JP2008038608A - デュアルフューエルエンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両において、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制する。
【解決手段】ハイブリッド車両1に、デュアルフューエルエンジン11、高電圧バッテリ12、ジェネレータ13、及びモータ14を設ける。エンジンの制御装置3に、PCM31を設ける。PCM31は、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、車両1の要求トルクが所定トルクよりも大きいときには、使用燃料をガソリン燃料へと切り換える。また、PCM31は、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、所定トルクを小さくする。
【選択図】図2
【解決手段】ハイブリッド車両1に、デュアルフューエルエンジン11、高電圧バッテリ12、ジェネレータ13、及びモータ14を設ける。エンジンの制御装置3に、PCM31を設ける。PCM31は、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、車両1の要求トルクが所定トルクよりも大きいときには、使用燃料をガソリン燃料へと切り換える。また、PCM31は、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、所定トルクを小さくする。
【選択図】図2
Description
本発明は、デュアルフューエルエンジンの制御装置に関するものである。
従来から、同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる2つの燃料を切り換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンが知られている。例えば、特許文献1のものでは、ガソリン燃料及びCNG(圧縮天然ガス)燃料を切り換えて使用可能になっている。
特開2003−293807号公報
ところで、デュアルフューエルエンジンでは、使用燃料を切り換えると、上記したように、2つの燃料は、その使用時のエンジントルクが相違するので、乗員が違和感を感じるおそれがある。
そこで、デュアルフューエルエンジンを、モータを備えたハイブリッド車両に適用し、使用燃料が2つの燃料のうちその使用時のエンジントルクが低い方の燃料のときに、バッテリからの電力をモータへ供給して駆動させることでモータによりトルクアシストすることが考えられる。
そのようにすると、乗員が違和感を感じることを抑制することができるが、使用燃料がその使用時のエンジントルクが低い方の燃料のときに、上述の如く、バッテリからの電力をモータへ供給するので、バッテリの蓄電量が少なくなりやすい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両において、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制することにある。
第1の発明は、同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる2つの燃料を切り換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンの制御装置であって、上記エンジンにより駆動可能な発電機と、少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、駆動輪に連結され、上記エンジンの使用燃料が上記2つの燃料のうち上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料のときに、上記バッテリからの電力が供給されて上記エンジンとともに上記駆動輪を駆動させるモータと、上記エンジンの使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、所定条件を満足するときに、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換える燃料切換手段と、上記バッテリの蓄電量が少ないほど上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合において上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換わりやすいように、上記所定条件を変更する所定条件変更手段とを備えたことを特徴とするものである。
これにより、デュアルフューエルエンジンの使用燃料が同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、所定条件を満足するときには、燃料切換手段により、使用燃料をその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換える。そして、所定条件変更手段は、バッテリの蓄電量が少ないほど使用燃料がその使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合において使用燃料がその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換わりやすいように、所定条件を変更するので、バッテリの蓄電量が少ないほど、トルクアシストのためにバッテリからの電力がモータへ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記所定条件とは、車両の要求トルクが所定トルクよりも大きいことであり、上記燃料切換手段は、上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、上記要求トルクが上記所定トルクよりも大きいときには、上記所定条件を満足するとして、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換えるように構成され、上記所定条件変更手段は、上記バッテリの蓄電量が少ないほど上記所定トルクを小さくすることで上記所定条件を変更するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、使用燃料がその使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、車両の要求トルクが所定トルクよりも大きいときには、燃料切換手段により、使用燃料をその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換える。