JP2008041282A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器 Download PDF

Info

Publication number
JP2008041282A
JP2008041282A JP2006210179A JP2006210179A JP2008041282A JP 2008041282 A JP2008041282 A JP 2008041282A JP 2006210179 A JP2006210179 A JP 2006210179A JP 2006210179 A JP2006210179 A JP 2006210179A JP 2008041282 A JP2008041282 A JP 2008041282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
heating
heating coil
inverter
return yoke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006210179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4494374B2 (ja
Inventor
Jun Fumiya
潤 文屋
Miyuki Takeshita
みゆき 竹下
Hiroyasu Shiichi
広康 私市
Katsuten Sekine
加津典 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2006210179A priority Critical patent/JP4494374B2/ja
Publication of JP2008041282A publication Critical patent/JP2008041282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4494374B2 publication Critical patent/JP4494374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Induction Heating Cooking Devices (AREA)

Abstract

【課題】加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることのできる誘導加熱調理器を得る。
【解決手段】直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、前記加熱コイルの下方に配設された高透磁率材料とを備えた誘導加熱調理器であって、前記各加熱コイルのインダクタンスをそれぞれ略一致させることを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関するものである。
従来、複数の加熱コイルを有する電気調理器に関する技術として、『ボディ内に着脱自在に収納される鍋12の底面部を加熱する第1の加熱コイル13と、前記鍋12の底側面部を加熱する第2の加熱コイル14とを備え、前記第1の加熱コイル13と第2の加熱コイル14を、各々独立に通電』し、『第1の加熱コイルと第2の加熱コイルは、その入力電力を略同一としてなる』というものが提案されている(特許文献1)。
また、加熱コイルと被加熱物との間のギャップを可変させ、インダクタンスを可変とする技術として、『直流電源と、前記直流電源の一端に接続される加熱コイルと、前記加熱コイルの他端と前記直流電源の他端に接続される第一スイッチング素子と、前記加熱コイルと共振回路を形成する第一共振コンデンサと、前記加熱コイルまたは前記第一共振コンデンサと並列接続される第二スイッチング素子と第二共振コンデンサの直列回路と、前記加熱コイルと負荷との間隙(以後、「ギャップ」と称する。)を変えるギャップ切替手段を有するインバータ回路と、前記インバータ回路を駆動・制御する駆動制御回路を備え、前記駆動制御回路は、前記両スイッチング素子を一定周波数で交互に導通するとともに、前記ギャップ切替手段は、前記加熱コイルにより加熱される負荷に応じてギャップを切替えてなる誘導加熱調理器。』というものが提案されている(特許文献2)。
また、『調理容器を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下部に配設され前記調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル下方に磁性体を保持するとともに、前記加熱コイルを保持する加熱コイル保持部材とを有し、前記加熱コイル保持部材に絶縁板を載置し、絶縁板の厚みでトッププレートと加熱コイルとのギャップを所定の距離に維持した誘導加熱調理器。』というものも提案されている(特許文献3)。
さらには、有限要素法を用いて被加熱物とリターンヨークから加熱コイルのインダクタンス値を導出しているものもある(非特許文献1)。
特開平10−113278号公報(要約、請求項4) 特開平10−154575号公報(請求項4) 特開2005−122964号公報(請求項1) AN INVESTIGATION OF THE ANALYTICAL COMPUTATION OF INDUCTANCE AND AC RESISTANCE OF THE HEAT−COIL FOR INDUCTION COOKERS.(電磁調理器用加熱コイルのインダクタンスと交流抵抗の計算解析検討),IEEE(1993年)P.1113〜1119
略同心上且つ略同一平面上に配された径の異なる渦巻形状で形成される複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器において、インバータにより複数の加熱コイルに同時通電して被加熱物を誘導加熱する場合、各々の加熱コイル電流波形の間で位相差(以下、「コイル電流位相差」と称す)が生じ、交番磁束の打ち消し合いが起こることから加熱効率が低下する場合があるという課題があった。
また、加熱効率の低下を回避するためにコイル電流位相差を0に近づけると、加熱効率は向上するものの、コイル電流が減少し所定電力投入が困難となる場合があるという課題もあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることのできる誘導加熱調理器を得ることを目的とするものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、
直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
前記加熱コイルの下方に配設された高透磁率材料(以後、リターンヨークと呼ぶ)とを備えた誘導加熱調理器であって、
前記各加熱コイルのインダクタンスをそれぞれ略一致させることを特徴とする。
本発明に係る誘導加熱調理器によれば、加熱効率の低下を回避するとともに、所定電力投入を容易にすることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成図を示すものである。
図1において、商用電源1からの電圧は、整流回路2および平滑回路3により直流電圧となり、アーム4a〜4cを有するインバータに供給される。
