を積層した積層体(特許文献1段落0003,特許文献3)、金型に粉末を充填して加圧した圧粉成形体(特許文献1特許請求の範囲)からなる。比較的大電流が流されるコイル部材、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の昇圧コンバータなどに利用されるリアクトルでは、積層体や圧粉成形体からなるコアが利用される。
上記コアは、磁気回路に直列にギャップを存在させて磁気飽和を回避するようにしている(特許文献1,2)。ギャップは、分割片間に隙間を空けることで形成する。特に、大電流が流されるようなリアクトル用コアでは、分割片の数を多くして、複数のギャップを設けるようにしている(特許文献1)。
特開2005-347626号公報 特開2005-45119号公報 実開平1-112022号公報
複数の分割片を組み合わせてなるコアは、分割片同士の位置合わせに時間がかかり、組立作業性が悪いという問題がある。特に、リアクトルに用いられるE-EコアやE-Iコア、ポット型コアは、コイルを配置し易くしたり、複数のギャップを設けるために分割片数を多くすると、組立作業性が更に悪くなる。
従って、本発明の主目的は、組立作業性に優れるリアクトル用コアを提供することにある。
本発明は、複数の分割片を組み合わせて構成されるリアクトル用コアにおいて、互いに接合される分割片対に、互いに嵌合する係合部を設けることで上記目的を達成する。具体的には、本発明は、コイルの内周側に配置される内側コアと、コイルの外周側に配置される外側コアと、コイルの各端面側にそれぞれ配置される端部コアとを具えるリアクトル用コアであり、以下の第一構成、或いは第二構成を具える。
(第一構成)
内側コア、外側コア、及び端部コアのうち、少なくとも一組のコア対は、分割可能であり、互いに直接接合される。そして、このようなコア対のうち、少なくとも一組のコア対は、組み合わせる際に互いに嵌合可能な係合部を具える。
(第二構成)
外側コアは、複数の外側分割片を組み合わせて構成され、少なくとも一組の外側分割片対は、互いに直接接合される。そして、このような外側分割片対のうち、少なくとも一組の外側分割片対は、組み合わせる際に互いに嵌合可能な係合部を具える。
本発明コアは、互いに接合する分割片対(コア対、或いは外側分割片対)のそれぞれに係合部を具えることで、当該分割片同士を組み合わせる際に簡単に位置決めを行うことができ、組立作業性に優れる。また、係合部により結合された分割片対は、組み合わせ後、互いに分離し難く、組み合わせ状態を維持し易い。そのため、本発明コアを組立後にケースに収納する際などで、接合した分割片が脱落することを防止することができる。更に、本発明コアは、係合部を具えることで、接合部分において分割片同士がずれて隙間ができにくい。従って、接合した分割片間の隙間から漏れ磁束が生じることを効果的に防止することができる。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明コアは、丸線や平角線に代表される巻線を巻回してなる空心のコイルの内周面、コイルの外周面の少なくとも一部、及びコイルの端面の少なくとも一部を覆うように配置され、磁気回路を形成する磁性部材である。具体的には、コイルの内周側に配置される内側コアと、コイルの外周側に配置される外側コアと、コイルの各端面(コイルの中心軸方向に配置される外周面)側にそれぞれ配置される端部コアとからなる。端的に言うと、外側コアと一対の端部コアとで作られる断面矩形枠状の空間を内側コアで二つの空間に分けた形状である。このようなリアクトル用コアとして、代表的には、一対のE形コアを組み合わせたE-Eコア、E形コアとI形コアとを組み合わせたE-Iコア、断面E形のコアを組み合わせた、いわゆるポット型コアが挙げられる。E-EコアやE-Iコアは、コイルを容易に配置することができるが、外側コアを板状とするため、コイルの外周面の一部や端面の一部が外部に露出される。これに対し、ポット型コアは、外側コアを筒状とし、コイルの外周を覆うと共に、筒状の外側コアの開口部を塞ぐように端部コアを配置する構成である。従って、ポット型コアは、コイルのほぼ全周面を覆うことができ、コイルを保護することができる。なお、本発明コアを構成する分割片の形状は、E形やI形に限定されない。
本発明コアは、複数の分割片を組み合わせて一体化する構成とする。分割片の組合体からなる本発明コアは、予め巻線を巻回してなるコイルを内側コアの外周、或いは外周コアの内周に容易に配置することができる。また、複数の分割片から構成する本発明コアは、分割片間に磁気飽和を回避するためのギャップを設けることができる。本発明コアを比較的大電流が流されるリアクトルに利用する場合、ギャップを介して接合される分割片対を少なくとも一組具えることで、磁気飽和を生じ難くする。特に、ギャップを介して接合される分割片対を複数具える、つまり、複数のギャップを有するようにすると、ギャップが一つである場合と比較して、一つのギャップからの漏れ磁束を低下できて好ましい。ギャップは、分割片間を空間とするエアギャップとしてもよいし、分割片間にセラミックなどの非磁性材料からなるギャップ材を介在させた状態としてもよい。
分割の形態は、ギャップの数やコイルの配置作業性などを考慮して適宜選択する。例えば、内側コア、外側コア、及び端部コアをそれぞれ分割片とした四つの分割片からなる構成、内側コアと一方の端部コアとが一体化したT状コア、外側コア、及び他方の端部コアをそれぞれ分割片とした三つの分割片からなる構成、上記T状コア、及び外側コアと他方の端部コアとが一体化したC状コアをそれぞれ分割片とした二つの分割片からなる構成が挙げられる。端部コアと外側コアとが分離されていると、外側コアの内周にコイルを配置させ易い。その他、外側コアは、コイルの中心軸方向に分割した複数の外側分割片を接合してなる構成としてもよい。このとき、外側分割片と端部コアとを一体化した断面]状の分割片を二つ接合して、断面矩形枠状の外側コアと端部コアとを構成すると、接合する二つの分割片が対称形状となるため、この分割片を圧粉成形体で形成するとき、一つの金型で、二つの分割片を製造することができる。また、内側コアは、コイルの中心軸方向に分割した複数の内側分割片を接合してなる構成としてもよい。上述したT状コアは、内側コアの一部を構成する内側分割片と一方の端部コアとを一体化したものでもよい。