そして、所定条件変更手段は、バッテリの蓄電量が少ないほど、その所定トルクを小さくするので、バッテリの蓄電量が少ないほど、使用燃料がその使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合において使用燃料がその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換わりやすくなり、これにより、トルクアシストのためにバッテリからの電力がモータへ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制することができる。
第3の発明は、同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる2つの燃料を切り換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンの制御装置であって、上記エンジンにより駆動可能な発電機と、少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、駆動輪に連結され、上記エンジンの使用燃料が上記2つの燃料のうち上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料のときに、上記バッテリからの電力が供給されて上記エンジンとともに上記駆動輪を駆動させるモータと、上記エンジンの使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、上記バッテリの蓄電量が第1所定量以下のときに、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換える燃料切換手段とを備えたことを特徴とするものである。
これにより、デュアルフューエルエンジンの使用燃料が同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、バッテリの蓄電量が第1所定量以下のときには、燃料切換手段により、使用燃料をその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換えるので、バッテリの蓄電量が少ないときには、トルクアシストのためにバッテリからの電力がモータへ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記燃料切換手段は、上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料の場合であって、上記バッテリの蓄電量が上記第1所定量よりも大きい第2所定量以上のときには、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料へと切り換えるように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、使用燃料がその使用時のエンジントルクが高い方の燃料の場合であって、バッテリの蓄電量が第1所定量よりも大きい第2所定量以上のときには、燃料切換手段により、使用燃料をその使用時のエンジントルクが低い方の燃料へと切り換えるので、バッテリの蓄電量が多いときには、トルクアシストのためにバッテリからの電力がモータへ供給され、バッテリの蓄電力が消費される。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が多くなることを抑制することができる。
第5の発明は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、上記2つの燃料は、ガソリン燃料と水素燃料とであることを特徴とするものである。
これにより、エンジンの使用燃料を、給油が容易であるガソリン燃料と、使用時の排ガスがクリーンである水素燃料で構成しているので、燃料が切れることを抑制しながら、低公害化を図ることができる。
本発明によれば、デュアルフューエルエンジンの使用燃料が同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、所定条件を満足するときには、使用燃料をその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換え、そして、バッテリの蓄電量が少ないほど使用燃料がその使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合において使用燃料がその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換わりやすいように、所定条件を変更するので、バッテリの蓄電量が少ないほど、トルクアシストのためにバッテリからの電力がモータへ供給されることを抑制することができ、このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制することができる。