インバータのアーム4a〜4cは、それぞれスイッチング素子を有し、アーム4cを共通アームとして、アーム4aとアーム4cで1つのフルブリッジインバータを構成するとともに、アーム4bとアーム4cでもう1つのフルブリッジインバータを構成する。
アーム4aとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータの出力段には、内側コイル(以下、「コイル5a」と称す)と共振コンデンサ6aの直列共振回路が接続される。
アーム4bとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータの出力段には、外側コイル(以下、「コイル5b」と称す)と共振コンデンサ6bの直列共振回路が接続される。
コイル5aとコイル5bは、その線材が略同心状且つ略同一平面上に配された径の異なる渦巻形状で形成されている。
制御手段7は、インバータの各アームの駆動を制御する信号を出力する。
図2は、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
図1のコイル5aとコイル5bは、コイルベース10により一体化固定されている。
また、コイル5aとコイル5bの下方にはコイルベース10を介して高透磁率材料(以下、「リターンヨーク9」と称す)が配されている。
コイル5a、コイル5bの上面には、天板11を介して被加熱物8が載置される。
なお、本発明における「被加熱物載置手段」は、上記天板11が該当する。
上記のように構成された加熱コイルにおいて天板11の上面に被加熱物8が載置されると、コイル5aとコイル5bはそれぞれ、被加熱物8とリターンヨーク9による磁界強度で決定するインダクタンス値La、Lbを有することになる。
コイル5aは共振コンデンサ6a(容量Ca)と直列共振回路を形成し、またコイル5bは共振コンデンサ6b(容量Cb)と別の直列共振回路を形成している。
図3は、制御手段7が出力するアーム駆動用信号の波形を示すものである。
制御手段7からの出力信号によりアーム4aとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータが動作を始めることで、コイル5aと共振コンデンサ6aの直列共振回路が通電される。
また、アーム4bとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータが動作を始めることでコイル5bと共振コンデンサ6bの直列共振回路が通電される。
これら同時通電により、コイル5aとコイル5bの上面に載置された被加熱物8は誘導加熱される。
このとき、共通アーム4cを基準として、アーム4aの駆動信号とアーム4bの駆動信号には、位相差が生じる場合がある(以下、「火力設定位相差」と称す)。
以下、この火力設定位相差に起因して生じる、各アームに流れる電流の変化と、入力電力の変化とについて説明する。
図4は、コイル5aに流れる電流とコイル5bに流れる電流の波形を図示するものである。
図1のように、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルにより被加熱物8を誘導加熱した時、コイル5a、5bと共振コンデンサ6a、6bからなる直列共振回路の定数(加熱コイルインダクタンスLa、Lb値と共振コンデンサ容量Ca、Cb値)によっては、コイル5aに流れる電流(以下、「内コイル電流」と称す)とコイル5bに流れる電流(以下、「外コイル電流」と称す)との間に図4(A)に示すようなコイル電流位相差が生じる。
しかし、La値とLb値が略一致した加熱コイルを用いた場合は、図4(B)に示すようにコイル電流位相差≒0でコイル電流が増大し、インバータへの入力電力も増大することで所定電力投入が可能となる。そしてこの時加熱効率は最大値を得ることになる。
本発明者は、上記の裏づけとなる、La値とLb値が大きく異なった加熱コイルを用いた場合のコイル電流位相差や加熱効率等のデータ(後述の図5)を得ている。次に、このデータについて説明する。
図5は、制御手段7から出力されるアーム4aとアーム4bの駆動信号(図3を参照)の位相差を様々に変化させた時のグラフである。
図5によると、火力設定位相差の変化に伴って、コイル電流やコイル電流位相差、インバータへの入力電力、加熱効率が変化していることが分かる。
加熱効率は、コイル電流位相差が大きくなるほど低下するが、これは交番磁束の打ち消し合いが起こり、コイル損失が増大することに起因する。
加熱効率を向上させるため、火力設定位相差を調整することでコイル電流位相差≒0とすると(図5の点線部)、加熱効率は向上する一方で、コイル電流が減少することによりインバータへの入力電力も減少してしまい、所定電力投入が困難となる問題が発生する。即ち、加熱効率の向上と所定電力投入とを両立させることが困難になるという課題が生ずる。
しかし、La値とLb値が略一致した加熱コイルを用いた場合は、先の図4(B)に示した通り、コイル電流位相差≒0でコイル電流が増大する。即ち、コイル電流位相差≒0でインバータへの入力電力も増大するので、コイル電流位相差≒0としたときであっても、所定電力を投入することが容易となる。
そして、コイル電流位相差≒0の時に加熱効率が最大値を得ることは、図5に示す通りである。
即ち、La値とLb値が略一致した加熱コイルを用いることにより、コイル電流位相差≒0とすることで加熱効率を最大化しながらも、所定電力投入を容易にすることを同時に達成できるのである。
そこで、本実施の形態1では、コイル5aとコイル5bのいずれか一方、又は双方の線材巻数を調整することにより、La≒Lbとなるようにしている。
巻数調整方法としては、La>Lbの場合はコイル5aの巻数を減らす、又はコイル5bの巻数を増やすようにし、La<Lbの場合はコイル5aの巻数を増やす、又はコイル5bの巻数を減らすことで行うことができる。
本実施の形態1では、略同心上且つ略同一平面上に配された加熱コイル個数を2つとしているが、その限りでは無く、加熱コイル個数を3つ以上としても良い。3つ以上とする場合、スイッチング素子で構成されるアーム個数を加熱コイル個数に応じて増設することで実現可能である。
また、本実施の形態1では、インバータ構成と火力制御方法を、3アームによる2フルブリッジインバータ位相可変制御としているが、その限りでは無く、4アームによる2フルブリッジインバータ位相可変制御や、2アームによる2ハーフブリッジインバータデューティ可変制御等としても効果は同様であることを記しておく。
以上のように、本実施の形態1によれば、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルのインダクタンス値を加熱コイル毎の巻数調整により略一致させるようにしているので、
コイル電流位相差をなくすことができ、加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。また、2つの加熱コイルは略同心上且つ略同一平面上としているため、非同心上且つ略同一平面上でインダクタンス値が略一致した2つの加熱コイルとした場合(左右に隣接させて設置、図示せず)と比較して、被加熱物底面の加熱むらがなくなり、均一加熱が可能となるという効果がある。
実施の形態2.