各分割片は、直接接合する、或いは上述したギャップを介して接合する。ギャップを介して接合する分割片対の各接合面は、所定のギャップ距離が維持できるように平滑にしておくことが好ましく、後述する係合部を設けない。また、ギャップは、コイルの外側に露出するように設けられると漏れ磁束の原因となるため、例えば、コイルの内側に設けることが好ましい。ギャップをコイルの内側に配置するには、内側コアを複数の内側分割片からなる構成とし、ギャップを介して内側分割片同士を接合することが挙げられる。特に、少なくとも二組の内側分割片間にギャップを具えるようにすると、上述したように一つのギャップからの漏れ磁束を低減できて好ましい。また、ポット型コアにおいて、内側コア、或いは内側コアと端部コアとの間にギャップを設ける構成とすると、漏れ磁束を実質的に無くすことができる。
直接接合する分割片対のうち、少なくとも一組の分割片対には、組み合わせる際に互いに嵌合する係合部を設ける。直接接合する全ての分割片対に係合部を具えると、組立作業性により優れて好ましい。
係合部は、互いに係合し合う凹部と凸部とを組み合わせた形態が挙げられる。例えば、接合する一方の分割片に少なくとも一つの凸部を設け、他方の分割片にこの凸部に係合する凹部を設ける。特に、接合部分(合わせ目)がコイルの外部に露出される場合、接合面積が多くなるように係合部を設けて、接合部分に隙間を生じ難くすると、この隙間からの漏れ磁束の防止に効果的である。例えば、接合する一方の分割片に複数の凸部やコイルの周方向に連続する突条を設け、他方の分割片に複数の凹部やコイルの周方向に連続する凹部を設けたり、凸部と凹部とを組み合わせた凹凸部を双方の分割片に設ける。
係合部を設ける分割片の組み合わせは、1.(端部コア、外側コア)、2.(端部コア、内側コア)、3.(一方の外側分割片、他方の外側分割片)が挙げられる。これら1〜3を組み合わせて利用することもできる。その他、互いに接合される内側分割片対を具える場合、各内側分割片に係合部を設けてもよい。
組み合わせ1の場合、つまり接合されるコア対が外側コア及び端部コアの場合、端部コアの周縁部、及び外側コアの周縁部の双方に互いに嵌合し合う係合部を設ける。この係合部は、例えば、凹部と凸部とが連続する歯形状の凹凸部とする。具体的には、凹凸部は、外側コアの外側から見たとき、接合部分(合わせ目)が連続した凹凸を描くように設ける。例えば、本発明コアをポット型コアとするとき、端部コアを歯車状とする。歯形状の凹凸部の歯すじをコイルの中心軸に平行するように設けると、分割片同士を簡単に接合することができる上、製造が比較的容易である。一方、歯すじをコイルの中心軸(に平行な直線)に交差するように設ける、例えば、山と谷とが連続する鋸刃状や波形としたり、外側コアの外側から見たとき、接合部分(合わせ目)が連続した平行四辺形状となるスキュー構造を有するようにしてもよい。スキュー構造の凹凸部は、分割片同士を強固に接合できる。
或いは、凹凸部は、外側コアの外側から見たとき、接合部分(合わせ目)が一直線を描き、コイルの中心軸を通る平面で切断したとき、合わせ目が凹凸を描くように設ける。例えば、上記切断面において階段状となるように凹凸部を設ける。この凹凸部では、上記歯形状の凹凸部と比較して、接合部分にずれが生じにくく、ずれにより生じた隙間からの漏れ磁束を抑制できる。
組み合わせ2の場合、つまり接合されるコア対が端部コア及び内側コアの場合、端部コアの所定の位置に内側コアが配置できるように、端部コアにおける内側コアとの接合側に係合部を設ける。例えば、端部コアの接合側に内側コアの一部が嵌め込まれる係合溝を設ける。つまり、内側コアの一部を凸部とし、係合溝を凹部とする。内側コアを複数の分割片で構成する場合、端部コアと内側コアとを分離しておくと、内側コアを形成し易い。そして、端部コアと内側コアとに係合部を具えることで、端部コアに対する内側コアの位置決めを確実に行える。この内側コアを中心としてコイルを配置することで、本発明コアは適切な位置にコイルを配置することができる。
組み合わせ3の場合、つまり外側分割片同士を接合する場合、接合する各外側分割片の接合部分に係合部を設ける。係合部は、例えば、上述した組み合わせ1の凹凸部と同様の形状、即ち、歯形状、鋸刃状、スキュー構造の凹凸部とする。
本発明コアは、鉄系材料、例えば、珪素鋼などの鋼に代表される強磁性材料から構成する。具体的には、板状材や粉末を利用して本発明コアを形成する。板状材を利用する場合、例えば、所定の形状の板状材を複数積層してコアを形成する。粉末を利用する場合、所定の形状の金型に粉末を充填して加圧した圧粉成形体でコアを形成する。圧粉成形法は、板状材を利用する場合と比較して、複雑な3次元形状の分割片、例えば、上述した歯形状の凹凸部を有する分割片や、断面において凹凸を有する分割片を非常に簡単に製造することができる。特に、圧粉成形法は、ポット型コアの形成に最適である。板状材を利用する場合、所定の形状の板材を積層したり、この積層体を部分的に削るなどして所望の分割コアを構成することができるが、時間がかかる。つまり、板状材を利用した場合、作製した分割片を組み立てる際の作業時間が短縮できるものの、分割片自体の作製に時間がかかる。また、分割片が対称形状である場合、圧粉成形法は、一つの金型で複数の分割片を製造することができ、製造性に優れる。更に、圧粉成形法は、平滑な表面の分割片を精度よく形成できるため、得られた圧粉成形体は、接合部分に隙間が生じにくく、隙間からの漏れ磁束を抑制できる。加えて、圧粉成形体は、板状材の積層体からなるコアと比較して、ギャップ形成面も平滑であることから、ギャップ距離を高精度に制御することができる。これに対して、積層体からなるコアは、積層の際にずれが生じて積層面が階段状になり易く、接合部分に隙間が生じて漏れ磁束が生じる恐れがある。また、この積層面をギャップ形成面とすると、ギャップ距離を高精度に制御することが難しい。
