JP5084875B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器に、同心円状かつほぼ同一平面上に配設された内外コイルの巻数関係を、内コイルの巻数を外コイルの巻数以上に設定し、また、内コイルと外コイルの巻数の総和を17ターン以上22ターン以下としたものがある。なお、外コイルの最外径寸法は約200mm、内コイルの最内径寸法は約54mm、内外コイルの間隔は約15mmとしている(例えば、特許文献1参照)。
また、同心円状かつほぼ同一平面上に配設された内外コイルのうち、内コイルの最外径寸法を90mmとし、外コイルの最外径寸法を180mmとした誘導加熱調理器もある(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−353458号公報(第3−6頁、図2,図5) 特開2003−77629号公報(第3頁、図8)
ほぼ同心円状かつほぼ同一平面上に配設された複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器においては、小径側の加熱コイル(以下、「内コイル」という)に流れる電流を低減して回路損失とコイル損失を低減させる目的で内コイル巻数を十分に巻回すると、内コイルの最外径(仕上がり径)が大きくなってしまい、天板に載置する小径鍋の鍋径よりも大きくなるため、誘導加熱調理器を動作させた時に鍋の加熱に寄与しない磁束(漏洩磁束)が多く発生するという問題があった。
特許文献1の誘導加熱調理器においては、内外コイルの巻数の和を17ターン以上22ターン以下としているので、コイルの巻数が少ないためこれに流れる電流が大きく、回路損失とコイル損失が増大するという問題があった。また、内コイルの巻数が外コイルの巻数より多いため、内コイルの最外径が大きくなり、小径鍋を加熱する際に、加熱に寄与しない漏洩磁束が多く発生するおそれがあった。
また、特許文献2の誘導加熱調理器においては、内コイルの最外径寸法を90mmとしているので、内コイルの巻数を十分に確保することができないため、内コイルに流れる電流が大きくなって回路損失とコイル損失が増大するという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加熱コイルの冷却能力を向上させることを可能にした誘導加熱調理器を提供することを目的としたものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、上面が開口された箱状の本体ケースと、前記本体ケースの上面開口に、周囲が保持枠により保持された状態で装着され、被加熱物を載置可能な天板と、前記保持枠の後部側に形成された外気導入口と、直流電圧を変換して高周波の交流電圧を出力するインバータと、前記天板の下方に配置され、前記インバータの出力段に接続された加熱コイルと、前記加熱コイルを下方より支持するコイルベースとを備え、前記加熱コイルは、ほぼ同心円状かつ同一平面上に配置された複数の加熱コイルで構成され、前記複数の加熱コイルのうち、小径側の加熱コイルの巻線層数を大径側の加熱コイルの巻線層数よりも多くし、前記大径側の加熱コイルの巻線と前記コイルベースとの間にスペーサを設け、前記スペーサを、その内部が通風できる構造とし、前記外気導入口からの空気を、前記大径側の加熱コイルの下方から前記大径側の加熱コイルと天板との間に向けて通風するとともに、前記大径側の加熱コイルの下方から前記スぺーサにより形成された空間に通風する。
この発明の誘導加熱調理器は、前記加熱コイルの巻線と前記コイルべースとの間にスペーサを設け、前記スペーサを、その内部が通風できる構造としたので、加熱コイルの冷却能力を向上させることが可能になっている。
この発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の電気回路構成図である。 図2のインバータ駆動信号波形図である。 この発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の加熱コイル巻線の巻回方法の説明図である。 図4のA−A断面図である。 この発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 実施の形態3により本発明の発明者が実験で得た、外コイル巻線の下面のスペーサの有無による加熱効率測定データの説明図である。 この発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの断面図(図6のB−B断面図)ある。 この発明の実施の形態5により本発明の発明者が実験で得た、加熱コイルと天板とのギャップを様々に変化させたときの加熱効率のデータを示す説明図である。 この発明の実施の形態6に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 この発明の実施の形態7により本発明の発明者が実験で得た、鍋径を異ならせたときの漏洩磁束の測定データの説明図である。 この発明の実施の形態8に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。 この発明に係る加熱コイルを実施した誘導加熱調理器の一例の全体構成を示す斜視図である。