実施の形態1では、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルのインダクタンス値La、Lbの関係をLa≒Lbとするのに、加熱コイル毎に線材巻数を調整するようにした。
本発明の実施の形態2では、加熱コイルの線材と被加熱物との間隙(ギャップ)を加熱コイル毎に調整するようにしてインダクタンス値を略一致させる構成を示す。
図6は、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
図6において、コイルベース10は加熱コイル毎に設けられており、コイル5a下面のコイルベース10と、コイル5b下面のコイルベース10とは段差を有している。
従って、コイル5aと被加熱物8(天板11)との間のギャップは、コイル5bと被加熱物8(天板11)との間のギャップと異なる構成となっている。
また、コイル5aと被加熱物8との間のギャップは、制御手段7の出力信号に基づきコイルギャップ調整手段12を機械的に上下方向へ可動させ、これに伴いコイルベースを上下方向に移動させることにより調整できる構成としている。
リターンヨークは、加熱コイル毎に設けられたコイルベースに対応して設けられ、個々のコイルベースの下方に固定されている。即ち、リターンヨークは加熱コイル毎に設けられていることになる。図6においては、コイル5aに対応するリターンヨークをリターンヨーク9、コイル5bに対応するリターンヨークをリターンヨーク9’としている。
コイルギャップ調整手段12が上下方向へ可動すると、コイルベースと、その下方に固定されたリターンヨークとが、これに伴って上下方向に移動する。
その他の加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器の動作について説明する。
線材巻数で決定したインダクタンス値がLa>Lbの場合には、図6に示すようにコイル5aと被加熱物8とのギャップを小さくすることにより被加熱物内の渦電流による反発磁界によってLa値は小さくなり、La≒Lbとすることが可能となる。
La<Lbの場合には、コイル5aと被加熱物8とのギャップを大きくすることにより被加熱物内の渦電流による反発磁界は弱められLa値は大きくなり、La≒Lbとすることが可能となる。
このようにすることで、コイル5aとコイル5bのインダクタンス値を略一致させるに際し、物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも、コイルベース形状の工夫と、コイルギャップ調整手段12とにより、コイル5aと被加熱物8とのギャップを変化させ、インダクタンスを略一致にすることができる。
また、加熱コイルの個体ばらつきによりLa>Lbとなった場合には、コイル5aと被加熱物8とのギャップが小さくなるような信号を制御手段7からコイルギャップ調整手段12に供給することで、La≒Lb特性を有する加熱コイルを得ることが可能となる。
同様に、La<Lbとなった場合には、コイル5aと被加熱物8とのギャップが大きくなるような信号を制御手段7からコイルギャップ調整手段12に供給することで、La≒Lb特性を有する加熱コイルを得ることが可能となる。
このようにすることで、加熱コイル個体ばらつき(コイル電気特性のばらつき)が生じた時にもLa≒Lbとすることができる。
本実施の形態2においては、コイル5aと被加熱物8とのギャップを調整する(可変する)ようにしているが、この限りでは無く、コイル5bと被加熱物8とのギャップを調整する(可変する)ようにしても効果は同様であることを記しておく。
また、コイルが3つ以上ある場合は、例えばそれぞれの加熱コイル毎にコイルギャップ調整手段を設けることで、同様の効果が得られる。
なお、コイルギャップ調整手段12を設けない場合であっても、製品製造時の段階において、あらかじめLa≒Lbとなるようにギャップを調整しておくことにより、被加熱物8の材質・形状等が極端でなければ、同様の効果が得られる。
即ち、被加熱物8の径が極端に小さい(例えば小鍋)場合や、形状が長方形であるような場合を除けば、被加熱物8を天板11に載置した後も、La≒Lbの状態を維持することができる。
以上のように、本実施の形態2によれば、加熱コイルと被加熱物とのギャップを加熱コイル毎に調整し、インダクタンスを略一致させているので、
物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも2つの加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、コイル電流位相差をなくすことができることから加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。
また、加熱コイル工作上、コイル電気特性に個体ばらつきが生じても、コイルギャップ調整手段を用いることによりインダクタンス値を略一致させることが可能となり、加熱コイル個体ばらつきによる性能不具合を解消することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器は、複数の加熱コイルのインダクタンス値を略一致とするために調整を行う加熱コイルと被加熱物とのギャップを、最大で7mmまでに限定したものである。
加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態2と同様であり説明を省略する。
図7は、本発明者が実験で得た、加熱コイル(コイル5aとコイル5b)と被加熱物8とのギャップを様々に変化させた時の加熱コイル損失と加熱効率のデータを示す説明図である。以下、図7のデータについて説明する。
加熱コイル(コイル5aとコイル5b)の線材と被加熱物8とのギャップを4.5mm〜10.5mmの範囲で変化させた時の加熱コイル損失と加熱効率を測定したところ、図7に示すように、ギャップ増加に伴い加熱コイル損失は増大するが、加熱効率は約7mmまでは低下しないという結果であった。