別の発明によれば、デュアルフューエルエンジンの使用燃料が同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、バッテリの蓄電量が第1所定量以下のときには、使用燃料をその使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換えるので、バッテリの蓄電量が少ないときには、トルクアシストのためにバッテリからの電力がモータへ供給されることを抑制することができ、このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るデュアルフューエルエンジン(以下、エンジンという)の制御装置3を搭載したハイブリッド車両1(以下、車両1という)の概略構成図であり、図2は、エンジンの制御装置3のブロック図である。車両1は、図1に示すように、エンジン11及びモータ14を動力源として備え、これら双方の動力で動くパラレルハイブリッド車両である。車両1は、エンジン11、高電圧バッテリ12(以下、バッテリ12という)、ジェネレータ(発電機)13、及びモータ(電動機)14を備えている。
図1は、本発明の実施形態に係るデュアルフューエルエンジン(以下、エンジンという)の制御装置3を搭載したハイブリッド車両1(以下、車両1という)の概略構成図であり、図2は、エンジンの制御装置3のブロック図である。車両1は、図1に示すように、エンジン11及びモータ14を動力源として備え、これら双方の動力で動くパラレルハイブリッド車両である。車両1は、エンジン11、高電圧バッテリ12(以下、バッテリ12という)、ジェネレータ(発電機)13、及びモータ(電動機)14を備えている。
上記エンジン11は、図2に示すように、同じエンジン運転条件下で使用した時のエンジントルク(エンジン出力)が互いに異なるガソリン燃料及び水素燃料(「2つの燃料」に相当)を切り換えて使用可能な2ロータ式のロータリーエンジンである。図3は、エンジン回転数が2500rpmのときにおけるスロットル開度とエンジントルクとの関係を示す図である。同じエンジン回転数及びスロットル開度での使用時のエンジントルクは、図3に示すように、ガソリン燃料の方が水素燃料よりも大きい。
エンジン11は、2つのロータハウジング11aを有している。この各ロータハウジング11aは、略2節3葉トロコイド状の内周面を有しており、各ロータハウジング11a内には、略三角形状のロータ11bが収容されている。このロータ11bは、ロータハウジング11a内を遊星回転運動するようになっている。ロータ11bの周囲には、ロータハウジング11aとの間に3つの作動室が形成されている。この各作動室は、ロータ11bが1回転する間に吸気、圧縮、爆発、排気の4行程を順に行うようになっている。これにより、エキセントリックシャフト11cが、ロータ11bが1回転する間に3回転する。
各ロータハウジング11aには、吸気工程中の作動室へ水素燃料を直接噴射する水素燃料噴射弁11dと、圧縮された混合気に着火する2つの点火プラグ11eとが配設されている。
エンジン11の吸気通路11fには、エンジン11の吸入空気量を加減するスロットル弁11gが配設されている。このスロットル弁11gは、スロットル弁アクチュエータ11hによって駆動される。また、吸気通路11fは、スロットル弁11gの下流側で二股に分岐されており、この各分岐通路11iは、各ロータハウジング11aにつながっている。各分岐通路11iには、吸気工程中の作動室へガソリン燃料を間接噴射するガソリン燃料噴射弁11jが配設されている。
エンジン11には、図1に示すように、ガソリン燃料を収容するガソリン燃料タンク15と、水素燃料タンクを収容する水素燃料タンク16とが接続されている。ガソリン燃料タンク15は、ガソリン燃料をガソリン燃料噴射弁11j(図2参照)へ供給する一方、水素燃料タンク16は、水素燃料を水素燃料噴射弁11d(図2参照)へ供給する。
エンジン11は、エキセントリックシャフト11cが動力分割機構17に接続されていて、この動力分割機構17へ動力を供給する。動力分割機構17は、ジェネレータ13に接続されているとともに、左右の駆動輪18にディファレンシャルギア19を介して接続されていて、エンジン11からの動力を分割してジェネレータ13及び駆動輪18へ伝達可能になっている。
上記バッテリ12は、ジェネレータ13及びモータ14にインバータ・コンバータ20を介して接続されていて、ジェネレータ13からの発電電力及びモータ14からの回生電力が供給されて充電される。また、バッテリ12は、ジェネレータ13及びモータ14を駆動させるためのものであって、電力をジェネレータ13及びモータ14へ供給する。
上記ジェネレータ13は、エンジン11の起動時には、バッテリ12からの電力が供給されてエンジン11を始動し、エンジン11の始動後には、エンジン11の使用燃料がガソリン燃料の場合であってエンジントルクが車両1(運転者)の要求トルク(出力トルク)を超過しているときに、エンジン11からの動力が供給されて駆動され、バッテリ12へ電力を供給する。上記インバータ・コンバータ20は、バッテリ12からの直流電力を周波数などを制御した交流電力に変換してジェネレータ13へ供給し、ジェネレータ13からの交流電力を周波数などを制御した直流電力に変換してバッテリ12へ供給する。
上記モータ14は、両駆動輪18にディファレンシャルギア19を介して連結されていて、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって車両1の要求トルクをエンジントルクだけで賄うことができないときには、バッテリ12からの電力が供給されてエンジン11とともに両駆動輪18を駆動させる。また、モータ14は、車両1の減速(ブレーキ)時には、両駆動輪18からの駆動力を利用して回生動作して各駆動輪18へ回生制動力を付与し且つバッテリ12へ回生電力を供給する。上記インバータ・コンバータ20は、バッテリ12からの直流電力を周波数などを制御した交流電力に変換してモータ14へ供給し、モータ14からの交流電力を周波数などを制御した直流電力に変換してバッテリ12へ供給する。