図13はこの発明に係る誘導加熱調理器の一例を示す斜視図である。上面及び前面が開口された箱状の本体ケース20の上面開口部には、例えば板ガラスの如き非磁性材からなり、周囲が保持枠14により保持された天板11(トッププレート)が装着されている。13a,13b,13cは天板11の上面に印刷されて被加熱物の載置位置を表示する載置部で、その下面(天板11の下)には後述の加熱コイル(図示せず)がそれぞれ配設されている。15は保持枠14の後部側に設けた外気導入口である。
また、本体ケース20の前面開口部には前面パネル21が設けられており、前面パネル21には、操作部22及び引出し式のロースタ23が設けられている。24は本体ケース20の前面パネル21の上部に設けられた排気口である。なお、本発明に係る加熱コイルを実施する誘導加熱調理器は、図示のものに限定するものではなく、他の構造のものであってもよい。
[実施の形態1]
図1はこの発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱コイル部分の1/2断面図、図2は本実施の形態の電気回路構成図、図3は本実施の形態におけるインバータ駆動信号波形図である。
図1及び図2において、スイッチング素子によって構成されたアーム4a,4b,4cのうち、アーム4aとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータの出力段には、中心部側に設けた小径の加熱コイル5a(以下、内コイルという)と共振コンデンサ6aの直列共振回路が接続されており、また、アーム4bとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータの出力段には、内コイル5aの外周に設けた大径の加熱コイル5b(以下、外コイルという)と共振コンデンサ6bの直列共振回路が接続されている。
内コイル5aと外コイル5b(以下、両者を合わせて加熱コイル5と記すことがある)は、ほぼ同心円状かつ同一平面上に配設され、その素線径及び撚り数は同一であり、耐熱性にすぐれた材料からなるコイルベース10に一体的に固定されている。
そして、内コイル5aと外コイル5bの上面には、天板11を介して載置部13a〜13c(図13)上に、例えば鍋やフライパンの如き被加熱物8a,8b(以下、これらを被加熱物8と記すことがある)が載置される。なお、図1,図2において、1は商用電源、2は整流回路、3は平滑回路、7は制御部であり、9は内コイル5aと外コイル5bの下面に、コイルベース10を介して配設された高透磁率材料である。
上記のように構成した加熱コイル5を備えた誘導加熱調理器においては、例えば、直径200mm程度の大径鍋8bが天板11上に載置されると、制御部7が図3に示す駆動信号を出力してアーム4aとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータが動作を開始し、内コイル5aと共振コンデンサ6aの直列共振回路に通電されて内コイル5aに電流が流れる。また、同時にアーム4bとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータが動作を開始し、外コイル5bと共振コンデンサ6bの直列共振回路に通電されて外コイル5bに電流が流れる。これら同時通電により天板11上に載置された被加熱物8bは誘導加熱される。
一方、例えば、直径120mm〜140mm程度の小径鍋8aが天板11上に載置されると、制御部7がアーム4aとアーム4cにのみ駆動信号を出力し、アーム4aとアーム4cで構成されるフルブリッジインバータのみが動作を開始し、内コイル5aと共振コンデンサ6aの直列共振回路に通電されて内コイル5aに電流が流れる。このときアーム4bは駆動しないため、外コイル5bと共振コンデンサ6bの直列共振回路には通電されない。
ところで、アーム4a〜アーム4cで構成されるインバータの回路損失と加熱コイル5の損失を低減するためには、アーム4a〜4cに流れる(即ちスイッチング素子に流れる)インバータ電流を低減させる必要があるが、これは加熱コイル5の巻回数を多くしてコイル抵抗Rsを増加させることで実現することができる。しかしながら、このように加熱コイル5の巻数を多くすると、必然的に内コイル5a及び(又は)外コイル5bの最外径(仕上がり径)が大きくなることになる。