本発明コアは、予め分割片を製造しておき、得られた分割片を互いに接合させて組み立てる。組み立てる際、適宜コイルを配置する。本発明コアとコイルとの一体化物は、ケースに収納した後、コイルやコアの防錆、及びコアやコイルの振動による騒音防止のためにケース内に封止材を充填して利用してもよい。なお、特許文献3のコアは、分割片を作らず、鋼板を積層させていって一体とする構成であり、別途製造された分割片を組み合わせる構成である本発明コアと異なる。
本発明リアクトル用コアは、係合部が設けられた分割片を具えることで組立作業性に優れる。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施例1>
図1(I)は、本発明リアクトル用コア及びコイルを具えるリアクトルの分解斜視図、(II)は、このリアクトルをコイルの中心軸Ccを通る平面で切断した際の断面図、(III)は、本発明コアを構成する外側コアの上面図、(IV)は、同外側コアの周縁近傍の側面図、(V)は、本発明コアを構成する端部コアの上面図、(VI)は、同端部コアの側面図である。リアクトルL1は、リアクトル用コア1と、このコア1に収納される巻回巻線からなるコイルCとからなる。コア1は、複数の分割片を組み合わせて構成される。各分割片は、コイルCの内周側に配置される内側コア2、コイルの外周側に配置される外側コア3、コイルCの両端面側にそれぞれ配置される端部コア4(上端部コア4u、下端部コア4d)である。このリアクトルL1の特徴とするところは、コア1の形状にあり、互いに接合される分割片、具体的には外側コア3と端部コア4とに互いに嵌合し合う係合部を具える点にある。以下、コア1を中心に説明する。
コア1は、円柱状の内側コア2と、内側コア2と同軸に配置される円筒状の外側コア3と、外側コア3の開口部を塞ぐように配置される円板状の端部コア4とからなる、いわゆるポット型コアである。このコア1は、内側コア2と外側コア3との間につくられる空間にコイルCを配置し、端部コア4で外側コア3の開口部を閉じることで、内部にコイルCを収納する。
内側コア2は、複数の円板状の内側分割片2aを積層させた積層体であり、内側分割片2a同士は、所定の厚みのギャップ材(例えば、円板状のアルミナ板)gを介して接合している。つまり、内側コア2は、複数組の、ギャップ材gを介在した内側分割片2a対から構成される。この構成により、内側分割片2a間は、所定のギャップ距離が維持できる。この内側コア2を具えることで、コア1は、コイルCの内側に複数のギャップを具える。内側コア2は、内側分割片2aとギャップ材gとを交互に積層し、接着剤により両者を固定して一体化して形成する。内側コア2の外周に絶縁材料からなるボビンを配置し、その外周にコイルCを配置する構成としてもよい。この構成の場合、コイルCとコア1との間の絶縁性をより高められる。
外側コア3は、その両周縁部にそれぞれ、コイルC(外側コア3)の周方向に連続した凹凸部(係合部)3cが設けられている。凹凸部3cは、コイルの中心軸Cc方向に突出する凸部3aと、凸部3aに対して凹んだ凹部3bとから構成される歯形状である。凸部3a及び凹部3bは、中心軸Cc方向から見た場合、扇状であり(図1(III))、外側コア3の外側から見た場合(図1(IV))、及び中心軸Ccを通る平面で切断した際、長方形状である。即ち、凸部3a及び凹部3bは、その歯すじ3tが中心軸Ccに平行する直線となるように設けている。その他、外側コア3には、コイルCの各端部を挿通配置する切欠き部3d1,3d2を二つ設けており、切欠き部3d1,3d2からコイルCの各端部をコア1の外部に引き出せるようにしている。
端部コア4は、その周縁部に連続した凹凸部(係合部)4cが設けられている。凹凸部4cは、端部コア4においてコイルの中心軸Cc上に存在する中心からその径方向に突出する凸部4aと、凸部4aに対して凹んだ凹部4bとから構成される。端的に言うと、端部コア4は、歯車状である。凸部4a及び凹部4bの形状は、上述した外側コア3の凸部3a及び凹部3bと同様であり、その歯すじ4tが中心軸Ccに平行するように設けている。この端部コア4の凹凸部4cと、上述した外側コア3の凹凸部3cとは互いに嵌合し合う。つまり、外側コア3の凸部3aは、端部コア4の凹部4bに嵌り、端部コア4の凸部4aは、外側コア3の凹部3bに嵌る。
上述した内側コア2、外側コア3、及び端部コア4はいずれも、磁性材料からなる粉末を所定の金型に充填して加圧してなる圧粉成形体である。各内側分割片2aはそれぞれ同じ金型を用いて作製している。また、各端部コア4u,4dもそれぞれ同じ金型を用いて作製している。
リアクトルL1の組立手順を説明する。まず、内側分割片2aとギャップ材gとを交互に積層して一体化し、内側コア2を作製する。図1に示す内側コア2は、その上下端を内側分割片2aとしているが、ギャップ材gでもよいし、いずれか一端を内側分割片2a、他端をギャップ材gとしてもよい。作製した内側コア2の下端を下端部コア4dの所定の位置に接着剤などを用いて接合し、T字状の部材を構成する。