コイル損失の増大は、インバータへの入力電力が一定である状態で、ギャップの増加に伴いコイル電流が増大するためであり、加熱効率の低下は、ギャップの増加に伴い被加熱物8への交番磁束が低減するためであるが、図7のデータから、交番磁束の低減割合はギャップ4.5mm〜7mm程度では変化が無いと言える。
ここで、本データでは天板11の厚みを4mmとしているため、「コイル線材と被加熱物とのギャップ7mm」時のコイル線材と天板11下面との距離は3mmであることに留意する。
以上のように、本実施の形態3によれば、加熱コイルの線材と被加熱物8とのギャップを7mm以下としているので、
ギャップ増加による加熱効率の低下を回避することができ、且つ複数の加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、高性能な誘導加熱調理器を提供することが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態2では、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルのインダクタンス値La、Lbの関係をLa≒Lbとするのに、加熱コイルの線材と被加熱物との間隙(ギャップ)を加熱コイル毎に調整するようにしたものであるが、本発明の実施の形態4においては、加熱コイルの線材とリターンヨークとの間隙(ギャップ)を加熱コイル毎に調整するようにしてインダクタンス値を略一致させる構成を示す。
図8は、本実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
図8において、リターンヨークは加熱コイル毎に設けられており、コイル5a下面のリターンヨーク9と、コイル5b下面のリターンヨーク9’とは段差を有している。
従って、コイル5aとリターンヨーク9との間のギャップは、コイル5bとリターンヨーク9’との間のギャップと異なる構成となっている。
また、コイル5aとリターンヨーク9とのギャップは、制御手段7の出力信号に基づきリターンヨークギャップ調整手段13を機械的に上下方向へ可動させ、これに伴いリターンヨークを上下方向に移動させることにより調整できる構成としている。
その他の加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態4に係る誘導加熱調理器の動作について説明する。
線材巻数で決定したインダクタンス値がLa>Lbの場合には,図8に示すようにコイル5aとリターンヨーク9とのギャップを大きくすることにより線材の磁界強度が弱まることからLa値は小さくなり、La≒Lbとすることが可能となる。
La<Lbの場合には、コイル5aとリターンヨーク9とのギャップを小さくすることにより線材の磁界強度が強まることからLa値は大きくなり、La≒Lbとすることが可能となる。
このようにすることで、コイル5aとコイル5bのインダクタンス値を略一致させるに際し、物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも、コイルベース形状の工夫とリターンヨークギャップ調整手段13により、コイル5aとリターンヨーク9とのギャップを変化させ、インダクタンスを略一致させることができる。
また、加熱コイルの個体ばらつきによりLa>Lbとなった場合には、コイル5aとリターンヨーク9とのギャップが大きくなるような信号を制御手段7からリターンヨークギャップ調整手段13に供給することで、La≒Lb特性を有する加熱コイルを得ることが可能となる。
同様に、個体ばらつきによりLa<Lbとなった場合には、コイル5aとリターンヨーク9とのギャップが小さくなるような信号を制御手段7からリターンヨークギャップ調整手段13に供給することで、La≒Lb特性を有する加熱コイルを得ることが可能となる。
このようにすることで、加熱コイル個体ばらつき(コイル電気特性のばらつき)が生じた時にもLa≒Lbとすることができる。
本実施の形態4においては、コイル5aとリターンヨーク9とのギャップを調整するようにしているが、この限りでは無く、コイル5bとリターンヨーク9’とのギャップを調整するようにしても効果は同様であることを記しておく。
また、コイルが3つ以上ある場合は、例えばそれぞれの加熱コイル毎にリターンヨークギャップ調整手段を設けることで、同様の効果が得られる。
なお、リターンヨークギャップ調整手段13を設けない場合であっても、製品製造時の段階において、あらかじめLa≒Lbとなるようにギャップを調整しておくことにより、被加熱物8の材質・形状等が極端でなければ、同様の効果が得られる。
即ち、被加熱物8の径が極端に小さい(例えば小鍋)場合や、形状が長方形であるような場合を除けば、被加熱物8を天板11に載置した後も、La≒Lbの状態を維持することができる。
以上のように、本実施の形態4によれば、加熱コイルとリターンヨーク9とのギャップを加熱コイル毎に調整し、インダクタンスを略一致させているので、
物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも2つの加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、コイル電流位相差をなくすことができることから加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。
また、加熱コイル工作上、コイル電気特性に個体ばらつきが生じても、リターンヨークギャップ調整手段を用いることによりインダクタンス値を略一致させることが可能となり、加熱コイル個体ばらつきによる性能不具合を解消することができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルのインダクタンス値La、Lbの関係をLa≒Lbとするのに、加熱コイルの線材とリターンヨークとの間隙(ギャップ)を加熱コイル毎に調整するようにした。