そこで、本実施の形態においては、上記のような直径120mm〜140mm程度の小径鍋8aを内コイル5aのみ通電させて加熱する場合を想定し、巻数を多くした内コイル5aの最外径(仕上がり径)が大きくならないように、外コイル5bに対してその巻線層数を多くしたものである。
図1は内コイル5aの巻線層数を3、外コイル5bの巻線層数を2とした例である。例えば、総巻数51ターンを有する内コイル5aの巻線層数を外コイル5bの巻線層数よりも多い3層構造とすることで、外コイル5bと同様の2層構造とする場合と比べて最外径(仕上がり径)を小さくすることができる。
上記の説明では、ほぼ同心円状かつほぼ同一平面上に配設された加熱コイル5の個数を内コイル5aと外コイル5bの2つとした場合を示したが、加熱コイル5の個数を3つ以上としてもよい。3つ以上とする場合は、スイッチング素子で構成されるアームの個数を加熱コイルの個数に応じて増設すればよい。また、インバータ構成と火力制御方法を、3アームによる2フルブリッジインバータ位相可変制御としているが、4アームによる2フルブリッジインバータ位相可変制御や、2アームによる2ハーフブリッジインバータデューティ可変制御等としても同様の効果を得ることができる。
さらに、インバータを構成する複数のスイッチング素子(IGBT等)を、ディスクリート部品ではなく1つのモジュール(Intelligent Power Module, IPM)に収めた構成とすることにより、ノイズ耐性の向上による信頼性の改善や部品数削減による工作性の改善が得られる(これらは、他の実施の形態においても同様である)。
本実施の形態によれば、内コイル5aの巻線層数を外コイル5bの巻線層数よりも多くした加熱コイル構造としたので、インバータ電流を低減させて回路損失とコイル損失を低減させるために、内コイル5aの巻回数を多くしても内コイル5aの最外径を小さくすることができ、小径鍋を加熱する際に内コイル5aから発生する漏洩磁束を低減することができる。また、外コイル5bの巻線層数を内コイル5aの巻線層数より少なくしたままなので、外コイル5bの巻数を多くすることなく最外径(仕上がり径)を大きくすることができ、大径鍋を加熱する際に鍋底全体を加熱することができ、そして、外コイル5bの巻数を不必要に増加させなくてもよいので、コストの上昇を防止することができる。
[実施の形態2]
図4はこの発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの巻回方法の説明図、図5は図4のA−A断面図である。なお、加熱コイルの構造は図1と同様なので説明を省略する。
実施の形態1では、内コイル5aの巻線層数を外コイル5bの巻線総数より多くするようにしたが、本実施の形態においては、内コイル5aの巻線層数を4以下にしたものである。
内コイル5aは図1のように下から上へ順次、1層目,2層目,3層目と層数を増やしながら巻回し、あるいは図4のように折り合いながら層数を重ねていくことで多層構造とするが、いずれの巻回方法においても各層のコイル巻線を流れる高周波電流の大きさは同じであり、したがって層単位で発生する交番磁束の強さも層によらず同じとなる。ここで層数を多くするほど被加熱物8と最下層までの距離は大きくなり、最下層で発生した交番磁束が被加熱物8に到達しにくくなる。図1は一例として内コイルを3層構造としているが、1〜4層とした場合では全ての層で発生した交番磁束が被加熱物8に到達し、全層が被加熱物8の加熱に寄与する。ところが層数を5層以上とすると、最下層で発生した交番磁束が被加熱物8に到達しにくくなり被加熱物8の加熱に寄与しなくなることから、加熱効率が低下してしまうという事態を招くことになる。
以上のように、本実施の形態においては、外コイル5bよりも巻線層数を多くする内コイル5aの巻線層数を4以下としたので、加熱効率の低下を回避した高性能な誘導加熱調理器を提供することができる。
[実施の形態3]
図6はこの発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図、図7は本発明の実施の形態にて本発明の発明者が実験で得た、外コイルの下面のスペーサの有無による加熱効率測定データの説明図である。
実施の形態1,2では、内コイル5aの巻線層数について述べたが、本実施の形態は、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間にスペーサ12を設けたものである。