上記エンジンの制御装置3は、図2に示すように、パワー・コントロール・モジュール31(以下、PCM31という。燃料切換手段、所定条件変更手段に相当)を備えている。このPCM31には、アクセル開度センサ35と、車速センサ36と、バッテリ電流/電圧センサ37と、上記インバータ・コンバータ20と、上記水素燃料噴射弁11dと、上記点火プラグ11eと、上記スロットル弁アクチュエータ11hと、上記ガソリン燃料噴射弁11jとが信号の授受可能に接続されている。
上記アクセル開度センサ35は、車両1のアクセル(図示せず)の開度を検出するものであって、アクセル開度を検出すると、その検出信号をPCM31へ供給する。上記車速センサ36は、車両1の車速を検出するものであって、車速を検出すると、その検出信号をPCM31へ供給する。そして、PCM31は、アクセル開度センサ35及び車速センサ36からの検出信号を受けると、車両1の要求トルクを算出(推定)する。
上記バッテリ電流/電圧センサ37は、バッテリ12の電流の強さ及び電圧を検出するものであって、バッテリ12の電流の強さ及び電圧を検出すると、その検出信号をPCM31へ供給する。そして、PCM31は、バッテリ電流/電圧センサ37からの検出信号を受けると、バッテリ12の蓄電量とバッテリ12の充放電量とを算出する。
上記インバータ・コンバータ20は、PCM31からの制御信号を受けると、モータ14のモータトルク(すなわち、バッテリ12からモータ14への電力供給量)及びジェネレータ13の発電量(すなわち、ジェネレータ13からバッテリ12への電力供給量)を制御する。上記水素燃料噴射弁11d及びガソリン燃料噴射弁11jは、PCM31からの制御信号を受けると、燃料噴射量が制御される。上記点火プラグ11eは、PCM31からの制御信号を受けると、点火タイミングが制御される。上記スロットル弁アクチュエータ11hは、PCM31からの制御信号を受けると、スロットル開度を制御する。
以下、本実施形態の特徴について説明する。
PCM31は、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、車両1の要求トルクが所定トルクよりも大きいときには、水素燃料噴射弁11d及びガソリン燃料噴射弁11jに制御信号を供給することで使用燃料をガソリン燃料へと切り換える一方、エンジン11の使用燃料がガソリン燃料の場合であって、車両1の要求トルクが所定トルクよりも小さいときには、水素燃料噴射弁11d及びガソリン燃料噴射弁11jに制御信号を供給することで使用燃料を水素燃料へと切り換える。
また、PCM31は、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合において使用燃料がガソリン燃料へと切り換わりやすくする。具体的には、PCM31は、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、所定トルクを小さくする。
本実施形態では、PCM31は、エンジン11の使用燃料を切り換えるための燃料切換えマップを記憶している。このマップは、バッテリ12の蓄電量毎に設けられていて、図4に示すように、車速及びアクセル開度をパラメータとしている。そして、PCM31は、バッテリ12の蓄電量に基づきマップを選び、そのマップにおいて、車速及びアクセル開度に基づき決定された車両1の要求トルクが、右肩下がりの要求トルクラインよりも右側のガソリン燃料領域にあるときには、エンジン11の使用燃料をガソリン燃料とし、要求トルクラインよりも左側の水素燃料領域にあるときには、使用燃料を水素燃料とする。この要求トルクラインは、バッテリ12の蓄電量が少なくなるほど、より左下側に位置するようになっている。このため、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、水素燃料領域が狭くなり、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合において使用燃料がガソリン燃料へと切り換わりやすくなる。
以下、図5を参照しながら、エンジン11の使用燃料の切換え時における各種トルク及びバッテリ12の蓄電量の時間変動の一例について説明する。図5は、車両1の加速時における時間変動を示すものであり、 図5(a)は、バッテリ12の蓄電量が多い場合の時間変動を示すものであり、図5(b)は、バッテリ12の蓄電量が小さい場合の時間変動を示すものである。図5から明らかなように、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、燃料切換え閾値(所定トルクに相当)を小さくしている(すなわち、閾値t2(図5(b)参照)<閾値t1(図5(a)参照))。言い換えると、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、水素燃料からガソリン燃料への切換えのタイミングを早くしている。このため、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合において使用燃料がガソリン燃料へと切り換わりやすくなる。
−エンジンの制御装置による燃料切換え制御−
以下、図6のフローチャートを参照しながら、エンジンの制御装置3による燃料切換え制御について説明する。
以下、図6のフローチャートを参照しながら、エンジンの制御装置3による燃料切換え制御について説明する。
ステップSA1では、バッテリ12の蓄電量を読み込む。ステップSA2では、バッテリ12の蓄電量に応じて燃料切換えマップを選択する。ステップSA3では、現在の使用燃料の情報、並びに車速センサ36及びアクセル開度センサ35からの検出信号を読み込む。ステップSA4では、水素燃料を使用中であるか否かを判定する。ステップSA4の判定結果がYESの場合(すなわち、水素燃料を使用中の場合)はステップSA5に進み、NOの場合(すなわち、ガソリン燃料を使用中の場合)はステップSA7に進む。