本発明の実施の形態5においては、リターンヨークの材質又はサイズを加熱コイル毎に異ならせるようにしてインダクタンス値を略一致させる構成を示す。
図9は、本実施の形態5に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2下面図である。
図9において、コイル5a下面のリターンヨーク9と、コイル5b下面のリターンヨーク9’とは材質、サイズのいずれか一方又はその双方を異ならせた構成となっている。
その他の加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態4と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態5におけるリターンヨーク9、9’について説明する。
線材巻数で決定したインダクタンス値がLa>Lbの場合には、リターンヨーク9の材質をリターンヨーク9’より低透磁率材料とする、又はリターンヨーク9のサイズをリターンヨーク9’よりも小さくすることによりLa値は小さくなり,La≒Lbとすることが可能となる。
La<Lbの場合には、図9に示すようにリターンヨーク9の材質をリターンヨーク9’より高透磁率材料とする、又はリターンヨーク9のサイズをリターンヨーク9’よりも大きくすることによりLa値は大きくなり、La≒Lbとすることが可能となる。
このようにすることで、コイル5aとコイル5bのインダクタンス値を略一致させるに際し、物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも、リターンヨークの素材や大きさを工夫することで、La≒Lbとすることができる。
本実施の形態5においては、リターンヨーク9の材質や大きさを、リターンヨーク9’と比較して変更させているが、この限りではなく、リターンヨーク9’の材質や大きさを変更させても効果は同様であることを記しておく。
また、リターンヨークの材質、サイズのいずれか一方のみを変更することとしたが、材質とサイズの双方を変更させることとしても効果は同様である。
また、図9においては、加熱コイルの下方に、加熱コイルの同心円中心から放射状にリターンヨークが配設された例を示したが、これに限られるものではなく、リターンヨーク9とリターンヨーク9’の材質、サイズのいずれか一方又はその双方を加熱コイル毎に異ならせるようにするものであれば、リターンヨークの配置形状は問わない。
以上のように、本実施の形態5によれば、リターンヨーク9とリターンヨーク9’の材質、サイズのいずれか一方又はその双方を加熱コイル毎に異ならせ、インダクタンスを略一致させているので、
物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも2つの加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、コイル電流位相差をなくすことができる。
これにより、加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。さらには、従来形状のコイルベース10でインダクタンス値を略一致させることができるため、設計が容易で安価な加熱コイルを得ることができる。
実施の形態6.
実施の形態5では、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルのインダクタンス値La、Lbの関係をLa≒Lbとするのに、リターンヨークの材質、サイズのいずれか一方又はその双方を加熱コイル毎に異ならせるようにした。
本発明の実施の形態6においては、複数の加熱コイルそれぞれの巻回始めと巻回終わり間の距離(巻きピッチ)を加熱コイル毎に調整する、又は複数の加熱コイルのうち、内側加熱コイル外径と外側加熱コイル内径との距離(スペース)、即ち加熱コイルの配置間隔を調整することによりインダクタンス値を略一致させる構成を示す。
図10は、本実施の形態6に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
図10は、図2と比較してコイル5aとコイル5b夫々の巻きピッチを調整する、又はコイル5a外径とコイル5b内径とのスペースを調整した場合であり、コイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由からコイル5aとコイル5bの線材巻数調整は行っておらずコイル5a、コイル5b共に図2と巻数を同値としている。
その他の加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態6における巻きピッチと加熱コイルスペースについて説明する。
コイル5aとコイル5bのインダクタンス値を略一致させるに際し、コイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合には、以下のようにしてインダクタンスの調整を行う。
(1)巻きピッチの調整
コイル5aとコイル5b夫々の巻きピッチ(図10の矢印部)を調整することでインダクタンスの調整を行う。これは線材の撚りピッチを大きくし、線材の巻きテンションを大きくして巻きピッチを小さくする、また線材の撚りピッチを小さくし、線材の巻きテンションを小さくして巻きピッチを大きくすることで調整可能である。
巻きピッチを小さくすると被加熱物8との重なり面積が減少するために被加熱物8と交錯する交番磁束が減少し、インダクタンス値は小さくなる。逆に巻きピッチを大きくすると被加熱物8との重なり面積が増加するために被加熱物8と交錯する交番磁束が増加し、インダクタンス値は大きくなる。