図6において、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間にスペーサ12を設け、外コイル5bの巻線をスペーサ12の厚み分だけ天板11方向へ移動させたものである。ここで、スペーサ12はコイルベース10と同様の耐熱性に優れた材料からなり、リブ形状としてもよく、コイルベース10と一体成型し、あるいは別材料としてもよい。加熱コイル5のその他の構造は図1と同様であり、説明を省略する。
内コイル5aの巻線層数を外コイル5bの巻線層数よりも多くすると、図1に示すように必然的に外コイル5bと天板11との間隙d(以下、「ギャップ」という)は、内コイル5aと天板11とのギャップよりも大きくなる。そこで、本実施の形態においては、天板11と、外コイル5b及び内コイル5aのそれぞれのギャップがほぼ等しくなるように、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間にスペーサ12を設けたものである。
このようにして、外コイル5bの下面にスペーサ12を設けた場合と、設けない場合とで、材質と大きさが共に異なる2種類の被加熱物(鍋Aと鍋B)を用いたときの加熱効率を測定した結果を図7に示す。ここで、加熱コイル5と天板11とのギャップ(即ち、加熱コイル5と被加熱物8とのギャップに等しい)が小さくなるほど、被加熱物8への交番磁束が増加するため加熱効率ηは向上することが分かっており、後述の図9がそれを裏付ける該当データとなっている。図7においても、スペーサ12を設けて外コイル5bと天板11とのギャップを小さくすることで、鍋Aと鍋Bの載置時ともに加熱効率が向上しているデータが得られている。
また、冷却風を、太線矢印で示すように外コイル5bの下方から外コイル5bの巻線と天板11の間に向けて通風し、次に内コイル5aの巻線と天板11の間を通風させることで、通電により自己発熱する内コイル5aと外コイル5bを冷却している。
以上のように、本実施の形態においては、内コイル5aの巻線層数を外コイル5bの巻線層数より多くした加熱コイルにおいて、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間にスペーサ12を設けて、外コイル5bと天板11とのギャップを小さくするようにしたので、加熱効率を向上させることができ、高性能な誘導加熱調理器を提供することができる。
また、内コイル5aと天板11とのギャップと、外コイル5bと天板11とのギャップをほぼ等しくしたので、加熱コイル5の巻線と天板11間(即ちギャップ)に通風して加熱コイル5を冷却する際、内コイル5aと外コイル5bの双方に満遍なく冷却風を当てることができ、内コイル5a,外コイル5b共に十分冷却することができる。
[実施の形態4]
図6の細線矢印は、本実施の形態における誘導加熱調理器の冷却風の流れを示すものであり、図8は図6のB−B断面図である。
実施の形態3では、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間にスペーサ12を設けた場合を示したが、本実施の形態はそのスペーサの形状に関するものである。
図8において、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間に設けたスペーサ12は、コイルベース10と一体成型するか、あるいは図のように別材料としてもよい。また、スペーサ12の形状は、図のように所定の間隔で設けたリブ形状にしてもよく、要は外コイル5bの下面に空間を形成して通風できる形状となっていればよい。加熱コイルのその他の構造は図1と同様であり、説明を省略する。
図6の太線矢印に示すように、外コイル5bの下方から外コイル5bの巻線と天板11の間に向けて通風し、またこれに加えて、図6の細線矢印に示すように、外コイル5bの下方からスペーサ12により形成された空間に通風し、内コイル5aの巻線と天板11の間を通風する。その通風方向は、図のように外コイル5bの最外径側から内径側に向けての径方向、又は内径側から最外径側に向けての径方向(矢印は図示せず)となる。
本実施の形態においては、外コイル5bの巻線とコイルベース10との間に設けたスペーサ12を加熱コイル5を冷却するための冷却風を流すように形成したので、加熱コイル5の上面のみならず加熱コイル5の下面からも冷却することができ、通電により自己発熱する加熱コイル5の冷却能力が向上してコイル温度をより低下することができ、よって誘導加熱調理器の信頼性を向上させることができる。
また、スペーサ12の通風方向を、外コイル5bの最外径側から内径側に向けての径方向、又は内径側から最外径側に向けての径方向としたので、加熱コイル5の巻線全体を満遍なく冷却することができる。
[実施の形態5]
図9は本発明の実施の形態において本発明の発明者が実験で得た、加熱コイルと天板とのギャップを様々に変化させたときの加熱効率のデータを示す説明図である。