ステップSA5では、燃料切換え閾値を超えたか否かを判定する。ステップSA5の判定結果がYESの場合はステップSA6に進み、NOの場合はスタートにリターンする。ステップSA6では、水素燃料からガソリン燃料への切換えを行う。その後、スタートにリターンする。
一方、ステップSA7では、燃料切換え閾値を下回ったか否かを判定する。ステップSA7の判定結果がYESの場合はステップSA8に進み、NOの場合はスタートにリターンする。ステップSA8では、ガソリン燃料から水素燃料への切換えを行う。その後、スタートにリターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、車両1の要求トルクが所定トルクよりも大きいときには、PCM31により、使用燃料をガソリン燃料へと切り換える。そして、PCM31は、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、その所定トルクを小さくするので、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、使用燃料が水素燃料の場合において使用燃料がガソリン燃料へと切り換わりやすくなり、これにより、トルクアシストのためにバッテリ12からの電力がモータ14へ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリ12の蓄電量が少なくなること、つまり、バッテリ12の過放電を抑制することができる。
以上により、本実施形態によれば、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、車両1の要求トルクが所定トルクよりも大きいときには、PCM31により、使用燃料をガソリン燃料へと切り換える。そして、PCM31は、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、その所定トルクを小さくするので、バッテリ12の蓄電量が少ないほど、使用燃料が水素燃料の場合において使用燃料がガソリン燃料へと切り換わりやすくなり、これにより、トルクアシストのためにバッテリ12からの電力がモータ14へ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリ12の蓄電量が少なくなること、つまり、バッテリ12の過放電を抑制することができる。
また、エンジン11の使用燃料を、給油が容易であるガソリン燃料と、使用時の排ガスがクリーンである水素燃料で構成しているので、燃料が切れることを抑制しながら、低公害化を図ることができる。
なお、本実施形態では、所定条件とは、車両1の要求トルクが所定トルクよりも大きいことであるが、これ以外の条件であっても良い。
また、本実施形態では、所定条件を変更しているが、バッテリ12の蓄電量が少ないほど使用燃料が水素燃料の場合において使用燃料がガソリン燃料へと切り換わりやすくなる限り、この変更は如何なるものであっても良い。
また、本実施形態では、エンジン11の使用燃料がガソリン燃料の場合であって、車両1の要求トルクが上記所定トルクよりも小さいときには、使用燃料を水素燃料へと切り換えているが、そのように切り換えなくても良い。
(実施形態2)
実施形態1は、バッテリ12の蓄電量に応じて燃料切換え閾値を変更するものであったが、本実施形態は、バッテリ12の蓄電量に応じてエンジン11の使用燃料を切り換えるものである。以下、実施形態1との相違点ついて説明する。
実施形態1は、バッテリ12の蓄電量に応じて燃料切換え閾値を変更するものであったが、本実施形態は、バッテリ12の蓄電量に応じてエンジン11の使用燃料を切り換えるものである。以下、実施形態1との相違点ついて説明する。
以下、本実施形態の特徴について説明する。
PCM31は、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、バッテリ12の蓄電量が第1所定量(本実施形態では、最大蓄電量の20%に相当する量)以下のときには、水素燃料噴射弁11d及びガソリン燃料噴射弁11jに制御信号を供給することで使用燃料をガソリン燃料へと切り換える。
また、PCM31は、エンジン11の使用燃料がガソリン燃料の場合であって、バッテリ12の蓄電量が第1所定量よりも大きい第2所定量(本実施形態では、最大蓄電量の80%に相当する量)以上のときには、水素燃料噴射弁11d及びガソリン燃料噴射弁11jに制御信号を供給することで使用燃料を水素燃料へと切り換える。
−エンジンの制御装置による燃料切換え制御−
以下、図7のフローチャートを参照しながら、エンジンの制御装置3による燃料切換え制御について説明する。
以下、図7のフローチャートを参照しながら、エンジンの制御装置3による燃料切換え制御について説明する。
ステップSB1では、現在の使用燃料の情報及びバッテリ12の蓄電量を読み込む。ステップSB2では、水素燃料を使用中であるか否かを判定する。ステップSB2の判定結果がYESの場合(すなわち、水素燃料を使用中の場合)はステップSB3に進み、NOの場合(すなわち、ガソリン燃料を使用中の場合)はステップSB5に進む。
ステップSB3では、バッテリ12の蓄電量が最大蓄電量の20%に相当する量以下であるか否かを判定する。ステップSB3の判定結果がYESの場合(すなわち、20%に相当する量以下の場合)はステップSB4に進み、NOの場合(すなわち、20%に相当する量よりも多い場合)はスタートにリターンする。ステップSB4では、水素燃料からガソリン燃料への切換えを行う。その後、スタートにリターンする。