次に、コイルCを外側コア3の内周に配置し、コイルCの一端部を上方の切欠き部3d1に挿通し、他端部を下方の切欠き部3d2に挿通する。必要に応じて、コイルCを一時的に変形させ、コイルCの外側コア3への配置、及び両端部の切欠き部3d1,3d2への挿通を行ってもよい。なお、二つの切欠き部に代わって一つの長切欠き、或いは長孔とし、コイルの両端部をこの長切欠き或いは長孔から引き出す構成としてもよい。コイルの両端部を引き出した後、長切欠き又は長孔において両端部が挿通されている箇所以外の部分を別途用意したコア片で埋めてもよい。この切欠き部に関する点は、後述する実施例についても同様である。
次に、外側コア3と端部コア4とを接合する。この接合は、両コア3,4の周縁部にそれぞれ設けられた凹凸部3c,4cを互いに嵌合させて行う。凹凸部3c,4cを互いに嵌合させることで、外側コア3と端部コア4との位置合わせを容易に行える。具体的には、まず、外側コア3と下端部コア4dとを接合する。下端部コア4dを下方に置き、その上方から外側コア3を落とし込むように配置することで、下端部コア4dの凹凸部4cと外側コア3の凹凸部3cとを互いに嵌合させることができる。次に、外側コア3と上端部コア4uとを接合する。下端部コア4dと外側コア3との一体化物を開口部が上方を向くようにして下方におき、開口部に上端部コア4uを落とし込むように配置することで、外側コア3の凹凸部3cと上端部コア4uの凹凸部4cとを互いに嵌合させることができる。この接合により、外側コア3の外側から見ると、接合部分(合わせ目)が連続した凹凸で構成される。また、この接合により、内側コア2、コイルC、及び外側コア3は実質的に同心状に保持され、コイルCは引き出した両端部以外の部分が実質的にコア1に覆われる。リアクトルL1では、内側コア2と上端部コア4uとの間に隙間を設けて、この隙間をエアギャップとしている。なお、接合部分に接着剤などを介在させてもよい。
上記構成を具えるリアクトル用コアは、外側コアと端部コアとが互いに嵌合する係合部を具えることで、両者の位置合わせを簡単に行うことができるため、両者を接合する際の位置合わせを短時間で行えて、組立作業性に優れる。特に、実施例1に示すコア1は、内側コア2、外側コア3、及び端部コア4をそれぞれ分割片とすることで、内側コア2を形成し易く、かつ外側コア3にコイルCを配置させ易いため、組立作業性に優れる。
その他、コア1は、凹凸部3c,4cの歯すじをコイルの中心軸Ccに平行に設けているため、外側コア3に対して端部コア4を落とし込むように嵌め合わせられるので、接合が簡単である。また、コア1は、圧粉成形体としていることから、複数の凸部及び凹部を具え、かつポット型という複雑な形状でありながら簡単に製造でき、製造性に優れる。更に、コア1は、圧粉成形体であるため、成形精度に優れることに加えて、表面も平滑である。従って、コア1は、両コア3,4を接合した後に接合部分にずれが生じ難く、ずれにより生じた隙間からの漏れ磁束を抑制できる。加えて、コア1は、複数の凸部及び凹部を具えることで、接合面積が大きいことから接合部分に隙間が生じ難く、このことからも漏れ磁束を抑制できる。
また、リアクトルL1は、内側コア2に磁気飽和を回避するためのギャップを複数設け、コア1の外部に露出するギャップを設けない構成としているため、コア1から外部への漏れ磁束を実質的に無くすことができる。更に、リアクトルL1は、コア1内にコイルCを収納するため、コイルCの励磁による振動で生じる騒音の漏洩を低減する、放熱性に優れるという効果を奏する。加えて、コア1は、内側コア2と端部コア4との間にエアギャップを有する構成としており、ギャップ材gの寸法誤差をこのエアギャップで調整可能であり、ギャップ材gを高精度に形成する必要がない。この段落に記載の効果は、後述するポット型コアの実施例も同様に奏する。
(変形例1-1)
実施例1では、下端部コア4dと内側コア2全体とを接合する構成にしたが、図2(I)に示すように内側コア12の一部と下端部コア14dとが一体化された分割片10を利用することができる。分割片10は、下端部コア14dの内周面の一部から内側コア12の一部を構成する内側コア片12iが突出したT字状である。このような分割片10は、圧粉成形体とすると容易に製造できる。この内側コア片12iに、円形状の内側分割片12aとギャップ材gとを交互に積層した積層体を接着剤などで固定する。分割片10を利用することで、内側コア片12iを目印に上記積層体を接合できるため、このリアクトル用コアは、組立作業性に優れる。また、内側コア片12iを目印にしてコイルCの位置決めを行える。なお、分割片10が内側コア片12iを具える以外の構成は、実施例1と同様にする。
或いは、図2(II)に示すように上記分割片10と、内側コア12の一部と上端部コア14uとが一体化された分割片11とを利用することができる。つまり、分割片11も分割片10と同様に、上端部コア14uの内周面の一部から内側コア12の一部を構成する内側コア片12iが突出したT字状とする。この分割片11も圧粉成形体とすることで簡単に製造できる。上下端部コア14u,14dの双方に内側コア片12iを具えることで、内側コア片12iを目印として、内側コア12の中間部を構成する内側分割片12aとギャップ材gとの積層体を接合できるため、この積層体を所定の位置に精度よく接合することができる。なお、分割片10,11が内側コア片12iを具える以外の構成は、実施例1と同様にする。
(変形例1-2)
実施例1では、外側コア3と、両端部コア4u,4dの双方を接合する構成にしたが、いずれか一方、例えば、上端部コア4uと外側コア3とが一体化された断面C状の分割片を利用し、下端部コア4dと外側コア3とのみを接合する構成としてもよい。この分割片も圧粉成形体とすると簡単に構成することができる。このような分割片を利用することで、接合部分を低減し、接合部分に生じる隙間から漏れ磁束が発生することを効果的に抑制することができる。また、両端部コア4u,4dのいずれか一方、例えば、上端部コア4uと外側コア3の一方の周縁部とに係合部を設け、下端部コア4d及び外側コア3の他方の周縁部に係合部を設けず、下端部コア4dと外側コア3の下端面との間にエアギャップを設ける構成としてもよい。このとき、両端部コア4u,4dと内側コアとを接合し、一体にする。