実施の形態3では、外コイル5b及び内コイル5aと天板11とのそれぞれのギャップがほぼ等しくなるように外コイル5bの巻線とコイルベース10との間にスペーサ12を設けた場合を示したが、本実施の形態においては、内コイル5a及び外コイル5bの巻線と天板11とのギャップを約3mm以下にしたものである。
図9は加熱コイル(コイル5aとコイル5b)の巻線と天板11とのギャップを0.5mm〜6.5mmの範囲で変化させたときの加熱効率を測定した結果を示すもので、ギャップが増加しても加熱効率は約3mmまでは低下しないという結果が得られた。加熱効率の低下は、ギャップの増加に伴い被加熱物8への交番磁束が低減するためであるが、図9のデータから交番磁束の低減割合は、ギャップが0.5mm〜3mm程度では変化しないことが明らかになった。よって、加熱コイル5と天板11とのギャップを約3mm以下とした。
本実施の形態によれば、加熱コイル5の巻線と天板11とのギャップを約3mm以下としたので、ギャップの増加による加熱効率の低下を回避することができ、高性能な誘導加熱調理器を提供することができる。
[実施の形態6]
図10は実施の形態6に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
本実施の形態に係る加熱コイル5は実施の形態3(図6)の加熱コイル5と比較して内コイル5aの巻線間ピッチを小さくしたものであり、内コイル5aの最外径を変えることなく巻数のみ増加させたものである。加熱コイルのその他の構造は図1や図6と同様であり、説明を省略する。
本実施の形態においては、内コイル5aの巻数を増加させるため、巻線間ピッチ(図10の矢印部)を調整することで行う。これは線材の撚りピッチを大きくし、線材の巻きテンションを大きくして巻きピッチを小さくすることで実現することができる。このようにして巻線間ピッチを小さくして巻数を増加させたものである。
ここで、図10では外コイル5bの下面にスペーサ12を設けた場合を示しているが、本実施の形態においては、スペーサ12を設けなくてもよく、また、内コイル5aと外コイル5bと天板11とのギャップをほぼ一致させなくてもよい。即ち、スペーサ12の厚み及び有無については何ら問わない。また、図10では内コイル5aの巻線間ピッチのみを小さくしているが、内コイル5aと外コイル5b双方とも巻線間ピッチを小さくして巻数を増加させてもよい。
本実施の形態によれば、内コイル5a、又は内コイル5aと外コイル5bの双方の巻線間ピッチを小さくして巻数を増加させるようにしたので、内コイル5aについては最外径(仕上がり径)を大きくすることなく巻数を増加することができ、インバータ回路の損失と加熱コイルの損失を低減することができる。また、巻線層数も多くすることで内コイル5aの最外径が大きくならないため、小径鍋を内コイル5aのみ通電させて加熱する場合に、内コイル5aから発生する漏洩磁束を増大させることがない。
[実施の形態7]
図11は実施の形態7に係る誘導加熱調理器に径の異なる複数の鍋を載置して内コイルのみに通電し、誘導加熱調理器を動作させたときに本発明の発明者が実験によって得られた漏洩磁束の測定データの説明図である。なお、図11において、入力電流は商用電源1(図2)から供給される実効電流量、内コイル電流は内コイル5aに流れる実効電流量である。
図11は材質の異なる2種類の被加熱物(鍋Cと鍋D)の鍋径を100mm,120mm,140mmと変化させて天板11に載置し、内コイル5aのみに通電して誘導加熱調理器を動作させたときの漏洩磁束を測定した結果を示すもので、実験条件として最外径133mmの内コイル5aを使用し、鍋の種類と鍋径に応じて動作周波数を変更して一定の入力電力を得たものである。図11より、鍋Cと鍋Dともに鍋径を小さくした方が、入力電流と内コイル電流はほぼ一定であるにも関わらず漏洩磁束は大きくなっているのが分かる。これは最外径133mmの内コイル5aに対して鍋径を小さくしていくと(換言すれば、鍋径に対して内コイル5aの最外径を大きくしていくと)、鍋の加熱に寄与しない磁束が多く発生するためである。これより、漏洩磁束を低減するためには内コイル5aの最外径を鍋径よりも小さくする必要があることが分かった。
ここで、誘導加熱調理器で一般的に使用される小径鍋の中でもっとも小さい鍋径は120mm程度であることから、内コイル5aの最外径(仕上がり径)を約120mm以下とした。
本発明によれば、巻線層数を外コイル5bよりも多くした内コイル5aの最外径(仕上がり径)を約120mm以下にしたので、誘導加熱調理器で一般的に使用される鍋のうち最も小さい鍋径よりも小さくなるため、誘導加熱調理器の使用者が一般的な鍋のどれを使用しても確実に漏洩磁束を低減することができる。
[実施の形態8]
図12は、この発明の実施の形態8に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの1/2断面図である。