一方、ステップSB5では、バッテリ12の蓄電量が最大蓄電量の80%に相当する量以上であるか否かを判定する。ステップSB5の判定結果がYESの場合(すなわち、80%に相当する量以上の場合)はステップSB6に進み、NOの場合(すなわち、80%に相当する量よりも少ない場合)はスタートにリターンする。ステップSB6では、ガソリン燃料から水素燃料への切換えを行う。その後、スタートにリターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、バッテリ12の蓄電量が第1所定量以下のときには、PCM31により、使用燃料をガソリン燃料へと切り換えるので、バッテリ12の蓄電量が少ないときには、トルクアシストのためにバッテリ12からの電力がモータ14へ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリ12の蓄電量が少なくなること、つまり、バッテリ12の過放電を抑制することができる。
以上により、本実施形態によれば、エンジン11の使用燃料が水素燃料の場合であって、バッテリ12の蓄電量が第1所定量以下のときには、PCM31により、使用燃料をガソリン燃料へと切り換えるので、バッテリ12の蓄電量が少ないときには、トルクアシストのためにバッテリ12からの電力がモータ14へ供給されることを抑制することができる。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリ12の蓄電量が少なくなること、つまり、バッテリ12の過放電を抑制することができる。
また、使用燃料がガソリン燃料の場合であって、バッテリ12の蓄電量が第1所定量よりも大きい第2所定量以上のときには、PCM31により、使用燃料を水素燃料へと切り換えるので、バッテリ12の蓄電量が多いときには、トルクアシストのためにバッテリ12からの電力がモータ14へ供給され、バッテリ12の蓄電力が消費される。このため、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリ12の蓄電量が多くなること、つまり、バッテリ12の過充電を抑制することができる。
なお、本実施形態では、バッテリ12の蓄電量に応じてエンジン11の使用燃料を切り換えているが、使用燃料を切り換えるための燃料切換えスイッチを設け、この燃料切換えスイッチをオン操作することでも、使用燃料を切り換えることができるようにしても良い。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、エンジン11の使用燃料をガソリン燃料及び水素燃料で構成しているが、同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる限り、如何なるもので構成しても良く、例えば、ガソリン燃料及びCNG燃料で構成しても良い。
上記各実施形態では、エンジン11の使用燃料をガソリン燃料及び水素燃料で構成しているが、同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる限り、如何なるもので構成しても良く、例えば、ガソリン燃料及びCNG燃料で構成しても良い。
また、上記各実施形態では、エンジン11をロータリーエンジンで構成しているが、デュアルフューエルエンジンである限り、如何なるもので構成しても良く、例えば、4サイクル・エンジンで構成しても良い。
また、上記各実施形態では、バッテリ12は、ジェネレータ13からの発電電力及びモータ14からの回生電力が供給されて充電されるが、少なくともジェネレータ13からの発電電力が供給されて充電されれば良い。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るデュアルフューエルエンジンの制御装置は、デュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両において、乗員が違和感を感じることを抑制しながら、バッテリの蓄電量が少なくなることを抑制するための用途等に適用できる。
1 ハイブリッド車両
3 デュアルフューエルエンジンの制御装置
11 デュアルフューエルエンジン
12 バッテリ
13 ジェネレータ(発電機)
14 モータ
18 駆動輪
20 インバータ・コンバータ
31 PCM(燃料切換手段、所定条件変更手段)
3 デュアルフューエルエンジンの制御装置
11 デュアルフューエルエンジン
12 バッテリ
13 ジェネレータ(発電機)
14 モータ
18 駆動輪
20 インバータ・コンバータ
31 PCM(燃料切換手段、所定条件変更手段)
Claims (5)
- 同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる2つの燃料を切り換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンの制御装置であって、
上記エンジンにより駆動可能な発電機と、
少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、
駆動輪に連結され、上記エンジンの使用燃料が上記2つの燃料のうち上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料のときに、上記バッテリからの電力が供給されて上記エンジンとともに上記駆動輪を駆動させるモータと、
上記エンジンの使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、所定条件を満足するときに、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換える燃料切換手段と、
上記バッテリの蓄電量が少ないほど上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合において上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換わりやすいように、上記所定条件を変更する所定条件変更手段とを備えたことを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御装置。 - 請求項1記載のデュアルフューエルエンジンの制御装置において、