(変形例1-3 スキュー構造)
実施例1では、外側コアと端部コアに設ける係合部として、歯すじがコイルの中心軸に平行する凹凸部を説明した。ここでは、歯すじがコイルの中心軸(に平行な直線)に交差する凹凸部を具えるリアクトル用コアを説明する。図3(I)は、本発明リアクトル用コアを構成する外側コアの上面図、(II)は、同外側コアの周縁近傍の側面図、(III)は、本発明コアを構成する端部コアの上面図、(IV)は、同端部コアの側面図、(V)は、外側コアの成形に用いる成形治具を説明する断面図である。図3に示す外側コア23、及び端部コア24は、歯すじの形状が異なる以外の点は、実施例1に示すコア1と同様であるため、ここでは歯すじ形状を中心に説明し、それ以外の点は説明を省略する。
外側コア23は、実施例1の外側コア3(図1)と同様にその両周縁部にコイル(コア23)の周方向に連続する凹凸部23cを有する。この凹凸部23cの基本的構成は、外側コア3の凹凸部3cと同様であり、複数の凸部23aと凹部23bとから構成される。凸部23a及び凹部23bは、中心軸Cc方向に見た場合、扇状であり(図3(I))、外側コア23の外側から見た場合(図3(II))、平行四辺形状である。即ち、凹凸部23cは、その歯すじ23tがコイルの中心軸Cc(に平行な直線)に交差する直線となるように設けており、いわゆるスキュー構造となっている。端部コア24は、実施例1の端部コア4(図1)と同様にその周縁部に連続した凹凸部24cを有する歯車状である。凹凸部24cの基本的構成は、端部コア4の凹凸部4cと同様であり、複数の凸部24aと凹部24bとから構成される。但し、凹凸部24cの歯すじ24tは、凹凸部23cと同様に中心軸Ccに交差する。外側コア23の凹凸部23cと、端部コア24の凹凸部24cとは互いに嵌合し、外側コア23に対して端部コア24をコイル(コア24)の周方向に回し込むようにして嵌め合わせることができる。
コア23,24は、磁性材料からなる粉末を所定の金型に充填してパンチにより加圧して成形した圧粉成形体である。コア23,24は、以下のようにして形成する。円筒状の部材を形成した後、或いは端面に比較的大きな凸部を具える円筒状の部材を形成した後、所定の形状の凹凸部となるように凸部を切削することで、コア23を形成することができる。コア24は、円板状の部材を形成した後、或いは、周縁部に比較的大きな凸部を具える歯車状の部材を形成した後、所定の形状の凹凸部となるように凸部を切削することで形成することができる。
或いは、コア23の形成に、コア24の凹凸部24cと同様のスキュー構造を有する凹凸部を設けたパンチを、コア24の形成に、コア23の凹凸部23cと同様のスキュー構造を有する凹凸部を設けたパンチを利用してもよい。このとき、パンチ或いは金型は、加圧成形しながら回転できるといった特別な機能を具えるようにする。例えば、外側コア23を形成する場合、図3(V)に示すように円柱状の内金型28iと円筒状の外金型28oとの間に、凹凸部を有する円筒状の下パンチ29dを挿入し、金型28i,28o及び下パンチ29dで囲まれる空間に材料粉末27を充填する。そして、金型28i,28o間の上方から、凹凸部を有する円筒状の上パンチ29uを移動して、周方向に回転させながら下方に移動させると共に、下パンチ29dを周方向に回転させながら上方に移動させ、両パンチ29u,29dで粉末27を加圧する。各パンチ29u,29dの回転方向は、形成する凹凸部に応じて変更する。加圧後、成形時と逆方向にパンチ29u,29dを回転させながら金型28i,28o間から引き抜くことで、上記凹凸部を有するコア23を形成できる。ここで説明したコアの成形方法は一例であり、上記に限定されない。例えば、上下のパンチがそれぞれ分割構造を有していてもよいし、いずれか一方のパンチは、回転せず、上下方向の移動のみを行う構成としてもよいし、下パンチが動かず、金型が上下方向に移動して、成形体が金型から抜ける構成にしてもよい。
係合部をスキュー構造の凹凸部とすることで、接着剤などを用いなくても、外側コア23と端部コア24とを強固に接合することができ、接合後、両者を互いに抜け難くすることができる。従って、この外側コア23と端部コア24とを有するリアクトル用コアでは、組立後にケースに収納する際などで、端部コア24の抜け落ちを防止できる。また、このリアクトル用コアは、係合部をスキュー構造の凹凸部とすることで、実施例1のコア1と比較して接合面積をより大きくできることから、接合部分に生じる隙間を低減して、漏れ磁束の低減を図ることができる。更に、圧粉成形体とすることで、複雑な形状の係合部を有するコアを簡単に形成することができる。
(変形例1-4 階段構造)
実施例1では、外側コアの外側から見たとき、接合部分(合わせ目)が連続した凹凸を描く構成を説明した。ここでは、外側コアの外側から見たとき、接合部分が直線状であり、コイルの中心軸を通る平面で切断したとき、接合部分が凹凸を描く構成を説明する。図4(I)は、本発明リアクトル用コアを具えるリアクトルをコイルの中心軸Ccを通る平面で切断した際の断面図、(II)は、このリアクトル用コアを構成する端部コアの斜視図、(III)は、このリアクトル用コアを構成する外側コアの周縁部分を示す斜視断面図である。図4に示すリアクトルL2の基本的構成は、実施例1のリアクトルL1と同様であり、コイルCとリアクトル用コア30とを具える。コア30は、複数の分割片(内側コア32,外側コア33,端部コア34)を組み合わせて構成される。このコア30は、外側コア33の周縁部と端部コア34の周縁部に設けられた係合部の形状がコア1と異なっており、係合部の形状以外の点はコア1と同様であるため、ここでは、係合部を中心に説明し、それ以外の点は説明を省略する。