このようにして加熱コイルの線材巻数調整を行うことなく、インダクタンス値調整を行うことができる。
(2)加熱コイルの配置間隔の調整
コイル5a外径とコイル5b内径とのスペース(図10の矢印部)、即ち加熱コイルの配置間隔を調整することでインダクタンスの調整を行う。コイル5aとコイル5bは被加熱物8を介して電磁的結合しているため、スペースを変えることのみでインダクタンス値調整が可能である。
このようにして加熱コイルの線材巻数調整を行うことなく、インダクタンス値調整を行うことができる。
本実施の形態6においては、加熱コイルの巻きピッチを加熱コイル毎に調整する、又はコイル5aとコイル5bとの配置間隔を調整することとしたが、巻きピッチと配置間隔の双方を調整することとしても、同様の効果が得られることを付言しておく。
また、加熱コイルが3つ以上ある場合には、それぞれの加熱コイルの巻きピッチや配置間隔を調整することで、同様の効果が得られる。
以上のように,加熱コイルの巻きピッチを加熱コイル毎に調整する、又はコイル5a外径とコイル5b内径とのスペースを調整するようにしているので、
実施の形態5と同様に物理的制約やコイル損失抑制(=コイル電流抑制)の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にも2つの加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、コイル電流位相差をなくすことができる。
これにより、加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。さらには、従来形状のコイルベース10でインダクタンス値を略一致させることができるため、設計が容易で安価な加熱コイルを得ることができる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係る誘導加熱調理器は、複数の加熱コイルのインダクタンス値を略一致とするために調整を行う内側加熱コイル外径と外側加熱コイル内径との距離(スペース)、即ち加熱コイル間の配置間隔を、4mm以上に限定したものである。
加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態6と同様であり説明を省略する。
図11は、本発明者が実験で得た、コイル5aとコイル5b間スペースを様々に変化させた時のコイル5aとコイル5bの結合係数を算出したデータを示す説明図である。以下、図11のデータ説明を行う。
コイル5aとコイル5bのスペースを0mm〜8mmの範囲で変化させた時のコイル5aとコイル5bの結合係数を有限要素シミュレーションで算出したところ、スペースの増加に伴い結合係数は低下するという結果であった。
これは、スペースの増加に伴いコイル5aが発生する交番磁束がコイル5bを交錯しにくくなり、且つコイル5bが発生する交番磁束がコイル5aを交錯しにくくなることに起因する。
ここで、図1に示すインバータにて径(サイズ)の小さい被加熱物8(以下、「小鍋」と称す)を誘導加熱する際、制御手段7からの出力信号によりアーム4bの動作を停止して、アーム4aとアーム4cのみを動作させてコイル5aのみ通電で加熱動作を行う(以下、「小鍋モード駆動」と称す)ことが可能である。天板11上に小鍋が載置された場合に小鍋モード駆動とすることで、加熱効率の向上と漏洩磁束の低減を図ることができる。
しかし、コイル5aとコイル5bのスペースが小さく、コイル5aとコイル5bの結合係数が0.4以上となると、小鍋モード駆動時にコイル5bに“誘導電流”が多大に流れてしまい、漏洩磁束の増大につながる。
即ち、結合係数が0.4以下であれば“誘導電流”は少なく、漏洩磁束も低減されることから、結合係数を0.4以下とするのが望ましい。図11に示すデータより、結合係数が0.4以下となるのは、コイル5aとコイル5bのスペースが4mm以上の場合であることが分かる。
以上のように、コイル5aとコイル5bのスペースを4mm以上としているので、
小鍋モード駆動時の漏洩磁束を低減することができ、且つ複数の加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、高性能な誘導加熱調理器を提供することが可能となる。
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係る誘導加熱調理器は、複数の加熱コイルに流れるコイル電流を加熱コイル毎に調整することによりインダクタンス値を略一致させるものである。
加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態1〜7と同様であり説明を省略する。
次に、本実施の形態8に係る誘導加熱調理器動作について説明する。
先述のとおり、図1に示すインバータは制御手段7からの出力信号(図3)を受けて動作を行うが、アーム4c駆動信号に対するアーム4a駆動信号の位相や、アーム4c駆動信号に対するアーム4b駆動信号の位相(即ち、火力設定値)をそれぞれ可変することにより、内コイル電流値や外コイル電流値はそれぞれ変化する。
これら加熱コイル電流値とインダクタンス値との間には、下式(1)が成立する。
Figure 2008041282
即ち、制御手段7にて内コイル電流値と外コイル電流値を可変することにより、コイル5aとコイル5bのインダクタンス値がLa≒Lbとなるように調整することができる。
以上のように、複数の加熱コイルに流れるコイル電流を加熱コイル毎に調整するようにしているので、
物理的制約の理由等によりコイル5aとコイル5bの線材巻数調整が困難な場合にもインバータ制御方法の工夫で2つの加熱コイルのインダクタンス値を略一致させることができ、コイル電流位相差をなくすことができることから加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。
実施の形態9.