上記所定条件とは、車両の要求トルクが所定トルクよりも大きいことであり、
上記燃料切換手段は、上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、上記要求トルクが上記所定トルクよりも大きいときには、上記所定条件を満足するとして、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換えるように構成され、
上記所定条件変更手段は、上記バッテリの蓄電量が少ないほど上記所定トルクを小さくすることで上記所定条件を変更するように構成されていることを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御装置。 - 同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる2つの燃料を切り換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンの制御装置であって、
上記エンジンにより駆動可能な発電機と、
少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、
駆動輪に連結され、上記エンジンの使用燃料が上記2つの燃料のうち上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料のときに、上記バッテリからの電力が供給されて上記エンジンとともに上記駆動輪を駆動させるモータと、
上記エンジンの使用燃料が上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料の場合であって、上記バッテリの蓄電量が第1所定量以下のときに、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料へと切り換える燃料切換手段とを備えたことを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御装置。 - 請求項3記載のデュアルフューエルエンジンの制御装置において、
上記燃料切換手段は、上記使用燃料が上記使用時のエンジントルクが高い方の燃料の場合であって、上記バッテリの蓄電量が上記第1所定量よりも大きい第2所定量以上のときには、上記使用燃料を上記使用時のエンジントルクが低い方の燃料へと切り換えるように構成されていることを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のデュアルフューエルエンジンの制御装置において、
上記2つの燃料は、ガソリン燃料と水素燃料とであることを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006209737A JP2008038608A (ja) | 2006-08-01 | 2006-08-01 | デュアルフューエルエンジンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006209737A JP2008038608A (ja) | 2006-08-01 | 2006-08-01 | デュアルフューエルエンジンの制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008038608A true JP2008038608A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39173953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006209737A Pending JP2008038608A (ja) | 2006-08-01 | 2006-08-01 | デュアルフューエルエンジンの制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008038608A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008101526A (ja) * | 2006-10-18 | 2008-05-01 | Mazda Motor Corp | ハイブリッド車両の制御装置 |
JP2010038076A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Mazda Motor Corp | エンジン制御方法及びエンジン制御装置 |
JP2011063047A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Mazda Motor Corp | ハイブリッド車両の制御装置 |
JP2017047791A (ja) * | 2015-09-02 | 2017-03-09 | マツダ株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
JP2020133598A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | スズキ株式会社 | バイフューエル車両 |
-
2006
- 2006-08-01 JP JP2006209737A patent/JP2008038608A/ja active Pending
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JP7298185B2 (ja) | 2019-02-26 | 2023-06-27 | スズキ株式会社 | バイフューエル車両 |
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