外側コア33は、円筒状であり、その両周縁の内周側をその周方向に沿って一部切り欠いている。従って、外側コア33の周縁近傍は、外周側が高い凸部33aと、内周側が低い凹部33bとからなる断面階段状の凹凸部33cを具える。この凸部33a及び凹部33bは、外側コア33の周方向に連続している。端部コア34は、円板状であり、周縁の外周側をその周方向に沿って一部切り欠きている。従って、端部コア34における外側コア33との接合側(内周側)は、中央部に円板状の凸部34aを有し、外周側に円環状の凹部34bを有する。端部コア34は、このような凸部34a及び凹部34bとからなる断面階段状の凹凸部34cが設けられている。外側コア33の凹凸部33cと、端部コア34の凹凸部34cとは互いに嵌合し、外側コア33に対して端部コア34を落とし込むようにして嵌め合わせることができ、両コア33,34を簡単に接合できる。なお、コア30は、圧粉成形体である。
コア30は、係合部の形状が比較的簡単であり、実施例1の係合部と比較して容易に高精度に形成することができ、製造性に優れる。また、高精度に係合部を形成することで、コア30は、寸法誤差を低減し易いため、接合部分に隙間が生じてこの隙間から漏れ磁束が生じることを効果的に防止することができる。
(変形例1-5 積層体)
上記実施例1では、圧粉成形体からなるコアを説明したが、磁性材料からなる板材、例えば電磁鋼板を利用したコアとしてもよい。例えば、内側コアのコア片は、電磁鋼板をロール状に巻いた中空の円筒状体や中実の円柱状体、或いは電磁鋼板を同心円状に積層させた積層円筒状体や積層円柱状体、その他、円形状の電磁鋼板を複数積層させることで形成する。端部コアは、例えば、内側コアと同様にして作製した電気鋼板からなる円筒状体や円柱状体、或いは積層円筒状体や積層円柱状体に後加工で凹凸を設けて最終形状に形成したり、歯車状の電磁鋼板を複数積層させることで形成する。外側コアは、電磁鋼板をロール状に巻いた円筒状体、或いは、電磁鋼板を同心円状に貼り合わせた積層円筒状体により形成し、この電磁鋼板として、事前に凹凸形状を設けたものを使用しても構わないし、これら円筒状体に後加工で凹凸を形成しても構わない。円筒状体の継ぎ目は、溶接により接合したり、接着剤などで固定することが挙げられる。
なお、変形例1-3で説明したスキュー構造の凹凸部を具えるコアとする場合、コアに発生する磁束が、積層させた板材の積層面同士が接合された部分を通過する場合、損失が増加する。従って、端部コアは、圧粉成形体で作製することが好ましく、他の外側コア及び内側コアは、板材で作製しても構わない。
<実施例2>
実施例1では、外側コアと端部コアとに互いに嵌合する係合部を具える構成を説明した。ここでは、内側コアと端部コアとに互いに嵌合する係合部を具える構成を説明する。図5(I)は、本発明リアクトル用コアを具えるリアクトルをコイルの中心軸Ccを通る平面で切断した際の断面図、(II)は、端部コアの斜視図である。図5に示すリアクトルL3の基本的構成は、実施例1のリアクトルL1と同様であり、コイルCとリアクトル用コア40とを具える。コア40は、複数の分割片(内側コア42,外側コア43,端部コア44)を組み合わせて構成される。このコア40は、内側コア42及び端部コア44に互いに嵌合し合う係合部を具える点がコア1と異なっており、係合部に関する点以外はコア1と同様であるため、ここでは、係合部を中心に説明し、それ以外の点は説明を省略する。
内側コア42は、実施例1の内側コア2と同様に円板状の内側分割片42aとギャップ材gとを交互に積層した積層体であり、上下端に内側分割片42aを配置している。端部コア44は、その内周側に、内側コア42の一部、具体的には上下端に配置された内側分割片42aの一部が嵌め込まれる円形状の係合溝44aを具える。内側コア42を端部コア44の係合溝44aに嵌め込むことで、両コア42,44を互いに接合することができる。なお、コア40は、圧粉成形体である。
上記構成を具えるリアクトル用コアは、内側コアと端部コアとが互いに嵌合する係合部を具えることで、両者を組み合わせる際、両者の位置合わせを簡単に行うことができ、位置合わせを短時間で行えるため、組立作業性に優れる。また、端部コアに対する内側コアの位置が確実に決められるため、リアクトル用コアに対するコイルの位置決めに、端部コアに接合された内側コアを利用できる。更に、このコアは、圧粉成形体とすることで、簡単に製造することができる。
(変形例2-1)
上記実施例2では、内側コア及び端部コアに係合部を具える構成について説明したが、この構成と実施例1の構成とを組み合わせた構成、つまり、外側コアと端部コアとが互いに嵌合し合う係合部を有すると共に、内側コアと端部コアとが互いに嵌合し合う係合部を具える構成とすることができる。このような構成のリアクトル用コアは、内側コアと端部コアとの組み立て、外側コアと端部コアとの組み立てを容易に行うことができ、作業性により優れる。
<実施例3>
実施例1では、外側コアと端部コアとを互いに接合する構成を説明した。ここでは、外側コアの一部と端部コアとが一体化されて、外側コアを構成する外側分割片同士を接合する構成について説明する。図6(I)は、本発明リアクトル用コアを具えるリアクトルをコイルの中心軸を通る平面で切断した状態を示す断面図、(II)は、外側コア及び端部コアを具える断面]状の分割片の斜視図である。図6に示すリアクトルL4の基本的構成は、実施例1のリアクトルL1と同様であり、コイルCとリアクトル用コア50とを具える。コア50は、複数の分割片、具体的には、内側コア52と断面]状の]状分割片51a,51bとを組み合わせて構成される。このコア50は、外側コア53が一対の外側分割片53u,53dから構成され、これら外側分割片53u,53dに互いに嵌合し合う係合部を具える。分割形態に関する点以外は実施例1と同様であるため、ここでは、分割片を中心に説明し、それ以外の点は説明を省略する。