以上の実施の形態1〜8では、略同心上且つ略同一平面上に配された2つの加熱コイルのインダクタンス値La、Lbの関係をLa≒Lbとするための調整手段について述べたものであるが、本発明の実施の形態9においては、複数の加熱コイルの線材撚り数を加熱コイル毎に異ならせる構成を示す。
図12は、本実施の形態9に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
図12において、コイル5aとコイル5bには素線を複数撚り合わせたリッツ線材を使用している。その他の加熱コイル構成やインバータ構成は実施の形態1〜8と同様であり説明を省略する。
次に、本実施の形態9に係る誘導加熱調理器の動作と、加熱コイルの線材撚り数との関係について説明する。
実施の形態1〜8で示す調整手段によりコイル5aとコイル5bのインダクタンス値を略一致させ、図1に示すインバータのアーム4a、4b、4cを駆動させることでコイル5aとコイル5bに通電させる。
この動作により加熱コイル上面に載置された被加熱物8は誘導加熱されるが、この時コイル5aとコイル5bは各々に流れるコイル電流に応じて発熱するため、例えばコイルベース10下方からコイル5aとコイル5bの線材に向けて送風させることにより線材を冷却する必要がある。
しかしながら、必要冷却風量が得られないなどの場合はコイル線材を十分に冷却することができないため、リッツ線の最外円周を略同一としながら素線径を小さくして撚り数を多くする線材構造を採る。
例えば、加熱コイル内側(コイル5a近辺)の冷却能力が不足した場合、図12に示すように、コイル5aのリッツ線構造の最外円周を略同一としながら素線径を小さくして撚り数を多くすることでコイル5aの巻線抵抗を小さくし(表皮効果による)、コイル5aのコイル損失を低減させてコイル5a温度を低減する。
加熱コイル外側(コイル5b近辺)の冷却能力が不足した場合は、コイル5bのリッツ線構造の最外円周を略同一としながら素線径を小さくして撚り数を多くすることでコイル5bの巻線抵抗を小さくし(表皮効果による)、コイル5bのコイル損失を低減させてコイル5b温度を低減する。
ここで、巻数不変でリッツ線の最外円周を略同一としているため、素線径を小さくして撚り数を多くしてもインダクタンス値は略同一であり、故にコイル5aとコイル5bのインダクタンス値の関係は略一致が保たれる。
以上のように、本実施の形態9によれば、複数の加熱コイルをリッツ線構造とし,リッツ線の最外円周を略同一としながら素線径を変えることで、加熱コイルの冷却能力に応じて線材撚り数を加熱コイル毎に異ならせるようにしているので、
コイル温度が高い側のコイル温度を低減できると共に、複数の加熱コイルのインダクタンス値は略一致が保たれるため、コイル電流位相差をなくすことができることから加熱効率の低下を回避し、また所定電力投入を容易にすることができる。
さらに、加熱コイルの冷却能力に応じて加熱コイル毎の撚り数を決定するようにしているので、冷却能力の高い側の加熱コイルについては撚り数を少なくでき,安価な加熱コイルを得ることができる。
実施の形態10.
本発明の実施の形態10に係る誘導加熱調理器では、インバータを構成する複数のスイッチング素子を1つのモジュール(パワーモジュール)に収める構成について説明する。
図1におけるインバータ用アーム4a〜4cを構成する6つのスイッチング素子(IGBT等により構成される)は、ディスクリート部品による構成ではなく、IPM(Intteligent Power Module)として実装することができる。
IPMは、IGBTなどのパワーデバイスと、その駆動回路や保護回路などを組み込んで構成したモジュールである。
図1におけるインバータ用アーム4a〜4cを構成する6つのスイッチング素子をIPMに収めた構成とすることで、ノイズ耐性向上による信頼性の改善や、部品数削減による工作性の改善効果が得られる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成図を示すものである。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 制御手段7が出力するアーム駆動用信号の波形を示すものである。 コイル5aに流れる電流と、コイル5bに流れる電流との波形を図示するものである。 制御手段7から出力されるアーム4aとアーム4b駆動信号(図3を参照)のタイミングを様々に変化させた時のグラフである。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 加熱コイル(コイル5aとコイル5b)と被加熱物8とのギャップを様々に変化させた時の加熱コイル損失と加熱効率のデータを示す説明図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 実施の形態5に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2下面図である。 実施の形態6に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 コイル5aとコイル5b間スペースを様々に変化させた時のコイル5aとコイル5bの結合係数を算出したデータを示す説明図である。 実施の形態9に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
符号の説明
1 商用電源、2 整流回路、3 平滑回路、4a〜4c インバータ用アーム、5a〜5b 加熱コイル、6a〜6b 共振コンデンサ、7 制御手段、8 被加熱物、9〜9’ リターンヨーク、10 コイルベース、11 天板、12 コイルギャップ調整手段、13 リターンヨークギャップ調整手段。

Claims (17)

  1. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの下方に配設された高透磁率材料(以後、リターンヨークと呼ぶ)とを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、各加熱コイルの巻数を調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの上方に配設された被加熱物載置手段と、
    前記加熱コイルの下方に加熱コイル毎に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記被加熱物載置手段に被加熱物を載置した際に、前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、各加熱コイルと前記被加熱物載置手段との間のギャップを調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記加熱コイルと前記被加熱物載置手段との間のギャップを調整するギャップ調整手段と、
    前記ギャップ調整手段の動作を指示する信号を出力する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記加熱コイルを下方より支持するコイルベースを加熱コイル毎に設け、
    前記コイルベースの下方に、当該コイルベースが支持する加熱コイルに対応して設ける前記リターンヨークを固定し、
    前記ギャップ調整手段は、前記制御手段の出力する信号に基づき、前記コイルベースを上下方向に可動させることを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記加熱コイルと被加熱物との間のギャップの最大値を7mmとしたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  6. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの上方に配設された被加熱物載置手段と、
    前記加熱コイルの下方に加熱コイル毎に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記被加熱物載置手段に被加熱物を載置した際に、前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、前記加熱コイルと前記リターンヨークとの間のギャップを調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  7. 前記加熱コイルと前記リターンヨークとの間のギャップを調整するリターンヨークギャップ調整手段と、
    前記リターンヨークギャップ調整手段の動作を指示する信号を出力する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記リターンヨークギャップ調整手段は、
    前記リターンヨークを下方より支持するとともに、
    前記制御手段が出力する信号に基づき、上下方向に可動することを特徴とすることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱調理器。
  9. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの下方に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、前記リターンヨークの材質を調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  10. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの下方に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、前記リターンヨークのサイズを調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  11. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの上方に配設された被加熱物載置手段と、