実施の形態1や実施の形態6では外コイル5bの最外径(仕上がり径)を極力大きくして大径鍋を加熱する場合について述べたが、本実施の形態は外コイル5bの最外径(仕上がり径)を、内コイル5aの最外径(仕上がり径)に応じて小さくしたものである。
図12において、内コイル5aは巻線層数を多くし、例えば実施の形態6の図10と比較してその最外径(仕上がり径)を極力小さくしており(内コイル5aの巻数については本実施の形態では指定せず)、また内コイル5aの最外径に応じて外コイル5bの巻数を変えることなく(例えば、図10の場合と同じ)、巻回始めと巻き回終わり位置をさらに加熱コイル5の中心方向に移動させたものである。加熱コイル5のその他の構造は図1と同様であり、説明を省略する。
例えば、実施の形態6の図10と比較して内コイル5aの最外径を極力小さくしたとき、内コイル5aの外径と外コイル5bの内径との距離を極力変化させないようにするために、外コイル5bの巻回始めの位置をさらに加熱コイル5の中心方向に移動させる。また、外コイル5bは巻数を変えることなく巻回終わるようにするため、必然的に巻回終わりの位置もさらに加熱コイル5の中心方向に移動することになる。なお、内コイル5aの外径と外コイル5bの内径との距離を極力変化させないとしたが、これは距離を小さくしてしまうと内コイル5aと外コイル5bとの被加熱物8を介した係合係数が大きくなり、内コイル5aのみに通電したときに外コイルに不必要に流れる’誘導電流’が大きくなってしまうためであり、逆にこの距離を大きくしてしまうと外コイル5bの巻数を十分に確保できないためである。
このように構成した外コイル5bの最外径は、例えば実施の形態6の図10と比較して小さくなるため、この外コイル5bを図13に示す誘導加熱調理器のメイン載置部13a,13b以外(図では奥の載置部13c)の加熱コイル5として使用することが考えられ、例えば中鍋8cの加熱用に利用することができる。
ここで、図12では外コイル5bの下面にスペーサ12を設けた場合を示したが、本実施の形態においてはスペーサ12を設けることなく外コイル5bの最外径を小さくしてもよい。即ち、スペーサ12の厚みについては何ら問わない。また、図12では内コイル5aの巻線間ピッチのみを小さくしているが、内コイル5aと外コイル5b双方とも巻線間ピッチを小さくしてもよい。なお、本実施の形態においては加熱コイル5の巻線と天板11とのギャップについては何ら指定しない。
本実施の形態によれば、外コイル5bの最外径(仕上がり径)を、巻数はそのままで内コイル5aの最外径に応じて小さくしたので、回路損失とコイル損失を増大させることなくメインの載置部13a,13b以外の中鍋用の載置部13cの加熱コイル5に適用することができ、誘導加熱調理器をトリプルIHといった次世代機種へ転換することができる。
4a,4b,4c インバータアーム、5 加熱コイル、5a 加熱コイル(内コイル)、5b 加熱コイル(外コイル)、7 制御部、8a 被加熱物(小鍋)、8b 被加熱物(大鍋)、8c 被加熱物(中鍋)、10 コイルベース、11 天板、12 スペーサ、13a,13b,13c 被加熱物の載置部。

Claims (2)

  1. 上面が開口された箱状の本体ケースと、
    前記本体ケースの上面開口に、周囲が保持枠により保持された状態で装着され、被加熱物を載置可能な天板と
    前記保持枠の後部側に形成された外気導入口と、
    直流電圧を変換して高周波の交流電圧を出力するインバータと、
    前記天板の下方に配置され、前記インバータの出力段に接続された加熱コイルと、
    前記加熱コイルを下方より支持するコイルベースと
    を備え、
    前記加熱コイルは、ほぼ同心円状かつ同一平面上に配置された複数の加熱コイルで構成され、
    前記複数の加熱コイルのうち、小径側の加熱コイルの巻線層数を大径側の加熱コイルの巻線層数よりも多くし、
    前記大径側の加熱コイルの巻線と前記コイルベースとの間にスペーサを設け、
    前記スペーサを、その内部が通風できる構造とし
    前記外気導入口からの空気を、前記大径側の加熱コイルの下方から前記大径側の加熱コイルと天板との間に向けて通風するとともに、前記大径側の加熱コイルの下方から前記スぺーサにより形成された空間に通風する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記スペーサの内部における通風方向を、前記加熱コイルの径方向としたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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