]状分割片51aは、外側コア53の一部(図6(I)において上方側部分)を構成する円筒状の外側分割片53uと円板状の上端部コア54uとが一体になった断面]状の分割片である。]状分割片51bは、外側コア53の他部(同下方側部分)を構成する円筒状の外側分割片53dと円板状の下端部コア54dとが一体になった断面]状の分割片である。各分割片51a,51bの開口部、つまり、外側分割片53u,53dの周縁部には、互いに嵌合し合う凹凸部(係合部)53cu,53cdを設けている。凹凸部53cu,53cdは、実施例1の外側コア3に設けられた凹凸部3cと同様の形状であり、その歯すじ53tがコイルの中心軸Ccに平行な直線となるように設けている。なお、各外側分割片53u,53dには、コイルCの端部が挿通配置できるように切欠き部51c,51dを設けている。このような]状分割片51a,51bを具えるコア50は、圧粉成形体としている。
このコア50を具えるリアクトルL4は、以下のようにして組み立てる。まず、円板状の内側分割片52aとギャップ材gとを交互に積層して一体化し、内側コア52を作製する。]状分割片51bの内周にコイルCを嵌め込み、コイルCの一端部を外側分割片53dの切欠き部51dに配置する。必要に応じて、コイルCを一時的に変形させて分割片51bにコイルCを配置してもよい。次に、コイルCの内周に内側コア52を挿通し、内側コア52の下端を下端部コア54dの所定の位置に接着剤などを用いて接合する。そして、コイルCの他端部を外側分割片53uの切欠き部51cに配置すると共に、]状分割片51aと]状分割片51bとを接合する。この接合は、両分割片51a,51bの周縁部にそれぞれ設けられた凹凸部53cu,53cdを互いに嵌合させることで行う。凹凸部53cu,53cdを互いに嵌合させることで、両分割片51a,51bの位置合わせを容易に行うことができる。また、この接合により、内側コア52,コイルC,外側コア53は実質的に同心状に保持される。
上記構成を具えるリアクトル用コア50は、両]状分割片に互いに嵌合可能な係合部を具えることで、両者を組み合わせる際に位置合わせを簡単に行えるため位置合わせの時間が短く、組立作業性に優れる。特に、コア50は、両]状分割片が同じ形であるため、二つの分割片を一つの金型で成形することができ、製造性に優れる。また、このコア50は、実施例1のコア1と同様に凹凸部53cu,53cdの歯すじ53tをコイルの中心軸Ccに平行に設けているため、接合が簡単である。更に、コア50は、圧粉成形体であることから、実施例1のコア1と同様に製造性に優れることに加えて、高精度に成形でき、かつ表面が平滑であることから、漏れ磁束を防止することができる。
(変形例3-1)
上記実施例3では、係合部として、コイルの中心軸に平行な歯すじを有する凹凸部を説明したが、変形例1-3で説明した同中心軸に交差する歯すじを有するスキュー構造の凹凸部としてもよいし、変形例1-4で説明した階段状の凹凸部としてもよい。その他、山と谷とを連続させた鋸刃状や波状など、種々の形状の係合部を利用することができる。
(変形例3-2)
上記実施例3では、]状分割片と内側コア全体とを接合する構成にしたが、図7(I)に示すように内側コアの一部と]状分割片とが一体化された分割片60を利用することができる。分割片60は、]状分割片の一部を構成する端部コア64の内周面の一部から内側コア62の一部を構成する内側コア片62iが突出した断面E状の分割片である。このような分割片60は、圧粉成形体とすると簡単に構成することができる。内側コア片62iに、円形状の内側分割片62aとギャップ材gとを交互に積層した積層体を接着剤などで固定する。端部コア64と内側コア62の一部が一体であるため、内側コア片62iを目印にして、内側コア62の中間部を構成する積層体を接合することができるため、このリアクトル用コアは、組立作業性に優れる。また、内側コア片62iを目印にしてコイルCの位置決めを行える。
或いは、図7(II)に示すように]状分割片に内側コア72の一部が嵌め込まれる係合溝74aを具える分割片70を利用することができる。分割片70は、実施例2で説明した構成を実施例3の]状分割片に組み合わせた構成である。この分割片70は、その一部を構成する端部コア74の内周側に内側コア72の一部が嵌め込まれる係合溝74aを具える。このような分割片70を具えるリアクトル用コアは、内側コア72の位置決めを簡単に行うことができ、組立作業性に優れる。また、内側コア72の位置が固定されるため、内側コア72を目印として、コイルCを所定の位置に確実に配置することができる。
<実施例4>
実施例1〜3では、ポット型コアについて説明したが、E-Eコア、E-Iコアとすることができる。例えば、E-Eコアとする場合、一対のE形コアを組み合わせて構成する。各E形コアは、直方体状の端部コアの両端部から二つの板状部材を突出させて外側分割片とし、端部コアの中心部から円柱状部材を突出させて内側分割片とし、これらを一体にして構成する。両E形コアの外側分割片には、互いに嵌合し合う係合部を設けておく。そして、内側分割片にコイルを配置し、両E形コアの外側分割片を接合させることで、リアクトルを構成することができる。両E形コアの内側分割片間は、エアギャップとしてもよいし、ギャップ材を介在させてもよい。内側分割片間を接合する場合は、係合部を設ける。また、E-EコアやE-Iコアを構成する内側コア、外側コア、及び端部コアは、圧粉成形体としてもよいし、電磁鋼板を複数積層させて形成してもよい。