    前記加熱コイルの下方に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記被加熱物載置手段に被加熱物を載置した際に、前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、各加熱コイルの巻きピッチを調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  12. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの上方に配設された被加熱物載置手段と、
    前記加熱コイルの下方に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記被加熱物載置手段に被加熱物を載置した際に、前記各加熱コイルのインダクタンスがそれぞれ略一致するように、各加熱コイルの配置間隔を調整したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  13. 前記配置間隔を4mm以上としたことを特徴とする請求項12に記載の誘導加熱調理器。
  14. 直流電圧を変換して高周波の交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータの出力段に接続され、それぞれ略同心円状且つ略同一平面上に配設された複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルの上方に配設された被加熱物載置手段と、
    前記加熱コイルの下方に配設されたリターンヨークとを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記被加熱物載置手段に被加熱物を載置した際に、前記加熱コイルのインダクタンスが略一致するように、前記インバータから供給され前記加熱コイルに流れるコイル電流を加熱コイル毎に調整することを特徴とする誘導加熱調理器。
  15. 前記加熱コイルをリッツ線構造とし、該リッツ線の最外円周を略同一としながら素線径を変えて、加熱コイル毎に線材撚り数を異ならせるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  16. 前記各加熱コイルを冷却する冷却手段を設け、
    当該冷却手段の加熱コイル毎の冷却能力に応じて、各加熱コイルの線材撚り数を調整したことを特徴とする請求項15に記載の誘導加熱調理器。
  17. 前記インバータを構成する複数のスイッチング素子を1つのモジュールに収めたことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
JP2006210179A 2006-08-01 2006-08-01 誘導加熱調理器 Active JP4494374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006210179A JP4494374B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 誘導加熱調理器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006210179A JP4494374B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 誘導加熱調理器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008041282A true JP2008041282A (ja) 2008-02-21
JP4494374B2 JP4494374B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=39176086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006210179A Active JP4494374B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 誘導加熱調理器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4494374B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011070873A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Panasonic Corp 誘導加熱装置ならびにそれを用いた誘導加熱調理器
CN103841679A (zh) * 2012-11-26 2014-06-04 松下电器产业株式会社 感应加热装置和使用该感应加热装置的煮饭器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5298849U (ja) * 1976-01-23 1977-07-26
JPH0233884A (ja) * 1988-07-21 1990-02-05 Fuji Electric Co Ltd 電磁調理器の誘導加熱装置
JPH05347180A (ja) * 1992-06-16 1993-12-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電磁誘導加熱調理器
JP2002043043A (ja) * 2000-07-19 2002-02-08 Fuji Electric Co Ltd 電磁誘導加熱装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5298849U (ja) * 1976-01-23 1977-07-26
JPH0233884A (ja) * 1988-07-21 1990-02-05 Fuji Electric Co Ltd 電磁調理器の誘導加熱装置
JPH05347180A (ja) * 1992-06-16 1993-12-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電磁誘導加熱調理器
JP2002043043A (ja) * 2000-07-19 2002-02-08 Fuji Electric Co Ltd 電磁誘導加熱装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011070873A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Panasonic Corp 誘導加熱装置ならびにそれを用いた誘導加熱調理器
CN103841679A (zh) * 2012-11-26 2014-06-04 松下电器产业株式会社 感应加热装置和使用该感应加热装置的煮饭器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4494374B2 (ja) 2010-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101429414B1 (ko) 유도 가열장치 및 유도 가열방법
EP2237641B1 (en) Electromagnetic induction heating device
JP4313775B2 (ja) 誘導加熱方法および装置
JP5844017B1 (ja) 誘導加熱調理器およびその制御方法
JP5025698B2 (ja) 誘導加熱装置
JP6021516B2 (ja) 誘導加熱調理器およびその制御方法
JP5084875B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4494374B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4604018B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP6347044B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2019507461A (ja) ワークピースを加熱するための微調整された出力を有する高周波電源システム
JP2018538778A5 (ja)
JP5523410B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4406588B2 (ja) 誘導加熱方法および誘導加熱装置
JP5734390B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP5674896B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP6913048B2 (ja) 電磁誘導加熱装置
JP5289537B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP5404743B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP5625296B2 (ja) 誘導加熱装置
WO2018211745A1 (ja) 誘導加熱調理器
JP5084069B2 (ja) 誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP7222806B2 (ja) 電磁誘導加熱装置
US20240121867A1 (en) Induction heating cooktop
JP3741680B2 (ja) 誘導加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4494374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250