なお、上述した実施例1〜4及び変形例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、上記実施例では、内側コアを円筒状、外側コアを円柱状としているが、このような円形状に限らず、内側コアは柱状であり、外側コアは筒状であり、かつ両コアの間にコイルが配置可能な種々の形状が適用できる。
本発明リアクトル用コアは、リアクトルの構成部材に利用することができる。得られたリアクトルは、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車のコンバータ部におけるリアクトルとして利用することができる。
(I)は、本発明リアクトル用コア及びコイルを具えるリアクトルの分解斜視図、(II)は、このリアクトルの断面図、(III)は、本発明リアクトル用コアを構成する外側コアの上面図、(IV)は、同外側コアの周縁近傍の側面図、(V)は、本発明リアクトル用コアを構成する端部コアの上面図、(VI)は、同端部コアの側面図である。 端部コアと内側コアの一部が一体である本発明リアクトル用コアを構成する分割片をコイルの中心軸を通る平面で切断した状態を示す断面図であり、(I)は、内側コア及び下端部コア、(II)は、内側コア及び上下端部コアを示す。 (I)は、スキュー構造の凹凸部を具える本発明リアクトル用コアを構成する外側コアの上面図、(II)は、同外側コアの周縁近傍の側面図、(III)は、同本発明コアを構成する端部コアの上面図、(IV)は、同端部コアの側面図、(V)は、外側コアの成形に用いる成形治具を説明する断面図である。 (I)は、階段状の係合部を具える本発明リアクトル用コア及びコイルを具えるリアクトルの断面図、(II)は、このリアクトル用コアを構成する端部コアの斜視図、(III)は、このリアクトル用コアを構成する外側コアの周縁部分の斜視断面図である。 (I)は、内側コアと端部コアとに係合部を具える本発明リアクトル用コア及びコイルを具えるリアクトルの断面図、(II)は、このリアクトル用コアを構成する端部コアの斜視図である。 (I)は、断面]状の分割片を具える本発明リアクトル用コア及びコイルを具えるリアクトルの断面図、(II)は、同分割片の斜視図である。 断面]状の分割片を具える本発明リアクトル用コア及びコイルを具えるリアクトルをコイルの中心軸Ccを通る平面で切断した状態を示す断面図であり、(I)は、内側コアの一部を一体に具える]状分割片を具える例、(II)は、端部コアに係合溝を具える]状分割片を具える例を示す。
符号の説明
1,30,40,50 リアクトル用コア 2,12,32,42,52,62,72 内側コア
2a,12a,42a,52a,62a 内側分割片 3,23,33,43,53 外側コア 3a,23a,33a 凸部
3b,23b,33b 凹部 3c,23c,33c,53cu,53cd 凹凸部 3d1,3d2,51c,51d 切欠き部
3t,23t 歯すじ 4,24,34,44,64,74 端部コア 4u,14u,54u 上端部コア
4d,14d,54d 下端部コア 4a,24a,34a 凸部 4b,24b,34b 凹部 4c,24c,34c 凹凸部
4t,24t,53t 歯すじ 10,11,60,70 分割片 12i,62i 内側コア片 27 材料粉末
28i 内金型 28o 外金型 29u 上パンチ 29d 下パンチ 44a,74a 係合溝
51a,51b ]状分割片 53u,53d 外側分割片
L1,L2,L3,L4 リアクトル C コイル g ギャップ

Claims (8)

  1. コイルの内周側に配置される内側コアと、コイルの外周側に配置される外側コアと、コイルの各端面側にそれぞれ配置される端部コアとを具えるリアクトル用コアであって、
    内側コア、外側コア、及び端部コアのうち、互いに接合される少なくとも一組のコア対は、組み合わせる際に互いに嵌合可能な係合部を具えることを特徴とするリアクトル用コア。
  2. コア対は、外側コア及び端部コアであり、
    外側コアの周縁部及び端部コアの周縁部にそれぞれ係合部を具えることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル用コア。
  3. コア対は、内側コア及び端部コアであり、
    端部コアに設けられた係合部は、内側コアの一部が嵌め込まれる係合溝であることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル用コア。
  4. 係合部は、凹部と凸部とが連続した歯形状の凹凸部であり、その歯すじがコイルの中心軸に交差するスキュー構造を有することを特徴とする請求項2に記載のリアクトル用コア。
  5. コイルの内周側に配置される内側コアと、コイルの外周側に配置される外側コアと、コイルの各端面側にそれぞれ配置される端部コアとを具えるリアクトル用コアであって、
    外側コアは、複数の外側分割片を組み合わせて構成され、
    互いに接合される少なくとも一組の外側分割片対は、組み合わせる際に互いに嵌合可能な係合部を具えることを特徴とするリアクトル用コア。
  6. リアクトル用コアは、圧粉成形体からなることを特徴とする請求項1又は5に記載のリアクトル用コア。
  7. 外側コアは、コイルの外周を覆う筒状であることを特徴とする請求項1又は5に記載のリアクトル用コア。
  8. 内側コアは、複数の内側分割片を組み合わせて構成され、
    少なくとも二組の内側分割片対は、内側分割片間にギャップを介在していることを特徴とする請求項1又は5に記載のリアクトル用コア。
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